星は巡りて月は道行く
神城・星羅
源・朔兎(f43270)との一緒のノベル希望
お世話になっている家族の家がある世界が戦火に包まれた!!慌てる星羅と朔兎だが大事な家族は落ち着いたもの。
流石多くの修羅場を潜ってきただけある。家族はまず情報を把握してから戦場にでるらしい。二人の動揺を見抜いていたのがアヤカシエンパイアで一息いれてこい、と言われた。生まれ故郷も災禍の中。一度原点に戻るのもいいだろう。
流石大人である。デートしてこいと遠回しにいっている気がするが朔兎がノリノリのようだし出向いてみよう。
生まれ故郷は秋の風。前朔兎と出向いた頃は蛍が飛んでいた。ああ、葉が色づいている。もうすぐ多くの秋の恵みが出るころであろうか。この街は平和なようである。
店によって美味しい秋の魚や獣の肉の焼いたものを頂く。やはり故郷の味はいい。ああ、菓子も果物もいい。財布は家族に一杯もらった。愛しい人はもう目がキラキラである。皇族の雰囲気は隠せないので、庶民の味を全力で楽しみ、全力で御礼をいっている。眩しいほどの笑顔で。
菓子と果物を家族のお土産にかい、亡くなった家族の葬られている場所に祈りにいく。お父様、お母様、兄様、姉様。今新しい家族の家のある世界が悪きものに滅ぼされようとしています。朔兎様と共に生き残ったのはこの時のためなんですね。
あの世で見守っててください。今度こそ守ってみせます。愛しき朔兎様とともに。熱心に鎮魂の祝詞を。
源・朔兎
神城・星羅(f42858)との同行ノベル希望
愛しい姫君、星羅の後を追ってサクラミラージュの師匠の家に押しかけたにもかかわらず、可愛がられ、鍛えられた大事な幻のサクラの都が悪しきものに蹂躙されようとしている。自分と星羅は慌てふためいたが、師匠達は一度目を丸くしただけで情報収集を始めた。流石数々の戦争と修羅場を乗り越えただけある。
星羅と朔兎の動揺ぶりをみて大戦に身を投じる前に生まれ故郷で過ごしてこい、といわれた。未だ災禍に見舞われているアヤカシエンパイア。一度原点に戻るのもいい。星羅も楽しみにしてるらしいし、師匠の気配りに甘えるとしよう。
そういえば前に来た時は蛍が飛んでいた。いつの間にか秋風がふいている。もうすぐ豊富で美味な秋の恵みが出回るころであろうか。この何気ない収穫を守るのも皇族の役目である。
秋の焼き魚、獣の肉、果物に菓子。皇族である事は隠せないので全力で味わって全力で美味しいといい、ちゃんと御礼もいう。お金もちゃんと払う。お土産もちゃんと買う。
たった一年だったが、星羅の実家の家族には世話になった。実の親を知らない自分にとって初めて家族のぬくもりを教えてくれた。新しい家族と世界、きっと守ってみせる。俺と星羅が生き残ったのはもう一度守り抜ける確かな力を確認する為だったと固く信じる。
星羅の祝詞と共に誓う。今度こそ、守り切る。貴方達の命の上に生きているからこそ。
●帝都櫻大戦
守らねばならぬだと思う。
それはきっとこれまでの連なりから来る思いであった。
神城・星羅(黎明の希望・f42858)と源・朔兎(既望の彩光・f43270)は、互いにアヤカシエンパイア出身の猟兵である。
しかし、彼等の出自は多くが暗く険しいものであった。
これから続く道のりも決して平坦ではないだろう。
誰かと幸せを比べることが不幸であるというのならば、きっと彼等はそうしないだろう。比べることもなく。己の等身大を以て道をゆくことだろう。
彼等が世話になっている家族はサクラミラージュと呼ばれる幻朧櫻が一年中咲き誇る世界に居を構えている。
平和な世界だ。
弱いオブリビオンが出現することあっても、世界の滅びとは無縁なる世界であるとも思えたのだ。
だが、現実は違う。
「どこかこの世界だけはと思っていたのかもしれない」
どちらが口にした言葉なのかはわからない。
けれど、世話になっている家族たちは立ち止まらなかった。
自分たちが動揺して足を止めたのを責めなかった。
それどころか、一度自身たちの原点たる世界に戻ってこいとも言われたのだ。
だから、二人してアヤカシエンパイアの大地を今踏みしめている。
本来ならば、そんなことをしている暇はなかったはずだ。
「それでもだ」
そう言われた言葉を思い出す。
これはなんだかんだで家族に気を使われたのかもしれない。
いらぬ気遣い! といえる程大人でもなければ子供でもない。
朔兎は、寧ろ心配りに甘えるべきだとさえ思ったのだ。
「だって、師匠たちが言うことだ。間違いなんてない。それに、戦いの中にあっても市井の人々の暮らしを見て、護るべきものを改めて認めるのも、それは戦う者の責務なんじゃあないか?」
彼の言葉は尤もな言い分だと思った。
まあ、と星羅は息を吐き出す。
彼が気乗りしないのならば、いざ知らず、寧ろ乗り気になっているのに水を差すつもりはない。
「それはそかもしれません、が」
「なんだ?」
「いささか、買い込み過ぎでは」
平和な街並み。
季節は残暑を通り過ぎ、そして秋を迎えようとしている。
秋は収穫の時期。
これより先、冬を迎えるためには、いつだって食事が肝心要である。ならばこそ、冬を迎えうつために多くの生物が実りを甘受するのだ。
だからというわけではないが、朔兎の抱えた食べ物はあまりに多い気がした。
「いや、あってあっちもこっちも気になるものばかりだったから」
焼き魚、獣の肉、果物、菓子めいたもの。
皇族である彼は、その溢れ出る一般人とは異なるオーラで、あちこちから買うというよりは貢がれるようにして、あれやこれやと腕に抱える事になっていた。
「ちゃんと御礼は」
「したさ! むしろ、恐縮されて気の毒だった!」
「ふふふ、それはそうかもしれませんね」
星羅が笑うと朔兎は顔を真っ赤にしてしまう。からかわれたのかと思った。
だが、それは気安い仲であればこそできるやり取りであったのかもしれないと思い直せば、その笑顔は喜ばしいことだった。
「目がキラキラしていますよ。そんなにお預けされいるのですか?」
「そ、そんなことはない! ただこれは!」
「はい、はい。わかっていますから。食べましょう」
そう言って星羅は朔兎の腕の中から果物を手にとってかじる。
果汁が溢れて口元が少し汚れるが、甘くて美味しい。
「美味しいですね。今年はできがよいのかも」
「食べ物が少ないよりはいいからな。不作よりずっといい」
二人はそんなふうに食べ物を食べながら、星羅の本当の家族……その墓所へと向かう。
墓石を見やれば、そこに彼等が埋葬されていることがわかる。
自分のルーツがそこにあるのだと理解できる。
故に星羅は手を合わせ、祈るのではなく誓う。
「……お父様、お母様、兄様、姉様」
その背中を朔兎は愛おしく思っただおる。そして、この背を守らねばならぬと思う。
いや、きっと、と誓うのだ。
己たちが生き残ったのは、もう一度守り抜ける確かな力を確認するためなのだと彼は固く心に信じる。
これはもう揺らぐ事のないものだ。
「あの世で見守っててください。今度こそ守ってみせます」
そう、今ある新しき家族の家が在る世界が滅ぼされようとしている。
他ならぬオブリビオンによって。
もしも、自分の生命に役割が在るというのならば、きっとこのときのためにあったのだと思うのだ。
二人は祝詞を捧げる。
鎮魂たる祝詞。
此処が己たちの原点。
守れなかったもの。守られたもの。
交錯していくのが世界の在り方だというのならば、今度は己たちが守る番なのだ。
「貴方達の生命の上に生きているからこそ」
今度こそ守り切るのだと言う朔兎の温もりを背に感じながら星羅は頷く。
二人は立ち上がる。
守られてきたのならば、守らねばならない。
その二つの誓いが今、征く――。
成功
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