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帝都櫻大戰②〜カリッ、ホクホク

#サクラミラージュ #帝都櫻大戰 #第一戦線

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●番外地
 『浅草六区』は、帝都随一の繁華街だ。
 寄席、劇場、高級料亭、ミルクホールなど、庶民が喜ぶ娯楽の目白押しである。
 そんな華やかな町並みの裏手にあるのが、『番外地』である。
 遊郭、賭場、闘場といった、後ろ暗い店が立ち並んでいる。
 そんな地区が、影朧の大発生地に変化しようとしていた。
 影朧に乗っ取られたのは、路地にある、流行のお菓子『揚げいも飴』の屋台。
 店主として振る舞う若い夫婦は、影朧だ。
 彼らが屋台に客を招き寄せるのを放っておいたなら、さらなる影朧の大発生が起こるのは間違いない。
 これを止めるために、影朧を浄化するには、どうしたらいいのか……?

●グリモアベース
「揚げいも飴を思いっきり楽しんできてくれ。そうすりゃ、影朧を浄化できるぜ!」
 宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)はにこやかに言う。
「どうもその影朧夫婦は、生前においしい揚げいも飴の研究をしてたみたいなんだが、道半ばで亡くなったらしくてな。何かしらアドバイスしてあげたり、屋台を手伝ってあげたり、揚げいも飴を沢山買って食べてあげたり……そういうことをしていれば、影朧の未練が薄れていくはずだ。最終的には、浄化できる」
 拓未は補足する。
「揚げいも飴ってのは、油で揚げたサツマイモに飴を絡めた……まあ、UDCアースで言うところの大学芋だな。サクラミラージュでは、流行のお菓子らしいぜ」
 拓未が言うには、その屋台では、『しっとり』『ほくほく』『ねっとり』の三種類の揚げいも飴が売られているという。一番人気は『しっとり』だ。
「こんな美味そうなスイーツ、見逃しちゃ損だよな。影朧たちすら上回る『圧倒的な情念』をもって番外地を楽しみ尽くして、影朧たちを浄化しちまえ!」
 拓未は笑って言い、グリモアを光り輝かせた。その光に包まれた猟兵は、番外地へと転送されていく――。


地斬理々亜
 地斬です。
 よろしくお願いします。

●プレイングボーナス
『とにかく楽しむ/楽しむふりはするが一線は越えない』
 これに基づく行動をすると有利になります。

●補足
 屋台には既に一般人の客が並んでいますが、彼らが揚げいも飴を買うのを妨害するなどの対策は不要です(揚げいも飴を食べると即影朧化! ということはありません)。

●プレイング受付期間
 【オープニング公開直後~9月2日(月)17時】を予定しています。

 それでは、皆様の楽しいプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『揚げいも飴、美味し』

POW   :    他の人が並んでいるのでちゃんと並んで買う

SPD   :    屋台のお手伝いをしてその報酬として貰う

WIZ   :    自分と別種類の揚げいも飴を買った人に食べ比べをしないか提案する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ユリッド・ミラベル
アドリブ・連携歓迎
UCで【仕事服】に着替えて提供の手伝いをする。
口調は接客モード。

(これで解決に繋がるならいくらでもやるさ)
【奉仕】も【料理】も普段の仕事のうちだからな。
接客に調理に、大抵のことは対応できるだろう。

揚げいも飴に関しては自分なりの分析結果を伝えてみたり。
一番人気は『しっとり』か。飴の甘さとバランスが丁度良いからなのか?
『ほくほく』も『ねっとり』も提供の調整が難しそうだしな。


薬袋・あすか
アドリブ絡み歓迎

旨いよな、大学いも。此処じゃ揚げいも飴つーんだったか?

|炭水化物と脂質と糖分の組み合わせ《生物のエネルギー源》なんだから不味いわけがないんだよなぁ

「しっとり」「ほくほく」「ねっとり」
当然三種類全部買って食べ比べるぜ?
問題ない、訳あってこの体ちと燃費が悪くてね
そんなことより今は芋だ

さつまいもの自然な甘さとカリカリの蜜…やっぱこうじゃないとな

アドバイス?
そうだねぇ、三種類を小さく切って色々な味が少しずつ楽しめるアソートを出すとか…
同じく流行りのアイスクリンを乗せて一緒に食べるとか?温かいと冷たいの奇跡の組み合わせで永久機関の完成だ
騙されたと思ってやってみな



●揚げいも飴はいかが?
「旨いよな、大学いも。此処じゃ揚げいも飴つーんだったか?」
 薬袋・あすか(雪ん子・f40910)は、短い黒髪をふわりと揺らして笑った。
(「|炭水化物と脂質と糖分の組み合わせ《生物のエネルギー源》なんだから、不味いわけがないんだよなぁ」)
 内心あすかはそう思う。つまり、サツマイモと油と飴を合わせた揚げいも飴は、間違いなく美味しいのである。
 一方、ユリッド・ミラベル(紅茶色の右耳折れ・f22442)は、ユーベルコード『オール・ワークス!』を発動し、一瞬で仕事服に着替えていた。主に喫茶店での給仕に用いるその服を身に纏って、ユリッドは屋台に歩み寄る。
「オレにも提供の手伝いをさせて欲しい」
 屋台の店主である影朧の夫婦は顔を見合わせ、それからにっこりユリッドへと笑った。
「手が足りないから、助かるよ」
「ええ、とってもありがたいわ」
 こうしてユリッドは、屋台の内側に招かれた。
(「これで解決に繋がるなら、いくらでもやるさ」)
 普段から純喫茶のオーナーとして働いているユリッドにとっては、接客も調理も手慣れたものである。
 そんなユリッドに、あすかが客としての注文を行う。
「『しっとり』『ほくほく』『ねっとり』、三種類全部を頼むぜ」
 あすかのその言葉を聞いたユリッドは、軽く橙色の瞳を見開いた。一見、あすかは線が細い体格であり、あまり多い量を食べるようには見えなかったのだ。
「食べきれるのか?」
「問題ない、訳あってこの体ちと燃費が悪くてね。そんなことより今は芋だ」
「わかった」
 あすかの答えを聞いたユリッドは、それ以上深く尋ねることはなく、揚げいも飴の調理に取りかかった。
「芋の種類を取り違えないようにな。揚げ時間の調整も忘れずに」
「飴の量もね。『ほくほく』は飴控えめ、『ねっとり』は飴多めよ。『しっとり』はその中間ね」
「ああ」
 影朧夫婦からの指示をしっかり頭に叩き込みながら、ユリッドは手際良く調理を進めていく。
 やがて、三種の揚げいも飴が仕上がった。
「お待ちどおさまだ」
「お、ありがとさん。いただきまーす」
 ユリッドから揚げいも飴を受け取ったあすかは、嬉しそうにそれを口に運んだ。
「さつまいもの自然な甘さとカリカリの蜜……やっぱこうじゃないとな」
 ほっこりと表情を綻ばせながら、あすかは次々に食べ進めていく。その様子を見て、ユリッドもほんのりと笑みを浮かべた。
「揚げいも飴、あなたもどうぞ」
「頑張ってくれたからな、報酬だ」
「ああ、ありがとう」
 影朧夫婦が差し出した揚げいも飴を、ユリッドが受け取り、頬張る。
 カリッとした硬い歯触りの後に、しっとりとした食感の芋が現れた。
「これは『しっとり』だな。飴の甘さとバランスが丁度良い。それに、芋が、揚げた後も水分をほどよく保っているな。滑らかな食感だ。一番人気なだけある」
 自分なりの分析結果を、ユリッドは伝える。
「あら、嬉しいわ」
「ありがとう、他の二種はどうだ?」
 店主に勧められ、ユリッドは『ほくほく』と『ねっとり』も食べてみた。
「悪くない。『しっとり』一種の他にバリエーションがあるのは、客の選択肢が広がるから、良いことだと思う。ただ、この二種は提供の調整が難しいんじゃないのか?」
「確かにね。調整はまあ、気合いでなんとかしてるわね」
「ふむ。助言をありがとう。そこのお客さん、君からは何かあるか?」
 影朧の店主に水を向けられ、あすかは顔を上げた。
「僕からのアドバイス? そうだねぇ、三種類を小さく切って色々な味が少しずつ楽しめるアソートを出すとか……」
「アソヲト! 良いわね、それ」
「ああ、良いな!」
 影朧夫婦の反応は上々だ。
「あとは、同じく流行りのアイスクリンを乗せて一緒に食べるとか? 温かいと冷たいの奇跡の組み合わせで、永久機関の完成だ」
「アイスクリン……!」
「ひやあつのデザアトだな!」
 あすかの言葉に夫婦が目を輝かせる。
「騙されたと思ってやってみな」
「ええ、やってみたいわ!」
「後でアイスクリンも仕入れないとな!」
 このまま影朧が浄化されれば、その『後で』はきっと来ない。けれど、あすかもユリッドも何も言わず、ただ、にこやかに揚げいも飴を楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルキフェル・ドレンテ
揚げ芋?
何だ、その素朴というかいっそ野暮な菓子は?
…ふむ
そうか、甘味好きな貴様がそうまで言うなら旨いのだろう

嗚呼待ちなさい、M'lady
この店は随分繁盛しているらしい、癪だが並んで待たねばならぬ――何だ、並ぶのも楽しいと?
俺には解らぬ感覚だが、貴女が楽しいなら結構だ
それで、ふむ
しっとりだかほくほくだか、全く、何を言っているのか露も解らぬ
故に全種を寄越せ
M'ladyが気に入った種類を後でリピートすれば良いのだ
…ほう?しっとりとやらが好みだと?
確かに美味だ
おい、これをもっと売ってくれ
日持ちは如何程だ
保存の仕方も教えてくれると尚良い

…馬の骨よ、貴様らの研究は良いものだな
M'ladyの代わりに礼を言う



●彼女の喜び
『素朴というかいっそ野暮な菓子』
 それが、揚げいも飴について聞いた、ルキフェル・ドレンテ(嘆きの明星・f41304)の最初の感想だった。
 けれど、甘味好きなグリモア猟兵の言を聞いて、この屋台を訪れることに決めたのだ。
「嗚呼待ちなさい、M'lady」
 死霊の姫君が、甘い匂いを漂わせる屋台に駆け寄ろうとするのを、ルキフェルが止める。
「この店は随分繁盛しているらしい、癪だが並んで待たねばならぬ」
 ルキフェルはM'ladyを列の最後尾へと誘導する。M'ladyの不服そうな顔を予想したルキフェルだが、彼女は存外、にこにことしていた。
「何だ、並ぶのも楽しいと?」
 M'ladyが頷く。
「俺には解らぬ感覚だが、貴女が楽しいなら結構だ」
 言って、ルキフェルはM'ladyと共に列に並んだ。
 しばらくして、順番が来る。
「いらっしゃいませ」
「どれにする? 『しっとり』『ほくほく』『ねっとり』があるよ」
 影朧の夫婦が言う。
「ふむ。全く、何を言っているのか露も解らぬ。故に全種を寄越せ」
「はいよ!」
「全種ね、かしこまり」
 影朧夫婦がルキフェルの注文を承った。
 少しして、三種の揚げいも飴が提供される。
「M'lady、火傷せぬようにな」
 ルキフェルが慎重に、M'ladyの口に揚げいも飴を入れる。
 M'ladyは全身で大喜びを表現した。特に気に入った様子を見せたのは、『しっとり』だ。
「……ほう?」
 ルキフェルも食べてみる。しつこくない甘みが心地良い。
「確かに美味だ。おい、これをもっと売ってくれ」
「毎度!」
 夫婦は『しっとり』の揚げいも飴を出す。
「日持ちは如何ほどだ。保存の仕方も教えてくれると尚良い」
「冷やし続ければ2~3日。凍らせておけば2~3週間ってところね」
「解った」
 手帳に書き付けてから、ルキフェルは改めて夫婦を見る。
「……馬の骨よ、貴様らの研究は良いものだな。M'ladyの代わりに礼を言う」
「どういたしまして」
「兄ちゃんもありがとうな!」
 影朧夫婦は屈託なく礼を返す。
 世界は変わらず憎いが、彼らを燃やす気は起きなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友

第一『疾き者』唯一忍者
一人称:私 のほほん料理担当

孫的存在な陰海月に引っ張られました。
あの子、わりと何でも食べられますし…揚げいも飴、作ってみたいと私も思ってたのでー、まずは味わおうかと。
というわけですね、ねだられるままに買って食べますよー。
ふふ、甘みとこの芋の相性がいいですよねー。

※食べ盛り孫的存在
陰海月「ぷきゅ!」
揚げいも飴、たくさん食べていいって聞いたから!
ね、ね!三種類を一つずつの食べ比べ!美味しいね!!
美味しすぎてUC使った時みたく光っちゃう!
そして追加で、また三種類買う。食べる。光る。これの繰り返し。



●美味しさのあまりゲーミング
 四人で一人の複合型悪霊、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)。こたび表に出ているのは、のほほんとした性格の料理担当、第一『疾き者』であった。
「ぷきゅ!」
 大きなミズクラゲが宙を漂い、義透の腕を触手でぐいぐいと屋台の方向へ引く。義透にとって、何でも食べるこの『陰海月』は、食べ盛りの孫のような存在である。
「そう急かさなくとも、買いますよー。揚げいも飴は、私も興味がありましたしねー」
「ぷっきゅー!」
 陰海月が嬉しそうに上下する。
 義透が揚げいも飴に興味があったのは本当のことだ。作ってみたいと以前から思っており、まずは味わってみようと考えていた。
「すみません、揚げいも飴をくださいー」
「はい! いらっしゃいませ」
「どれがいい?」
 影朧の夫婦が、『しっとり』『ほくほく』『ねっとり』の三種を示す。
「陰海月、どれにしますー?」
 義透がおっとりと尋ねると。
「ぷきゅ! ぷきゅ! ぷきゅー!」
 陰海月は、三種それぞれを一回ずつ、ちょんちょんと触手で示した。一つずつ買ってもらって、食べ比べしたいのだ。
「では、三種を一つずつ……あー、いえ、私も食べるので二つずつですねー。三種を二つずつお願いしますー」
「はーい、毎度あり!」
 陰海月にねだられるままに、義透は揚げいも飴を購入する。
「ぷきゅ! ぷきゅ!」
 たくさん食べていいと聞いていたがゆえ、陰海月は遠慮なく揚げいも飴を食べ始めた。
「ぷきゅ~!」
 ――美味しいね!!
 そう言いたいのを表すかのように、陰海月の体は1680万色に光った。
「ふふ、甘みとこの芋の相性がいいですよねー」
 光る陰海月を眺めながら、義透はのんびりとにこやかに揚げいも飴を食べる。
「ぷきゅ! ぷきゅ!」
 揚げいも飴を食べ終えた陰海月が、再び屋台の方へ義透を引っ張る。
「はい、良いですよー。すみません、追加で三種を一つずつお願いしますー」
 義透が買った揚げいも飴を、陰海月が食べる。
 光る。
 さらに買う。
 食べる。
 光る。
 この流れは、しばらくの間繰り返されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

劉・涼鈴
とにかく楽しむ!

ふふー、毒が入ってるワケでもなし
めいっぱい食べてたら浄化完了とか、ただただこっちの得じゃんね!
腹が減っては戦はできない! いっぱい食べるぞー!(大食い)

三種類あるんだよね、せっかくだし全部一皿ずつちょーだい!
もっしゃもっしゃ! あまあま! うまうま! ゴマの風味もいい感じ!
でも芋ばっかだと口ん中がパッサパサだ
ここでキンッキンに冷えた牛乳! ごっくごっくぷっはー! うまい!
さっぱりしたところで、もう一皿ずつおかわりちょーだい!
うまうま! いくらでも食べられるね!



●おいもうまうま
「とにかく、楽しめばいいんだね!」
 屋台近くに姿を現したのは、劉・涼鈴(鉄拳公主・f08865)だ。
(「ふふー、毒が入ってるワケでもなし。めいっぱい食べてたら浄化完了とか、ただただこっちの得じゃんね!」)
 涼鈴の心は、早く揚げいも飴を食べたくてうずうずとしている。
「腹が減っては戦はできない! いっぱい食べるぞー!」
 おー! とばかりに、涼鈴が勢いよく天へ拳を突き上げた。

「いらっしゃい、どれにする?」
 影朧の男がにこやかに問う。屋台の奥では、妻が調理作業をしている姿が見えた。
「三種類あるんだよね、せっかくだし全部一皿ずつちょーだい!」
「はいよ、毎度あり!」
 提供された、『しっとり』『ほくほく』『ねっとり』の三種の揚げいも飴を、涼鈴は、もっしゃもっしゃと食べ始めた。
「あまあま! うまうま! ゴマの風味もいい感じ!」
 素直な感想がそのままこぼれる。
(「でも芋ばっかだと口ん中がパッサパサだ」)
 涼鈴は自分の荷物を探った。取り出したのは、キンッキンに保冷された、瓶入りの牛乳だ。
 牛の角と耳をそなえたキマイラである涼鈴に、牛乳はよく似合う。
 蓋を開け、腰に片手を当てて、涼鈴は瓶の中身をあおる。ごっくごっく……。
「ぷっはー! うまい!」
 爽やかに涼鈴は笑顔を見せた。サツマイモと牛乳は、相性抜群だ!
「さっぱりしたところで、もう一皿ずつおかわりちょーだい!」
「はいよ!」
 影朧の男が応じて、三種類の揚げいも飴を涼鈴に出す。
「お待ち!」
「わーい!」
 涼鈴は子供のように喜んだ。
「うまうま! いくらでも食べられるね!」
 良い食べっぷりを見せる涼鈴を、影朧が嬉しそうに眺めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

シウム・ジョイグルミット
[POW]
揚げいも飴! 食べたいっ!
ずっと研究してたなら、絶対美味しいに決まってるよね
早く順番回ってこないかな〜(ワクワクしながら列に並ぶ)

全種類、1つずつくださいな♪
『しっとり』は、一番人気なだけあって芋と飴のバランスがいいね
どっちの甘さもお互いを邪魔してないよ
揚げいも飴を食べたかったらまずはコレ!って感じかな
『ほくほく』は飴少なめで、芋の味をしっかり堪能できるね
芋自体の優しい甘さが幸せな気分になっちゃう〜
『ねっとり』は逆に飴たっぷりだね
この口の中に纏わりつく粘りと甘さが最高っ

研究の成果ってやつだね、でないとこんなに美味しいのは作れないと思うよ
この味は、もっと色んな人に知ってもらいたいな〜♪



●美食ウサギ、揚げいも飴に出会う
「揚げいも飴! 食べたいっ!」
 シウム・ジョイグルミット(風の吹くまま気の向くまま・f20781)は、その場でぴょんと飛び跳ねる。
「ずっと研究してたなら、絶対美味しいに決まってるよね。早く順番回ってこないかな~」
 列に並び順番を待つ間も、シウムはワクワクと心躍らせていた。
 しばらく待って、シウムの前に並んでいる人の数がじわじわと減っていき、やがてシウムの順番が来る。待ってましたとばかりに、シウムは注文した。
「全種類、1つずつくださいな♪」
「はい、かしこまり!」
 影朧の手で、三種類の揚げいも飴がシウムに出される。
「いただきます!」
 まずは『しっとり』から、シウムは食べ始めた。
「一番人気なだけあって芋と飴のバランスがいいね。どっちの甘さもお互いを邪魔してないよ。揚げいも飴を食べたかったらまずはコレ! って感じかな。水分を保ってしっとりした芋の食感がいい感じだね」
 次に手を付けるのは、『ほくほく』だ。
「飴少なめで、芋の味をしっかり堪能できるね。芋自体の優しい甘さが幸せな気分になっちゃう~。ほくほくして、おいしい!」
 最後に、『ねっとり』を味わう。
「『ほくほく』とは逆に、飴たっぷりだね。この口の中に纏わりつく粘りと甘さが最高っ。芋自体もねっとり感強めのを使ってるんだね」
 全て食べ終え、シウムは屋台にいる影朧に声を掛ける。
「ごちそうさま。研究の成果ってやつだね、でないとこんなに美味しいのは作れないと思うよ」
「嬉しいわ、ありがとう!」
「そう言ってもらえると、懸命に研究した甲斐があるってものだよ」
 影朧夫婦からのにこやかな応答に、シウムもまた笑顔を浮かべた。
「この味は、もっと色んな人に知ってもらいたいな~♪」
 影朧が浄化されて、研究の成果が失われるのは惜しい。
 料理が得意な猟兵が、彼らの技術を伝えてくれるだろうか。
(「そうだったらいいな~」)
 シウムはそう願いながら、屋台を後にするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
❄花狼
揚げいも飴ですって!
ヴォルフ、一緒に食べましょう!

どれにするか迷っちゃうけど……では『しっとり』をいただくわ
ヴォルフの『ほくほく』と半分交換ね
そして『ねっとり』も二人で半分こ

外はカリッと、中は柔らかな食感がたまらない
『しっとり』は舌の上でとろける絹のような繊細なお味
『ほくほく』も食べ応えがあっておいしいわ
『ねっとり』はお芋の蜜が凝縮して甘さが増しているのにしつこくない
それぞれに違った味わいがあって絶品ね

店主さんも仲睦まじくて素敵なご夫婦ね
ね、ヴォルフ、わたくしたちもあんな夫婦になりたいわ
……あら、何を照れているのかしら?
彼の姿を愛おしく見つめ微笑んで

ごちそうさまでした
どうか、お幸せに


ヴォルフガング・エアレーザー
❄花狼
揚げいも飴の屋台を前に、子供のように目を輝かせるヘルガが愛おしい
ここは周辺でも評判の店と聞く
ならば是非味わってみたいものだ

ヘルガは『しっとり』か。なら俺は『ほくほく』と『ねっとり』を頂こうかな
そして二人で半分分けで食べ比べといこうじゃないか
一人当たり1.5人前となるが、それほど美味ならばあっという間に平らげてしまうだろう

ふむ……同じ調理法なのに芋の品種や揚げ時間を変えて食感の違いを出しているのだな
さすが研究の成果、どれも比類なき美味だ

え? 俺は店を構えられるほどの料理の腕前はないぞ?
お前と一緒なら……いやそういうことではなく
あの夫婦が似合いというのは同意だが

ありがとう
素敵なひとときを



●幸せな夫婦
「揚げいも飴ですって! ヴォルフ、一緒に食べましょう!」
 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)が、ぱっと笑顔を弾けさせる。
 まるで、無垢な子供のように。あるいは、雪を割って花開くミスミソウのように。
 ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)は、そんな彼女を愛おしげに眺めながら言った。
「ここは周辺でも評判の店と聞く。ならば是非味わってみたいものだ」
「ええ、是非に!」
 こうして、猟兵の夫婦である二人は屋台へと向かった。

「どれにするか迷っちゃうけど……では『しっとり』をいただくわ」
「ヘルガは『しっとり』か。なら俺は『ほくほく』と『ねっとり』を頂こうかな」
 毎度あり、という言葉と共に、三種の揚げいも飴が出される。
 ヘルガとヴォルフガングは、互いに視線を合わせて言った。
「「半分こ」」
 ぴったり声が重なる。
 同じことを考えていたのがおかしくて、二人は笑った。
 こうして、二人はそれぞれの揚げいも飴を半分ずつ分け合う。『一人当たり1.5人前となるが、それほど美味ならばあっという間に平らげてしまうだろう』というのはヴォルフガングの言だ。
 ヘルガはまず、『しっとり』から口に運ぶ。
(「外はカリッと、中は柔らかな食感がたまらないわ。『しっとり』は、舌の上でとろける絹のような繊細なお味なのね」)
 次は、『ほくほく』だ。
(「これも食べ応えがあっておいしいわ」)
 最後に、『ねっとり』を食べる。
(「お芋の蜜が凝縮して甘さが増しているのにしつこくない」)
 全て食べ終える。ヴォルフガングが言ったように、あっという間だった。
「それぞれに違った味わいがあって絶品ね」
「ふむ……同じ調理法なのに芋の品種や揚げ時間を変えて食感の違いを出しているのだな。さすが研究の成果、どれも比類なき美味だ」
 同様に食べ終えたヴォルフガングが言う。
「そうね、とっても美味しかったわ」
 ヘルガは頷き、それからこう心に浮かべた。
(「店主さんも仲睦まじくて素敵なご夫婦ね」)
 ちらりと屋台の方に目をやれば、影朧の夫婦が仲良く何かの作業をしているのが見えた。
「ね、ヴォルフ、わたくしたちもあんな夫婦になりたいわ」
「え? 俺は店を構えられるほどの料理の腕前はないぞ? お前と一緒なら……」
 ヘルガの指す『あんな夫婦』の意味を取り違えたヴォルフガングは、言っている途中で、正しい意味に気づいた。
「……いやそういうことではなく。あの夫婦が似合いというのは同意だが」
 かぁっ、と自分の頬が赤らむのをヴォルフガングは感じた。
「……あら、何を照れているのかしら?」
 ヴォルフガングを、ヘルガは愛おしげに見つめ、微笑む。
 そんな二人の元へ、歩み寄る人影があった。影朧の夫婦である。
「おや、店はいいのか?」
「揚げいも飴は、全部売り尽くしたからね」
「そういうこと。あなた方が最後のお客様よ」
 ヴォルフガングの問いに影朧夫婦は答えた。さきほど行っていたのは、店じまいの作業だったらしい。
「僕たちの揚げいも飴を、たくさん美味しく食べてくれて、本当にありがとう」
「もう、未練はないわ」
 影朧たちの姿が、薄れて消えていく。
「ありがとう、素敵なひとときを」
「ごちそうさまでした。どうか、来世でもお幸せに」
 ヴォルフガングとヘルガがそれぞれ言葉を掛けると、影朧の夫婦は微笑んだ。
「僕らの方こそ、ありがとう」
「あなたたちも、お幸せにね」
 その言葉を最後に、影朧たちは消滅する。彼らがいたところから、ふわりと桜の花弁が巻き上がった。
「いっちゃったわね、ヴォルフ」
「そうだな」
 ヘルガとヴォルフガングは、互いに手を伸ばす。
 触れ合った手が、固く繋がれた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月05日


挿絵イラスト