夏の夜、カクリヨ、インスピレーション
霜月・加八
こんにちは。
うちの子の夏休みノベルをお願いしに来ました。
アドリブ大歓迎でお願いしたいと思います。
よろしくお願いします!
場所:
カクリヨのお祭り会場
内容
ゴッドゲームオンラインに突然現れた謎の少女、バズリトレンディなる存在は妖怪であるらしい。妖怪の住む世界があるらしいと知った霜月はカクリヨがちょっと気になった。
なので行ってみることにした。
見える人間大歓迎な状況に戸惑ったり。
ろくろ首か狐かの驚かしにびっくりしたり。
普通にお祭りを楽しんだりする、そんなノベルを見たいです。
他にも何かシーンのアイデアがあったら入れてください。幻想的な風景とか。
「ゲームの中みたいにスクショにすぐ撮れねえのが残念だ」とか言ってくれると思います。
キャラクターについて:
バーバリアン的装備の若めなアバターを使っているおじさん。口は悪めだけど悪い人ではない。むしろ自分が作品という作品を書けていない引け目から子供とかには優しめ。
ゴッドゲームオンラインでの出来事によりカクリヨに興味を持つことに。現実世界での作品に生かせなくてもいつかは。とカクリヨでインスピレーションが湧いた事はメモしている。
こんな感じです。
不明点等あればMS様にお任せします。
よろしくお願いします!
資料探しに出た際に出会った、ゴッドゲームオンライン。
霜月・加八(ゲームプレイヤーのバーバリアン・f41813)にとってGGOは、色々と自分の世界を変えてくれたのだけれど。
そんなゲームの世界での体験を日々楽しんでいた彼の前に、突如現れた存在。
『夏なのにイベント少なすぎじゃないですか。 ワイちゃんが→作ってあげますヨ!』
そう、ゴッドゲームオンラインに突然現れた謎の少女、バズリトレンディ。
オンラインゲームのNPCとかでもなさそうだけれど、何だか重要キャラっぽくもあり、よくわからない謎過ぎる存在であったが。
猟兵である加八は知ることができたのだ――バズリトレンディなる存在は妖怪であるらしい、と。
そして、そんな妖怪が住む世界があるようだと知れば、ちょっと気になったから。
加八は行ってみることにしたのである、カクリヨファンタズムの世界へ!
ということで、降り立ってみたカクリヨファンタズムの世界は、和風レトロな雰囲気。
どうやら、夏祭りが行われているようで。
祭囃子に誘われるように、屋台が並ぶ風景にきょろりと視線を巡らせていれば。
「……おっと、すまない」
何かにぶつかりそうになって、咄嗟にそう口にしたのだが。
『! お兄さん、わたしが見えるのかい!?』
そう驚いたように見上げてくるのは、尻尾が二尾ある猫――妖怪・猫又である。
「見えるのかって……そりゃあ、見えるだろ……」
むしろ猫が喋っている方が驚くのではと、そう思わなくもないのだが。
『ちょっと、みんな! このお兄さんはわたしたちが見えるそうだよ!』
『えっ、何だって!?』
『それは嬉しいな! あ、しゃべるカステラどうぞ!』
『サァ食ベロ、俺ハ美味しいカステラダ!』
「……!?」
わらわらと集まってきた妖怪達に、ぐるりと囲まれてしまいました!?
そう……この世界の妖怪は、自分達の姿が見える人間大歓迎なのである。
ということで、いきなりの予想外な状況に戸惑う加八だが、でも歓迎されていること自体は悪い気は勿論しないし。
「にしても、このペラペラしゃべってるカステラ、食いにくいったらねえな……。まぁ……いいけどよ」
勢いで貰ったものの、何だか喋っていると食べるのも忍びなくなるカステラを手にしながら、夏祭り会場をふらりと歩いてみて。
ふと見れば……見つけたのは、地面にうずくまっている女性。
そして首を傾げつつも声を掛けてみれば。
「おい、どうした? なんか困ったことでも……ッ、!?」
ふっと振り返った刹那――女の人の首が、にょきにょきーっと伸びました!?
そんな、ろくろ首の驚かしにびっくりしてしまったり。
悪戯狐の妖術で、迷路みたいな路地に迷い込んでぐるぐるしたりだとか。
ゲームの和風ステージのような世界に驚いたり、摩訶不思議な体験を楽しんだり、謎の妖怪駄菓子をいっぱい貰ったりしながらも。
何やらこれから、ランタンを飛ばす催しがあると小耳に挟んだから。
その会場に行ってみれば――。
「……あっ」
目の前で、こてりと転んだのは、子ども……いや、子どもの妖怪・座敷童。
「大丈夫か? 暗いから気ぃつけろ……って、おい」
そして声を掛けたものの、びええっと座敷童の子が泣き出してしまったから。
おろおろしながらも、ふと差し出したのは。
『元気ダセ、俺ハ美味シイゾ!』
食べる勇気がなかなか出ずに持て余していた、しゃべるカステラ。
それを受け取れば、ありがとう! と嬉し気に笑って、ようやく座敷童も泣き止んだから。
ホッとしつつも、ちょっと気になって、その子の目線に屈んで訊いてみる。
「ランタンが飛ぶのを見に来たのか?」
「うん! でも、ボク小さいから、飛ぶの見えないかもしれないんだ」
そうしょんぼりと言うものだから。
「……あー、なら……肩車とかするか?」
「えっ、いいの!? わぁいっ」
ひょいと肩に乗せてあげれば――同時に、一斉にカクリヨの空を飛ぶ沢山のランタン。
そんな空を舞う仄かな輝きたちが作り出す光景は、息を飲むほど幻想的で。
「……ゲームの中みたいにスクショにすぐ撮れねえのが残念だ」
だから、その瞳にしっかりと焼き付けるように。
座敷童の子と一緒に、真夏の夜の空を眺める加八。
そして座敷童の子を地に下ろしてあげてから。
「おいおい、また転ぶぞ……ったく、ほら」
はしゃぐ子と手を繋いであげた後、暫く一緒に夏祭りの会場を巡ってあげて。
またね! と手を振る姿を見送った後、ふと取り出したメモに加八は書き留めておく。
……現実世界での作品に生かせなくてもいつかは、なんて。
不思議やへんてこがいっぱいのカクリヨで湧いたインスピレーションを、忘れないように。
そして――バァッ!! と。
いきなり現れて驚かしてきたのっぺらぼうの悪戯に、またびっくりするのだった。
成功
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