紅は園生に植えても隠れなし
#サイキックハーツ
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●2018年から変わったモノ 2024年も変わらないモノ
――|灼滅者《スレイヤー》の英雄譚なら、いくらだって知ってる。
おさないころ、その活躍を知りたくて「おはなしをして!」と、くりかえし親にせがんだ。
読み書きができるようになってからは自分で書店に行って、灼滅者たちの活躍をまとめた歴史書や公文書を漁るようになった。
今でも灼滅者たちを特集をするテレビ番組や、ブログ記事、動画や音声配信は、くまなくチェックしている。
――いつかわたし・ぼくも、灼滅者たちみたいに。誰かのために活躍できたら。
そんな想いと期待を胸に、『エスパー養成学校』に進学したのに。
ここには。
わたし・ぼくよりもっとすごいヒトたちが、あまりにもおおすぎた。
変わったのは、わたしの・ぼくの いのち。
変わらないのは、そらのいろ。
それじゃあ、わたしの・ぼくの ■■■ は――?
●2024年 武蔵坂学園
「『エスパー養成学校』という、エスパーの学生を集めた学校について知っているか」
武蔵坂学園の教室に集まった|猟兵《イェーガー》たちを前に、白衣姿の研究者 一夜崎・一夜(エクスブレイン・f44427)が口をひらく。
『エスパー養成学校』。
その多くは、「かつての英雄である灼滅者たちのように、世界に貢献する若者を育成しよう!」といった名目で運営されており、運営方針は学校によって様々だ。
「そのひとつ。2024年4月に開校したばかりの学校で、妙な事件が起こっている。志高く入学した学生たちだったが、開校から4か月で、はやくも休学者や退学者が続出しているのだ」
それの、どこが妙なの?と、ひとりの猟兵が声をあげるのへ。
エクスブレインは切れ長の緑眼を向け、厳かに続けた。
「ヒト死にが出ている」
はっと、猟兵たちの息をのむ様子がひろがる。
寿命以外での「死」を克服したエスパーたちから犠牲がでているということは、すなわち。
「裏でダークネス――もとい、オブリビオンが関わっているとみて、間違いない。だが、超機械サイキックアブソーバーでも、詳細な予知ができなくてな。そこで、お前たちに頼みたい」
話題に挙げた『エスパー養成学校』の情報を記した資料をタブレット端末に掲示しながら、白衣の男は言った。
「事件の起こっている『エスパー養成学校』へ行き、学校や学生を調査してくれ。そして、事件の要因となっているオブリビオンをおびき寄せ、灼滅してほしい」
●第1章 2024年 エスパー養成学校
エクスブレインの情報を得て、猟兵たちは該当の学校へと向かった。
情報収集に際しては、学生のフリをするなり、学校関係者のフリをするなり、色々とやりようはありそうだ。
学校について調べるもよし。
学生について調べるもよし。
それ以外の、気がかりな点を調べてみるのもよし。
事件の原因となっているオブリビオンをおびき寄せるためにも。
どんな些細なことでもいい。
いまは、ただ情報が必要だ。
猟兵たちは思い思いに、行動を起こしはじめた。
西東西
こんにちは、西東西(さいとう・せい)です。
若者たちの集う、『エスパー養成学校』にて。
オブリビオンをおびき寄せ、灼滅できれば、依頼成功です。
第1章:学校や学生の調査を行います。行動しだいで、事件に関する情報が集まります。
第2章:おびき寄せに成功すれば敵が出現し、戦闘になります。
第3章:ボス戦です。
己の意思とは、なんの関係もなく。
どこかのだれかの活躍によって、ある日とつぜん、全人類が「一般人」から「エスパー」に進化して、六年後のサイキックハーツ世界。
それでも。
ヒトは、悩みや苦しみをかかえながら、いきている。
第1章 冒険
『隠れた標的を誘い出せ』
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POW : 思い付いたことを片っ端から試す
SPD : 周囲の反応を探りながら試す
WIZ : 情報を集め、法則を予測する
👑7
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
唯月・姫凜
学校関係者を装って、
…そうね、相談員のつもりで学生達から話を聞きましょうか
将来の夢や目標についてとか、
学校生活の感想や不安、友人関係の悩みなんかもね
事件と関係が無さそうでも、親身に話を聞いてみる
悩んでいそうな生徒には、声を掛けにも行きたいわ
事件との関連はさておき、悩みは少ない方がいいものね
時代の流れは見てきたつもりだけど、
灼滅者達に憧れて、あんな風に、って願う子供達の気持ちは解るわ
苦難と戦う彼らは、紛れもなく英雄だった
でも、日々の学校生活を楽しむみんなは、決して特別なんかじゃなかったわ
だから学生さん達にも、今を楽しんで欲しい
不穏な影は払いましょ
私にも出来る事があるならするわ
灼滅者たちのようにね
●
(「私にも、できることがあるならするわ。――灼滅者たちのように。不穏な影は払いましょ」)
朝の登校時間にあわせ学校に潜入した唯月・姫凜(廉花・f43987)は、学生相談室の相談員を装い、登校する学生たちと挨拶を交わす。
学生たちは気さくに、そして礼儀正しく姫凜にあいさつを返し、教室へと駆けていく。
1限目の授業がはじまる頃には、喧騒につつまれていた下駄箱ちかくの空間も、すっかり静けさをとりもどした。
あたりに学生が居ないとみて、校舎内の巡回に向かおうとした、その時だ。
下駄箱の前で、ひとり、うつむいたままたたずむ男子学生を見つけた。
――奥歯を噛みしめ、苦痛に耐えるような横顔。
姫凜はすうと息を吸いこみ、学生を驚かさぬよう、あえて視界に入る位置から近づく。
「おはよう。……急がなくて、いいの?」
責めるでなく、事情をうかがうようなその言葉に、男子学生は口をつぐんだまま、一度だけ頷いた。
「今日……、すごくイヤな夢を視て」
教室に行かなくては、という気持ちと同時に、足がすくんで動かないのだと告げる。
「イヤな夢、って?」
話したくなければ大丈夫よ、と添える姫凜に。
学生はしばし逡巡した後、絞りだすように言葉を吐いた。
「……『おまえは何者にもなれない』って、先生やクラスメイトに嗤われ続けるんだ。……わかってる。どうせぼくなんて、いくら勉強しても灼滅者みたいにはなれないし。実際、陰でみんなに嗤われてるに違いないんだ」
両の拳を握りしめるその様に、姫凜はかつて灼滅者たちと過ごした時間を思い返していた。
(「灼滅者達に憧れて、「あんな風に」って願う気持ちは、解るわ」)
何度も何度も、戦地に往く彼らを送りだした。
その背を見送った。
――苦難と戦う彼らは、紛れもなく『英雄』だった。
しかし。
日々の学校生活を楽しむ灼滅者たちは、決して『特別』などではなかった。
(「だから彼にも、できれば『今』を楽しんで欲しい」)
「それなら、教室以外の場所に行くのはどう? どこか、お気に入りの場所はあるかしら?」
「そこで一緒にお話をしましょう」と誘うと、男子学生はすこし肩の力を抜いて、頷いた。
「先生、屋上がいい。あそこなら、……息がしやすいから」
大成功
🔵🔵🔵
橘・レティシア
世界は大きく変わったから、ある意味当然かも知れないけれど。
エスパー養成学校、何かあるに違いないわ。
犠牲者が出ている以上、余り時間はかけられなさそう。
関係者を装うスキルで、学校関係者のフリをしましょうか。
新任の音楽教師みたいなムーブね。
学校に潜入できたら、まずは色々と歩き回って調べてみましょう。学生さんがいたら音楽教師として話を聞いてみるわ。クラスにお邪魔したりとかして。
相手の反応を見て、不自然にならないように会話したいところね。
流れで歌ったり演奏することがあれば、歌唱とか楽器演奏のスキルを使って。
もし学生さんが無理をさせられているようなら、無理をしないでと伝えるわ。
驚かれるかも知れないけれど。
●
橘・レティシア(灼滅者のサウンドソルジャー・f44010)は、新任の音楽教師を装い校内を歩き回りながら、注意深く様子をうかがっていた。
授業中の教室を覗き見ると、歴史教師が灼滅者たちの活躍について神妙な顔で教えている。
(「世界は大きく変わったから、ある意味当然かもしれないけれど。学園に通っていた時には考えられなかったことね」)
学んでいる内容がやや灼滅者の活躍に傾倒していることを除けば、どこにでもあるような学校の雰囲気だ。
しかしその影で、命を落とすような犠牲者が出ているという。
――あまり時間をかけてはいられない。
レティシアは授業終わりの時間を見計らい、音楽室へと向かった。
終了のチャイムと同時に、教室から一斉に学生たちが駆けだしてくる。
話を聞けそうな学生を探しあたりを見渡していると、
「ほら、歌いなさいよ!」
「『音楽でひとを癒せるようになりたい』んでしょ!」
けしかけるような荒々しいピアノの旋律とともに、数名の女子生徒の鋭い声が耳に飛びこんできた。
何事かと音楽室に入ると、教室内のピアノの傍で、複数の生徒が1人の少女を取り囲んでいる。
少女は身を縮めて怯えており、とても歌えるような状態ではない。
(「それに。あんな弾き方では、ピアノも悲しむわ」)
見かねたレティシアは、激しい旋律にあわせ、たしなめるように穏やかな歌をうたった。
突然の歌声に、取り囲んでいた学生たちが驚き振り返って。
少女をひとり残し、蜘蛛の子を散らすように去っていく。
――音楽があれば、それ以外の言葉はいらない。
そんなふうに思える時がある。
分かりあえると思える、そんな時が。
しかし、ヒトのこころの深淵は深く、一筋縄ではいかないものだ。
レティシアが微笑みかけると、残った少女は顔を真っ赤にして言った。
「と、とっても素敵な歌声でした……!」
学生たちの叱責もそっちのけで、レティシアの歌声に感動していたらしい。
「お邪魔しても、大丈夫だったかしら」
「もちろん大丈夫です。ありがとうございます……助かりました」
聞けば、この学校で音楽を専門に学んでいるらしい。
先ほどの学生たちは、同じく音楽を学ぶ生徒たちだそうだが、
「皆、最初はすごく仲良しだったんです。でも、わたしの歌声が先生たちに評価されるようになってから、すっかり変わってしまって……」
少女の成績が上がるにつれ、先ほどのように厳しい仕打ちをするようになったのだという。
「音楽は、苦しんで学ぶものではないわ。どうか、無理をしないで」
そう言葉を掛ければ、少女は首を振って微笑んだ。
「わたしも。さっきの先生の歌声みたいに、音楽でなにかを伝えられるようになりたいんです。だから、……負けません」
その想いの強さに、レティシアも微笑んで。
先ほどの学生たちにも話を聞いてみたいのだと、行き先の心当たりを問うと、
「たぶん、中庭だと思います。……最近、何かあると皆であそこに居るみたいで」
微笑みから一転、少女の表情が曇った。
「わたし、苦手なんです」
どういうことかと問うと、少女は眉間にしわを寄せる。
「……あそこ。いつ行っても、むせかえるような薔薇の香りがしていて。気分が悪くなるから」
大成功
🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
…今回の調査は、正攻法で行くか
聖職服着た姿で学校へ突撃訪問
グラサンは外し、聖職者らしい態度で身分証明に|これ《スレイヤーカード》を見せUC発動
一羽の鳩を撫でてから外へ離してやる
確認して良いよ?ぼく、歴とした武蔵坂学園の卒業生だもの
ここに来た理由?
新しい学校って活気あるけど、その分変な部活も増えちゃうんだよね
やんちゃする子とかクラスに馴染めなかったりする子とか募ってね
今そんな気配はなくても、人である以上はいずれ出てくるものだ
そういう時に君たちを見ている、或いは知っていると教え諭す存在が居ると知ってほしい
これは灼滅者…違うな、信仰の徒としての意見だけどね
もし、もしもだ
そういう子がいたら教えて欲しい
木元・明莉
英雄扱いとか……(少々ドン引き顔)
ま、まぁオブリビオン絡みは放っておけない
気を引き締めて取り掛かろう
関係者を装い、赴任前に下見に来た新任教師として学校に侵入しよう
正式な紹介は赴任後って事で
教科は現代史
学生時代の成績はなかなか人様に見せられないアレな感じだったけど
灼滅者とダークネスの歴史ならよく知ってるぞ、と質問に色々と答えて信頼を築いておこう
灼滅者という事は隠しとく。何となく
生徒と雑談交えコミュ力も発揮し情報収集
休学者、退学者の在学中の変わった様子とか聞いてみようか
あと学校内の噂話?
新生の学校と言えど、生徒としては果敢に学校の七不思議とかは作ってそ
そんな他愛の無いものに真実も潜んでる気がするね
●
黑いカソックを身にまとい、聖職者然とした態度で悠然と学校の敷地内を歩くのはギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)だ。
かつての学生時代と変わらず、一様に机を並べ勉学に勤しむ学生たちの姿を教室の窓越しに見やり、
(「パッと見、異質さは感じられないのにな」)
焦茶の髪の合間から金の双眸を細め、養成学校の校舎を見あげる。
今回の調査は正攻法でいくと決めたため、「柄悪ヤカラ」な雰囲気が増してしまうサングラスは封印――もとい、懐に忍ばせてある。
調査対象の学生たちに距離を置かれては、意味がないからだ。
それはそれとして。
190cmの長身に、ゆるやかなくせ毛のフランス聖人の姿は、嫌でも人目を集めた。
「あれ誰? 撮影来てんの?」
「ガチの聖職者きた~!!」
授業中にも関わらず教室の窓から身を乗りだし、騒ぎ始めた学生たちへ。
ギュスターヴはひらひらと手を振り、その手にスレイヤーカードを掲げ見せる。
「――聖なる、聖なる、聖なるかな」
讃美歌の一節を口ずさむと同時に、ユーベルコードを発動!
光を纏ったまばゆい鳩を出現させると、その背を一撫でしてから、学生たちのいる教室へはなった。
「スレイヤーカード!」
「本物のサイキック!?」
「ってことは、本物の灼滅者!?!?」
「正解。確認取ってもらっても良いよ? ぼく、れっきとした武蔵坂学園の卒業生だもの」
「「「えええ~~~!?」」」
かつての『英雄』が突撃訪問してきたとあって、学内は騒然。
授業中の教師が天を仰ぐのをよそに、学生たちは各々に教室を飛びだし、ギュスターヴの元に集まった。
「どうしてこんな辺鄙な学校に来たんですか!」
「灼滅者について学んでる学校があるって聞いて。あと、新しい学校って活気あるけど、その分変な部活も増えちゃうんだよね」
「学生サークルみたいな?」
「まあ、そんな感じかな。やんちゃする子とか、クラスに馴染めなかったりする子とか募ってね。今そんな気配はなくても、人である以上はいずれ出てくるものだ」
――要するにこの灼滅者は、自分たちを心配して来たらしい。
その点は、学生たちにもなんとなく伝わって。
素直に耳を傾ける若者たちへ、
「そういう時に、君たちを見ている、或いは知っていると教え諭す存在が居ると知ってほしい。これは灼滅者の――」
言いかけ、「いや、違うな」と胸中で呟き、言い直す。
「――信仰の徒としての、ぼくの意見だけどね」
「おかしな部活に気をつけてってこと?」
「そんな変な活動してるヤツいたっけ」
「もし、もしもだ。そういう子がいたら教えて欲しい」
学生たちが思い思いに意見を言いあうなか、
「休学とか、退学になったヤツらがいる」
ある男子学生の声に、周囲にいた学生たちがしんと静まりかえる。
「あいつら、みんな悪夢を視たって言ってた。それから、人が変わったようにヘンになっちまったんだ……!」
声を張りあげる男子学生を、周囲の学生たちはおびえるように見ていた。
その話題は、まるで『禁忌』とでもいうように。
(「……なんだ!?」)
ギュスターヴはふいに怖気を感じ、スレイヤーカードを手に身構えた。
敵の姿は見えない。
しかし、学生たちが集う場としては不自然なほどに、甘い、まとわりつくような薔薇の香りがあたりを満たしている。
(「いつから香っていた? まさか、最初から!?」)
ギュスターヴはあくまでも学生たちに異変を気取らせぬように、ひとつだけ尋ねた。
「さっきから凄くいい香りがしてるけど。校内に薔薇の花があるなら、案内してくれないかな?」
●
ギュスターヴ(f44004)が学生たちの前でサイキック――もとい、ユーベルコードを披露していた頃。
木元・明莉(蒼蓮華・f43993)はあえて身分を明かさず、『赴任前に下見に来た新任教師』として朝から学校に侵入。
実際に、2階の教室で現代史の授業を見学させてもらっている最中だった。
そこへ『本物の灼滅者』が現れたとあって、学生たちはひと目『英雄』を見ようと教室を飛び出していく。
(「英雄扱いを利用するとか……。よくやるな」)
感心しながらも、『英雄』の元へ向かう学生たちを追おうとはせず。
明莉と同じように教室内に居残り、状況を見守ろうとする学生たちの会話に耳を傾ける。
「あたし、本物の灼滅者って初めて見た!」
「ああいうイケメンセンセーが授業してくれたら、現代史の授業ももうちょっと頭に入るよね~」
間延びした女子学生の声に、明莉が横から合いの手を入れるように告げる。
「俺だって、灼滅者とダークネスの歴史ならよく知ってるぞ」
「ええ~? 先生も灼滅者のファンなの?」
「いや。現代史の教師を目指すなら、必須知識だからな。……まあ俺も、学生時代の成績はなかなか人様に見せられないアレな感じだったけど」
「そうなんだ! 先生なのに!」
「はいはい! 勉強できなかったのに、どうして先生になろうと思ったんですか~?」
他愛ない会話を交わしながら、明莉は巧みに学生たちとの距離を縮めていく。
その時だった。
「休学とか、退学になったヤツらがいる。あいつら、みんな悪夢を視たって言ってた。それから、人が変わったようにヘンになっちまったんだ……!」
眼下でギュスターヴを囲っていた学生の中の誰かが、そう声を張りあげて。
それまで『英雄』登場に沸いていた空気が、一気に張り詰める。
教室内に残っていた学生たちも、急に口をつぐんで。
「あの話。本当なのか?」
尋ねれば、女子学生たちは口をへの字に結んだ後。
「これは噂だけど」と前置きして、ためらいながら口を開いた。
「うちの学校、成績優秀者が多くってさ」
「劣等感いだく子が絶えないんだよね~。で、皆どんどん病んで、しまいにはひどい悪夢を視てコワレれていくの」
「性格の良かった子とかも、すごい剣幕でひとのコト罵ったりして」
「ま。もともと劣等生のあたしらには、関係ないけどね~」
そう笑いあう女子学生たちの表情にも、どこか不安な様子が垣間見える。
――志高く入学した学生が多いからこそ、誰もが『他人事』ではいられない。
(「なるほど『悪い夢』。『悪夢』ね」)
灼滅者とダークネスの歴史をよく見知っているからこそ、その言葉を聞いてピンときた。
かつて、同様のやり口で人々の精神を踏みにじってきたダークネスが居たことを。
「悪い。俺も、ちょっと行ってくる」
明莉は女子学生たちの声を背に、教室を飛び出した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『量産型シャドウ『ペルソナ』』
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POW : 闇黒羽根乱舞
退魔神器【漆黒の羽根】で攻撃する。命中した箇所にはしばらく【漆黒の闇】が残り、対象の【過去に負った肉体・精神的な傷】に応じて継続ダメージ。
SPD : 『過去の記憶』を刺激するトラウマの召喚
【己が影】で触れた対象と同じ戦闘能力を持ち、対象にだけ見える【トラウマの化身】を召喚し、1分間対象を襲わせる。
WIZ : ソウルボードを食らう闇黒の宴
指定地点からレベルm半径内を【精神を侵食し、その心を喰らう空間】に変える。内部にいる者は活力(体温・燃料等)を激しく消耗する。
イラスト:透人
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●断章
「ゆ、夢に出てきた影だ……!」
「やだやだやだ、どっかいってぇ!!」
学生たちが次々に悲鳴をあげ、あっという間にパニックに陥りはじめる。
――不安や焦り、葛藤、劣等感、トラウマ、猜疑心。
ヒトのこころの奥底にうずまく、ありとあらゆる負の感情を嗅ぎとったのだろう。
学生たちとうりふたつの影法師――量産型シャドウ『ペルソナ』が、負の感情をもつ学生の傍に、次々と出現しはじめたのだ。
ヒトの鏡象たる『ペルソナ』。
それはこころを抉り、トラウマを見出し、負の感情を増幅させることを好む悪しき存在。
ペルソナたちは、退魔神器【漆黒の羽根】を翼のようにひろげて。
学生たちのこころや精神を破壊し、より深い領域まで蝕もうと、一斉に襲いかかった。
急遽、戦場と化した学校内には。
薔薇の香りが、ひときわつよく香りはじめていた。
●マスターより
学校内にいる『劣等感をもった学生たち』の傍に、量産型シャドウ『ペルソナ』が出現しました。
敵の攻撃から学生たちの心身を守りつつ、シャドウを撃破してください。
一章に参加した猟兵は、救う学生を選択できます(一章で関わった学生 or その他の学生)。
戦闘場所の希望がある場合は、プレイングにご記載ください。
橘・レティシア
現れたわね。音楽室で学生さんを守りながら戦いましょう。
可能なら出ていってしまった子たちも助けたいのだけど、無理はできないわね。まだ近くにいるようなら声掛けを。
大丈夫、悪い夢なんて消し去ってあげるから。
スターライト・リヴァイヴァーで学生さんの生命力を上げつつ、ダンスするように愛用のチェーンソー剣を振るいましょう。
量産型シャドウの攻撃は範囲攻撃でしょうから、それに負けないように。
斬撃波とか精神の余裕スキルも活かして。
歌も演奏も本当は勇気が要るし、楽しいことばかりじゃないかも知れない。
でも悪夢にも抑圧にも負けていては駄目。
シャドウ、貴方たちが悪夢で皆を包み込もうとするなら、私はそれを切り裂くだけよ!
唯月・姫凜
屋上まで同行した学生さんを背に庇い、
落ち着いてと声掛け
…落ち着ける筈もないか
手を握る?抱き締める?
一瞬でいいから、意識を此方に
ひとりじゃないって行動で伝える
怖いわよね、解るわ
…見て?私も震えているの
昔、予知で何度も見た光景
現実になるとこうなのね
…あなた達は、こんな恐れにも立ち向かったのね
学生さんを背に庇いながら伝える
灼滅者って凄いわよね
私は、やっぱりまだ怖いわ
でも逃げないから、見ていて、って
接敵して戦える強さはまだないから
フェニックスのフラウを召喚
迫って来るなら、格好悪くても庇って逃げるわ
逃げながら、進路や手口を演算し、誘導して活路を見出だす
シャドウを炎に閉じ込めて、弱点付与して追い詰めるわ
●
音楽室で対話を続けていた橘・レティシア(灼滅者のサウンドソルジャー・f44010)は、とつじょ少女の傍に顕現した敵が、教室を飲み込むべく闇黒の異空間を展開したことをすぐに察知。
(「――現れたわね」)
精神を侵食し、その心を喰らう空間は、エスパーであっても活力(体温・燃料等)を激しく消耗していく。
「あ、あ……!」
シャドウの姿を目にした少女の脳裏には、クラスメイトたちの叱責が蘇っていた。
何度も何度も、その努力と、存在を否定される言葉。
――あんなに仲が良かったのに。いつも一緒だったのに。
「だいすきだったのに……!」
目に涙を浮かべ、冷えていく身体に震える少女を背にかばい、
「大丈夫。悪い夢なんて、跡形もなく消し去ってあげるから」
レティシアはすぐさま愛用のチェーンソー剣を手に構え、斬撃波で牽制を仕掛けた。
幾つもの戦いをともにくぐり抜け、道を切りひらいてきた刃は、漆黒の影を頼もしく切り裂いてくれる。
しかし、ヒトの鏡象たる『ペルソナ』は少女の負の感情を求め、ひるまず迫った。
「もうやめてぇ!」
おびえ、もう何も見聞きしたくないと、己の背にすがりつく少女へ。
レティシアは背中越しに少女の体温を確かめながらも、よく通る声で言った。
「歌も演奏も、本当は勇気が要るし、楽しいことばかりじゃないかもしれない」
その合間にもチェーンソー剣を手繰り、近づこうとする黒羽根を油断なく跳ねのける。
「でも。悪夢にも抑圧にも、負けていては駄目……!」
すかさずスターライト・リヴァイヴァーを展開し、己と少女をスポットライトの下へ。
あたたかい光は、少女の全身や手指に、ふたたび血を巡らせていく。
「先生、わたし……!」
震える指先が、レティシアの背を離れる。
少女の眼差しは、己の姿を模した影を、まっすぐに見据えて。
少女がたしかに自分の足で立ったのを見て、レティシアは笑みを深めた。
(「この子はもう、きっと大丈夫」)
「さあ、いっしょに歌って。魂に響く楽園の歌を……!」
可能であれば教室を出て行った学生たちも助けたかったが、もうその姿は見えない。
あとは、他の猟兵たちに託そう。
レティシアはそう決め、ならび立つ少女とともに歌いながら、剣を振るった。
(「シャドウ。貴方たちが悪夢で皆を包み込もうとするなら。私は、それを切り裂くだけよ!」)
●
唯月・姫凜(廉花・f43987)と男子学生は、屋上に到着してすぐに量産型シャドウ『ペルソナ』の襲撃を受けていた。
男子学生めがけ執拗に迫るのは、『過去の記憶』を刺激するトラウマ――彼を叱責する先生やクラスメイトたちの化身だ。
姫凜はシャドウと学生の間に立ちはだかり、なんとか接近を阻止しようとするも、
「もういい、もうやめてくれよ……!」
混乱を極めた学生は叫び、屋上の隅へ駆けだしていく。
「そっちはだめよ! 落ち着いて!」
学生の向かう先には階下への道がなく、逃走経路がなくなってしまう。
しかし、パニックを起こしている人間には、その事実に気づく余裕さえないのだろう。
屋上の柵に行き当たり、ようやく学生も己の失策に気がついたが、後の祭りだ。
「あああああぁ」
胸中にうずまく負の感情。
迫りくる異質な存在。
――そして、選択を誤ったがゆえの窮地。
どれもが学生の精神を追いこみ、蝕み、傷を抉っていく。
(「一瞬でもいい。彼の意識を、こちらに向けないと」)
「お願い、フラウ……!」
呼びかけに応じ顕現したのは、全身炎の鳥『フラウ』だ。
羽ばたきと同時に荒ぶる炎の渦が戦場を巡ったかと思えば、迫りくるシャドウを炎の檻に閉じ込める。
「ひ、火が!?」
気づいた学生が暴れるも、フラウの炎が味方を傷つけることはない。
身を縮め、こころを手放す寸前の学生を抱きしめ、姫凜は安心させるように、その耳元で懸命に呼びかけた。
「お願い。あなたを傷つける言葉に耳を貸さないで。私の声を聞いて」
――あなたは、ひとりじゃない。
体温、鼓動、そのすべてで伝えるべく、己のこころの内を吐露する。
「怖いわよね、わかるわ。……見て? 私も震えているの」
実際、学生を抱く姫凜の手指は、自分でも情けなくなるほど震えていて。
それを見た学生が、驚いて顔をあげたくらいだ。
不安に濡れた瞳に、同じくらい不安そうな自分の顔が映っていて、思わずふふっと笑いが零れる。
「私は、やっぱりまだ怖いわ」
学生を抱きながら、姫凜もまた、己の内の葛藤と戦っていた。
予知でなら、何度も似たような情景を視た。
けれど、実際に己の身に危険が迫ることも、誰かの命運を巡り選択が迫る事もなかった。
――戦いたいのに、うまくいかない。
――救いたいのに、助けられない。
そんな苦しみを、灼滅者たちはどれだけ踏み越えていたのだろう。
(「現実は、こうなのね。……あなた達は、こんな恐れにも立ち向かっていたのね」)
いずれ炎の檻は壊れる。
また選択を迫られる。
――こころがくじけて、負の感情に呑まれそうになる。
その時だった。
音楽室で戦闘を続ける、レティシア(f44010)と少女の歌が。
魂に響く楽園の歌が、屋上にも漏れ聞こえてきたのだ。
「「 ! 」」
姫凜と学生は顔を見あわせ、弾けるように立ちあがった。
それは風の合間に、切れ切れにきこえる程のものだったが。
「歌だ……!」
告げる学生の顔からは、不安が一掃されていた。
少なくとも歌を耳にした、この瞬間は。
しっかりと、己の意識とこころを、取り戻している。
「……灼滅者って凄いわよね」
つぶやき、思わず目じりに零れた涙をぬぐい、姫凜も微笑んだ。
戦場で聴く仲間の歌が、これほど頼もしく心強いものだと、身に染みて知ったのだ。
フラウの檻が破られる。
シャドウが再び、動きだす。
説明をしている時間はない。
「歌の方へ。走るのよ」
学生は姫凜の言わんとしていることを察し、力強く頷いた。
「足止めをしながら、私も後を追うわ」
接敵して戦える強さは、まだない。
だからこそ、不格好でも庇いながら逃げる道を選ぶのだ。
どんな方法であれ。
生きのびればこそ、未来は続くのだから。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
駒鳥・了
途中参戦失礼します
興味深いデータが取れそうですね
守りは全くの不得手ですが
クリア条件ならば従ってみましょう
いいえ、わたくしは灼滅者ではありません
不満ですか?
それでもあのようなモノを相手取ることは可能です
勇気も行動力も持ち合わせのない、英雄に憧れるだけの者
何者にもなろうとしない者は、能力の有無を問わずただの一般市民
それ以外の何者でもありません
命が惜しければ大人しくわたくしのUCと結界に守られて居なさい
あなたが只人であるならば
ああ、勇気と蛮勇は別物ですよ
悩みなさい
藻掻きも足掻きもせず只人から変われよう筈もありません
一先ずアレらは
小さな結界を飛ばして足止めをしつつ
弾丸に神罰を込めて撃ち抜きましょう
木元・明莉
悲鳴の方に急ぎ...の前に、念の為教室の先程の生徒達の様子を確認
劣等生と自ら言えど、ここに入学して来てんだからそれなりに夢も希望もあるだろうし
問題無い場合は手近な影法師から倒していこう
対象と周囲の生徒を背に影に相対
櫻光花滴で生徒毎オーラ防御を施そう
大丈夫、光の中に居りゃ安全だ
負の感情とは何時かは向き合う必要はあるが、それは勝手に他人に暴かれていいもんじゃない
...そりゃあ俺にだってあるよな
象る人型に苦笑しつつ
だがまぁ、過去に倒した相手なので動きもわかる
軽くいなしペルソナに向け【龍顎龍尾龍撃乱舞】
●
教室を出ていた木元・明莉(蒼蓮華・f43993)はふいに予感を受け、元居た教室へ駆け戻った。
見れば、案の定。
先ほど会話した女子学生たちを含め、残った学生たちを襲うべく、量産型シャドウ『ペルソナ』が迫っている。
全部で3体。
「やばやばやばいって、コレ!」
「こっちくんなああ~!」
学生たちは複数のシャドウたちに追い詰められるようにして、ベランダ側に固まっている。
(「なにが『あたしらには、関係ない』、だ」)
明莉はすぐさまシャドウたちの横合いに飛びこみ、至近距離から『龍顎龍尾龍撃乱舞』の連撃をはなった。
「負の感情とは、いつかは向き合う必要があるだろう。……だがそれは、他人が勝手に暴いていいもんじゃない!」
言葉とともに衝撃波「龍撃砲」により黒板側へ弾き飛ばした敵を、回転蹴り「龍尾脚」で念入りに態勢を崩し、正拳突き「龍顎拳」を叩き込むことでさらに牽制する。
(「3体ってことは、あいつらだけじゃなかったか」)
劣等生を自称したとて、『エスパー養成学校』を選んで入学して来た学生たちだ。
誰しも、それなりに夢も希望もあるだろうし、負の感情を抱くこともあるだろう。
明莉は学生たちとシャドウたちの合間に立ち、身にまとう光の霊気『櫻光花滴』――桜の花弁が舞うように見えるそのオーラを、学生たちにもそれぞれ分け与えた。
「大丈夫。光の中に居りゃ、安全だ」
安心させるための声かけもそこそこに、学生たちは眼を輝かせて、
「センセー、灼滅者だったの!?」
「本物の|殲術兵器《キリングツール》!? 教科書以外で初めてみた~!」
「……そんだけ肝が座ってりゃ、灼滅者向きだ」
呆れたように零すものの、複数名の学生を守りながらの戦闘は骨が折れる。
シャドウたちを近づけぬよう牽制しながら、さてどうしたものか、と逡巡した時だ。
1体の影が明莉に触れた瞬間、眼前に『過去の記憶』を刺激するトラウマの化身が出現。
瞬間的に、学生たちに「離れろ!」と叫んでいた。
かたどる人型には、見覚えがあって。
思わず、苦い笑みが零れる。
(「……そりゃあ、俺にだってあるよな」)
しかし、過去にも倒したことのある相手だ。
動きも、おおよそわかっている。
軽くいなし、ペルソナの横っ面に正拳突きを見舞って。
追撃よろしく連続して拳を叩き込んだ後に、龍撃砲を見舞って他のシャドウに叩きつける。
学生たちは、というと。
「せぇーんせー! がん! ばっ! て~!!」
場違いな声援を送り始め、戦闘領域にまで飛び出してきそうで、危なげない。
接敵中に集中力を切らすわけにもいかず、シャドウの動きと学生の動きの両方に翻弄されていると。
「命が惜しければ、大人しくわたくしに守られて居なさい。あなたが、『只人』であるならば」
駆け付けた駒鳥・了(WhoKilledCockRobin/ImRook・f17343)、もといリョウが、声援を送った女子学生を、強制的にユーベルコード|hide & seek《カクレンボ》で透明にしてしまう。
「助かる……!」
己のトラウマの化身へ、渾身のトドメの一撃を放ちながら明莉が告げれば、
「恐れ入ります。守りは全くの不得手ですが、あのままでは、無用の犠牲が出そうでしたので」
顔色ひとつ変えず、やや物騒な言葉を返すリョウ。
大人ふたりの会話に、学生たちはついていけておらず。
「え、だれ?」
「おね~さんも灼滅者なの?」
「いいえ。わたくしは灼滅者ではありません」
「ええー」
あまりにも素直な反応に、リョウの片眉がほんのわずか、持ちあがる。
「不満ですか? それでも、あのようなモノを相手取ることは可能です」
会話を交わしている合間にも迫ろうとするシャドウへ、すかさず小さな結界術を放って。
携えていた銃の弾丸に『神罰』をこめ、正確にど真ん中を撃ち抜く。
それを見て触発されたらしい学生が、手近な椅子を武器にしようとするのへ、
「ああ、勇気と蛮勇は別物ですよ」
ぴしゃりと告げ、制止。
「なんで!? センセーを助けたい!」
地団太を踏む女子学生の声だけが耳に届き、明莉は背を向け戦闘を続けながらも、気が気でない。
「気持ちだけもらっておく。大人しくしてろ……!」
リョウもまた機械的にシャドウたちへの牽制を続けながら、説明書きを読みあげるように言った。
「勇気も行動力も持ち合わせのない、英雄に憧れるだけの者。何者にもなろうとしない者は、能力の有無を問わずただの一般市民。それ以外の何者でもありません」
「大人しく守られて居なさい」と、念押しで繰り返す。
しかし、女子生徒たちは不満顔で、諦めなかった。
「じゃあ、あたしたちは『一般市民』じゃない!」
「そう! 『タダビト』じゃない!」
リョウは明莉へ目くばせをすると、たがいに頷きあって。
ふたたび、強制的に女子学生たちを透明にし、シャドウたちから狙われないよう、隠してしまった。
「な~んで~!!」
「ちょっと! もどしてよ!」
「悩みなさい。藻掻きも足掻きもせず、『只人』から変われよう筈もありません」
――若さゆえの無鉄砲。
それは全く非効率的で、生産性のない行いではあったが。
(「それゆえに。実に、『|人間《ヒト》』らしい」)
無駄ひとつない動きでシャドウへ弾丸を叩き込み、1体を灼滅しながら。
リョウはほんのすこしだけ、口の端をもたげた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ギュスターヴ・ベルトラン
祈りを捧げ唱える聖句は『光あれ』
闇黒の宴も薔薇の匂いもかき消す程の光で満たす
光とは即ち愛で、その愛を受け取る心を脅かすならば…神敵必滅、ただ灼滅あるのみ
|頭上の光輪《HYMNE》の光を強め、周囲を【浄化】しながら敵を攻撃
敵に攻撃しつつ、生徒達にオレの【声を届かせる】
真に人の助けとなるのは、人の発する言葉のみ
その潰れそうな気持ち、ぶっちゃけよくわかる
オレも一度マジで心が折れた部類の人間だ
手が届かなくてすり抜けるあの感覚を、今でも夢に見て飛び起きるし?
それでもオレが灼滅者やってんのは意地と大切な人の元に帰るためだ
…語るのはここまで!
後はしっかり見てな、悪夢に勝つまでボコり続ける意地っぱりの姿をよ!
有城・雄哉
【POW】
アドリブ連携大歓迎
この学校…シャドウが巣食っていたのか
それなら、一体残らず撃破するだけだ
…去れ!
全身バトルオーラを纏い防御固めた上で攻撃優先
背後から「グラップル」+指定UCの連打を浴びせ1体ずつ確実に葬る
闇黒羽根乱舞は軌道を見極めオーラ纏った両手で叩き落とそう
必要あらば劣等感持つ学生を庇って代わりに受ける
俺も無事では済まないが
学生たちのこころをこれ以上抉らせるわけにはいかない
…俺はダークネスに両親と双子の兄を殺され
地域から家族殺しの犯人扱いされて迫害された
信じていた大人達から犯人と決めつけられ
毎日のように罵られて死を選ぼうかと思ったこともある
…大分、傷は癒えたと思っていたんだがな
●
最も混乱を極めたのは、ギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)の居た戦場だった。
多数の学生とともに中庭を訪れ、薔薇花壇の案内を受けていた。
そこへ、次々と量産型シャドウ『ペルソナ』が顕現。
それぞれの敵が「精神を侵食し、その心を喰らう空間」を展開し、居合わせた学生たちの心身を浸蝕しはじめたのだ。
「悪夢が、現実になった……!」
「助けてぇ!」
見えない何かを見聞きして、その場に膝をつく学生。
頭を抱えて、うずくまる学生。
そのうえ、
(「なんだ。この薔薇の異常な香りは……!」)
ギュスターヴは思わず、手で鼻元を押さえた。
薔薇の花壇なら、他の場所にあるものをみたことがある。
しかし。
この中庭の花壇に漂っている薔薇の香りは、まるで香水の香りをさらに強くしたような。
否応なしにヒトの意識に染み入り、まとわりつくような。
そんな、強烈な存在感を放っていたのだ。
ともあれ、このままでは学生たちの心身が保たない。
「光あれ!」
静かに、しかし厳かに告げた聖句に応え、ギュスターヴを中心に、戦場が光と清浄な空気に満ちた空間へと交換されていく。
「光とは、すなわち『愛』で。その、愛を受けとる『心』を脅かすならば」
悪しき闇も、薔薇の匂いもかき消すほどの、神々しき光で戦場を満たして。
ギュスターヴは、己の内に在る揺るぎない信仰を体現すべく、言い放った。
「――神敵必滅、ただ灼滅あるのみ」
ギュスターヴ(f44004)の祈りにより、一帯の戦場は光と清浄な空気に満ちていた。
しかし有城・雄哉(蒼穹の守護者・f43828)もまた、中庭に駆けつけた時に感じた、薔薇の匂いの違和をぬぐいきれない。
――うつくしき薔薇の咲き誇る庭。
しかし、その香りはあまりにも強く、おぞましく。
量産型シャドウ『ペルソナ』のはびこる戦場においては、より異質さを感じずにはいられない。
「この学校……。これほどまでに多くのシャドウが巣食っていたのか……!」
(「それなら、一体残らず撃破するだけだ!」)
今まさに、学生たちへ退魔神器【漆黒の羽根】の攻撃を仕掛けようとしていた敵の背後に回り込んで。
雄哉は、激しさを秘めた金の瞳で敵の正中を見据え、両の拳を固めた。
「去れ!」
閃光百裂拳――その名の如く、閃光のような速さで百の打撃を叩きこむ。
1体を撃破しても、まだ他の敵が闊歩している。
視界の端に、すべてを諦めたようにうなだれる女子学生の姿が見えて。
「もう無理よ。どうせ、私には最初から無理だったのよ……」
悲痛な呟きを耳にしながら、雄哉は迫るシャドウの攻撃線上に、ためらいなく身を投げた。
オーラで護りを固めているとはいえ、直撃を受ければ無事では済まない。
黒羽根の切り裂いた場所には、さらに漆黒の闇がこびりついていて。
払いのけるように触れると同時に、過去に負った肉体・精神的な傷が、無理やり脳裏に引きずりだされる。
――かつて、ダークネスに両親と双子の兄を殺害されたこと。
――周囲から、家族殺しの犯人として迫害されたこと。
――信じていた大人達から犯人と決めつけられ、毎日のように罵られて。
その時。
この世のすべてを投げ捨てて、死を選ぼうと思った。
(「……大分、傷は癒えたと思っていたんだがな」)
じくじくと身の内を蝕んでいく攻撃に、己の唇を噛みしめる。
皮膚の割ける感覚に、鉄の味。
そして。
かばった女子学生が、すがるように己の腕を握りしめていることに、気づく。
改めて、拳を固める。
(「そうだ。学生たちのこころを。これ以上、抉らせるわけにはいかない……!」)
追撃で向けられた黒羽根の軌道を瞬時に見極め、蒼穹のバトルオーラを纏った両手で確実に叩き落としていく。
女子学生に離れているように伝えると同時に、敵の間合いへ飛び込み拳を叩き込んでいく。
「俺は。世界を変えた罪と責を背負い、エスパー達を護り続けると決めたんだ……!」
●
猟兵たちは着実にシャドウを駆逐し、その数を減らしていった。
しかし、
「ついに役立たずの俺にもお迎えがきたんだ! シんでいったあいつらみたいに! ぜんぶぜんぶ、終わるんだ!」
泣き叫んでいたのは、先ほど、悪夢を見た学生たちがいるという『禁忌』について声をあげていた男子学生だった。
他の誰でもない、彼こそが、その『禁忌』を誰よりも恐れていたのだろう。
負の感情を嗅ぎつけ集うシャドウを前に逃げようともせず、諦観した様子で身を投げ出している。
シャドウたちは、その様子を愉しんでいるのか。
ヒトの子の精神をじわじわと蝕み、心身が壊れるのを待っているのか。
じっと、その様子を観察している。
――ユーベルコードがどれほど万能で、奇跡の力であろうとも。
――邪悪を退け、浄化の力で満たそうとも。
――ヒトの内に巣くう闇を払いのけるには、足りないこともある。
だからこそ、|頭上の光輪《HYMNE》の光を強め、周囲を浄化しながら敵を攻撃し続けていたギュスターヴは、大きく息を吸いこんだ。
(「真に人の助けとなるのは、人の発する言葉のみ……!」)
『禁忌』を恐れる男子学生だけではない。
この学校で学び、己の闇と向かい合わんとしている生徒達に届けと、声を張りあげた。
「その潰れそうな気持ち、ぶっちゃけよくわかる! オレも一度、マジで心が折れた部類の人間だ。手が届かなくてすり抜けるあの感覚を、今でも夢に見て飛び起きるし?」
|灼滅者《スレイヤー》が『英雄』だなんて、そんなわけがない。
いつだって、迎えた結果の「もしも」を考えた。
もっといい結果、違った選択ができたのではないか。
他の灼滅者なら、違った結果を得られたのではないか、と。
「それでも。オレが今でも灼滅者をやってんのは、意地と、大切な人の元に帰るためだ……!」
生徒たちに届くように。
そして、己自身にもあらためて言い聞かせるように、そう吠えて。
はなった鴉――Miserere nobisは、救い求める人々を取りこぼさない。
学生を取り囲んでいたシャドウたちを屠る頃には、別の場所に居た猟兵たちも、次々と集結して。
他の猟兵たちに救出された学生たちが、それぞれ率先して学生たちの避難誘導にあたっているのをみて、ギュスターヴは口の端をもたげた。
――秀でた力などなくとも、できることはある。
――『今の自分』にできることが、必ず存在する。
ひとりひとりのその行動が、大きなうねりとなって、今の|世界《サイキックハーツ》がある。
「さぁて、オレの昔話はここまで! |オレたち《灼滅者たち》が、本当に『英雄』かどうか。後は、そこでしっかり見てな。――『悪夢』に勝つまでボコり続ける、意地っぱりの姿をよ!」
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『薔薇の女王ルージュノワール』
|
POW : プレシャスプラチナム
任意の部位から最大レベル枚の【負の感情を増幅させる枝葉の翼】を生やして攻撃する。枚数を増やすと攻撃対象数、減らすと威力が増加。
SPD : ルージュピエールドゥロンサール
非戦闘行為に没頭している間、自身の【身体に根付く薔薇】が【対象の理性を奪い養分とすることで】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ : マイ・ローズ
視界内の任意の全対象を完全治療する。ただし対象は【負の感情を増幅させる薔薇の馨】に汚染され、レベル分間、理性無き【薔薇のしもべ】と化す。
イラスト:飴茶屋
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠ラヴィ・ルージュブランシュ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●断章
ギュスターヴ(f44004)が中庭に居るシャドウたちを屠る頃には、別の場所に居た猟兵たちも、次々と終結していた。
レティシア(f44010)とともに音楽室を脱した少女は、恐怖にとらわれた学生たちの手を握り、
「大丈夫。わたしたちが、傍にいるわ」
恐怖にすくんだこころを取り戻すべく、やさしい歌をうたって。
姫凜(f43987)とともに屋上を脱出した男子学生は、
「自分の足で動ける人は、ぼくと一緒に学校の外まで逃げるんだ……!」
一人でも多くの学生を学外へ避難させようと、動ける者たちに声を掛けて回っている。
明莉(f43993)とリョウ(f17343)の二人とともに教室を脱した女子学生と他の生徒たちは、
「動けないヒトは動かない! でも意思表示はして!」
「あたしたちが行って助けるから、待っててね~。それまで無理しないコト~!」
身動きの取れなくなった学生の元に駆けつけ、連係プレーでひとりひとり手助けし、連れ出していく。
学生たちがそれぞれ率先して避難誘導にあたっている姿をみて、ギュスターヴは口の端をもたげた。
――秀でた力などなくとも、できることはある。
――『今の自分』にできることが、必ず存在する。
ひとりひとりのその行動が、大きなうねりとなって、今の|世界《サイキックハーツ》がある。
「さぁて! |オレたち《灼滅者たち》が、本当に『英雄』かどうか。後は、そこでしっかり見てな。――『悪夢』に勝つまでボコり続ける、意地っぱりの姿をよ!」
猟兵たちの気配を察知してか。
それとも、獲物たちの負の感情が、次々と薄れていくことを憂いてか。
エスパー養成学校の中庭。
その中央に存在していた薔薇花壇に、ひときわ巨大な薔薇が一輪、顕現する。
ざわり、震えた花茨が幾重にも絡みあい、やがてひとの形を成した。
『ああ、厭わしきは|灼滅者《スレイヤー》!』
深紅の髪に銀細工のティアラを戴いたその敵の名は、『薔薇の女王ルージュノワール』。
あらゆる負の感情を薔薇の香りによって増幅し、やがてはいがみ合い、殺し合いにまで発展させてしまう、恐ろしき存在。
今はまだ学校のみの影響で済んでいるが、このまま野放しにすれば、いずれその香りは、街ひとつをも満たすだろう。
白薔薇をドレスのように身にまとい、女王は鮮血のごとき紅き薔薇の枝葉、棘茨をあたりへと伸ばして。
いいことを思いついたとでもいうように、宣言した。
『おまえたちのような悪い虫は、みんなみんな、ここで処分してしまおう』
●マスターより
エスパー養成学校に巣くっていた、『薔薇の女王ルージュノワール』を撃破してください。
なお、学生たちの抱いていた「負の感情」は薄れ、それぞれ自主的に学外(戦場の外)へ避難しています。
そのため、プレイング内で避難誘導を行う必要はありません。
橘・レティシア
良かった。学生さんたちはもう大丈夫ね。
……これで心置きなく戦えるわ。
薔薇の香りも嫌いではないけれど、過ぎれば暴力よ。
音も香りも似たようなものね。
……そう、こんな風に。
愛用のチェーンソー剣を唸らせ、振るって、悪しき薔薇を刈り取ってしまいましょう。
切断、解体、斬撃波……持てるスキルを活かしてダンスするように。
枝葉の翼の枚数もよく見て、出来る限り切り裂いていきたいところね。
本体もズタズタにしてダメージを積み重ねられれば。
負の感情を増幅させられたら、精神の余裕で耐えつつ、感情は出来るだけ斬撃に乗せて立ち回りましょう。
感情のコントロールは歌う時と似てる。
でも……。
本当はね、戦いって高揚するものなのよ。私の中にある闇が囁くの。
美しい花を断つことこそが|歓び《レティシア》なんだって。
それが|こんな武器《チェーンソー剣》を手にしている理由の一つ。
ああ、貴女という花は特に断ち切り甲斐がありそうだわ。
負の感情を掻き立てられつつも隙は見せないように。
味方も出来る限り助け、薔薇の女王の首を落としに行きましょう。
木元・明莉
はきはきと避難誘導する女学生達をちらと眺め
正直、つい先刻まではうるさいわ何だと少し辟易していたけど...、いや、逞しい
前言撤回、と笑み顔に
誰もがその場で、自分の出来る事を自分の意思で行う
恐らくあの逞しさが、俺達が世界を変え、手に入れたかったもののひとつかもしれない
そう思いながら
...偽でも一応は「先生」だしな。後で「よくやった」とでも誉めるべきかね?
でもまぁ、今は自分の仕事を終わらせなきゃな
棘は掠っても痛そうだ
だが本体の動きが鈍そうな分、気配感知と瞬間思考力働かせればその軌道は予測しやすいか?
襲う枝葉は鋼糸「墨絲」を操り巻切り落とし、切り損ねた分は懐刀「凛桜」で払い斬ろう
どんな感情を持とうが戦場にも戦闘にも持ち込まない
今迄そうやって戦って来たし
今も、これからも、だ
UC【激震】
女王へと近接し、薔薇の花を足場に蹴り上がり、大刀を振りかぶり思い切りその身体を頭から叩き斬る
ギュスターヴ・ベルトラン
ここで処分…言ってくれやがる
確かにここに居るのがオレ一人だったら処分されてたかもな
だが生憎、強敵に対する戦い方を知ってるツワモノが集ってる
つまり|敵は囲んでボコる流儀《コンビネーション》を知ってる面子が多いってこと!
薔薇の芳香を媒介にして負の感情をコントロールするというならば
こっちにも対抗策はある
十字を切って祈りを捧げる
七つの罪減、滅するは絶えず感謝を忘れぬ心にある
枝葉の翼がオレたちを攻撃して負の感情を増幅しようとも
【祈り】を込めた【浄化】の光が降り注ぐ限り、罪や欲望へと導く感情がこちらを狂わせることはない
その枝も葉っぱも、頭上に浮いたHYMNEで切り落とす
例え悪しき感情に乱されようとも、この茨の冠は|必ず当たる《ホーミング》
人に巣食う闇と邪悪を滅するが、エクソシストの本分!
有城・雄哉
【POW】
アドリブ連携大歓迎
…現れたな
エスパー達を狂わせ、いがみ合わせ、死に至らせていた元凶が
姿を現した以上、貴様はここで…灼滅する
プレシャスプラチナムの枝葉の翼はどこから生えてもおかしくない
枚数が多い場合はオーラを纏った両手で受け流しつつ叩き落とし
枚数が少なそうなら翼が生えた瞬間を見切り避ける
回避した瞬間懐に飛び込み密着し、できるだけ命中しやすくした上で
「グラップル」+指定UCで只管拳を叩き込む
もし翼が命中し負の感情が増幅したら
…ダークネスへの憎悪に囚われ回避を捨てて殴り続けるだろう
…俺は英雄じゃない
世界を変えた責を背負いダークネスを狩り尽くすと決めた…ただの罪人さ
戦闘後はすぐ姿を消す
唯月・姫凜
私も、私に出来ることを
フラウ、どうか力を貸してね
無数ある枝葉や棘茨に捕らわれない様に
気配感知で可能な限り攻撃回避を試みる
環境耐性があるとはいえ、
回避の難しい嗅覚を攻めてくるのは厄介ね
心を強く、理性を持っていかれないように
挫けて泣いたその後には、強い自分で在りたいわ
何も出来ないままの自分ではいたくないの
フラウに力を注ぎ込む
繰り返し『flamber』で攻撃を
果てがない棘茨への対応よりも、本体を狙いたいけれど
状況次第、臨機応変に
薔薇というなら植物だもの
フラウの炎で焼き尽くすわ
フラウは炎の鳥
あなたを啄むのに、これ以上の適任はないでしょう?
虫は得意ではないけれど、
あなたを倒せるなら、別に私は虫でいいわ
駒鳥・了
どう転ぶかと思っておりましたが、この短時間で消化しましたか
良きデータを得ました
きちんと育てればそれなりの確立でより良く成長する者たちを
負の感情で惑わせる貴女こそ、悪い虫の名にふさわしい
ここで処分いたします
一先ずあの翼は殲滅すればよろしいのですね
攻撃力を高めて弾丸で「吹き飛ばし」ます
捕まる事だけはないよう適宜結界術で弾き
状況に寄っては近接戦の方への援護のため牽制などもいたします
無理にわたくし一人でどうにかしようと考えなくとも良いようですし
意思の強い方が多いので問題はないと考えますが
猟兵の方で不穏な方がいらっしゃればApocalypsisを差し向けて
浄化いたしましょう
●薔薇の女王
木元・明莉(蒼蓮華・f43993)は、はきはきと避難誘導する女学生たちを、ちらと眺めて。
(「正直、つい先刻まではうるさいわ何だと、少し辟易していたけど......。いや、逞しい」)
「前言撤回」と小さく呟いて、笑みを浮かべる。
――誰もがその場で、自分のできることを、自分の意思で行う。
(「恐らく、あの『逞しさ』が。俺達が世界を変え、手に入れたかったもののひとつだったのかもしれない」)
そう思いながら、その手が届かなかった学生たちのことを、想う。
否応なくこころかき乱され、この世を去らねばならなかった、いのちを。
(「今は。自分の仕事を、終わらせるのが先だ」)
明莉は眼を閉じ、『激震』の名を冠する、150cm丈の幅広い銀色の大刀を地面に突き立てる。
白薔薇をドレスのように身にまとい、『薔薇の女王ルージュノワール』は鮮血のごとき紅き薔薇の枝葉、棘茨をあたりへと伸ばして。
明莉はすかさず鋼糸『墨絲』を手繰り、接近した枝葉を切断。
切りそこねた分は、懐刀『凛桜』で手早く払い斬る。
一筋縄では餌食にならぬと察し、女王はまるでいいことを思いついたとでもいうように、宣言する。
『ああ、厭わしきは|灼滅者《スレイヤー》! おまえたちのような悪い虫は、みんなみんな、ここで処分してしまおう』
「……言ってくれやがる」
懐からサングラスを取り出し、そう吐き捨てたのはギュスターヴ・ベルトラン(我が信仰、依然揺るぎなく・f44004)。
学生たちが退避するなら、もはや『装う』理由はない。
ギュスターヴが全力を発揮するためにも、|遮光眼鏡型制御端末《サングラス》は欠かせない。
「確かにここに居るのが、オレ一人だったら処分されてたかもな。だが生憎、強敵に対する戦い方を知ってるツワモノが集ってる」
サングラス越しに女王の顔を見やり、口を歪めて嗤う。
「つまり。|敵は囲んでボコる流儀《コンビネーション》を知ってる面子が多いってこと……!」
その声を合図とするように、猟兵たちは戦場に散開。
各々の立ち位置から、攻撃を開始する。
ギュスターヴは頭上にいただいた光輪――【HYMNE】を放ち、放たれた枝葉の翼に抗う。
――茨の冠に誓うは、人の生の賛歌。
「たとえ、悪しき感情に乱されようとも。この茨の冠は、|必ず当たる《ホーミング》!」
切り払われた後、仲間たちが隙を逃さぬとばかりに続いていく。
金の双眸をらんらんと煌めかせ、有城・雄哉(蒼穹の守護者・f43828)は女王の間合いに飛び込み、拳を叩きつけた。
「現れたな。エスパー達を狂わせ、いがみ合わせ、死に至らせていた元凶が……!」
その声を受け、薔薇の女王は、枝葉の翼で攻撃をいなしながら、不思議そうに言った。
『生きるためには糧が必要。おまえたちだってそうであろう。満たすために殺し、愛でるために摘み、枯らす。我らとなにが違うというのだ』
次の瞬間、全方位へと大きく展開した枝葉の翼が、怒涛の波のごとく雄哉に迫って。
「黙れ! 姿を現した以上、貴様はここで……灼滅する!」
吠える合間にも身をよじり、四方から迫る攻撃を紙一重で回避。
怒りに震える両の拳には、その感情の激しさを物語るように、どす黒い鏖殺の気と、薄青のオーラがせめぎあいながら絡みついていく。
雄哉は可能なかぎり攻撃を拳でいなし、攻撃を拳を叩き込み攻撃を相殺するが、すべてを受け流すにはあまりにも数が多い。
――かつて、家族の仇討ちのために人造灼滅者になった。
その胸の裡には、今なお、激しい憎悪と怒りが燃えている。
「護り続けるために。貴様は、必ずここで倒す!!」
『愚かな虫たち。花を摘むもの。蝕むもの。すべからく消えるがいい……!』
声に応えるように、女王の身体に根付く薔薇から、唯月・姫凜(廉花・f43987)の理性を奪わんと濃厚な香りがまとわりつく。
接敵して戦うすべを持たない姫凜は、意識を奪われぬよう、枝葉や棘茨に捕らわれぬよう気配を感知しながら、女王と一定の距離を取り続けていた。
(「薔薇というなら、植物だもの。炎で焼き尽くすわ……!」)
「フラウ、どうか力を貸してね!」
姫凜はフェニックスを召喚し、女王の周囲を飛翔させることで、棘茨を焼き尽くしていく。
いかに薔薇の女王であろうとも、不死鳥の劫火から逃れる術はもたない。
命を受けたフラウも延焼した場所を覚え、何度も何度も、念入りに枝葉を焼き尽くしていく。
(「できれば、果てがない棘茨への対応よりも、本体を狙いたいけれど――」)
決定打を与えるには、まだ足りない。
それに。
先ほどから敵の間合いに飛びこみ戦い続ける雄哉は、迫る枝葉のすべてをかわしきれず、しだいに傷を重ねている状態だ。
恐怖はまだ拭いきれない。
しかし、自分の足で立ちあがり、避難誘導をかって出た男子学生の姿を思い出し、己の心を叱咤する。
(「私も、私にできることをするわ」)
姫凜は意を決し、女王の気を引くべく、声を張りあげる。
「薔薇の女王! フラウは炎の鳥。あなたを啄むのに、これ以上の適任はないでしょう?」
それまで別の仲間たちを見ていたダークネス――もとい、オブリビオンが姫凜を見た。
手指と脚が震える。
恐怖に喉がひりつく。
それでも、姫凜は両足を踏みしめ、叫んだ。
「虫は得意ではないけれど。あなたを倒せるなら、別に私は虫でいいわ!!」
駒鳥・了(WhoKilledCockRobin/ImRook・f17343)ことリョウは、仲間や女王の動きを注視し、援護の弾丸を撃ち放ちながら、避難誘導に勤しむ学生たちにも意識を向け続けていた。
彼らの迅速な対応により、すでに中庭には学生たちの姿はない。
今は校門方面から、誘導をおこなう学生たちの、頼もしい声が聞こえるばかりで。
(「どう転ぶかと思っておりましたが。この短時間で、消化しましたか」)
ならば、以後は眼前の戦闘に意識を向ければ良い。
そう判じ、リョウは『Purify』の名を冠する白いリボルバーへ、己の魔力を再装填していく。
しかし、女王の全身から伸びる【負の感情を増幅させる枝葉の翼】の数と勢いはすさまじい。
接近するには、さらに数を減らさねばならない。
(「翼の枚数が増えれば、威力は減衰する。――ならば。一先ず、あの翼を殲滅いたしましょう」)
複数の翼に分かれたとて、束となって襲い来る枝葉は脅威だ。
リョウは結界術で攻撃を弾きながら、敵をさらにかく乱するべく、言葉をはなつ。
「きちんと育てれば、それなりの確立でより良く成長する者たちを。負の感情で惑わせる貴女こそ、『悪い虫』の名にふさわしい」
その声はまるで、山野でうたう駒鳥の歌声のように力強く、はっきりと。
澄んだうつくしい調子で、女王の元に届いた。
『愚かな鳥。おまえから処分してやろう』
「あなたとは相容れません。――ここで、処分いたします」
やりとり無用とばかりに、リョウは限界まで攻撃力を高めた弾丸を撃ちこみ、迫りくる枝葉の束を吹き飛ばした。
――学校に巣食い。燦然と咲き誇る、薔薇の女王。
枝葉の翼を全方位に展開する女王と交戦しながら、橘・レティシア(灼滅者のサウンドソルジャー・f44010)は、避難誘導を行う学生たちの声が聞こえなくなったことに気づき、こころから安堵していた。
(「良かった。学生さんたちはもう大丈夫ね。――これで私も、心置きなく戦えるわ」)
そう胸中で唱え、愛用のチェーンソー剣に両の手を添える。
赤と黒のボディに、白い蔦草。
穏やかにたたずむばかりが、この|殲術兵器《キリングツール》のすべてではない。
「薔薇の香りも嫌いではないけれど、過ぎれば暴力よ。『音』も『香り』も似たようなものね。――そう、こんな風に」
くんと動力を駆動させれば、のこぎり状についた小さな刃が、眼にもとまらぬ高速回転をはじめて。
仲間たちの声や戦闘音だけが聞こえていた中庭に、耳をつんざくほどの唸りが響く。
レティシアの持つ『唸りをあげる剣』を見て、女王はそれまで微動だにしなかった表情を、露骨に歪めた。
『……次は、おまえを処分しよう!』
敵の慄きなどお構いなく、レティシアは黒のブーツで軽やかにステップを踏んでみせる。
――切断、解体。ときには、アクセントに斬撃波も織り交ぜて。
波のように寄せてはかえす可憐な衣装をひるがえし、剣とともに舞い踊る。
枝葉も、本体も引き裂き、ズタズタにして。
妖艶な笑みを浮かべ、灼滅者のサウンドソルジャーは宣言した。
「悪しき薔薇は、刈り取ってしまいましょう」
●
猟兵たちの連携により、薔薇の女王の翼はしだいに勢いを落としていった。
しかし、薔薇の香りは戦闘中の猟兵たちの『負の感情』をも、かき乱していく。
間合いに入って打撃を叩きこみ続けていた雄哉は、特につよく、その影響を受けた。
「おおおお……!」
顔や腕、身体に次々と傷が増え血が流れるも、雄哉は女王の傍に踏みとどまり、決して退こうとはしない。
ダークネスへの憎悪に囚われ、回避を忘れて、ただひたすらに攻撃を繰りだす。
「お任せください。浄化いたしましょう」
リョウはすぐさま、己に付きまとう空ろな光――|幽世蝶《Apocalypsis》を差し向ける。
その淡き鱗粉の囁きは魂にのみ直接響き、雄哉の意識を「いま、ここ」へと呼び戻す。
姫凜はその姿を見やりながら、心を強く、理性を持っていかれぬようにと、己を叱咤していた。
(「挫けて泣いたその後には、強い自分で在りたいわ。何もできないままの自分では、いたくないの」)
雄哉の打撃に続き、リョウの弾丸が援護に入り、とどめに姫凜の召喚した|フェニックス《フラウ》が、炎で焼き尽くして。
そうしてようやく、女王の片翼は、枯れ朽ちた。
華麗に立ちまわるレティシアもまた、こころを蝕む薔薇の香りと戦っていた。
精神の余裕でこらえつつも、溢れそうになる感情はできるだけ、チェーンソー剣の斬撃に乗せて振りはらう。
(「感情のコントロールは、歌う時と似てる。でも――」)
レティシアの心の内に咲く花が、ざわざわと震える。
己の闇が、囁く。
――本当はね。戦いって高揚するものなのよ。
――美しい花を断つことこそが、あなたの|歓び《レティシア》。
本当は知っているくせに、と。
己が微笑む。
(「薔薇の芳香を媒介にして負の感情をコントロールするというならば、こちらにも対抗策はある……!」)
仲間たちが次々と『負の感情』に蝕まれるのを察し、ギュスターヴはロザリオを握りしめ、十字をきって祈りを捧げる。
七つの罪減。
滅するは、絶えず感謝を忘れぬ心にある。
「――絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい」
聖句とともに祈りをこめた光が満ちると、戦場に居る者たちの『負の感情』がしだいに浄化されていく。
「オレの光が降り注ぐ限り、罪や欲望へと導く感情が、オレたちを狂わせることはない!」
――我が信仰、依然揺るがず。
その強さが、祈りをより強固なものとする。
光満ちた戦場でレティシアは我を取り戻し、ふうと息をついた。
「ありがとう。つい、見失うところだったわ」
胸中によぎった闇。
それもまた、まごうことなく、もうひとつの己の姿なのだから。
(「そう、この|歓び《レティシア》こそが、|こんな武器《チェーンソー剣》を手にしている理由の一つ」)
レティシアは剣を手に、女王の首を落とすべく舞い続けた。
「ああ、貴女という花は、特に断ち切り甲斐がありそうだわ……!」
レティシアの一撃で、残っていた翼が、根元からそぎ落とされる。
枝葉こそ俊敏に猟兵たちへ追いすがっていたが、薔薇花壇に深く根付いた本体の動きは鈍く、もはや脅威ではない。
姫凜の召喚したフェニックスの炎は本体にも延焼し、今なおダメージを与え続けており。
その上、肝心の香りの効果は、ギュスターヴが祈りの光で浄化し続けている。
(「――もはや、女王に勝機なし」)
これだけ学校をかき乱しておいて、あっけないものだ。
明莉は大刀を手に漆黒のロングコヲトをひるがえし、薔薇の花を足場にして、強く高く、蹴りあがる。
桜の花弁が舞うごとく、まとう霊気が、敵と己を柔らかく照らして。
天翔けるように、大刀を力のかぎり振りかぶる。
中空に在りながら、明莉のこころはただ、静かだった。
しんと、静まりかえっていた。
――どんな感情を持とうが。
――戦場にも、戦闘にも持ちこまない。
(「今まで、そうやって戦ってきた。今も、これからも、だ――」)
大刀の重量に任せ、女王の身体を頭から、一閃!
「終わりだ」
刃はまっすぐに、その身を真っ二つに切り裂いて。
最期には。
不死鳥の炎に焼かれ尽くして、ただの灰となり果て、消えた。
●戦闘後
学校近くの公園に集まっていた学生たちは、猟兵たちを見るなり、一斉に駆け寄ってきた。
「すごい! やっぱり|灼滅者《スレイヤー》は『英雄』です!」
「教科書に書いてあったことは、本当だったんですね!」
口々に告げる学生たちの声にもまれながら、サングラスを外したギュスターヴは、胸をはって応えた。
「人に巣食う闇と邪悪を滅するが、エクソシストの本分だからね!」
「先生!」
姫凜の元へは、男子学生が駆け寄って。
無事に戻った安堵でいっぱいの顔を見て、思い出したように己の手指が震えることに、苦笑い。
「私たち、よくやったわよね」
そう声をかければ、男子学生は満面の笑みで「はい」と応える。
「ぼくたち、よくできました!」
いまの己の全力も、限界も、ひとしく受け入れられたなら。
彼も、自分も。
これからも一歩一歩、進んでいくことができるだろう。
「先生……!」
レティシアの元に駆け寄ったのは、音楽室にひとり残っていた少女と、少女を責めていた友人たちだった。
学生を避難させる際、少女は友人たちと一緒に、音楽や歌の力でみんなを励まし続けたという。
オブリビオンの仕業とはいえ、すべてのわだかまりが融けたわけではない。
しかし、
「わたしたち、また一緒に、がんばっていこうと思います」
周囲にいた友人たちも、こころから反省したように、頷いて。
レティシアは、少女たちを見渡して、言った。
「そうね。もしまたあなたたちの中で困ったことがあったら、皆で演奏してごらんなさい。音楽があれば。それ以外の言葉は、いらないのだから」
「せぇーんせー!」
「よかった~! いきてた~!!」
そう言ってわんわん声をあげて泣く女子学生たちを、明莉はやれやれと笑顔で迎えて。
(「偽でも、一応は『先生』だしな」)
明莉はふたりの頭にポンと手を載せると、
「よくやった」
と、めいっぱい、その働きを労ってやった。
彼らの、これからの学校生活が穏やかであるように。
彼らが素直なこころのままに、これからも学べるようにと、願って。
リョウは、灼滅者と学生たちの再会を見守って。
学生たちの表情が、はじめの頃と見違えるように変化しているのを確かめて、ひとり頷いていた。
「思いがけず、良きデータを得ました」
そうして、声を掛けようとする学生を「わたくし、灼滅者ではありませんので」とあしらうと、振り向きもせず去っていく。
雄哉は戦闘後、他の猟兵たちと一緒に行動することなく、ひとり学校から離れた。
(「俺は、『英雄』じゃない」)
無事を喜びあう学生や、猟兵たちの声が遠くから聞こえる。
しかしそれも、己には縁のないこと。
雄哉はそっと、夕焼けを浸蝕する夜闇を見あげて。
確かめるように胸中でつぶやいた。
(「……俺は、世界を変えた責を背負い、ダークネスを狩り尽くすと決めた。ただの『罪人』さ」)
●
その後。
このエスパー養成学校では、不審な休学者や退学者、犠牲者が出ることはなくなり。
学生たちは今も、本物の|灼滅者《スレイヤー》たちに出会ったこと、その時に学んだことを胸に、日々の学業に励んでいるという。
大成功
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