|Kick!!!!《美味しいね!!!!》
●あのね
何事も一生懸命なのはいいことだと思うの。
でもね、一生懸命だと疲れしまうのも、きっとみんな同じなのね?
「オススメ、ですか」
そう、そうなの。
復活ダークネス、オブリビオンと『遊ぶ』と、すごくすごーく疲れるの。
だからね、そういう時は甘いものを食べるといいんだって教えてもらったから、たまにはね。
他の人からオススメを聞いているの!
「……一時間、いえ、三十分ほどお時間頂けますか」
いつになく真剣なお顔!
え、そんなにパッと出てこないものなの?
「甘い物、とコノネさんはおっしゃられました。手抜かりがあってはなりません」
そんなに?
そんなに大事なの?
「はい。甘い物とは人の生きる活力なのです」
そうなの?
そうなのかな?
「故に、しばしお待ちを! 最高にオススメできる一品を私がはじき出して見せましょう!」
ナイアルテおねーさんは、なんていうかこういう時いつもと迫力が違う気がした。
あたしが『遊ぶ』時と同じ空気を感じてビリビリと肌を突き刺すような重圧感じちゃう。
ちょっとびっくり――!
●このね
此原・コノネ(精神殺人遊び・f43838)の眼の前にあったのは、切り株の形をしたチョコレート菓子であった。
パッケージが冷えているのは、恐らく冷蔵庫に入れられていたからだろう。
眼の前にはグリモア猟兵ナイアルテがドヤ顔をしている。
「これは?」
「ご存知、『チョコ切り株ト』です! ええ、本当は『チョのこの里』と『たけチョコの山』……どちらかをと思ったのですが、これは下手な戦争問題よりも難しいものでありましたので、此方をご用意いたしました」
コノネはなにそれ知らない、と思った。
けれど、冷蔵庫で冷やされたチョコレート菓子はコノネの実食を待っているようだった。
「食べていいの?」
「勿論です。むしろ、そのために私の私物冷蔵庫から持ち出してきました。どうぞどうぞ」
にこやかなナイアルテ。
ミシン目の入ったパッケージを開けると蓋になるようだ。
「わ、これ迷路?」
「はい、蓋の裏側にちょっとしたオマケがあって楽しのですよ。たまにクイズもありますよ」
「そうなんだ……本当に切り株!」
「そうでしょうそうでしょう。驚きますよね。本物と見紛うかのようなクオリティ……企業様の努力が目に浮かびます!」
おねーさん、ちょっとうるさいな、とコノネは思ったが口に含んだチョコの甘さが全部ぶっ飛ばしてくれるのだった――。
成功
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