モフィンクスの冒険 ~サクラミラージュの夏の風物詩~
幻武・極
【モフィンクスの冒険】
第7.5話 モフィンクスサマー・in2023?-EX
アルダワののんびりモフモフゆるキャラ災魔のモフィンクスの1匹がちょこっとやる気を出し……夢の世界へと足を踏み入れてしまいました。
そして、夢の世界の散歩はまだまだ続きます。
モフィンクスが飛び込んだ次の夢は、
サクラミラージュの夏祭りを楽しむグリモア猟兵の頭の上でした。
両者の間に気まずい空気が流れます。
それもその筈、モフィンクスとしては災魔の敵である猟兵と単独で遭遇してしまい、そしてグリモア猟兵としてもこの楽しい夏祭りの雰囲気を壊したくないという思いから戦闘は避けたいと思った筈です。
そこで、ここは一時休戦ということで1匹と1人は夏祭りを楽しむことにしたのでした。
モフィンクスとサクラミラージュの夏祭りを楽しんでください。
夢の中なので言葉が通じたりなどはご自由にどうぞ。
今回は執筆していたら長くなってしまったMS様の為に3000文字まで用意してありますが、区切りのいいところで区切っていただいて構いません。
オムニバス形式で続けていくノベル企画になりますので、納品後にタグで#モフィンクスの冒険 と付けてください。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
●第7.5話! モフィンクスサマー・in2023?-EX
モフィンクス。
アルダワにおける、のんびりモフモフゆるキャラ災魔はある日、ちょこっとやる気を出して夢の世界を散歩していた。
あっちの世界をとことこ、こっちの世界をぽふぽふ、いろんな世界を渡り歩き、いろいろな出会いや経験を楽しんでいた。
そして今日もまた、新たな存在と遭遇することになる……。
「モフ~!」
ぴょんと元気に飛び込んだ、次なる夢の世界。
そこは、神秘の幻朧桜が一年中咲き誇る、幻想的な大正時代。
サクラミラージュであった。
「モフ~?」
日が落ち夜の帳が下りる街中で、提灯やガス燈が桜を照らしている。
影朧という、傷つき虐げられた不安定なオブリビオンの荒ぶる魂と肉体を鎮めて癒し、転生させるという独特な世界。
そんな世界に踏み込んだモフィンクスが着地した場所は……一人のグリモア猟兵の頭の上。
モフィンクスは、緑色の髪のサイボーグの頭上にもふっと降り立ったのであった。
「オーウ……? 影朧、ではなく、オブリビオン? 何故ここに……」
「モ、モフ……。……モフ……?」
彼女は、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)。
お祭り衣装に着替えて、幻朧桜が舞うサクラミラージュの夏祭りを楽しんでいる真っ最中だった。
具体的には、バルタンは屋台を開いていた。
焼きそば、たこ焼き、わたあめにりんご飴。そのほかジュースやアイスも用意済み。
超級料理人の技量を駆使して様々なメニューを一人で拵えるという、単独チェーン展開であった。
モフィンクスは当初、猟兵の頭上という死地に降りたことに慄いたものの、すぐに眼下に広がるご馳走を眺めて垂涎する。
鉄板の上で焼かれる炭水化物の香ばしい匂い、割りばしに刺さった甘味たちの煌めき、冷たいジュースやアイスの冷気……モフィンクスは、お腹をきゅるると鳴らす。
新たな世界に到着して早々、モフィンクスは食欲がそそられているようだ。
「モフ~……」
「ふーむ……。災魔ではありマスガ、戦意は無し。食欲は有り。
ならば、サクラミラージュの風潮に合わせて接待しマショー!
どうぞデース、モフィンクス殿!」
「モッフ!」
モフィンクスは散歩を楽しんでいるだけなので戦う意図はなく、バルタンもせっかくの屋台を放り出してバトルに移行するのは不本意である。
つぶらな瞳とサイボーグ・アイが見つめ合い、互いの思惑を交わし合う。
この楽しい夏祭りの雰囲気を壊したくない。その思いが一致したことで、一匹と一人は一時休戦。
夏祭りを楽しむことにした。
「焼きそば上がりマシター!」
「モフ~♪」
「ハーイ、たこ焼き一丁!」
「モッフ、モッフ♪」
「わたあめとりんご飴も食べマスカナ?」
「モッフフーン♪」
バルタンが秒で作り上げる料理の数々。
へらを動かしてソースを絡めた焼きそばを盛り作り、|錐《ピック》を駆使して真ん丸なたこ焼きをクルクルと翻し、かと思えば出来立てふわふわのわたあめが目の前に仕上がっている。
宙を舞う料理はこぼれることなく容器に収まり、モフィンクスが食べやすいように専用の食器まで用意されていた。
モフィンクスは四つの脚をおしぼりで拭くと飲食用テーブルの上に腰を下ろし、前脚を器用に動かして夏祭りのご馳走を堪能していく。
「モッフ~♪」
「HAHAHA! 喜んでいただけて何よりデース!」
濃厚な味付けの、夏祭りの屋台の料理。
ソースやマヨネーズ、砂糖やカラメルがたっぷりのジャンクな雰囲気を堪能するモフィンクス。
健啖な食べっぷりにバルタンも笑顔を返し、そして屋台に来る一般客にも接客を並行していく。
そしてキンキンに冷えたラムネを美味しく飲んでいた時、空から降り注ぐ光と響き渡る大きな音がモフィンクスの意識を引き付ける。
「モフッ?」
「オー、打ち上げ花火の時間デスネー!」
「モフフ……モッフ!」
夜空を彩る色とりどりの花火。
アルダワの地下迷宮ではお目にかかれない、幻朧桜の花びらと天に煌めく花火の光景。
鎮魂の意味も込められているだろう花々を、モフィンクスは目を輝かせて見上げている。
綺麗なものを見たと、モフィンクスは笑みをこぼす。
「たーまやー! かーぎやー!」
「モッフフー! モーフフー!」
バルタンの掛け声を真似して鳴き声を上げるモフィンクス。
楽しそうに身を揺らし、嬉しそうに料理を口にして、サクラミラージュの夏祭りを満喫していく。
焼きそばを啜り、たこ焼きを食み、甘味を貪るその姿は、見事に客寄せマスコットとして機能していた。
モフモフっとしたゆるキャラを、じっと眺めて癒されたり、嫌がらない程度に撫でたり突いたりと、サクラミラージュの人々にもモフィンクスは好評である様子だ。
例年以上の集客を得つつ、バルタンはモフィンクスが満足するまで料理を振舞っていた。
「モフモッフモーフ♪」
「お粗末様デース!」
たっぷり食べ終え、ご馳走様でしたと前脚を合わせるモフィンクス。
まだ屋台を続けるバルタンに頭を下げて一礼して、モフィンクスは再び歩き出す。
しばらくはこのサクラミラージュの綺麗な風景を眺めて回るのだろうが、また気まぐれに他の世界へと足を延ばすことだろう。
果たして、次はどのような出会いが待ち受けているのだろうか。
自由気ままな夢の世界、モフィンクスの散歩はまだまだ続く。
成功
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