そこは幸せに満ちた、ありふれた家庭のはずだった。何故こうなったのか――『密室を作る』という奇妙な能力に支配されたリビングルームは、破壊し尽くされ、荒廃していた。
無残にも床に打ち捨てられた夫と子供達の亡骸。妻であるらしい女は怯えきり、もはや逃げ出す気力もない。ただ、目の前の時限爆弾がリミットに近づいていくのを眺めるのみだ。
その姿を嗤うのは、復活ダークネスのスマイルイーター。元は六六六人衆の一人で、幸せな人々の笑顔を奪うことが生き甲斐の男だ。男の暴虐により、ソウルボードは崩壊寸前であった。だが――。
「目を覚まして、これは悪夢だよ! ボクちゃん、とーじょー★」
『ダイヤ……歓喜のシャドウですか。人類の味方面も、その笑顔も気に入りませんね』
救出に現れたレーヴクム・エニュプニオンへ憎悪の感情を露わにするスマイルイーター。しかし、人々の精神世界を守護するというレーヴクムの意志は揺るがない。
「ボクちゃんは皆の喜ぶ顔が見たいんだよね。でも、キミの笑顔はちょっと違うかな!」
戦場に満ちる、憎しみ。悲しみ。怒り。それらを歓喜に変え、人々の幸福を護る。
レーヴクムの想いに応えるように、フラダリダイヤの槍が輝く。少年の想像で無限に進化する槍は、力の源たる影と、灼熱の黒炎を纏いはじめた。
鋭く突きだされる槍を嘲笑うように避ける殺人鬼。そんな事をしている間に時限爆弾が爆発する、とでも言いたげだ。だが、負の感情が高まる程に歓喜のダイヤは力を増し、悪夢を破る光となる。
「全ては夢。キミは泡になるんだ」
突如、影の泡がスマイルイーターを包んだ。灼熱の炎は影の内部に閉じこめられた男のみを炙り、骨さえ残らぬ程の火力で焼き尽くす。これもある種の密室と爆弾。意趣返しだ。
夢から醒めた女の家庭は幸せの笑顔に包まれる。
それを見るのが、何よりの喜びだ。
▽
●名称:歓喜の守護者(カンキノシュゴシャ)
●能力値:POW
●元UC:ブレイブソード(デビルキングワールド)
●UC効果:
自身の【フラダリダイヤランス】から、戦場の仲間が受けた【負の感情】に比例した威力と攻撃範囲の【自在に変化する影と炎】を放つ。
●MSコメント
PC様の設定等を加味しつつ、使い勝手の良さそうな攻撃UCを提案させていただきました。
付属のSSのような場面で使用するイメージです。
名称変更、詠唱台詞の設定、アレンジ、採用の可否などご自由になさって下さい。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴