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【戦後】鎮魂のバイカル湖

#獣人戦線 #戦後 #幻朧帝国 #【Q】 #ロシア戦線 #アザラシ #プレイング受付中

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●帰還した者
 ロシア領、バイカル湖。ここはかつて『シベリアの真珠』と讃えられた、青き湖面の美しき湖であった。だが、ワルシャワ条約機構の手によりその状況は一変。始祖人狼に力を捧げる儀式魔術場となってからは多くの獣人たちがここで虐殺され、湖は赤い鮮血で染まってしまった。
 湖畔に住むバイカルアザラシたちもその多くが虐殺され、絶滅したものと思われていた。だが――。

 少ない訳ではない。だが、決して多いとも言い切れない。その規模のバイカルアザラシたちがかつての集落に戻ってきた。彼らは命からがらワルシャワ条約機構の魔の手から逃げ延びることに成功し、戦争終結の報を聞きつけて帰ってきたのだ。
「お父さん……お母さん……。」
 跡形もなく破壊された集落を前に、涙にくれる少年。彼の両親は子供たちを逃がすために犠牲になったのだ。この場にいる者たちも皆、家族や友人といった大切な人たちを失っている。しかし、いつまでも悲しみに暮れている場合ではない。再び平穏な生活を取り戻す為、彼らは歩き始めた。

●星と魂の輝きに
「ユー達、バイカル湖へ飛んでいただけないでしょうか?」
 ピノキオ・サンセット(ネズミと黄昏の道化師・f41578)が単刀直入に依頼を伝える。その表情に迷いはない。
「かつてバイカル湖の湖畔には、バイカルアザラシの獣人たちが住む集落がありました。しかしその多くがワルシャワ条約機構の手によって虐殺され、絶滅したと思われていたのですが、逃げ延びることに成功した少数の生き残りが戻ってきたのです。」

 バイカル湖は『獣人世界大戦』で始祖人狼への儀式魔術場と化し、戦場となった場所だ。この地で戦った猟兵も少なくない。かの地に眠る無念の中に、バイカルアザラシたちの慟哭も含まれていたのだ。

「集落は完全に破壊しつくされ、子供や女性、年寄りが多いアザラシたちだけでは新しく家を建てるのも大変です。そこで彼らの生活再建に協力していただけないでしょうか?そして夜には慰霊祭に参列してほしいのです。」
 慰霊祭が何故夜なのか。その答えはすぐに明かされた。
「バイカルアザラシたちには、良く晴れた新月の夜に死者を悼む儀式を行う習慣があるのです。そして、今夜がちょうど『良く晴れた新月』に該当するのです。」

●人、これを卑劣漢と呼ぶ
「慰霊祭は厳粛に執り行われるのですが、その終盤乱入者が現れます。幻朧帝国のエージェント『『骨牙海将』アンモン』なる輩です。こんな時に来るな。」
 思わず本音が出る。
「ヤツは『逢魔弾道弾』なる兵器を集落の中心で爆発させることにより、集落全体をオブリビオン溢れる『逢魔が辻』に作り替えようとしています。この企みを何が何でも阻止しなければなりません。」
 サンセットの握り拳に力が入る。
「生活再建や慰霊祭でアザラシたちの信頼を得ていれば、バイカル湖を知り尽くした彼らが戦闘に協力してくれます。そして、バイカル湖に眠る魂たちも『あの時』ほどではないですが、再び猟兵の味方となってくれるでしょう。」

●いつか隣で戦う日を
「そういえばまだ、アザラシの猟兵は確認されていません。ならば何故、幻朧帝国は彼らを狙うのでしょうか?バイカル湖が魔術場として重要ならば、それこそワルシャワ条約機構のように皆殺しにしてしまえばいい訳で。」
 ピノキオの素朴な疑問に、猟兵たちもただ頭をひねるばかり。
「疑問はとりあえず置いとくとして、ユー達よろしくお願いします。」
 グリモアが輝いた。


武炎鉄
 こんちにわ、武炎鉄です。25作目の今回は『バイカル湖鮮血戦』の後日談みたいな話です。『獣人世界大戦』で参戦された方も、そうでない方もお気軽にどうぞ。

●第1章はアザラシの村の生活再建に協力しつつ、慰霊祭に参加します。
●選択肢は一例ですので、気にせずご自由にどうぞ。
●第2章は『骨牙海将』アンモン』との戦闘です。詳細は断章にて。
●その他連絡事項はタグでお知らせします。
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第1章 日常 『死者を弔う満天の星空で慰霊祭を』

POW   :    慰霊祭を執り行う手伝いをする

SPD   :    戦死者の遺族を弔問する

WIZ   :    死者へ安らかな祈りを捧げる

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●暮らしを取り戻す為に

 集落の入り口にやってきた猟兵たちを出迎えたのは、杖をついた高齢の雌アザラシ獣人とその付き添いの中年女性であった。
「皆様ようこそいらっしゃいました。私はこの村の村長をしております。」
 恭しく頭を下げる高齢の雌アザラシ獣人。
「元々は私の息子が村長をしていたのですが、|奴ら《ワルシャワ条約機構》から村を守る為に戦って殺されたのです。そのおかげもあって、私たちは逃げ延びることに成功したのですが、肝心の村がこの有様では……。」
 村長の案内で集落の中を歩く猟兵たち。多くの建物が多かれ少なかれ破壊され、まともに残っている建物を数えた方が早いような状態だ。そして湖のほとりに作られた簡素な祭壇へと到着した。
「今夜はここで『鎮魂の儀』を行います。祈りの形は問いません、大事なのは心なのです。」

 『あの時』から幾分か本来の蒼さを取り戻したバイカル湖。今度はアザラシたちが本来の暮らしを取り戻す番だ。
マウザー・ハイネン
もうすぐ一年…ですが復興は簡単には進まぬもの。
手伝える事があるなら、力を貸しましょう。

日中は家の再建を手伝いましょう。
まずはアザラシの皆様から話を聞き生活様式等私が詳しくないことを確認、こんな構造だといいとか言葉や絵で交流確認しておきましょう。
住む者が第一、ですから。
確認後UC起動し労働力を確保、EB世界なら星霊建築の心得もありますが此方では…しかし普通の建築もできない訳ではないので、資材調達に加工、組み立て等分担して復興進めましょうか。

夜には鎮魂の儀に参加。
多くの命が犠牲になって、今も失われつつあるこの世界。
…犠牲者が向こうで安心できるよう、守る事を誓うように祈ります。

※アドリブ絡み等お任せ



●時は静かに流れる
「もうすぐ一年…ですか。」
 バイカルアザラシの集落を訪れたマウザー・ハイネン(霧氷荊の冠・f38913)は時の流れを想った。
 『獣人世界大戦』は猟兵たちの活躍により、超大国による被害を必要最小限に抑えることができた。しかしそれは全体的な話であり、局地的にはこのバイカルアザラシの集落のように甚大な被害からまだ立ち直れないところが残っている。
 そのような場所の復興支援もまた、猟兵の役割なのだろうとマウザーは考えていた。

「すみません、住宅の再建を手伝いたいのですが。」
マウザーの申し出に村長は歓迎の意を示した。
「その、皆様はどのような家に住まわれていたのでしょうか?アザラシならではの住宅様式などもあると思うのですが、如何せんその辺の事情に疎いので教えていただけると助かります。」
「そういう事ですか。クラーラ、この方に私たちの家を教えてあげて。」
 『クラーラ』と呼ばれた中年女性が木の枝を手に、地面に間取り図を描き始めた。
「基本的には大きな部屋が一つ、その中心に暖炉であり竈である『ペチカ』を設置してここで衣食住全ての生活を賄います。」
「倉庫は無いのですか?」
「そうですね、家の中に一部屋を追加して倉庫や納屋として使うこともありますが、個人でわざわざ倉庫を立てるということはあまりありません。」
「素材は何を使っていますか?」
「近くの山から切り出してきた丸太です。釘は使わずに組み立てます。『ペチカ』はレンガ造りが一般的ですね。」
 クラーラの説明を聞きながらマウザーは考えていた。この世界の建築様式と、自身が身に着けた星霊建築では様式が大幅に違うと。
 星霊建築は例えるなら集合住宅の一種に近い。一方ここでは一戸建てが主流のようだ。となると、自分ができることは限られているのではと考えた。

 クラーラから一通り話を聞いたマウザーはユーベルコードを発動し、自身に似た149体のアイスゴーレムを召喚した。
「まずは瓦礫を撤去し、建設に必要な土地を確保しましょう。」
 マウザーとアイスゴーレムが星霊ブラウニーの絵をシャベルや鋸に描く。これはエンドブレイカー世界に伝わる星霊術の一つ『ドローブラウニー』だ。
「わあ、軽い!」
「片付けがサクサク進む!」
 『ドローブラウニー』の効果を帯びた道具を使ったアザラシたちが感嘆の声を上げる。『ドローブラウニー』は元々掃除の効率化を主な効果とする星霊術だが、マウザーはこれを瓦礫の撤去に転用したのだった。
 ある程度土地の確保にめどがついたところで、アイスゴーレムたちが家を建てるために必要な木材を確保するため、近くの山へと向かった。
「しばらくしたら戻ってくると思います。」
 その言葉通り、星霊ノリソンの背に大量の木材を積んだアイスゴーレムたちが戻ってきた。後はこれを加工し、組み立てる。『釘を使わず組み立てる』という部分に苦労したものの、夜までには数棟の家が完成した。

 太陽も沈み、バイカル湖の空に数多の星が光り輝く。祭壇に向かい、祈りの言葉を唱える村長。頭を下げるアザラシたちに混ざって、マウザーもまた祈りを捧げていた。
 マウザー自身は『バイカル湖鮮血戦』に参加していない。だが、この地で望まぬ終焉を与えられたアザラシたちには思うところがあった。
(死者たちが向こうで安心できるよう、この世界を守らなくては)

 氷の誓いは、空の星のように澄んでいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!

お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ

口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ

よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね

アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!


政木・朱鞠(サポート)
とりあえず、感覚共有した『忍法・繰り飯綱』を放ち【追跡】や【情報収集】で周囲を探って敵の分布や地形の情報を把握しておきたいね。
目標としている存在の大体の位置や大きさとかが解かれば良いんだけど、無理に深掘りしないように注意しないとね。

アドリブも連携もOK



●生存に罪無し

「これはかなり酷くやられたわね……。」
 村の中心部で焼け落ちた建物を見つめる仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)。複数いる彼の人格の中で、今回は『ネイル』が復興支援を担当することになった。
「ここは元々集会所であり、学校でもあったのです。」
 そばにいた子供の雌アザラシ獣人が教えてくれた。
「あなたもそこに通っていたの?」
「はい。でも先生が……。」
 少女の沈黙に何かを察するネイル。恐らく『先生』とやらはワルシャワ条約機構に殺されたのだろう。生き残りたちの心のケアも重要だと痛感した瞬間であった。

 一方その頃、村の周辺を調査する黒い影が現れた。その数なんと163体。だが彼らは敵ではない。その正体は政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)がユーベルコードで召喚した密偵なのだ。
「現在の所、敵の侵入は確認されておりません。」
「ありがとう、このまま警戒を続けて。」
 密偵から報告を受けた朱鞠は村の中を調査していた。村の中には見境の無い殺戮と破壊の後がそこかしこに残されている。
「なるほど、食料が保管されていそうな場所は優先的かつ徹底的にやられているわね。」
 敵に多少は頭の回る者がいたのだろう。朱鞠も同じ立場に立たされたら、まずやることは兵糧攻めだ。そして現実問題として、当面の食料の確保は必須だ。
「村長さん、この村はどうやって食料を集めていたの?」
「すぐ向こうの丘を越えたところに畑がありましたが、それだけでは足りないので近くの山に入って木の実や食べられる草を集めたりしていました。あとは山から木を切り出して、それを近くの街で売って代わりに|糧食《レーション》を買っていました。そして」
 村長が声を潜めた。
「大きな声では言えないのですが、バイカル湖の魚を捕まえていたのです。」
 ああ、と朱鞠は納得した。どれほど代替食品の技術が発達しても、やはりアザラシの本能には逆らえなかったのか。

 村に夜の帳が降りる。簡素な作りの祭壇には幾許かの食料が供えられていた。これは朱鞠が密偵たちに集めさせたものだ。畑が無事だったことは不幸中の幸いだったが、収穫までまだ時間がかかる。そこで周囲の山から食べられる草や木の実などを集め、アザラシたちがこれを|糧食《レーション》に加工したのだった。
(これが終わったら、今度は木材を売れるようにしないとね。)
 死者を悼みながらも、朱鞠は次を見据えていた。

 夜風にほのかな桜の香りが混じる。ネイルが『春の小風』の蓋を開けたのだ。傷ついた心を癒すように優しい桜の香りがアザラシたちを包む。そしてネイルは隣にいた少女――昼間、学校跡で出会った子だ――の精神世界に自身の|分身精神体《シャドウペルソナ》を召喚した。
 少女の精神世界で、ネイルはこの地で起きた殺戮の一部始終を見た。学校を襲撃する黒い影、あれはワルシャワ条約機構のオブリビオンなのだろう。それが子供たちに襲い掛かろうとしていた。
「逃げなさい、早く!」
 老年の雄アザラシ獣人が子供たちを逃がそうと、黒い影の前に立ち塞がる。
「先生!」
 少女が叫ぶよりも先に、黒い影の刃が教師に襲い掛かる。
「このっ!」
 黒い影と教師の間にルーンソードを手にしたネイルが割って入る。敵の刃をルーンソードで受け、ウォーターカッターのように高圧水流を放ち、黒い影を切り裂く。
「みんな大丈夫?」
「ありがとうございます。これで……。」
 何かを伝えようとした教師の言葉は、最後まで聞き取れなかった。
 現実世界に戻ってきたネイルは隣の少女を見た。涙こそ流していたが、最初に出会った時よりも穏やかな表情になっていた。

 星の夜、祈りの時は続く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『『骨牙海将』アンモン』

POW   :    原始の装甲
装備の【破損】ペナルティを無視できる。また、[破損]の合計に比例して、全装備の威力と防御力が強化される。
SPD   :    原始の海戦
【戦場を覆うほどの海水】を降らせる事で、戦場全体が【深海の海底】と同じ環境に変化する。[深海の海底]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    原始の奇襲
戦場内に、見えない【地下水】の流れを作り出す。下流にいる者は【地下からの骨牙兵の襲撃】に囚われ、回避率が激減する。

イラスト:塚原脱兎

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠幻武・極です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『七博士』の野望

 幻朧帝国のエージェント『骨牙海将』アンモンはバイカル湖の湖底にいた。実のところ、彼にとって『逢魔弾道弾』の設置は本来の目的ではない。
(なるほど『七博士』の予測通りだ。これは報告せねばなるまい。)
 彼の本来の目的、それはバイカル湖の地下資源調査であった。『七博士』と呼ばれる7人の研究者による意見書の中に『バイカル湖及び周辺区域の資源を確保せよ』という内容があり、それが妥当なのか調査するためにアンモン及び数名のオブリビオン兵が派遣されたのだった。
 結果から言えば、バイカル湖に眠る地下資源は潤沢であった。天然ガス、メタンハイドレート、木材、石炭……。いずれも幻朧帝国からすれば喉から手が出るほど欲しいものだ。

 暗闇に紛れ湖面に浮上したアンモンは、湖畔に灯が燈るのを見た。それは昨日まで存在しない光だった。
「行くか。いや、行かねばなるまい。」
マウザー・ハイネン
ああ、湖底の方から邪悪な気配が。
何か企みがあるようですが…排除するまでです。
悲劇の|終焉《エンディング》など、ここのアザラシの皆様には相応しくありませんから。

アザラシの皆様には湖から一旦離れて貰い氷細剣構えUC起動、吹雪を放出してやってくる敵の座標を感知しましょう。
…地下にも気配を感じますね。おそらくその気配を繋ぐ形で地下水が流れているのでしょう。
その地下水の流れを予想して回避しつつ上流、恐らくは湖側でしょうからそちらに回り込みつつ攻撃を仕掛けましょう。
その貝の口に剣をねじ込めばよさそうでしょうか。
何もせずとも吹雪で凍てつき生命力は奪えますが、迅速に脅威は排除したいので。

※アドリブ絡み等お任せ


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです



●バルグジンの風よ

 オブリビオンの気配をいち早く察知したマイザーが叫ぶ。
「皆さん!湖から離れて!」
 氷の細剣『エフェメラ』を構え、ユーベルコードの力を解き放つマイザー。彼女から放たれた吹雪と冷気が湖面を凍り付かせながら、オブリビオンの気配を探っていく。
「……地下にも気配を感じますね。」
 湖面の気配の他に、湖の地下から水が流れる気配を察知したマイザー。だが、ここで彼女はあることに気付いた。
「この方向は……しまった、村が!」
 村から叫び声が聞こえる。駆けだそうとするマウザーに響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)が制した。
「ここは私に任せてください。」
 リズはオラトリオの白い翼を羽ばたかせ、村へと飛んでいった。

 村へ着いたリズが目の当たりにしたのは、地面から現れた骨牙兵の群れが村人たちを襲撃しているところだった。
「天の雷よ、邪心に染まりし悪を滅する、天の裁きを与えん!!」
 手にした『ルナティック・クリスタ』から裁きの雷が放たれる。裁きの雷は村人たちを傷つけることなく、骨牙兵の群れのみを貫ぬいた。
「皆様、ご無事でしょうか?」
「ありがとうございます。」
「ありがとー。」
 口々にリズへ礼を述べる村人たち。
「もしかしたら、あのようなオブリビオンが他に潜んでいるかもしれません。いらっしゃいアーティア。」
 リズがグリフォンの『アーティア』を呼び寄せる。
「安全が確認できるまで私たちのそばから離れないでください。」
 確かに猟兵のそばなら他よりはマシだろう。そう考えた村人たちは、リズのそばに留まることにした。

 その頃マウザーは、凍り付いた湖面を走りながらオブリビオンの気配を探っていた。
「そこっ!」
 『エフェメラ』で凍り付いた湖面を突き刺すマウザー。そこに氷とはまた違う手ごたえを感じた。
「貴様の仕業だな、猟兵。」
 氷上に現れたのは巻貝を背負った6本腕のオブリビオン――幻朧帝国のエージェント『骨牙海将』アンモンである。
 寒さへの耐性が無いのか、小刻みに震えるアンモン。それを見抜いたマウザーだったが、耐久戦を仕掛けるよりも速攻を選んだ。
「迅速に脅威は排除したいので。」
 アンモンの6本の腕から放たれる攻撃を心眼と見切りで回避したマウザーは『エフェメラ』に冷気を纏わせ、一瞬の隙を突いて最も装甲の弱い部分――口にその刃を突き立てた。
「ふごっ!?」
 驚くアンモンに顔色一つ変えぬマイザー。
「悲劇の|終焉《エンディング》など、ここのアザラシの皆様には相応しくありませんから。」
 『エフェメラ』に纏わせた冷気を一気に口の中に流し込む。無防備な体内を攻撃されたアンモンは悶絶するよりなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

アイクル・エフジェイコペン(サポート)
猫っぽい舌足らず口調にゃ。こんにゃ感じで、可能なら末尾だけじゃにゃくて途中にも入れてほしいにゃ。めんどいならいいけど。
ちなみに機嫌悪い時は「に゛ゃ」って濁点入る感じにゃ。

正直状況とかよくわかってにゃいけどなんとなく気に入らない顔してるからぶっ殺すに゛ゃ。
パワーイズジャスティス。真正面から行っておもいっきり攻撃するのみにゃ。ユーベルコードは何使ってもいいにゃ。

基本はむちゃくちゃ猫かぶってかわいい子演じてるものだから、なるべくスマートに『せーとーはなれでぃー』的な感じで戦おうとするけど、むちゃくちゃ怒ったら地が出てむちゃくちゃ口が悪くなる。
「ぶっ殺おおおおおおす!●ぁぁぁぁぁぁっく!!」


水心子・真峰(サポート)
水心子真峰、推参
さて、真剣勝負といこうか

太刀のヤドリガミだ
本体は佩いているが抜刀することはない
戦うときは錬成カミヤドリの一振りか
脇差静柄(抜かない/鞘が超硬質)や茶室刀を使うぞ

正面きっての勝負が好みだが、試合ではないからな
乱舞させた複製刀で撹乱、目や足を斬り付け隙ができたところを死角から貫く、束にしたものを周囲で高速回転させ近付いてきた者から殴りつける
相手の頭上や後ろに密かに回り込ませた複製刀で奇襲、残像で目眩まし背後から斬る、なんて手を使う
まあ最後は大体直接斬るがな

それと外来語が苦手だ
氏名や猟兵用語以外は大体平仮名表記になってしまうらしい
なうでやんぐな最近の文化も勉強中だ



●深海に踊る猫と刃

「いたのにゃ!」
「見つけましたよ!」
 氷結した湖面に駆けつけたアイクル・エフジェイコペン(クロスオーバー三代目・f36327)と水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)はのたうち回るオブリビオンの姿を見た。
「よくわかんにゃいけど、一気に畳みかけるのにゃ!」
 バトルアックスを手に駆けだそうとするアイクル。だが真峰が制止する。
「待て!ここは湖の上だ!下手に攻撃して氷が割れたら大変なことになる!」
「それもそうにゃ。」
「村とは反対方向の陸地に追い詰めるぞ。」
 真峰が自身の本体である刀を大量に複製し、念力でミサイルの如くアンモンを狙い撃つ。アイクルもまた、囮となってアンモンを誘導する。しかしアンモンも守りを固めつつ逆転のチャンスをうかがっていた。

 急に雲行きが怪しくなり、にわかに雨が降り出した。だが、これはただの雨ではない。
「海の匂いがするにゃ。」
「これは……?」
「今まさに降る雨は世界を深海に塗り替える海水の雨。陸の存在には耐えられまい。」
 淡々と、しかし力を誇示するようにアンモンが語る。
「体が重いにゃ!?」
「これは水圧か!」
「ご名答。そちらのお嬢さんは賢いと見える。」
 アンモンが真峰を見た。嫌な顔だ、と真峰は思った。
「|北の連中《ワルシャワ条約機構》も愚か者だ。魔力供給のためとはいえ、あそこまでの殺戮など必要なかっただろう。」
「何が言いたい?」
「ここで出た犠牲は全て無駄だった。獣人も、オブリビオンも、全て。」

 アイクルは遠くで何かが吠える声を聞いた。それは山中にいくつも響く、悲しみと怒りに満ちた声だった。声は湖面を震わせ、宙に浮かぶ水の塊を出現させた。それはどことなく、アザラシのような形をしていた。
「アザラシさん?」
 水の塊は肯定するように体をくねらせると、アイクルの体を包むように、己の中に取り込んだ。
「凄い!水の中なのに苦しくないにゃ!それに体が軽いのにゃ!」
 もう一つの水の塊が真峰を取り込む。
(猟兵よ、ささやかながら我々も力をお貸しします。)
 水の塊の中でアイクルと真峰が声を聞いた。それはこのバイカル湖でワルシャワ条約機構に殺されたバイカルアザラシ達の声。彼らの無念と慟哭、そして怒りがアンモンの術を破ったのだ。
(水中での戦いなら我々も協力できます。)
「それはありがたい。」
 真峰が感謝の言葉を述べた。

「そりゃああああああああああああああー!!!!!!」
 水中で動けるのならば、氷が割れるのを気にする必要はない。アイクルはアンモンの背中の殻を狙い、全力でバトルアックスを叩きつける。予想通り衝撃で氷が破壊されたが、彼女はそんなこと全く気にせず追撃を加える、
「ぐっ、ヒビが!」
 アイクルの攻撃に背中の殻が耐えきれず、ヒビが入ってしまったのだ。そこに真峰の模造刀がピラニアの群れの如く襲い掛かる。6本の腕で必死に模造刀を捌くアンモンだったが、捌ききれなかった1本がヒビの隙間に入り込んだ。念力で模造刀を押し込む真峰に抵抗するアンモン。そこにアイクルのアッパーカットが炸裂し、向こう側の岸まで吹き飛ばされた。

(ありがとうございました。これで我々の無念も晴れようというもの。)
 水の塊は2人を岸まで送り届けた後、バイカル湖の水へと戻っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

インプレッサターボ・フォレストハリアー(サポート)
「いんぷノセリフハコンナ感ジノヒラガナかたかな逆転表記デオ願イスルにゃ」
いかにも機械ぽい抑揚のない平坦口調ですがたぶんその方がかっこいいと思ってるからやってるだけ。
「戦闘ニハ余計ナ感情ハ不要にゃ。いんぷハ機械ダカラにゃ」
敵には深い事情あるかもしれないけど何の感慨もなく戦うがダメージ受けたり敵の非道に怒ったりするといきなり感情豊かな感じになるとか。
「タシカコウイウ時『ますたー』ハコウ言ッテタにゃ。ブッ殺ス、●ぁっく」

選択されたユーベルコードが
キャリバースピン:足止め与えながら一撃離脱を繰り返す
デッドヒートキャリバー:可能なら誰かに乗ってもらい、高速移動で相手を翻弄し、ひき逃げし一撃離脱を繰り返す


早乙女・カリン(サポート)
私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾

バトロワシューターらしく基本は銃火器を使った中遠距離戦闘を得意とするわ!!

少し本気になった時は体内に蓄積された電気でビリビリ痺れさせちゃうぞ⚡️👾⚡️

戦闘以外でもカリンはゲーム実況なんかで活躍してる人気ストリーマー様ですのでー👾
どんな依頼や案件もNG無しでいっぱい参加出来ちゃいます👾💕

今ならお好きなユーベルコードも使いたい放題だから、プロの力が必要になったらいつでも声かけてね!



●ブラデャーガの夜明け

 静かな夜の湖畔を切り裂く爆音が一帯に響く。
「コノ辺ニ落チタハズにゃ。」
 インプレッサターボ・フォレストハリアー(ワールドラリーエクスペリメンタル・f44230)、以下『インプ』がヘッドライトで周囲を照らしながら、アンモンの姿を探していた。
「んー、木の枝に引っかかってるわけでもなさそう。」
 インプの上に乗った早乙女・カリン(PREDATOR Ⅵ・f37832)がネコミミバイザーの探知機能を使い、周囲の木々を調べる。その様子は、大型バイクに乗った少女といった趣だ。
「ひょっとして森の中じゃない?」
「行ッテミルにゃ?」
 湖を離れ、森に向かおうとする1人と1台。だがその背後、湖の中から骨牙兵の群れが現れ襲い掛かる。
「ガイコツだー!」
「撃ツノにゃー!」
 『バトロワ式ショットガン KARIN Edition』とガトリングガンを骨牙兵の群れに向かって連射する1人と1台。瞬く間に砕ける骨牙兵の群れなど敵ではないが、今度は雨が降り出した。
「ちょっとー、濡れるんだけどー。」
「昨日洗車シタバカリナノにゃー。」
 天を見上げながらぼやくカリン。インプも不機嫌さを隠さない。

 その頃、アンモンはどうにか森へと逃げ込むことに成功した。道中、奇跡的に同僚のオブリビオン兵に遭遇し調査結果を本国へ持ち替えるよう、報告書を託した。あとはこの『逢魔弾道弾』を使い、猟兵相手に一矢報いることができれば上出来だろう。
 海水の雨は森を深海へと塗り替えていく。
「村に着くまで、この殻が持ちこたえてくれればいいんだがな。」
 背中の殻は大きくひび割れ、6本の腕も半分が使い物にならない。元より自分は生きて帰れない、この任務を命じられた時から薄々感じていたことだ。
 向こうの茂みから爆音が聞こえる。猟兵がもう追いついたのか。
「最後の一撃、ここで繰り出すか。」
 アンモンが殻の中から『逢魔弾道弾』を取り出した。

 インプのヘッドライトがアンモンを照らす。
「見ツケタにゃ!」
 唸りを上げ、その場で高速回転を始めるインプ。
「シッカリ捕マルにゃ!」
 言われたカリンがハンドルを握りしめ、体勢を低くとる。
「こんなもの、回転を避ければ!」
 横をすり抜けようとするアンモンだったが、インプのボディ横に取り付けられた『無敵斬艦刀』がその目論見を拒否するように斬りかかる。そしてインプの回転から生じた竜巻が大気を動かし、海水の雨を取り除いた。
「今ダにゃ!」
 回転を止めたインプに『逢魔弾道弾』を抱え飛びかかるアンモン。だが、携行式レールガン『ブラックドッグ』を構えたカリンが何の躊躇いもなく、引き金を引く。
「極超音速の雷撃弾、避けられるかなぁ?」
 蓄積された極超高圧電流が解き放たれ、『逢魔弾道弾』ごとアンモンを撃ち抜いた。

 巨大な爆発音と衝撃波はアザラシたちの集落にも届いた。湖の向こう側に火柱が上がるのを見たアザラシたち。
「あれは……!」
「猟兵の皆様が倒してくださったのよ。」
 村長が祭壇の前で佇んでいた。

 もうすぐ、バイカル湖の夜が明ける。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年05月05日


挿絵イラスト