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くるくるくるくる、にじいろくるり

#サイキックハーツ

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#サイキックハーツ


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●くるくるカップの噂
「ねえねえ知ってる、くるくるカップ」
 ある大学のオカルト同行会で、新しい不思議の噂が囁かれた。
「遊園地によくあるコーヒーカップのアトラクションっぽいんだけどね、乗り込むといつでもきれいな虹が見れるらしいよ」
 雨でも雪でも、夜でも。乗り込んでくるりくるりと回してみれば、キラキラきらめくきれいな虹が見れるという。
 くるんと指を回しながら噂を語る女子学生に、聞いていた男子学生も手元のペットボトルをくるりと回す。
「聞いたことあるな。くるくる決まったルートを巡回すると出てくるっていうやつ?」
「バレエのピルエットみたいに片足のつま先立ちになって、上げた足をつかずに4回転するって聞いた」
 また別の学生がペンをくるくる回して話に加わった。
「あとは食器のコーヒーカップを勢いつけて回して、その後手を触れずに10回転させるとか」
 部室のあちらこちらから、くるくるカップの噂が上がってくる。
「意外とやれそうなのばっかりだ」
「だよね。やってみない?」
「人、ちょっと集めてみる?」
 何せ色々と呼び出す手段はあるようなので、人がいっぱいいてもいい。
 ならば学内のWeb掲示板に募集記事でも投稿してみようという運びになる。報酬に菓子やペットボトルの飲み物を付ければ、それなりに人も来るだろう。学生の友人や家族も期待できるかもしれない。
 そうしたら、くるくるカップも現れやすくなるかも、と盛り上がる部員達。
 くるくるカップ——狂々カップの狙いも知らないで。
「本当に現れたらいいな」
「うん、楽しみだね」
 オカルト同好会の部員に擬態した狂々カップが、くるりと手にしたコップを回して笑った。

●くるくる回った先の虹は虹でも
「……と、言う感じで、小規模コミュニティに紛れたオブリビオンの存在を予知しました」
 寧宮・澪(澪標・f04690)が、手にしたクッションをくるりと回す。
「皆さんにはこの大学に通う学生とか、その家族や友人といった体で儀式に参加して、狂々カップを誘い出して撃退していただきたく……」
 立場の設定は適当でも問題ない、オブリビオンの洗脳はもう始まっていて皆くるくるすることに意識を向けがちだから。
 今回、狂々カップはあえて儀式めいた手段を流布してくるくるする雰囲気に洗脳し始め、さらに実行することでくるくると影響を与える。仕上げにその場に現れた自身に乗せてくるくる回ることで配下として洗脳完了、という訳だ。くるくる愛好の配下増加計画である。
 それを阻止するためにも、澪は皆の手助けを頼みたいという。くるくる回ってもらうことになるがお願いします、と。
「で、狂々カップはですね……乗ると、こう、すごい回ります。それはもう、くるくると言うよりぎゅんぎゅんと」
 澪はくるくる、まるでろくろを回すように手を動かす。
「サイキックハーツのエスパーさん達でもしんどいんじゃないですかね……三半規管ぐらんぐらんにされてこう、めまいふらつき、もしかするとその先のリバースが予期されます……」
 猟兵でもしんどいかもしれない回転速度と回転数で回るので、それはもうくるくるである。
「なので、たしかに狂々カップが回ればその触手や外装できらきらの虹が見えるんですが……大惨事の虹も見える可能性があります」
 まあ皆さんなら大丈夫だと思います、多分、と澪は曖昧に頷いた。
「狂々カップを撃退後は、ゆっくりリフレッシュしてきてください」
 寿命以外でそうそう死ななくなったこの世界では、ならより寿命を伸ばそうという活動も活発だ。ちょうど事件の起こる大学近くの商店街でもそういうフェアを行っている。くるくると回った体と心を休めるのにいいかもしれない。
「では、お願いしますね……」
 くるんと最後にクッションを回し、澪は頭を下げるのだった。

●くるくる回して回れば狂々来たる
「結構人が来たなぁ」
 オカルト同好会の一般部員が見渡せば、皆思い思いに自分や何かをくるくる回ったり回したりしている。
 くるくるカップを呼び出す儀式は様々な説がある。ひとまず大学構内でできることをしていこう、という方針で行うことになった。
 体力の限りくるくる巡る者、技術を活かして回る者、神秘なパワーで回す者、選り取りみどりにくるくるくるりと。
 一般部員も自分もやるか、と紐を巻きつけたコマを手にする。
「回して、あとは回り続けるのを祈る」
 神頼みも効果が多分あるはずだ。そう思い、部員はせーの、と紐を引いてコマを回しだすのだった。


霧野
 くるくるくるり。霧野です、よろしくお願いします。

●シナリオについて
 お気楽な感じで進みます。コメディ風だと思います。
 思い思いにくるくるして、一般人に紛れた狂々カップを誘い出して撃退してください。回ったり巡ったりくるくるしていれば何でもありです。
 狂々カップは皆さんを無理やり乗せようとしてきます。乗ったら目が回りそうなくらいくるくる回ります。耐えてもいいですし、もしかすると大惨事かもしれません。大惨事はぼかします🌈。
 終わったら疲れた体と心を労って、寿命が伸びそうな日常を過ごしてください。巻き込まれた一般人も自身を労って、くるくるの影響を洗い流してます。
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第1章 日常 『噂の都市伝説を呼び出す儀式』

POW   :    体力や根気のいる儀式

SPD   :    複雑な動きや技術の必要な儀式

WIZ   :    神秘パワーを活用する儀式

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

橘・レティシア
都市伝説、懐かしい響きね。
それにしてもなんだか楽しそうと言うか、憎めなさそうと言うか。
web掲示板を見たという感じで、大学生に扮して紛れ込みましょう。
大丈夫、まだ大学生に見えるはず……!

あ、これ差し入れ。お菓子とかジュースとか。
(飲食物が大惨事を助長することには気付いていない)。
というわけでいい感じに同好会にお邪魔できたら、くるくるまわります。

「ミュージカルの経験を活かすとき!」
らららー♪とか歌いながら、スケートのアクセルジャンプみたいに回ります。
歌と踊りっていうのは儀式によく取り入れられるものだから、これでうまくいくでしょう……きっと。楽しそうに歌いながらくるくるくる。

※アドリブ等ご自由に!




 くるりくるりと淡い色の髪が、服の端が翻る。腕や脚はしなやかに回転を維持して動く。
 頭から指先、足の先まで意識して、軽やかに華やかに橘・レティシア(灼滅者のサウンドソルジャー・f44010)はくるくる、くるくると回っていた。口からはらららーと楽しげな歌が溢れだす。
 見る者聞く者ひきつけて、彼女はくるくるくるりと回っている。

(ふふ、都市伝説、懐かしい響きね)
 敵対していた相手であり、時には力強い仲間になった存在である都市伝説。それを呼び出す儀式というものは昔から予知された事件でもあったのだ。
(それにしてもなんだか楽しそうと言うか、憎めなさそうと言うか)
 三半規管には大ダメージだけれど、直接殴りかかってくるわけではなさそうなあたり、ゆるい感じである。
 油断はしないけれど肩肘張らない感じで、レティシアはお菓子と飲み物をもみ入れた袋を手に早速大学内を歩いていく。学内のweb掲示板を見たお手伝いという風情で紛れ込むつもりだ。
「大丈夫、まだ大学生に見えるはず……!」
 レティシアにとって、今の年は切なく微妙なお年頃。乙女心はいつだっていじらしく可愛いものである。
 心配はいらない、袋を持って歩く姿はちゃんと回りの大学生に馴染んでいた。
「あ、こんにちはー」
「こんにちは」
 レティシアを見かけたオカルト研究会の部員達も、多分先輩だーという認識である。気軽く声をかけてくる彼らにレティシアは笑い返し、袋を差し出した。
「こんにちは、手伝いに来たわ。あ、これ差し入れ。お菓子とかジュースとか。好きに食べて」
「ありがとうございます!」
 その善意が大惨事を助長することには気づいていないままにこにこ笑うレティシアは、儀式を行う集団に無事に馴染めそうなことに笑顔の裏でホッとしている。
 好きに回っていいとお墨付きも得て、レティシアは軽く柔軟を始めた。怪我しないように準備をして、いざ回転と舞い始める。
「ミュージカルの経験を活かすとき!」
 腕と体の捻りを活かしながら地面を蹴って、レティシアは回る。スケートのアクセルジャンプのようにくるくるくる、地面に降りたらもう一度くるくるり。
(そう、歌と踊りっていうのは儀式によく取り入れられるものだから、これでうまくいくでしょう……きっと)
 古来より意識や気持ちを引きつけるため、舞い手自身が忘我の境地に至るため。見惚れたエスパー達の生命力を高めながら、レティシアは微笑んで回り踊る。
 歌いながら、腕を揺らし脚を重ねてくるくる、くるり、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

藤堂・怜
【Pow】

学生の知り合いとして潜入。

なにかくるくるする行動か……なら【猛獣嗾け】で召喚した修司に……おい修司、お前そこで3回回ってワンと……
修司「絶対言うと思った! 絶対言うと思った! やらねえよ?!」
チッ……

じゃあ体力の続く限り建物の周りを2人でぐるぐる回る感じの事をやればいいか……こういう事こそ修司に任せたかったんだが
修司「俺に任せて楽しようとすんな! ……なあなあ、どうせならなんかギシキっぽいことしてまわんね?」
例えば?
修司「建物の入口と出口に一蹴する度にこう木の枝でぐるぐるした絵を描いてから回るとか!」
なるほど、回ったところでお前がワンと……
修司「言わねえって言ってんだろ!」




 藤堂・怜(猛獣使いと殺人鬼・f18074)は無表情のまま腕を組み考える。隣では予め召喚しておいた殺人鬼の人格、修司が立っていた。
「なにかくるくるする行動か……」
「適当にやればいいんじゃね?」
 二人で少し観察していれば様々なくるくる行動が見られる。建物の周りをくるくる巡るもの、その場でくるくる回るもの、何かを回すもの、と皆思い思いにくるくるしていた。
 怜はくるくるその場で回っている者を見て一つ瞬きをしたあと、修司を見る。何かを悟って嫌そうな修司の表情を気にもせず、早速怜は指示を出した。
「……おい修司、お前そこで3回回ってワンと……」
「絶対言うと思った! 絶対言うと思った! やらねえよ?!」
「チッ……」
「舌打ちすんじゃねえ!」
 お約束のように紡がれた言葉には、全力拒否の姿勢の修司である。怜の舌打ちにも吠えて突っ込んでいた。
 こうなった修司は大人しく回ってワンとは言ってくれないだろう。怜はすぐに切り替え、無表情のまま歩き出す。修司も怜の後についていった。
「仕方ない。体力の続く限り建物の周りを2人でぐるぐる回る感じの事をやればいいか……こういう事こそ修司に任せたかったんだが」
「俺に任せて楽しようとすんな!」
 いつも修司の扱いがぞんざいすぎる、もう少し丁寧に扱え、怜と修司は同じだろ、ちょっとは尊重しろ、といった旨を思いつくままに賑やかに抗議していた修司だが、怜はその言葉を右から左に聞き流し歩いていく。こげ茶の頭が2つ並び、建物の周りを一周、二周とするうちに修司は一旦静かになった。
 しばし黙々と二人で歩き、何周目かに入ったところで、修司が再び口を開く。
「なあなあ、どうせならなんかギシキっぽいことしてまわんね?」
「儀式……例えば?」
 怜の淡々とした問いかけに、金色の目をにんまり細め、修司はその辺に落ちていた木の枝を拾い、くるりと回してみせた。
「いま建物の周りを回ってるだろ?」
「ちょうどこの入口を起点にしてな」
「おう。でだ、ここから一周する度にこう木の枝でぐるぐるした絵を描いてから回るとか! どーよ」
 そう言いながら地面にうずまきのような絵を描いた修司を、怜はいつもと同じ色の赤い目で見て、ひとつ頷いて。
「いいかもしれないな。なるほど、回ったところでお前がこの渦巻きのように回ってワンと……」
「言わねえって言ってんだろ!」
「チッ……」
「だから舌打ちすんじゃねえ!」
 やや面倒そうながらも無表情で返された怜の舌打ちに、修司は再び抗議を始めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吐院・ぐるめ
くるくるカップ……良い響きね
何も知らなかったら私、洗脳されてたわ
私も儀式に参加してみようかしら
ひとりでくるくるするのはちょっと寂しいし誰かさんを捕まえて一緒にくるくるしましょう。あ、其処のエスパーさん、如何かしら
そうね……此処はやはり神秘的な意味を込めてぐるぐるバットをしましょう。ぐるぐるバットは『神を宿す為の儀式』。これに釣られてくるくるカップもやってくる筈よ。あ、勿論、全力でね。全力じゃないと神様と同一化なんて出来ないから。レッツ・ゴー・サイクロン!!!
うーん、良い回転よ。まさにエスパーだからこそ可能な回転速度ね。え、私は如何なのかって?
目が回っていてお花畑一歩手前よ
ちょっと摘んでくるわね




「くるくるカップ……良い響きね」
 吐院・ぐるめ(虹色の彼方・f39773)はバットを携え頷いた。皆くるくる回って一様に何かを呼び出そうとするその姿勢は悪くない。むしろ好ましいとすら言える。
「何も知らなかったら私、洗脳されてたわ」
 ぐるめもまた、回るものなのだから。
「さておき、私も儀式に参加してみようかしら」
 とは言ってもひとりでくるくるするのは寂しい。せっかくならば誰かと一緒にくるくるしたい。一緒にくるくるして高みを目指したい。
「あ、其処のエスパーさん、一緒にくるくる如何かしら」
「はーいいいですよー」
 ぐるめは近くにいたエスパーに声をかける。くるくる楽しげに回っていたエスパーは、ぐるめににっこり頷いた。
「で、どうやって回ります? 息を合わせて回るとか、手を繋いで回るとか?」
「そうね……此処はやはりぐるぐるバットをしましょう」
「ぐるぐるバット?」
「ぐるぐるバットは『神を宿す為の儀式』」
 ぐるめはどこからか取り出したもう一本のバットをエスパーに差し出しながら布教を始めた。
「バットを中心としてくるくる回りることで、赤い回転流の神を宿す儀式よ」
「なるほどー?」
「この神秘的な儀式に釣られてくるくるカップもやってくる筈よ。あ、勿論、全力でね。全力じゃないと神様と同一化なんて出来ないから」
「はーい!」
 いざ実践、とぐるめとエスパーは額をバットにくっつける。
「レッツ・ゴー・サイクロン!!!」
「サイクローン!!」
 くるくるくるりと回って一層感覚を研ぎ澄まし、忘我の境地へ向かいゆく。世界は溶けて混じり合い、くるくるくるくる流れ出す。揺らぐ世界と自己との境界線、自我は昇華し赤く金属質な流れゆく回転の神へとたどり着き、その招来を招く祈りの如くまたくるりと世界が回って回って回って。
 けれど脆弱な三半規管が、ぐるめの狂うほどの集中を無理矢理に乱して足がもつれた。回転は緩やかに速度を落とし、彼方から此方へ、赤き神は遠ざかり、芽吹きの兆しも今はなく。
 ぐるめのぐらりぐらりと揺らぐ世界の中、未だくるくる回るエスパーが蒼白なぐるめの顔色に足を止めた。
「うーん、良い回転よ。まさにエスパーだからこそ可能な回転速度ね」
「ありがとうございますー。そちらは大丈夫ですかー?」
 まだまだ回れそうなエスパーに、ぐるめはか弱い笑顔で親指を立てた。
「もちろん目が回っていてお花畑一歩手前よ」
 虹色が吹き出す前に、とゆっくり立ち上がる。
「ちょっと摘んでくるわね」
「お気をつけてー」

大成功 🔵​🔵​🔵​

英・林檎
◎○〆♪

掲示板の助っ人要員として同好会へ参加
お疲れさまでーっす♪

部室の物を利用して、くるくる試してみるよ
机の上で硬貨を弾いて回してみたり、ペン回しをしてみたり
へへ、案外上手いでしょ

回ると言えばハンドスピナーなんか回転アイテムの上位互換じゃない?
ポップでかわいかったり、合金で出来たガチ目のだったり種類あるよね〜
ねねね、きみはどれにする?どっちが長く回るか競争してみようよ
玩具がくるくる回る様にアタシの舌もくるくる回ってよく喋る
遊びのつもりだったのに結構無心になるねぇ…

そ言えばさ、昔あったよね〜。回転してる棒をぶつけない様にコースを進めるゲーム。くるくるくる…何だっけ
あれの難易度もなかなか狂々してた




 英・林檎(烈果・f44114)が指先で弾いた硬貨は、くるりくるりとオカルト同好会の部室の机の上で回る。弾いた手の逆の手では、赤いペン先がくるりくるり。ペンについたチャームのりんごも一緒にくるくるくるり。
 鮮やかに回る品々に、オカルト研究会の部員が感嘆の声を上げる。
「よく回りますね」
「へへ、案外上手いでしょ」

 掲示板を見た助っ人要員です、という顔をして、林檎はオカルト同好会の部室のドアを開けた。既に中では数人の部員がくるくる何かを回している。
「お疲れさまでーっす♪ 手伝いに来ましたー」
「おつさまー。ありがとー」
「お疲れ様、好きに回してくれ」
「はーい」
 疑われることなく迎えられた林檎は、早速部室内のテーブルへと向かう。そこには色々な回せそうな、もしくは回せるかもしれない品々が乗せられていた。
 林檎は硬貨を回し、ペンを回し、次にハンドスピナーに手を伸ばす。ちょうど近くでペンを回す部員に声をかけながら。
「回ると言えばこれなんか回転アイテムの上位互換じゃない?」
 プラスチックに金属を組み合わせたものを指先に乗せてくるくる回せば、回転速度にあわせてハンドスピナーの輪郭が揺らぐ。
「ポップでかわいかったり、合金で出来たガチ目のだったり種類あるよね〜」
「一時期流行りましたね! 回転と流行は何かが仕組んだ秘密の儀式か、なんて話もありましたよ、過去の会誌に乗ってました」
「そうなんだ、面白いね。ねねね、きみはどのデザインが好き? アタシはこの赤に黒いラインのかなー」
 投げるによし握るによしなサイズの合金製ハンドスピナーを手にし、林檎は人好きのする笑顔を見せた。
「これとか好きですね、色が混ざるやつ!」
 部員は数色に塗り分けられたスピナーを回す。回れば回るほど、色が混ざって一つになっていく。
 しばし林檎と部員、二人で無心にハンドスピナーを回す。くるくるくるり、回し心地も回転も色も違うものをくるくるり。
 回るに合わせて林檎の舌が再び回っていく。
「そ言えばさ、昔あったよね〜。回転してる棒をぶつけない様にコースを進めるゲーム」
「ありましたねー、何でしたっけ」
「んーと、くるくるくる……何だっけ」
 くるくるくるくる、スピナーを回しながら思考も回し。
「あれの難易度もなかなか狂々してた」
「ええ、くるくるですね」
「ね。狂々カップとどっちがくるくるかな」
「見てみたらきっとわかりますよ!」
 あやしい洗脳具合を確認しつつ、林檎は真っ赤なハンドスピナーをくるりと回す。くるくるくるりと思考を回し、話題も回しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『狂々カップ』

POW   :    大人気アトラクション!!!
いま戦っている対象に有効な【回転系アトラクション】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
SPD   :    優先乗り場はこちらでーす!!!
【触手】に【強制乗せられキップ】を籠めて近接攻撃し、ダメージを与えた対象をレベル×1回転させる。
WIZ   :    回しすぎにご注意ください!!!
自分の体を【高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【めまい・嘔吐】の状態異常を与える。

イラスト:花海ゆうこ

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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠回々・九流々々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●狂々来たりてくるくる回って、回そうとする
 皆が皆、思うようにくるくる回って回していくうちに、くるくるとした魔力が満ちたようにも感じる。
 そうして場にくるくるが満ち足りたようなしゅんかん、それは現れていた。
 七色の触手に虹色の瞳のような飾り。遊具のコーヒーカップのように見える、狂々カップ。
 それは触手を伸ばして皆を乗せようとしている。エスパーも猟兵も、皆くるくる回って回してくるくるしようとしているのだ。
「さあ、回りましょう! コーヒーカップはお好きですよね? 回転系ジェットコースターにも慣れますし、回転系フォールにもなれますよ!」
藤堂・怜
絶対乗りたくない……
修司「乗りたくねえ……」
よし、意見が一致したな。

というわけで、近接戦は控えるぞ。修司は絶対に突っ込んで行って馬鹿を見そうだから今回の主人格は俺だ。
修司「うるせえやい!」

敵の攻撃範囲に入らない距離から拳銃による【威嚇射撃】と【サイキックブラスト】を触手に放ち、乗せてこようとするのを妨害しながら攻撃していく。

……見てるだけで目が回りそうなその回転、俺たちの精神衛生の為に止めてやる。

(大惨事描写、必要あればOKです! その場合両人格共々悲惨なことになるゾ☆By中の人)




「絶対乗りたくない……」
「乗りたくねえ……」
 怜の口からこぼれた声と、脳内に響く修司の声は同じ意見を表していた。
 どんなにあちらが乗ってほしそうにしていても、三半規管に大ダメージ確定と聞かされ、ブレーキもない回転系オブリビオンに乗りたいとは思わない。
「よし、意見が一致したな」
「おう」
「お前に任せると絶対に突っ込んで行って馬鹿を見そうだから今回は俺が主人格だ」
「うるせえやい!」
 直上傾向の修司はまっすぐ突っ込んでざっくりやるという方が得意であるが、今それを行えば大惨事間違いない。脳内の叫びは解かっているけれど、という声であった。
 接近戦を控えることにして、怜は拳銃を構えた。
「優先チケットをどうぞー!!!」
「遠慮する」
 脳内の「絶対に乗りたくねえ!」という声に頷き、怜は伸びてきた触手へ銃を撃ち、威嚇射撃で接近を防ぐ。
 接近する触手の伸びる場所を見極めて、軌道をピンポイントで反らして弾いて避けていく。捕まったら乗せられるとあっては隙も油断も作れない。
 くるくる回る狂々カップは弾かれた触手を戻して、二人へと一気に距離を詰めてきた。
「でしたら回りますので、回しすぎにご注意ください!!!」
「乗ってないのに回るのか……」
 ぎゅいんぎゅいんと風を切り、くるくるぐるぐるカップが回る。それを見せられている怜にも修司にも、めまいを与えるくらいにぎゅいんぎゅいんと。ついでに気持ち悪さも襲ってきた。
「うぐ、うええ」
「ぐ、うぇ」
「くるくる〜♪」
 楽しそうなのは狂々だけであり、怜も修司も一歩間違えば大惨事、戦場にも脳内にも盛大に虹が舞っただろう。しかし二人ともこみ上げる物を耐えてみせる。
「……見てるだけで目が回りそうなその回転、俺たちの精神衛生の為に止めてやる」
「早くやっちまえよ、怜……でないと、うぇ」
「耐えてろ修司、耐えないとあとで回してワンと言わすぞ!」
「誰が回るか、言うか!」
 怜は銃を離して両の手に高圧電流を蓄え、浮かれて回るカップへ手を伸ばす。回転を直視しないよう少しだけ視線をそらしながら、思いっきり押し当てた。
「くるくるくるくる〜……ぎゃん!?」
 楽しげに夢中で回るカップは避けることなく、怜の手から放たれる電流を受け止め、回転速度を落としていく。もう一度、と怜が触れれば狂々カップは跳ね上がり、回るのをやめて転がっていった。
「……耐えたな?」
「……おう」
 なんとか踏みとどまって良かった、と二人の殺人鬼は胸を撫で下ろすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

橘・レティシア
来たわねオブリビオン。貴方の好きにはさせないわ!
……あ、くるくると狂々を掛けてるのね(今更気づいた)。

生憎と三半規管には自信があるのよ。だからきっと大丈夫。きっと。
というわけで、私はユーベルコードを歌って、みんなの状態異常を癒やしていきましょう。バイオレンスギターをぎゅいーんと唸らせて。

カップに捕まったら、あーれーとか言いながらぐるんぐるん。
目をぐるぐる渦巻きにしながら、それでも歌い続けるわ。よろよろだけれど。
だ、大丈夫、みんなのダメージは私が……うえ!(口を押さえてえづく)

た、戦わないと……狂々カップを止めないと……。
スイカ割り状態でバイオレンスギターを振るいます。
味方に迷惑はかけません。




「来たわねオブリビオン。貴方の好きにはさせないわ!」
 虹色の触手とお目々をくるくる、カップももちろんくるくるくるり。現れて早速エスパー達に触手を伸ばしてくるくるしだした狂々カップに、バイオレンスギターを構えながらレティシアはびしりと宣言する。
「……あ、くるくると狂々を掛けてるのね、なるほど」
 次いで今見つけた気づきを呟きながら、レティシアはぎゅいーんとバイオレンスギターを唸らせた。
「ふふ、生憎と三半規管には自信があるのよ。だからきっとどんな回転も大丈夫。きっと」
 先程もくるくる回っていたし、ミュージカルでも回るダンスもたくさんある。乗り物酔いにだって強い。レティシアは胸を張り、バイオレンスギターを伴奏にユーベルコードを歌い始める。
 自分からくるくるしたり、カップに乗せられたりしてくるくるするエスパー、戦う猟兵、レティシア自身を歌が癒やしていく。癒した負荷の5分の1を受け止めて、軽いめまいや気持ち悪さに耐えながら、レティシアの歌が戦場を伸びやかに渡っていく。バイオレンスギターの唸りも乗せて。戦場の皆を癒やし、不調を治していく。
「皆様、回しすぎにご注意ください!!!」
 しかし狂々カップも負けじと回る。名前のとおり、狂った速度と回転数でくるくる回る。エスパー達に、猟兵に、大惨事なバッドステータスを与えながらぎゅいんぎゅいんくるくると。
「あーれーーー」
 レティシアにも襲い掛かってくるめまいと虹の気配。ぐるぐると目を渦巻かせながらも、レティシアは耐えた。ここで折れたらいろんな人が大惨事間違いなかった。
「だ、大丈夫、みんなのダメージは私が……うえ!」
 口元に手を当てこらえ、大惨事起こらぬように耐え、レティシアはまた顔を上げる。そしてフラフラになりながらも歌い続けた。
「くるくる〜♪」
 いつまでも続くかのような狂った回転にも終わりが来る。狂々カップの速度が落ちたところ、めまいが多少和らいだところでレティシアはバイオレンスギターの持ち方を変える。
「た、戦わないと……狂々カップを止めないと……」
 ふらふらの足を一歩ずつ踏みしめ、よろけて揺らいでぐらぐらしながら、狂々カップに近づいて。
「えいっ」
「ぎゃーん!」
 レティシアはまるで回ったあとのスイカ割りのごとく、ふらふらになりながらもバイオレンスギターを思いっきり振りかぶり、カップめがけて振り下ろす。その一撃は狂々カップの回転を止めて、カップをぐらんぐらんと揺らすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

吐院・ぐるめ
ねえ。私さ。思ったんだけど
真に神様に近付く為には、同化する為には、目を回して倒れたらいけない気がするの。やっぱり『神』を認識するのに必要なのは限界を超え、彼方の彼方、外宇宙よりも果てしない『回転』が不可欠なのよね
乗り込むわよ。回されるならもっと回せば良いじゃない。それこそ――アトラクションが壊れてしまうほどにね!

まだ。まだよ。私はまだ回れる……まだいける……いや既に気分悪いし頭痛いけどたぶん大丈夫……アトラクションの方が悲鳴をあげたらこっちの勝ちなんだから。さあ、私だけのスタイルで吹っ飛ばしてあげる――!

あっ
虹色のバターになっちゃう……
(ブレス攻撃)




「ねえ。私さ。思ったんだけど」
 楽しそうにくるくるくるくる回る狂々カップを見ながらぐるめは一つの思いつきを語る。
「真に神様に近付く為には、同化する為には、目を回して倒れたらいけない気がするの。どこまでも回らなくちゃ。やっぱり『神』を認識するのに必要なのは限界を超え、彼方の彼方、外宇宙よりも果てしない『回転』が不可欠なのよね」
 くるくる回る力のモーメントや渦の力も弾みに加え、心も体も更なる高みを目指さなくてはならない。地球の自転も公転も、銀河の渦すらも超える、そう、幅も速度も規模も超えるような『回転』が必要なのだ。ちっぽけなこの身が在る此方から離れて悠遠な彼方の果てへと至るようなそれが。
「だから乗るわよ」
「はいどーぞ!」
 ゆえに、ぐるめは己から狂々カップに乗り込んだ。回されるならばもっと回せばいい。
(それこそ――アトラクションが壊れてしまうほどにね!)
 己から乗り込んできたぐるめに狂々カップは歓喜した。ああこのようにくるくるを求める者はいたのだと、己はくるくる回ればいいのだと。
 故にくるくるくるくると狂々カップは回りゆく。くるくるぐるぐる狂った回転を、どこまでもどこまでも回り回れくるくると。限界も超越して遥か彼方の高みまで。
(まだ。まだよ。私はまだ回れる……まだいける……)
 ぐるめも回す、ぐるぐる回す。視界がぶれぬよう一点を凝視し、感じる回転と揺れを抑えるべく体を低くしてぐるぐる回す。心は研ぎ澄まされ、はるか高みを臨んでいく。
(いや既に気分悪いし頭痛いけどたぶん大丈夫……アトラクションの方が悲鳴をあげたらこっちの勝ちなんだから)
 あとはどこまでも回るだけ、くるくるぐるぐる回るだけ。楽しそうな笑い声に負けじと手に力を込めた。
(さあ、私だけのスタイルで吹っ飛ばしてあげる――!)
 ぐるめ独自の構えと呼吸法が、脆弱な三半規管をサポートして神へと至る道のりを支えてくれる。
 けれど現実は残酷だ。
「あっ」
 狂うほどにくるくる回るコーヒーカップの限界より先に、ぐるめへと虹は訪れた。
「虹色のバターになっちゃう……」
 口元を手で押さえてももうだめだった。回転はやまず、三半規管はもう悲鳴を上げていた。
「うええぇえ……」
「ぎゃーん!?」
 ぐるめの口から止められない虹が溢れ、虹は狂々カップへとブレスのごとく降り注ぐ。
 目をぐるぐる渦巻かせ、ぐるめと狂々カップはくるくるぐるぐる、虹をきらめかせつつ悲鳴といっしょに回っているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

英・林檎
◎○〆♪

遊園地とか好き〜
インしたら真っ先にカチューシャ買って着けちゃうくらいには!
どのアトラクションも苦手は無いからドンと来いよ
猟兵ナメんなアタシが乗りこなしてやんよー…と思ったけど、想像以上に回ってない?
頑張れ、アタシの三半規管

初めの内は楽しんで乗れそうだけど、矢継ぎ早に乗り物続きは流石にキツいかも
狂々カップはいつまでも楽しそうでイイな、そのメンタル見習いたいわウップ…
完璧なグロッキーになる前に、急所を見抜くでダメージ入りそうな所をユベコで攻撃
楽しかったけどそろそろ降りるわ、ごめんね

覚悟しろオラァ、りょーへーナメんなろろろろろろろ(何らかの綺麗な描写)
猟兵でこれだもん、フツーの人は無理でしょ




 現れたコーヒーカップ、もといくるくる回る狂々カップの口上に林檎はにんまりした。
「遊園地とか好き〜」
 好きだからこそ浮かれてはしゃいで、まっさきに土産物屋に向かい、キャラクターを模したカチューシャをつけてしまうくらいに好きなのだ。だからこそ色々なアトラクションになるという狂々カップに笑みも浮かぶというもの。
「どのアトラクションも苦手は無いからドンと来いよ、猟兵ナメんなアタシが乗りこなしてやんよー」
「それは良いことです!」
 狂々カップは喜ばしいと声を上げ、早速姿を変えていく。林檎の前に現れたのは回転の多いジェットコースター。ごく少数の座席に林檎は早速乗り込んだ。
 ガタンガタンと動き出し、コースターのスピードは上がっていく。頂点まで達したあとは落下とともに一回転、くるりと横になってループを回り、もう一度大きく上がったあとは小さなループをくるくるり。
 最初はスリルとスピードを楽しんでいた林檎もだんだんとくらくらくるりと目が回りそうになる。
(これ想像以上に回ってない? まだ回るの?)
 冷や汗一筋、頬に浮かべた林檎にコースターになった狂々カップの声はどこまでも明るかった。
「回りますよー! いつもよりたっくさん回ります!」
(頑張れ、アタシの三半規管)
 くるくると回転の多いコースが終わってもまだまだ狂々カップは止まらない。回転系のアトラクションに変わっては回り、林檎を乗せては回りとくるくる回る。
(いつまでも楽しそうでイイな、そのメンタル見習いたいわウップ……)
 林檎はだいぶ目が回ってきた。油断すると大惨事に至るかもしれない危機感も覚えている。
「うぅ、楽しかったけどそろそろ降りるわ、ごめんね」
「えー、まだまだありますよ! コーヒーカップもいかがです?」
 完璧なグロッキーになる前に、と林檎は拳を握りこむ。ちょうど終点についたところ、ぐっとこみ上げる何かをこらえて拳を振り下ろした。
 見据えた急所目掛けて一直線、真っ直ぐに重い一撃をごっとぶち当てて。
「覚悟しろオラァ、りょーへーナメんなろろろろろろろ」
「ぎゃーん!」
 しかしオブリビオンの回転は伊達ではなかった。林檎の三半規管はしっかりダメージを受けており、拳を振り下ろすと同時に虹が溢れて花が舞う。しっかりダメージ受けて地面にめり込んだ狂々カップを見下ろして、林檎は拳で口元を拭った。
「……うぇ、ぅ、猟兵で、これだもん、フツーの人は無理でしょ」
 乗らなくてよかった、と胸を撫で下ろしつつ。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『寿命を伸ばそう!』

POW   :    体にいい物を食べて寿命を伸ばそう

SPD   :    尊い作品を鑑賞して寿命を伸ばそう

WIZ   :    リラクゼーションで寿命を伸ばそう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●くるりと終われば、慈しみの時間
 狂々カップはくるりと最後の回転をして消えていった。
「いい回転でした。いずれ第二、第三の回転が訪れるでしょう。その時もよろしくお願いします♪」
 と、言い残しながら。
 ひとまず、事件の山場はおしまいだ。洗脳されかけていたエスパー達も正気を取り戻していき、何はともあれお疲れ様の打ち上げだ、と街へと繰り出そうとしている。
「今、寿命に良いことフェアやってるらしいよ」
「ほんとだ、体にいいものも出てるし、ストレス発散フェアみたいなのもある」
 薬膳や丁寧な食事、マッサージやエクササイズ、絵画や音楽の鑑賞というものもあれば。
 焼肉にファストフード、ゲーセンにパルクール、アニメや漫画の鑑賞会などなど。
「色々楽しめそう!」
「くるくる疲れたし、癒やされに行こうか」
 公序良俗に反しなければ、色々楽しめる。猟兵達も一時の休息に繰り出すことだろう。
吐院・ぐるめ
うーん
まだ目が回ってる気が……
いや、私はいつでも目を回しているし、それがアスリートとしてのアイデンティティみたいなものなんだけど
今日は折角だしお休みもらおうかな。えっと……薬膳……は、食べられる気がしないし。やっぱりマッサージかな。うん、マッサージにしよう。横になってるだけだし
……えっ?
マッサージする前に神への祈りが必要だから頑張って???
祈りの仕方は人それぞれ???

そう。そうね。それじゃあ、限界の向こうまで回らなきゃ私じゃないわ。行くわよ皆、たとえカップに洗脳されなくとも、私は最初っからくるくるなんだから――!

レッツ・ゴー・サイクロン!
私達のぐるぐるバットはここからね!!!

🌈🌈🌈




 くらくらくるりと回り、虹色🌈も披露したぐるめはふらふらしながら歩いていた。
「うーん、まだ目が回ってる気が……」
 灯りもくるり建物もくるり、世界もぐるめもくるくると回っている感覚に襲われている。先程の戦いの後遺症かと考えて、ふるりと首を振ればまたくるりと回った気がした。
(いや、私はいつでも目を回しているし、それがアスリートとしてのアイデンティティみたいなものなんだけど)
 今はくるくる回っているのもしんどい感じだ。限界の先を目指す気持ちに嘘はないが、たまの休養もアスリートには必要なのだろう、と気持ちを切り替えていく。
「今日は折角だしお休みもらおうかな。えっと……薬膳……は、食べられる気がしないし。やっぱりマッサージかな。うん、マッサージにしよう。横になってるだけだし」
 ふらりふらりと巡るまま、ぐるめは目に止まった赤い渦巻きのマークのマッサージ店へと進んでいく。
 受付を済ませ、施術室に入れば挨拶のあとに意外なことを告げられる。
「まず、マッサージの前に神への祈りが必要です」
「……えっ?」
 にこやかなマッサージ師は、驚いて目をくるりと回したぐるめへ言葉を続ける。
「心も体も緩め、柔らかな状態へと至るために信じる神へと祈りを捧げて平穏へと至りましょう。祈りの作法は人それぞれ、アナタの信ずるままに祈りましょう」
 柔らかな声がぐるめの鼓膜へと染み通っていく。くるくる渦巻く三半規管がくらりと揺れた。
「そう。そうね。それじゃあ、限界の向こうまで回らなきゃ私じゃないわ」
 ぐるめは「ぐるぐるバット」のアスリートなのだから。ぐるめは赤い回転流の神の声を聞く、シャーマンなのだから。
 ぐるめはバットの先をとん、と床につける。ダークリーガーへと変わったチームメイト達がすぐそばにいてくれる気がした。バットのもう一方の先へと額をつけ、ぐるめは回りだす。
「行くわよ皆、たとえカップに洗脳されなくとも、私は最初っからくるくるなんだから――! レッツ・ゴー・サイクロン!」
 高らかに試合開始の宣言を述べ、ぐるめはぐるぐる回りだす。
 ぐるぐるくるくるどこまでも、神へと祈り、至り、到達するために。赤い金属流がくるりくるり渦を巻き、回転が精神を研ぎ澄まさせ、くるくるくるくる回っていく。
(私達のぐるぐるバットはここからね!!!)
 まるで最終回に至っても未だ続くぐるぐるバット坂を登るが如く覚悟を決めて、ぐるぐるぐるめはぐるぐるまわる。
 神の回る姿といっしょに、マッサージ室に溢れる虹と花を、口から広げながら。

🌈🌈🌈🌈🌈

大成功 🔵​🔵​🔵​

橘・レティシア
な、なんとか無事に解決できたみたいね……。
さてと、これからどうしようかしらね。
寿命を伸ばせそうなものは色々あるけれど。

ここは猫カフェに行きましょうか。
もし良かったら、予知を教えてくれたグリモア猟兵の寧宮さんも一緒にどう?
可能だったらだけれど、労いも込めてちょっとお喋りしつつ、のんびりした時間を過ごせればと。無理そうなら一人で。

猫カフェでは猫を撫でたり、愛でたりしながら、パスタとかフライドポテトとか、紅茶や甘いものも楽しみたいわ。これで結構食べる方なのよ。体重管理はしっかりしているけれど、ね。
ハニートーストもケーキも美味しそう。
可愛い猫ちゃんたちと過ごせるなんて、やっぱり寿命が伸びそうだわ。




 くるくる回る世界がゆっくり速度を落としていくのに、レティシアは息をつく。
「な、なんとか無事に解決できたみたいね……」
 引き受けたバッドステータスも徐々に治まり、呼吸も楽になっていった。狂々カップも消えて、エスパー達も正気に戻っていくのに安堵する。
「さてと、これからどうしようかしらね」
 休んでいくのもいい、と任務開始前の澪の談。言葉通り、寿命を伸ばせそうなものごとは溢れている。色々ある中で、レティシアはある施設に目を留めた。それに手の空いた顔見知りもいる。
「寧宮さん、一緒に猫カフェどう?」
「はい、行きましょー……」
 澪を連れて、レティシアが向かったのは猫カフェであった。
 予知を伝えた澪への労いでもあり、レティシア自身の好みでもある。ちょっとおしゃべりしながらのんびりするのも良いだろうと思ったのだ。
 自由に過ごす猫と同じ空間で飲食できるタイプの猫カフェで、レティシアと澪は気ままに注文する。
「パスタにフライドポテト……紅茶もいいわね」
「良いですね……サンドイッチもおいしそうです」
 健啖家であるレティシアと、山ほど食べる澪が頼めばパスタやサンドイッチ、紅茶にフライドポテトなどでテーブル埋まっていく。
「おいしいですねー……パンも具もよき……」
「パスタもいい味。澪さんもいっぱい食べるのね」
「はい……レティシアさんも?」
「ええ。食べた分はトレーニングして消費しているわ」
「おおー……えらい」
 歌うも踊るも体が資本である。きっちり体重管理をして自律しているレティシアに、澪はぱちぱち小さな拍手を送った。
「ハニートーストにケーキも美味しそうね」
「パフェやプリンもよさそう……頼みましょ」
 食事のあとは、たっぷり甘いものも追加される。食べた分消費すればいいのだから。
 二人が味にも量にも満足して食後の一杯を楽しんでいると、気が向いた猫が数匹やってきた。興味深そうにレティシアの匂いをかいでいたり、撫でろと頭を寄せてきたり、日頃から愛されて人慣れした姿を見せてくる。
「可愛い」
「はい、とてもかわいい……」
 レティシアはちょんと指先を出し、猫に匂いをかがせてからゆっくり手を伸ばす。額を優しく撫で、喉を撫で。向かいでは澪が猫の頭を手に乗せて愛でていた。
「可愛いわ」
「にゃーん……」
 撫でられ満足して去っていく姿も、もっと撫でろとねだる姿もよし。誘っても興味なさそうに去っていくも、カフェのおもちゃに飛びついて来るのもよし。
「こんな時間を過ごせば、寿命が伸びそうだわ」
「はい、間違いなく……」
 のったり、のんびり。レティシアと澪は猫カフェを楽しむのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

英・林檎
◎♪

回った回った、もう一生分回ったかも
暫くアトラクションはお腹いっぱいだわー
この疲労はマッサージとかヘッドスパでしか癒せない。うん
てな訳で、リラクゼーションのコーナーへLet's Go

マッサージで身体を解してほぐして
ヘッドスパで髪も頭皮もピカピカりふれっしゅ〜
そだそだ、どっかネイルしてもらえる所あるかなーって散策
シンプルかわいいの路線で、後はネイリストさんにお任せしちゃう
ネイリストさんとの雑談もまた楽しさの一つだよね
「ここまで来るのに、胃がひっくり返って大変だったんですよー」

爪も可愛くしてもらって気分もアガる!超癒された〜
爪可愛い記念にスマホで撮っとこ(バーガー屋のシェイクを持つ手をパシャリ)




 くるくるぐるぐると回ってひっくり返った胃の辺りをさすり、林檎もほっと息を吐く。
「回った回った、もう一生分回ったかも。暫くアトラクションはお腹いっぱいだわー」
 どんな好物にだって摂取量の限界はある。そして今の林檎に必要なのはスリルでもアクションでもくるくるでもない。
「この疲労はマッサージとかヘッドスパでしか癒せない。うん。自分のケアは大事」
 よって向かう場所も決まっていた。
「リラクゼーションのコーナーへLet's Go!」
 うきうきと赤い瞳を輝かせ、林檎はリラクゼーション施設へと向かった。
 心地よい柔らかな暗がりのもと、ゆったり揉まれ擦られてコリも解して血行を良くするマッサージに、髪の輝きを一層光らせるヘッドスパを終え、林檎はゆったり表情も緩ませる。
「ピカピカりふれっしゅ〜」
 頭から足の先までまさに一皮むけた気分で上機嫌のまま、林檎が次に向かったのはネイルサロンだ。肉体の疲労が癒えたら、次は負荷のかかった気分も癒やしたい。
「今日はどうなされますか?」
「んー、シンプルかわいいの路線で、後はお任せで」
「かしこまりました」
 温かいハンドバスに浸かった指を優しく取り、爪のケアを始めたネイリストに林檎は明るく声を掛ける。
「ここまで来るのに、胃がひっくり返って大変だったんですよー」
「胃がひっくり返って? それは大変でしたねー。何があったんですか?」
「ちょっと激しいアトラクションに乗っちゃって、くるくるぐるぐる振り回されちゃってー」
 ネイルのセット中、完成していくネイルを見ているのも楽しいし、ネイリストとの他愛ないおしゃべりもまた楽しい。ころころ話題を変えながら、林檎はこの一時をめいっぱい楽しんでいた。

「超癒された〜」
 可愛いネイルのセットもすんで気分も上々。あとは空いたお腹を満たすため、入ったバーガー屋で林檎はふとネイルを見てにんまりする。
 片手にはクリアなピンクとシェル、もう片手はピンクとパステルブルーに小さなラインストーンのちぐはぐネイル。シンプルなデザインで、色は明るく可愛らしい。普段のフレッシュな赤ももちろん好きだけれど、いつもと違うスタイルも楽しくなる。
「爪可愛い記念にスマホで撮っとこ」
 気分もアガった林檎は、シェイクを持った手にスマホを向ける。
 持つ手の形や向き、スマホの位置を調整し、これ、と決めたシーンをパシャリ。白いシェイクのパッケージの上でネイルも楽しげに輝く1枚が、思い出といっしょに記録されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年08月06日


挿絵イラスト