7
雪降る街の、サマースクール

#キマイラフューチャー #戦後 #【Q】 #人類遺跡

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー
🔒
#戦後
🔒
#【Q】
🔒
#人類遺跡


0




 ●もう、いなくならないで
 『どうしておうちにかえっちゃうの?』

 『あそぼう、あそぼう。
  おもちゃも、たくさん、あるんだよ』

 『ゆうがたちゃいむはこわれたの、ずっとむかしにこわれたの』

 だからあそぼう、ここでいっしょに。
 こわれてしまったまちの、おわらない放課後を。

 ●身を持って知る、教育の大切さ
 「学校行ったことあるパイセンいますー?」

 オレ行ったことないんスけどぉ、ギャハハ!
 それの何が面白いのか。ケラケラ笑いながら、ヒカル・チャランコフ(巡ル光リ・f41938)が猟兵に問う。

 「最近、武蔵坂学園…だっけ? 聞くじゃないスかー。で、銀誓館ってのも学校なんでしょ? 流行ってますよね、明らかに! 学校ってヤツ!」
 学校が流行しているわけではない、と分かることは、案外学ぶ機会のあった者の特権かもしれない。
 「そんな中、見つけちゃったンすよ、学校。人類遺跡で! きた、ムーブメント!」
 ガッツポーズ、も一瞬だけ。
 ただ、ちっと困ったことなってるみたいでー、と後ろ頭を掻きながらヒカルが続ける。

 「ほーかごって知ってます? 予兆のガムゴム達も何の話だよっつって困ってたんすけどぉ! それでぇ、帰らなくていいじゃん言ってくるンすよ、怪人が。馬鹿が、帰るんじゃなくて|学校《ここ》が家なんだっつーのって!」

 ……このように教養に溢れた口ぶりでヒカルが説明したことは。

  学校の廃墟を根城とするガムゴム人の小さな集落がある。
  そこの者達が怪人によって外出を制限され、物資の回収に出ることが出来ず困窮する予兆をみた。
  怪人を排除して欲しい。

 纏めるなら3行の話を、思いつくまま余計な話題、無駄な情報を差し挟みつつ話すヒカルに、額を抑えて改めて教育の大事さ、というものを噛み締めた猟兵もいたかもしれない。

 「それで、もう一個お願いしたいことあってオレ!」

 え、まだ続くの……?

 ●ずっと、ここに生きるために
 「オレ知ってるんスよねー。学校って《おべんきょー》するんでしょ?
  だから、教えてやって欲しいんス! ライフハックっての? |ガムゴム人《そいつら》に!」

 ヒカルは自分は今後、人類遺跡の調査をさらに進めたいのだ、と説明する。

 「でも、ガムゴムって今日メシ喰えたらハッピー! て感じなんスよね。その辺のものガンガン燃やしたり壊したりして暮らしてっから。
  あったかいナリー言って本や紙を燃やすんじゃねーって。やたら滅多ら解体すンなって」

 オレは言いたいんスよ、とヒカルは腕をふりふり力説しているが、廃墟、過酷な環境の中を生きるガムゴム人に、身の回りのものの《資料性》といったものを考慮するという発想など生まれるわけがない。

 過去に学び、未来への展望を持つこと。
 それは、閉じた世界で命を繋ぐだけの彼らに許されていなかったことである。
 けれど、今や、|世界は開かれた《、、、、、、、》。
 伝えたらいい、教えたらいい――《命を繋ぐ》のではなく、より良く《生きる》その術を。

 「物を長く使ったり、あったかく暮らす工夫? そういうのとか!」

 楽器や運動用マット、学校にありそうなものは探せばあるだろう。加えて、石材、木材、金属、布切れエトセトラと彼らの集め置いた廃材、現場にあるものは活用してもらって構わない。
 少しでも快適に、物を大事に暮らす知恵やアイディアなどあれば、是非教授して欲しいとヒカルはいう。

 「あと生産性? ないから、オレら」

 遺されたものを消費する以外に生きる術を持たぬ彼らに、《作ること》を伝授するのもいいかもしれない。

 「学校って何でか周りの建物より頑丈みたいなんスよね。あんま壊れてなくって。
  え? 避難所? 何スか、それ……あぁ、学校ってわざわざ頑丈に作ってるんだ、へぇ!
  うん、屋根も部屋も一杯あるンすよ。オレあの《|内《なか》》だったら、先輩達の|力《・》あれば、簡単なもの作ったり育てたり出来るかもって」

 人類遺跡には雪が降る。
 ――致死性のその雪は、《外》に生命の兆候のある事を許さない。

 だから。

 「あ、そだ! 屋内はいいとしても、戦闘の時とか?
  雪に生身触れると、学校で覚めない死の眠り――終わらない夏休みってやつ? なっちゃうから!
  先輩たち、行く前にがっちり、雪対策してくださいね!」

 一番大事な事を思い出せてよかった。
 賢いなぁ、オレは。ウマいことを言うと自画自賛。教育はこの子にこそ必要なのでは……という周囲の懸念にはまるで気付くことなく。

 準備できたら声掛けてくださいねと屈託なく笑い、ヒカルは己が手の内、そのグリモアを輝かせた。


紫践
 伝統と信頼の《サマースクール》を今、人類遺跡にも。
 我々には教育が必要なんだ!

 紫践と申します。

 ●第一章
 かつての子供たちの面影を抱える怪人たち。
 遊んで欲しいみたいです、満たしてあげてください。

 ●第二章
 QOLの掲げる指標は3つございます。
 《生命の質》《生活の質》《人生の質》。

 《学校》というその場所も活かして。
 廃校の中を漁ったり?吹き込む雪の対策であるとか?黒板での説明も効果的?
 皆様の体力、知識、UC、技能をご活用頂き、ガムゴム人のその日暮らしの改善をお願いしたく思います。

 衣食住の、或いは心の、余裕や豊かさに繋がるご教授を是非。

 以上です、ヨロシクお願い致します。
13




第1章 集団戦 『懐かしおもちゃ三人衆』

POW   :    コマ回し怪人・ウェポン
【コマ回し兵器】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    けん玉怪人・ジェノサイド
【けん玉攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    トランプ怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【トランプ】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 ●
 折れ曲がった鉄パイプでひとつ、ふたつ、と雪に円を描いていく。

 『できたよ、できた』
 『じょうずじょうず』

 話すふたりを尻目に、ひとりは順番を待たずして、片足でぴょんと円の中へ跳び入るから、ずるいずるいと声があがる。
 けん、けん、ぱ、と、描かれた円をいくつも進み、最後は両足を揃えてのお見事フィニッシュ。両腕を伸ばし斜めに掲げ、体操選手の如くの決めポーズでそこに立つものだから、後ろからきた子にぶつかられて、二人もつれて雪に倒れこむ。

 押し合いへし合い、きゃあと歓声を上げながら、繰り返し円をとぶ|怪人《こども》たち。
 しかし、それもわずかのこと――雪は音もなく、描かれた輪をなかったことにしてしまうから。

 さて、次は何して遊ぼうかと話すうちの一人が、此方に気がついた。

 『こっちこっち!』

 手招く三人。
 その後ろにあるのは、斜交いの太い鉄骨が補強する長方形だ。
 窓という窓は割れてはいたが、しかし周囲の倒壊をよそに、補強に見合っただけの堅牢さを示し建つ校舎。その二階の端の窓。遊ぶ子供とは違う誰か達も来訪者に気付いて、期待と不安の眼を|校庭《こちら》へ向けている。

 ――おそいよ、ずっとまってたよ。
 ――しゅくだいは、もうおわったの?
 ――そんなの、あとでやればよかったのに!

 校舎の最も高い部分には埋め込まれた時計がある。
 長針の失われ、短針が4と5の間を指して止っている、時計が。
 
 終わることのない放課後、止むことのない雪の校庭を。
 |玩具《ぶき》を手に、飽きることのない子供たちが今、|あなた《・・・》へと向い、駆け出した。
御形・菘
元気なことこの上なくて実によろしい!
しかし、とはいえ、誰彼構わず誘いまくるというのは少々よろしくないのう、
誘われる側にも時々事情がある! なので妾が存分に遊んでやるとしよう!

雪から身を守るために着込むのは、バエんし動きづらいが仕方あるまい
さ~て、どんなゲームでも受けて立つぞ
コマ回しなんて、妾にぶつけたら先に回転が止まるに決まっておるだろう?
だが、たかが直撃など痛い程度、妾は妾でコマを回すし…はっはっは、まだコマが回っている妾の勝ちだ!

妾はこう見えて…いやこう見えるからこそだが、子どもの頃は友もおらず遊んだ経験がほとんど無いのでな
怪人ども本気でボコるのは他の者に任せよう、妾は何でも全力で遊ぶ!


巨海・蔵人
【タピる】
重吾君(f14213)と同行
関係は長期契約での雇用(運送業)

■雪対策(キマフュ風味御大尽)
怪人さんとは遊ぶ準備ができるまでは重吾君にお相手お願いして。
今回は雪対策に専念します。
間欠泉の|噴出孔《ノズル》の形状と水量、必要な噴出速度を計算して〜
何度か試射してから、タピオカ間欠泉百門位使ってタピオカ入りウォータードームで学校の敷地をまるっと覆っちゃおう。
地面に落ちる前に食べれる所は給食室に置いとくけど、
食べれない所は廃棄しちゃおう。
何処に?何処だろうね!
後は、怪人さんが迫って来るなら校庭にタピオカで射出。
残った雪とか汚れをタピオカでウォータージェット風に片付ければ蔵人君風デトックス終了〜


桃枝・重吾
【タピる】
蔵人さん(f25425)と、
関係はそれなりに長い付き合いで気安くなった長期契約主。

装備アイテム梵天丸は熊獣人(零階梯)モード
台詞は【】で
UCは弱めに最初から使用
■心情
うーん、こういう時は相手の設定を利用すると面倒は少ないかな?
雪が片付くまでは時間稼ぎだね
■欺瞞工作【用務員】
怪人には。

おはよう、今日のいきもの当番の子たちかな?
私は用務員のおじさんと、
こっちは熊の梵ちゃんだよ。
(空き教室に畳とちゃぶ台、芋羊羹にタピオカ抹茶ラテでおもてなし、
彼等の自認している状況を聞き出してみるよ、
雪が片付いたら朝顔のお世話とか芋掘りとか、
夏休みっぽい事。駄目なら、まあ、普通にマスターキーぶん殴って葬る)


明城・朱砂
元気なものだな。幼い子供と同じかと思いつつ、さすがに攻撃されるのは勘弁願いたい

攻撃したいわけではないので、当てる必要は無い。UCで五宝ノ剣を振り、戦闘力を増強してから遊んでやることにする。

にしてもコマ回しか、懐かしいな。と思いながら遊ぶか

もし雪か吹き込んでくるようなら風を操る技能で外への吹き出すか

※アドリブ、連携などOK



 不思議と集った者達の思惑は一致した。

 あそぼう、と。

 頼まれたのは、|怪人《オブリビオン》の排除である。
 それでも、雪のグラウンドで無邪気に遊ぶ|怪人《こども》たちを目の当たりにして――せめて、彼らの満足するまで。猟兵の務めを果たすのは、それからでもいいだろう。
 駆け寄ってくる子供たちを前に、交せたのは短い言葉だったが、それで充分。

――
 「おはよう! 今日のいきもの当番の子たちかな?」
 口火を切ったのは、柔和な雰囲気で、子供達のためにその巨躯を屈める桃枝・重吾(|スペースデコトラ使いXL《スペース食べ歩き道中》・f14213)だ。
 だが、その言葉尻は子供達の歓声に飲まれ掻き消される。だって、モフモフこと、|梵天丸《梵ちゃん》に皆夢中なので。もふもふ!ふわふわー!と口々に、きゃいきゃい撫でまわすその様。UCを使うまでもなく魅了された子供達に大満足の桃枝を筆頭に、大人たちは待ってあげることとする。何故って、気持ちは分かるから。梵ちゃんは最高のモフモフだもの。

 一通りモフモフを堪能した子供達がようやく言葉を返してくる。
 「おはよーじゃないよー」
 「もう《ゆうがた》なんだよっ」
 「いまおきたのー?」
 やっと口を開いたかと思えば生意気な。しかしまぁ、掴みはばっちりと見ていいだろう。
 きゃっきゃっと笑い指摘する子供達に、だって、おじさんたち用務員さんだもの、と立ち上がる桃枝の横には、仕事仲間たる巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)がいて。子供達に向けた優しいその笑みのまま、二人顔を見合わせると肩竦め、笑いあう。
 一昔前、といっても、滅んでしまった街のそれがいつか思いを馳せるのも難しいが――古風なおもちゃを扱う子らの通っていた頃の学校になら、夜警も勤める用務員だっていたのだろう。子供たちはすっかり納得しているようだ。
 「おれ、としょがかりー。これ、ぼんちゃん、あたらしいどーぶつ? おうちあるの?」
 「よーむいんさんはいいなー。うさぎごや、はいれるもの」
 「いいないいな。ミミちゃんとシロちゃんも、かわいいよね」
 止まった時間のまま。いまもそうであるかのように、話す子供たち。
 この校庭のどこにあるものか、きっと空になり壊れて久しいだろう兎小屋。そこに吹き込む死の雪を思えば、胸が痛んだ。
 集う大人の胸中など知らぬ子供の関心事はしかし、今、遊ぶことであって、大人達の防護された手を、思い思い、かわるがわると引いて、或いは周りこんで背中をぐいぐい押したりしながら、グラウンドへ、校舎の方へと誘っていく。
 「ねーねー!みんなであそぼうよ」
 ここで桃枝・巨海の組と残る組とが目配せを交した。
 「ごめんね。僕たちは、お仕事があるから」
 巨海が申し訳無さそうにいえば、えぇーと子供達からブーイングがあがる。だめ、とその大きな腕を掴むというより抱きしめる形の必死の子供に困って巨海が桃枝をみるから、一同に笑いが起こる。
 「一杯遊んだら用務員室へおいで」
 それがどこかは知らないまま、あるかも分らぬままに、それでも桃枝が巨海の言葉を継ぐ。お仕事が終わったらお菓子を用意してあげるから、と。いまいる皆だけの、秘密だよ?と唇に指をあて悪戯めかした笑みを投げる。
 
 途端上がる歓声。子供たちは、それであっさり《用務員さん》たちを開放して、残る二人の手を各々引くこととする。現金なものだ。 
 手を引かれながら、明城・朱砂(人を探すもの・f44027)が、ちらり、桃枝・巨海の二人を振り返る。では、頼むの言葉と軽い目礼。見送る二人は、いってらっしゃいとひらり手を上げそれに応えて。

 かくして、雪対策と先行しての探索を請け負う班と、子供たちを引き受ける班に分かれての急ごしらえの《あそぼう》作戦は決行された。

――
 ずるり、と引く|蛇の尾《下半身》――今は鱗の輝きとその威容を専用ニットの下に隠して。
 引かれる手に応えるのは御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)だ。
 「さぁさ、おまえたち! 今日は妾が遊んでやろうぞ!」
 元気のあるのは宜しい! だが、用務員も校舎に残るものたちも、みな色々に事情のあるだからな。誰彼構わず無理矢理誘うというのは感心せぬぞ、と邪神様による教育的指導も行いながら。しかし、ああ、忌々しきはこのニット。いまいち締まらぬ、どうにもバエぬ。妾の威厳がっ……! 等とつい零してしまう素直な彼女である。邪神様として常どう魅せるか見られるかを意識する、配信者の|性《さが》であろうか。
 元気で宜しい、の一言にそれと分らぬ程度に頷いて。聞くともなし聞こえるその言葉達に、明城・朱砂(人を探すもの・f44027)は思う――今、彼女に威厳が欠けているとするのなら、それは格好のせいなどではなく――抑え切れぬ彼女の笑顔の為だろう。子供たちを思い、共に楽しもうという思いの溢れた溌剌とした表情は、心を温かくするばかり。
 物静かな彼はそれを口にはしないし、表情にも出さないけれど。ふわり柔らかい何か。抱える気持ちは明城も同じだ。事前、子らを無下にすまいという言葉は、すり合わせたわけでもないのに二人ともにあったのだ。

 元気なお姉さんとかっこいい大人の人。引き連れた子供たちはもう得意になって、最近出たお話つきの格好いい文房具のことであるとか、昨日のバラエティーTVショウのことであるとか、話も止まらないのである。そうして、子供の小さな歩幅と楽しいお喋りに合わせた為に、ようやっとついたその場所は。

 「ここ、やね、あるから! ちょっといいでしょう?」
 「こまも、ここならあそべるよ」
 「おすもう、しても、いいけどね!」

 子供達の言うとおり屋根を備えた、けれど吹きさらしの小さな屋外の土俵だ。

 確かに、雪のグラウンドよりはわずかにはまし。それでも吹きさらしだけに、雪がないということは、ない。
 ゲストの為、屈みこんで、地面の雪を手で寄せ払おうとする子供たちが、つまり猟兵たちから目を話した隙に、明城が己が内の《五宝様》、宿る力を振るう。小さく、くるりと回した人差し指にあわせるように生まれたつむじ風の赤子。清浄な風が子供相撲の土俵の雪を巻き込み――。
 「たつまきだ! たつまきだ!」
 「みてみて!」
 「はじめてみた!」
 ある子は手を叩き、別の子は大人の服の袖を引いて。喜んでいる子供達の間を抜けて、雪を外へと排出する。サイズを拡大させた風は、そのまま周りを包み込んで雪の吹き込まぬようしてくれるのだが、風は見えないものだから。

 「きょうはなにする?なにする?」
 トランプだ、剣玉だ、独楽だと怪人各々が譲らない。譲れないのだ、子供だもの。
 危うく|武器《おもちゃ》で同士討ちを始めそうな子供たちを前に、親猫が子猫にするが如く。明城が、トランプと独楽を、御形が剣玉と、それぞれの首根っこを捕まえぶら下げる。無理矢理引き離したところで、明城が提案する。
 「お前たち、喧嘩をするな。こら、駄目だと言っている。暴れるな……ああ、もう。じゃんけんで決めたらどうだ」

 ――では、本日は独楽勝負、ということに相成りまして。

 子供たちは無邪気でも、やはり|CG怪人《オブリビオン》に違いなかった。加えて、大人相手とあって全身を使い、全力で紐を引き、また本人たち曰く秘義やら奥義に必殺技――大人からすると無駄な巻き方、投げ方とみえるものもあったが――とやらを駆使して挑んでくる。
 弾きあうその独楽の、飛んで来る威力たるや。
 「――……っ!」
 子供たちには験担ぎといっておいた――五宝ノ剣を振るい発動した|羅刹旋風《ユーベルコード》の身体強化の加護がなければ、明城を以ってしても見切れなかったかもしれない。代わりとばかり、独楽は、|本人《あかぎ》より遅れてついてくる、黒髪の束の端を幾本か切り取って枠の外へ。
 「ほら! ぼくのこま、のこったよ!」
 「やったやった」
 「うまい、うまい!」
 明城に独楽が当たりそうであったことなど気にもしていない子供たち。不正も害意もそこになく、勢いだけが独楽以上の、独楽遊びにだけ熱中しているのだ。
 ――果たしてこれが怪人か、内心首をかしげる思いが記憶から引き上げたのは、遺跡の上層《キマイラフューチャー》についての報告書。人々を怪人に変えんとするテーマパークに絡む事件のレポートが確かあったように、思う……。

 「流石、うまいものだな。参った」
 トランプ、剣玉と下したものの、流石は独楽怪人。表情のあまり動かぬ明城は、それでも小さく笑みを用意して、独楽怪人の頭――独楽の平らの部分を撫で、彼の勝利を称える。
 では此方も大将と交代だと引く明城、入れ替わり、溌剌と前に出る御形。
 「ふ、妾は子供相手とて容赦はせぬ! 全力で挑むがよいぞ、童!」
 腕を組み、はーっはっはっは! と高笑い。その姿、大将というより、ラスボスの風情。
 「まっけないぞー!」
 意気込む独楽に、がんばれがんばれとトランプと剣玉両名が、両腕を振って必死のエールを送る。その様に、馳せた思いは再び仕舞い、明城が仕切りを入れることとする――三先勝負、恨みっこなし。
 「では、いざ尋常に!」

 「「勝負!」」

 弾かれたのがどちらの独楽であれ、威力は前述の通り。御形の体格は特段大きいというわけではないのだが、尾と羽の分だけ体積と面積がある。避け切れぬ独楽が、容赦なくそこを撃ち、赤いものがパッと散る。セーターを染める色に、じり、と身構えた明城を眼で制すと、御形はにやりと独楽怪人をみる。
 1-2と追い込まれたカウント、浅くはないダメージ。
 ――逆境こそが、邪神たる|彼女の力《ユーベルコード》を目覚めさせるから。
 「やるな、童」
 「おねーさんもね! だけど、かつのは、ぼくだよっ」
 一丁前のことをいって、次の紐を巻く独楽怪人。意気込みやよし!と押されていながら、なお笑顔の御形。
 賽ならぬ独楽の投げられた四戦目――火花散らしぶつかる両者の独楽が、一度、二度とぶつかり、そして一方が遂に派手に弾き飛ばされた。枠を超え、明城の風の加護をも破り、相撲小屋の外へ。

 「ああああああ!」
 独楽を追う子供たちが声をあげる、最初は勝負の行方に。
 「なにこれ! なにこれ!」
 次に謎の|雨《・》に。いつの間に、外に降るものが雪からタピオカに変わっている。

 どうやら《用務員さん》達がうまいこと、雪の対策を済ませてくれたようだ。
 おーい、と大柄二人組が相撲小屋へ迎えにきてくれるのが見える。

 「おかし!おかし!」
 「おーい!」
 トランプと剣玉が駆け出して。独楽は、追うかどうするか、とその場で足踏み。やはり気になったか、土俵に残った独楽、次に|お姉さん《ごぎょう》と順に見て、えへんっと胸張ると、まってまってと友達を追う。
 「ふふ」
 友達と遊ぶというのは、こういうことか、と|経験《おもいで》持たぬ御形は思う。全力、勝ち負けがあれば当然悔しさといったものはあるのだけれど、それ以上に胸を満たすもの。
 「たまには悪くない、こういう|戦い《あそび》も」
 いい勝負だった、と、場に残った怪人の独楽を拾い上げ、明城が御形に手渡せば、お互いにな、と満面の笑みでそれを受け取る。
 「怪我は大丈夫か?」
 優しい風を傷に翳す。傷を癒すことは出来ないが、浄化の効果のあるものだ。血を風が優しく払えば、それに、発動した《逆境アサルト》の身体強化からくる回復力も合わさって、どうやら差し支えなさそうである。

 前ゆく五名の背を追って、二人も学校全体を覆う、不思議の粒のシャワードームへ足を踏み出した。

――
 時は、少し戻って。

 「猟兵さん?」
 二階の窓から顔を出すガムゴム人が、ぱぁと表情明るく声をかける。猟兵については、遺跡表層のガムゴム人に知れ渡っているのだ――超カッコいい存在として。見上げ返す桃枝は、力強く一度頷いてから、今度こそは、こんにちは、と声を掛けた。
 「そうだよ。もう少しだけ、待っててね。もうすぐ何もかも、きっとよくなる」
 怪人を引き受けた仲間のことは勿論信頼しているが、流れ弾のようなことだってある。万が一にも彼らに害が及ぶのはよろしくない。完全に安全を確保するまで、引き続きそこで待っているよう伝える。
 「1階を少し見させてもらうよ」
 雇用主と労働提供者というよりは、息あった相棒といった感――巨海が当然の如くに桃枝の言葉を継いで伝える。それでいて、住人の了承を得て、校舎へ赴くのは巨海でなく、桃枝のほうなのだから、これが正に阿吽の呼吸であろう。

 残った巨海は、前庭だっただろう場所に立っている。
 木の植わっていたであろう場所、花の咲いたかもしれない段差。割れた巨岩には、どうだろう、校訓など掘り込んであったのかもしれない。

 ただ、その何もかもが、今は白く。ただ白く――そう、問題は《雪》である。

 すう、と一度深呼吸をして。
 巨海の深く、落ち着いた声が、『渡るトレンド浮世舞台……』とユーベルコードを紡ぎ始める。
 《トレンド・スプラッシュ・ファウンテン》――力ある言葉に導かれ、地を覆う雪を破り現れたのは、なんと間欠泉だ。
 「水量……、うん。孔の径はこの位でいいのかな。数を置くし。あとはそこここで角度だけ調節すれば……」
 《ノズル》だの何だの、テストをされ調整される間欠泉の図というのがまず凄いが、噴出すのがタピオカというのは、もっと凄い。
 食べられる、むにむに美味しいキュートなアイツが飛び出す間欠泉――子供の夢が形になったような。それは、正に《学校》にふさわしい、可愛くも頼もしい雪対策。
 ……数を置くといって、彼の想定では100基は軽く設置するつもりなのだから、その点は恐ろしいのだけども。
 ともあれ、それが叶えば、労力の分だけ、このあとの《サマースクール》、全員が気兼ねなく行えるというものだろう。

 ――と、そんな事を経て。
 再度、猟兵四名と三怪人が、事前の一階探索からここならよかろうと桃枝の用意した、急ごしらえの用務員室(仮)に集結した。
 そう、おやつの為に。

 おいしいね、おいしいね!と子供たちは桃枝の用意したお茶菓子や飲み物にどんどんと手を伸ばす。ぼんちゃんもたべる?なんて独楽がいえば。にんげんのものってあげちゃいけないんじゃない?賢い事をいうのは剣玉だ。
 微笑ましい光景。だが、それを見つめる猟兵たちの顔はしかし、どうしても少しこわばった。

 だって彼らに口はない。
 音声は出ても、物は触れても。何なら命を奪えても。所詮、彼らはすごいCG、怪人にすぎないのだ。
 ぐちゃぐちゃ、びちゃびちゃ、ぽろりぽろり。全てを顔に押し付けて、潰すように。素体となっただれかの出来ていた事を、真似てなぞるだけの、幻影なのだ。

 食べたつもりで自分と床を汚すだけの子供達に、けれど、怒る者などいなかった。ほら、これは?と、遠慮するな、と。彼らがご馳走様をいうまで。
 今日の試合を称え、学校の様子などを聞きながら。世話を焼き、ない口をぬぐってあげて。
 一杯駆けて、遊んで、一生懸命応援をして。おやつまで食べた子供たちの方は、神妙な大人の様子には気がつきもせず、すっかり疲れ果て、満たされて、満足気なまろい空気を醸している。

 「さぁ、きみたち。……そろそろ|還る《・・》時間だよ」
 声をかけたのは、巨海だ。
 おなかいっぱいになった?と桃枝も重ねて優しい声をかける。
 「うん……おなかいっぱい。おそとのつぶつぶもおいしかったねぇ」
 「おいしかった、あといっぱいあそんだ。ぼく、かったし!」
 「おかしはひみつ! やくそくだよ? そろそろかえろ。しゅくだいしないと」

 「そうそう。それでまた《明日》、遊べばよかろう」
 御形が、笑って、声をかけ、子らの肩を叩く。

 「そーだね!」
 「きょうはあそんでくれて、ありがとー!」
 「また、きっとだよ! ぼんちゃんもだよ!」
 子供の肩に置かれた|彼女《ごぎょう》の震える手――明城は己が剣の柄に手を持っていく。

 さようならと、お別れの挨拶を終え、背を向け廊下へ出た子供たち。
 だが、どこに帰るというのだ?
 還れないから、繰り返した。何度も、何度も、終わらない放課後を。

 だからこそ、明城が剣を。桃枝の傍らの梵天丸がアブホランス・ウィールを。そして巨海の|電磁知性体《プレジデント》が、侵食を。彼らに届ける。
 もう、迷わぬように、繰り返さぬように。
 子供を切ったのではない、《怪人》を切るための|攻撃《やいば》――夕刻のチャイムのように優しい導きであれば、どれほどそうあれかしと願っても、刃は刃。それでも、怪人の内に留まる子供達に示すのだ。魂の《家路》を、その矛先で。

 せめて一瞬で。痛みの少なければという四人の願いは、叶っただろうか。
 霧散するCG。廊下に木霊し消えゆくのは、最後まで、はしゃいだ笑い声だけであった。

 消えゆく声に、皆が思う。
 『また、明日』の約束を、必ずや果たさねばならない。
 それこそは繰り返される放課後に、猟兵達が変化を――先へ進むための|時の志向性《決断》を、再び齎した瞬間であったから。今ここを生きるガムゴム人と、いつか廻りかえる子供たちが、今度こそ手を取りあい遊べる《|未来《あした》》の為に。

 これ以上の感傷はまた後で。
 我々にはすることが、まだ幾らでもあるのだ――。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『人類遺跡探索』

POW   :    瓦礫をどかし、遺構を探す

SPD   :    雪を防ぎながら迅速に移動する

WIZ   :    遺跡の構造や特徴をスケッチに残す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 いまやシャワードームに覆われ、死の雪の懸念の取り払われた《学校》がそこにある。

 新たに合流する者もいるだろうから、と、|あなた《・・・》達はここまでに判明したことを改めて確認することとする。

 まず居住するガムゴム人は20人であった。
 食の問題は慢性的に逼迫しているため、基本的には若者は自立し、己で居住地を探す為旅立つのが慣例とのことで、ここにいるのは幼い子供を抱える家族が3組大人6名子供5名。青年から壮年の単身者は6名、高齢者3名。
 ガムゴム人の集落というのは、どこも小規模にみえたが、抱える事情は似たようかもしれない――。

 校舎は4階建てであること。
 校舎自体は、補強の効果もあり、特段の補修が必要とは見えない。天井等の強度も信用して良いだろう。

 しかし、窓はすべて割れている。
 現状、雪の懸念は払われているが、人類遺跡は暖かい環境ではないので、この窓が割れている状況というのは、提供しようとする知識や改修、改善の内容によっては対策すべき項目となるかもしれない。

 1階はガムゴム人たちが適当に回収してきた資材類の倉庫として主に使われているようだ。
 2階、昇降口を正面とするなら右側の3教室はガムゴム人たちの居住スペースであり残りは空き。
 3階は全教室が空いている。
 4階の一室を除き空き教室だ。
 一番右端は大事な食料庫――缶詰類を筆頭に、非常持ち出し袋、と言われるようなものに入っているものを、かき集めてあるらしい。実際、そう書かれた袋も、そのままいくつかころがっている。

 また、1階3階は、校舎とあわせてL字を描くように、特別教室棟へと繋がっている。
 ガムゴム人の話では特段用途が思いつかず、固定の机なども多いそこは、不便であるとして利用せず放置しているようだ。

 体育館については、残念だが屋根の崩落が見られ、使うことは叶わないだろう。
 しかし、端に付属する倉庫は、無事のようである。

――
 「格好いい……!」
 話し合うあなた方を、ガムゴム人たちはニコニコと、うっとりと、見つめてくる。
 ……なんとなく、くすぐったく、やりにくい。
 安住地を求めて旅をする、或いは物資の交換に訪れる別の集落のガムゴム人たちから話を聞いていたそうで。
 「こんな場所にも猟兵さんがきてくれるなんて! お祝いしませんか! パーティーしましょう!」
 抱えた缶詰をどさりと下して、壮年のガムゴム人が貴重なはずのそれを開けようとするから、慌ててとめる。

 すべてのガムゴム人がそうだとは思わないが、少なくとも、ここのガムゴム人たちはこういうお気楽さなのだ。
 猟兵が来て、何かして貰える、何かしようとしてくれている、などとは全く考えてもいなくて。
 ただただ珍しい来訪者を喜んで、貴重な食料を開けてしまおうだなんて。

 「だって、《今日》はとっても嬉しい日だから」

 そういうお気楽さ――危うさ。
 雪と困窮に呑まれかけている、素直で優しい心たち。

 だからこそ、《今日》を《明日》に繋ぐ術を伝えるべく、|あなた《・・・》はここへ来たのだ、と。
巨海・蔵人
アドリブ連携歓迎
【温故知新】

■心情
シャワードーム作りの時に一通り見て回ったしグラウンドとか花壇とかも|食べれない所《毒》の除染は終わったしね。
次はガムゴム人さんたちと見て回るよ

■【せいかつ】の時間
それは違うよって言うのは簡単だけど、先ずは文化的すり合わせも兼ねてUCでの修復を進めながらガムゴム人さんと敷地を回ろう。
まずは校門から、シャワードームの水は地面に届かないけど、敷地の出入り用にウォーターアーチを用意したからね、届かない高さに。
後は各施設の本来の使い道と今の使い方を比べたり、
宴会の料理を蔵人君セレクションから用意したり、
資材を補修して元の形にしたり。
ドーム維持にヒカル君に送迎お願いしたり


桃枝・重吾
アドリブ歓迎
【温故知新】
UC全開使用
■心情
温水ドームなら暖かく…
いや、湿度が凄いことになるか。
窓ガラスや失われたところ含めて大まかな学校の補修は蔵人さんがしてるし、
私は【社会科】かな

■【社会科】の時間
取り敢えず、ガムゴム人さん達って、文字残ってるのか聞いてみないとね、
無いなら危ないとかの記号とか合図使ってるの確認して。
ライフラインを確保していこう。

…割れたガラスは危ないとか、
幼い子に教える感覚で知ってる事確認しながら、

先ずは屋上の貯水槽から。
ここは先に補修してもらったし、タピオカ供給してもらってるから、
3Dプリンタで必要な部品出力して、水とタピオカに分けて供給。
最後は温水タピオカプールで宴会だ



 街の古い住人たち――消えてしまった彼らの遺したモノ。
 そして、その無自覚な相続者たるガムゴム人。

 古きと新しきの間の無明。一隅を照らし、両者を繋ぐは猟兵たち。

 それでは、授業を始めましょう――まずは互いを、今を、知るところから。
 
――
 敷地内を雪から開放した立役者。
 桃枝・重吾(スペースデコトラ使いXLスペース食べ歩き道中・f14213)と巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)は、わいわいとガムゴム人達に囲まれるのに任せたまま、改めて校内見学へと繰り出した。
 雪を防げたのは良いが、割れっぱなしの窓に、あれに、これに……見て回りながら、気になった点を指折り、今自分たちが彼らに何を送れるものか、考える。
 そうして――。

 「案外、こういうことって大事なんじゃないかな?」
 巨海がそういい、《地域密着企画》の始まりを宣言すれば、ドローンたちは応えて作業を開始する。ある組は筒を持つ二つの何かを創り、別の組は離れた地点から互いに地下に掘り進んで管と浄水機構を隠して。
 そこは、校庭の先――かつて正門があったと思われる場所。
 「一緒にカウントダウンをしようよ」
 提案したのは桃枝だ。いいね、と巨海も応じて、皆で10・9と数え始める。どうやらこの程度には数の概念はあるのだな、などとこそり思った桃枝も、3の頃には、地面に埋め込まれた噴出孔と受け口に注目しており……。

 「「「2・1・ゼロ!」」」

 高いウォーターアーチが、姿を現す。

 「これは、門。ここが《皆の家》っていう目印だよ」
 高らかにというには落ち着いた声で。だけど、笑顔の巨海が宣言する。
 わぁ、とあがる歓声。《シンボル》というものが持つ力を、この歓声こそが体現している。
 彼らの暮らしには、危険な外への道行きは欠かせない。これまで、|校舎《ここ》は、その危険と地続きであり、喰って寝るに多少便利な廃墟であるに過ぎなかった。不便になれば、また別の場所を探すだけの。それが彼らの在り様だったのだ。

 けれど、これからは違う――門を見上げるガムゴム人たちの心にさざめくもの。
 腹を膨らませるでも、便利な何かでもない。内と外の境界というだけの門は、帰るべき場所、守るべき場所を。ここが自分達の居場所である、ということを、言葉より強く彼らに教えたのだ。

 「お気に召してもらえて嬉しいよ」
 はしゃいでグルグルと八の字に水の柱の周りを駆ける子供たちの様子には、思わずふふと声を漏らして。
 「さて、それじゃあ。お家の方も直しにいこうか」
 次は横の雇用主、桃枝のビジョンを現実のものとする為に。巨海は皆へ声掛ける。

――
 割れたガラスのジグザグのまま残る窓枠に、廊下の床に散った破片たち。
 「どうしてガラス、このままにしているの?」
 仮にも住まいにしている場所、流石に使用している教室内だけは破片を片付けているようだが、あとは酷いもの。極単純な疑問を、桃枝は横行く壮年に訊ねる。
 「この、割れて小さいやつは、使い途の思いつかないから」
 足を止め、破片の一つを摘まみあげるとぽいっと窓から外へ投げ捨てる。なんという雑さ。
 「しかも、この量でしょう?」
 廊下を振り返り、肩を竦めて。確かに住んでいる人口を考えると、労働力はもっと生きるに具体的なことにしか使われなかったのかもしれない。
 「枠の方はね、皆が皆そうではないんですが、俺なんかは少し雪に当たっても平気な|性質《たち》だから」
 言ってぐうんと体を伸ばし始める壮年。ガムゴム人たちの種族特性――猟兵達が《ガムゴムフォーム》と呼ぶそれで、窓枠から上半身を出すと、上階へ。そして、そのまま移動してしまう。
 今度は上階から此方へ体を伸ばしているのであろう、顔を逆さまに、二人に笑みかけて。
 「こういうわけです、あはは」
 しかし、階段を使う面倒と、窓を窓として使い室温の変動を抑えること、これは天秤にかけるまでもない。幼い子も居るのに、尖ったガラスの危険だってある。

 窓は引き受けたよ、と、苦笑いの巨海に、うん、頼んだねと桃枝は同じく苦笑いを返し。
 ここで一旦、組は二つとなる。

――
 さて、と桃枝は改めてガムゴム人達に向き直る。
 「これから、さっきの彼が窓を直してくれるからね。そうしたら少しは寒さも和らぐよ」
 桃枝の想定では、この後に、屋上にあるだろう給水タンクも改修の予定なのだ。
 学校を覆うシャワードーム、つまり間欠泉の供給する水分とタピオカ。これを利用しない手はない。それを安定的な飲料水や、校舎内の必要な場所への温水暖房として活用出来れば、と。それに……おっと、これは作業の済んでからで良いかと思いなおし、気になっていたことへ話をシフトする。

 「寒さといえば……、本なんかは燃やしちゃうって聞いたんだけど」
 「本といったら、紙の束ですよね? 食えないし、すぐ燃え尽きちまうから大して明かりにもならんし」
 何かを温める時くらいしか使い途がないよな、と、老人と壮年が頷きあう。
 「中に書いてあることはわかる?」
 「大昔の記号なんでしょうが、私らは矢印で充分だから」
 少なくともここに、あの記号が分かるものはおりませんなぁ、と壮年の言葉を引き継いだ老人が気にした風もなくいう。人類遺跡の先人とガムゴム人は全く異なる人種であることは既に他の猟兵達の調査から分っている。

 断絶は、文字の価値をも絶やしたのだ。

 「……燃やすと煙やゴミもでるよね。燃やさないでも温かく暮らせるように、しようね」
 未来、正当な都市の後継者として、彼らが|書籍等《それら》を必要とする日も来るかもしれない。そういう未来に繋ぐ為に、残せるものは残したい――今すぐには、彼らに文字を教えきることは出来ないから。

 この件は、他の猟兵とも情報共有して検討すべきかもしれない。今彼らにある《記号》を伝えて、そこに危険、大事といった意味とルールを足して。
 彼らの最初の《文字》としてもらうように提案してみようか――。

――
 校内をめぐり、片し、補修し、そして今。
 屋上――かつて給水塔だったものが、桃枝のアイディアと巨海の技術により新たに得た多くの足を伸ばしている。
 飲料用、暖房用、そして、周りより少し太く圧倒的に長いその管が校舎を下り、注ぐ先――。

 「ぎゃあああっはははは!」
 叫び? 笑い? どちらとも! そんな声をあげながら、タピオカの海、ならぬ、プールに弾むガムゴム人たちの姿がそこにあった。

 シャワードームのもう一つの副産物、タピオカ。
 これは食べることも出来る為、ホイと捨て置くには余りに惜しい。余剰分は処理するにしても一時的にプールへ保管するようにしたのである。
 ガラスの片付けや、使われていなかったプールの清掃。少ない人数ながら、桃枝と巨海の指示でガムゴム人たちは、普段の食う・寝る・資材集め以外の仕事をよく頑張ってくれた。
 頑張ったからこそ、この楽しいひと時は生まれたのだ。

そう! 生きるって、こういうこと!

 「とぉりゃ!」
 若いパパさんも子供に負けじとプールに飛び込むが、これが弾むんである。場合によっては障害物を乗り越えるのにも利用できるそのタピオカは、そう簡単には泳がせんぞと立ちはだかるから、皆可笑しくてたまらない。
 「が、がんばれ! 進め、て、なっ――!!」
 プールサイド。桃枝と巨海だって、頑張っていたのだ。くつくつと肩を震わせる、どうにか、そこまでで堪えようって。失礼があってはいけない、そう思って。
 だけど、無理でしょう。跳ね上がりからのあまりにもダサいポーズの数々。素人のトランポリンの如くに尻から転げても、それで許すタピオカではない。ぎゃあ、うわぁの奇声と共に、あははという大人も子供もない心からの笑い声と共に、幾たびも跳ねさせられるガムゴム人たち。
 一方こちらは大人より知恵があったか、そろり入ったタピオカプール。少女がグルンと見事なもぐりを見せ――再びの浮上とリスも驚愕の彼女のタピオカ頬袋。そこまではまだよい。でも何故? 何故真顔で此方を見る? 感謝を伝えたいのか。それにしたって、その真顔はなに!?

 堪えきれない波状攻撃に、二人も遂に声をあげて大笑いして。

 既に全員が笑いの満身創痍、呼吸困難の様相。助けて、誰か!
 しかし、タピオカプールの宴会はまだ始まったばかりなのである。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヴィクトル・サリヴァン
ふーむ、教育かあ。
暮らしをより易しく豊かに…色々教える事ありそう。

空き教室一つ美術室に。
学校っぽいし筆記具とかまだ残ってるんじゃないかな。
説明含め黒板にチョークでも…
さて、美味しいものを食べる。それは楽しくていい。
けれど食べ終わったらなくなっちゃうよね。それはよくない。
こう、絵に描いたらそれは残る。喜びや思い出を形として残せるよね。
貴重なものを使う、ではない刹那的じゃない楽しみ方を選択肢に加えれば人生の質も上がってくる…筈。
他にも体験を記録して伝えれば失敗繰り返さず成功に倣う事も、長く残し明日に繋ぐ事もできる。
そうしていけば自分たちの力で余裕を作る事ができるようになるよ。

※アドリブ絡み等お任せ



 伝えたい――自身のうちから湧き上がるもの。
 伝えたい――誰かに、アナタに、未来に。
 
 数多の世界を駆け巡る、その軌跡で以って思いを描くのが猟兵であるからして。

 それでは、授業を始めましょう――まずは《思い描く》を学ぶことから。

――
 「よいしょ、と」
 思いがけない肉体労働から、授業は始まることとなった。ヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)は、周りのガムゴム人たちと椅子や机の搬入を行っている。彼の怪力をもってしても、形状が形状、机や椅子を一度に運ぶことは難しいから、皆で一緒に。
 なにせ、木版と金属棒の取れる椅子や机は、貴重な資材と纏められ、重宝されて既に消費が始まっていた。それでも、彼らなりに無駄遣いだけは避けていたので、助かったが。

 これで最後、と一組を下し終え、かくて教室は往年の姿を取り戻す。

 ひと手間かかったけども、この共同作業がヴィクトルとガムゴム人たちの距離をグッと縮めた。ヴィクトルは体を動かすに嫌はないし、ガムゴム人側もいまやすっかり気分は仲間。
 「さぁ、皆座って。今日は面白いことを教えてあげよう」
 体格のいいヴィクトルがそういって胸を張れば、それだけでなんだかワクワクさせられるのは彼の夢ある部分、ロマンチストなその気質がイタズラ気な笑みから滲み出るからかもしれない。

 黒板の中央に据え付けられた小さな引き出しを開けてみる。思った通り、食べられるわけでもないチョークはそこに残されている。

 「これ、なんだと思う?」
 早速黒板に描くのは、蓋の開いた円柱といったような。
 その上に、匙もひとつ描いてやれば。
 「わかった! 缶詰!」
 それだ! と皆が回答者たる赤子を抱いた主婦と描かれた絵に賞賛の拍手を送って。
 「矢印は、皆も描くんだってね。これはね、それと同じだ」
 美味しいご飯を、皆で食べられたらどう思う?と聞けば、嬉しい楽しいとガムゴム人は口々に応える。
 「次の日になったら?」
 え、という反応。彼らにとって思いがけないことを聞かれたのだ。お互いの顔を見合わせ、ガムゴム人たちが考え込む。
 その間に、更にチョークを走らせながら、ヴィクトルは黙って回答を待った。
 「忘れてしまうの、今日のメシの方が大事だから」
 翁がそう応えれば、そうだね、と皆が頷いて。
 ヴィクトルも黒板から振り返り、一度頷いて皆の意見へ肯定を示してから付け足していく。
 「だけど、そんな楽しくって皆が幸せだったひと時がここにあったこと、その時いた皆のこと」
 
 缶詰の周りには今、教室にいる人数分の棒人間が描かれている。

 「描くなら、留めておける」
 正直に言って、凄く上手という訳ではない――ヴィクトルは自分の絵に苦笑する。
 それでも、そのシンプルな視覚情報は、ガムゴム人の中で活き活きと、彼らにも一度や二度はあった、皆が満腹食った楽しい日を《想起》させた。
 「あったわね、そういう日も」
 先ほどの主婦が赤子に目を落とし幸せそうに笑えば、横の夫も頷いて。二人の思い描くのはきっとその子の生まれた祝いの日かもしれなかった。

 続けて、ヴィクトルは一連の絵の下に彼らの記号、矢印を描く。

 「こうすれば、見かけた人はどう思うだろう?」

 いけば飯が食えると分かるんじゃないか? 皆が口々にそう声をあげる。
 「嬉しい気持ちに、なるかもしれない。だって……寂しくないから」
 はにかみながら少年もいう。
 「誰か居るんだって」
 矢印よりもずっと心強く――彼らが切り離されたように暮らしている事を、当地に何度も赴いているヴィクトルは識っている。決して排他的な人々ではない、それでも、過酷な雪が、彼らに連帯を許さない。
 彼ら同士がもっとコミュニケーションを取れたなら……あぁ、今日はその為の一歩ではないかと思いを新たに、ヴィクトルは続けた。
 「描くためのものは、ここでは貴重だ。でも、だからこそ、特に残しておきたいこと。いいことも、それから失敗してしまって忘れないようにしたいこともね。こうして描いて」
 ヴィクトルの声が心地よいのか、主婦が抱える赤子は先ほどまでもぞもぞとしていたのに、今は眠りに落ちかけている。

 「自分たちにも、外の仲間にも。
  大きくなった|未来《・・》のその子にだって、思いや体験は伝えることが出来るんだ」

 さぁさ、説明はここまでだ。
 「絵もだけど……もっと、記号も増えたら便利だと思わない? 皆も前に来てくれないか、例えばだね」
 ここで出会った|猟兵《仲間》から頼まれた案件もある。今からは、自分だけではなし、皆で一緒に創り上げる時間だ。安全を示す記号があれば便利じゃないか? ○にしようか? いやいや□? 危険な場所こそ伝えるべきだ、そんなら危険の記号もいるんじゃないか、話し合う大人は黒板に図形を描いてヴィクトルと意見しあったり。

 ……ん?子供たちは?

 「ねぇ、出来たよ! みてみて!」

 後方の黒板では、棚に乗りあがった赤子を除く子供たち4名の共同作品――ここを人類遺跡と呼ぶなら、これは壁画と呼んでいいかもしれない、そんな可愛い大作が完成している。

 ニコニコと笑う棒人間たちは思い思いのポーズで椅子の上や机の周りで遊んでおり。
 その中央にたつのは勿論――これには思わずヴィクトルも破願して。
 「とっても上手!」

 三角の突起を被ったひときわ大きな楕円形。
 絵の中の先生も《満点》の笑顔を浮かべていた――。

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘
困っていない、というのは良い生活であると同義ではないからのう
当然、妾のキマフュにおいてQOLが低めな者たちを見過ごす選択肢はない!

とはいえ妾はこう見えてサバイバル慣れしておらんシティガール…ならば、集合知に頼ればよい
右手を上げ、指を鳴らし! スクリーン! カモン!
はーっはっはっは! 今日も元気かのう皆の衆よ! お主らの頭脳を貸してくれ!

そう、星の数より多い生配信の視聴者に訊けばよいのだ!
学校内外を案内して貰い資材廃材を色々と映しておこう
うまいこと組み合わせて生活道具を作り、更に今後も似たようなものが作っていけるようレクチャーしたいのう
はっはっは、妾は力仕事を頑張るぞ! 皆で楽しくクリエイトだ!



 空間内の離れた2点A(x1,y1,z1),B(x2,y2,z2)がある、この2点間の距離を――。

 接続せよ。
 『あなた方は切り離された孤独な《点》ではない』と|証明《あか》す為に猟兵はいる。
 
 それでは、授業を始めましょう――人を、世界を、明日へ接続するところから。

――
 「妾のキマフューの新たなる無辜の民よ! さぁ、神の知恵、啓示をもって、毎日を更に面白おかしく、豊かなものとしようではないか!」
 教室に揃ったガムゴム人たちを前に、バッと両腕を広げ、宣言する。そこそこ、格好いいのだが、『更に面白おかしく』なんていう軽いフレーズが混じっちゃうあたり――そこが彼女のいいところ。真の蛇神にして邪神たる御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)の親しみやすさ。彼女も一般的キマフュー民であるからして。

 「スクリーン! カモン!」
 呼び声、掲げた右手の指をパチン!と鳴らせば、教室の中空に無数のディスプレイが浮かぶ。
 「先ほどの配信、みただろう! お前たちよ」
 今度は各窓に笑みかける、同じくキマイラフューチャーの側に住む|配信者《キマイラ》たちに。

 そう、キマイラフューチャー。
 様々の物、音、光、《豊かさ》に溢れる先進のユートピア。
 |都会《シティ》で毎日を楽しく暮らす自分たちは知らなかったのだ。
 ――地面の下に、死と静寂の世界が横たわっていたこと。そこに、もう一つの暮らしがあったことを。

 だからといって、彼女も仲間たちも同情をしたわけではなかった。
 「うーん、そうだなぁ」
 「この、お菓子ってやつ、旨いなぁ」
 「キマフューってなんだ?」
 「じゃしんさま、もちあげてもちあげて!」
 尾を掴む子供のリクエストに応えてあげながら見回す彼ら。

 笑顔とひょうきんを忘れない、あっけらかんと、のんびりと――ガムゴム人に感じる《キマイラ》のグルーヴ、我らの魂に宿るものは確かに同じ!
 だから、御形の、配信者たちの願うのも単純なことだ。
 もっと笑顔が増えますように、その一助を。

――
 最初は、DIY界の大御所、配信者としては高齢ながら圧倒的フォロワーを抱える《まさやん》が、木工のやり方などを説明する、燃やすばかりが木材の価値ではないと彼らに教え。
 出来た枠組み。床に寝るんじゃない、ベッドに寝ましょう、これからは。
 リメイク女子の配信者たちがそこにのせるべく、体育用マットなどどうにかできないかとコラボ配信を始める。温かく暮らせるように、皆で考えよう。

 コラボと言えば、配信開始に大げさに脇を開いて閉じてするから、《ワキワキさん》と呼ばれる工作や魔改造がウリの配信者と、甘いマスクがウリの白衣も似合う科学実験系配信者。そこに、他の猟兵たちの助力と、皆の笑顔が力に変わる御形のパワーも加わって。
 一大プロジェクトが始動した。

 「皆で楽しくクリエイトだ!」
 繋いで、削りだして、組み込んで、試して。
 離れた距離など問題ではない、配信者は知恵を、御形とガムゴム人は力を結集する。
 踏ん張れおまえたち、と御形が、ガムゴムの大人たちと共に、どぉりゃ!と組み込むはスクリュー。
 給水塔、新たに生まれた配水管。そこに今、加えられたスクリューが、果たして皆の目論見どおりに回転をはじめ。
 配線よーし!接続よーし!教えてもらいたての言葉と作業を配置されていたガムゴム人たちが口々に大きな声で伝えてくる。

 「皆のもの、よいな? では、刮目せよ!」
 叫ぶ御形の心は、誰よりも成功を願って。ぽちり、スイッチを押す手は今度こそは《期待》に震える。
 そうして――。
 灯ったのだ。残された電灯たちが、今、皆の前でながい眠りから目を覚ました。

 「我らの《未来》は明るい! そうであろう!」
 あがる歓声、ディスプレイを埋め尽くすハート、駆け寄るガムゴム人。
 その先に、腕広げ、何より明るい笑顔の御形はいる――。 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年07月31日


挿絵イラスト