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体質改善、カロリーフェスティバル!

#キマイラフューチャー #ノベル

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夢ヶ枝・るこる




 ミルケン・ピーチのボディの一人花園・桃姫は、先日夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)に対し『食べても太らない方法』という非常にムシの良い要望をしていた。
 そして、その結果。
「な、なんなんですかこれ……」
 桃姫の前には、大量の高カロリーな菓子類が積み上げられていた。
「やはりここは変わっていないようですねぇ」
 そしてるこるは、それをまるで知っていたかのようにのんびりと呟いていた。

 事のあらましはこうだ。桃姫の要望を受けるこるがそれについて研究を始めたところ、或る手段が候補に挙がった。それはるこるの用いる『祭器』の簡易版を維持することでより効果が高まるとのデータも出たため、それを可能とするための儀式を受けさせるべく、るこるは己の故郷でもあるキマイラフューチャーへと彼女を連れて赴いたのだ。
 儀式の内容は「『お堂』で祈りを捧げ、見届け人共々儀礼用の『霊薬』を飲んだ状態で、教団に寄せられた『困りごと』の訴えを解決する」というもの。
 そのお堂建設からお祈り部分は滞りなく行われる。何しろここはキマイラフューチャー。いきなり謎の建造物が建つのもその中でよく分からないことが行われるのも日常の事だ。
 そしてそれに寄せられた困りごとというのが、この場所で高カロリー菓子が溢れ出して止まらなくなったというものであったのだ。

 そんなわけで今回の事件を解決すべくやってきたこの場所。実はここに来るのはるこるは初めてではなかった。
 ここを含めた周囲一帯はコンコンコンすると『変なお菓子』が大量に出てくるというエリア。それを利用したフェス(とそれに伴う|いつもの《怪人襲来》)が数年前催され、るこるはそれに参加していたのだ。
「あれ以来ここを会場にしたイベントがしばしば行われていたのですが、先日行われたスクラップビルダー専門婚活パーティでちょっと張り切り過ぎた参加者がここを金槌で叩きすぎてしまって……」
 依頼を持ち込んできたここの管理者らしきキマイラがそう告げる。なんかまた覚えのある話がちらと聞こえた気がしたが、とりあえずそれは気にしないことにして二人で菓子の山を見上げる。
「これはチョコケーキですね。あとこれは……揚げチョコレートバー?」
 スミスランドケーキという多層のチョコケーキと、何かの揚げ物のようなものを手に取る桃姫。
「それ、美味しいんですか……?」
「えぇ、とても。まずはお食べくださいませぇ」
 そう言って促されるままに食べてみれば、これが意外なほどおいしい。揚げられた香ばしさとチョコの濃厚さが共に味わえてお得感もある一品だ。
「ほんとだ、美味しいです!」
「えぇ。他のも良い品ばかりですよぉ。それでは、いただきましょうかぁ」
 そう言って手を合わせての|いただきます《UC使用》から、この事態を解決する方法など当然のようにこれしかないと食べ始める二人。
「極厚ピザ味ポテトチップス……ピザの土台が巨大ポテチ!」
「こちらはあんバタークリームチーズどら焼きですねぇ。それからこれは、丼ご飯サイズのおはぎ。いずれも食べ応えありですぅ」
 カロリーも味も最上級なものが積まれているこの状況。当然喉はすぐに乾くが、経験者のるこるはそこも用意してある。
「飲み物は私はこちらを用意していますが、桃姫さんは?」
「そうですね、私も牛乳を……あ、なんかもう出てるのがありますね……ってすごい濃い!」
 牛乳っぽいドリンクが出ているのを見つけてそれを飲んでみるが、どうやら特濃高脂肪乳であったらしくさらにカロリー増量。
 ドリンクも確保しハイスピードで食べることで、菓子の山は瞬く間に消えていった。
「やっぱり今回もたくさん食べることになるんですね。まあ、今回はどうせ太らないので……」
 そう言いながら菓子を食べまくる桃姫だが、そう言った瞬間ぶくりとその腹が膨れ上がった。
「え、な、何で!?」
 突然のことにうろたえる桃姫。その前で、同じように腹を膨らませたるこるが平然と告げる。
「『霊薬』の効果としては『発育増進』『食事吸収効率/吸収速度増加』が有り、「食べた分お腹が膨れる」→「消化されお肉に」という流れでございまして」
「それいつもと変わらないじゃないですか!」
 桃姫は何やら勘違いしているようだが、今回の目的は『桃姫の体質を祭器が使えるよう変える』ことであり、即食べても太らない体にするわけではない。
 そして二人の豊満な体が膨れ上がっていく姿は管理人はじめ周囲のキマイラによって早速撮影&配信がされている。
「ちょっと何してるんですか!」
「これのせいでしばらく会場を閉めなきゃならなかったので、再開の告知も兼ねてPVをと……」
 つまりこれも困りごと解決の一環。そうなれば断るわけにもいかず、増えていく腹を多角度から撮影される二人。
 そして少し置くと、今度は腹が少しずつ減り始め、その代わり乳尻が大幅に増え始めた。
「どうやらお肉への転換が始まったみたいですねぇ」
「膨らむ場所が変わっただけぇ!!」
 一つの丸い肉玉だった体が四連の巨大肉玉へと変わっていく。
「あ、よければ『三千符印』と『脂欲の器』もぉ」
「何でこの状況からさらに増やそうとするんですか!」
 喚く桃姫。だがその身には『自身の強化を桃姫にも共有させる』効果のあるUCの効き目もあり、しかと籠が馴染み彼女の体質が変わっているのがるこるには見て取れた。
「あ、よろしければ最後に近くにある温泉にご招待しましょう。お二人の大きさでも入れる広さがあるので」
「まぁ、それは有り難いですぅ」
「それ、浮かぶだけとかじゃないですかぁ!」
 管理人の申し出に笑顔で答えるるこると泣き叫ぶ桃姫。
 だが、その傍らるこるは見る。元々桃姫の体つきや性格が使徒に近しいものがあると見ていたが、体質もそうだったのか簡単な力なら貸し与えられる程度には体が変わっている。
「ですが、桃姫さん、だいぶ体の方は調子がいいみたいですよぉ」
「うぅ、本当ですかぁ……?」
 涙目で言いながら、もりもりと乳を膨れ上がらせていく桃姫。どうやら彼女の体質はさらに『アガって』いると、るこるは使徒の目を持って見定めるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年06月30日


挿絵イラスト