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マーダー・テイマー・メランコリー

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藤堂・怜
いつもお世話になっております。

本日はユーベルコードを使って大暴れするうちの子がみたいです。よろしくお願いします。
動かそうにもなかなか動かせなかった子なので、今後動かす参考にもしたいです。


使うユーベルコード:
猛獣嗾け

状況:
多分邪神教団みたいなところにカチコミに行った

怜の方は拳銃で。修司の方はナイフと怪力と盗み攻撃で切り込む。多分陽動とかのためにけしかけられる。
二人でだまし討ちとかもしかけたりする

セリフ例:
怜「ほら、もう暴れていいぞ」
修司「どーせまたヨードーのために俺をけしかけたいだけだろーが。人格使いのあれーやつだなったく」

修司「今銃弾かすったが?!」
怜「それくらい些事だろ」

キャラクターについて:
怜の人格は冷静沈着。若干修司の扱いが酷い。
修司の人格は凶暴で口が悪い、かつ直情径行型なのでたまに頭が足りない

なお、二人とも凄惨な現場への耐性アリ


こんな感じです。アドリブも大歓迎。ドタバタしたお話を期待します。
よろしくお願いします。



●修司
「細かいことはどうでもいい」
 藤堂・怜(猛獣使いと殺人鬼・f18074)は、そう呟いた。
 自分が今何処にいるかを説明することすら億劫であったし、それを語ったところで誰かに何かを期待しているわけでもなかった。
 どんなに目の前のカルト集団の掲げるお題目がお綺麗なことであったとしても、心底どうでもいい。
 人を救うだとか、人の傷を癒やすだとか、苦しみから開放したいだとか、誰かのために何かをしたいだとか。
 はっきり言って、細かいことだ。
 どうしてそんな細かいことを一々考えるだろうか。

「人は苦しみに満ちている。だから、我々が救わねばならない。苦しみの解放は」
「どうでもいい」
『だよな! っていうか、苦しみから解放したいって言いながら痛めつけるってどういうこと? え、修行? 修行的なこと?』
 声が聞こえる。
 邪神教団と分類されるであろうカルト集団の本拠地に雑に踏み込んだ怜のそばに立つのは、猛獣を思わせるような剣呑たる雰囲気をまとった金色の瞳を持つ獅子のたてがみのように散らばった髪を揺らす男。
 名を『修司』というが、別に覚えなくて良い。
 己以外の誰かが覚えていたところで、なんの役にも立ちやしないのだ。
 なら、覚える時間が無駄である。

「なぜ理解しようとしない。理解を拒む。世に苦しみは尽きない。苦しみから解脱するためには、真理を人々が受け入れるしかないのだ!」
 いつのまにか現れた『修司』のことにすらカルト集団は考えが及ばないようであった。
 むしろ、錯乱しているのだろう。
 このカルト集団の本拠地には、何やら怪しげな香が焚かれていた。
 人の精神に作用するものであろう。
 奇声を上げて、己たちに迫るカルト教団員たちの瞳に正気はない。
『わらわらと、すんげーんだけど。もっとこう、他のことに筋肉使えばよくね? 例えば、労働とか! やれば金ももらえるし、なんならたまには感謝されたりもする。上等だとは思わね?』
「それが嫌なんだろ」
『わっかんねーな。人のため、世のためって言うんだから、こんなところでこもってるよりずっと健全だと思うんだけどなー』
「暴れていいぞ」
 猛獣嗾け(モウジュウケシカケ)るように怜が『修司』の尻を蹴りつける。

 雑ゥ! と『修司』は振り返って憤慨している。
『どーせまたヨードーってやつなんだろ。けしかける時はいっつもそれだ、ったくよー』
『修司』の掌が飛びかかってきたカルト教団員の顔面を掴む。
 凄まじい握力であった。
 それに加えて、成人男性を片手で持ち上げる膂力。
 いずれにしても規格外であることは言うまでもなかった。

「それ以外の何ができるんだ?」
『そりゃいろいろだよ! とにかくいろいろに決まってんんだろーが! やればできる奴だぜ、俺は!』
 できらい! と『修司』が喚いた瞬間、彼の頬をかすめて何かが飛ぶ。
 同時に銃声が響き渡っていた。
 頬から血がわずかに垂れ落ちる。
 ビリビリした衝撃に『修司』は釣り上げていたカルト教団員を地面に叩きつけて、地団駄を踏む。
『やいやい! 今、銃弾かすったが!?』
「それくらい些事だろ」
 にべにもない言葉にますます憤慨する。
 その間にも襲いかかるカルト教団員を『修司』はありあまる膂力でもってつかみ、投げ、叩きつけ続けている。

『お前、同じ目にあっても同じこと言えの!?』
「言えるわけがないだろうが。同じことしてみろ、そのよく動く口にもう一つ口裂を作ってやるよ」
『こーれつ? なんだそれ。っていうか、話そらすなよ!』
「逸らしていない。一つより二つあったほうがお得という話だ」
『そりゃ、お徳用って言葉は好きだぜ。けどさ、過ぎたるは及ばざるが如しとかなんとか言うじゃねーか。一つが二つになるってそんな単純なことじゃねーんだぞ!』
 怜は良いから前、と己のユーベルコードで呼び出した人格のやかましさに辟易していた。
『修司』の背後に立ち上る圧倒的な気配。
 恐らく、このカルト教団を立ち上げたであろう邪神の類であろう。

 口をもたげ、あらゆるものを飲み込もうとする姿に『修司』は振り返って硬直する。
『あれは無理だろ!』
「どうにかしろ。できなければ」
『どうなるんだよ! おい、言えってば! なんか、こえーじゃねーか!』
「……」
 怜は答えない。
 というか、面倒くさい。
『まーただんまりかよ! ほんっと、しょーがねーやつ! これだから俺がいねーとさぁ!』
 そう言いながら『修司』はまんざらでもなかった。
 雑に扱われてはいるが、彼は怜の中に存在する殺人鬼の人格。
 なら、分かたれることはない。

「……いから早くしろ」
『へーへー、相変わらず人使いの荒いこって!』
 やるか! と『修司』は張り切り、怜は諦観したような眼差しで迫りくる邪神と対峙する。
 いつものことだ。
 そう、いつもの。
 語るべくもないいつものこと。
 これが己の日常。
 猛獣使いと殺人鬼の、何気ない日常なのだ――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年06月25日


挿絵イラスト