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にゃんこ&カッター後々暴力

#UDCアース #カットスローターズ #UDC支部襲撃 #ID_ネッド

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 助けてくれ!
 近付くなっ!!
 キミは殺せないんだ!!!

 誰も出入り不可能となってしまった、組織UDC(アンダーグラウンド・ディフェンス・コープ)支部。
 戦う力を持つ者、持たぬ者。
 駆け回り飛び廻り迫り来るそれらに、手出しが出来ぬまま。
 生き残る全ての職員が逃げ惑い、施設の端へ端へと追い詰められてゆく。

 どうにか出口をこじ開けようと、扉や壁に無数の引っかき傷がつけられる。
 それらを楽しく、または遊戯のように見やる怪物UDC(アンディファインド・クリーチャー)。

 人間の道理など知ったことではない。

 無慈悲な爪と肉が、雄叫びと共に振り下ろされる!

 \\\にゃーーーーん!!!!///


「というわけで まずは かいぶつに なぜか てだしができない しょくいんたちを たすけてほしいんだ」
 これといった戦闘力は皆無だという集団UDC『増える灰色の猫』に囲まれる職員達を映し出し解説するはグリモア猟兵、ネッド・アロナックス(ガムゴム人の冒険商人・f41694)
 仔猫に囲まれるなんて天国じゃないか! という言葉を飲み込み集う猟兵達。
 この光景の向こうに一刻を争う事態が起きていることを、心得ているからだ。

「じけんの はんにんは『カットスローターズ』という なぞのオブリビオンだよ ふういんしていた たくさんの じゃしんを ときはなって しまったんだ」
 予兆によれば"縫村委員会"という結界で施設を封鎖し、逃げられぬ職員達を生贄に数多の邪神の封印を解いてしまったという。
 しかし、折角解放したはずの邪神達を"縫村委員会"から出す様子もない。
 結果、邪神同士の殺し合い及び共食いが発生。
 強大化した最強の一体のみが生き残る蟲毒術――彼が"闇堕ちゲーム"と呼ぶものが展開されることとなった。

「イェーガーなら "けっかい"の いっかしょに ぜんりょくこうげきすれば じぶんがはいる あなを いっしゅんだけ あけられるはずだよ がんばって たすけにいこう」


 助けたUDC職員達を頑丈な部屋へ避難させ、次に向かうは封印を解かれた邪神達が跋扈する施設の地下最奥。
 その真っ直中に佇むカッターナイフ使いの少年が『カットスローターズ』だ。
「さいきょうの じゃしんを "もちかえる"ことを ねらっているみたいなんだ たおしきれなくても たたかいつづければ てったいさせることは できるみたいだよ」
 とはいえ闘っている最中、周りの邪神達が避けてくれるとは限らない。
 ……人間の一部を不気味に模した異形の邪神達が、麻痺毒の沼を発生させ、影で縛り、炎で視界を奪って喰らい合う……。
 上手く回避したり、逆に利用したりして立ち回り、格上の|二番目の猟兵《オブリビオン》であろう彼に、|持ち帰る《アーカイブ》を諦めさせなければいけない。


「『カットスローターズ』を てったいさせられたら "けっかい"も なくなるから みんな だっしゅつが できるよ でもね まだ さいごの じゃしんが のこってるんだ」
 ネッドの見立てによれば、最強となるのは『力』という集合体の邪神だという。
 UDCアースの事件に多く赴く猟兵のひとりが、情報を集めようとその名前と姿を確認しに近付くが……その場で首を傾げてしまった。
 どうやら、今まで交戦記録が無い相手らしい。
 よって、相手の手の内も、全く分からない。

「どうやら とても パワフルな たたかいかたをする みたいだね たおしきれなくても もともと このしせつで ふういんしていたから たすけた しょくいんたちが たいしょほうを しっているよ」
 今後を考えれば倒すに越したことはないが、大目的である"持ち帰り"の阻止は完了している。
 職員からの情報で一時的な封印を施し人命優先で撤退するのも、選択肢のひとつだ。
 全てはその地に居る猟兵にゆだねられる。

「――それでは みなさまを かのせかいへ ごあんない いたします」
 蛍雪のような仄かな光に導かれ、猟兵は血塗られゆく狂気の地へと進む。


小風
 |小風《こかぜ》です。
 51作目はUDCアースにて、UDC支部襲撃です。
 よろしくお願いします。
………………………………………………
 第1章👾:支部の職員を助けつつ低級UDC『増える灰色の猫』を一掃する。
 第2章👿:邪神達の殺し合いを避けながら『カットスローターズ』に対処する。
 第3章👿:強大化した邪神『力』を撃破or封印する。(職員から対処法を訊ける)
………………………………………………
 また、プレイング期間(と〆切)を設けています。送信の際はMSページやタグも御確認下さい。
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第1章 集団戦 『増える灰色の猫』

POW   :    ふえる
自身が【好奇心】を感じると、レベル×1体の【戦闘力のない灰色の猫】が召喚される。戦闘力のない灰色の猫は好奇心を与えた対象を追跡し、攻撃する。
SPD   :    ふえる
戦闘力のない、レベル×1体の【灰色の猫】を召喚する。応援や助言、技能「【ジャンプ】や【クライミング】」を使った支援をしてくれる。
WIZ   :    あたり
【時々出現する毛色の違う猫】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 灰色短毛ピンク眼の仔猫UDCが自由気ままに、UDC施設の中を駆けまわる。
 ある時は一匹増え、またある時は二匹増え、おっとレアレア! 色違い仔猫!

 みっしりと床も、壁も、天井近くの棚まで埋め尽くさんとするそれらを、しびれを切らしたUDCエージェントが倒そうと構えれば、周りの同僚達が急いでそれを止める。

 UDCの中でも最弱の部類となる『増える灰色の猫』
 職員だって勝てない相手ではない。
 しかし彼らはそれを決して実行しない。

 単なる物凄い猫好きの集まりなのか。

 それとも…………何者かからの視線を恐れているのか。
ミルディア・ディスティン(サポート)
「サポート?請われれば頑張るのにゃ!」
 UDCでメカニックして生計を立ててるのにゃ。
 『俺が傭兵で出撃して少し足しにしてるがな?』
 ※自己催眠でお人好しで好戦的な男性人格に切り替わりますがデータは変わりません。

 ユーベルコードはシナリオで必要としたものをどれでも使用します。
 痛いことに対する忌避感はかなり低く、また痛みに性的興奮を覚えるタイプなので、命に関わらなければ積極的に行動します。
 公序良俗は理解しており、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。むしろ積極的に助ける方です。
 記載の無い箇所はお任せします。よろしくおねがいします。


印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキり散らかして墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいいので困っている人につい手を差し伸べたりしちゃいます
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器

 UCは指定した物をどれでも使用し、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「ダメだ! 来ないでくれ!!」
 強制的に閉鎖されたUDC支部に閉じ込められた職員が、開かない出入り口の前で下級UDCに追い詰められる!
『『『にゃあ!』』』
 そんなことは知らないとばかり御機嫌に元気に返事をするは、特に戦闘力を持たないことで有名なオブリビオン『増える灰色の猫』
 床から壁までみっしりと増殖しまくったそれは、確かに少々恐ろしいかもしれない。

 が、仔猫は仔猫。
 とても、可愛い。

 叩けば消えるような最弱UDCに何故か一切手出しをしない職員が、増え過ぎたお猫様達の新たな足場へと、徐々に成り代わろうとしている。

「召喚! 神滅の戦乙女・ジークヒルデ! 行け、ヴァルグラム・ノヴァ!!」
 勇ましくウサギ耳を揺らし、|印旛院《いんばいん》・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)の放つ強烈な閃光が通路を駆け抜ける!
 職員の周りに群がる仔猫達が、光と共に一掃!
 上へ圧し掛かる仔猫達も、突然一直線へ開けた空間へ、バランスを崩しコロコロと落ちてゆく。
 今にも猫玉になりそうだった施設職員は、僅かに開いた空間を頼りに、ふらふらと立ち上がることが出来た。

「大丈夫かにゃ?」
 そう問いかけ手を差し出すは人型の猫――ではなく、猫耳ヘアがチャームポイントの猟兵ミルディア・ディスティン(UDCの不可思議メカニック・f04581)
 先のラビニアと同じく、職員を助けに来た者のひとりだ。

「た……助かった……けど、あっ!」
 立ち上がりかけた職員が、すぐさま屈むと仔猫の陰に隠れて辺りを窺う。

 ――奇妙な仕草だ。
 まるで仔猫"から"身を守ているのではなく、仔猫"で"身を守っているかのような――。

 ラビニアとミルディアがそんな疑問を口にすれば、職員は少々申し訳なさそうに『増える灰色の猫』に手出しをすると厄介なUDCに目を付けられるのだ、と口にする。
 ……巨大なボス猫オブリビオンでも、居るのだろうか……?

「僕らに任せてよ。何とかしてみせるから……多分!」
 何かあっても必ず自分達が守ると、ふたりがウサギ耳と猫耳ヘアを頼もしく揺らして応えれば、職員はやっと安心したように強張っていた表情を崩す。

「そうと決まれば、ここはお任せにゃ!」
 せっかく開けた空間が塞がらない内にと、ミルディアが発動するはサモニング・ガイスト。
 ラビニアの光線の軌跡をなぞるように古代戦士の霊が炎を吹き付ければ、今まさに通路に溢れんとしていた仔猫達が飛び退き、壁や天井にしがみ付いて退く。

 仔猫を踏まないように細心の注意を払いつつ、三名は獣道のように細く開いた一本道を素早く走り抜けてゆく。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

臥待・夏報
UDC支部襲撃事件もこれにてめでたく10件目
そろそろ過労死が見えてきた哀れなエージェントこと夏報さんだよ
退勤できたら猫カフェにでも行こうかな……

にしても、この支部の状況は異様だな
猫が殺せない奴がいるのはまあわかるが
そんな奴、猫型UDCを収容している施設に配属されるはずがない
他に何らかの事情がある?

考えても仕方ないか
もし不都合があるんなら、一般人の代わりに猟兵がそれを負うしかないんだから

【天気予報は嘘ばかり】
猫たちにはせめて……「優しいお姉さんが美味しい餌をくれた」みたいな、美化された記憶を遺しておこう
実際には|呪詛の炎《スケープゴート》で作業的に焼却していく
……この姿、猫好きには見せられないな



「いくよ! せーのっ!!」
 よいしょ! の掛け声と共に仔猫型UDC『増える灰色の猫』の山から支部職員を引っ張り出すのは、同じくUDCエージェントにして猟兵の|臥待《ふしまち》・|夏報《かほ》(終われない夏休み・f15753)
 場所は変われどUDC組織。建物の作りに大きな違いはないはず。
 予め確認しておいた施設の案内板を頼りに、職員が立ち往生しているであろう細い通路を中心に救出活動に専念していた。

 他事件よりも若干のゆるさを感じるとはいえ、彼女が支部襲撃に関わるのはこれで10件目。
 手慣れた落ち着きの中にも、疲労の色が隠せない。
 退勤後は猫カフェで癒しをもらう事を、心の予定帳に記す夏報さんであった。

「助かりました……我々支部職員はこの猫達を無闇に始末せぬようにと、規則で決まっていたものですから……」
 今し方助けたUDC職員からの言葉に、やはり何か異様だなと感じる夏報。
 猫が殺せない者が居るのはまぁ分かるが、猫の数調整手順が別に設けられていると来た。
 一体どんな事情を抱えた施設なんだ……?

 そうこうしている内に、仔猫達の好奇心を刺激し過ぎたようだ。
 灰色仔猫の海原が、足場など無いと言わんばかりに行手を阻む。

 ――夏報は微笑むと懐から猫用の削り節が入った大袋を取り出し、仔猫の海へ向かって撒いた。
 一匹も食べ損ねることがないよう、満遍なく、大量に。
 思わぬおやつの登場に、仔猫達は大歓喜。
 思い思いの一欠片を口に含んでも、まだお代わりがいくらでも空から舞い下りて来る。
 なんて優しいお姉さん。
 なんて素敵な思い出なのだろう――。

 通路を轟々と舐めるは、夏報の操る|呪詛の炎《スケープゴート》。
 仔猫が見るは、ユーベルコード|天気予報は嘘ばかり《モーニング・シャワー》で見る美化された記憶。
 ゆらりゆらりと舞い上がる仔猫の影が、避難場所へと続く道を開けてゆく。

 憎まれ役なら自分が負おう。
 だがせめて、逝く猫達には楽しい記憶と共に。

 猫好きには見せられない姿だな、と自嘲しながら。
 しがないUDCエージェントはまたひとり人を救ってゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

柳・依月(サポート)
 俺は人間じゃない、ネットロアだ。だが人間は物語が好きで、俺も人間が好きだ。だから人々の日常を脅かす者は許してはおけない——それが俺が戦う理由ってことになるのかな。
戦闘時は基本仕込み番傘での近接戦だが、中長距離や支援に回る時などは呪髪糸も使用する。
非戦闘なら情報収集が得意だ。主にネットだが、聞き込みとかもする。【化術】も得意だからな。

以下PL
ギャグ系の状況でもノリはいい方です。
 UCは指定した物をどれでも使用し(詠唱ご自由に)、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。


グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「下がらなきゃ怪我するよ!」
 戦闘力もほぼ無い下級UDC『増える灰色の猫』に埋め尽くされたUDC支部の廊下にて、老婆のしわがれた勇ましい声が響く。
 刹那、眩しく炸裂するはエネルギッシュなオーラの塊。
 グレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)によるユーベルコード|理力榴弾《フォース・グレネーダー》が爆発し、天井まで届かんとしていた大きな仔猫玉を消し飛ばす。

 蒸発した大玉から這い出て来たのは、此度の救出対象であるUDC支部職員のひとり。
 攻撃対象から外されていたとはいえ下がる隙間も無かった為、炸裂を目と鼻の先で受けて、少々腰を抜かしている。

「無事で何より。――と、肩を貸した方が良さそうだな」
 盾にしていた仕込み番傘を畳み、支部職員を支えながら立ち上がるは|柳《やなぎ》・|依月《いつき》(ただのオカルト好きの大学生・f43523)
 一見するとオカルト好きの青年ながら、出自はUDCに近い元ネットロア。
 可愛らしい『増える灰色の猫』も集まり過ぎれば怪談に至れるものなのかと、名残惜しそうに廊下を見つめる。

「さて、この調子で畜生等を殲滅していくかね」
「!! あ、あの! 確かに増え過ぎましたが……あの猫達は、残しておいていただけないでしょうか。彼らも施設を支えるのに必要なんです」
 グレナディンの言葉に、腰を抜かしながらも必死に言葉を紡ぐ職員。
 ……猫好き職員のペットとしてか?
 それとも……何か他に大事な役目でもあるのだろうか?

 顔を見合わせるふたりの猟兵。
 そうこう話しながら進んでいく内に、またじわじわと仔猫達が通路を侵食して来た。

「なら、増えまくる前に止めてみるか……おやすみなさい、暫しの眠りを」
 そう語り依月が展開するはユーベルコード、|幻想蝶の慰め《ゲンソウチョウノナグサメ》。
 一面に舞い踊る幽世蝶は好奇心旺盛な仔猫の格好のおもちゃ――とはならず、夢の世へと誘う案内役として、丸まり寝息を立て始めた小さな額を撫でた。

 幻想的な光景を静かに、音を立てず、素早く通り抜け、三名は一時避難部屋であるシェルターの重たい扉を開く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『カットスローターズ』

POW   :    断裁ディバイダー
【カッターナイフ】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    疾風ダンスマカブル
【高速ステップ】で敵の間合いに踏み込み、【斬撃力を備えた衝撃波】を放ちながら4回攻撃する。全て命中すると敵は死ぬ。
WIZ   :    九死カットスロート
自身の【瞳】が輝く間、【カッターナイフ】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 生き残ったUDC支部職員達の避難を完了させた猟兵。
 次いで向かうは強力な邪神が封印されていた施設地下。
 しかし今やそこは解放された怪物共が弱肉強食を体現する、殺戮演舞場と化していた。

 血と臓物、毒と呪いが狂宴するその只中で、とても愉快そうに観覧するひとりの白髪の少年『カットスローターズ』
 一連の襲撃を"闇落ちゲーム"と称する、この騒動の主犯者だ。

 猟兵の来訪を一瞥するとその歩を、あろうことか邪神等の武闘の中心へと進めた。

 邪神の戦闘を、特別避ける様子もない。
 まるで埃を払うかのような自然な動作で手に持つカッターナイフを振れば、巨大な躯体であった怪物が瞬く間もなく肉塊と化す。
 実力差が圧倒的なのだ。
 回避するという選択肢を、敢えて捨てている様子さえある。

 どこからか聞こえる少女の声に文句を言われるも、どこ吹く風。
 くるりと振り返り、再び猟兵の顔を見つめる。
 ――来るのだろう? と挑発するが如く。

 かつての封印場は壁が壊し尽くされ、広い地下駐車場のような部屋に。
 暴れ回る邪神共は遠慮など知らず……氷の領域で相手を凍らせ、天から鉄の槍を一面に降らせ、呪詛の霧が感覚を狂わせる……。
 あわよくば周りの邪魔な怪物まで、巻き込む前提の攻撃が目立つ。

 これらをどう避けるか。
 はたまたどう使うか。

 狂気のダンスホールに、猟兵は誘われる。
ナーダ・セッツァー(サポート)
顔を隠し、喪服に身を包み、兄弟と半分に分けたロザリオを身につける。
兄弟と同じ装丁の仕込み杖を持ち、隠すのは槍。
オラトリオの翼は出さない。
髪に咲く花は山荷葉。

弱者を救済し、悪を裁く。
全ては亡き我が神のため。
憐れなるモノに神の御加護を。
その為ならばこの身が、手が紅く染まろうと悔いはない。

尊大な口調だが他人を下に見ている訳では無い。
他人には他人の価値がある。
だが我が神を侮辱するのは万死に値する。
神のみもとに逝くがいい。

戦闘は仕込み杖(槍)での肉弾戦、又は硝子のような山荷葉の花を風に舞わせて切り刻む。
回復?殺られる前に殺れば必要ないな。



 UDC組織支部地下最奥。
 今や解放された邪神達の殺戮場と化した地にて主犯者『カットスローターズ』と対峙するは、ベールで顔を隠した喪服の女性ナーダ・セッツァー(地に満たせ神の威光・f35750)
「全ては我が神のため」
『邪神なら沢山いるのに?』
 まるで会話の続きのように、気軽な一歩を踏み出す白髪の少年。
 ――刹那、狂気の笑顔はナーダの眼前にあり、視覚の外からは血塗れのカッターナイフが迫っていた。

「――っ!!」
 身を屈めると同時に素早く後方へ飛び距離を取るナーダ。
 ……その方向には毒沼の邪神が作り出した、汚泥が広がっていると知りながら。
 まるで当たり前のように、呼吸するかのように素早い斬撃を次々と繰り出し、聖者を押しやる殺人鬼。
 その様子を見ていたかのように、邪神は呪わしい地を更に広げ続け、ついにナーダの足を捉えた。

「嗚呼、我が神よ――」
 最期の祈りを捧げるかの如く、片翼のロザリオを手に泥沼へ身を預けるナーダ。
 "体勢を崩す"という格好の瞬間を逃すはずがない。
 致命箇所破壊の力を帯びたカッターが黒衣のオラトリオの急所を捉える!!

「――我が神よ、愚弄する者に裁きを」
 人体の柔い部分を的確に切り裂くはずの刃は、しかしナーダの身を削らなかった。
 ユーベルコード、|亡き神への献身《ナキカミヘノケンシン》。
 "敢えて不利な行動をする"と、身体能力が増大する御業。
 ……今、汚泥に落ちたのはナーダ自身だが、落としてしまったのはカットスローターズだ!

 強靭な防御力をもって刃を防ぎ、槍を秘めた仕込み杖で少年を弾く喪中の処刑人。
 それを待ち構えるは、彼を新たな犠牲者に加えようと腕を振り下ろす毒沼の邪神。

『へぇ? やるねぇ』
 カッターナイフの薄い一閃で、邪神を木っ端微塵にするカットスローターズ。
 その賞賛はおそらく、目の前の肉塊に対してではないだろう。

 振り返れどそこには、もう黒衣の狂信者の姿は無かった。

成功 🔵​🔵​🔴​

試作機・庚(サポート)
はーい呼ばれてなくても参上する庚さんデスよ
サポート参加ってやつデスね

…サポート参加って何書けばいいんデスかね?
とりあえず口調はこれでわかると思うんデスけど…
まぁ私はその時々で色々変わるデスから気にしない気にしない
私が出来ることなら大体の事はするデス
あーけど、基本私はハピエン厨デスからあまりにも酷いことはしないデス
私がされる分には基本何されても別に問題ないデスけど…
私以外の奴…例え敵でもあまりにも可愛そうだと感じたら手を差し伸べる場合があるデス
まぁ必要があればやることやるんデスけどね
仕事デスし
なんでそこの判断は任せるデース

こんなもんでいいデスかね…?
あっ忘れてた『UCの詠唱は自由にどうぞ』デスよ



 襲撃されたUDC組織支部。
 地下で繰り広げられるは怪物の解放に飽き足らず、邪神同士を喰らい合わせることで最強の一体を作り出そうとする、最悪の遊戯"闇堕ちゲーム"。

「はーい呼ばれてなくても参上する庚さんデスよ。サポート参加ってやつデスね」
 そんな危険地帯だろうと、手隙の猟兵は容赦無く振り分けられる。
 主犯者『カットスローターズ』を前に|試作機《しさくき》・|庚《かのえ》(|盾いらず《フォートレス》・f30104)は飄々と挨拶をするのだ。

『邪神作りの手助けに来た、ってことだな』
「いやー私ハピエン厨デスから、ご近所さんの迷惑になるのはちょっとデスね」
 そんな信念をオブリビオンが知るよしも無い。
 闇落ちゲーム会場参加者であるお隣の邪神から、両者巻き込まれてしまえとばかりに、目を焼くほどの広範囲業火が飛ぶ!

「うわわ!?」
 白く飛ばされる視界のその向こうから、更に斬撃のような衝撃波が飛んで来る。
 ――カットスローターズによる、四撃必殺の危険な技だ。

「まー、私がやられる分には――」
 目を閉じ、己の防御力に任せるとばかりに、ダラリと構えを解く鎧装騎兵。
 背面、脇、頭上と、徐々に近付いてくる斬撃を感じながら、ぐらりぐらりと身体が揺さぶられてゆく。

『もう少し抵抗してくれないと邪神が強くならないだろ。――じゃあな、役立たず』
 その声はすぐ正面から。
 狙うは"スロート"に因むのか、庚の喉。
 そうなるのは当然とばかりに、死の力を帯びたカッターナイフが首元へ吸い込まれてゆく。

 バシッ!!

 ぐりん!!

 目にも止まらぬはずだったカットスローターズの斬撃が、首の皮を触ったところで突然、弾き上げられる。
 空を切る腕はそのまま掴まれ、捻られながら引き倒された!
 庚のユーベルコード、|無刀取り《ムトウドリ》。
 正面からの攻撃だけは必ず防御と反撃が出来る、決死のカウンター技だ。

「武器はちゃんと握ってないと駄目デスよ。そうしないと私が奪って貰っちゃうデスからね」
 捻られた腕からカッターナイフが落ちると素早く拾い上げ、カットスローターズに向かって鋭く振り下ろす!

 べちん!!!

「いったぁ!?」

 投げられ飛んで来たのは刃でも斬撃でもなく、カッターナイフの持ち手部分!
 何の狙いが、と殺人鬼の少年が構えた時にはもう。
 深追いは無用とばかりに、庚は遠くへ走っていっていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

臥待・夏報
さて……カットスローターズくん
カットスローターズくん「たち」と呼ぶべきかな?
君たちと戦うのも、めでたく10回目
もはや友達みたいなものじゃない?
なんてね

【瞼の裏で君とふたり】
これだけ時間を共に過ごせば、行動の傾向もだいたいわかる
君たちは……僕らと相対すると、決まって『第六の猟兵』への興味に気を惹かれ
そうやって周囲の邪神を意識から外すんだ

――っ、意外だろ?
『第六の猟兵』が、こんなにあっさり殺せるなんて
いかにも自信ありそうなこっちの挑発に引っかかったね
次の瞬間、天井から降る槍が……君には見えていないだろ
この位置に誘導したんだよ

殺すだけが取り柄じゃあ僕らには勝てないさ
第六の猟兵は、生命の埒外なんだから



「さて……カットスローターズくん。カットスローターズくん"たち"と呼ぶべきかな?」
 瑞々しく赤黒く染め上げられゆくUDC施設地下。
 襲撃事件の主犯者である白髪の少年『カットスローターズ』に語りかけるは|臥待《ふしまち》・|夏報《かほ》(終われない夏休み・f15753)
 彼の中にある、融合されたもう一人の少女にも目を合わせながら。

「君たちと戦うのも、めでたく10回目。もはや友達みたいなものじゃない? なんてね」
『どうでしょう。それぞれの分割存在というものにも、性格がありますから』
 応えるは明らかに少年の声ではない、"縫村"と呼ばれる少女のものだ。
『それじゃ、俺達はめでたい十回目の祝いに"贄"を並べてやるよ。材料はお前な』
 少女の言葉を受け継ぎ、少年が宙へ投げたカッターナイフ――無数の替刃が意思持つように、夏報へ襲い掛かる。

 刃がこちらを向けば線にしか見えない、視認性の低い薄刃のナイフが夏報の急所を狙って飛び交う。
 見誤り体勢を崩せばユーベルコードによる致命的なダメージも入る、的確な攻撃だ。
 対する夏報も踏んだ場数を存分に活かし、薄皮以上は決して切らせない。
『……チッ、ならこうだ!』
 一気に間合まで踏み込んだカットスローターズが振るったカッターを、スレスレで避ける夏報。
 ――刹那、振り切ったナイフと手の見えない陰からもう一枚、鋭い替刃の一撃が、避け切ったはずの腕を切り裂く!

「――っ!!」
 咄嗟に飛び退いたが瓦礫だらけの床に足をとられバランスを崩す夏報。
 ――次で決まる!
 振り被るカットスローターズ。
 その瞬間。

 ――ズドン!!

 少年と倒れたUDCエージェントの間に奔ったのは、斬撃ではなく天からの槍の一突きだった。

「君たちは……僕らと相対すると、決まって『第六の猟兵』への興味に気を惹かれ。そうやって周囲の邪神を意識から外すんだ」
 再び語り出す夏報の視線の先、そしてカットスローターズの後方に立つは一体の邪神。
 二番目と六番目の対決など関係ない。
 この地にある者は全て自らの糧とすべき獲物と定める狂気の怪物。
 猟兵ひとりに熱中し出したオブリビオンの隙を狙うのは、当然のことであった。
『ハッ! こんなもの――』

 ――ビンッ!

 天井を無視して迫り来る槍の群れを避けようと少年が飛び退けば、行手を阻むは夏報のワイヤー"|釣星《アンタレス》"。

 替刃の群れを避けながらワイヤーを張り巡らし、槍の邪神の間合いであるこの場に誘導したのは、ユーベルコード、|瞼の裏で君とふたり《ラスト・ダンス》。
 敵対する対象と共に過ごした時間に応じて、行動の成功率が上がる技。
 夏報はその時間、襲撃事件 10 件 分 !
 この場の誰よりも、カットスローターズを知っている。

『分割存在というのは、やはり不便ですね』
 少女の諦めの声を掻き消すように、槍の豪雨が降る。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)



「やれやれ、やっと馴染みの舞台になったね」
 前章の猫払いに引き続き、ガチバトルにも助太刀参加となったのはグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)
 ここはUDC施設の更に地下最奥。
 UDC怪物同士の殺し合いによる殺戮演舞場と化した蠱毒の底。
 元宇宙海賊としては、こちらの血生臭い空気の方がしっくりくるようだ。

 相対するは灰色仔猫に代わり、真っ白頭髪のカッターナイフ使い『カットスローターズ』
『どうせならそのまま最強邪神作りの糧になって欲しいんだけど――邪魔しそうだな?』
 鋭い猫の爪のように六本のカッターを構えると、軽やかなステップを踏み鳴らし始め――刹那、一蹴りでグレナディンとの間合いを詰めてきた!

 ――パァン!!

 応戦する老婆グレナディンが素早い拍手のように鳴り響かせるは、リボルバー銃の一発。
 至近距離からの強力な一撃を、まるでダンスの振り付けがそうであったかのように、スレスレで軽々と避けてみせるカットスローターズ。
 振り抜くナイフが衝撃波を纏って一撃、グレナディンの肩を切り裂く。
 四撃必殺のユーベルコード。
 老婆の寿命はあと三撃で終わる!

 ――パァンパンパパンパパンパン!

 血塗れの地下施設に、なおも鳴り響く拍手のような音。
 最後の一発はすぐ真横から。
 瞬間、顔を引いた少年の鼻の先を、クラシックな弾丸が超高速で掠めていった。

 グレナディンの技、跳弾射撃。
 被弾回数に応じて命中と致死率が上がってゆく、こちらも必殺のユーベルコードだ!

 しかし自分が切り裂く方がずっと早い!
 構わず距離を詰める白髪の少年に、老婆が教える。
「レディの裾を踏むなんて、あんたもデリカシーがないね」

 グン、と踏み込もうとした足を、真っ黒い何かが掴み止める。
 それは殺し合い真っ最中の、影縛りの邪神の長く伸びた影の端。
 グレナディンが目ざとく避けたそれを、少年は踏み締めてしまった。

 カットスローターズならすぐに主の邪神ごと切り裂いて解いてしまえる代物だ。
 ただ、被弾を繰り返す老婆の弾丸は、その一瞬の隙を見逃してくれなかっただけの話だ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ルドルフ・ヴァルザック(サポート)
「フゥーハハハ!(こ、この場は笑ってごまかすしか……)」
◆口調
・一人称は我輩、二人称はキサマ
・傲岸不遜にして大言壮語
◆性質・特技
・楽天家で虚栄心が強く、旗色次第で敵前逃亡も辞さない臆病な性格
・報復が怖いので他人を貶める発言は決してしない
◆行動傾向
・己の威信を世に広めるべく、無根拠の自信を頼りに戦地を渡り歩く無責任騎士(混沌/悪)
・何をやらせてもダメなヘタレ冒険者だが、類まれな「幸運」に恵まれている。矢が自ら彼を避け、剣先が届く前に毀れ、災難は紆余曲折で免れる
・臆病な性質も見方次第では生存本能と言えなくも……ないよね?
・コミックリリーフ役にお困りならば、彼が引き受けます(但し公序良俗の範囲内で)



「フゥーハハハ!」
 高笑いと共に、邪神同士の殺戮によって血の海と化したUDC支部地下施設に降り立つは、ルドルフ・ヴァルザック(自称・竜を屠る者・f35115)
 "コミカルな役を引き受けることが多いはずなのに何だここは!? 死ぬ!!"。
 ――という魂の叫びを、笑って誤魔化し飲み込む、おっさん騎士である。

 正面にはこちらを明らかにロックオンしている、カッターナイフを構えたヤバイ雰囲気の白髪少年『カットスローターズ』
 シリアスど真ん中のオブリビオンである。

 しかし、此度の事件を案内するグリモア猟兵は言ったそうだ。
 "たおしきれなくても たたかいつづければ てったいさせることは できるみたいだよ"と。
 戦うのは相手が勝手に、確実に、絶対にやってくれるだろう。
 だから自分が今回担うべに役割は――。
「戦略的 撤 退 !!!」
 即座に駆けると周囲で弱肉強食している邪神を盾に、一か八かの逃走劇を仕掛けた。

『止まりなよ、おっさん!』
 逃げる相手を追い詰めるのは、どうにも楽しいらしい。
 ルドルフが陰に回り込んだ邪神を、避けるでもなく堂々と切り裂きながら、最短距離を突き進んでゆくカットスローターズ。
「貴様!? 止まるわけがないだろ!!?」
 カッ飛んでくる衝撃波付きの斬撃を躱しつつ、どうにも出口とは反対方向に進むルドルフ。
 少年が障害物である邪神を倒しまくってしまうので、新たな身代わりを求めるほどに、奥へ進むしかなくなってしまうのだ。

 蠱毒真っ最中の邪神達も、この騒動には徐々に興味を惹かれつつあった。
 何故なら……強い奴を倒せば倒すほど、自らの力が増すことを、よく知っているからだ。

 共闘したわけでもないだろうが、同時に攻撃してくるは二体の邪神。
 呪詛霧の怪物と、氷の領域を使う怪物だ。
 カットスローターズなら、手こずるまでもない相手。
 素早く二度振るったカッターの衝撃波が、両邪神の上半身と下半身を泣き別れにする。

 ――その時、呪術の化学反応とでも呼ぶべきことが起こる。

 呪いにより主まで凍らせる氷領域。
 霧が展開する広大な範囲まで押し上げられる氷結床。
 仕上げに凍って硬質になった巨大な四つの亡骸が、ガッコンガッコンぶつかり合いながら大きな下半身を勢いよく弾き出せば――。

「へぶっ!!!!????」
 カーリングよろしく。
 一番近くにいたルドルフを、凍ったデカい邪神の足がドロップキックで弾き飛ばす。
 視界も悪く、足元は滑り、止まることもできない。
 そのまま元来た、邪神のいない出口方向へ滑り飛ばされる、仰向けになったおっさん猟兵。

『おい! ちょっと!』
『切宮君、いい加減にして下さい。倒し過ぎです』
 追おうとするカットスローターズを止めたのは、少年から出るもう一つの少女の声。
 最強の邪神を作りたいのに、殺し合わせ糧とするはずの邪神を減らしてしまってどうする、と言葉を続ける。

『……はぁ、まぁ良いよ。俺達も邪神も、あと何体もあるんだから』
 虚空をカッターナイフで切り開き、異次元へと消えるカットスローターズ。

 この奇妙な展開がルドルフが無意識に展開したユーベルコード・賭け狂いに勝った結果だと気付く者は、ついに居なかった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『力』

POW   :    燃え上がれ!
状態異常や行動制限を受けると自動的に【攻撃力をも共に上げる劫火の気】が発動し、その効果を反射する。
SPD   :    轟き暴れろ!
状態異常や行動制限を受けると自動的に【連発力をも共に上げる雷電の気】が発動し、その効果を反射する。
WIZ   :    吹き荒れよ!
状態異常や行動制限を受けると自動的に【機動力をも共に上げる疾風の気】が発動し、その効果を反射する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はクロト・ラトキエです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『カットスローターズ』が結界である"縫村委員会"を解き何処へと消えた直後、UDC支部地下施設に咆哮が轟く。
 数多の異形の邪神を惨殺した後に、唯一立つ角を生やした人型の一体。
 最強の邪神『力』が完成してしまった。

「猟兵の皆さん!!」
 駆け付けるはUDC支部の職員達。
 曰く、一時的であれ邪神を封印する為の"呪具"を持って来たと言う。
「必ず、皆さんの力になるはずです。それでは――いけ!!」
 モコモコと不自然に膨らんでいた上着に手を突っ込み、勢い良く宙に放り投げたるその"呪具"は――。

 \\\にゃーーーーん!!!!///

 めちゃくちゃ可愛らしい声で鳴くとにゃんぱらり!
 第一章で対処した下級UDCの生き残り『増える灰色の猫』は軽やかに血塗れの床に降り立った!!
 彼らこそが実験的ながら、この施設の邪神封印に一役買っていた"呪具"であった!!!

「邪神"力"は暴力に全てを奪われた者達の無念の集合体。けれど、極端に弱い相手には手を出しません!」
『バカが!! 殺すぞ!!?』
 そう言って大太刀を向ける鬼の男『力』
 獲物から噴き出す焔のようなオーラは…………なんだか仔猫のことを避けてるよね??

『増える灰色の猫』の性質を利用して増やしまくり地下施設を仔猫でいっぱいにすれば、身動きの取れなくなった『力』の一時封印は完了。
 残る職員達を連れて、UDC支部から脱出と相成るだろう。

 また、仔猫が居ると巻き込まない為か『力』の攻撃方向が若干制限される。
 利用する手も考えられるだろう。

 なにはともあれ、UDC支部襲撃事件の最終決戦がいま始まる!!
※ちなみに邪神の名前は『力』と書いて『ちから』と読みます!
鳶沢・成美(サポート)
『え、これが魔導書? まあどうしよう?』
『まあどうでもいいや、オブリビオンなら倒すだけですよ』

故郷UDCアースの下町の古書店でたまたま見つけた魔導書を読んで覚醒した自称なんちゃって陰陽師

昨今でいう陽キャラ? みたいな行動は正直よくわからないのでマイペースに行動
でも集団での行動も嫌いじゃないですよ
元ボランティア同好会でつい気合い入れて掃除しちゃったりしなかったり
一応木工好きでゲートボール好きキャラのはず……たぶん

例え好みの容姿だろうと、事情があろうと敵ならスパッと倒すだけですよ

実はシルバーレイン世界の同位体である自分と融合していたことが判明
三角定規型詠唱定規の二刀流で戦う様に

アドリブ・絡み・可



「あんたが最強の邪神? じゃあしんで?」
 UDC支部地下施設で"カットスローターズ"が鍛え上げた鬼の武士『|力《ちから》』と対峙するは|鳶沢《とびさわ》・|成美《しげよし》(三角定規の除霊建築士・f03142)
 小細工無しで正面から倒すか、職員によって持ち込まれ周りを彷徨く下級UDC"増える灰色の猫"で場を満たし仮封印を完了させなければいけないとのことだ。

『どうした? 腕に覚えがあるってんなら掛かってこい! 捻り潰すがなぁ!?』
「いやー、そこまで熱くなられても」
 ゆるゆると体を動かし辺りを見渡す成美。
 ――散乱する瓦礫、殺風景なコンクリート剥き出しの壁、殺伐とした地下空間。
 ならば、いま自分に求められている役割は――。

「こうだ!」
 勇ましい掛け声と共に、駆け出す成美。
 そう、邪神から見て斜め前の向き、敵前逃亡の方角へ!
 呆れたのような声を背に、除霊建築士が発動するはユーベルコード、|日曜大工ノ術《サンデーカーペンター》。
 手の平から溢れ出るは木の板や、底の無い箱を模した素朴な木工品のイミテーション。
 それを破壊の限りを尽くされた建物の壁に、ジグザグに取り付けてゆく!

 ――にゃにゃにゃん!!?

 それにいち早く反応するは、力無きUDCである灰色の猫。
 壁に沿って走る成美の後を追うように付いて行くと、早速壁に取り付けられたステップやトンネルにジャンプ&クライム!
 ご機嫌に仲間を増やしながら、楽しそうに特製の"キャットウォーク"で遊び始めた!

『あぁ!?』
「我、大工也、我、御猫様専属、名工也!」
 飽きっぽいあの仔も活発なこの仔も、自由な遊び場があれば、まったりのびのび居着いてくれるだろう!
 そんな封印への選択をした成美を斬ろうと大太刀を掲げる邪神の目の前を、無邪気に仔猫が横切って行く。
 ……力は弱すぎる相手には手をあげない主義だ!!

 地下への出入り口をぐるりと囲うようにキャットウォークを取り付けた成美は、残るUDC職員達を逃す為に地上へと向かう。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミスティ・ストレルカ(サポート)
基本方針は専守防衛・他者フォローです
サポート故、連携重視のお任せ

知らない人にはどうにも気後れしてしまうけど
それでも他の人が怪我するのも嫌なので押すところは押すのですよ
主にサモン・シープ等攻撃系のUCで他者行動の隙を消す様に立ち回るのです
中遠距離をとり全体を掴む感じですね

防御系の技能で時間稼ぎも行けますので
生まれながらの光での前線維持、魔力性防御障壁の囮役も…ちょっと怖いけど
でもでも、みんなの居場所を守るのですよー

そうそう、えっちなのはいけないと思います。
興味がない…訳ではないですがひつじさんが怖い雰囲気纏って凄い勢いで止めにツッコんでくるのです
年齢制限がどうとか、らしいです



 カットスローターズの闇堕ちゲームの果てに、最強の邪神を作り上げられてしまったUDC支部地下施設。
 不安げに降り立つオラトリオの少女はミスティ・ストレルカ(白羽に願う・f10486)
 新手が来たと大太刀を構えて立つは鬼武士のような邪神『|力《ちから》』

 と、何故か設置されているキャットウォークでまったりくつろぐ何匹もの仔猫、下級UDC『増える灰色の猫』
 曰く、この猫達が邪神封印の要にして、増やせば力の攻撃範囲を狭める役割を持つとのことだ。
 無論、正面から邪神を倒すと言う手もある。
 ならばサポートを得意とするミスティが選択する技は……。

「おいで、ひつじさん」
 召喚するはユーベルコード、サモン・シープの白羊。
 ぬいぐるみのような見た目に雷撃と突進の力を秘めた、ちょっぴり刺激的なタイプだが――。

 ……みゃん!? にゃん!!

 今回ばかりは、そのちょいワルな力は秘めたまま!
 コロコロと転がりながら仔猫達の遊び相手を務めることとなった。
 遊びを通じて徐々に、そして順調に、仔猫の数を増やしてゆく白天使。

『おいテメェ、やる気あんの――』
『にー!』

 乗り出す力、咄嗟にオーラ防御を張るミスティの足元で、色違いの三毛猫が一声鳴く。
 途端、邪神を仄かな光が包み、殺し合いで負ったままの傷が癒てゆく。
 仔猫の技、高速治癒が発動したのだ。

『……フン!』
 明らかに好戦的な邪神だが、ともすれば邪魔である、極端に戦闘力の無い仔猫達を、殺す気は無いようだ。
 虐げられた者達の集合体である性質がそうさせるのか……それともタダのめちゃくちゃな猫好きか。

 ともあれ、長居は不要だろう。
 十分に仔猫を増やした所を見計らい、ミスティは集られ猫玉と化した白羊を盾に、地下施設を後にした。

成功 🔵​🔵​🔴​

フィーナ・シェフィールド(サポート)
純白の翼を持つ彼岸桜のオラトリオ、サクラミラージュの国民的スタア(歌手・演奏家・女優)です。
一人称:わたし、二人称:~さん、語尾:よ、わ、ね、なの?、かな?
相手の肉体を傷つけるような戦いはせず、魂や存在そのものに破魔の力を込めた歌唱、演奏で働きかけ、浄化するように戦います。
味方の支援が必要な時は治癒の効果を持つUCを使用します。
防御はドローンにオーラを纏わせた結界を張ります。
負傷は厭いませんが、他の猟兵の迷惑や公序良俗に反した行動はしません。
あとはお任せします♪



 最強の邪神を造らんとし、多くの命が奪われたUDC支部地下施設に降り立つはフィーナ・シェフィールド(天上の演奏家・f22932)
 惨劇の跡こびりつくホールに立つは喰らい合い、殺し合いの果てに唯一の邪神となった鬼の武士『|力《ちから》』
 そして何故だか、血塗れ空間などお構いなし、縦横無尽に走り回っては思い思いにくつろぐ何十匹もの無力なUDC『増える灰色の猫』の姿があった。

 施設に残るUDC職員達を安全に脱出させる為には、"邪神"を倒すか、邪神が手を出せず封印の要となる"仔猫"の好奇心を刺激し増やさねばならないと聞く。
 ならば、フィーナが取る手段は当然――。

「ねこちゃんたちを、わたしのファンにしちゃえばいいってことよね!」
 軽やかな宣言と共に伸ばした手に降りて来るは、菖蒲の花を思わせる色合いのマイク"イーリス"。
 靴音を鳴らし、展開するはユーベルコード、|悠久に響く幻想曲《ファンタジア・エバーラスティング》。
 召喚された小人が持つ楽器が奏でるは、柔らかく高い調べをメインにしたカノン。
 トライアングルや笛で虫や小鳥の声を模して――猫ちゃんが食いつく、特別編曲でお送りします!

『にゃにゃにゃ〜ん!!』
『オマエもネコにいくのか!!!!』
 ノリノリの仔猫の向こうで、何故だかガックリと膝を落とす邪神。
 先の戦いを見ていないフィーナには想像しか出来ないが……何故か壁一面に取り付けられたキャットウォーク、何だか仔猫が夢中になって遊んでいる羊毛玉の欠片を見るに……皆様、御猫様の為に尽力する選択肢を選んだのだろう。

 ポコポコと色違い三毛猫からの体当たり治癒を受けるちょっと気の毒な邪神を横目に、仔猫ファンを物理的に増やしたフィーナは惜しまれつつもステージを後にする。

成功 🔵​🔵​🔴​


※トミーウォーカーからのお知らせ
 ここからはトミーウォーカーの「猫目みなも」が代筆します。完成までハイペースで執筆しますので、どうぞご参加をお願いします!
ベルト・ラムバルド(サポート)
ハイカラさんのクロムキャバリア ×今は 宇宙騎士!

普段の口調は私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?

騎士道精神を胸にキャバリア《パロメデス》に乗って戦うぞ
弱きを助け強きを挫く誇り高き光明の暗黒騎士だ!
でも実はお調子者でおっちょこちょいな奴だ!いわゆる残念なイケメンだ!
生身でも戦えるけどあんまし強くないかも…?でもタフな奴!

基本はキャバリアの乗って戦うぞ!
キャバリアに乗れない時は…なんとか生身で頑張って戦うぞ!
時々コミュ力で知り合った異世界の人やモノ?を召喚したりするんだ!

仲の良い想い人がいるけどぞんざいな扱い方をされてるけどめげないぞ!頑張れ!



 破壊の爪痕深いUDC支部に、闇色のキャバリアが一騎。そのコックピットに座す金髪の美丈夫――ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)は、眼前の惨状にまず顔をしかめた。物語の騎士に憧れ騎士道を重んじる彼にとって、暴力によって全てを蹂躙する邪神は紛れもなく敵だ。威風堂々正面を見据え、そうしてベルトは騎士らしく朗々と名乗りを上げる。
「私はベルト・ラムバルド! 光明の暗黒騎士だ! そしてこれが――」
 侍じみた姿の邪神も、鋼を纏う騎士が何か秘技なり宝剣なり、とにかく己と斬り合うに足る攻撃を繰り出してくると踏んで腰を落とし、眼光を一層鋭くする。そうしてベルトの駆るキャバリアが、光の尾を引く『それ』を抜いた。
「――猫ちゃん大喜び! BXビームねこじゃらしだ、喰らえー!」
 振り抜かれたのは、鋼鉄の騎士御用達のビームセイバー……の出力にひと工夫加えて実現した、巨大な光のねこじゃらし! これには仔猫達も大興奮! 縦横無尽に振り回されるビームに飛びつく端からUDCの猫は増殖し、邪神の周囲を確実に取り巻いていく――!

成功 🔵​🔵​🔴​

臥待・夏報
なるほど
互いの性質を活かして、UDCでUDCを封印してたのか
まさに『力』を持たない人類の涙ぐましい努力だね
UDCをその身に宿す|僕達《エージェント》は、その努力の最たるものと言えなくもない……

とかなんとか
格好つけた表現をしてみたはいいけど
さっきの作戦で夏報さん満身創痍なんだよな……
格好良くは戦えないから
ちょっと汚い手を使おうか

(すぅー)
やぁーいやーい!
猫ちゃん可愛さのあまり本気が出せないとか、邪神のくせに随分とナイーブなうらなりモヤシ野郎だなー!
ここから逃げたら愛護団体に再就職するのかーい?
ひゃー!
傑作ー!

……と、挑発するだけ挑発してからUCを使用
目立たないよう闇に紛れる(猫に紛れる?)
攻撃力や連発力や機動力をいくら上げたとしても
本気で「隠れた」夏報さんのこと、君じゃあ見つけられっこないよ

そういうかんじで、力くんには無駄に夏報さんを探し回って消耗してもらう作戦だ
施設が猫に埋め尽くされるまで時間稼ぎができればおっけー
卑怯?
姑息?
いやいや、これこそが……素晴らしきうちの職場のいつもの仕事だよ



「なるほど、互いの性質を活かして、UDCでUDCを封印してたのか」
 これまでUDC支部がかの邪神を封印していたからくりを知り、臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)は得心が行ったという風に顎を擦った。言うなればそれは力なき人類による涙ぐましい努力の結晶であり――夏報のようなUDCエージェントもまた、その努力の果てに生まれた存在と言えよう。
 邪神との距離はまだ幾らか保たれている。と言うより、散々増えた猫の群れによって邪神がこちらに踏み込んでこれずにいると言った方がより正しい。一応は格好をつけて夏報が敵の目の前に立っていられるのも、猫達のおかげだろう。
(「何しろ夏報さん、さっきの作戦で満身創痍なんだよな……と、いう訳で」)
 あれほどまでに強大な邪神と正面切って格好よく戦うというビジョンには、正直言って無理がある。だが、先述の通り夏報はUDC組織にそこそこ長く務めてきたエージェント――であればこそ、彼女は『力なき人類による、涙ぐましい努力』の使い方を当然よく知っている。ちょっと汚い手を使おうか、と口の片端を小さく上げて、そうして夏報は深く息を吸い込み――叫んだ。
「――やぁーいやーい! 猫ちゃん可愛さのあまり本気が出せないとか、邪神のくせに随分とナイーブなうらなりモヤシ野郎だなー!」
『……何?』
 邪神の眉が明らかに動く。かかった、と敢えて嘲りの表情を更に強めて、夏報は腕を大きく広げながら嗤ってみせる。
「ここから逃げたら愛護団体に再就職するのかーい? ひゃー! 傑作ー!」
『貴様、黙って聞いていれば!』
「あっはははは! 図星? 図星突かれて逆ギレパンチかなー? 夏報さん逃げも隠れもするからね! ――見つかりっこ、ないよ」
 最後にそう低く呟かれた言葉と共に、夏報の姿は灰色の大波に紛れて消えた。無節操に増えた猫を傷つけられないが故に、邪神はこれを掻き分け、或いはじゃれつかれるのを丁寧に剥がしながら夏報を探し回るしかないのだが、本気で『隠れた』彼女の姿はその猫波のどこに見つけられることもなく、邪神はただ徒に増え行く猫の海を泳ぎ回るばかり。
 ――そうしていつしか施設全体が猫で埋め尽くされ、現地の職員達によって厳重に再封印が成されるのを少し離れて見守りながら、誰にともなく夏報は微かに笑う。
 卑怯と、姑息と、或いはひとは言うかもしれない。だが――これこそが、素晴らしき彼女の職場の『いつもの仕事』だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年09月13日


挿絵イラスト