モフィンクスの冒険~トロピカル・デコデコモフサマー!
幻武・極
【モフィンクスの冒険】
第7話 モフィンクスサマー・in2020?
アルダワののんびりモフモフゆるキャラ災魔のモフィンクスの1匹がちょこっとやる気を出し……夢の世界へと足を踏み入れてしまいました。
そして、夢の世界の散歩はまだまだ続きます。
モフィンクスが飛び込んだ次の夢は、
照り付ける太陽、どこまでも続く白い砂浜。
……が続くグリードオーシャンの一つの島でした。
どうやら、コンキスタドールが治める島で宴という名のオブリビオンたちの夏休みが開催されているようです。
このオブリビオンもう死んでいるんですけどや、まだ骸の海から滲み出ていないとか……そういった声が聞こえても夢の中だから仕方ありません。
モフィンクスはグリードオーシャンのオブリビオンとの交流を深め、
モフィンクスの冒険は続く。
登場するグリードオーシャンのオブリビオンは幻武・極のグリードオーシャンの宿敵やあなたのグリードオーシャンの宿敵、またはグリードオーシャンの公式敵から選んで登場させてください。
今回は執筆していたら長くなってしまったMS様の為に3000文字まで用意してありますが、区切りのいいところで区切っていただいて構いません。
オムニバス形式で続けていくノベル企画になりますので、納品後にタグで#モフィンクスの冒険 と付けてください。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
今日もモフ~ンと、本人たちには一切悪気はないのだけれど。
いつものように、迷宮内の居心地の良い場所に集団で居座っては。
「モフ~zzz」
「モッフ~zzz」
無自覚にアルダワ魔法学園の迷宮を塞いでいる、お昼寝中のモフィンクスの群れ。
もう一度言っておけば、そんなのんびりモフモフゆるキャラ災魔たちに悪気は皆無。
温厚な性格で自ら人を襲い掛かることはないが。
でもやっぱり、今日もモフ~ンと道を塞いだりと、とにかく邪魔です。
それにみんなでモフ~ンと、すややかにお昼寝中だから……当分道は通れなさそう。
けれど――そんなモフィンクスだまりが、ふいにもぞもぞと動いて。
「モフ~ン」
すぽっと、もふもふの中から顔を出したのは、1匹のモフィンクス。
それから、モフッと、ちょこっとやる気を出したようにひと鳴きすれば。
とことこもふもふ、集団から離れて、ゆるっと迷宮内をお散歩するべく歩き出す。
もしも途中で学生に会えば、迷宮の守護者として、モフッモフッと謎かけをしてもよかったのだけれど。
「これがわたしの料理テクよ~♡」
アルダワ迷宮の奥からそう別の災魔の声を聞けば、モフ~と一瞬だけ視線を向けるも。
もふもふゆるり、再びお散歩していれば――。
「……モフ?」
ふいに、こてりと首を傾けるモフィンクス。
だって――いつの間にか知らぬ間に、足を踏み入れてしまったのだから。
モフィンクスが飛び込んだのはそう……照り付ける太陽、どこまでも続く白い砂浜。
そして沢山のトロピカルフルーツがデコデコに生っているような。
そんな風景が続く、夢の世界のグリードオーシャンの一つの島であったから。
けれど、せっかくちょこっとやる気を出したのだからと。
そう思ったかは、相変わらずのゆるゆるさで、定かではないのだけれど。
モフィンクスは相変わらずのんきに、モフッモフッとお散歩を続ける。
むしろちょっぴり、モフ~とわくわく。
アルダワ迷宮とは全く違う、海の光景が珍しくて。
そんなゴキゲンな様子で、グリードオーシャンの島をゆるっとお散歩をしていたモフィンクスだけれど。
「……モッフ~ン……」
もふもふボディーには、ちょっぴり日差しが暑くなっちゃって。
モフモフッと、てくてく大きな木の陰まで移動すれば、ちょこりひとやすみ。
そして夢の中なのだけど、うとうととしかけていたら。
「……モフ~ン?」
何だか賑やかな声が聞こえて、とろんとした目を何となく向けてみる。
どうやら、コンキスタドールが治めるこの島で開催されているのは、宴という名のオブリビオンたちの夏休みのようである。
オブリビオンだからもう死んでいるのではとか、まだ骸の海から滲み出ていないとか……そういった細かいことは夢の中だから、まぁともかく。
賑やかなそんな宴で、飲み物を配らんと。
「アタシのソーダ水はね~マジでスカッとする、深ぁい海から湧き出るソーダ水よ~」
「おおっ、それは海にぴったり……」
「じゃあいくわよ~、ソーダスイ・ストーム!」
「って、ぶはぁっ! 超絶強炭酸すぎィ!!」
刹那――ぶしゅうっ!! と。
ソーダ水の渦をよかれと勢いよくぶちまけたのは、なんだかデコデコな人魚……??
ソーダ水の直撃を受けたオブリビオンは哀れ、砂浜に沈んでいるけれど。
何だか涼しそうだと思ったから――落ちていたワカメを日除けかわりにと、ちょこんと頭に乗せてから。
「モフッモフッ」
そんなデコデコ人魚の元へと行ってみるモフィンクス。
それから、モフ~ンとご挨拶すれば。
「あら、また飲み物がいるのかしら~、って!? ふぎゃあ!! 化け物!?」
自分もオブリビオンではあるのだけれど。
ワカメ頭のもふもふが急に現れて、びっくりする謎の人魚。
そんな彼女に、モフモフモフ~ン、と慌てて自己紹介すれば。
「マジでびっくりしたわ~。アタシは『プリティデコ盛り人魚』人魚ポンチちゃんよ~」
「モフ、モフ~」
「にしても~ワカメでコーデなんて、いいじゃな~い。アタシたち、気が合いそ~ね!」
すっかり意気投合、人魚ポンチちゃんとすぐに仲良しに。
それから、たくさんのフルーツとか強すぎないソーダをわけてもらえば、水分補給も腹拵えも、ばっちり。
「この島、はじめてきたんでしょ~? なら、アタシが案内してあ・げ・る!」
「モフッ、モフン」
人魚ポンチちゃんといざ、この島のお散歩です!
「見て見てぇ~ギガ盛りかわいいでしょ~!」
「モフ、モフ~ン」
「あら、イケてるだなんて、うれし~! アタシね、デコ盛りを極めるべくメガリスを集めてるのよ~」
お散歩の最中も、生えているフルーツでデコデコ盛り盛り!
おしゃれに余念がない人魚ポンチちゃんに、ひんやりワカメ頭でモフッモフッと頷くモフィンクス。
でも――ふと、その時。
「もっとデコデコになるわよ~! って、あ……」
今までテンションアゲアゲであった人魚ポンチちゃんの表情が、ふとかわって。
彼女の視線を追えば、そこには、ピチピチしているエビたちが。
どうやら、エビちゃん姉妹のようであるが。
「アタシね……実は別の世界から落ちてきて~その時に、姉と生き別れになったの~。この島の生活は楽しいけど~ふと姉のことを思い出しちゃうときもあるの~」
そうちょっぴりしんみりしている人魚ポンチちゃん。
そんな彼女に、モフッ、と。
「……え? 姉もこの島にいるかもだから、探してみよう~ですって?」
そんな提案をしてみるモフィンクス。
そして、それもいいかも~! と。
頷いた人魚ポンチちゃんの姉を、一緒に探してみることに!
それから、モフッ!? っと誰かが掘った落とし穴に落ちたりとか。
暑さにちょっぴりバテて、ワカメを追加したりとか。
毛並みはぺしょりとなったけれど、華麗にモフ掻きして海を泳いだりとか。
ココナッツジュースを人魚ポンチちゃんと飲んだりしつつ、島中を巡ったけれど。
「……いなかったわね~」
「モフゥ……」
人魚ポンチちゃんの姉は、結局見つからなかったけれど。
「あっ、見て~! 夕焼けの海がキレイ~!」
「! モッフ~」
眼前には、夕焼け色に染まる美しい空と海。
そんな真っ赤な世界の中、人魚ポンチちゃんはこう口にするのだった。
「きっと姉はアルダワで、至高の料理を極めんとがんばってるはずだから~。アタシも、デコ盛りを極めるわ~!」
――アルダワで料理?
その言葉を聞いて……モフ? っと。
モフィンクスがふと首を傾けた、瞬間だった。
「姉は見つからなかったけど~今日はすっごく楽しかったぁ~」
……だからこのかわいいデコ、あげるわ~! と。
お揃いのイチゴのリボンを、頭にデコってくれたのが――最後だった。
「――……モフン?」
ぱちりと目覚めたそこは、元居たアルダワの迷宮で。
どうやら夢の世界のお散歩から、帰ってきたようだ。
そして夢の内容は、朧気にしか覚えてないけれど。
でも、モフッと――とっても楽しかった気がする、とそう思いながら。
ゆるーり仲間たちのところへと戻ることにするモフィンクス。
イチゴのリボンデコと、ちょこっと残ったワカメを、モフッと頭につけたまま。
人魚ポンチちゃんの姉は一体、どこにいるのか。
そして、次はどこの世界にいくのか――モフィンクスの冒険は、まだまだきっと、ゆるっとのんびり続きそう。
成功
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