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奇怪絡繰見参!

#昭和レトロスチィムパンク怪奇PBW『ヤケアト』

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#昭和レトロスチィムパンク怪奇PBW『ヤケアト』


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「それでェ、それでよォ、アレがそうなんでェ」
「主語と本題をきちんと言え」
 区切・終(飢餓文学・f42796)は身振り手振りをするライデンの頭をポコンと本で叩く。あいたっ! という声は無視して、淡々と白い腕章を装着した。
「まぁ、つまるところ、奇怪絡繰が暴走したと」
「そういうこった! 話が早いね旦那ァ!」
 なんでそのふんわり加減で技術者をやっているんだ、お前は――そう言いたいのを飲み込んで、終は現場へ向かう準備を開始する。この感じだと暴走の連鎖は増えていくだろうと――そう思われるために、人員を集めなければ。
「それで? トラブルを起こしている奇怪絡繰の種類は」
「ん、主に採掘用だねェ、人に向けると勿論……」
 想像したくないな、と終はぼやきながら、ひとまず承ったと承知。
「ところで――」
 当然、ぶっ壊していいよな? という終の無慈悲な一言に、ものの見事、涙目になるライデンの姿があった。

 ●
「そういうわけで今回解決して欲しいのは奇怪絡繰の暴走を止めることだ。採掘用機械が暴走してあちらこちらを当てずっぽうに採掘している。どういう理屈か知らんが、奇怪党も手を焼いているらしい」
 搭乗するタイプなのだが、どうしてか運転手を振り切って暴走しているようで、文字通り手のつけようがないらしい。
「――そんなわけだから、奇怪絡繰は全部破棄の方面だ。原因調査しようにも今回の場合は、危なすぎてスクラップにするしかないと思うが……もし機能停止にできるフクロウがいれば、調査の機会を儲けようと思う。」
 そのまたの機会が、来ないのが一番なのだが――終は眉間を揉んだ。


tk
 tkです! ヤケアトのシナリオとなります。
 今回は奇怪党の地下開発奇怪絡繰である「採掘君」の破壊となります。
 数体おり、アナグラを虫食いみたいにしかねないので、可哀想ですが破壊してしまいましょう!
 破壊せず機能停止にする場合は、原因を調査するシナリオがおまけで発生する可能性があります。
 皆様の自由なプレイングをお待ちしております!
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第1章 日常 『プレイング』

POW   :    肉体や気合で挑戦できる行動

SPD   :    速さや技量で挑戦できる行動

WIZ   :    魔力や賢さで挑戦できる行動

イラスト:ヒトリデデキルモン

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

鳶沢・ギンコ
※アドリブ歓迎

【作戦】
暴走している絡繰りをしばらく観察して可動域を把握、
なるべく死角から忍び寄って操縦席のある場所へ飛びつく。
そこでUC【天切りの技法】を使用、扉をこじ開けて中へ入り込み
操縦席のスイッチを切るか配線を切って絡繰りを停止させる。
(使用技能「盗み、情報収集、目立たない、咄嗟の一撃」)

【セリフ】
(ライデンに)
なあ、アンタあの機械に詳しいんやろ、
動かすヤツが乗る場所に潜り込めば、止められる方法ってあるんか?

(区切に)
よーし、アレを傷つけずに止められたら追加の報酬いただくで!
なるべく無理はせん方針やけど、ココは稼ぎ時や!



「おうおう、こりゃァまた大暴れしてんねェ!」
 暴走する奇怪絡繰を見て、物陰に潜むはアナグラ生まれのコウモリにして、期待のフクロウである鳶沢・ギンコ(アナグラネズミ・f43549)。
 操縦席からはすでに人が脱出済みであり、自動で暴発している状態だ。
「さて、どうするか……」
 力では無論叶わない、真正面で相対すればミンチとなるのがせいぜいであろう。自明の理である、とすれば扱うはおのれの『技』だ。
 奇怪絡繰はどうやら近づく動的物体を感知しては破壊するらしい、よって奇怪絡繰同士で破壊しあっている様子も見受けられる。
 ――でも、精度はそう高くないようやな……。
 気配を殺してゆっくりと近寄れば奇怪絡繰は気づかないらしい、『天切りの技法』、自身の七つの道具を小器用に用いる、ガキゴキと引っかかる箇所があり、操縦席を開ける。
「……当たり!」
 中に滑り込み、入る。ごちゃごちゃとしているものの、緊急停止ボタンがある、が、効果があればとっくに止まっているであろう――急ぎ配線を確認する。一番太い配線を切れとライデンから事前に聞きこんでいたために、エイヤとペンチでそれを切る。ガコガコと動いていた奇怪絡繰が、そうしてひとつ、停止した。

 ●
「無事かい!」
「おう! ライデン! なんとか!」
 転がり出るように抜け出し、心配して近寄るライデンには問題ないと指し示す。
「この調子でいくつかこれで止められそうや、ありがとな!」
「怪我がないなら良かったが……いンや~手際が鮮やかで」
 自分達の持ち前の奇怪絡繰が破壊されずに済んでいることに感激しきりのライデン、これは区切の旦那もぎゃふんと言うだろう。ふふんどうだい、と胸を張る。
「よし! ここは稼ぎ時や! どんどんいくでー!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷹奈部・庸一
tkマスターにおまかせします。かっこいい鷹奈部・庸一をお願いします!

 庶民のヤクザウォリアー×戦場傭兵、25歳の男です。
 普段の口調は「男性的(俺、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」、演技時は「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 さてどうするべきか、ひとりの力ではすべて止めるのに限界のある奇怪絡繰の数々をみやる。
 物陰に隠れていてほぼ気配は無いも同然、ライデンから泣きつかれていて、すでにどうするべきかは考えている。破壊か、残したままか、であれば後者の方が無駄にはなるまい。手には銃を、多少の攻撃では壊れないとのことだ、いざというときのために。
 先に稼働を止めているギンコほど鮮やかにいくわけにはいかなかろうが、元兵卒だ――鷹奈部・庸一(空に散るはずだった命・f43545)はするりと身を翻すとギンコに並んで稼働停止のために動く。操縦席を銃で射撃、こじ開けて転がり込むように入る。一番太い配線だったか、そのままそれも銃で破壊した。しかし、いかんせん奇怪絡繰の数が多い。
 ――いくつかは、破壊もやむなしか……。
 しかし、何故このように暴走しているのだろう?

 ●
「それが、まーったくわかんねえ!」
 ある程度を停止させて退却し、ライデンに問うてみればむしゃくしゃとした様子である。
「おそらく暴走させてる何某かがいるのは確かなんだがよォ~……犯人探ししようにも、まず現場が今みてェに混乱するからよォ」
「成程……」
 場が混乱すれば確かに原因の特定は難しい。いくら奇怪絡繰に慣れていようと、凶器としてこちらに向くことは無論想定していないはずである。
「こちらができる限りのことは尽くそう」
「よろしく頼むぜェ……ライデン様もこれにはしおしおだぁ……」
 言葉通りしおれた様子のライデン、人を傷つけるための機械じゃァねェんだ、そんな言葉も漏らしていて。
「……、善処しよう」
 その言葉に、想うところも、無論ある。
 ――桜に散った、戦友がちらついた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷹奈部・庸一
アドリブ歓迎

どうやら、前のフクロウが挑んだ方法には隠れて動線を切るという方法をとっていたようだ。

かくれんぼを使って隠れつつ、一体の動線をドスで切りに行く。なるべく傷つけずにこの機械を止めておきたい。
犯人探しは今は出来ないのだから、一体でも多く止めるべきだ。

……人を傷つけるための機械では無い、か。俺の知ってる機械は、どれも人を殺す為の物だったな……

少ない損傷で済んだなら、特定の材料探しの一つにはなるだろうか?
調査の方をよろしく頼みたい。

後は……戦前の知識でこれに対応するようなことがあったか、思い出してみるか。桜花の整備で使っていた時の記憶で、何かアイディアが出るかどうか……



 前のフクロウ達が挑んだ導線を切るという手段は、地道ながらも奇怪絡繰を破壊せず、停止させることに成功している。
 ――この手を使わない理由はないか。
 鷹奈部・庸一(空に散るはずだった命・f43545)は様子を見ながら得物であるドスを構えた。なるべくこの機械は傷つけずに止めておきたい――犯人探しが今できないのならば、一体でも多く止めるべきだ。破壊はしても良いとの指令ではあるが、原因探しができるに越したことはない。
「……人を傷つけるための機械では無い、か。――俺の知ってる機械は、どれも人を殺す為の物だったな……」
 つぶやきは静かに、しかし実感と切実さはこもっていて。
 ……ここの機械は、なんだかおかしいけれども、なんだかあたたかい。物騒だし、ウロという危険なものに対抗するように出来てはいるが、確かに人間を害する目的では作られていない――そういうものだというのは、狼狽し、わたついている奇怪党の面々を見れば充分だった。なればこそ、その期待と、彼らの今までの努力に報いなければならぬ。忍び足で近寄り、その動きを止めるために出た。

 ●
 言われた通りの箇所を傷つければ動作停止する、無理やりに動くものではなさそうだ。存外綿密に作られている奇怪絡繰を見て、作る者達の手際の良さを知る。工場などの広い製作所なんか、この地下ではなかなか作れないだろうに、この精度は良くできているものだ。動作停止で済んでいる奇怪絡繰は多く、調査を頼むことも難しくはないだろう。
「さて――」
 かつて兵器を整備していた知識で何かヒントが得られないか思考する、原因がわからない、と言ってはいたが。動作停止している奇怪絡繰をすべてみてみれば、なんらかの無線設備を搭載していた。
「……まさか」
 無線設備で、ここまで機械の動作を狂わせることができるのか……? 否、ここまで独自発展した機械類ならばどういう挙動をしていてもおかしくはない、これは奇怪党に心当たりがあるかどうか聞くべきであろう。ライデンに一報を入れることを決めて、鷹奈部は再び奇怪絡繰を止めるために動き出した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

蔵務・夏蓮
採掘君ね
開発区を案内していただいたときに見た採掘用の子と同じタイプの子かしら、別の子かしら

どうやら中の一番太い配線を切ればいいという話
私は他の方々みたいにスマートに動けないけど、代わりに使えるものがある
採掘君に近づいて、動きを止めてくれるように声をかける
いい子。大丈夫よ。ひどいことはしないから
止まってくれる時間は短いだろうから、そのうちに乗り込み配線を切断
できる限り素早く、可能な限り損傷を少なく

正直あまりいい気分ではない
この子たちの暴走について色々思うところはあるけれど、今考えても仕方ない
奇怪絡繰に明るくない私ができるのは、より詳しい調査ができるようにすること
まだ他にもいるようなら止めにいくわ



「暴れているのは採掘君ね……」
 以前開発区を案内してもらった際に見たものと同タイプのようだ、別のタイプもちらほらといるが。
 フクロウのおかげで鎮圧は進んでいるとはいえ、あと一手と言ったところだ。
 ――さて、どうやら、中の一番太い配線を切ればいいという話だ。行動するは蔵務・夏蓮(眩む鳥・f43565)。
 他の方々みたいにスマートな動きはできないけれども……代わりに使えるものはある。
 自分の声、だ。
「……いい子。大丈夫よ。ひどいことはしないから」
 機体を撫でながらそう言うと、ピタリと言うことを聞くようにその動作は一時的に停止する。
 ――止まってくれる時間は短いだろうから、その間に乗り込まないと……!
 素早く、そして極力傷つけぬよう、ことを運ぶ。

 ●
「正直、あまりいい気分じゃないわ」
「……おう、フクロウにもそう言ってくれるとありがてぇもんだ」
 フクロウの活躍によって止まった奇怪絡繰達は、今再度の暴走がないかどうかを点検している最中だ。
「改めてフクロウの皆には礼を言う! これなら原因調査も進みそうだ!」
 ばっ! と頭を下げるライデンに、慌てて蔵務はフクロウとして当然のことをやったまでだから、と言うものの、次々と感謝と共に頭を下げる奇怪党の面々、やはり仁義でできているような集団であるからして、迫力はかなりあり。
「……お、驚いちゃうから……! 大丈夫だから……!」
「そ、そうかい? 悪ィな、ウチはライデン様含めて大げさなんだ」
 へへっと笑い、それから眼差しは真剣なものに変わって。
「よっし、せっかくフクロウが綺麗に止めてくれたんだ! 原因調査の方、進めていくぞ!」
 ライデンが飛ばす檄に、その場の奇怪党の全員が応、と応えた。
 さて、これがどう動くか――。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月30日


挿絵イラスト