ふたりの悪いやつら
「ヘヘッ、兄さん、ここらでひと暴れしてやりましょうぜ」
「だなァ、ここらの人間、金払いが悪いんだ、一泡吹かせてやらねぇと」
しめしめと笑う二人組は、貸し出されたウロを呼ぶために使用する杖を手に笑っている。
ここは俺達のものだ、ここを使うからには文字通り、タダじゃあおかねえ。
そうしてウロを呼び出して、混乱と悲鳴が響き渡る中、二人の高笑いもまた、響き渡るのである――。
●
「やってることがムチャクチャだよー!」
ぴえーん、と効果音がつきそうなほど抗議を示しているのは区切・始(緩々悠々・f42846)だ。
「そもそもアナグラに土地の権利とかはないんだよねえ!?」
「ああ、そうだとも。強いていうのであれば国の土地だから、個人が幅を効かせるのはおかしい」
始の言葉に、対策部部長たる匙・当適は腕を組んで考え込む。
「しかしここまでひどくショバ代取りが横行しているとはなぁ……」
被害者の訴えや被害の写真を見ると、匙は少し不機嫌そうな顔になる。
「できる限り人員は手配するけど、ウロ相手だとやっぱり異能使える子じゃないと」
危ないだろうね――とつぶやく匙に、始は同意見、と頷く。
「なるべく人は集めるから、頑張るよ~。匙さんも無理しないでくださいね」
「おうとも」
ぱたぱたと走り去る始に、匙は山積みのトラブルと向かい合うために書類へと手を伸ばした。
●
「ヒャッハァ! やっぱり俺達強大は無敵よォ!」
「ふはは、壊せ壊せー!」
アナグラ内の個人商店を破壊していく無法者、大型の蛇型のウロがその場を練り歩く。
しかしその天下はすぐに失墜させよう――!
tk
tkです! ヤケアトのシナリオとなります。
今回は大型の蛇型のウロを退治し、無法者を逮捕するシナリオとなります。
大暴れしていってくださいませ!
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:ヒトリデデキルモン
👑11
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
桜本・宏文
全く、この調子じゃあうちの店にもやって来そうだな。迷惑な奴らだ。
ただ、蛇のウロか。食材としては充分だ、客に飯が出せる。
肉切り包丁を投げてウロを牽制。
異能で炎を放ち蛇の丸焼きを作ろうとする。
※アレンジ歓迎 細かくはお任せします
「ハハァー! 金の無ェ奴ァ退きなァ!」
アナグラの中を我が物顔で蹂躙するふたりの男。完全に調子づいているその様子を見て、桜本・宏文(ウロ焼き料理屋・f43540)はやれやれとため息をつく。蛇型の大型のウロも男達二人に煽られて実に楽しそうに場を蹂躙している。状況としては、幸い重傷者は出ていないものの、このまま放っておけば時間の問題であろう。倒壊した露店などを見ては無法っぷりに呆れすら出る。
「この調子だとうちの店にもやって来そうだな……」
迷惑な奴らだ、ここのところウロ組合はこのようにして横暴を働きに働かせている、とうてい看過できるものではない。対策部もようやく人手が集まり始動らしい始動となったのだ、この『美味い話』に乗らない理由もなく、桜本は肉切り包丁を手にする。そしてそれを流れるように投擲した。
「――せいッ!」
肉切り包丁を男ふたりの目の前をかすめて蛇の方へと向かった、男ふたりは青ざめた顔でよぎった凶器のゆく末を見れば、蛇が肉切り包丁で首元をアナグラの壁面へと縫い留められている光景であった。
「ひ、ひぃ!?」
「はいはい、それじゃあ、『ウロ焼きの炎』」
そのまま炎を放ち、発火した蛇に対して男ふたりはパニックになりながら再び蛇型のウロを召喚するも、動揺は召喚それるウロからも見てとれる。追加のフクロウが来ればより退治は捗ることであろう――サテ、今はそんなことよりも。
「こいつはどんな味がするかな」
ぺろりと舌なめずり、今宵の酒のお供くらいにはなってくれるだろうか?
大成功
🔵🔵🔵
飛鳥井・藤彦
なんやえらい景気のええ方々ですこと。
僕この辺りの人や風景を描いてる途中やったのに、こないなことされたら往生してまうわ。
さくっと解決させて貰いましょ。
新しい世界でも絵師【藤春】、この筆で一花咲かせていただきます。
見切りで蛇型ウロの攻撃や動きを見極めて回避しながら間合いに飛び込み、大筆を一閃。
青藤色の塗料を叩きつける(グラフティスプラッシュ)。
「えらい男前になったとちゃいますか?」
煽り言葉も、周囲に撒いた塗料も策……僕の作品の内。
「ほな、きっついのいきますね。歯ァ食いしばって下さい」
地の利(塗料による自己バフ)を活かし多重詠唱からの全力魔法をお見舞い。
あ、蛇の牙って食い縛り出来ひんか。まぁええわ。
「なんや、えらい景気のええ方々ですこと」
周囲の情景を先ほどまで描いていた飛鳥井・藤彦(春を描く・f14531)は、こないなことされたら往生してまうわ、とため息交じり。さくっと解決させてもらいましょ。絵筆を大筆へと持ち替えた。
「――新しい世界でも絵師『藤春』、この筆で一花咲かせていただきます」
炎上している蛇型のウロに混乱し、さらに数を呼び出そうとするならず者達を見据える。蛇の数は増えていく、あの男二人を捕縛せねばならぬ。ここはアンダアグラウンドながらも法治国家の地下――ただ倒すのではなく『逮捕』しろとのお達し――官憲サマも苦労しますなぁ、と率直な感想。
殺意を察したのか、蛇がこちらへ首を向けた。体当たりというシンプルながらも巨躯を駆使した攻撃は周囲の被害にもなるし、破壊力も高い。大味に見えて正確な攻撃を見切り、間合いへ飛び込む。手にするは大筆、蛇と目が合う。不気味な地下存在の眼が見ている、けれども怖気づく理由にはならなかった。
一閃、青藤色の塗料が宙に舞い、そして黒いその蛇の体を鮮やかにする。周辺も彩られ、塗料に男ふたりもまみれて、混乱の極地にいた。
「な、なんでいこいつは!?」
「ペンキ!? いや絵の具か!? 目くらまし……!?」
「はは、えらい男前になったとちゃいますか?」
そんなことを口にしながらも。
これは目くらましではなく――飛鳥井の作品の内。
彩られたアナグラの景色は、気づけば大海のような色を見せていた。逃げ惑っていた人々も、思わずその彩りに目を向ける。
「――ほな、きっついのいきますね。歯ァ食いしばって下さい」
大筆を握りしめる、多重詠唱、それから全力の魔法――加えられた衝撃に、倒れる蛇!
「ま、まだまだァ!」
尚も戦意は削げない相手、景気の良いことで――しかし相手もそろそろ虚勢であろう。
痛い目見る前に降参したらどないですか、と口の中でこぼした。
大成功
🔵🔵🔵
坂木・ひゆ
どこにでも悪い人っていうのはいるんですねぇ
あの蛇さんを退治しないと逮捕までは行けなさそうです
じゃあ思いっきり暴れちゃいましょー
煌めく王笏を掲げメノちゃんを呼び出します
メノちゃんはウネウネした存在です(立ち絵の怪物)
こう、がおーってさせればウロより大きい蛇さんっぽく見えないでしょうか!
これでウロがびっくりしてくれればいいんですが……
そうでなくても囮としてはインパクトありますよね
その隙に私が接近し怪力で捕まえちゃいますよぉ
UC発動、攻撃回数重視でいきます
可哀想ですけど思いっきり振り回したり投げ飛ばしたりしてやっつけっちゃいましょう!
さてそこのお二人さん
同じ目に遭いたくなければ大人しくして下さいねぇ
「どこにでも悪い人ってのはいるんですねぇ」
慌てだす無法者達を眺め、そうつぶやくは坂木・ひゆ(瑪瑙の戴冠者・f43480)。おのれの出身とは少し異なる歴史を歩んでいるこのニホン、しかし悪さをする人間は言葉通りどこでもいるようで。致し方ありませんねぇ、お仕事です。まずはあの蛇さんを退治しないと逮捕はできなさそうですねぇ。
「さぁて、出番ですよぉ、メノちゃーん」
『煌めく王笏』を手に召喚するはおのれが使役するナニカ、メノちゃんはメノちゃん、ともあれあの蛇よりは大きいだろう。威嚇するように吠えるメノちゃんに、男ふたりは新手のウロ使いか!? と驚愕して尻もちをつく。蛇もまた驚いたのか、メノちゃんに向けて威嚇をやり返すようにして接近する。
「おわっ、ぎゃ! おい、待て……!」
嫌な予感がしたのか、動く蛇を男が制しようとするものの、すでに指示を聞く様子はなく、メノちゃんの方へ向かっていく。
――好機ですねぇ……。
坂木は身を低くすると、そのまま駆け出す。
女ひとりが来て何になる、男ふたりに油断はあった。
瞬間、激しい殴打の音。
何事かと見れば、その怪力で蛇の尾に殴りかかり、あろうことかその尾を手にするとブン回す少女のすがた。
あんぐりと口を開けた男ふたりに向けてあら~、これはすみません、と言いながらも上へと投げ飛ばし、激しい激突音が何度も何度も響き渡る。結果、無論、ノびて気絶する蛇がいる。
追加のウロを呼び出そうにもいよいよ手は震え出している、対策部はなんという化け物どもを保持しているのだ!?
「さてそこのお二人さん、同じ目に遭いたくなければ――大人しくして下さいねぇ」
いよいよ、チェックメイトは近い!
大成功
🔵🔵🔵
江田島・榛名
※アドリブ、アレンジ歓迎
いやはや、ああいうのはどこにでもいるもんでありますなぁ。にしても迷惑この上ない。個人商店の方には(主に食事の方面で)お世話になってるので、さくっと片付けるとしよう。
溜息をつきつつ慣れた仕草でライフルを右手に持つ。
UCの効果で周囲が遅くなるように知覚しながら、蛇の頭をヘッドショット。
ついでに、可能なら馬鹿な男2人の頬を掠めさせて脅すことにしておこう。
悪いことは、しちゃダメでありますよ〜?
「いやはや、ああいうのはどこにでもいるもんでありますなぁ。にしても、迷惑この上ない」
暴れる大型の蛇のウロはなかなかどうして見過ごせるものではない、ため息まじりに江田島・榛名(強化人間のガンスリンガー・f43668)はさてどうしたものかと手にしているはライフルだ。弱点はどうやら通常の生物と同じ、であるのならば頭部を狙うが良いか――。
構えている瞬間、時の流れが遅くなるように感じる。暴れまわる蛇もまたゆっくりと動いているように見えて――或いはざらりと乾いて見えるその光景をスコープ越しに見て、狙いを定める。外さぬよう、確実に。
発砲音、のちに静寂。
耳に響き渡る静寂というのは矛盾であろうか、しかしうるさいほどの静寂が響いたのだ。
倒れる蛇にいよいよ逃げ出そうとする男ふたり――の、頬を弾丸がかすめた。
「悪いことは、しちゃダメでありますよ〜?」
ニコリと笑いながらそう申し上げる江田島に、男ふたりはぶるぶると震え上がり、とうとう降参の意を示した。
●
「いやーあっぱれ、お疲れ様であります!」
男ふたりを捕縛しに来たハラナキは、パチパチと拍手をする。すでにお縄に頂戴されている男ふたりは喚いているが、意味のない言葉ばかりだ。やれやれと肩をすくめたのち、きちんと逮捕完了を見届けるフクロウ達。――今後もこのような小競り合いだけば済めばいいが――。
「ケッ! こんなの、ミヅチ様がいりゃあもっと……!」
「ミヅチ?」
聞いたことのない名に、ハラナキが片眉を上げる。
「……聞くべきことは多そうでありますね。……問題は山積み、でも、ひとつひとつ解決していけば、いずれは良い未来が来るであります」
そうして敬礼、我々フクロウには、やるべきことはまだまだありそうだ――。
大成功
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