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世界が変わっても、すべての衣装を水着にしてやろうぜ!

#獣人戦線 #UDCアース #戦後 #クロックワーク・ヴィクトリア #ファントム・バタリオン #ヨーロッパ戦線 #水着結界シリーズ #※水着は1D40によるランダムでプレイングでは指定できません

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 ユーラシア大陸のほぼ半域で勃発した獣人戦線大戦が終結してから早数日。
 シベリアの奥地で眠りについていたはじまりの猟兵、遠征に出た幼女総統『ギガンティック』などを巡る漁夫の利などの各超大国による策謀はすべて猟兵の手により未遂となった。戦地となった村落は奇跡的な復興を遂げつつある裏には、各超大国陣営の指導者等が相次いで遠征先で討たれたことによる混乱もあるのだろう。
 だが、新たな混乱は新たな戦火の火種となる。

『首尾よく潜入完了……と言ったところかしら?』
 超大国首脳らは骸の海へと旅立とうとも、超大国は喪われず。
 西欧州を統べる超大国『ゾルダート・グラート』とイングランド本島を宗主として七つの海を統べる超大国『クロックワーク・ヴィクトリア』の|軍事境界線《ソードライン》としての役割を持つドーバー海峡を、一隻の特殊潜水艇が渡った。
 海岸に横付けされてハッチが開かれれば、一番に姿を見せたのは玩具の兵隊。
 少数の斥候らが周囲に敵兵が居ないことを確認し終えればハンドサインを送り、潜水艇の中から続々と玩具の兵隊らが出てきて規律よく並び立つ。
 そうして最後に出てきたのは、最高指導者たるモリアーティを喪ったクロックワーク・ヴィクトリアが最悪な現場を打破すべく新たに新設した神出鬼没の|特殊《コマンド》部隊『|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》』の指揮官に任命された軍服を纏った少女……『ジェノサイドコマンダー』。

『……海を渡っても浅ましい獣人達の臭いがぷんぷんするわ。ああ、忌々しい!』
 彼女は主に前線の後方や占領地域内の「敵性分子」を捕らえては治安維持を名目に尋問ないし処刑する任務に就いているオブリビオンだが、戦争犯罪同然の惨劇に駆り立てるのは重度な獣人アレルギー体質によるもの。
 特に短い夏を迎えようとする冷涼な欧州においては、今は獣人達の換毛期。
 風に乗って飛散してくる獣人の毛でアレルギー性鼻炎が起きるわ、目が痒くなって息苦しくはなるわとで、自らの身辺警護は超大国の獣人兵ではなくユーベルコードで動かしている玩具の兵隊に任せるまでの徹底ぶりである。
 そのような理由で獣人の虐殺という汚れ仕事を喜んで行う働きを買われ、彼女は亡霊大隊一部隊の指揮官へと抜擢されたという訳だ。

『この怒りを鎮めるべく、何時ものように華麗な|浄化《ジェノサイド》を行いましょう。UDC召喚儀式装置を此れへ!』
 神出鬼没の特殊部隊という任務の性質上、常に大部隊を率いる訳には行かない。
 そんな不可能に近い任務を可能とさせたのが、ジェノサイドコマンダーの号令の元で玩具の兵隊が持ってきた手提げ式の木箱である。
 鍵を解除して開ければ、そこに収められているのはゾルダート・グラートが誇る解読不能の暗号機『エニグマ』を模したロータマシン式のUDC召喚儀式装置であった。
 UDC召喚儀式は複雑なものであり、膨大な自然現象の条件を満たさねば出来ない邪法の秘術。軍事用となれば確実な召喚が不可欠であり、クロックワーク・ヴィクトリアの技術陣らは長年に渡る研究に研究を重ね、今だ改良の予知がある試作段階とは言え理論的には完成されたのがこのUDC召喚装置である。
 このような小ささでもスパコン並の演算力を持つ機械によりUDC召喚儀式がプログラム上でエミュレートされ、それにより現実の世界へと接続されて顕現される蒸気魔法理論を元にした技術の結晶とも言えよう。

『機密保全とは言え、召喚コードを打たないと召喚出来ないのがもどかしいわね……。えぇっと、こうだったかしら?』
 細い指先がパチリパチリとキーボードを軽快に鳴らしながら、ジェノサイドコマンダーはアルファベットで細かく記載された召喚コード票と睨み合いながら入力していく。
 不便極まりないが、これも気密保全のため。
 敵に奪われようとも自身が自決すれば共に骸の海へと送られるという念入りであるが、仮にそうなれば部隊は壊滅同然である。

『後はエンターを押せば完了ね』
 指揮官として事務仕事は付き物でもあるので、ジェノサイドコマンダーはUDC召喚儀式に不可欠なコード入力を卒なく終えた。
 だが、そういった作業に誤入力も付き物である。
 たった一文字分であろうとも、装置内で演算されるUDC召喚儀式の結果は大きく変わってしまうのだ。
 いち早く召喚せねばと急ぐあまりにそんな初歩的な確認を怠ってまったジェノサイドコマンダーであったが、召喚プログラムを走らせれば彼女と玩具の兵隊の周囲にUDC怪物が続々と召喚される。
 一文字分の誤入力があったものの無事に獣人らを虐殺する上に獣人アレルギーとは無縁なUDC部隊を召喚に成功したジェノサイドコマンダーであったが、その直後に召喚者たる自身に牙を向いて襲い掛かった出来事に小さな叫び声を上げたのであった……。


●グリモアベースにて
「……という予知を視てしまったのです」
 グリモアベースに集まった猟兵たちを前に、秋月・信子(|魔弾の射手《フリーシューター》・f00732)は深い溜め息を漏らす。

「本来であれば至って普通のUDC怪物による|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》が召喚されたのでしょうが、たった一文字の入力ミスで水着邪神が召喚されてしまいました。最早UDC召喚装置は、移動式水着結界展開装置へ化したと言っても良いでしょう」
 説明しよう!
 水着邪神とは、すべての衣服という衣服を水着へと変えてしまう『水着結界』と呼ばれる|超常《トンチキ》現象を引き起こす邪神の総称である。
 信子も過去に別のグリモア猟兵が予知した水着邪神騒動を鎮圧に参加した経験があったが、最近は水着コンテストの時期になると必ずと言っても起きる予知は起こらなかった。
 さては水着邪神は滅びたのではとも思えるぐらいであったが、まさか世界を跨いで顕現した水着邪神の眷属らが獣人戦線に現れる予知を自分がするとはと頭を抱える事態となった次第だ。

「ともあれ、今回の水着邪神は所謂召喚事故によりUDC召喚儀式装置と一体化してしまいました。オブリビオンとしての脅威自体は無いにしても、強力な水着結界を展開する能力と眷属を召喚し続ける能力を有しているのには代わりありません。来ている物すべてを水着に変えると聞けばたいしたようには思われないでしょうが、召喚者は獣人たちを虐殺することを嗜好する血も涙もない超大国のエージェントです。如何なる防護服も水着に変えてしまうと気づけば、喜々として化学兵器による大量殺戮を実行しかねません」
 亡霊大隊の指揮官たるジェノサイドコマンダーもまた水着結界の洗礼を受けている。
 召喚されたUDC怪物らは既に海岸線を防衛する獣人部隊に向けて遊撃を行っているものの、指揮官は自らも水着になったことによる戸惑いで指揮系統は混乱していると言っても過言ではない。この隙をもって攻撃を受けている獣人たちを救出しながらUDC怪物らを駆逐し、超大国のエージェントと共にUDC召喚儀式装置もとい水着結界展開装置の破壊を行うのが今回の任務であると、気を持ち直した信子は猟兵たちへの説明を終えた。

「既に戦場は強力な水着結界に包まれています。不測な事態に襲われても良いよう、万全な準備でお望みください」
 かくして信子の影よりグリモアが展開され、猟兵たちは獣人戦線に顕現した水着邪神騒動の鎮圧へと赴くのであった。


ノーマッド
 ドーモ、ノーマッドです。
 6月となりましたが、ちょっと前の気候だと夏真っ盛りな太陽の照り付け続きの日々ともなりました。
 ですが、日中は暑くとも日が落ちて夜となれば肌寒い辺りは暦通りなのだなと実感しております。

●シナリオ概要
 戦線に身を投じる獣人たちに恐れられるクロックワーク・ヴィクトリア軍の特殊部隊……その名は神出鬼没の『|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》』。
 戦場にどこからともなく現れ、獣人たちを速やかに虐殺し、また音もなく去っていく……まさに亡霊の如きオブリビオン部隊ですが、予知によって彼らの正体がUDC怪物であり、突如として戦場に現れるのも「UDC召喚儀式」によるものだというからくりが暴かれました。次に亡霊大隊が召喚される戦場は、既に予知で特定済みで獣人部隊に加勢してUDC怪物を蹴散らし、UDC召喚儀式を執り行う指揮官を撃破して獣人達に亡霊大隊撃破成功の朗報をもたらしましょう!

 第一章は【集団戦】フラグメントとなります。
 グリモアによる転送先には既に亡霊大隊が出現しており、世界情勢の混乱に乗じたクロックワーク・ヴィクトリアによる侵攻上陸を阻止せんとフランス海岸線を防衛している獣人部隊を、奇襲と水着結界による錯乱によって蹂躙しようとしています。
 獣人たちに加勢し、まずはUDC怪物らを蹴散らしましょう!

 第二章は【ボス戦】フラグメントとなります。
 UDC召喚儀式によって亡霊大隊を自在に呼び出し操っていた、クロックワーク・ヴィクトリア軍の指揮官オブリビオンとの決戦です。
 敵は通常の攻撃手段の他に、第一章目に登場したUDC怪物を自身の周囲に召喚する能力を持つため、これに対処すればプレイングボーナスが発生致します。

 また今シナリオにおかれましては、特殊ルール『水着結界』により強制的に水着の姿となってしまいます。装備されている防具類はすべて1D40によるダイスチェックによってただの水着となってしまいますので、その点に留意してお挑み下さりますようお願い申し上げます。
 水着邪神とは何ぞや? という疑問におかれましては、シナリオやタグ検索等で月城祐一MSによる水着邪神シナリオをご参考下されば、だいたいこんな感じのシナリオであると理解できるかと思います。

 それでは世界を超越した水着邪神にも負けない熱いプレイングをお待ちします。
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第1章 集団戦 『武装少女』

POW   :    攻撃を開始します
【ショットガンによる銃撃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    機銃掃射を開始します
【召喚した機関銃から一斉に銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ   :    援軍を要請します
【近代的な装備の兵隊】の霊を召喚する。これは【銃剣】や【ナイフ】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 グリモア猟兵の導きを受け、猟兵たちは戦場へと降り立つ。
 海岸線が近いのか、潮風に乗って波の音か顔をくすぐってくる。
 ここは嘗てゾルダート・グラードがクロックワーク・ヴィクトリア側の上陸に備えて設けられた防衛線だが、幼女総統『ギガンティック』が遠征先のシベリアの地で果てたという知らせは欧州戦線を震撼させた。
 この一報を受けた各小国の軍や獣人レジスタンスたちは防戦一方だった現状から一転して攻勢へと転じ、混乱に陥って浮足立つ超大国の支配地域奪還を強めていたが、ここも同じように反乱軍側に奪取されてそう日は浅くない。
 そのような背景があるので、拠点奪取の際に刻まれた未だ修繕が手つかずでそのままな無数とある銃弾痕や大地をえぐった爆発孔らは戦闘の激しさを生々しく物語っていた。
 そして今、新たな戦火が火蓋を切ろうともしている。

「敵襲だぁ! ……えぇっ!?」
 歩哨で立っていたのだろう獣人のひとりが超大国が責めてきた一報を叫ぶが、すぐにそれは困惑の叫びと化する。
 それもそのはず、水着邪神の力によって生じた水着結界が軍服を水着へと変えさせてしまったのだから。
 当然ながら猟兵側も降り立った瞬間に身に纏っている衣服という衣服は水着へと変えられてしまい、グリモア猟兵が着ているオペレーター風な制服が光に包まれたかと思えば豊満な谷間が編まれた紐の隙間から露わとなっているレースアップ水着姿となって、着痩せした身体のラインがまだ肌寒い陽の下に晒される。
 猟兵たちも各々の水着姿となってしまう中、悲鳴が聞こえた方角へと急げば|亡霊大隊《ファントムバタリオン》側による一方的な銃撃戦が繰り広げられていた。

『|召喚者《サマナー》よりの|命令《オーダー》、復唱。生存者を一匹も残すことなく|見敵必殺《サーチ&デストロイ》。繰り返す、|見敵必殺《サーチ&デストロイ》』
 激しい弾雨を送っているのは、後方に控えている超大国のエージェントが持っているのだろうUDC召喚装置よって不完全ながらも顕現されし水着邪神の尖兵たる眷属たち。
 『彼女』たちはスクール水着の上にサスペンダーやマガジンポーチを装備しているという風体の所謂武装女子高生タイプのUDC怪物である。人間の姿を取っているのは重度の獣人アレルギーな|指揮官《オブリビオン》が望んでいた部下というの願いをUDC召喚装置と一体化した水着邪神が汲んでのものであって、概念的には人間の姿を象っただけのUDC怪物に相違ない。
 しかし、獣人側からすればこの世界にはあり得ない存在たる純粋なヒトの姿の襲撃者以外の何者でもなく、もし彼女らの若い身体と水着姿を見て欲情すれば架空の存在たるヒトを愛好する|特殊性癖者《ヒトナー》という証となろう。
 故に、彼らは第六の猟兵が来訪するまで伝説の存在であったヒトに襲われる恐怖、着ている衣服という衣服が水着に変わってしまうという理不尽さの混乱に陥っている。
 ましてや獣人側銃器はボルトアクション式の|小銃《ライフル》や拳銃弾をバラ撒いて牽制を仕掛ける|短機関銃《サブマシンガン》が大半で、オブリビオン側の装備は超大国陣営の装備として数世代先を行っている|突撃銃《アサルトライフル》や|分隊支援火器《ライトマシンガン》、塹壕内で猛威を振るう近代的な|散弾銃《ショットガン》など、装備の質でも圧倒的な戦力差がある。
 水着結界を展開している超大国エージェントを叩かねば根本的な解決とはならないが、彼らを見捨ててまで亡霊大隊の指揮官を倒そうとする者はこの場には居ない。
 かくして猟兵たちは、神出鬼没の亡霊大隊を駆逐すべく水着姿で硝煙に満ちた戦場を駆けるのであった。
ヴィクトリア・アイニッヒ
セリカ(f00633)と共に

水着結界。まさか、別世界で発現するとは。
…何故でしょう。申し訳ない気持ちになってしまうのは。

まぁ、ともあれです。この結界を前に、抵抗は無意味という事は良く知っています。
心を無にし、眼の前の戦いに挑みましょうね。

最優先は、獣人兵の安全でしょう。
で、あるならば……ここは、相手の動きを止めてしまいましょう。

『神威の光剣』を使用。
無数の光剣で敵の行動を阻害し、巻き込まれた獣人兵が後退する時間を作ります。
また、これで相手の動きを止められれば。セリカが気持ちよく剣を振るう余裕も作れるでしょう。

……しかし、なんですか。
この水着結界というものは、本当に厄介極まり無いですね……。


セフィリカ・ランブレイ
リリア(f00408)と出撃

水着結界で防具を無力化…
やめろー!水着結界は人を傷つけるための道具じゃない!私と水着結界バトルで勝負だ!!

『合理的。今までなぜやらなかったのかと』
マジレス突っ込みじゃんシェル姉
相棒の意志持つ魔剣と語り
戦場では情報が大事
偵察ドローンで逐一周辺の状況を探索
行こうリリア!水着結界の攻略法は、受け入れる事怯まない事!
私達はよく知っている!

うん、リリアは私の動き方よく分かってて気兼ねなくやれる!
【月詠ノ祓】、相手が対応する暇すら与えない速度で切り伏せる!

『所でヴィクトリア。周りに小生意気にも迷彩化したセリカの撮影ドローンが何基もいるの、気付いてる?』

なんでバラすのかなぁ!!?



(──水着結界。まさか、別世界で発現するとは……)
 思えば水着結界なる常時発動型ユーベルコードを展開する水着邪神との公な記録に残らない初めての邂逅、それによる結ばれた奇妙な縁でヴィクトリア・アイニッヒ(|陽光《たいよう》の信徒・f00408)は数々の予知を視てきた。
 それらは数々の邪神が跋扈するUDCアース内のみであったが、遂にはヴィクトリアの家で共同生活を送るひとりの猟兵も予知に至った。ましてや、今やUDCアース内のUDC怪物らは獣人戦線にまで顕現するようになっており、何故そのような自体に陥ったのかはシベリア奥地で発見された『はじまりの猟兵』が語った世界の核心に迫る真実により理解は出来ている。
 現にUDCアース内でも世界同士が繋がり合っているカクリヨファンタズムより迷い込んだ妖怪や骸魂、デビルキングワールドでオブリビオンとして復活したガチデビルが骸の海へ送り返される際に各世界へ放たれた悪魔契約書による悪魔たち……。
 ならば、他世界と何らかの繋がりさえあればUDC怪物と邪神が顕現するのは理解出来よう。
 何故彼女、ヴィクトリア・アイニッヒの頭の中でこのような考えが堂々巡りしているのだと言うと……。

「まぁ……リリアったら大胆」
「あの、セリカ……そう矯めつ眇めつに見つめられると、その……」
 モノキニと呼ばれる前面はワンピースで背後はビキニスタイルの水着姿に変えられたセフィリカ・ランブレイ(鉄エルフの蒼鋼姫・f00633)が亜麻色の髪を揺らしながら見やる先に居るのは、日に焼けていない白い肌を僅かな布地のみで隠すのみの大胆なマイクロビキニ姿となってしまったヴィクトリアであった。
 いくら師弟関係に近い仲であるとは言え、豊満な白い双丘の頂き付近を申し訳程度に隠す薄い布地とそれを何とか支えようと重みで張り詰めさせた細い紐のみという裸同然の姿となって見つめられれば、思わずして恥ずかしさで顔が紅潮してしまう。
 ヴィクトリア自身も水着結界により様々な水着姿になって多種多様な反応を示した猟兵を送り出してきたが、主よ……罪深き私への罰なのでしょうか?
 今まで水着結界で数々の猟兵らがやってきた死んだ目でヴィクトリアは恨めしく信仰の対象である太陽を見上げるが、ただ眩しい日差しが彼女の肌をより白く浮かび上がらせるのみである。

「水着結界で服はおろか防具を無力化……やめろー! 水着結界は人を傷つけるための道具じゃない! 私と水着結界バトルで勝負だ!!」
『合理的。今までなぜやらなかったのかと』
「あのねぇ、シェル姉。リリアに襲い掛かったありがた……酷い|尊厳破壊《仕打ち》を何とか紛らわせようとしたのに、なんでマジレスするのかなー!」
「いえ……シェルファさんが申しているのも一理あります」
 この水着結界が無効化するのは身に纏う鎧や衣服の類のみなので、魔剣シェルファと呼ばれる意志持つ魔剣は没収されずに済んでいる。やいのやいのと口喧嘩をし始めたふたりを諌めるように、もといこの|狂気《現実》から少しでも頭を離れさせようとヴィクトリアは語りだす。

 ──衣服の役割。
 ひとつめは、体温調節を補助する機能。
 これにより外気とは異なる温度や湿度を持つ被覆気候を形成させ、生活圏をより拡大させるの一助となった。
 ふたつめは、身体を保護する機能。
 汚れや細菌などから脆弱な皮膚を守り、または皮膚を通じて体内の老廃物を含んだ汗などを吸収する。例えそれらに汚染されたとしても、脱いで着替えれば清潔さを保てる。
 みっつめは、生活活動への適合。
 職業を示す制服は役割がわかりやすいという利点と共に、職務への自覚と所属意識を高める役割がある。古くは民族や部族ごとに他の集団と区別する働きがあった一方、多様な集団がひとつとなる近代国家が形成されれば垣根を越えた『国家の一員』として無自覚の自覚を促すという社会生活を円滑にするという役割だ。
 特に戦場内においてはそれらが顕著に機能し、周辺の環境に合わせた色合いの衣服となれば迷彩効果によって敵の目を欺くことも可能となっている。

「UDCアースにおいては数々の施設や隔離された忌地においての水着結界でしたが、多様な戦地となれば理にかなうのは当然と言えましょう」
『御高説、痛み入るわ……ヴィクトリア、少しは落ち着いた?』
「ええ、なんとか……」
『それは良かったわ。セリカ、ドローン偵察の首尾はどう?』
「ばっちしだよ、シェル姉。初めて訪れた土地だもん、情報収集は大事大事」
 衣服もだが道具もまた文明を築く一助となっている。
 水着結界が封じるのはあくまで防具類のみ。
 水着のアクセントなろう武器類が没収されないのは、ヴィクトリアが携える太陽の名を関した長柄のハルバートとセフィリカの魔剣シェルファは健在であり、その理屈で行けば撮影機材も対象外となり得るはず。その目論見は見事正解し、スマートフォンを通して上空に放たれた偵察ドローンが水着邪神の結界が展開されている戦場全体を映し出している。
 これによって水着邪神の眷属であって尖兵たる『武装少女』らの動向が丸見えである上に、それらを追っていけば自ずとして水着結界の発生元も大凡だが把握できよう。

「行こうリリア! 水着結界の攻略法は、受け入れる事怯まない事! 私たちはよく知っている!」
「……そうでしたね。私が水着結界へ送り出してきた|猟兵《仲間》もそうであったように……私も恥ずかしがっている訳は行きません……!」
 まさか教え子に教えられる日が来るなんて。
 そもそも、水着結界の前に抵抗など無意味。
 邪神は羞恥心に付け込んでくるのであれば、心を無にするのが最善の手だ。
 まず最優先とすべきは、突然降り掛かってきた理不尽に混乱する獣人たちの保護であるなば……これしかない。

「……主の威光よ、悪意を祓い給え!」
 ──『神威の光剣』よ!
 ヴィクトリアは僅かな布地と細い紐で支えられる双丘と銀の長髪を揺らしながら斧槍を振りかざし、陽光と見間違えるユーベルコードが顕現させるの輝きを頭上に放てば、それらは光のシャワーとなって地上へと降り注いで来る。
 それらは神威の光剣として、太陽神の威光を具現化した無数の光剣として、獣人たちが護る塹壕へと迫りつつあった水着邪神の眷属らへと容赦なく襲いかかる。

『直上よりユーベルコードの反応多数。|我が主《マイロード》よ、援軍を要請する。繰り返す、援軍を……!』
 ある眷属は引き金を絞っていた利き腕に突き刺さり、ある眷属は脚に突き刺さり、運の悪かった眷属は頭部に突き刺さる。まさしく硝煙に満ちた戦場ならでは狂気が繰り広げられるが、彼女らは骸の海より顕現した|UDC怪物《オブリビオン》の|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》。仮初の生命活動が停止すれば、まさしく亡霊の如くヒトガタの霞となって霧散していくだけである。

「吹っ切れたリリアの攻撃はまだまだ続いているけど……うん、リリアは私の動き方よく分かってて気兼ねなくやれる! それに……射程が長い銃でも接近戦では剣の方が速い! 覚えておきなさい!」
 以心伝心、お互いにどう動くかは手に取るように解る。
 魔剣シェルファを強く握り締め、セフィリカは瞳の奥底にユーベルコードが顕現する光を湛えさせながら大地を強く蹴り上げる。
 ユーベルコード『月詠ノ祓』によって生じる驚異的な瞬発力により、体を大きく前傾させながら地面自体を縮める勢いで、歩法、体捌き、呼吸、死角など幾多の現象が絡み合い完成させる縮地の技法で一迅の風となった。
 ましてや、セフィリカは水着姿。マイクロビキニ姿なヴィクトリアとは違って豊満な胸はしっかりと抑えられ、背中はビキニスタイルで開放されたモノキニとなれば普段の服よりも動きやすく、風の抵抗も抑えられれば尚更である。
 同じく水の抵抗を抑えるデザインのスクール水着姿である水着邪神の眷属らがこちらに気付いて銃口を向けようとも、銃弾その物は銃口が向けられた先にしか放たれないことを熟知している鉄エルフの知識と元来は狩猟を営んできた先祖の遺伝子により持っている天性の遠くからでも動向が分かってしまう視力。これによって踊るようにステップを踏んで脇へと逸れれば先程までにセフィリカが居た場所に銃弾が着弾した証である土煙が舞い上がり、再び射線を変えようとて同じこと。
 そして距離が詰まれば陽光によって煌めく一閃の輝きが防具の役割を果たせない水着ごと斬り裂き、打ち捨てられた銃共々と彼女らは霧散していく。

「猟兵だ……猟兵が助けに来たぞ!!」
 そんな超常同士の激突をただ呆然と見ているだけしか出来なかった一匹の獣人がようやく状況を把握して叫ぶと、連鎖するように遠吠えのような歓声が湧き立つ。
 こうなれば後は冷静さを取り戻した獣人たちにここを任せても問題ないだろう。
 すべての命を救うことは叶わずしも、ここまで被害を最小限に留めたのは猟兵だからこその奇跡と言えよう。

「ここは大丈夫そうですね。セリカ、敵司令部の所在地は?」
「えーと……こっちの方角だね。他にもここを守備する兵隊さんたちの塹壕はあるけど、他の猟兵たちも上手くやってると思うよ」
「そうですか……では、急ぎましょう」
『所でヴィクトリア。周りに小生意気にも迷彩化したセリカの撮影ドローンが何基もいるの……気付いてる?』
「ちょっと、シェル姉! なんでバラすのかなぁ!!?」
 戦闘が一時終われば、再びやいのやいのと口喧嘩し始めるセフィリカと魔剣。

(そう言えば……先程から妙な視線を感じていましたが……)
 これも普段ならまず着ないマイクロビキニ姿のヴィクトリアという貴重すぎる姿を、個人的に楽しみ続けるため。
 まぁ、知っている仲だし、別にヴィクトリアはセフィリカを咎める気はない。

「……しかし、なんですか。この水着結界というものは、本当に厄介極まり無いですね……」
 これもきっと、水着結界によって一時的にだが開放的な気分となって頭をやられた気の迷いによるものだろうと、ヴィクトリアは再び死んだ目で深い溜息を吐くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

建依・莉々
「ふふ、ホラーだけと思われては困るな♪ 莉々のかれーなきどー戦、魅せたげる♪」

今回は食べられそうにないし、機動戦でいってみよー! ローラーレッグとジェットパックで高速立体機動! フォースジャベリンで遠距離攻撃! きらりと光るのはおでこでなく、なんかおニューなタイプの閃きです。

「水着結界? ふふふ、この鋼の肉体こそが我が身の護り! 防具なんか、なくったって〜!」

結果、高機動スク水赤ランドセルJSが戦場を駆けるという、要素詰めすぎな情景が繰り広げられるのでした。

でも、最後は・・・

「・・・めんどくさい。飽きた」

いつもの如く、パンチパンチパンチの連打でUDCをプレス。結局スプラッタな莉々でした。



「ふふ、ホラーだけと思われては困るな♪ 莉々のかれーなきどー戦、魅せたげる♪」
 ペロッと赤い舌を覗かせた建依・莉々(ブラックタールのどろんバケラー・f42718)がグリモアの転送により戦場内へと着くと、一瞬程度であるが眩い輝きに包まれた。

「……ふぅん。スクール水着が良かったんだけど、まぁ良いじゃない?」
 水着結界は立ち入る者すべての服を水着に変えてしまう|超常《トンチキ》。
 一体どんな水着になるかは誰にも分からず、すべては賽の女神のみが知るのみ。
 彼女が引いたのは、リボン・ビキニというビキニの結び目に可愛らしいリボンがあしらわれたものである。
 個人的には「宇宙よりも遠い処」よりの帰国子女に相応しい学童水着が良かったのであったが、これはこれで可愛らしいデザインだからと不定形の身体を震わせて調整する。

「ま、いっか。今回は食べられそうにないし、機動戦でいってみよー! ローラーレッグとジェットパックで高速立体機動!」
 幸いランドセルは没収されずに済んだので、中に収められていたメタリックホワイトのローラーレッグを履いて準備万端。
 赤いランドセルに至っては、君の可能性は無限大。なんたって宇宙だって飛べるのだから……どういうことだってばよ。
 しかし、事実は事実。
 赤いランドセルの留め具を止めること無くバタつかせ、リボン・ビキニでイカ腹を覗かせながらローラーレッグで爆走する高機動児童女子概念がここに在るのだから。

『第六の猟兵を確認……こちらに向かっている模様。分隊、構え』
 対するはスクール水着姿のお姉さんたち。
 これから塹壕内の鎮圧にかかろうとしていたのか、手にしている銃器は散弾銃。
 パチンコ玉サイズの鉛玉が数個収められたカートリッジから放たれる散弾によって面制圧力に優れ、多少狙いが外れたとしてもダメージが期待できるあらゆる獣人を狩れる戦闘用猟銃とも言えよう。

「ふふふ、この鋼の肉体こそが我が身の護り! 防具なんか、なくったって~!」
 しかし、それに臆してしまう莉々ではない。
 ましてや、この身体はブラックタールが生み出したヒトガタ。
 彼女が念じれば表面を硬質化でき、仮に体内に散弾が食い込んだとても吐き出せば良いだけ。
 倒しても倒しても幽鬼の如く無限に湧いてくる存在が相手ならば、思う存分と戦場内を引っ掻き回してやろうではないか。
 かくして激しい銃声が重なり合いながら重く響く中、高機動リボン・ビキニ赤ランドセルJSが戦場を駆けるという、要素詰めすぎな情景が繰り広げらた……のだが、いくつかの分隊を獣人たちが守る塹壕より遠ざけた辺りで。

「……めんどくさい。飽きた」
 と、莉々は不機嫌そうな顔となりながら、小隊規模となった武装スク水女子校生概念な邪神の尖兵に踵を返す。
 先程までには無数の散弾を掻い潜るようにちょこまかと動き回っていたが、今はただ一直線に水着邪神の眷属へと強襲する高機動児童女子概念。
 多少のダメージなど覚悟の上で、ピシパシと身体の表皮にパチンコ玉サイズな鉛玉が当たっては黒い血肉を滾らせる中、ユーベルコードを顕現させる輝きを瞳に映し出す。

「……えいっ♪」
 肉薄して繰り出すは、リリ・インパクト。
 ブラックタールであるが故に拳に黒い体組織を集約させて密度を高めれば、硬い岩をも砕く必殺の一撃。如何なる防具をも砕く一撃は、ヒトガタの姿である邪神の眷属をいとも簡単にザクロように弾けさせる。
 小さき身体で肉薄されれば、同士討ちの危険が伴う。ましてや弾が拡散する散弾銃となれば尚更で、滅すれば霧散する存在と言えともフレンドリーファイアを防ぐための統制力が仇となって暴れる幼女に引き金を満足に引くことができない。仮に引けたとしても、その前に莉々の鉄拳が素朴ながらも端正な顔を潰しているのだから。
 そんな調子でパンチパンチパンチの連打でUDC怪物たちをプレスし廻り、結局は楽しいスプラッタムーブを行う莉々なのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

有坂・紗良
アドリブ絡み諸々歓迎

水着結界だなんてトンチキな…ってマジで服が無くなってる!?うわ寒っ!
それより実質装備が無くなるのがマズいっスね…得物持ってかれてないのが救いか…

予備弾薬は不安っスけど、UCなら弾の心配はある程度大丈夫っスかね
アサルトライフルの[制圧射撃]で楽しい弾丸パーティータイムの始まり始まりっス
いざとなれば連中か友軍の落とし物でもブン取って使えばいいだけの話っス

持ち込んだ装備の質ならオブリビオン連中にも負けないっスからね、決め手は使う人間の腕次第ってヤツっス
格下苛めにお熱な連中に目に物見せてやろうじゃないっスか

さ、一緒に前線を押し上げるっスよ
…この格好で何言ってもカッコ付かないっスね



「水着結界だなんてトンチキな……ってマジで服が無くなってる!? うわ寒っ!」
 UDCアースでは邪神の仕業はなのではと訝しんでしまう真夏日続きであるが、世界が変わって緯度が高い冷涼な欧州となればバカンスシーズンまでまだ日数がある。
 ましてや着ていたはずの衣服が急に水着となってしまえば、冷水を掛けられたかのように身体は驚いてしまう。
 話には聞いていたが、まさか本当に一瞬で水着姿になろうとはと驚きの色を隠せない有坂・紗良(天性のトリガーハッピー人間・f42661)であったが、こうなってしまったのだからと諦めて自身の水着を確認する。
 彼女が引いたのは、タンキニ。
 タンクトップ系のトップスとビキニパンツによって構成された水着で、タンキニという言葉自体が「タンクトップ・ビキニ」の省略形として作られた造語である。
 見方によっては下着姿となった気もするが、紗良よりもひと足早くグリモアに転送された猟兵がマイクロビキニ姿となって死んだ目をしていたのと比べればまだマシな方なのだろう。

「それより実質装備が無くなるのがマズいっスね……。得物持ってかれてないのが救いか……」
 衣服とは時に道具を携える機能をも果たす。
 紗良の場合はポケットが多く付けられた仕事着に収めれるだけの予備弾倉を携行するスタイルであったが、水着結界によって予備弾倉のみを残して防具類は没収されてしまっている。ましてや今手に持っている7.62mm口径の自動小銃は5.56mm口径の物より威力と射程に優れている反面、サイズの大きさや重量などで嵩張って携行できる数に限りがある。
 念の為にとクリップオンタイプのマガジンホルダーを弾倉に装着してきたが、ベルトはともかく水着となれば弾の重みでズレ落ちていくので現実的ではない。
 となれば、古典的に弾倉と弾倉を紐やテープで結びつけ合わせて連結させる方法か。

「幸いだったッスけど、水着の布地が多くて助かったッス」
 トップスの胴回りを幾ばくか切り裂き、紐状にして弾倉を左右に挟み合わせるようにすれば問題ない。
 ただし、これでも携行できる弾数は90発程度。
 アサルトライフルならではのフルオート機能による制圧力を発揮出来ないが、セミオート機能で一発ごと撃てば何とか持つだろう。

「ま、いざとなったら敵の銃を奪うなり、ユーベルコードで何とかするっスね!」
 そう、自身は猟兵なのだ。
 猟兵であればユーベルコードを使わずして猟兵とは言えない。
 それを胸に刻み、紗良は身を屈めながら手近な獣人の塹壕戦に近づいて行くと何やら声が聞こえてくる。

「い、命だけは……」
『却下する。|我が主《マイロード》の命により、貴様たちはすべて処刑する』
 白旗を上げて投降した獣人なのだろう。
 見れば彼らから少し離れた場所に使っていたであろう銃が乱雑している。
 それらは紗良の世界においても骨董品と呼べる代物で、近代的な銃による制圧力の前では火力で押し負けるのは当然と言えよう。

(相手の装備はショットガンが多く、アサルトライフルの類は少ないっスね……。それならっス)
 何という格下苛めなのだろうと呆れつつも、この場をやり過ごすほど紗良は薄情ではない。銃のセレクターに指を掛けてカチリとフルオートに切り替えさせれば、彼女の瞳の奥底に|超常《ユーベルコード》を顕現させる小さな輝きが灯り始める。

『罪状は獣人である存在のみ。全員、構え……』
「おおっと! そうはさせないッスよ!!」
 様子を伺っていた物陰から飛び出してきた銃を手にする紗良の姿に邪神の眷属らが気づけば、獣人たちに向けていた銃口を彼女へと向け直す。
 しかし、既に引き金に添えていた指に力を入れていた紗良の発砲が早く、矢継ぎ早と銃口より硝煙の煙と火薬の炎が重く響く銃声と共に放たれる。
 普通ならあっという間に底付くはずの銃撃が止むことがなく、獣人たちを処刑しようとしていたスクール水着姿の少女たちは次々に霧散していく。
 それもそのはず、この銃撃はユーベルコードによるもの。
 だが、真の決め手は同質の銃同士でも最後は使う人間の腕と言ったところだろう。
 超常が供給する無限の弾丸により銃身が焼き付いてしまうまでに1分近くも撃てば、その場に居るのはケモ耳を抑えながら蹲る獣人たちしか居ない。

「げぇ! 奪おうと思ってた銃にサスペンダーも消えるんっスか!?」
 これがあれば持てる弾数が増えたはずなのにと悔しがる紗良だったが、思わぬ僥倖が彼女に転がり込んでくる。

「猟兵だ! 猟兵が助けに来たぞ!」
「よぉし、これなら逆襲も夢じゃない!」
「銃を手にしろ! これから彼女に続いて反撃だ!」
 強力な助っ人の登場で戦意を取り戻した獣人たちが、自身の銃を取って立ち上がったのだ。彼らも水着姿であるが、挿弾子もといライフルクリップによる装填形式の銃ならば身体と水着との間に差し込めばいくつか携行できる。
 それに頭数が増えれば手にする銃と弾数は増え、自ずとして火力は高まっていく。
 いくら制圧力に優れた銃といえども、戦いとは数であるのだ。

「さ、一緒に前線を押し上げるっスよ!」
「「「おーーーー!!」」」
(……この格好で何言ってもカッコ付かないっスね)
 図らずして銃と水着のみの分隊を率いることになった紗良だったが、この姿ではイマイチ締まりが付かないなと溜息を吐くのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

炎武・瑠美
獣人の皆様、助太刀いたします!
防具が水着となってしまう不思議な結界による影響も、回避を重視した戦い方の私にとってはあまり関係ないと言えますね

とはいえ、獣人の皆様を庇いながらとなれば…自身の身を散弾銃の前に曝す事になるはず
それならば、全ての弾を打ち落とすのみです!
UCにより衝撃波で相手の銃弾を叩き落します
可能なら相手の銃を叩き落せるといいのですが…
獣人の皆様も相手の重火器による脅威がなくなれば、反撃に移る事も出来るでしょう

後方から獣人の皆様も援護を受けながら、私の方は接近戦を挑みます
散弾銃は近距離での威力が高いですから、最悪は腕にオーラを纏わせてダメージ軽減しながら肉薄し格闘戦に持ち込みましょう



 銃声と硝煙と水着が渦巻く戦場に獣人たちの鬨の声が響き渡る。
 前兆もなく奇襲した|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》、そして水着結界。
 突如着ていた服が水着となれば人間により近い第五の階梯はもとより、如何にも獣人な第四以下の階梯以下も狼狽えてしまう。
 毛皮があるのならパンツも履かないのだし服を脱いでも恥ずかしくないとも思えるが、それに関してはキャッチ22。疑問と思えば憲兵にしょっぴかれる答えのない問題である。
 閑話休題、グリモアの転送によりヘリボーンさながらと戦場に舞い降りた猟兵の助けを得て、体制を立て直した獣人兵らが次々と反撃の狼煙を上げさせている。
 装備の質、無限の兵力差は覆せないが、こちらには界を渡りし|超常《ユーベルコード》を操る一騎当千の第六の猟兵が付いている。|士気《モーラル》が奮い立たない道理などある訳が無い。

「獣人の皆様、助太刀いたします!」
 意気軒昂と叫んだ炎武・瑠美(天然系お嬢様…らしき者・f31245)もそのひとりで、銃火が行き交う戦場を獣人たちに先んじて前線へと打って出る。
 大正ロマン溢れる仕立ての良いモダンな洋服姿から四角の布地と紐による水着、所謂『眼帯ビキニ』姿となってしまった彼女だが、元来回避を重視した戦い方を得意としているので寧ろ動きやすくなったと言えよう。
 とは言え、サクラミラージュに存在するとある一族の一人娘であれば端ない格好であるのは変わりないのだが、世間知らずなお嬢様であれば和風味ある珍しい水着として受け入れられている模様。
 それに武器として防具にもなるガントレットとレガースのセットは没収されずに居る。その姿はさながら眼帯水着版ビキニアーマーとも見えるので、水着結界を通して観測している水着邪神の邪な意思が認めたのだろう。

『第六の猟兵、接近中。これより阻止射撃を開始する』
 スクール水着な武装少女らは高揚して雄叫びを上げながら迫りつつある瑠美、その背後から続いて逆襲の突撃を図る獣人たちに向けて銃口を向ける。
 手にする銃は散弾銃だが、これらは本来狩猟用として作られた猟銃が原型である。
 それに伴い、単発式、連装式、銃身の下に設けられたチューブマガジン式と進化し、獣人戦線においても散弾銃はこれらが一般的なものである。ましてや戦闘用となれば堅牢な構造と確実性を重視されたポンプアクションと呼ばれる手動装填&排莢の仕組みが重宝されるが、彼女たちが手にしているのは射撃に伴って発生した実包のガス圧を利用する自動装填&排莢式の散弾銃である。
 そして、ドラムマガジンとも呼ばれる外付け式の大容量箱型弾倉を装着もしており、通常の散弾銃とは比べ物にならないまでの速射性と給弾性がある。これにより放たれる散弾の壁は、まさしく|鉄の嵐《メタルストーム》。獣人戦線においてかつては凶暴な「夜の森の神」として畏れられていたクマであろうが、頑強な防護衣を身に着けて居ようともボロ雑巾となろう。
 しかし、彼女たちが狙いを付けている先に居るのは獣人のみならず、生命の埒外たる存在である猟兵の瑠美が居る。銃口を向けられた瞬間、彼女はこれから自身の身に降りかかる物が何であるかを即時に理解できた。
 そうなれば全ての弾を打ち落とすのみと、彼女の瞳にユーベルコードが顕現する現れの闘志の炎が映し出される。

「全て打ち防ぎます! 炎武式……ソニック、インパクト!!」
 駆ける脚を止めつつも急停止したことによって生じる反動の勢いに任せて繰り出すは、魔力を纏った超高速の打撃。もちろん、距離があれば水着邪神の眷属たちは届くことは叶わないが、炎武式格闘拳の奥義が打ったのは空気その物。
 瞬間的に音速を超える拳撃によって銃声とは異なる甲高い炸裂音が次々と鳴り響き、これによって生じた衝撃波が散弾の嵐と激突する。
 一つ目の波は火薬で撃ち出されたパチンコ玉サイズの散弾と激しく衝突して相殺させ、二つ目の波は減衰した散弾を押し戻し、三つ目の波はより加速させる。そうして四つ、五つと重なり合えば衝撃波により押し戻された散弾は実銃から撃たれたかのような速さとなって、撃ったはずの武装少女らが逆に撃たれるという事態に陥る。
 当然ながら彼女たちも水着であれば、それを防ぐ術など持っていない。
 仮にヘルメットや防弾チョッキがあろうとも、無数の散弾が辛うじて覗かせる肌を穿って死に追いやるだけだ。

「残っていたら肉薄しての格闘戦に持ち込もうと考えていましたが……これはこれで、まさに策士策に溺れるです!」
 ユーベルコードを繰り出した本人である瑠美も意外な結果となったが、これで散弾銃は無効化できるとの実証は果たせた。
 それに進めば進むほど、敵側の抗戦がより激しさを増している。
 そうなれば、敵の司令部が近くなっている証拠でもあり、より激しい抵抗が待ち受けていると思えばより昂って武者震いをしてしまおう。

「……こほん。敵司令はこの先に居るかもしれませんので、援護をよろしくお願いしますね!」
 だが、先が不透明ならばここは一旦冷静になるべきか。
 放った拳のみで亡霊大隊を一網打尽とした瑠美に歓声を送る獣人らを引き連れ、水着姿の闘姫は再び駆けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・クイン
クロエ(f19295)の言いたいことは分かったわ
そうよね一回ぐらいクロエとお揃いの水着とかやってみたいもの……なにこのクソみたいな夏!?
この怒りをぶつけるためにも、今年こそトドメを刺してやるわよ水着邪神!

って追いかけてきたけど、一体どこよここ!?

そっちがガチ戦争する気でも、こっちはマトモに相手する気はないわ!
【ガラスの迷宮】で曲がりくねった道を作って射線が通らないようにして、ジグザグに一気に敵まで距離を詰めるわ!

じゃなかったアタシ一人じゃ普通に死ねるから、クロエと行く早乙女たちが距離を詰めるわ!
……うわ、戦乙女も水着なの? スタイルうらやま、じゃなかった、なぎはらえー!!

※アドリブ・連携も歓迎


クロエ・アスティン
今年こそはアリス様(f24161)の呪いを解く手がかりを見つけるであります。
水着邪神の依頼をこなしていけばきっとなんとかなるであります!
あのその……アレすぎる水着を着せられてるアリス様の横で普通の水着は大変申し訳ないといいますか……。

アレな水着を引くことが多い気がしますが、
毎日戦女神様に祈りを捧げているのできっとヒドイ水着は出ないはずであります!(フラグ?)

大盾を構えてアリス様の盾となりますが、くっ、数が多いであります。
それならばと、【戦乙女の姉妹達】の【戦乙女の戦槍】の一斉射撃であります!
呼び出された戦乙女達のスタイル抜群な水着姿に羨ましくなったりしますが、今は殲滅するのが優先であります。


メディア・フィール
プレイング改変・アドリブOK
他PCとの絡みOK

毎年のごとく水着になりますがいつものことなのである程度慣れています。
水着は著しく防御力は落ちますが、それ以外は要するに単に服が体にフィットするものに変わっただけだと気にしないように促します。
敵味方の服の防御力は激減していますが、戦車や塹壕などの兵器や防御陣形はそのままなので、ユベコの【氷炎魔拳】で味方の防御力を上げつつ極力身を隠しての防御に徹するように促します。また、敵の指揮系統が混乱したまま当初の命令を実行し続けていることを逆利用して、あからさまに逃げまわることで「一人として逃さないように」行動する大部隊を引きずり回して時間を稼ぎます。



 ──水着結界。
 それは着ている衣服すべてをただの水着に変えさせ、狼狽えたり恥ずかしがっている姿を愉しむという歪んだ性癖を抱く邪神が生み出す|超常現象《ユーベルコード》である。
 猟兵と水着邪神との因縁はアリス・クイン(ビビり屋毒吐き姫・f24161)が観た、グリモアベースの公式な記録として残されていない非公式な予知から始まった。というのも、本格的に世界を破滅へと導くオブリビオンとして力を蓄えているという状態であり、眷属を召喚するまでの力を有さずにただ猟兵を水着姿と変えさせる程度の力しかなかったという有り様だったからだ。
 だが、完全な召喚に至らずゼリー状なスライムの身体で召喚された御立派様のように腐っても邪神。消滅する際の恨み節で、世界を水着に変えさせる野望を挫いた張本人であるアリスへと「着れる水着はマイクロビキニ限定」という最後っ屁な呪いを残して消滅に至る。

「今年こそはアリス様の呪いを解く手がかりを見つけるであります。水着邪神の依頼をこなしていけばきっとなんとかなるであります!」
「そうだよ。アリスが気に病むことなんてない。ボクたちと一緒に水着邪神狩りを続けていけば問題ないさ!」
 同じ屋根の下で共同生活を送るアリスの呪いを解こうと、クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)とメディア・フィール(人間の|姫《おうじ》武闘勇者・f37585)は甲斐甲斐しくも彼女の助けとなろうと助力を惜しまない。
 しかしながら、本来であれば胸に熱いものが込み上げてくるのだろうが、アリスとしては呪いを解くよりも誰かに押し付けたいと思う性分でもある。現に世話になっている猟兵が自分と同じマイクロビキニ姿となってしまったの見てしまった際には、同情よりも私が味わい続けている気持ちが分かったかしらとほくそ笑んだほどだ。
 だが、人を呪えば穴二つ。
 そのとばっちりは自分に返ってくるものだと、御天道様もよく知っている。

「……えーと」
「うーん……」
 水着結界の力により、三人はいつものように水着姿と変えられた。
 ハーフドワーフ故に幼女な身体であるクロエは所謂三角ビキニとなったが、その上にはオーバーオールのようなサロペットが着せられている。所謂トップスとボトムにラッシュガードというスリーピース構成の水着で、ドワーフならではの幼さも重なりよく似合っている。
 メディアの水着は、Vワイヤー・バンドゥ・ビキニ。
 バンドゥとはフランス語で「ヘッドバンド」を意味し、ブラトップの肩に通す紐を廃して身体に巻き付けられたかのように締め付け感がある素材で作られたチューブトップ式なビキニスタイルである。胸の谷間部分が大胆にもV地状に切られているが、美少年と見間違う顔付きと身体付きのメディアとなれば健康的なイメージになろう。

(毎日戦女神様に祈りを捧げていたので、ヒドイ水着は出なかったでありましたが……)
 確かに自分とメディアは真っ当な、当たりである水着を引いた。
 これもひとえに毎日毎日と欠かさず、クロエは信仰する戦女神様にお祈りを続けていた加護によるものに違いない。
 それもすべては、アリスに掛かった呪いを解くべく水着邪神の討伐に赴けば、呪いに呪いが上書きされたかのようにアレすぎる水着を引いてしまうことが多かったからである。
 数多くの水着から運悪く引いてしまうのはある意味おいしいとも言えようが、毎年恒例の水着コンテストでは呪いによって強制的にマイクロビキニとなってしまうアリスとしては水着結界の水着が唯一の救いともなろう。
 しかしながら、水着邪神は健気な彼女たちの想いを嘲笑って愉悦する。

「……何よ? アタシに言いたいことがあったら、はっきり言いなさいよ!」
 さて、アリスの水着姿と言うと、正直言葉でどう説明すべきか悩むものである。
 ボトムスはVストリング。
 アリスの幼くイカ腹な体つきでは背伸びしている大人びた物で、前は多めの布地で隠されているがお尻の方は太めな紐のみで隠されている勝負下着めいたデザインの物である。
 それでも今までの水着邪神で着せられた水着よりは遥かにマシな部類であり、寧ろSSR引きと言っても過言ではない……過言ではないのだが、まだトップス部分の抽選が残っている。じゃあ胸部分は何を引いたかと言うと……ホタテ状な二枚の貝殻で胸部分を隠されている貝殻ビキニなのである。
 そのちぐはぐさが何とも説明しようがない微妙さを醸し出しており、ちょっと前のお笑い番組でもお出しされれば同じ空気となろう。

「よ、よく似合っているであります!」
「う、うん! 今までよりはマシだよ!」
 ふたりの気持ちはたいへん分かる。
 下手に慰めの言葉を送るより、そう言った方が確かに傷つかない。
 だが、こんなしょうもない水着を着せられたアリスの胸の中は、今回の水着邪神に向けた怒りで満ちている。
 こんな中途半端な物にするのなら、いっそのこと貝殻水着の方が諦めが付く、と。

「あー、もう! むしゃくしゃする! こうなったら、召喚装置と一体化した水着邪神をぎったぎたにして壊してやらないと気が済まないわ!」
「ま、待ってであります! アリス様~!?」
 鼻息を荒くしながら猪突と駆け出したアリスを追ってクロエが付いていく。

「はぁ……今は何を言ってもしょうがないね」
 戦いは攻守が逆転して、獣人側を攻め立てていた|亡霊大隊《ファントム・バタリオン》側が猟兵の介入によって逆に追いやられている。
 しかし、武装少女の姿を象った水着邪神の眷属らが守りを固めるのは海岸線にある岩場地帯。入り組んだ隙間は自然が作り出した塹壕さながらであり、司令部を置くにはうってつけだろう。
 如何にこの場を攻略するか思案したメディアは、獣人兵たちの助力を願おうと先行したふたりとは別の方角へと走り出した。

『……接近する者あり。敵、二名。機関銃手、構え』
 岩陰からアリスとクロエを観測した武装少女のひとりが命令を下達すると、稜線からライトマシンガンとも呼ばれる機関銃を携えるスク水姿な水着邪神の眷属が狙いを澄ます。
 十分に引き付け、逃げ場が無い場所での十字砲火。
 これにはいくら生命の埒外たる存在である猟兵とて唯では済まされない。
 鉄仮面を被っているかのように眉ひとつさえ動かさない彼女たちは、のこのことやってきた猟兵に向けて耳を劈く雷鳴の如く銃声と共に蜂の巣にすべく弾雨を浴びせかけた……が、それらは尽く見えない壁により弾かれてしまった。

『何……?』
 ユーベルコード『ガラスのラビリンス』。
 出口はひとつしかない透明なガラスの迷宮を作り出すもので、ガラスの硬度はかなりのものである。高初速で貫通力に秀でたライフル弾と言えども僅かに削るのが精一杯で、迷宮の出口を目指すふたりには銃弾は届くことはない。

「ちょっと、ちょっと! 結構響くじゃないの!?」
「ひぃー! アリス様、大丈夫と言ってたでありましたが、ちっとも大丈夫じゃないであります!?」
 のだが、ガラスの迷宮が壊されることがないのであるが、伝わってくる振動や音は別である。銃弾が当たるたびに激しい衝突音がガラスの迷宮内に響いて反響する。とっさに耳を抑えても空気の振動が肌と骨を震わせに襲いかかり、脳そのものが揺さぶられてしまう感覚に襲われる。
 流石に敵の本丸が近くなればなるほど抵抗が激しくなり、迷宮内の騒音と振動は増していく一方で気がどうにかなってしまうと思う中、今度は炸裂音を伴う振動がふたりに襲いかかる。

「今度は何よ!?」
 アリスは自分のラビリンスが破壊されないと分かっていても、思わずビクッと身構えてしまう。だが、それは彼女たちを狙ったものではない。天然の岩場が作り出す機関銃座を狙ったものであった。

「アリス様! この叫び声は……もしかして」
 幾重にも重なる獣たちの咆哮。
 迫撃砲の援護の元、勇猛果敢に銃剣突撃を敢行する獣人たちの雄叫びだ。

「やぁ、お待たせた!」
「メディア様!」
「付いてこないから臆病風に吹かれたかと思ってたけど……あんたの仕業ね?」
 メディアが各塹壕から掻き集めてきた獣人兵たちである。
 いくら銃器の世代や性能が違えど、取捨選択で射撃性能に特化されれば喪われてしまう機能もある。その大きな点は、銃剣の着脱機構だろう。近代戦においては銃剣の有用性が喪われており、今日ではネット上でもその在り方が思い出されたようにミリタリー有識者らが激論を交わしている。
 しかし、ここは獣人たちの世界である獣人戦線。
 人間とは異なり分厚い毛皮、強固な骨格、優れた身体機能などを有している獣人となれば内に秘める獣性も相まって銃剣は有用な存在。例え弾が尽きようとも、この身に代えてまで超大国の兵をひとりでも討たんとする現れでもあろう。
 それに彼らはメディアによるユーベルコード『氷魔炎拳』により、冷気による加護を得ている。水着姿でパンツ一丁な姿となろうとも、元来の毛皮の厚みと防弾ジャケットさながらな抵抗を持つ冷気を纏えば多少の弾など怯みもしない。

「それなら、戦女神様に仕える戦乙女様もお手伝いするであります!」
 これにより迷宮内に響き渡っていた銃撃の喧騒が止まり、意識を集中できるようになったクロエが祈りを捧げる。程なくすれば天から戦乙女の姉妹達が舞い降り、クロエが携える戦乙女の戦槍と同じ得物と大盾を携えて突撃する。
 そしてだが、彼女たちもまた水着結界により水着姿となっている。
 種類は、オフショルダー・ビキニ。
 ネックラインを大きく開いて肩を出すことで見せるデザインであり、どこか北欧の民族衣装を彷彿させるデザインとなっている。戦乙女の妹たちとしては相応しいものと言えようが、その姿を見てアリスは思わず舌打ちする。

「……うわ、戦乙女も水着なの? スタイルうらやま、じゃなかった、なぎはらえー!」「うう……こうも見せつけられると悔しいでありますが、今は殲滅あるのみであります」
「いいね、いいね。そうこなくちゃ面白くないよ!」
 一足早い開放感でメディアの拳は何時になく冴える。
 思わぬ白兵戦を強いられる事態となったことで武装少女はユーベルコードで亡霊の援軍を呼ぼうとするも、そうはさせまいと冷たく輝く氷の炎を纏った一打を放つ。身に纏う物はスクール水着ともなれば、氷の炎はおろか銃剣や槍と言った旧時代的な武器をも防ぐ抗力などはない。
 そうして行く内に、ひとり、またひとりと武装少女は霧散して消滅していく。

「ところで、アリス様。出口はどちらでありますか?」
「一体何処よここって言いたいところだけど……アタシの水着邪神レーダーで邪念を感じる方角のあっち! ……たぶん」
 ガラスのラビリンスの出口は亡霊大隊司令部。即ち敵の中枢と定めている。
 とは言え、それが確かなのかはアリス自体も確証はない。

「けど、ここまで厳重な防衛線が敷かれているってことは……そうじゃないかな?」
「負け癖が付いているのにいい事を言うじゃない。じゃ、案内するわよ。アタシを見失わず付いてきなさい!」
 陽光の元に集いし三人の乙女は、多数の兵を引き連れて岩場を進んでいく。
 そうして進めば、眼の前には岩場で隠れていた入江が広がっていたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『ジェノサイドコマンダー』

POW   :    戦車隊、前へ!
【様々な重火器】で武装した【今まで虐殺してきた獣人兵】の幽霊をレベル×5体乗せた【戦車隊】を召喚する。
SPD   :    銃殺隊、構え!
【銃殺隊によるライフルの一斉射撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    砲兵隊、撃て!
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【野戦砲による榴弾や毒ガス弾などの砲撃支援】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ザイーシャ・ヤコヴレフです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 岸壁に囲まれた隠し入江には簡素ながらもクロックワーク・ヴィクトリアの前哨基地が設けられており、まさに神出鬼没の特殊部隊『|亡霊部隊《ファントム・バタリオン》』と言ったところだろう。

『ハハハ! 流石は第六の猟兵ね。邪神ミ=ズーギ・フェチウム様の眷属を容易く蹂躙するとは!』
 天幕から現れた軍服姿の少女の影が直属の親衛隊たるおもちゃの兵隊に護られながら出てくるが、その姿を視た者は一同にして目を見開いて息を呑んだであろう。

『だけど、ここからは今まで通りと思わないことね。映えある亡霊部隊の指揮官たる私自らが陣頭指揮し、虐殺の限りを……何よ、その目』
 だって、黒い軍帽を被りながらのサディズム溢れる、所々が金属の輪っかで繋がれた扇情的デザインのボンテージルックな黒いスリングショットなのだもの。
 おまけに二の腕まで肌を隠すロンググローブと膝までの高さとなっているロングフィンソックス、追い打ちをかけるように短鞭を兼ねた指揮棒を両手で持って撓らせる姿は、さながらSMの女王様と言っても過言ではないのだから。

『……ああ、これ? ミ=ズーギ・フェチウム様を召喚した際、そしてUDC召喚装置と一体化されて今も水着結界を通して眷属を召喚され続けている弊害よ、弊害』
 軽くため息を吐いたジェノサイドコマンダーがパシンと掌で短鞭を|叩《はた》かせ、沸々と込み上がる水着結界の理不尽さをアンガーコントロールするかのようでもあった。

『ですが、これこそ私に相応しい水着なのだと、召喚者である私がミ=ズーギ・フェチウム様より恩賜されたのであれば……快く受けれましょう。この姿ですと、汚らわしい獣人をどう痛めつけ粛清しようか、様々な拷問や処刑方法が次々思い浮かぶのですとも!』
 それはもしや、破廉恥な姿にされた腹いせもとい八つ当たりなのでは?
 猟兵ら一同にそんな疑問が生まれるが、だされようとする言葉を遮ろうとジェノサイドコマンダーはさらに捲し立てた。

『そして、第六の猟兵……もしや、この私を追い詰めたつもりでいるの? 追い詰められたのは私ではなく、貴方たちなのよ!』
 再び掌で短鞭の乾いた音を入江中に響かせると、周囲を囲む岩場の頂上に、おもちゃの親衛隊に護られたジェノサイドコマンダーの前方と合わせて大隊規模のスクール水着姿の武装少女らが召喚される。
 UDC召喚装置が破壊されない限り、彼女たちは無尽蔵に召喚され続けるのだ。

『正しく飛んで火に入る夏の虫、ね。さあ、邪神ミ=ズーギ・フェチウム様の眷属たちよ! 我が指揮の元に不届き者共に銃火と砲火を徹底的に浴びせかけ、亡霊大隊の目撃者をひとりも残さず塵芥と変えさせよ!』
 もっともらしいことを叫んでるが、やはりあんな水着姿を視た者を完全に消したい一心なのでは?
 何とも締まりのない水着結界が生み出す凶器の坩堝の中、猟兵と亡霊部隊との決戦の火蓋が切って落とされたのである────!
メディア・フィール
プレイング改変・アドリブOK
他PCとの絡みOK

すごい数の『亡霊部隊』相手に、ユーベルコードは個人攻撃のものが主なので手こずります。それでも引き続き【氷炎魔拳】と【なぎ払い】で敵全体にダメージを与えつつ、味方の防御力を高めるという基本戦術を取ります。そして、わずかな隙を見つけてはジェノサイドコマンダー自身を攻撃すると見せかけて、徐々に後方にいるUDC発生装置を持つエージェントのことまで思考を回す余裕がないようにひきつけ続けます。その隙にほかの誰かが発生装置を破壊してくれることを期待します。

「これだけの数だと、捌くのだけで精いっぱいだ! だけど!」
「隙あり! 前線に出てきたのが間違いだったね!」


建依・莉々
アドリブ・絡みOKです。

(武装少女を見て)また増えた。んー、面倒い。じゃあ、こう?

化術を駆使して武装少女に変身、部隊に紛れ込み第一目標のUDC召喚装置の発見・破壊を試みる・・・が、すぐにコマンダーさんに見つかってしまいます。

「あ、水着。さすが邪神」

すかさず第二目標「コマンダーさんの無力化」に方針変更。詰問のタイミングを見計らい、猫獣人に変身。獣人アレルギーのトラウマを刺激して一瞬の隙を作り、すかさず足首掴んでびったんびったんして上げます! 数は多くてもおもちゃの兵隊。無力化できれば、皆なら制圧も可能でしょう。あとは変身解いて触手でしっかり拘束して、仲間の到着を待ちます。(絵面・・・)



『砲兵隊、撃て!』
 ジェノサイドコマンダーによる号令のもと、周囲の岩壁に突如として現れた砲陣地。
 ユーベルコードによって展開された野戦砲がUDC召喚装置により召喚された亡霊部隊によって操作され、大地と空気を震わせながら砲弾が一斉に放たれる。

「今すぐここから離れないと!」
 メディアが叫ぶや否や、他の猟兵と獣人の兵らは空高く放たれて地上へと落下する砲弾が奏でる風を切る音から逃れようと、蜘蛛の子を散らすようにバラバラと散開する。
 その瞬間、砂浜に落下した砲弾は僅かながら砂地に沈むと先端部の信管が作動して炸薬が炸裂する。水着と海岸の砂浜となればさながらビーチフラッグスをやっているような滑り込みだったが、爆ぜて飛散する鋼鉄の弾殻が無数の破片となって周囲に飛散すればこうして伏せることが最善である。

『あーっはっはっは! 砂地で運が良かったわね! 固い地面であったら、今頃破片でズタズタとなって居たことでしょう!』
 SMの女王様ルックなボンテージ風スリングショット水着なジェノサイドコマンダーが高笑いしているが、やはりあんな悪の女幹部めいたサディストな人間性であれば水着邪神から相応しい水着として与えられたのでは?
 間近で起きた砲弾の炸裂音と衝撃でキィンと耳鳴りとする中でメディアはそう訝しんだが、第二第三の砲撃音が鳴れば何時までも伏せている訳にもいかない。

『ほぉら、早く逃げ回るがいいわ。じゃないと……直撃してバラバラよ!』
 空からは砲弾。前に進もうにも水着邪神ミ=ズーギ・フェチウムの眷属であるUDC怪物部隊の壁。それを守るかのように展開された亡霊戦車隊……。
 更にはこれら三段に渡って守られてた|亡霊部隊《ファントムバタリオン》の指揮官たるジェノサイドコマンダーの周囲には、親衛隊であるおもちゃの兵隊たちで固められている。正直言えば、突破するのも困難で突破しても多勢に無勢すぎる。
 だが、獲物を弄ぶようにいたぶり続けているその傲慢さというか、瘴気を疑うような水着姿を目撃した者をひとり残さず抹殺する執念というか。

「これだけの数だと、捌くのだけで精いっぱいだ! だけど!」
 そこに付け込めれば、おのずとして突破口を開けるはず。
 眼の前で砂の中へと消えたとある猟兵に託し、自らを囮役としたメディアは被った砂を振り払いつつもVワイヤー・バンドゥ・ビキニ姿のメディアはうつ伏せの姿勢から身を起こすと、砂を蹴って走り出した。

『ふん。各国の要人を討った第六の猟兵と言っても他愛もないわね。ミ=ズーギ・フェチウム様の力でこんな姿にさせれらているのは不服ですが……亡霊部隊の初陣を飾るには十分な戦果ね』
 ここまで完璧すぎるまでの布陣を敷けば、如何に生命の埒外たる存在である猟兵とて防戦一方となる事実。そして、自分自身もこんな破廉恥極まりない姿にされてしまってはいる物の、それは猟兵も同じである。
 絶え間なく放たれる砲弾が生み出す破片を伴う榴弾の嵐の前では、守る衣服がなければ身体その物が丈夫な獣人とて危うい。元を辿れば入力ミスで召喚され、演算された儀式の不完全さから装置と一体化した水着邪神ミ=ズーギ・フェチウムであるが、その運用法を固めるには絶好の機会とも言えよう。
 鉄壁同然な陣地の奥深くで次なる一手を鞭を撓らせながら考えるジェノサイドコマンダーであったが、そんな彼女の前にひとりの武装少女が慌ただしい様子で駆け込んできて伝令を伝えた。

『大変です! 獣人が一匹、陣地に侵入しました!』
『ふぅん……獣人風情の癖にあの布陣を突破するなんて大した物ね。いいわ、見つけ出して見せしめに処刑しなさい。第六の猟兵、それに与する獣人共に己の無力さを痛感させるために、ね』
 嗜虐的な笑みを浮かべるジェノサイドコマンダーであるが、彼女はアレルギーレベルまでに拒否反応を示す大の獣人嫌いである。そのため周囲は自らのユーベルコードで作り出したおもちゃの兵隊を親衛隊としている。
 故にオブリビオンである獣人兵が多い超大国内でも部下を捨て駒同然に扱うのだが、自身と同じく獣人ではない武装少女となれば気を許してしまう。故に普段であればおもちゃの兵隊を通して命令を下すのであるが、その必要がないとして謁見を許可している。

『で、どんな獣人なの? 詳しく利かせて頂戴』
『はい。その獣人は……』
 投げかけられた質問に答えようとした武装少女だったが、どろりと黒い粘液となって顔が崩れるとジェノサイドコマンダーの顔が引きつった。
 それもそのはずで、それは猫獣人へと姿を変えたのだ。

「こんな、姿」
『ぎゃーー!?』
 その正体は莉々。ブラックタールのどろんバケラーである。
 彼女は歓迎の砲撃が始まるや否や、本来のブラックタールに戻り、メディアの眼の前で入江の砂の中へ吸い込むように消えた。そうして砂地の地下を伝って潜入し、武装少女の姿へと変身して潜入した。
 尤も水着邪神から与えられたリボンビキニの名残は上書きされていなかったが、スクール水着にリボンの組み合わせはありえるので不審に思われずに済んでいた。そうして第一目標であるUDC召喚装置の発見と破壊を試みるべく、堂々と司令部に侵入した次第。
 莉々は獣人ではないが、どろんバケラー級の化術となればブラックタールと言えども本物同然の毛並みとなる。それが獣人アレルギー持ちであるジェノサイドコマンダーの眼の前へ突然現れれば、急性獣人アナフィラキシーショックを発症!
 腰を抜かしたり失禁までには至らないが、精神的ショックにより思考が混濁する。そうなれば、ジェノサイドコマンダーが展開していたユーベルコードにも影響を及ぼした。

「……砲撃が止んで、眼の前の戦車隊も消えていく。よぉし、皆! 反撃だぁ!!」
 莉々がどんな方法でユーベルコードを打ち消したか、メディアは知らない。
 とは言え、彼女の手で突破口が開かれたのは紛う事無い事実だ。
 同じく防戦一方だった獣人兵を鼓舞すべく、メディアは魁となって先陣を切る。

『砲撃隊及び戦車隊、消失。指揮官様、増援を……至急増援を!』
「させないよ! 氷炎魔拳!!」
 さらなる召喚を無線を通してジェノサイドコマンダーに打診するが、援軍要請を受けている指揮官にもそんな余裕などない。
 敵にとっては最悪のタイミング、されど味方にとっては最高のタイミング。
 この機を逃さまいと、メディアは薙ぎ払うかのように拳から迸る冷たく輝く氷の炎をもってして歩兵たる武装少女を一網打尽とする。そして獣人兵たちも続けとばかりに突撃すれば白兵戦が始まり、絶対的な優勢を誇っていた亡霊部隊側の戦線は一気に瓦解した。

『お、おのれ……私の眼の前でそんな姿になるなんて!』
 ようやく事態を把握したジェノサイドコマンダーが我に変えるが、時既に遅し。
 自らのユーベルコードが一時的ながらも解除されてしまえば、他の猟兵が戦端を開けて戦線を崩壊させていくばかり。
 ならばと、まずは眼の前の獣人もどきを排除しようと腰に下げたホルスターより拳銃を抜こうとするが、莉々は変身を解きながら蠢く黒い触手を彼女の手に絡ませて制する。

「させない、よ?」
 突然の出来事で驚くジェノサイドコマンダーを他所に、脚にも触手を伸ばして絡みつかせて掴めば、ユーベルコードを発現させながら持ち上げてびったんびったんと地面に叩きつけた。
 その度にジェノサイドコマンダーの集中が途切れ、ひとつ、またひとつとユーベルコードで展開された砲兵隊に戦車隊が消えていく。
 莉々としてはそのままこの場にあるであろうUDC召喚装置にジェノサイドコマンダーを叩きつけて破壊したいところであったが、UDC召喚装置と一体化した水着邪神が危険を察知したのか司令部内に眷属を召喚させる。

「あ、水着。さすが邪神」
 召喚された武装少女がセミオート式散弾銃を向けると、ジェノサイドコマンダーを掴み上げる触手を狙って連射する。ブラックタールと言えども次々と撃たれる散弾を受ければぷつりと切れてしまい、勢い余って放り投げられたジェノサイドコマンダーはおもちゃの兵隊らが自らをクッションとさせて受け止める。

『撃て! 撃て撃て撃てぇ!!』
 人質になりかけていたジェノサイドコマンダーが解放されれば、彼女の指揮のもとで激しい銃撃が莉々に浴びせかけられる。しかし、不定形な液状生命体であるブラックタールでは実弾程度では致命傷とはならない。

「また増えた。んー、面倒い。じゃあ、こう?」
 その証拠に、一旦仕切り直しを図ろと莉々が再び砂地の下へと逃げれば散弾の鉛玉が残っているのだから。

(拘束は、失敗。でも、次、狙う)
 水の中に潜ったサメのように、砂上から聞こえる声と足音を頼りにしながら莉々は砂地の中で蠢いてジェノサイドコマンダーへと這い寄れる新たな機会を伺っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

有坂・紗良
アドリブ絡み諸々歓迎

アレって水着の範疇に入るんスかねぇ…やっぱアレ本人の趣味嗜好もガッツリ反映してるんじゃないっスか?

ンな事よりこの物量は流石にヤバいっスね、ボクもそうっスけど今いる分隊の面々が被害を被る事になりかねない…
せっかくの火力を易々と持ってかれるワケにはいかないっス

『グレネードポーチ』から煙幕手榴弾で周囲からの目を隠しながらとにかく前進!
召喚装置を壊せばいいんなら分隊全員で火力は正面に集中させるんスよ

UCの爆発で一気に敵を散らして包囲が緩まってる間に有効射程距離に接近、『JAK-12』のフルオート【制圧射撃】で一気にカタを付けるっスよ

今度やる時はちゃんとした格好でやる事っスね…



「アレって水着の範疇に入るんスかねぇ……やっぱアレ本人の趣味嗜好もガッツリ反映してるんじゃないっスか?」
 紗良の脳裏に若干ヤケクソとなっていたジェノサイドコマンダーのボンテージなスリングショットが過ったが、水着といえば水着であり、水着といえば水着ではない。
 しかし、水着結界とは水着本来の用途である水辺以外で発生するもの。
 聞けば今まで発生した水着結界は都市部の商業ビルから山深い禁足地までと、本当に多種多様である。

「水着とはいったい……いけねっス。変に考えたらうごごごるっスね」
 深く考えれば哲学の域となり、戦場では命取りとなる雑念でしかない。
 ともあれ仲間の猟兵の活躍によって待ち伏せ状態の危機は脱したようだが、依然として敵の抵抗は健在だ。しかしながら、水着姿故に致命傷になりうる砲迫の炸裂によって飛び交う無数の破片に晒されないだけでも遥かにマシな状況であり、共闘してくれる獣人兵が見つけた先程までの砲撃で出来た即席の塹壕孔に潜り込めば何とかなる。

「けど、このままだと物量で押しつぶされるのは時間の問題っスね」
 一騎当千の戦力である猟兵と言えども、無尽蔵に供給される兵力差は厳しい。
 ひとり倒してもまたひとり、ふたり倒してもまたふたり補充される出鱈目もいいところなUDC召喚装置にダメージを与えればなりそうなところであるが、そもそも指揮官が前線に出てくる状況でもないわけで……。

『何を手こずっている! 貴様らは引き金を絞るだけの機械か!? 前線を押し上げろ! 銃殺隊、構え!』
「あ、出てきてるっスね」
 銃撃音に混じり、何やらヒステリー気味に捲し立てる聞き覚えある声が聞こえた。
 即席の塹壕内に身を隠しながら、紗良は没収を免れた手鏡の角度を僅かに曲げて潜望鏡変わりにして見れば、機関銃を構える武装少女の奥にSMチックなスリングショットの指揮官の姿がある。

「うーん……絶好な狙撃チャンスっスけど、下手に身を乗り出したら機関銃にやられてしまうだけなのがもどかしいっス」
 腰に下げたグレネードポーチの煙幕手榴弾を使う手もあるが、煙幕から出たところを撃たれてしまえば元も子もない。何か決定的な混乱を引き起こし、それに乗ずる形で煙幕を利用できねばと思案する。

「……すこーし値は張るけど仕方ない、数の暴力ってヤツを教えてあげるっスよ!」
 猫耳を模した通信機がユーベルコードを伴う電波を発信すれば、それらは虚空からやってくる。通信と共に送られた|標的《ターゲット》の情報を得た|彼ら《・・》は命令を受けるや否や、降下を始めた。

『ん? 何の音だ……?』
 仕切りに地面を気にしていたジェノサイドコマンダーだったが、砲弾が落下する独特の風切り音とは別の音に反応して空を仰ぎ見る。それは何処か虫の羽音に近いもので、ハチの類かと彼女は考えたかも知れない。
 だが、その正体は紗良がユーベルコードで召喚した『|特攻小隊《スウォームチーム》』の自立ドローン部隊。即ち、爆薬満載の自爆ドローンである。

『のわぁーーっ!?』
 危険を察知した近衛兵たるおもちゃの兵隊が対空射撃を行うと、射線から逃れようと逸れた自立ドローンがジェノサイドコマンダーの後方へと落下すれば起爆。
 爆風が起こればその衝撃で携えたUDC召喚装置と共に砂地の上でもんどりを打つ。その姿を上空で旋回している別の自立ドローンが捉えると、再び急降下を始めてターゲットの抹殺を行おうと特攻が迫る、迫る、迫る!
 機関銃で前線に絶えず銃撃を与えていた武装少女たちが自爆機を撃ち落とそうと射線を変えれば、自立ドローンの数機が最優先ターゲットであるジェノサイドコマンダー抹殺の障害であると認識し、進路を変えて特攻!
 爆発した跡はジェノサイドコマンダーが繰り出した砲兵隊の砲撃にも負けないほどなもので、武装少女らは跡形もなく骸の海へと還ったのは言うまでもない。

「心なしか兵隊の再補充数が減った気がするっスね。さっきの爆撃でUDC召喚装置にダメージが入ったのなら、大出費に見合った戦果っスよ!」
 何はともあれ、ここまで混迷極める爆撃の嵐となれば煙幕手榴弾を無理に使う必要がないかもしれない。そして、更にジェノサイドコマンダーを追い詰めるべく、紗良は手勢の獣人兵と共に塹壕孔より躍り出ると携えたフルオートショットガン『JAK-12』の引き金を絞る。
 散弾故に銃身のみを向ければ、運良く爆撃を逃れた武装少女らを文字通りに蜂の巣とさせながら吹き飛ばす。

「今度やる時はちゃんとした格好でやる事っスね……」
 無惨な姿を晒しながら骸の海へと還って行くスクール水着姿の武装少女を一瞥し、爆炎により灼けて熱を帯びた砂と爆発により生じた鼻を突く残り香で生を実感しながら紗良はJAK-12を再び吼えさせたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

炎武・瑠美
あの水着姿、堂に入っていますね
あれが女王様という方なのですか、初めて見ました!
ですが、例え女王様でも悪い事は許しません!

先程と同様、相手の攻撃は回避を選び被弾を避けつつ戦車隊へと接近します
戦車の装甲は私の素手では流石に破壊は厳しそうですが、UCでの一撃ならなんとかなるかもしれません!
内部を焼き尽くす煉獄の炎で戦車に搭乗する幽霊も倒します
本当は浄化の炎などを使えれば良かったのですが…

他の生身の相手に対しては接近戦を挑んでいきます
もし距離が詰められなさそうなら、闘気を纏わせた衝撃波を放って応戦するとしましょう
衝撃波で吹き飛ばしてしまえれば、相手が体勢を立て直す前に肉薄して格闘攻撃です!


ヴィクトリア・アイニッヒ
セリカ(f00633)と共に

…あぁ、フェチゥム。確かそんな名前、でしたね…(昔を思い返す顔しつつ)
ランブレイで活躍されているデザイナーさんの名前は耳にしたこともありますけれど、そんな変な物を?
躯の海を介して、何かしらの汚染を受けている可能性が…?

って。さっきのドローンといい、またそんな事を…
本当にこの娘は、奔放が過ぎて。困ってしまいますね、全く
まぁそれすら愛らしいと思うのは、同じ師に学んだ縁ゆえなのでしょうけれど

…あぁ。包囲がどうの、でしたか
でしたら、【神威の光剣Ⅱ】にて状況を逆転させましょう
敵を光剣にて逆包囲し、こちらに砲火を向けさせる余裕を奪います
雑兵は私が抑えます。セリカ、出番ですよ!


セフィリカ・ランブレイ
【リリア(f00408)】と行くよ!

邪神ミ=ズーギ・フェチウムかぁ…全てに納得する名前
そういやリリア、ランブレイ最高のデザイナーの名前もそれに近くてミーズ=ギィなんだよ
服飾を極め最終的に美しい水着デザインに目覚めたの
基本キレイでもたまにヤバい水着結界レベル出してくるの油断ならんのよね

与太話は置いといて、今の私は止められないよ
いい感じのデザインの水着で動きやすいし、何よりリリアがえっちな水着!かわいい!!
故に私のやる気は天井知らず!!
『セリカ割とそういう所奴よね。思い込みでどうにかなるの』

えへへシェル姉ったら褒めないでよ!
【魔人姫】にて、こちらに向かってくる奴ら相手に絶好調の動きを見せるよ



「……あぁ、フェチゥム。確かそんな名前、でしたね……」
 邪神の名を聞いたヴィクトリアが遠い目で過去の水着邪神案件を思い出すのも無理はない。
 片や水着泥棒、片やサバ。
 水着邪神とその権能を宿した邪神は今思えば多種多様で、発音は若干違えど同じ名を冠した水着邪神が居た覚えがある。
 尤も、その水着邪神が起こした事件もトンチキ極まって頭が痛くなるものだったが。

「邪神ミ=ズーギ・フェチウムかぁ……全てに納得する名前。そういやリリア、ランブレイ最高のデザイナーの名前もそれに近くてミーズ=ギィなんだよ」
 |亡霊部隊《ファントム・バタリオン》の本丸に乗り込んだ矢先、歓迎の砲撃から逃れるために海岸の岩場へと一時撤退していたセフィリカとヴィクトリア。
 砲撃特有の風切り音が収まり、その代わりとして爆撃音と亡霊部隊指揮官であるジェノサイドコマンダーの悲鳴が轟き響けば戦況は好転したのだと察し合う。息を殺すように豊満な身体をヴィクトリアと寄せ付けあって緩みきった顔のセフィリカであったが、余裕が生まれるとふとそんな思い出話をぽつり零した。

「服飾を極め最終的に美しい水着デザインに目覚めたの。基本キレイでもたまにヤバい水着結界レベル出してくるの油断ならんのよね」
「ランブレイで活躍されているデザイナーさんの名前は耳にしたこともありますけれど、そんな変な物を?」
 もしや、躯の海を介して何かしらの汚染を受けている可能性が……?
 骸の海が各世界を繋いでいることはこの獣人戦線が証明している。
 ともなれば、水着邪神もまたアックス&ウィザーズに顕現する可能性は無きにしも非ずである。
 まぁ、際どい服を着る者が多いエルフなのだから、そういう攻めたデザインが好まれるものだと言えばそれまでなのだが。

「あ、偵察に出したドローンが撮影した映像が出たね。別のドローンが攻撃して敵の司令官は死に物狂いで逃げ回ってるみたいだよ」
「って。さっきのドローンといい、またそんな事を……本当にこの娘は、奔放が過ぎて。困ってしまいますね、全く。まぁそれすら愛らしいと思うのは、同じ師に学んだ縁ゆえなのでしょうけれど」
(そうやってすぐ甘やかすから……と言わないほうが今はいいかもねぇ)
 剣の姿のままである魔剣シェルファはそのように物申しようかと考えたが、胸の中に閉まっておくのが最善という場合もある。
 何せ以前の水着結界案件でもマイクロビキニ姿となったが、グリモア猟兵として後方要員として前線に出れなかったヴィクトリアがこうして同じ水着で前線に出ているのだ。
 姉代わりとしてセリカの成長を見届けていた身としては諌言を申すべきだろうが、こうも和気あいあいとはしゃいでいる様子を見れば水を差すのは野暮でもあろう。

『仲が良いのは結構だけど、そろそろ私たちも反撃に転じましょう』
 しかし、言うべきことは言う。
 はぁいと膨れるセフィリカの顔に思わず笑みを浮かべたヴィクトリアであったが、騎士として邪神を討つ決意を秘めた凛々しき顔に戻るのは一瞬のことであった。

『くそっ! 一体私が何をしたというのだ!?』
 自分を標的とした自爆ドローンの特攻から命からがらと逃げ回るジェノサイドコマンダーは恨めしそうに叫んだ。
 亡霊部隊の指揮官に任じられる前、汚らわしい|獣人《ブタ》を|処刑《つる》しただけではないか、女子ども10匹ぽっち拷問した末に頭を撃っただけではないか。
 血も涙もない猟兵め!
 まさに因果応報の極みであるとかしか言えない。

「それはもう、救いがないとしか言えませんね」
 息も絶え絶えなジェノサイドコマンダーを逃さまいと、眼帯ビキニ姿の瑠美が拳を構えて退路に立ちはだかる。

「……その水着姿、堂に入っていますね。あれが女王様という方なのですか、初めて見ました!」
『えぇい、バカにしているのか!』
 わざわざおもちゃの兵隊を自らの親衛隊としているジェノサイドコマンダーとしては、可愛らしい水着であればいうのが本音である。
 しかし現実は残酷であり、邪神ミ=ズーギ・フェチウムの水着眼ではあのようなサディズム溢れる獣人の虐殺をするならばコレが似合うだろうと与えられたのが、今身についているSM女王なボンテージ風のスリングショット。
 確かにキャラ性ではそうなのだろうが、ぬいぐるみを抱きしめる乙女心もあるジェノサイドコマンダーとしては全くもって不本意な水着である。
 だが邪神の従えるためにも受け入れない訳にも行かなかったので、全くもって不本意。
 その怒りが、ユーベルコードとなって八つ当たりする。

『全隊、展開せよ!!』
 猟兵を侮れば各超大国の指導者と言えども敗れてしまう。
 その戦訓を胸に、ジェノサイドコマンダーは己の全てを賭する覚悟でユーベルコードを多重展開させる。
 先程のように準備万端な数とは行かないが、戦車隊、銃殺隊、砲兵隊……それに、残存する水着邪神の眷属たち。
 如何に猟兵が生命の埒外たる一騎当千の戦力と言えども、戦いとは数だ。
 しかし、それはひとりの猟兵に対してである。
 猟兵はひとり、ふたりと増えれば、そんな戦術戦略もや容易く蹂躙される。

「──主の威光よ、悪意を斬り裂き給え!」
 遥か後方よりマイクロビキニ姿のヴィクトリアが自らのユーベルコードで顕現させた太陽神の威光を具現化した光剣が、展開されたばかりの砲兵隊と野戦砲を目掛けて太陽の日差しに変わって降り注がれる。
 ジェノサイドコマンダーは苦虫を噛み潰した顔で何が起きたのかと事態の把握をしようとしたが、ヴィクトリアの支援を受けたセフィリカが立て続けに銃殺隊である水着邪神の眷属である武装少女に斬り込む。

「今の私は止められないよ。いい感じのデザインの水着で動きやすいし、何よりリリアがえっちな水着! かわいい!! 故に私のやる気は天井知らず!!」
『セリカ、割とそういう所あるよね。思い込みでどうにかなるの』
「えへへ、シェル姉ったら褒めないでよ! もう!」
 スポーティなモノキニ姿のセフィリカはユーベルコード『魔人姫』により、|魔剣《シェルファ》の魔力と完全同調して果敢に邪神の眷属を斬り裂く。
 だが、シェルファは解かる。
 この並ならぬやる気は今もドローンで盗撮しているマイクロビキニ姿のヴィクトリアを後で鑑賞するためのもの。先程は人間の水着姿には興味のない獣人とはいえ、視線を受ければ動きが鈍っていた。
 鈍っていたが、今はそれほど視線が向けられていない。
 つまり、より激しい動きでマイクロビキニで支えられ豊満な双丘を弾ませている。
 そんな期待感からやる気に満ちているのだろうが、やる気になっているならそれで良いわよねと、やや邪さが感じられる魔力にシェルファは深い溜め息を吐きながらも魔剣としての力を十二分に発揮させる。

『く、くそぉ……! 戦車隊、蹂躙せよ!!』
 残す戦力は処刑した獣人兵の亡霊を車体上に載せた戦車隊のみ。
 ジェノサイドコマンダーの命令を受けた戦車は、低いエンジン音を唸らせながらキャタピラで瑠美を轢き潰そうと突撃してくる。

「この程度、我が家極意の秘拳で……!」
 本来ならば避けるはずと小銃を構えて狙っていた獣人兵の亡霊だったが、その目論見は戦車に向かって走ってくる瑠美の姿に意表を突かれる形となった。
 戦車を操縦する戦車兵も同じ認識であったため、慌てて砲や車載機銃の発射スイッチに手を掛けるが時既に遅し。
 撃たれた戦車砲に砂地に弾着痕を疾走らせる機銃を飛び越え、蒼き炎を纏った拳……『炎武式・煉獄拳』が砲塔部分を狙って繰り出された。
 瑠美としては素手で戦車の装甲を破壊できる自信がなかったが、戦車とは内部に砲弾や銃弾を大量に搭載しているという知識はある。ならばと、拳を伝播して戦車の内部へと伝わった煉獄の炎が乗員である獣人兵の亡霊のみならず弾薬も呑み込んでいく。
 殴った際に残った片方の手で宙返りして戦車を飛び越えた瑠美が着地すれば、煉獄の炎が弾薬に引火したことによって砲塔部分が吹き飛ぶほどの爆発が起こる。
 そして瑠美が背中より伝わる炎上する戦車の熱を感じながら顔を上げれば、眼の前には何が起きたのだと信じられない顔をしたジェノサイドコマンダーの姿があった。

「例え女王様でも悪い事は許しません! 天誅!!」
 闘気を纏わせた瑠美が低い体勢のまま跳ぶようにこちらへ飛び掛かってくるのに気づいたジェノサイドコマンダーは、反射的に自分の身を守ろうと手に持っていたUDC召喚装置を盾としてしまう。戦車ほどではないが、超大国の科学力により頑丈な造りとなっているからであり、実際に瑠美の拳を受けて完全に破壊されない耐久性を実証する。
 しかしながら、拳より伝わる衝撃波がUDC召喚装置を通り抜けてジェノサイドコマンダーの胸部に衝撃を与え、さながら本当に殴られたかのような痛みと苦しみを受けた彼女は再び砂浜に惨めな姿を晒すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

クロエ・アスティン
うぅ、アリス様(f24161)お労しいであります……。
ほんのちょっと、アリス様の水着や敵みたいな水着じゃなくて安心してしまったであります。

大盾を構え、アリス様の召喚した人形にカバーされつつ一気に接近です!
戦車隊への牽制のために戦槌を投げつけてしまって無手ですが、まだまだやれることはあります。
【戦乙女の聖なる右手】を発動し右手に女神様のお力を宿して、その邪な力を吹き飛ばすであります!

やったであります。邪神の力の一部を打ち消せた手ごたえありです。
って、アリス様!? ひ、ひん剥いたりなんてしないでありますよ!?

※アドリブや連携も歓迎


アリス・クイン
クロエ(f19295)と一緒に全速前進よ!

ずいぶんカッコいい水着じゃない?
そんな水着で八つ当たりだなんて程度が知れると言ったところね!
アタシなんて貝殻ビキニなんだけど?

頭の血管を隠すことなく、八つ当たりパワー全開で手にした復讐ノートに恨みつらみを書き綴れば、わさわさと復讐の怨念人形が出現して、一斉に敵へと突撃!
怨念人形たちは、弾幕からクロエをかばって犠牲になりつつ、敵へ確実にクロエをとどけるって寸法よ!
さぁクロエ、いっしょに恥ずかしい水着を着せられた恨みを晴らすのよ!なんならひん剥いてやってもいいわ!!

クロエの水着は恥ずかしくない?ならクロエをひん剥いて…(じー)

※アドリブ・連携も歓迎


小鬼英勇・ゴブリンヒーロー
「いつも水着型鎧着てるしなぁ……」

「大隊がなんだ!こっちは軍団だ!!」
『うおおーっ!!』
「スク水少女大量ゲットのチャンスだっ!なるべく殺さず捕えろ!小鬼軍団、出撃ー!!」
『勇者様に続けーっ!!』

小鬼軍団を大軍指揮し、召喚術で呼び出した剣や槍や弓や杖等で武装させるぞ!
理不尽なまでに硬い聖体と、頑丈な聖盾で敵の攻撃を防ぎながら仲間達と共に突撃する!
仲間が負傷してきたら、ヒーローズマントでヒーローパワーを増幅し、勇者の剣からユーベルコード「ブレイブソード」を放って敵軍を一掃する!
すかさず聖盾から癒しの力を放ち、仲間を回復!

倒したスク水少女は片っ端から捕らえて|ゴブリン軍団の捕虜に《お持ち帰り》する!



『ウゴゴゴ……我ヲ盾ニスルトハ……何タル不敬……!』
『ああ! ミ=ズーギ・フェチウム様! これはその、咄嗟にでありまして……!』
 猟兵から繰り出された必殺の一撃から逃れるべく、思わずジェノサイドコマンダーは水着邪神が憑依しているUDC召喚装置を盾とした。
 完全なる破壊には至らぬにしろ、装置を伝って伝播した衝撃波でジェノサイドコマンダーは飛ばされてしまし、野外での使用を前提とした軍用品らしく耐久性にも秀でたUDC召喚装置も不調を来たす。そうすれば水着結界に綻びが生じてしまい、結界内で無尽蔵に召喚されていたスクール水着姿の武装少女らは存在を維持することが出来なくなって、ひとり、またひとりと消え始めていく。

「ふん! ずいぶんカッコいい水着じゃない癖に、八つ当たりの次は仲間割れだなんて程度が知れると言ったところね! アタシなんて貝殻ビキニなんだけど?」
「アリス様……大盾と自分に隠れず、堂々と姿を見せて言うべきなのでは……」
 ジェノサイドコマンダーが繰り出した戦車隊に牽制すべくクロエは戦槌を投げつけ、小柄なドワーフひとり分をすっぽり多い隠すほどの大きさであり戦女神の大盾で軍勢を突破した。時折降ってくる砲弾の破片や砂礫は大盾を持ち上げることで炸裂音にビビりながら離れようとしないアリスと共に突破した次第である。
 まぁ、そろそろ花の18歳になる齢にも関わらず肋骨が浮き出る程度に貧相な身体付きでほぼ平らな胸では、豊満な胸を包むべく湾曲したホタテ状の貝殻ビキニがスカスカと揺れている惨め以外の何物でもない様を誰かに見られたくない乙女心は分かるのであるが。

(うぅ、アリス様お労しいであります……。ほんのちょっと、アリス様の水着や敵みたいな水着じゃなくて安心してしまったでありますが)
 片や邪神の神官が身につけていそうなSMチックのスリングショット、片やトップスのみの貝殻ビキニ。クロエ自身も幼女体系ではあまり似合わなそうな三角ビキニではあるが、オーバーオールのようなサロペットがそれを上手く隠している。
 アリスのようにロクでない水着を自身も引いたとしたら、たぶん彼女同様に大盾で恥ずかしい水着姿を隠していた頃だろう。故にクロエはアリスのような水着姿にならなかったことは喜ばしい限りであったが、彼女のことを考えると口が裂けても到底言えるものではない。

『ミ=ズーギ・フェチウム様の力が喪われつつある今、新たな召喚は出来ない……が! 私にはまだ兵がある! 行け、我が精鋭よ!!』
 こうも距離を詰められば戦車隊や砲兵隊の砲撃に自らも巻き込まれてしまう。
 であれば、最終手段で今まで温存していたおもちゃの兵隊が頼りになる。

「それならこっちも復讐の怨念人形で対抗するだけよ!」
 クロエが構えている大盾から血管が浮かび上がる頭のみを出している中、手にした復讐ノートに八つ当たりパワー全開でガリガリと水着邪神に対する怨みつらみを書き綴る。
 そうしてユーベルコードの輝きと共に怨念人形が現れ、おもちゃの兵隊と激突する!

「……気のせいであるかもでありますが、なんだか癒やされる光景であります」
 ぬいぐるみと殺戮人形はぽかぽかと叩き合っているようにクロエは見えるが、ジェノサイドコマンダーとアリスは本気で互いを罵り合いながら仁義なき戦いを繰り広げている。
『行け、そこだ!』
「あんたら、負けたら承知しないわよ!」
 ジェノサイドコマンダーは無防備同然であり、今此処で大盾を投げ捨てて戦乙女の聖なる右手を与えれば倒せるかもしれない。

(でもでありますが……そうしたらアリス様の後が恐いであります)
 今までの経験上、アリスの八つ当たりが自分に向けられる。
 そうなれば、今着ているサロペットを脱がされて三角ビキニ姿を晒されるに違いない。
「ふっふっふ……良い根性してるじゃないの、クロエ。一緒に恥ずかしい水着を着せられってのに、アンタだけ上着を着ているのは不公平よねぇ? なんならひん剥いてやってもいいわ!!」
(……という風になるであります)
 猟兵としての使命を全うすべきか、それとも保身に徹するべきか。
 クロエの頭で天使と悪魔が囁き合う中、一向に勝負がつかないことに業を煮やしたジェノサイドコマンダーが先に動いた。

『ええい、まどろこしい! なら、最後の召喚となろう武装少女でカタを付けてやる!』
「って、卑怯じゃない! このことも復習ノートに書いてやるわ!」
「アリス様、書いている暇じゃないでありますよ!?」
 大人気なくムキになったジェノサイドコマンダーが手にした壊れかかったUDC召喚装置が駆動し、少数の武装少女が召喚される。
 手には銃剣が着剣された自動小銃が握られており、白兵戦で一気にカタを付けて戦略的撤退をする腹づもりなのだろう。
 万事休すといったところだが、その時背後から鬨の声が聞こえた。
 獣人や人間の物ではなく、クロエにとって忌々しいトラウマを呼び起こす|あの声が《・・・・》。

「スク水少女大量ゲットのチャンスだっ! なるべく殺さず捕えろ! 小鬼軍団、出撃ー!!」
『うおおーっ!!』
『勇者様に続けーっ!!』
『ゴブゴブゴブー! 略奪だぁ! |捕虜《お持ち帰り》だぁ!!』
 |小鬼《ゴブリン》の小鬼英勇・ゴブリンヒーロー(小鬼の勇者・f43316)に率いられた様々な水着を着た|小鬼軍団《ゴブリンレギオン》であった。
 水着結界の影響により、先頭で局部を申し訳程度に隠すハートのニップレスとIバックショーツという別の意味での女勇者なゴブリンヒーローが剣を掲げ、英勇によって指揮されるのは紛れもなきゴブリン。
 彼女と彼らはエンドブレイカー世界のバルバであるが、広義ではゴブリンと呼ばれる亜人らである。猟兵として覚醒したゴブリンヒーローは、本来正邪善悪観念を持たぬゴブリンにとって正しく生命の埒外たる存在である。
 だが、正義と人々の為にのみ力を行使し、愛と勇気で敵に反逆するゴブリンヒーローはゴブリンとしての矜持を完全に捨てたという訳では無い。

「ひぃいいい!? ゴブリンでありますぅ!!」
 それは繁殖。
 可愛いお嫁さん沢山|貰《さら》って目指せ子孫繁栄!
 ゴブリンとはどの世界でも早熟な種族であり、ゴブリンヒーローのような年端の行かない年齢でも生殖可能なものである。
 そして、クロエにとってゴブリンは、山賊や上位種でもあろうオークと同様にロクでもないトラウマがある。彼女の名誉のため詳細は省くが、思い出したくもないアレコレがフラッシュバックして記憶が鮮明に蘇ればパニックを引き起こしてしまおう。

「ちょっとクロエ! 何処に行くのよ!?」
 ゴブリンたちはさながら漁夫の利を得ようとおもちゃの兵隊と激突する中、ゴブリンヒーローが勇者の剣を振るって一網打尽としていく。
 明らかに味方であるが、クロエにとってゴブリンはゴブリン。
 アリスの静止を振りほどくと、何もかもがゴブリンに見えてしまう狂乱の中クロエはジェノサイドコマンダーの元へ走り出す。
 記憶から蘇るイマジナリーゴブリンから逃れようと、彼女は幻覚のゴブリンを払おうと戦乙女の聖なる右手をがむしゃらに振るった!

『な、何をするきさmぐわーっ!?』
 そして綺麗に決まるクリーンヒット。
 護る者が居ないジェノサイドコマンダーの身体が宙を舞い、砂浜にもんどり打てば塵となって骸の海へと還っていく。
 それと同時に機密保持の安全装置が働いたUDC召喚装置は、ジェノサイドコマンダーの生命活動が停止したのに合わせて自動的に爆破四散!
 装置に降臨していた水着邪神ミ=ズーギ・フェチウムもまた骸の海へと還って行き、眷属である武装少女たちも塵となって次々に消えていく。
 だが、水着結界は完全に消失したという訳でなく、この場に居る者すべてはまだ水着姿のまま。とは言え、時間が経てば徐々に元の姿に戻れるのは過去の水着邪神案件でも共通なので、追々と元の姿に戻ろう。

「ちぇ、今回もハズレだったわね」
 アリスは己に掛かった水着邪神のマイクロビキニな呪いを解くべく、水着邪神ハンターとして今回の水着邪神案件に参加した。
 まだ貝殻ビキニ姿だが、実感として今回も呪いが解かれた気はしない。
 いずれそのうち、きっと呪いが消える時が来る。
 その時はマイクロビキニ以外で毎年開かれる水着コンテストに参加したいという細やかな願いを胸に、まだ叫びながら海へと向かうクロエを覆うとした時……聞こえてはならない言葉が彼女の耳に入ってくる。

『どうします、勇者様! スク水は残らず消えてしまいました!!』
『このままじゃオラ、お嫁さんが貰えねぇだよ!』
「仕方ないな……かくなる上は……」
 あ、こっちを見た。
 ゴブリンたちと目を合わせないよう、気づいてない素振りでアリスは歩き出す。

「クロエ、待ちなさい! アンタだけ逃げさせないわよ!!」
 自分が捕えられるのなら、ひとりでも道連れとするのがアリスの性格。
 遠くまで行こうとするアリスを捕まるべく、クロエは死に物狂いで戦火の跡が生々しく刻まれた入江の砂浜を全力で走るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年07月10日


挿絵イラスト