9
竜都のジューンブライド

#ゴッドゲームオンライン

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ゴッドゲームオンライン


0




●イベントクエスト『竜の都の婚礼祭』
 竜都・デューゴルン。
 北方に属する、竜を崇める宗教国家だ。
 此の地では毎年六月に『婚礼祭』と呼ばれる大規模な催しが行われる。

 もっとも、実際に誰かの婚儀が行われるわけではない。
 花嫁衣装に身を包んだ娘らが、同じく身なりを整えた青年らに付き添われ、国家近くに聳える竜の塔を訪れ。
 其処に住まう竜に祝福を授けて貰う。
 ここまでが一連の流れ。
 人と竜との縁が末永く良い形で続くことを願い、古くから行われてきた催しなのだという。

 GGOにおいては、季節イベントクエストの一つとしてプレイヤー達に親しまれている。
 ウェディングドレスに身を包んで花嫁を、またはタキシードを纏って護衛を演じつつ、竜の塔までの道のりを楽しむ。
 NPCとの会話のみで進行するタイプのイベントながら、クエストを機にゲーム内で結ばれる者達もそれなりにいるのだとか何とか。
 しかし――。

●バグプロトコルは空気を読まない
「今年のクエストはバグプロトコルに支配されてしまいました。誠に遺憾でございます」
 淡々と。それでいて溜息混じりに。
 ユーリカ・スペクター(f41790)は猟兵達に緊急事態の発生を告げた。
 一般プレイヤーに危険が及ぶ可能性がある以上、放置するわけにはいかない。
「支配されたクエストに挑戦し、あるべき形を取り戻していただけますと幸いです。報酬は出現したバグプロトコルより得られるトリリオン。そして、イベントアイテムの婚礼衣装でございます。衣装は転移直後に配布させていただきますね」
 何故、報酬の一部が前払いとなるのか。
 それは、衣装がバグプロトコルとの戦いの助けとなるからだ。

 此度のバグプロトコル掃討作戦は、大きく分けて二段階。
 竜の塔までの道中にイレギュラーとして出現する雑魚戦と、竜の塔を乗っ取ったボス戦だ。
 いずれの戦いにおいても、婚礼衣装を装備することでイベント特効――全ステータス大幅強化の恩恵が与えられる。
 身に付けない手はないといっていいだろう。
「デザインの希望等あれば、可能な限り反映させていただきますね。しかし……装備を以てしても、ボス戦は少々手こずるやもしれません」
 ボス戦エリアには大規模な『|終末機構群《エンドコンテンツギミック》』が仕掛けられており、強力な効果を一定のタイミングで発生させてくるからだ。
 その効果とは。
「状態異常『花嫁』でございます」
 何ですと?

 ☆☆☆☆☆

 状態異常『花嫁』
 花嫁に相応しいロールプレイを怠ると、全ステータスが1となる。

 ☆☆☆☆☆

「つまるところ、皆様の普段の振る舞いをかなぐり捨てて、花嫁に相応しいロールプレイを行いつつボスと戦わねばなりません」
 なお、ロールプレイの判定はかなり緩いとはユーリカ談。
 夫の後ろを三歩離れて付いて行く花嫁から、筋肉こそパワーな花嫁まで。
 およそ、キャラが立ってさえいれば何だって構わないようだ。
「なお、状態異常はボスにも適用されます。上手く化けの皮を剥がしてやれば、戦闘を優位に進められるやもしれませんね」

 首尾よくボスを倒し、竜都の教皇に謁見すればクエストコンプリートだ。
「教皇は皆様に求めるでしょう。『誓いの言葉』を。大切な人、守りたいもの、目指す目標。対象も、内容も問いません。どうぞ、あなた方の誓いを新たにする機会とお考えください」
 元々、このクエストは人と竜との間の願いを――誓いを形にした催しだ。
 個々の想いを再確認する機会として、相応しき場といえるだろう。
「それでは皆様、ご武運を。戦いこそございますが、どうぞ此の世界をお楽しみください」


藤影有
 お世話になっております。藤影有です。
 だいたいネタシナリオです。

 第一章【集団戦】、第二章【ボス戦】、第三章【日常パート】です。

●婚礼衣装について
 ウェディングドレスかタキシードを選べます。性別による縛りはありません。
 細かなデザイン等の希望があれば、プレイングに記載してください。
(アイテムの自動発行はありません)

●ボス戦について
 状態異常『花嫁』が付与されます。
 花嫁に相応しいロールプレイを怠ると、全ステータスが1となり不利となります。
 皆様が想像する花嫁らしい言動・行動を心掛けて戦闘を行ってください。

 また、この状態異常はボスにも付与されます。
 ボスの精神に揺さぶりをかける等で化けの皮を剥がすことで、敵ステータスの大幅な低下を狙えるやもしれません。

●日常パートについて
 都に戻ってのクエスト完了報告です。
 教皇を前に『誓いの言葉』を述べることでコンプリートとなります。

 誓いの内容は問いません。
 各々の決意を新たにするもよし、本当に愛を誓ってしまうもよし。
 ご自由に遊んでいただけますと幸いです。

●プレイングについて
 各章とも断章投下と同時に受付開始します。
 以降の受付開始・〆切予定等はMSページやタグをご確認いただけますと幸いです。

 それでは、どうぞよろしくお願い致します。
94




第1章 集団戦 『イケメンナイトラビット』

POW   :    スキルクロス・リユニオン
【双剣使い】と【プリンス力】を組み合わせた独自の技能「【華麗なる双剣術】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。
SPD   :    クレセント・スラッシャー
速度マッハ5.0以上の【飛ぶ斬撃(キラキラエフェクト付き)】で攻撃する。軌跡にはしばらく【三日月型の衝撃波】が残り、追撃や足場代わりに利用できる。
WIZ   :    フルムーンブレイク
偽物の【満月】を創造し、戦場上空に浮かべることで、【カッコよくなった顔とセリフと双剣】による連続攻撃能力と超再生能力を得る。

イラスト:うぶき

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●バウムクーヘンでも食ってろ
 現在地、高地デューゴニア。
 猟兵達は森を行く。遠目に見える、石造りと思しき竜の塔を目指して。

 風の音、揺れる花、鳥の声。
 本来ならば何事もなく、旅路を楽しめるはずなのだが。

『ちょっと、君! 待ってよ! そんな綺麗な衣装着ちゃってさ!』

 バグプロトコルは空気を読めない。

『まったく、君って人は! 俺だけを愛してるって――』

 兎の獣人だった。
 イケメンだった。
 しかし、めちゃくちゃ面倒くさそうな男だった。

『『『――そう言ってくれたよね!?』』』

 しかも、何かいっぱいいた。
 だが、イベントアイテムの婚礼衣装を纏っていれば、猟兵の敵ではないはずだ。
 適当に蹴散らしてしまおう。
フェリキタス・サピエンチア
アドリブ連携OK

「非戦闘イベントにまで出張ってくるのは止めて欲しいですねぇ……」
(ぼやきながら、配布して貰った婚礼衣装を装備する)
(婚礼衣装:ドレスのような長い裾のタキシード。タキシードドレスとか呼ばれるもの)


双剣による攻撃は「ランパート」に庇ってもらいながら(かばう,護衛)、フェルシニを召喚して嗾け、凍りつかせて行動不能に追い込んでいきましょう。
再生能力があっても、外傷なく動けなくなれば如何にも出来ないでしょう?身体能力が強化される訳でもないようですし。
あと、どれだけ顔が良くなろうと此方はゲーム管理側なもので……特になんとも思いませんね。


「しつこい男は嫌われますよ」




 状況を聴いて、フェリキタス・サピエンチア(f42366)は深い溜息をついた。
「非戦闘イベントにまで出張ってくるのは止めて欲しいですねぇ……」
 現場に降り立つと同時、彼の装備は自動的にイベント報酬のそれに置き換わってゆく。
 タキシードドレス――ドレスのような長い裾を持つタキシードは、長身で瀟洒な雰囲気を持つフェリキタスによく似合う。
 そう、似合っていたせいもあったのだろう。
『君は……』
『なんと、美しい!!』
『ねえ、良かったら俺と一緒に』
 わらわらわら。
 バグプロトコルが集まって、フェリキタスを口説き始めたではないか。
 おそらくこのラビット、性別関係なく惚れるタイプだ。
「しつこい男は嫌われますよ」
 柔和な表情は崩さぬよう、努めて穏やかな調子で言葉を紡ぐ。
 されど、そんな男の心をバグプロトコルはまるで解さない。
『そんな……!』
『こうなったら!!』
『ああ、力づくでも!』
 【 フルムーンブレイク】発動。
 バグプロトコルが生み出した偽物の満月が空に浮かべば。
『『『さあ、俺のものになるんだ!!!』』』
 よりイケメン度を増した(?)バグプロトコルどもが、双剣を構えてフェリキタスに迫る。
 このまま食われてしまうのか――否。
「ランパード、防御を。……定義。其のもの、氷の翅もて敵を追う群なり」
 【|存在定義:氷翅蜂《コール・フェルシニ》】発動。
 フェリキタスは召喚術を得手とする。
 此度、招来するは|堅護の騎士《ランパート》と|氷翅蜂《フェルシニ》。
 それぞれを盾と剣として、バグプロトコルに立ち向かう。
「征け。そして凍てつかせん」
 ペン型の呪具をくるりと回せば、宙に描いた魔法陣から次々と氷翅蜂が出で、敵に突進してゆき。
『なっ、俺の身体が』
『氷に……くっ、君に触れられないなんt』
 冷気によって行動不能に追い込んでゆく。
 難を逃れた敵個体もいるにはいたものの。
『厄介な! こうなれば……狙うは君だ!』
 その剣戟は堅護の騎士に阻まれ、押し返され、氷翅蜂に捕捉され。
『何と無念な……美しき君に触れられn』
 敢え無く氷の彫像のひとつと化したのであった。
「どれだけ顔が良かろうと……何とも思いませんね」
 相手はバグプロトコルだし。フェリキタス自身は運営側――NPCだし。
 彫像の数々を一瞥し、男は本日幾度目かの溜息をついた。
 ふと空を仰げば、すっかり夏めいてきた様子の空。
 仮初の世界、仮初の風景――仮初の魂。
 猟兵への覚醒を機に、とっくに気付いてはいるけれど。
 嗚呼、それでも。資料室の外の景色も悪くない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ロッタ・シエルト
婚礼祭…
そんな素敵なイベントを乗っ取るなんて
本当にオブリビオンは無粋なことするわね
一般の人が危ない目に遭う前にやっつけなくちゃ

特効があるなら限定装備を着ない手は無いわね
ふわふわのロングドレスと、ベールを着けて…
ハンマー花嫁さん完成っ
クエストエリアに出陣するわ!

兎の、獣人…
どうしていっぱいいるのかしら
よく分からないけど
全部ぶっ飛ばせばいいわよね

獣人達が集まってる中に飛び込んで行って
すかさずハンマーホームランで攻撃
どっか飛んでっちゃって!
双剣の動きには注意
おかしな挙動が見えたら
ハンマーで叩いて黙らせるわ

周りの敵が少なくなったら
また集まってるところに移動して
UC再使用
辺りが静かになるまで繰り返すわね




『『『ああっ! 何て愛らしいんだ!!』』』
「……どうしていっぱいいるのかしら」
 ロッタ・シエルト(f38960)の疑問はごもっともである。
 強いて答えを挙げるとすれば、“この世界はゲームだから”“雑魚キャラとして設定されたバグプロトコルだから”であろうか。
 だが、兎獣人達が群がって来ている理由は、それだけではないだろう。
『『『俺と結婚してくれないか!!!』』』
 ロッタは今、麗しき花嫁姿なのだから。
 ふわふわのロングドレスにベールを付けて、長柄のハンマーを携えて――。
 え、ハンマー?
「嫌よ」
『『『そんなっ!?』』』
 うんうん、花嫁にハンマーは付き物ですよね!
 だって。
『『『俺の愛を受け止めてくれよ!!』』』
「ああ、もう……よく分からないけど」
 素敵なイベントを我が物顔で乗っ取る無粋な輩を片付ける為に必要だから!
 【ハンマーホームラン】発動。
「全部ぶっ飛ばせばいいわよね!」
 たっと踏み込めば、スカートがひらり風に流れる。
 その煌めきを知覚する間もなく。
『『『ふぐっ!?』』』
 イケメン(?)どもは、ハンマーのスイングを諸に食らって飛んでいき、星になった。
 きらんっと軽い効果音。
 ロッタのステータス画面のトリリオン欄の数値が上昇した!
『俺のものに』
『ならないなら』
『いっそこの手で……!』
 未だ蔓延る敵個体は双剣を構え、【スキルクロス・リユニオン】発動を試みるが。
「させないわっ! どっか飛んでっちゃって!」
『『『ふぎゃあ!!』』』
 哀れ。発動モーションの間にハンマーの一撃を食らい、何も為せずに消えてゆく。
 物理で殴ればだいたいはどうにかなるからね。しょうがないね。
 双剣の動きを警戒しつつ、千切っては投げ――もとい、殴っては飛ばしを繰り返して。

「ふうっ。一先ずは片付いたかしら」
 喧しいバグプロトコルの声は、ようやく止んで静かになった。
 囀る小鳥の声が聴こえる。森に静寂を取り戻してくれた礼を言っているようだった。
(「一般の人は……幸い、今は近くにはいないようね」)
 辺りの様子を確かめてのち、ロッタは竜の塔への道を行く。
 ハンマーと共に、可憐ながらも勇ましく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アステル・サダルスウド
【炎星】
(プロメテとは同じ人形師に作られた関係。自分が後)
(最近打ち解けてきた)

任せてくれたまえ!
何を隠そう、花嫁装束を身に纏うのは2回目
本物の花嫁よりも堂に入った姿をご覧に入れよう!
フリルをあしらったプリンセスラインのドレスで挑むよー
え、何プロメテ、どうして自分もここにいるんだって?
花婿役もいた方が互いの衣装が引き立つじゃあないか!

さあ、何を纏おうとも僕等猟兵の目的は変わらない
まずは敵を倒すって素敵な毛並みのウサチャン!!
わあ、これだけのウサチャンを弄んだ僕ってば悪女…(てれてれ)
でもごめん、君達と一緒にはいられないんだ
だって僕達は、敵同士だから…!
(一筋の涙を流しつつ、星灯りの交響曲発動)


プロメテ・アールステット
【炎星】
(アステルとは同じ人形師に作られた関係。自分が先に作られた)
(最近打ち解けてきた)

必要な装備だというから着たが…(白いタキシード姿で困惑中)
アステル、何故私を呼んだ…え、2回目?花嫁衣裳が?2回目??
引き立つ…成程、確かに観賞用として飾るならばその方がいいか(人形的思考でふむ、と頷き)

猟兵としての役目というならば断る理由もないが…
その、実に戦い辛い相手だな
確かに素晴らしい毛並みだ…もふもふ…

…すまないウサチャン
美しい毛並みを傷つけたくはなかったんだが、私は炎しか使えないんだ(無表情ながらも少しだけ眉毛が下がる)
悪く思わないで欲しい
【ブレイズフレイム】発動
なるべく早めに炎を消してあげよう




「アステル、何故私を呼んだ……」
「何故ってそりゃ、花婿役もいた方が互いの衣装が引き立つじゃあないか!」
 やいのやいの言いながら、プロメテ・アールステット(f12927)とアステル・サダルスウド(f04598)は連れ立って森を行く。
 同じ人形師に作られた、言わばきょうだいたる二人は、常と同じように各々の性別とは逆の服装に身を包んでいた。
 プロメテはぱりっとした白のタキシード。
 アステルはフリルをあしらったプリンセスラインのドレス姿である。
 ミレナリィドールの端正な顔立ちも相まって、二人が並んだ様は芸術的ですらあった。
 ゆえに。
「成程、確かに観賞用として飾るならばその方がいいか」
 プロメテはあっさりとこの状況を呑み込んだ。
「うんうん。僕も花嫁装束は二回目だし、こう、スパイス的なのが欲しかったんだよねー」
「そうか、二回目……二回目?」
 アステルが何やら首を傾げたくなる発言をしたが。
「え、花嫁衣裳が? 二回目??」
 詳細を問いただしている暇は無さそうだ。
「と、プロメテ。見たまえよ」
「……ん、ああ。敵だな。バグプロトコルというのだったか」
 イケメンナイトラビットがあらわれた!
『どうか!』
『俺と!!』
『結婚してくれ!!!』
「「えっ」」

 このバグプロトコル。どうやら年齢性別その他諸々問わないらしい。
『だってそうだろう? 俺と君とは結ばれる運命に以下略』
 延々と続くイケメン(?)ムーブ。
 されどプロメテもアステルも、敵に対して何を問い返すでも無かった。
「ねえ、プロメテ……」
「ああ、間違いない」
「「ウサチャンだ」」
 こっちはこっちで二人の世界に入っていたからである!
『そうとも!』
『俺達!!』
『イケメンナイトラビットさ!!!』
 きらりん☆
 何かそんな効果音が聴こえたような気がした。
 ああ、何ともやりづらい相手だ。
「素敵な毛並みのウサチャン……これだけのウサチャンを弄んだ僕ってば悪女……」
「確かに素晴らしい毛並みだ……もふもふ……」
『ねえちょっと君達聴いてる!!!???』
 やりづらいのは敵も同じであるようだ。
 方やイケメンムーブをかまさずにはいられないバグプロトコル達。
 方やもふもふウサチャンに魅了されたミレナリィドール達。
 そんな奴らがエンカウントしたらどうなるか?
『『『俺だけを見ていてくれよ!!』』』
「でもごめん、君達と一緒にはいられないんだ。だって僕達は、敵同士だから……!」
「……すまないウサチャン。悪く思わないで欲しい!」
 真正面からのユーベルコードのぶつかり合いになる! ――何一つ噛み合ってないのに、よく戦闘に持ち込めたなこの集団。

【フルムーンブレイク】発動。
【スキルクロス・リユニオン】発動。
 偽物の満月が戦場に浮かび、バグプロトコルの能力を増強させ。
 さらには華麗なる双剣術がプロメテとアステルの二人を襲う。
 が。
 そんなことはまるで関係ない。
 何故って? 何やかんやでイベントの一部に過ぎないバグプロトコルが、イベント特効に勝てるわけないじゃない。
【星灯りの交響曲】発動。
【ブレイズフレイム】発動。
「どうか、届いて!」
「美しい毛並みを傷つけたくはなかったんだが……私は炎しか使えないんだ」
 アステルの奏でる演奏が共鳴振動属性のダメージを与え、敵群を粗方吹き飛ばし。
 残敵はプロメテの地獄の炎を以て燃やし尽くして。
 はい、おしまい。
「……」
「……」
 プロメテは無表情ながらも、僅かに眉を下げていた。
 アステルは一筋の涙を流し、ハープを兼ねた弓矢の弦を爪弾き始めた。
 静寂を取り戻した森に響くは鎮魂歌――。

 ――エンディングまで泣くには早い。これ、まだ一章だよ!?

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『竜殺しの女神『スカディ・シグルズ』』

POW   :    その異名は英雄
全身を【黄金のオーラ】で覆い、自身の【相手の強さとシナリオ進行上の都合】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    その異名は竜殺し
かつて喰らった「【竜】」の魂を纏い、2倍ダメージ・2回攻撃・自動反撃を有した【バルムンク(通常装備の名剣グラムが変化)】を装備する。
WIZ   :    その異名は雪山の女神
【どんな地形も走破可能なスノーモービル】を召喚する。騎乗すると【凍結効果が付与されたボウガンを使える】状態となり、【冷気】属性とレベル×5km/hの移動力を得る。

イラスト:甘木華

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠マルゲリータ・カベルネです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●みんな花嫁。ずっとずっと花嫁
 聳えるは石造りの旧き塔。
 人の為の建物よりも随分と大きく、覗き込んだエントランスは広く。
 竜――人非ざる者の、神聖な気配を感じ取れる。
 本来ならば、此処が祝福の儀の場であるはずなのだが。

 世界が、塗り替わる。

【Emergency Emergency Emergency】
 
 深刻なエラーが発生しました。

 イレギュラーが出現しました。
 
【Emergency Emergency Emergency】

 それはほんの一瞬の出来事。
 森も、塔も掻き消えて。辺り一面がハニカム構造の青い世界へと書き変わる。
 そして猟兵達の目の前に奴が――此度のボスがいた。
『お初にお目にかかります。竜殺しの女神『スカディ・シグルズ』と申します』

 楚々と、粛々と。ご挨拶。
 空いた片手でのカーテシー。
 そう、もう戦いは始まっている。

【Status】
 状態異常『花嫁』
 花嫁に相応しいロールプレイを怠ると、全ステータスが1となる。

 猟兵達にもバグプロトコルにも、既に状態異常が付与されている!
『では、早々ですがさようなら。……人と竜とに、断絶を』

 戦わなくてはならない。勝たなくてはならない。
 たとえ架空の世界であれど、其の地で紡がれし想いを守る為。
 ――花嫁たる者として!!
ロッタ・シエルト
引き続き限定装備着用
ご挨拶頂いたからには
きちんとお返ししないとね
こちらも片手でカーテンシー
わたしはロッタ
病める時も健やかなる時も
全てをハンマーで解決し
旦那様を守ると誓いし花嫁
未来の旦那様を守るため
ぼっこぼこにさせて頂くわ!

接近してミリオンスタンプ使用
確実に一撃一撃を当てる事を優先するわね
黄金のオーラが出たら攻撃しつつ声掛け
あなたそんな能力で花嫁だなんて言うつもり?
シナリオの都合で強くなるなんて
全然っ花嫁らしくないわ!
花嫁は旦那様を守るためにいるのよ
あなた本当に旦那様を愛してるの?
わたしは旦那様と旦那様の愛する世界のために
全部をハンマーで解決するわ!
あなたが強くなっても
空を飛んでも
絶対負けない!




 挨拶には確りと返礼を。
 ロッタもまた、片手でカーテシー。
 そして、名乗りを挙げる――花嫁たる者として。
「わたしはロッタ。病める時も健やかなる時も全てをハンマーで解決し、旦那様を守ると誓いし花嫁」
 スカディ・シグルズは何も言わない。
 【その異名は英雄】発動。
 答えは、纏いし黄金のオーラを以てして。
「未来の旦那様を守るため、ぼっこぼこにさせて頂くわ!」
 ステータス減少は起こらず、イベント特効も適用されたまま。
 ロッタは|神々《システム》に花嫁と認められたのだ。
 何も恐れることはない。
 宣言通り、世界に仇なすバグプロトコルをぼっこぼこにしてやるのみだ!

 迷いなく、真っ直ぐに。
 ロッタはハンマーを携え、敵に接近を試みる。
 そして手始めに腹部を狙って横に薙ぐ、が。
「なっ!」
『花嫁たるもの、強くあらねばなりません。定められたシナリオ通り、私が勝たせていただきますゆえ』
 ふわりと空に舞い上がって躱したスカディは涼しい顔。
 ――己が一言が、ロッタの髪に隠れた額にぴきりと青筋を浮かべさせたことにも気付かずに。
「あなたそんな能力で花嫁だなんて言うつもり?」
 ロッタの声のトーンがやや低くなった。
『……はい?』
「シナリオの都合で強くなるなんて、全然っ花嫁らしくないわ! それに、断絶? 何かそんなことを言っていたわよね? あなた本当に旦那様を愛してるの?」
 淑やかな花嫁たるロッタ。だが実は彼女には、見た目からは測れぬ秘密があった。
 キレると|スイッチが入る《ごろつきと化す》のである。
 もっとも、今回はまだまだ序の口。口調が崩れていない辺りは流石、花嫁の資質を持つ者と言っていい。
「わたしは旦那様と旦那様の愛する世界のために、全部をハンマーで解決するわ!」
『ふふ、何を言うかと思えば。このシナリオは――』
 はい、イベントシナリオです。
『……あ』
 それも今回は特効装備が配布されるタイプのイベントシナリオです。
 と、いうわけで。
「あなたが強くなっても、空を飛んでも、未来を壊そうとする限り――」
 軽々と跳躍したロッタが振り上げしハンマーが。
「――私は、絶対負けない!」
 脳天直下の一撃を見事、バグプロトコルに叩きつける!
 【ミリオンスタンプ】発動。
 だが、一撃では終わらない。
「壊れるまで付き合ってもらうわ!」
 振り回し、腹部強打、再びの脳天直下の一撃。
 幾度もの打撃を受けてのち、哀れ地にめり込むバグプロトコル。
 一方、華麗に地に降り立ったロッタは、今一度のカーテシーを優雅に決めてみせたのだった。
 嗚呼、花嫁とは麗しきもの。
 嗚呼、花嫁とは時に恐ろしきもの。

大成功 🔵​🔵​🔵​

宙音・ナナシ
絡み,アドリブOK

「私は結婚とか良くわかんないや。」

そう考える私にバルムンクを装備した女神の猛攻が降り注ぐ。
その攻撃は強力で花嫁衣装は次々切り裂かれていくが…

…私は花嫁のことは解らないけど一つだけ確かだと思うことがある。愛し合う二人は幸せになるのは素晴らしい事だと。竜だ人だ細かい理由で断絶すべきでは無いのだと。

私も攻撃をただ受けていたわけじゃない。ユーベルコードで自らの元々高い肉体の頑強性を高め耐え抜いたのだ。

「でも私は誓うよ。この拳はこれから先、愛し合う二人を引き裂く障害を砕くために振るうことを!」

私は溜めていた力を拳に乗せて女神に叩き込んだ。今も店で待っている大切な仲間のことを想いながら。




『くっ……人と竜とに断絶を。私の心は変わりません』
 【その異名は竜殺し】発動。
 立ち上がったスカディ・シグルズの携えし剣が変化する。
 名剣グラム>バルムンク。
 システムウインドウに銘が表示されたのも束の間。
『邪魔する輩は成敗させていただきます!』
 宙音・ナナシ(f42852)に肉薄したバグプロトコルの猛攻。
 纏った純白の花嫁衣装が切り裂かれてゆくのは避けられなかった。
 窮地か。されど、この状況においてもナナシの心は戦いとは別のところにあった。
(「私は結婚とか良くわかんないや。花嫁とかも、解らない。けど」)
 一つだけ。確かだと思うことがあった。
 敵の紡いだ言葉の中に違和感があった。
(「愛し合う二人が幸せになるのは素晴らしい事。竜だ人だ、なんて。細かい理由で断絶すべきじゃない」)
 バグプロトコルの猛攻がようやく止んで。
 そして。
『何故、倒れない……』
 それでも、ナナシは立っていた。
「私は誓うよ」
 花嫁衣裳をずたずたにされながらも立っていた。
 切り裂かれ、僅かに血が滲んで。それでも彼女は、美しかった。
「この拳はこれから先――」
 【鋼体の防勢】passive発動。
 溜め完了、出力最大。
「――愛し合う二人を引き裂く障害を砕くために振るうことを!」
 今、拳を解き放つ。
『がっ……』
 ナナシはただ攻撃を受け続けていたわけではなかった。
 ユーベルコードで自らの元々高い肉体の頑強性を高め、耐え抜き。
 そして、機を待っていたのだ。
 敵を撃つその時を。
 力が最大までチャージされるタイミングを。
 想い込めて、放つ時を。
 吹き飛ばされるバグプロトコル、拳に残った攻撃の感覚。
 ナナシの脳裏にふと、今も店で待ってくれている大切な仲間の顔が浮かんだ。
 守りたいと、そう思えるものが浮かんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
花嫁になれるだなんて、状態異常どころかご褒美じゃありませんの!
ドレスはベアトップで、ロングトレーンが印象的なマーメイドドレス。もちろんロングのマリアベールも外せない!サムシングブルーの青バラのブーケも忘れずに。

UC『ライトニングキャバリア』で星霊グランスティードのパライバを召喚。
さあ行きましょうパライバ、花嫁は大切な人を守るため戦うものですわ!
ドレスのまま【騎乗】、長いトレーンとベールを靡かせ飛翔突撃。
飛翔速度では敵いませんが、その分【武器巨大化】で巨大化した斧による【重量攻撃】で押し潰して差し上げましょう、愛の重さ(物理)を知りなさい!

どうせなら後でお色直しもしたいですわね。




 花嫁とは何だろうか。
 答えはきっと、人の数だけあるだろう。
 少なくともミルナ・シャイン(f34969)の心の内においては、状態異常などではなく。
(「ご褒美じゃありませんの!」)
 きらきら光るは娘の瞳。同じくらい――いや、それ以上に煌びやかなドレス姿。
 ロングトレーンが印象的な、ベアトップのマーメイドドレスを纏い。
 さらにはロングのマリアベールに、サムスングブルーの青薔薇のブーケも忘れずに。
 完璧だった。
 蒼の花嫁が――マーメイドが其処にいた。
『貴方も、私の邪魔をするというのですか』
 【その異名は英雄】発動。
 猛るスカディ・シグルズが金色のオーラを纏って威圧してくるが。
「ええ。花嫁とは、大切な人を守るため戦うもの」
 ミルナは毅然と敵の視線を受け止め、宙に手を差し伸べて。
「ゆえに、わたくしは退けません。 ――パライバ!」
 顕現せし精霊グランスティードの手綱を取った。
 【ライトニングキャバリア】発動。
 いざ、トレーンとベールを靡かせ行かん。

 空に上がるは、同時。
 ユーベルコードの効果を加味しても、速度だけならバグプロトコルが勝る。
 しかしながら、ミルナは愛馬と共に敵を真正面から迎え撃つことを選んだ。
「いい子ね、パライバ。……わたくしを信じて」
 小さく鳴いて応じた白馬を撫でつつ、ミルナは手にした武器を巨大化させる。
 其の銘を、煌めく蒼の軌跡といった。
 氷のように透き通った青い刃の斧は、娘の今の装いに相応しく。
 構えることで、ひとつの完成をみた。
 蒼の花嫁の完成をみた。
「さあ、愛の重さを知りなさい!」
 蒼と金色とがぶつかり合い、拮抗し――勝利したのは、蒼。
 青く煌めく軌跡と胸に秘めた愛の重さ(物理)の下に、金色は儚く散っていった。
「ふふ。せっかくの機会、あとでお色直しもしたいですわね」
 ひらり。靡くベールの内側でミルナは微笑む。
 事を成し遂げた後に、きっと存分に楽しめることだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アステル・サダルスウド
【炎星】
ウサチャンとの別れは悲しいけれど、ここからは『花嫁』の時間だね
花嫁らしさといえば…溢れる幸せを感じさせる笑顔かな?
任せてくれたまえ
笑顔は得意さ!

ところでスカディ君といったかな?
竜殺しって花嫁的に物騒じゃないかな
花嫁たるもの幸せをもたらす存在でなくては
そう、人と竜を結婚式に呼び、何組かカップルを成立させるくらいに!
プロメテ、幸せな姿を見せて結婚への意欲を高めるのも花嫁力なんだよー(プロメテの口を塞いでにっこり)

そしてこれも花嫁力さ…式に相応しい曲を花嫁自ら奏でて見せよう!
の前に、プロメテちょっと…(ひそひそ)
ふぅ、真面目過ぎるのも問題だね(ぼそ)

では聴いてください…【星影のオルゴール】!


プロメテ・アールステット
【炎星】
ウサチャン…(ちょっとしょんぼり)
…いや、いつまでも落ち込んではいられない。前に進まなくては
ええと、笑顔、笑顔…(微笑を浮かべ)

確かに竜殺しという二つ名も、「断絶」という言葉も花嫁にはそぐわないな
だがアステル、それは花嫁というか仲人のしごともがが(口を塞がれ)
…もが(こくりと頷き)
なるほど、それも花嫁力の内なのか
思った以上に花嫁の世界は深いのだな(信じた)

演奏か…アステルの力は花嫁として相応しいが、私の炎は…
む?なんだアステル?
……なるほど、それなら…
分かった。任せてくれ

―これは花嫁の…いわゆる『キャンドルサービス』というものだ
【天上天火】発動
敵を足止めし、アステルが攻撃できる隙を作る




 ウサチャン。
 愛でるべき存在との別れは、二人のミレナリィドールの心に影を落としていた。
 されど、気を落としてはいられない。
 此処からは――花嫁の時間だ!
「やあ、御機嫌よう。スカディ・シグルズ君といったかな」
 幸せに包まれたかのように溢れる笑顔を浮かべ、アステルは優雅なカーテシーでご挨拶。
 流石、花嫁衣裳二回目。すっかり板に付いている。
『ええ、如何にも』
「一つだけ聴きたいことがあるんだけど。どうして竜殺し? 花嫁的に物騒じゃないかな」
『……は?』
 心底理解できないといった様子のバグプロトコル。
 そこへ。
「確かに竜殺しという二つ名も、“断絶”という言葉も花嫁にはそぐわないな」
 薄く微笑んだプロメテが合いの手を入れる。
 常ならば表情を変えない彼女だが、今は可憐さすらも感じさせ――。
「だがアステル、それは花嫁というか仲人のしg」
 おーっと! ここで小声でのやりとりにプロメテの生真面目な部分が出てしまったぞ!
 どうする、アステル!?
「……」
 おお、目一杯の笑顔のままで人差し指でプロメテのお口をチャックだ!(実況)
 可愛らしさと実用性を両立させた、見事な花嫁力ですね。(解説)
「花嫁たるもの、幸せをもたらす存在でなくては。そう、人と竜を結婚式に呼び、何組かカップルを成立させるくらいに!」
 アステルの言葉に、唇を塞がれたままプロメテも自然と頷き返す。
 花嫁とは、見た目のみにあらず。
 其の在り方も大切であると、そう感ずるものがあったのだろう。
『私は私の意志を曲げるつもりはありません。何故なら、それが私にとっての花嫁というものですゆえ』
「うんうん、スカディ君はそれでいいさ。でも、僕らの花嫁像はまた違っていてね!」
 ちらり。ミレナリィドールふたり、視線を合わせて頷いた。
「さあ、プロメテ、結ばれる幸せを心に焼き付けにいこうじゃないか!!」
「ああ、アステル。私の炎も今日の日は、未来を照らすものとなろう」
 【星影のオルゴール】発動。
 【天上天火】発動。
 ただ其処に在り、人々に感銘を与える。
 それこそが二人の今のレゾンデートル。

『相容れませんね』
【その異名は雪山の女神】発動。
 召喚したスノーモービルに飛び乗ってボウガンを構えたスカディ・シグルズ。
 彼女は凍結効果を以て、猟兵を撃退せんとするが。
「させない。さて『キャンドルサービス』だ」
 プロメテの解き放った意志が込められた炎が、凍てついた箇所を優しく溶かしてゆく。
 そして、揺らめく火はスノーモービルに取り付いて――遂には、自在な運航を不可能とした。
『ならば、我が身で――』
 【その異名は///////////////////
『――え』
 バグプロトコルが纏わんとしていた金色のオーラが、出現直後、掻き消えた。
 その現象は、アステルの奏でる楽曲によって引き起こされたものだ。
「暗夜の中にいても、太陽に焦がれても、何時だって何処だって――僕は僕だよ!」
 眩いばかりの誇りと希望の表現。
 スカディに届いたメロディは、彼女の心に揺らぎを生じさせる。
 今日、此処に来た花嫁たちは、いったい何と言っていたのだったか。

 ――わたしは旦那様と旦那様の愛する世界のために。
 ――愛し合う二人を引き裂く障害を砕くために。
 ――花嫁とは、大切な人を守るため戦うもの。
 
 ――花嫁たるもの、幸せをもたらす存在でなくては!
 ――今日の日は、未来を照らすものとなろう。

『違う。違う違う違う! 私は、人と竜との、断絶を……何、故?』

【Boss Status】
 状態異常『花嫁』
  STR:1
  DEX:1
  WIZ:1
  SPD:1

「今だ、アステル」
「任せてよ、プロメテ!」
 其の弓と剣を以て。
「「終わりだ」」

 * * *

【Information Information  Information】
 
 深刻なエラーが修復されました。

 イレギュラーの消滅を確認しました。
 
【Information Information  Information】

 スカディ・シグルズの消滅を以て、高地デューゴニアの森は、竜の塔は元の景色を取り戻し。
 そして、猟兵達に声が届いた。
「デューゴルンよりの旅人よ。歓迎しよう。さあ、塔の中へ……」
 イベント限定のメッセージ。
 此の地がバグプロトコルの支配から解放された証だ。

 きっと、報せが広まれば一般プレイヤー達も喜んで集まってくることだろう。
 でも、その前に。
「おいで、臆することはない。我らは願っているのだから。人と竜との幸福を」
 己が意志に従って戦った、全ての花嫁達に祝福を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『偉い人と対面するイベント』

POW   :    カッコよく対峙してみせる

SPD   :    スタイリッシュに対峙してみせる

WIZ   :    クールに対峙してみせる

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ハッピー・サマー・ブレッシング
 竜都・デューゴルン、教皇庁。
 婚礼祭の間は教皇が“人”としての祝福を授ける役割を担うべく、プレイヤー達を含めた広くに向けて開放されている。
 竜の祝福を受けた者達が一人、また一人と教皇に謁見し。
 そして、『誓いの言葉』を口にすることで己が想いを確かめるのだ。

「よくぞ参られた。竜の祝福を授かりし者達よ」
 長い髭の好々爺が、慈愛に満ちた瞳で猟兵達を見つめている。
「旅路は如何であったか。なに、語らずとも構わない。そなたらの胸の内に刻まれていることだろう」
 彼が求むるは、ただひとつ。
「旅の終わりに、聴かせておくれ。――今の汝の心を」
 病める時も、健やかなる時も。
 富める時も、貧しき時も。
 喜びの時も、悲しみの時も。
「汝、何を想う? 何を為さんとする?」

 さあ。『誓いの言葉』を、今。
ロッタ・シエルト
良かった
このクエストは無事に取り戻せたのね
ええと、一般の人たちが戻って来る前に
教皇にお会いしていいのかしら
わたし、ハンマー振り回してただけなんだけど…
でも、せっかくの機会だから
誓いの言葉は口にさせてもらうわね

わたしはまだまだ未熟だけど
病める時も健やかなる時も
悲劇の終焉を破壊する者として
信じる仲間と共に
愛する世界と、そこに暮らす人々を守ることを誓います

これが、今のわたしの気持ち
できることは少なくても
エンドブレイカーとして
猟兵として
悲劇を破壊することを望むわ
理不尽な終焉を迎える人を
一人でも少なくしたいの

本当の花嫁さんになるのは
わたしにはまだちょっと早いから
…でも、いつかなれたら嬉しいかも
なんてね!




 奪われしクエストを、古来よりの催しを。
 バグプロトコルの手から無事に取り戻すことができた。
 実感し、安堵の息をつくロッタ。
 そこへ。
「どうした? 遠慮はいらぬ。聴かせてごらん」
「あ、え、わたし? わたし、ハンマー振り回してただけなんだけど……」
 教皇が促すは『誓いの言葉』。
 他のプレイヤー達が戻ってくる前に、自分が宣誓してしまってもよいものか逡巡するが。
(「でも、せっかくの機会だから」)
 少女は一歩、前へ進み出る。
 意志を我が身で表すかのように。
 
「わたしはまだまだ未熟だけど――」
 病める時も健やかなる時も。
 悲劇の終焉を破壊する者として。
「信じる仲間と共に。愛する世界と、そこに暮らす人々を守ることを誓います」
 それが今の、偽りなきロッタ・シエルトの気持ち。
 まだまだできることは少ないかもしれない。
 手の届く場所も広くはないかもしれない。
 それでも。
 エンドブレイカーとして、猟兵として。
「わたしは悲劇を破壊することを望むわ。理不尽な終焉を迎える人を一人でも少なくしたいの」
 ロッタの『誓いの言葉』を受け、教皇は穏やかな笑みのまま頷いて。
「……あ、」
 鐘の音がした。
 祝福を捧ぐように、背を押すように。
 力強くも優しい音がした。
(「わたしにはまだちょっと早いけど。でも、もしかしたらいつかは」)
 唯一無二の大切な人の花嫁として、誓いを捧ぐ。
 未来を紡いだ先に、そんな日が訪れるかもしれない。

 【Quest complete!】

大成功 🔵​🔵​🔵​

宙音・ナナシ
アドリブOK
pow

私は戦いを通じてたどり着いた答えを宣誓しようかな。

「私にとって最もかけがえの無いものは大切な仲間達と歩む未来、それを邪魔する障壁は私が破壊してみせる。いつか私達が皆で普通の幸せを手に入れるために。」

そう言って清々しい気分で、踵を返していくよ。

今度はみんなで海にでも行こうかな。
と未来のことに想いを馳せながら。




「旅の終わりに、聴かせておくれ。――今の汝の心を」
 問うた教皇を、ナナシの青き瞳が静かに見つめ返す。
 宣誓すべきは決まっている。
 そう、戦いを通じて辿り着いた答えだ。
「私にとって最もかけがえの無いものは大切な仲間達と歩む未来」
 ひとり、またひとりと浮かぶ顔。
 皆、ナナシの心をふわりあたたかく包み込んでくれる。
 そんな仲間達を、未来を守りたいと願うからこそ。
 今、此処に誓う。
「それを邪魔する障壁は私が破壊してみせる。いつか私達が皆で普通の幸せを手に入れるために」
 告げ終えた刹那、鐘の音が響いた。
 荘厳で、それでいて澄んでいて。
 その音はひとりの娘の誓いを祝福し、また幸せを祈っているかのようだった。
 教皇に頷いて、ナナシはくるり踵を返して去ってゆく。
 心は晴れやか、清々しく。
 確かな足取りはいつもより軽く。
(「今度はみんなで何処か――そうだ、海にでも行こうかな」)
 未来に想い馳せ、歩んでいく。
 皆の待つ場所へと帰ってゆく。

 【Quest complete!】

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルナ・シャイン
お色直しにとピンクのフィッシュテールドレスに着替えて。
こういう場で愛しい御方と愛を誓うのも素敵!

…でしょうけれどさすがにまだそんな段階ではありませんので。
今はわたくしの騎士としての誓いを新たにできればと。

『わたくしミルナ・シャインはこれからも騎士として、大切な人を護れる盾となるべく不断の努力を尽くすことを誓いますわ』

大切なものは絶対に手放しては駄目だという母の言葉を胸に、UC『君を守ると誓う』で真の姿に。
髪は水のようなセイレーンの髪に変化、尾ビレは人間の足に。マントを靡かせた王子様風の姿に変わる。
豪華なドレスだって大好き、でもなりたいのは守られるだけのお姫さまではなくて護るための騎士ですの!




 さらりとした生地のピンクのフィッシュテールドレス。
 蒼の花嫁は愛の花嫁へとお色直し。
 レッドカーペットを静々と歩み、教皇の前に立つミルナ。
 こういった場所でいとしい相手と愛を誓うのも素敵だが。
(「……ですが、まだそんな段階ではありませんので。今は」)
 視線は真っ直ぐ、ひたむきに。
 新たにするは、騎士としての誓い。

 ――大切なものは絶対に手放しては駄目。
 母の言葉を胸に強く願い、念じ、そして変化する。
 ユーベルコードを用いての、今いちどのお色直し。
 「君を守る」という誓いのもとに、ミルナは真の姿を現した。
 髪は水のようなセイレーンの髪に、人魚の尾ビレは人間の足に。
 マントを靡かせたその姿は、一国の王子のようであった。
 豪華なドレスも大好きだ。されど、ミルナがなりたい存在は護られるだけの姫ではない。
 誰かを護れる騎士こそが、憧れの姿なのだ。
 そして。
「わたくしミルナ・シャインはこれからも騎士として、大切な人を護れる盾となるべく不断の努力を尽くすことを誓いますわ」
 凛と告げ――祝福の鐘の音が鳴り響く。
 眩し気に目を細めた教皇へ、ミルナは背筋を伸ばし敬礼する。
 美しくも、勇ましい姿。
 どうか蒼の娘が歩むこれからの道が、未来が。光溢れるものでありますよう。

 【Quest complete!】

大成功 🔵​🔵​🔵​

アステル・サダルスウド
【炎星】
アレンジ歓迎

「プロメテ、少し僕に付き合って貰える?」
彼女を呼んだ本当の理由…いや、新郎役欲しいって思ったのも本当だけど

教皇へ一礼してからプロメテに向き直る
聴かせたい相手は、他ならぬ彼女だから

「おかあさんの最高傑作たる僕自身に、今ここで誓おう!
例え闇夜の中にいても…太陽に焦がれても!僕は僕だと!ありのままの僕で進むって!」

本当は太陽みたいに強くなりたかった
でも…ありのままのでいいって思えるようになったから
一人じゃ太刀打ちできない時、助けてくれる仲間を見つけたから
…太陽が誰かなんて、素直に口に出せないけど

「って思ってる傍から平然とそういうこと口にして!どんだけ真っ直ぐなの?少しは曲がる事覚えなよ!」

彼女が僕を羨んでたなんて、思いもしなかった
どんな顔をしていいか分からなくて直視できないけど

「…ま、それだけ力があるんだから望むように使えるんじゃない?」

頑張れは口に出せないから代わりに拳を差し出す

「やったことない?拳出して。こうするんだよ」って呆れたように笑って、少し強めに拳をぶつけてやる


プロメテ・アールステット
【炎星】
アレンジ歓迎

「付き合う?構わないが…何か宣言するのか?」
ひとまず教皇に一礼し…
何故アステルがこちらを向くのかも分からないが、彼の宣言を待つ

〝あの方〟の最高傑作と言い張れる彼が羨ましく、眩しい
作り主の愛情を受けてきた彼は、きっと己の存在に悩むことなどないと、そう勝手に思っていた
だから…少し驚いた

「私は、この力なんていらなかった。誰かに寄り添える星影のような、そんな存在になりたかった。けれど…互いにない物ねだりだったのだな」

…思ったことを口に出したら怒られた。何故だ?
いや、普通に曲がれるが…?
ええと…そうだ、折角だから私も宣言しよう
私の炎は奪うばかりではないと、誰かを守ることができると、家族や友人が教えてくれたから

「私も…私自身に誓おう。この炎は全てを焼き焦がすだけじゃない…私の望むままに、守護にも癒しにも活かすと。星影になれずとも、私は私のままで進むと」

「だから互いに頑張ろう」と告げれば何故か差し出される拳

「えっと、こう、か?」
こつんとぶつかる拳が何だか面白くて、自然と笑みが零れた




「プロメテ、少し僕に付き合って貰える?」

 共に教皇に一礼してのち、ミレナリィドール達は向き合った。
 アステルの瞳は真剣そのもの。真意までは読み取れなかったが、プロメテは静かに彼の言葉を待った。
 そして今、誓いの言葉が捧げられる。
 星影から、太陽へ。
「おかあさんの最高傑作たる僕自身に、今ここで誓おう!」
 両の手を広げ、アステルは声を張り上げる。
 届け、と。
「例え闇夜の中にいても……太陽に焦がれても! 僕は僕だと! ありのままの僕で進むって!」
 プロメテが目を見開いた。
 浮かぶ表情は、驚愕。
「太陽に、焦がれても。ああ、そうか。そうだったのか」
 のち、微笑。
「互いに無いものねだりだったんだな」
「……え?」
「でも、やっぱり眩しいな。〝あの方〟の最高傑作と言い切れるなんて」
 困惑するアステルに、プロメテは静かに告げる。
「私は、力なんていらなかった。誰かに寄り添える星影のような、そんな存在になりたかったんだ。ずっと、ずっと」
 金色を真っすぐに受け止めていた翠がふいと逸れて――刹那、ばっと詰め寄った!
「……っ! ~~~っ!! あー、もうっ! 平然と! そういうこと!  口にして!! どんだけ真っ直ぐなの? 少しは曲がる事覚えなよ!」
「? いや、普通に曲がれるが?」
「ちーがーうーかーら! その場でターンしなくていいから! あー、本当にもうっ! 僕がどんだけいろんなもの振り絞ったと思って――」
 頭を抱えるアステル。首を傾げるプロメテ。
 和やかな光景にも見えるが、今日に至るまで二人の関係性は一筋縄でいくものではなかった。
 拗れていて、複雑に絡んでいて。それが、少しずつ解けていって。
 そうして、ようやく今の二人が在った。
 プロメテに対してアステルは、焦がれるばかりで彼女が自身を羨んでいたなんて、想像すらできていなかった。
 アステルに対してプロメテは、作り主の愛情を受けてきた彼ならきっと己の存在に悩むことなどないと。そう勝手に思い込んでいた。
 星影は太陽に焦がれていた。
 太陽は星影に憧れていた。
 互いの想いなど、知る由も無かった。
 言葉を交わす時も、随分と失われてしまっていたから。
「はぁ。まあ、そんな感じ。ありのままの自分でいいって思えるようになったんだよ。……一人じゃ太刀打ちできない時、助けてくれる仲間を見つけたから」
「そうか。……仲間。うん、ならば私も宣誓しなくてはならないな」
「そうなの?」
「私の炎は奪うばかりではないと。誰かを守ることができると、家族や友人が教えてくれたんだ。だから、聴いてくれるか。アステル」
「……言ってみなよ、プロメテ」
 再び向き合って、そして。
 もう一つの誓いが捧げられた。
「私も、私自身に誓おう。この炎は全てを焼き焦がすだけじゃない。私の望むままに、守護にも癒しにも活かすと。星影になれずとも、私は私のままで進むと」
 祝福の鐘の音が、星影と太陽を包み込む――。

「……ま、僕が焦がれるくらいだし? それだけの力があれば望むように使えるんじゃない?」
「そう思ってくれるか。ならば互いに頑張――?」
 プロメテの目の前に、「ん」と拳を突き出すアステル。
 素直になれない、口には出せない。実は不器用な彼なりの激励とアピールに。
 彼女はこてんとまた首を傾げたのだった。
「いや、わかってない流れ!? って、もしかしてやったことない? ほら、拳出して」
「えっと、こう、か?」
「そうそう。で」
 こうするんだよ、と。拳と拳が強くぶつかり合った。
「……なーに笑ってんのさ」
「私は、笑っている、か? いや、何だか……面白くてな」
 こんな未来もあるなんて、信じられたことなどなかったから。

【Quest complete!】

 * * *

 六月のデューゴルンに響き渡るは鐘の音。
 彩り豊かな装いの者達、みんな強い光を瞳に宿して。
 今年は幾人が誓いの言葉を捧げるのだろう。

 その全ての想いに、未来に。目一杯の祝福を。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年06月18日


挿絵イラスト