獣人世界大戦⑳〜はじまりの猟兵に挑め
「獣人世界大戦への参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は獣人戦線の世界地図を広げ、現在の状況を語り始めた。
「現在、超大国との戦闘は最終局面となる第三戦線に移行中。決着がつくまでの猶予は残り一週間ほどです」
ついに姿を現した「はじまりの猟兵」、それぞれの計画を達成せんとする超大国の支配者たち。様々な思惑が複雑に絡み合った第三戦線では、全戦場が獣人戦線の今後を大きく左右する。全ての強敵を撃破して、目指すは完全勝利だ。
「今回皆様に挑んでほしいのは、かの『はじまりの猟兵』です」
獣人戦線の獣人達にユーベルコードを与え、異世界からの侵略者に対抗する力を与えたとされる「はじまりの猟兵」。シベリアの奥地の深き森――「はじまりの場所」に、彼女はいた。超大国のオブリビオンたちにその身柄を狙われながらも、彼女は現代の猟兵になにかを伝えたいようだ。
「彼女の寿命はとうに尽き、オブリビオンと化しています。ですので彼女の口から真実を聞き出すには、彼女を倒さなければなりません」
世界の敵となった彼女は、真摯に真実を告げようとしても、嘘の情報を渡してしまうかもしれない。これは本人にもどうしようもないらしいので、こちら側から真実を探り出そうという試みも信頼性に欠ける。なので容易には復活できないほど叩きのめされてようやく、その末期に少しだけ真実を語ることができるそうだ。
「『はじまりの猟兵』はその名の通り最初期の猟兵ですので、最新の能力や戦術を修得した皆様……『六番目の猟兵』よりも実力では劣ります」
その代わり、彼女は自身の修得したユーベルコードと技能を組み合わせ、どんなに卑怯で姑息な手段だろうと躊躇わず、己に取れる手段全てを使い尽くす戦法に長けている。それが異世界からの侵略に立ち向かうために、彼女が身に着けた「戦場の戦い方」なのだろう。
「彼女の戦い方を予想して対応できなければ、思わぬ形で足をすくわれるかもしれません。実力で勝っているからといって、油断はしないように気をつけてください」
これは六番目と呼ばれる自分たちの圧倒的な力や最新戦術を、「はじまりの猟兵」に示す戦いにもなる。果たして彼女が自分たちに何を伝え、何を託そうとしているのか、それを知るためにも手加減は無用だ。全力をもって叩き潰すことが今の彼女への手向けになる。
「『はじまりの猟兵』から、この世界の真実を聞き出すために、皆様の力をお貸しください」
説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、シベリア奥地の「はじまりの場所」に猟兵を送り出す。
時代と世界を超えた戦いのはじまりを知る者。猟兵の大先輩とも言える存在に「六番目の猟兵」の力を示す時だ。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回の依頼は『はじまりの猟兵』との対決です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……「戦場の戦い方」に対抗する/圧倒的な力や最新戦術で叩き潰す。
最初期でありもっとも旧式の猟兵である「はじまりの猟兵」は、現代の猟兵よりも弱いです。
ですが彼女は戦闘に関する数々の技能を高レベルで習得しており、技能とユーベルコードを組み合わせた「戦場の戦い方」で六番目の猟兵に挑みます。
この戦法をどのように予想して対抗するか、あるいは実力差で叩き潰すか。戦い方は各自にお任せします。
この戦場は【第三戦線】で、完結までの締切が6月01日(土)16時となっています。
そのため、執筆状況によっては採用できないプレイングが出るかもしれないことを、予めご了承下さい。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『はじまりの猟兵』
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POW : ストライク・イェーガー
レベルm半径内の対象全員を、装備した【ライフル】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD : プログラムド・ジェノサイド
【予め脳にプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : キューソネコカミ
【ライフル】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
👑11
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黒城・魅夜
(アイテム「劫夢呪鏖鏈」を構え)
これはかつての戦いで取得した「はじまりの猟兵」の武器
つまりあなたか、あなたの仲間の武器なのでしょう
黒い鎖を纏ったその姿をみれば
なおさらそう思えます
ならばこの武器であなたを倒すことこそ、ある意味で恩返し
限界突破した結界に呪詛を充満させ範囲攻撃として戦場全体を侵食
企みも仕掛けもすべてを蹂躙します
ことごとく腐り溶け消え失せるがいいでしょう
相手の攻撃を衝撃波で相殺
さらにオーラを纏い感覚を鋭敏にし
第六感と心眼を使い見切りつつ間合いを詰めます
UC発動──
この鎖はあなたの武器かもしれませんし、そうではないかもしれません
けれどその心は確かに受け継ぎました
安心してお眠りなさい
「これはかつての戦いで取得した『はじまりの猟兵』の武器。つまりあなたか、あなたの仲間の武器なのでしょう」
これまで「はじまりの場所」と呼ばれてきた、シベリア奥地にある深き森にて。黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は「劫夢呪鏖鏈」を構えて「はじまりの猟兵」と対峙する。思えばこの武器こそが、自分たち「六番目の猟兵」をこの世界に導いた契機であった。
「黒い鎖を纏ったその姿をみれば、なおさらそう思えます」
「……それは!」
誤情報を伝えることを避けるためだろう、「はじまりの猟兵」は多くを語らなかったが、仮面に隠された表情は明らかに驚きを示していた。今、魅夜が持っている武器を駆使して、かつて彼女らは異世界からの侵略者と戦った。その働きなくして、獣人戦線が今日まで存続することは無かっただろう。
「ならばこの武器であなたを倒すことこそ、ある意味で恩返し」
「……はい! 本気でかかって来て下さい!」
どこか嬉しそうな気配を滲ませて「はじまりの猟兵」は膨大な闇の中から銃を取り出す。事前情報によれば彼女の実力は「六番目の猟兵」に劣るが、百戦錬磨の戦術と技能は侮りがたい。おそらく、この地にもすでに様々な罠や布石が仕掛けられているのだろう。
「企みも仕掛けもすべてを蹂躙します」
そこで魅夜が取った手は、純然たる力の誇示。森を結界で包み込むと、その内部に呪詛を充満させ、戦場全体を侵食する。悪夢を纏いし希望の魔性が放つ、限界を超えて振り絞られた呪いは、あらゆるものを闇よりも昏い黒に染める。
「ことごとく腐り溶け消え失せるがいいでしょう」
「す、すごい力……!」
獣人戦線にもデアボリカスナイパーという呪術を操るジョブがある。だが魅夜の呪詛は「はじまりの猟兵」の知識にあるものを遥かに凌駕していた。これでは策を弄するどころか近付くことすらままならず、彼女の戦略は根本から狂わされる。
「でもっ、わたしにも呪詛耐性はあります!」
動揺はあっても動作に淀みはなく、「はじまりの猟兵」は【プログラムド・ジェノサイド】を発動。事前にプログラミングしていた動き通りに超高速連続攻撃を放つ。流石に戦い慣れているだけあって、射撃技術はなかなかのものだ。
「やりますね。ですが」
魅夜は相手の攻撃を衝撃波で相殺し、さらにオーラを纏って感覚を鋭敏にする。あのユーベルコードは途中で中止ができず、プログラムに沿った動きしかできない弱点がある。それを彼女は第六感と心眼で見切り、反撃のタイミングを捉えた。
「腐り落ちよ罪咎と共に、溶けて崩れよ呪いの夢に」
「きゃあっ!?」
淀みない動きで間合いを詰め、発動するのは【劫夢は歌う、鏖の詩を。鏈は奏でる、呪いの唄を】。「劫夢呪鏖鏈」より放たれた鎖が「はじまりの猟兵」に絡みつき、束縛する。まだ連続攻撃の最中であった相手は、これを避けることができなかった。
「この鎖はあなたの武器かもしれませんし、そうではないかもしれません。けれどその心は確かに受け継ぎました」
目標を縛り上げた「劫夢呪鏖鏈」は、膨大な呪詛をもって肉体と魂を内側から腐らせていく。無慈悲にも思える戦い方だが、魅夜がすでに口にした通り、これが「六番目の猟兵」として「はじまりの猟兵」に対する、彼女なりの恩返しの形だった。
「安心してお眠りなさい」
「ッ……凄い、ですね……本当に強い……!」
呪詛に汚染されながらも「はじまりの猟兵」は苦痛より感動を抱いているようだった。長い年月を経て世代は移り変わり、今や彼女は旧式となった。オブリビオンと化した自分をたやすく打ち破る現代の猟兵の力に、彼女が見たものは希望か、期待か――。
大成功
🔵🔵🔵
天御鏡・百々
はじまりの猟兵殿、其方が情報を伝えられるように
我が全力で倒させてもらうぞ!
手段を問わぬその戦い方を予測することは困難だな
なれば、小細工が意味をなさぬ圧倒的な力にて叩き潰すよりあるまい
『天神の威光』を発動し、我が全ての能力を6倍にするぞ
「神通力」の障壁(オーラ防御)で相手の攻撃を弾き
一気に接近して「真朱神楽」にて両断してくれよう
反応速度も6倍となる故、相手が何をしようと
対処(回避、薙刀で受け流す、障壁で防御)が間に合うであろう
これで倒せれば良いが、時間制限に気づかれ逃げに徹されると厄介だな
その際は逃走経路を障壁でふさいだり
「天之浄魔弓」による光の矢の射撃に切り替えよう
「はじまりの猟兵殿、其方が情報を伝えられるように、我が全力で倒させてもらうぞ!」
とうに寿命は尽き、オブリビオンと化してなお、なにかを待つように存在し続けていた「はじまりの猟兵」。彼女が伝えたいという真実を知るために、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)はあえて手加減はせぬと宣言する。ここで相手の覚悟を汲み取ってやらぬのは、無粋というものであろう。
「はい! わたしも加減できないので、よろしくおねがいします!」
不気味な仮面の奥から溌剌とした声を発しつつ、「はじまりの猟兵」はさっと闇の中に身を潜めた。ここはシベリアの奥地にある深い森の中、身を潜めて奇襲を仕掛けるにはうってつけであり、おそらく彼女はここの地形を知り尽くしている。そして「六番目の猟兵」を迎え撃つために、様々な策と備えを用意しているはずだ。
「手段を問わぬその戦い方を予測することは困難だな」
力に劣るがゆえの「戦場の戦い方」を、百々も決して侮りはしない。自分たちが獣人戦線に到達する遥か以前から、超大国と戦っていたのが「はじまりの猟兵」だ。強者の隙を付け狙う、猟犬のような気配を百々は感じ取っていた。
「なれば、小細工が意味をなさぬ圧倒的な力にて叩き潰すよりあるまい」
策に策で応じるは得策ではない。初代より力に優る「六番目の猟兵」には、それに合った戦い方というものがある。
百々は神鏡のヤドリガミ。その鏡面に【天神の威光】を映し出し、主神との繋がりを深めれば、彼女の全能力は一時的に六倍まで強化される。
「我が神よ、その御力を分け与えたまえ」
「……!」
百々より放たれる神々しき光が、森を覆う闇を消し去っていく。所在を暴かれるのを焦った「はじまりの猟兵」は、木々の陰より銃撃を放つが――神通力がもたらすオーラの障壁によって、鉛玉は標的に届くことなく弾き飛ばされた。
「ゆくぞ、はじまりの猟兵殿!」
そのまま百々は薙刀「真朱神楽」を構え、「はじまりの猟兵」の元まで一気に接近。六倍になった膂力とスピードをもって相手を両断せんとする。見た目は小柄な童女なれど、身のこなしは熟達の武芸者のそれ――辛くも身を躱した「はじまりの猟兵」の仮面に、ピシリと大きな亀裂が走った。
「つ、強い……!」
罅割れた仮面を抑えながら反撃を試みる「はじまりの猟兵」。が、闇の中から武器を出しても、森に仕掛けた罠を使っても、時には手負いのふりをして油断を誘っても――なにをしても百々には全て避けられるか、薙刀で受け流され、障壁に防がれてしまう。反応速度も六倍になっているゆえ、相手の行動を見てからでも対処が間に合ってしまうのだ。
「とてもじゃないですけど勝ち目はなさそうですね。でもそのユーベルコード、長くは続かないんじゃないですか?」
「ほう、気付いたか」
正攻法も搦め手も通じないと悟った「はじまりの猟兵」の行動は、とにかく距離を取って逃げに徹することだった。
彼女が察した通り【天神の威光】には時間制限があり、今の百々の力量なら約二分で効果が切れ、昏睡状態に陥る。それまで逃げ切ってしまえば逆転だ。
「厄介だな。しかし手の打ちようはある」
恥も外聞もなく全力で逃げ回る相手を追い詰めるのは容易ではない。百々は障壁を展開して「はじまりの猟兵」の逃走経路を塞ぎ、動きを制限しながら「天之浄魔弓」を構える。白兵戦だけが彼女の取り柄ではなく、遠距離の戦い方も心得ている。
「捉えたぞ」
「きゃうっ!! やっぱり、強い……!」
全能力が六倍ならば、動体視力も当然六倍。弓に番えられた神力は光の矢となって放たれ、針に糸を通すような精度で「はじまりの猟兵」に突き刺さった。どんな小細工や策を弄しても突破してくる「六番目の猟兵」の圧倒的強さに、彼女は感動すらしている様子だった――。
大成功
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サリー・オーガスティン
■SPD
なるほど。単純に数値で分かるレベルでは、ボクたちよりも落ちる、けども経験は桁違いに多いわけか
……これは厄介だね
ただボクにも「エンドブレイカー世界のボク」の経験があるからね
連続攻撃に対処だけど、[第六感]からの[迷彩、オーラ防御]で視界から逃げて[操縦、空中機動、地形の利用]で避ける
「一度発動しちゃうと、もう止められないんだっけね?」
あとはジェイクの機動力が頼みだ
乗せられる戦闘技能全部のせで、ヒットアンドアウェイで追い詰めよう
(攻撃が当たったら、ボクもひとたまりもないしね)
もし攻撃が氷結系なら排熱を回して対処するけど、あとは……ボクの得意とする圧倒的なスピードさ!
※連携・アドリブ共歓迎
「なるほど。単純に数値で分かるレベルでは、ボクたちよりも落ちる、けども経験は桁違いに多いわけか」
異世界からの侵略者――超大国という圧倒的強者に立ち向かってきた「はじまりの猟兵」は、自分たちよりも戦場の戦い方に長けている。サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)は相手の優れた点を認め、同時に高く評価していた。
「……これは厄介だね。ただボクにも『エンドブレイカー世界のボク』の経験があるからね」
「それは気になります! ぜひ見せて下さい!」
獣人戦線の獣人は知らないであろう、異世界の経験が彼の強みだ。対する「はじまりの猟兵」も「六番目の猟兵」の実力を疑うはずもなく、持てる限りの手を尽くして【プログラムド・ジェノサイド】を開始する。全力で挑み倒されることが、彼女が真実を伝える手段なのだ。
「いきます! 死なないで下さいね!」
「努力するよ」
発言とは裏腹に「はじまりの猟兵」の攻撃は容赦がない。ライフルから放たれる弾丸は木々や岩に当たって跳弾し、四方八方からサリーに襲いかかる。戦場の地形環境を正確に把握していなければ実行できない、超精密・超高速の連続攻撃だ。
「さて、リミッターを解除するよ!」
これに対処するためにサリーは愛者の宇宙バイク「ジェイク」に跨り、縦横無尽の空中機動で連続攻撃に対処する。
地形の利用はあちらだけの専売特許ではない。迷彩のオーラで視界から逃げ、木々を盾とし、第六感を研ぎ澄ませて銃弾を避ける。卓越した技術と【カッティーヴォ・テンポラーレ】による車両性能の向上は、常識を超える回避と疾走を可能にしていた。
「一度発動しちゃうと、もう止められないんだっけね?」
どこまで戦えるか、あとはジェイクの機動力が頼みだ。一心同体の騎乗で戦場を駆け巡りながら、サリーは「はじまりの猟兵」に接近する。構えるのは竜騎兵のマスケット銃を模った、アンティークな外見の小型熱線銃「Dragoon Musket」。目標が射程距離に入った瞬間、狙いすましてトリガーを引く。
「きゃっ! やりますね……!」
高速移動しながらの攻撃でも射撃姿勢はブレない。放たれた熱線は過たず「はじまりの猟兵」を射抜き、肉の焦げる匂いが辺りに漂う。やり返そうと彼女がライフル銃を構え直した時には、すでにサリーは遠くまで距離を取っていた。
(攻撃が当たったら、ボクもひとたまりもないしね)
【カッティーヴォ・テンポラーレ】は回避力と攻撃力を大幅に強化するが、被弾時のダメージも増加してしまう。
ゆえにサリーの戦法はヒットアンドアウェイ。リミッターを解除した宇宙バイクの排熱を纏い、シベリアの寒気も生半可な攻撃も吹き飛ばしながら、持てる技能の限りを尽くして標的を追い詰める。
「これが……ボクの得意とする圧倒的なスピードさ!」
「は、速い……ぜんぜん目で追えません!」
文字通り目にも止まらぬ速さで疾走しつつ熱線を浴びせる宇宙の竜騎兵に、「はじまりの猟兵」は圧倒されていた。
しょせんプログラム通りの攻撃しかできない彼女に、今の彼を捉えるすべはない。ヒットアンドアウェイの戦法ゆえに即座に決着が付くことはないが、どちらが優勢かは誰の目にも明らかだった――。
大成功
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リュカシオン・カーネーション
さあ、行くぜ!はじまりの猟兵さんよ!(森か…遮蔽物も多い)
戦闘態勢をとりつつ周りを見て心眼でしっかり見ながら情報収集をする
敵が隠れるのと同時にうちも遮蔽物に隠れた後衝撃波を放ちソナーのようにして気配感知をする
…遠いな、仕方ねえ!
衝撃波を放てば位置はバレるのでオーラ防御を展開しながらライフルの弾丸を心眼で見切りつつアズリエルでシャドウパリィして弾丸を弾き接近する
シエル!
❛なのだわー!❜
UCを発動し次元能力で瞬間移動したら衝撃波を纏った虹炎で殴り飛ばしたが敵は迷彩を使った後遮蔽物に隠れる
次元能力で補足済みだぜ!
ベクトル操作と迷彩で姿を消したら
次元能力と心眼で敵の位置を補足
反魂輪廻の槍!
槍で攻撃した
「さあ、行くぜ! はじまりの猟兵さんよ!」
ついに相まみえた伝説の「はじまりの猟兵」に、リュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)は威勢のいい啖呵を切って戦闘態勢を取り、周りに視線を向け、心眼を研ぎ澄ます。戦場の情報を把握するのは戦いの基本であり、それは彼女が相手を侮っていない証でもあった。
(森か……遮蔽物も多い)
ここはシベリア奥地にある森の中。鬱蒼と生い茂る木々に加え、「はじまりの猟兵」を包む闇が視界をさらに悪くしている。戦場の戦い方を得意とするらしい「はじまりの猟兵」が、この状況を利用しないはずがないだろう。実力差があるのを自覚しているなら、尚更。
「また強そうな人が来ましたね。わたしは弱いので、卑怯にやらせてもらいます!」
「やっぱりそう来るよな!」
森の暗闇にさっと身を隠し、奇襲の体勢を取る「はじまりの猟兵」。対するリュカシオンは衝撃波を放ち、その反響をソナーのようにして相手の気配を探る。あちらの主武器はライフルなので、おそらく距離を取って戦うのが定石だろうか。
「……遠いな、仕方ねえ!」
位置がバレれば何発か撃たれるのを覚悟した上で、リュカシオンはオーラを展開しながら走り出す。直後、闇の中で小さなマズルフラッシュがまたたくのを見た彼女は、飛来する弾丸を心眼で見切り「天災邪神鎌龍アズリエル」で弾いた。心臓を的確に狙った射撃、シャドウパリィが遅れていれば即死だったろう。
「シエル!」
『なのだわー!』
辛くも「はじまりの猟兵」の攻撃を凌いだところで、リュカシオンは【虹炎の神・レーヴ・アルカンシエル"反魂輪廻の槍"】を発動。虹炎神アルカンシエルの力を借りて自身を強化すると、次元を操作して相手の所まで瞬間移動する。
「食らえ!」
「わわわっ! 一体どこから!?」
そのまま相手が面食らっている隙に虹炎を纏った拳で殴り飛ばすが、「はじまりの猟兵」は咄嗟に受け身でダメージを軽減し、吹っ飛ばされた勢いで距離を取りつつ、迷彩を使って遮蔽物に隠れた。不利な状況を仕切り直し、もう一度【キューソネコカミ】による一撃必殺を狙うつもりだろうが――。
「次元能力で補足済みだぜ!」
衝撃波のソナーよりも正確な索敵手段を手に入れたリュカシオンは、自身もベクトル操作と迷彩で姿を消し、狙撃されないようにして「はじまりの猟兵」に再接近する。虹炎神の力を解放した彼女の能力は、もはや生半可な小細工など通用しないレベルに達していた。
「反魂輪廻の槍!」
「ッ……!! すごい、です……!」
虹炎を束ねた分解と再成の槍で突き穿たれ、苦悶の呻き声を上げる「はじまりの猟兵」。だが、その反応はどこか満足そうにも見える。自分たちよりも後の世代の「六番目の猟兵」が、これほどの力を得ていたことは、彼女にとっても予想外だったのは間違いない――。
大成功
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ビスマス・テルマール
大先輩であろう始まりの猟兵さんが、この様な身の上なのはいたたまれませんが、貴女と言う試練を越える事が
貴女の救いになるのならばっ!
●Pow
貴女の戦場の戦いと経験
わたしなりの戦術でその差を埋めますっ!
初手『早業』で『属性攻撃(重力)&オーラ防御&結界術』込め『誘導弾&レーザー射撃&エネルギー弾』の『弾幕&範囲攻撃&一斉発射』で『盾受け』壁を作り『ジャストガード&受け流し』時間稼ぎ『早業』UC発動
『第六感』で『見切り』回避
接近しつつUCによる魚座鎧装備の力で地中を潜り『推力移動&怪力&鎧無視攻撃&切り込み&貫通攻撃』で地中から迫り弾幕とトド『オーラ防御』ドリルアタックの波状攻撃です。
※アドリブ歓迎
「大先輩であろう始まりの猟兵さんが、この様な身の上なのはいたたまれませんが、貴女と言う試練を越える事が……」
己の中で決意を固めるように、言葉をぐっと溜めるビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)。半ば伝説となるほどの過去、異世界からの侵略に立ち向かったという「はじまりの猟兵」。彼女はオブリビオンと化した今でも、自分たちに何かを伝えようとしていて。そのために倒す必要があると言うなら――。
「……貴女の救いになるのならばっ!」
「はいっ、全力で来て下さい!」
骨仮面の下から快活な声で応じ「はじまりの猟兵」は武器を取る。そして森の木陰に身を潜めながら【ストライク・イェーガー】の体勢に入った。弱さを補うための技能と戦場の戦い方が彼女の持ち味であり、地形を利用したゲリラ戦などは十八番のひとつだろう。
「貴女の戦場の戦いと経験。わたしなりの戦術でその差を埋めますっ!」
対するビスマスは身に纏う全身鎧装に重力エネルギーとフォースオーラを込め、全砲塔から一斉射撃で弾幕を張る。
強力な重力歪曲場やオーラ結界を発生させる誘導弾・レーザー・エネルギー弾の嵐だ。この分厚い壁に阻まれて相手の銃撃は届かず、全てガードされる。
「流石ですね!」
異世界の超技術を用いた戦術に「はじまりの猟兵」は感嘆しつつ、ライフルによる自動射撃を継続する。単純な撃ち合いでは火力も弾数も負けているとなれば、彼女はすぐに次の策を弄するだろう。だが、作戦を切り替えるまでの猶予が、ビスマスには貴重な時間稼ぎになる。
『Huge! Fuge! Form! Todo! Todo! Bis・Pisces!』
鎧装から鳴り響く機械音。ビスマスの鎧装がトドのオーラを纏い、魚座型鎧装「ビス・パイシィズ」へと鯔化する。
正義の心とご当地パワーによって変形したこの鎧の機能は、陸地を歩く時や水中を泳ぐ時と同じように、地中を移動することだ。
「地を泳ぎ駆け、駆逐しますっ!」
「ええっ?!」
なおも飛んでくる銃弾を第六感で躱したビスマス――その姿は地面の下に消える。いくら豊富な戦闘経験と技能を持つ「はじまりの猟兵」でも、地に潜った相手を攻撃する手段は限られるだろう。塹壕戦ならまだしも、今のビスマスは鎧装に搭載されたトドオーラのドリルで、自在に戦場を掘り進む。
「これがわたしの戦術です!」
地中から「はじまりの猟兵」に迫ったビスマスは、足元から突き上げるようにドリルアタックを敢行。同時に、地面に開けた穴から砲塔をにゅっと覗かせ弾幕を浴びせる。一度きりで仕留められなくてもいい、とにかく相手に反撃の隙を許さない波状攻撃だ。
「きゃっ……! こんな戦い方ができるなんて、やっぱり『六番目の猟兵』は凄い!」
自分には思いついたとしてもできない戦術に「はじまりの猟兵」は感心しきりだった。ダメージを受けてもその態度は変わらず、後退しながら賞賛の言葉を送る。彼女が与えた試練に、ビスマスたち「六番目の猟兵」は期待以上の結果を見せられているようだ――。
大成功
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オクト・パスフォルド
はじめまして、はじまりの方
貴女の覚悟、この銀河提督が受け止めさせていただこう
敬意を払うべき先達に一礼し、6振りのコスモカトラスを抜いてコスモ六刀流の構えを取る
恐るべき技量、そして経験に裏打ちされた勝負強さ。まともに競えば、勝利は危ういだろう
故に、この世界では未知であろう六刀流の技、そして脊椎生物と無脊椎生物間における戦闘の習熟度の違いを活かし、優位を取ろう
彼女は追い込まれると底力を発揮する。油断せず、ここぞの場面でマント越しのコスモガンによる奇襲を狙う
「この辺り、底意地の悪さはお互い様だろう?」
「はじめまして、はじまりの方。貴女の覚悟、この銀河提督が受け止めさせていただこう」
敬意を払うべき先達に一礼し、6振りの「コスモカトラス」を抜いてコスモ六刀流の構えを取るオクト・パスフォルド(銀河提督・f43245)。マルス星人である彼の外見は地球で言うところのタコに近いが、その態度は非常に紳士的だった。 彼はかつて銀河帝国と死闘を繰り広げた歴戦の勇士であり、弱気を助け強きを挫く、銀河のアウトローである。
「タコの獣人っていましたっけ……いえ、どうやら違うようです! ではお相手願います!」
獣人戦線では珍しい異星人に「はじまりの猟兵」は一瞬面食らったようだが、こちらも最大限の敬意をもって全力で勝負を挑む。彼女と「六番目の猟兵」の間には、はっきり言って大きな実力の隔たりがある。それを埋めるための戦い方を、彼女は知っていた。
「やあっ!」
その身を包む闇と森の地形を活かし、姿を隠しながらライフルを撃つ「はじまりの猟兵」。どれだけの研鑽を積んできたのか、その弾丸は正確にオクトの頭部を狙ってくる。当たれば即死もありえる攻撃に躊躇いがないのは、むしろ逆に「六番目の猟兵」を信頼している証か。
(恐るべき技量、そして経験に裏打ちされた勝負強さ。まともに競えば、勝利は危ういだろう)
相手の実力をオクトは決して低く見積もってはいない。故に、この世界では未知であろう六刀流の技をもって、飛来する弾丸を切り落とす。彼もまた宇宙という戦場で巨大な銀河帝国に立ち向かった猛者であり、その「コスモ六刀流」は彼自身が創始したものだった。
「互いの特性を知りそれを活かす。この辺りは経験が大きく出る所だ」
オクトの強みは剣技だけではない。【対脊椎生物戦術】、すなわち脊椎生物と無脊椎生物間における戦闘の習熟度の違いもある。超大国のオブリビオンも多くは獣人のような脊椎生物ベースとなっており、「はじまりの猟兵」もマルス星人のような無脊椎生物との戦闘経験は豊富とは言えなかった。
「動き方が違う、急所も違う……!」
関節に縛られないグネグネした柔軟な挙動と、重要臓器を含めた身体構造の違い。すぐには対応しづらい生物学的な差異によって「はじまりの猟兵」は徐々に追い詰められていく。このままでは逆転の目は無さそうだが、仮面の奥からのぞく彼女の眼光は、諦めた者のそれではない。
(彼女は追い込まれると底力を発揮する)
たとえ優位に立ってもオクトは油断しなかった。距離を詰められ、不利な状況に陥れば、「はじまりの猟兵」は必ず【キューソネコカミ】の一発逆転を狙うだろう。それを予想しながら彼が切り込めば、相手は闇から新たなライフルを取り出した。
「これで――きゃっ?!」
「おっと、すまない」
超至近距離から銃撃が放たれる寸前。ここぞという場面でオクトはマント越しの「コスモガン」による奇襲を行う。
六刀流の戦い方を印象付けつつ、ギリギリまで見せなかった隠し玉だ。不意の閃光に射抜かれた「はじまりの猟兵」は悲鳴を上げてライフルを取り落とした。
「この辺り、底意地の悪さはお互い様だろう?」
「これは一本取られました……お見事です!」
オクトも銀河では名の知れた宇宙海賊だ、お行儀のいい正攻法ばかりでなくダーティな戦い方も心得ている。隙ができたところに躊躇なく斬りかかれば、「はじまりの猟兵」も不平不満ではなく賞賛をもって応じた。鍛え上げられた宇宙鉱石の刃が闇を切り裂き、舞い散る鮮血が大地を濡らす――。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
遊びに来たでござるよ
おいすー
常々思っているんでござるがプログラムド・ジェノサイドは動きを中止できないのがすげぇ不便でござるよね
なのでこう!
UC起動!虹色の残像が出そうな超高速行動!同系統のUCでござるが拙者は動きは自由なのでやりたい放題だぜ!
はじまりちゃんが止まれない間に武器からパーツ抜いて使用不能にしたり周りの罠やらを探してポイしておくでござるよ!
足元に余計な道具は置かない!危険予知ヨイカ!ヨシ!ご安全に!
ご安全になった所で…止まらぬはじまりちゃん鑑賞会でござるよ!チェキ撮ろうぜ!
次はSEXY感も出したい…ポッケにピン抜いた手榴弾入れて服をやられてる感を演出でござるかね?
「遊びに来たでござるよ。おいすー」
まるで旧知の友人の家に来たようなテンションで「はじまりの場所」に足を踏み入れたのはエドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)。待ち構えているのはとても遊びの雰囲気ではない、禍々しい闇に包まれた「はじまりの猟兵」なのだが、これが彼の平常運転である。
「自分で言うのもなんですけど、ここってそんな気軽に来れる所じゃないと思うんですけど……まあいいです!」
あまりにマイペースなノリに困惑しつつも、すぐに戦闘態勢を取る「はじまりの猟兵」。倒してもらうのが目的とはいえ手加減はせず、初手から【プログラムド・ジェノサイド】を繰り出してきた。脳内にプログラミングされた手順に沿って、ライフルによる超高速連続攻撃が放たれる。
「常々思っているんでござるがプログラムド・ジェノサイドは動きを中止できないのがすげぇ不便でござるよね」
歴戦の猟兵であるエドゥアルトは、「はじまりの猟兵」が使うものと同じユーベルコードを知っていた。攻撃は強力だが途中でプログラムを変更できず、避けられると攻撃終了まで無防備な隙を晒し続けてしまう、ハイリスクな技だ。
「なのでこう! スピーダッ」
「えっ、は、速いっ?!」
【SAN Device】を発動したエドゥアルトは、虹色の残像が出そうな超高速行動でライフルの射線から飛び退いた。
劇的な身体能力の向上に加えて体感時間を153分の1に。今の彼には音速の銃弾さえスローモーションに視えている。あまりのスピードに「はじまりの猟兵」が目を丸くするほどだった。
「同系統のユーベルコードでござるが拙者は動きは自由なのでやりたい放題だぜ!」
最も古き猟兵であり、旧式である「はじまりの猟兵」のユーベルコードと比べて「六番目の猟兵」のユーベルコードはそれぞれのスタイルや最新の戦術・能力を取り込んで洗練されている。相手が止まれないうちにエドゥアルトは悠々と戦場を駆け回り、好き勝手することができた。
「足元に余計な道具は置かない! 危険予知ヨイカ! ヨシ! ご安全に!」
「ああっ、そんなぁ!?」
森に仕掛けられた罠を探しだしてはポイしたり、武器からパーツを抜いて使用不能にしたり。銃火器やトラップの扱いを得意とする彼なら、この程度は朝飯前だった。策略や仕込みを暴かれてしまうと、地力で劣る「はじまりの猟兵」に逆転の目はない。
「ご安全になった所で……止まらぬはじまりちゃん鑑賞会でござるよ! チェキ撮ろうぜ!」
「えっ、ちょっ、やめてくださぁい!!」
まだ相手の【プログラムド・ジェノサイド】が終わらないのを良いことに、エドゥアルトは残像出しつつ好き放題。
まるで友人のように隣に並んでポーズをキメたり、写真を撮影したり。抵抗したくでもできない「はじまりの猟兵」の声に悲哀が混ざる。
「次はSEXY感も出したい……ポッケにピン抜いた手榴弾入れて服をやられてる感を演出でござるかね?」
「ひゃぁ?!」
この奇想天外な行動力も、ある意味では「六番目の猟兵」の強さと言えるだろう。遊ばれながらもきっちりダメージを入れられ、精神的にも肉体的にも衝撃を受けまくった「はじまりの猟兵」の悲鳴が、シベリアの森に響き渡る――。
大成功
🔵🔵🔵
西恩寺・久恩
私も猟兵って奴は最近なったばかりなので胸を借りるつもりで行きますね
よっと…
戦場の戦い方は瞬間思考力と第六感と心眼で敵の放った弾丸をお祓い棒でシャドウパリィする
おや?稽古の成果が出ましたね
弾丸を放った場所を気配感知で敵の位置を把握してから霊力による推力移動で敵に加速
今こそ出しましょう、本気を!
敵はUCを放って来たので心眼で敵の動きを見ながらお祓い棒でシャドウパリィする(怪力)
無限絢爛天理陰陽術式…無限昇華!
敵の攻撃を受けて私はどんどん体温が上がって来て指定UCの効果でUC無限絢爛天理陰陽術式『無限昇華』を発動して拳から衝撃波を放つ
ご指導ありがとうございました
指定UCを発動して超神速デコピンを放つ
「私も猟兵って奴は最近なったばかりなので胸を借りるつもりで行きますね」
現状「六番目の猟兵」が発見した順番ではもっとも新しい世界となる、アヤカシエンパイアの出身である西恩寺・久恩(妖怪陰陽師(物理)ここに見参!・f42881)は、大先輩にあたる「はじまりの猟兵」に敬意を表しつつ身構えた。自分の実力がどこまで通じるのか、確かめるいい機会だ。
「はい! 遠慮なくかかって来て下さい! わたしも手加減はしません!」
対する「はじまりの猟兵」から見れば、相手は後輩なれども格上。ゆえに全力の小細工で優位を取らんとする。深い闇に身を包んで姿を隠し、放つ銃弾は木々に跳ね返って予測困難な死角から標的を襲う。なりふり構わず勝利を目的とした「戦場の戦い方」こそ、彼女の最大の武器だ。
「よっと……」
久恩は瞬間思考力と第六感、そして心眼で攻撃の軌道を予測し、戦闘用の鉄棒に飾りつけをした「お祓い棒」で弾丸をシャドウパリィする。人ならざる妖怪ならではの優れた超感覚は、小手先の技では欺けない。そして妖怪退治のために鍛えた武技は、こちらの世界でも有効だとすでに証明されている。
「おや? 稽古の成果が出ましたね」
自分の成長を実感しつつ、久恩は弾丸が飛んできた方向を見る。跳弾を挟んで弾道を誤魔化していても、気配を完全に消すことはできない――相手の位置を把握すれば一気に霊力を解放し、その推力で加速して距離を詰めにかかった。
「今こそ出しましょう、本気を!」
「ええ、見せて下さい!」
猛スピードで接近する「六番目の猟兵」に、「はじまりの猟兵」は【プログラムド・ジェノサイド】を発動。予め脳内に刻んだプログラム通り、ライフルによる超高速連続攻撃を仕掛けてくる。だが久恩はその動きすら心眼で見切り、お祓い棒で全ての弾丸をパリィしていく。技の正確さもさることながら、尋常ではない怪力だ。
「無限絢爛天理陰陽術式……無限昇華!」
相手の攻撃を受けるうちに久恩の体温はどんどん上がり、紅い霊力を纏った狐神に変化する。長く伸びた髪と尻尾を振り乱しながら、拳を突き出せば凄まじい衝撃波が放たれ。大地を震わすほどの振動が「はじまりの猟兵」を捉えた。
「きゃあっ!? す、すごいです
……!!」
吹き飛ばされた「はじまりの猟兵」は大きく体勢を崩し、ライフルを取り落とす。純粋な力比べにおいて、旧世代が「六番目の猟兵」に敵う道理はない。本気の霊力を漲らせた久恩の勇姿に、彼女は畏怖と喜び、そして尽きない希望を感じた。
「ご指導ありがとうございました」
「こちらこそ、ありがとうございま……きゃうっ!!」
丁寧にお礼を言ってから、久恩はとどめに【無限天理陰陽術式『鬼面嚇人』】を発動。妖怪の怪力から繰り出される超神速のデコピンが「はじまりの猟兵」に炸裂し――相手は甲高い悲鳴を上げて、森のさらに奥へ吹っ飛んでいった。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
こちらを利する行動をとってくれる相手と戦うのは
気が引けるけど倒さなければならないなら仕方ないね
自分より強大な相手に対し
限られた手札を最大限に活かして戦うのは
UDC組織の人達に通じる所があるかな
多くの技能を使いこなすとはいえ
人間の範疇を大きく越えた異能や肉体はもたないはず
これまで戦ってきた人、関わってきた人の戦い方を思い出し
相手の攻撃を回避しよう
邪神の力で押し潰す戦い方もできるけど
この人の戦い方は邪神の力を使わずに戦う参考になりそうだから
敢えてこのUCで戦うよ
ワイヤーガンの拘束用ワイヤで範囲攻撃
慎重に相手の動きを鈍らせていこう
相手がUCで勝負をかけてきたら全力で回避し
切断ワイヤで攻撃を仕掛けるよ
「こちらを利する行動をとってくれる相手と戦うのは、気が引けるけど倒さなければならないなら仕方ない」
シベリアの奥地にて「はじまりの猟兵」と対峙した佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)は、そう語りながらワイヤーガンを構える。すでに
世界の敵と化した相手から真実の情報を得るためには、完膚なきまでに撃破する必要がある――複雑な気分だが、よもや手を抜く訳にもいかない。
「はい! どうか全力でわたしを倒してください!」
対する「はじまりの猟兵」も手加減はしない様子で、闇の中から取り出したライフルを構える。仮面のせいで表情は読み取れないが、視線は油断なくこちらとの距離を測り、撃ち合いに有利な地形を選んでいる。純粋な力は劣れども、あらゆる手段を尽くして勝利をもぎ取る「戦場の戦い方」が、彼女の得意分野だ。
「自分より強大な相手に対し、限られた手札を最大限に活かして戦うのは、UDC組織の人達に通じる所があるかな」
故郷の人々を思い出しながら、晶は「はじまりの猟兵」がどんな手を使ってくるか考える。多くの技能を使いこなすとはいえ、人間の範疇を大きく越えた異能や肉体はもたないはず――これまで戦ってきた人、関わってきた人の戦い方を思い出せば参考になるはずだ。
「行きます!」
相手は森の遮蔽物に身を隠しながらライフルを撃ってくる。これは避けられる攻撃だが、晶には「誘導されている」ような意図を感じられた。この場所が「はじまりの猟兵」にとって庭のようなものなら、戦う前に罠くらい仕掛けてあっても不思議はない。狩猟をするようにキルゾーンまで追い込むつもりか。
「悪いけど、釣られないよ」
「バレましたか。流石ですね!」
案の定、晶が誘い込まれた先には狩りで使われるような原始的な罠があった。森の茂みや雪で巧妙にカモフラージュされていたが、予想できていれば引っかからない。冷静に策を読まれ回避された「はじまりの猟兵」は、悔しがるよりも嬉しそうな声を上げた。
(邪神の力で押し潰す戦い方もできるけど、この人の戦い方は邪神の力を使わずに戦う参考になりそうだから、敢えてこのユーベルコードで戦おう)
これまでの戦いで培った経験の中から類似する敵や攻撃方法を発見することで、相手の攻撃を予測し回避する【庸人の錬磨】。邪神の力とはある意味対局に位置する、人間として磨いた技術の結晶だ。望まずして得た異能に頼らずに戦う手段、ここで改めて学んでいくのも良いだろう。
「あの時の経験が活かせるかも」
記憶の引き出しを開けながら、晶はワイヤーガンから拘束用ワイヤーを射出する。蜘蛛の巣のように広範囲に広がるワイヤーは「はじまりの猟兵」に回避を強要し、攻守を逆転させる。今度はこちらが相手を追い詰めていくターンだ。
「やはり『六番目の猟兵』も、ユーベルコードだけが強さではありませんね!」
慎重にワイヤーを張り巡らせていく晶の戦い方によって、「はじまりの猟兵」はじりじりと動きを鈍らされていく。
この調子では捕まるのも時間の問題。窮地に立たされた彼女は【プログラムド・ジェノサイド】で勝負を仕掛けた。
「これは避けられますか!」
「それは知ってるよ」
予め脳にプログラムしておいた連続攻撃を行う。晶はこれと同じユーベルコードをUDCアースで見たことがあった。
超高速で放たれるライフルの連射を、経験と知識にもとづいて全力で回避し――プログラム終了まで自由に動けない「はじまりの猟兵」へと、反転攻勢をかける。
「僕の勝ちだね」
「ッ……やられました!」
殺傷用の切断ワイヤーに切り替えられたワイヤーガンの射撃が、「はじまりの猟兵」の身体を切り裂く。仮面の下でかすかな呻き声を上げつつ、彼女は素直にしてやられたと認めた。人としての研鑽、数多のオブリビオンと戦ってきた経験の蓄積。これもまた「六番目の猟兵」の力なのだと知って。
大成功
🔵🔵🔵
菜花・深月
よし、うちも戦うよ!
はじまりの猟兵と戦闘開始
まずは隠れないと!
最初に結界術を周りに展開しながら遮蔽物に隠れたら視力で周りを見てから相手が隠れている場所へ凍結攻撃の矢弾の雨を放つ
うわっ?!銃撃戦は不利だね…!
銃弾が飛んできて結界が破壊させた。障害物を利用した跳弾だったので再び結界術を展開し推力移動で加速する
やあ!
敵の銃撃を視力で見てシャドウクロークでシャドウパリィして弾きながら敵に接近する
速すぎるけど…何とか避ける!
敵のUCに対しては結界術で防御している間に推力移動で横に回避してから指定UCを発動して敵を凍らせる
反撃開始だよ!
指定UCの効果でUC星海獄・アンダー・カレンドを発動して敵を攻撃した
「よし、うちも戦うよ!」
すでに戦端の開かれた「はじまりの場所」にて、新たに「はじまりの猟兵」との戦いに加わるのは菜花・深月(止まった時間が再び動き出す時・f41809)。ここまでの戦争の敵とは異なり、怨恨や悪意にまつわる戦いではないため、その表情も心なしか清々しい。
「まずは隠れないと!」
彼女は結界を張りつつ遮蔽物に身を隠し、周囲を見回す。「はじまりの猟兵」も森のどこかに隠れているようだが、月穹士として鍛えられた彼女の目を欺ける者はなかなかいない。木陰に潜んだ標的を見つけ出すと、彼女は月光弓から氷の矢を放った。
「見つかっちゃいました! やりますね!」
触れたものを凍結させる矢弾の雨が降り注ぐと、「はじまりの猟兵」は潜伏場所から飛び出してライフルを構えた。
彼女の実力は「六番目の猟兵」よりも弱い。だが戦場で培われた技能はどれも高度なものだ。放たれた銃弾は障害物を利用して跳ね返り、脆弱なポイントから深月の結界を破壊する。
「うわっ?! 銃撃戦は不利だね……!」
ユーベルコードを使わずにこれほど高度な射撃ができるとは。深月は再び結界を展開しつつ、推力移動で加速する。
立ち止まっていては四方八方からの跳弾の的になるだけだ。撃ち合いで勝てないなら、なんとか接近するしかない。
「やあ!」
深月が着ている「シャドウクローク」はステルスとパリィ性能に優れた、ゴッドゲームオンラインの現環境高Tier評価を受けている装備だ。その効果と持ち前の視力の良さを活かして、彼女は銃弾を弾きながら相手に近付いていく。
「だったら、これはどうですか!」
対する「はじまりの猟兵」は【プログラムド・ジェノサイド】を発動。脳内にプログラミングした攻撃パターンに基づいて攻撃の速度と手数を上げる。ただのライフルがガトリング砲のような連射速度に達し、凄まじい密度の弾幕が展開された。
「速すぎるけど……何とか避ける!」
深月は結界が弾幕に耐えている間に、推力を横に向けて射線から退避。すかさずこちらもユーベルコードを発動し、【氷刻矢雨の月矢】を放った。この矢には必中効果に加え、耐性を無視して凍結状態を確定で与えるという、ゲームバランスが心配になるほどの効果が付与されていた。
「これがうちのとっておき! 反撃開始だよ!」
「きゃっ……!」
突き刺さった矢が「はじまりの猟兵」の腕を凍らせる。いくらプログラム通りに動こうとしても、これで銃撃は続けられまい。この機を逃さず深月はユーベルコードを追加発動し、戦場全体を巻き込むような巨大な渦潮を発生させた。
「星海獄……アンダー・カレンド!」
「す、凄い……きゃああああっ
!!!?」
神速を超える星の渦潮の流れに巻き込まれた「はじまりの猟兵」は、悲鳴を上げて押し流される。これが最新の技術と能力を身に着けた「六番目の猟兵」のユーベルコードか。旧世代との力の差をまざまざと感じさせられた、彼女の声はどこか明るかった――。
大成功
🔵🔵🔵
黎明・天牙
今回は邪神君のみが出てくる
天牙達はhttps://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=56490に行っています
ははははは!仕上げだ!我が愛馬よ!
愛馬デスベルが認識出来ない声で鳴く
UCの効果で現れた邪神オーガスト・ベインと指定UCの効果でUC混沌召喚・邪騎デスベルを発動してデスベルが現れた(これらが本体)
相手は邪神特攻の武器を構えて素早く聖属性の弾丸を放つ
ふん!効かぬわ!
邪騎に乗馬した邪神は概念滅の拳で弾丸を消し去る
成る程、上手く隠れたか…
姿を消した相手を探す為に我を従えと命令をした
ぬっ?!
相手は重力に耐えながら邪神特攻の罠を発動して邪神を縛り付ける
それこそ我が愛馬の贄に相応しい!
蝉の姿から黒い何かに変貌し衝撃波を放ち罠を破壊する
お返しだ!
相手の気配を察知するクイックドロウの要領で素早く呪殺弾を放つ
強かったよ、はじまりの猟兵
相手はUCを発動して突っ込んで来たが邪神はしっかりと相手を見て邪騎デスベルの超神速で回避
終極宣言!
攻撃を止められない相手は避けられなかった
「ははははは! 仕上げだ! 我が愛馬よ!」
シベリアの奥地にある「はじまりの場所」に、響き渡る邪悪な哄笑。それに応えるように、黒い馬が認識出来ない声で嘶く。それは【顕現夢幻蝉・8月の破滅】により召喚された邪神オーガスト・ベインと、彼の愛馬「邪騎デスベル」であった。
「あ、あれも猟兵……ではないみたいですね」
すぐに「はじまりの猟兵」も気付いた通り、あの邪神の召喚者である黎明・天牙(夢幻戦線のリーダー『パラダイス・ブレイカー』・f40257)は別の戦場で敵と戦っている。オーガスト・ベインは戦争中ずっと独自に行動していたが、それも全ては【混沌召喚・邪騎デスベル】を取り戻すためであった。
「六番目の猟兵は、あんな邪神すら従えるのですね……!」
驚きながらも感心しつつ、「はじまりの猟兵」は闇の中から一丁のライフルを取り出す。異世界の侵略者と戦うために様々な技能に習熟した彼女は、邪神特攻となる技と装備も取得している。放たれた弾丸は聖なる気を帯びて、邪神とその騎馬を狙い撃ったが――。
「ふん! 効かぬわ!」
邪騎の鞍上からオーガスト・ベインが拳を振るうと、弾丸は忽然と消え去った。弾いたり壊したのではない、概念ごと滅したのだ。愛馬との再開を果たした邪神の力は単独時よりも高まっており、旧世代の「はじまりの猟兵」の手には余る相手だ。しかし彼女も、実力の差を見抜けなかったとは思えない。
「成る程、上手く隠れたか……」
気がつけばいつの間にか「はじまりの猟兵」は戦場から姿を消している。今の銃撃はこちらの気を散らすための牽制だったのかと、オーガスト・ベインは察した。正攻法で敵わない相手なら策を弄し、罠に嵌めて倒す。それが戦場の戦い方というものだ。
「我等に従え! 出てこい!」
潜伏した相手を探し出すために、オーガスト・ベインは命令を発す。彼の言霊は周囲に高重力を発生させ、従わぬ者にダメージを与える。姿が見えずとも声が聞こえる範囲にいるのであれば、我慢できずに出てくるだろうと考えたようだが――。
「うぐぐぐ……これくらいなら!」
「ぬっ?!」
邪神の予想に反して、「はじまりの猟兵」は重力に耐えながら森に仕掛けた罠を起動させてきた。邪悪を封じる呪文を編み込んだ聖なる銀の鎖が、邪騎デスベルもろともオーガスト・ベインを縛り付ける。力弱き者かと思えば、こんなものまで用意していたとは。
「それこそ我が愛馬の贄に相応しい!」
相手が全力を出すにふさわしい「敵」と認めた彼は、蝉の姿から名状しがたい漆黒の異形に変貌する。その身より放たれる衝撃波は森に暴風を巻き起こし、罠を力ずくで引き千切る。技と策略を用いる相手に、あくまでも力押しで勝利するつもりだ。
「お返しだ!」
「きゃっ……!」
罠が発動した瞬間、かすかに感じられた相手の気配を察知し、オーガスト・ベインはクイックドロウの要領で呪殺弾を放つ。凝縮された邪神の呪いから「はじまりの猟兵」は慌てて身を躱すが、遮蔽物にしていた木々は一瞬にして腐り落ち、隠れる場所が無くなってしまった。
「強かったよ、はじまりの猟兵」
「ありがとうございます! でも、まだ終わりじゃないですよ!」
全ての策を破られた「はじまりの猟兵」は、ライフルの銃剣を突きつけて【プログラムド・ジェノサイド】を発動。
たとえ勝機が薄かろうとも、最後まで諦めはしない。決死の覚悟を乗せた超高速の連続攻撃で、邪神に一矢報いんとする――。
「終極宣言!」
突っ込んで来た相手から目を逸らさずに、オーガスト・ベインは邪騎デスベルの脚力で攻撃を躱す。神速を超える速さで昏き森を駆け、返礼に放つは漆黒の球体。次元さえも捻じ曲げる極大威力の言霊の重力を、攻撃途中の「はじまりの猟兵」は避けられない。
「ッ――
……!!」
黒い玉に触れた「はじまりの猟兵」の肉体が歪み、仮面にピシリと亀裂が走る。いかにオブリビオンと化していても限界は近いのだろう。そして、それこそが彼女の望み――真実を託すに足る者たちが来てくれたことに、彼女は心の中で歓喜していた。
大成功
🔵🔵🔵
月白・雪音
過去の残滓との戦に臨む猟兵とて、骸の海より洩れれば等しく残滓と変じようとは皮肉なものです。
…いえ、其れも過去の残滓の命殺める者なればこそ負わねばならぬ業であるか。
頼るは己が武の業ひとつ。
異能無きこの身の戦は、或いは古い猟兵たる彼女に近いものでしょうか。
UC発動、怪力、グラップル、残像の高速格闘戦にて戦闘展開
野生の勘、見切りで相手の攻撃、技能による搦め手を察知
アイテム『薄氷帯』の効果で身体を霊力保護しつつ連続攻撃を弾き、逸らし躱しつつカウンター
落ち着き技能の限界突破、無想の至りを以て己の気配、音、存在そのものを全て遮断、敵の眼前にあったとて完全に『姿を消す』
僅かに隙が出来れば良し。極限まで業を練り殺人鬼の業も併せ最大威力の一撃を
…或いは我ら猟兵の始まりは、世界が罪深きと断ずる程の業であったのでしょう。
されど残滓と変じ、それでも我らに言葉を遺さんと尽力して下さるとあらば其れに応えるが後進としての務め。
先達たる貴女がたが掲げた想いは確かに未来へ、今へと繋がれたのだと。我が武を以て示しましょう。
「過去の残滓との戦に臨む猟兵とて、骸の海より洩れれば等しく残滓と変じようとは皮肉なものです」
万物はいずれ過去となり、逆流した時間は
世界の敵と化す。それは自分たちも例外ではないのだと、月白・雪音(
月輪氷華・f29413)は「はじまりの猟兵」の末路から改めて実感していた。現在は「六番目の猟兵」と呼ばれ、オブリビオンと戦う自分たちも、いつかはああなのやもしれぬ。
「……いえ、其れも過去の残滓の命殺める者なればこそ負わねばならぬ業であるか」
答えを決めるのは早計やもしれぬ。だが覚悟ならとうにできている。どう言い繕ったところで此の身は闘争と殺戮に手を染める者なれば。いずれにせよ今は、自分たちに真実を伝えんとする先達の意を汲み、全力を以て応じるのみだ。
「頼るは己が武の業ひとつ。異能無きこの身の戦は、或いは古い猟兵たる彼女に近いものでしょうか」
「いえ、わたしには真似できそうにないですよ……だから遠慮なく、武器も使わせてもらいます!」
徒手空拳で【拳武】の構えを取る雪音に対し、「はじまりの猟兵」はライフルの銃口を向ける。勝利のためなら武器も小細工もあらゆる手段を使い尽くす、非力な旧世代ならではの戦い方を彼女は持ち味としていた。それは武技という一点を研ぎ澄ませ洗練させた雪音とは、似てはいても真逆の方向性。
「行きます!」
【プログラムド・ジェノサイド】を発動した「はじまりの猟兵」は、予め脳内にプログラムしていた動作で連続攻撃を開始。無駄のない動作で銃を乱射し、相手を近付けさせまいと弾幕を張る。格闘戦を得意とする「六番目の猟兵」が相手なら、まずは接近させないことが第一だ。
「……弱きヒトが至りし闘争の極地こそ、我が戦の粋なれば」
容赦ない「はじまりの猟兵」の超高速連射に、雪音はユーベルコードの域に達した武術で応じる。地を蹴ればその身は白い残像となって森を駆け、鋭敏なる五感が弾道を見切る。この疾さがあれば銃弾の雨を躱し、相手に肉薄することも――。
(……違う。これでは余りにも単純過ぎる)
雪原の生活で培われた野生の勘が警鐘を鳴らす。同時に足元に違和感。さっと飛び退けば、雪と草に隠された虎挟みの罠があったことに気付く。あと一歩踏み込んでいれば足を取られていただろう。銃はあくまで気を引くための囮で、本命はこの戦いが始まるよりずっと以前から仕掛けられていたのだ。
「バレちゃいました。流石ですね」
「いえ、危ない所でした」
勘が働かなければどうなっていたことか。これが「はじまりの猟兵」の戦い方かと理解した雪音は、より慎重な対処を行う。身に着けた「薄氷帯」の力で身体を霊力保護しつつ、飛来する銃弾を拳で弾き、逸し、躱す。"動かされる"のではなく自ら道を開く意識がなければ、また罠に誘導されかねない。
「……次は、私の真髄もお見せしましょう」
極度の緊張を強いられる状況下にいながら、雪音の心は平時と変わらぬほど落ち着いていた。鍛錬の果てに無想の境地へと至った彼女の精神は、宿業とも言える獣の闘争本能さえ律し、己の気配、音、存在そのものを全て遮断する――その刹那、白虎の拳士は相手の前から完全に「姿を消した」。
「ッ?! 一体どこに……!」
雪音は物理的に消えたわけではない。ただ「はじまりの猟兵」の五感や第六感、その他あらゆる知覚手段に認識されなくなったのだ。突如標的を見失えば歴戦の猟兵とて動揺は禁じ得ず、正確無比の射撃に僅かな隙が生まれる。彼女に近付くならば、この瞬間を除いて機会はない。
「……或いは我ら猟兵の始まりは、世界が罪深きと断ずる程の業であったのでしょう。されど残滓と変じ、それでも我らに言葉を遺さんと尽力して下さるとあらば其れに応えるが後進としての務め」
影法師の如く音も気配もなく、死線の先に滑り込んだ雪音は、眼前の「はじまりの猟兵」への敬意を以て拳を握る。
極限まで業を練り、生まれ持った殺人鬼の業さえも併せ、今の自分にできる最大威力の一撃を見舞う。これが異能を持たぬ者が成し得る、純粋なる武術の究極だ。
「先達たる貴女がたが掲げた想いは確かに未来へ、今へと繋がれたのだと。我が武を以て示しましょう」
「――
……!!!」
はっと「はじまりの猟兵」が気付いた時には、雪音はもうそこに居て。突き出された拳は気の起こりさえ感じさせぬまま、胸に打ち付けられている。見た目は儚げな乙女の拳なのに――その衝撃は砲弾のように、全身へと響き渡った。
「……すごい。ヒトは、武術でここまで強くなれるのですね……」
感服と敬服の念を抱きながら、がくりと膝をつく「はじまりの猟兵」。仮面の下から血の雫が滴り落ちるが、その声音は心から満足げだった。彼女たちであれば己の知る真実を、そしてこの世界の"未来"を託せると、確信したように。
大成功
🔵🔵🔵
サツキ・ウカガミ
戦場での戦い方。親近感あるなぁ。
ボクも使えるものは全部使う方だよ、先輩!
でも、今回は「六番目の力」を魅せてあげるね!
はじまりの猟兵の忍刀『濫觴』
(ごめん、名前は勝手につけちゃった)を抜いて
[見切り・情報収集・フェイント]で出方を伺う。
でも先輩が見たいのは、はじまりの猟兵の武器じゃなくて
今のボク等の力だよね。焦らしてあげる。そちらから仕掛けてよ。
連続攻撃を出してきたら
【瞳術『忍夜皐曲者』・蛇】で硬直させて
動けない隙に【影魔人の術・餓者髑髏・移】の影踏み。
そして[ダッシュ・軽業]で攻撃範囲から離脱。
折角だからさ。
ボクの術を貸してあげる!
餓者髑髏、生命も闇も全部喰らい尽くせ!
さぁ先輩、そろそろ動いて良いよ!
その技は何回攻撃?
動く度に、餓者髑髏が食いちぎる!
プログラム終了を確認したら再度影踏み、餓者髑髏を回収。
念のため[影縛り]してから話しかける。
持てる力を全て使って任務を遂行する。
その時に、多少の無理を通しちゃうのが、ボクの忍術、力だよ。
さぁ、次は先輩が話してくれる番だよ……!
「戦場での戦い方。親近感あるなぁ。ボクも使えるものは全部使う方だよ、先輩!」
エンドブレイカーとしてマスカレイドと戦っていた頃から、サツキ・ウカガミ(
忍夜皐曲者・f38892)は熾烈な戦場を何度も経験してきた。絶望的な
終焉も、己より強大な敵も。忍術に限らず、あらゆる手を尽くして危機に対処するのは、ある意味忍者らしい。
「でも、今回は『六番目の力』を魅せてあげるね!」
「それは楽しみです……えっ、それは……!」
仮面の奥から弾んだ声を出す「はじまりの猟兵」だが、サツキが抜いた刀を見ると思わず目を丸くした。それは以前「m'aider」に応えて現れた、はじまりの猟兵の武器のひとつ。いわば彼女たち「六番目の猟兵」を獣人戦線に導いたきっかけとも言えるものだ。
「はじまりの猟兵の忍刀『濫觴』……ごめん、名前は勝手につけちゃった」
「い、いえ! それは全然構いませんよ!」
かつての自分、あるいは仲間の武器を出されて驚いた「はじまりの猟兵」だが、その程度のことでは隙は誘えない。
サツキは忍刀を抜いたままじりじりと間合いを詰め、視線や足運びのフェイントを入れながら、相手の出方を伺う。
「でも先輩が見たいのは、はじまりの猟兵の武器じゃなくて、今のボク等の力だよね」
「ええ、その通りです! 行きますよ!」
そちらから仕掛けてよ、と言わんばかりに焦らしてくるサツキに、「はじまりの猟兵」は百も承知で誘いに乗った。
闇の中から黒いライフルを取り出して、発動するのは【プログラムド・ジェノサイド】。予め脳内に攻撃パターンをプログラムしておくことで、超高速連続攻撃を可能にするユーベルコードだ。
「ボクの眼をもって命ずる、竦め!」
「ッ?!」
相手が連続攻撃を仕掛けてきた瞬間、サツキは【瞳術『忍夜皐曲者』・蛇】を発動。皐月模様に変化した瞳で見つめると、蛇に睨まれた蛙のように「はじまりの猟兵」が硬直する。術をかける手順がシンプルで使いやすく、他の術を使うための隙を作るために彼女が多様するユーベルコードだ。
「折角だからさ。ボクの術六番目の力を貸してあげる! 餓者髑髏、生命も闇も全部喰らい尽くせ!」
この隙に接近したサツキは「はじまりの猟兵」の影を踏んで【影魔人の術・餓者髑髏・移】を唱え、即座にダッシュで攻撃範囲から離脱する。これはサムライエンパイアの化身忍者が使う「妖怪を宿す術」を、エンドブレイカーの忍術に取り入れたもの。自分ではなく他人に妖怪を憑依させ、貸し与えるのだ。
「さぁ先輩、そろそろ動いて良いよ!」
「で、ではお言葉に甘えて……っ! こ、この力は
……!?」
硬直を解かれた「はじまりの猟兵」は攻撃を再開するが、影に巨大な髑髏魔人を憑依させられた彼女の攻撃は、本来の何倍にも強化されていた。放たれたライフル弾はまるで重機関砲のように地面を抉り、木々を吹き飛ばす。その威力に当の本人が驚くほどだ。
「で、でもどうして敵に塩を送るようなことを……う、くっ?!」
だが、強大な力には代償が付き物。餓者髑髏は憑依した対象の攻撃力を強化する代わりに、攻撃のたびに生命力をごっそりと奪い取っていく。弾を一発撃つたびに「はじまりの猟兵」は凄まじい脱力感に襲われ、そこでサツキの意図を理解した。
「その技は何回攻撃? 動く度に、餓者髑髏が食いちぎるよ!」
「ま、まずいです……ううっ!」
【プログラムド・ジェノサイド】の弱点は、一度発動するとプログラムを中止できないことだ。攻撃するたび自分の生命を削ると分かっていても、攻撃を続けるしかない。折角上がった攻撃力も、標的に当てられなければ無駄打ちだ。
「はあ、はあ……これが『六番目の猟兵』の力
……!!」
何度銃口を向けても、そのたびにサツキは軽業めいた身のこなしで射線から去っていく。強化された銃弾は全て空を切り、無為に生命力だけを餓者髑髏に貪られる。旧世代の自分にはなかった、新しい世代の力を「はじまりの猟兵」は体感していた。
「もう終わりかな?」
「はぁ……はぁ……」
やがてプログラムの終了を確認すると、サツキは再度影踏みして、餓者髑髏を回収。生命力の殆どを失った「はじまりの猟兵」は息も絶え絶えで立ってすらいられないのに対して、彼女のほうは怪我ひとつない。それでも、相手がボロボロのふりをして油断させようとしている可能性まで考慮して、念のため影縛りで身動きを封じてから話しかける。
「持てる力を全て使って任務を遂行する。その時に、多少の無理を通しちゃうのが、ボクの忍術、力だよ」
「……素晴らしい……ほんとうに、すごいです。皆さんは今まで、こうやって世界の敵と戦ってきたのですね……」
サツキの言葉には、実績と戦歴に裏打ちされた自信がある。いつだって全力で理不尽な終焉を打ち破ってきた彼女に「勝ち目のない戦い」など無いのだと「はじまりの猟兵」もよくよく思い知らされた。ただ実力に優るだけではない、それを知れたことが、なによりも喜ばしい。
「さぁ、次は先輩が話してくれる番だよ……!」
「はい、約束ですものね。お話しましょう……」
力尽き、消滅する寸前の「はじまりの猟兵」は、サツキの真剣なまなざしに応えて真実を語りだす。オブリビオンとなった彼女が欺瞞なく情報を伝えられる僅かな時間。この時のために彼女と「六番目の猟兵」たちは戦ったのだから。
――ここで「はじまりの猟兵」から伝えられた情報は、驚くべきものだった。
新たな真実を知った「六番目の猟兵」は、これから何に挑み、どんな選択を強いられることになるのか。
さらなる謎と、より激しい戦いを予感させながら、獣人世界大戦は終結を迎えるのだった。
大成功
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