獣人世界大戦⑳〜鏡合わせの戦場〜
寒いなどという言葉が可愛らしく聞こえるほどに厳しい寒さの中、深い森より『闇』が現れる。
あまりにも膨大な闇の中、オブリビオンと化した『始まりの猟兵』が、足を踏み出そうとした瞬間、『闇』が膨れ上がる。
それは周囲の者を歪に形作っていく。正確に言うならば、猟兵たちの真の姿を歪めて形作っていくのだ。まるで、自分自身には勝てないだろうと嘲笑うように。
「なぜ……?!」
ふいに、『始まりの猟兵』が困惑した声を上げた。姿を変える『闇』を見やって、狼狽えてから、すぐに戦闘態勢を取る。
形作っていく、『闇』へと向かって。
それ故に、彼女が意図したことでないと分かるだろう。
『闇』は膨れ上がる、暴走する。そして戦場にいる猟兵たちを歪に象っていくのだった。
――――、
「……いつだって、一番難しいことはてめぇに打ち勝つことかもしれないなぁ」
冷静に戦場を見やりながらその男はつぶやく。『闇』がどんどんと猟兵たちを歪に象り、対峙するのに溜息をつき、
「『始まりの猟兵』と共闘、あるいは……自分自身に打ち勝つか……どちらにしろ、だ……あの闇が『始まりの猟兵』のエネルギー源でもある」
それに立ち向かう彼女もそのことを分かりきっているだろう。それでも『始まりの猟兵』として、人を守るために立ち上がるのか、その身をオブリビオンと化しても、猟兵としての根は変わらないということだろうか。
そんな彼女の姿を、羽織った梅柄の振袖を風に揺らして、眩いものを見るように目を細めた紅筆・古金(巫女の血を継ぐ人・f43521)は、わずかに何かを振り切るような顔で頭を振ると、油断なく構える猟兵たちに声をかける。
「最後の花道、それを飾るやつは多けりゃ多い方がいい……そう思わねぇかい?」
共に暴れるもよし、あるいは自分自身に打ち勝つのも良いだろう。
とちらにしろ、それがきっと彼女の花道を飾り、あの闇を振り払うこととなるのだ。
白藤
戦争シナリオ初参戦となります、よろしくお願いいたします。
プレイングボーナスは「はじまりの猟兵」と共闘するor自身の「闇の真の姿」を描写し、それに打ち勝つ。となります。
どんな闇を持つのか、そしてどう打ち勝つのか、はたまたまどんな風に共闘するのか……皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『はじまりの猟兵』
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POW : ストライク・イェーガー
レベルm半径内の対象全員を、装備した【ライフル】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD : プログラムド・ジェノサイド
【予め脳にプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : キューソネコカミ
【ライフル】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
イラスト:hoi
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
霧崎・天音
【アドリブOK】
闇の真の姿…ダモクレスの私がさらに禍々しくなったような…
昔の自分のような存在が相手かな…
だとしても負けるわけには行かない…
相手が私を超える力を持っているとしても
クセはおんなじハズ…
私がはじまりの猟兵さんに指示を出して
その隙をつくようにこうげきしてもらうようにしよう。
きっとアレは私がダモクレスのままだった時のもしも
だからこそ、私はこの手で打ち砕かないと…
相手の動きを撹乱してユーベルコードを打ち込む…
刺し違えるのはなるべく避けたいけど…もしその必要があるなら…
「もしもの私…これで決着をつけよう…
最後のドラゴン殺しの力…受けてみてよ…!」
禍々しい漆黒の炎に包まれたような存在に目を細める。ダモクレスの自身が更に禍々しくなったような……いいや、あるいは
「昔の私のような存在……いいえ、きっとあれは私がダモクレスのままだった時の、もしも……」
そう呟きながら一瞬目を伏せるが、すぐに顔を上げる。なっていたかもしれない、もしもの自分。いつか自分が辿り着いていたかもしれない、『自分』。
ならばこそ、この『自分』は私の手で倒さなければならない。
仮に、だ。もしも相手が自分を超える力を持っていたとしても、細かい癖は同じはずだ。
癖というものは簡単には直らない、ましてや昔からの戦いの癖は染み付いて、取れるものでは無い。
「『始まりの猟兵さん』、私が合図をしたら攻撃してください」
『自分』の動きは自分がよくわかる。それはきっと相手もそう……それならば、その隙をつくることが出来るのも自分なのだ。
「わかりました」
こくりと頷く『始まりの猟兵』を見やってからぐっと武器を構える。それを合図かのように相手も武器を構えた。
同じ構え……まるで鏡合わせのように。
そう、敵は己自身だ。ゆえに、自分が打ち勝たなければならない相手だ。
地面を蹴り、撹乱するように滑空しながら向かっていく。更に、ユーベルコードを発動し、【プロメテウス炎神】で加速した【炎と冷気を宿したダブルパイルバンカー】を『闇』が象る、ありえたかもしれない自身に突きつける。
刺し違えるつもりなどは無い……それでも、必要とあらば!
「もしもの私……これで決着をつけよう……
最後のドラゴン殺しの力……受けてみてよ……!」
大成功
🔵🔵🔵
エリー・マイヤー
先日、とある死に覚えゲーのプレイ動画を見ましてね。
その動画では、自キャラをコピーしてくるボスに、装備を外してから挑んでたんです。
そこから学びました。
コピーしてくる敵が出るなら、自分を弱くすればいいと。
というわけで【安全装置】を付けてきました。
そうなれば、敵も必然的に安全装置を付けた状態で出てくるわけでして…
暗黒面に落ちようと闇のエナジーを内包してようと、私は私。
サイキックエナジーの形でしか力を放出できません。
それを封じられた以上は、顔とスタイルと性格がいいだけのクソ雑魚一般人と成り果てるわけです。
さぁ、はじまりの猟兵さん。
敵味方問わず追い立てられた鬱憤を、そこの私で思う存分晴らすといいですよ。
「先日、とある死に覚えゲーの動画を見ましてね」
溢れ出る猟兵達の『闇の真の姿』を見ながらぽつりと呟く。
敵と戦っては繰り返し「死に」続け、敵のパターンを「覚え」攻略するゲーム。その中に、自キャラをコピーする敵がいた。
今とほぼ同じような状況ですね……と思いながら、自身の腕を撫でる。華奢な手に付けられた武骨な手枷……それはいわゆる『安全装置』、自身のサイキックエナジーを封じるもの。
「暗黒面に落ちようと、闇のエナジーを内包していようと、私は私」
サイキックエナジーを放出するのが自分、逆に言えばそれを封じてしまえば、何も出来ないのだ。
そう思いながら、現れた自身の『闇』を見やて、目を細める。
自身の真の姿を歪に歪めたような存在……だけれどその手には狙い通りに手枷がある。つまり、相手は手枷をつけられた自分と同じ、どれだけ強いエナジーを持っていようとも
「ああなったら、顔とスタイルと性格がいいだけのクソ雑魚一般人と成り果てるわけです」
まあ、自分自身も攻撃手段がないわけで、普段ならいわゆる詰み、なのはこちらなのだが……
そっと顔を上げて彼女を見やる。
『始まりの猟兵』、今回は彼女がいる、オブリビオンと化しても、こうして『闇』を倒そうとする彼女がいる。
「さぁ、始まりの猟兵さん……敵味方問わず追い立てられた鬱憤を、そこの私で思う存分晴らすといいですよ」
ひらりと手を振る。手枷をつけている以上、あの『私』には何も出来ない。
なら、自分が許可を出してる事だし、思う存分鬱憤晴らしをしてもいい。
それぐらい、許されてもいいのだ。
大成功
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デボラ・メンデス
アドリブ歓迎
闇の真の姿:凶悪な顔つきな羊顔に人の上半身と羊の下半身を持つ獣人
あれが闇の真の姿…食欲を御せず化物に成り果てましたか…
ならばその闇ごと喰らい、私の内で消化するのみ、ですわ!
私の力を模したのなら相手も攻撃手段は噛みつきしかありません!
だからこちらから接近して【捕食・魔喰・大食い・早食い】で全力で噛みつき喰ってやりますわ!
相手の攻撃は【激痛耐性】で堪えつつ「緊急階梯変異」で負傷を回復しながら捕食続行ですわ!
喰らい合い勝負になるでしょうがこちらは私一人ではありません!
はじまりの猟兵様にお願いして相手を削り取るように攻撃してもらいますわ!
食の何たるかを忘れた私に喰われる訳には参りませんわ!
対峙した『闇』が形作っていく。凶悪な顔つきな羊顔に人の上半身と羊の下半身を持つ獣人の姿を……
「あれが、私の『闇の真の姿』……」
凶悪な顔にため息をこぼして、デボラ・メンデス(雑食系羊・f43439)は首を振った。
「食欲を御せず怪物に成り果てましたか……」
食べることが大好きな自分……なるほど、その闇の真の姿は食欲を御せず、怪物となり果てた自分らしい。全く……というように再度ため息をこぼしてから顔を上げる。
そう、それならば
「その闇ごと喰らい、私の内で消化するのみ、ですわ!」
自分の力を模しているならば、向こうの攻撃手段も噛み付きだ。そう、つまりはお互い喰い合いになる。喰うか、喰われるかならば、先に喰らい尽くしてやるまでのこと!
「『始まりの猟兵』様!相手を削り取るように攻撃をお願いしますわ!」
だっ!! と勢いよく地面をけって、自身を模した闇に思いっきり喰らいつく! 当然ながら相手もこちらに喰らいついてくる。
「くうっ!」
その痛みを『激痛耐性』でしのぎながら、ユーベルコード【緊急階梯変異】を発動!
「こちらの姿の方が、食べやすいですわ!」
喰らいつき、噛みちぎり、体が回復する。その度に向こうも同じように喰らいつき、噛みちぎられる。まるでメビウスの蛇のよう、自分を喰らって、喰らい尽くして、残るのは無ばかりか?
いいや、違う。
がぁん!! と響く銃声、『闇』の体が削り取られる。『始まりの猟兵』の支援だ。
そう、1人じゃない、共闘してくれる彼女がいる。それならば、自分は負けない!
食欲を御せなかった自分、なんて嘆かわしい!
「食の何たるかを忘れた私に喰われる訳には参りませんわ!」
だから私が喰らい尽くしてやろう、その闇もなにもかもを!
大成功
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天御鏡・百々
【闇】
百々の真の姿と同様(https://tw6.jp/gallery/?id=68841)の大きな鏡を背負った神様のような姿
歪めてのアレンジお任せ
【戦闘】
『天神遍く世界を照らさん』を使用し、戦場を清浄なる神域へと変化させるぞ
我が姿を模していても、闇を元とするならばこの空間では全力を出せまい
我を模しているならば、弱点、というか本体も同じであろう
(ヤドリガミなので本体は鏡)
はじまりの猟兵にも敵の持つ鏡を狙うように伝え
我も『天之浄魔弓』から放つ光の矢で集中攻撃だ
我が本体の神鏡は『神通力』の障壁(オーラ防御、結界)でしっかり守るぞ
(※本体の神鏡へのダメージ描写NG)
目の前の『闇』が姿を形づくる。大きな鏡を背負った神……だが、そこから溢れ出すのは光ではなくどこまでも絶望のみを与える深い深い闇だけだ。
それを冷静に見やりながら、天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、自身でもある神鏡を構える。
「これにてこの地は神域と化した。悪しき者よ、その罪を悔い改めるがよい」
光が降り注ぐ。闇により暗く淀んでいた戦場の空気が清浄な光によって塗り替えられていく。ここはもはや神域同然、自身に力が漲る反面、いくら百々の真の姿を模したといえど、向こうは『闇』の力の塊……つまりどう足掻いてもここでは弱体化するのだ。
『闇』が神域同然の空気にわずか後退するのに目を細めて、曲がりなりにも自分を模したのであれば、と黒く淀んだ鏡を見やる。
「弱点はあれだ」
『始まりの猟兵』にそう告げて、『天之浄魔弓』を構える。そう、あれは曲がりなりにも『自分』……神鏡のヤドリガミなのだ。ならば弱点は同じ、やつの傍で浮いている黒く淀んだ鏡に違いない。
「わかりました」
『始まりの猟兵』がライフルを構えて鏡に向かって銃弾を発射させるのを見ながら、自身も弓を構える。当然、自身の本体である鏡は神力で防御をしながら、光り輝く矢を放つ。
それは『闇』を打ち払うかのように、光輝く軌道を描くのだった。
大成功
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