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獣人世界大戦⑯〜過去は作り直しがきかない

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第三戦線 #ゾルダートグラード #幼女総統『ギガンティック』

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●夢の続き、覚めない夢
「皆さん、ここまで本当にお疲れさまです」
 獣人世界大戦も佳境を迎え、いよいよ喧騒に包まれたグリモアベースの一角で、ディルアーク・クライン(|破軍星《ベネトナシュ》・f38905)が集まった猟兵たちに一礼した。
「ここでエンドテイカーの能力を見せつけられるとは思いませんでしたが、幼女総統ギガンティックには、今や『はじまりの猟兵』を狙う余力はなさそうです。これも皆さんの尽力によるものですね、ありがとうございます」
 それは、心からの感謝ではあったが。
 ディルアークがこうしてここに立っているということは、まだ終わりではないということを暗に告げているようでもあった。
「僕たち猟兵との戦いで形勢不利を悟ったギガンティックは、ウラル山脈を越えたシベリア内陸部へ逃走しようとしています。それ自体はもはや戦争の趨勢に影響はありませんが……」
 穏やかな口調で状況を説明していたディルアークの眼鏡越しの紫眼が、自身もかつて最前線で紋章を描き戦っていたエンドブレイカーの|それ《・・》に変わる。

「折角ですから、ここでギガンティックと決着をつけましょう」

 白手袋に包まれた人差し指を立てて、ディルアークは言う。
「既に皆さんもご存知の通り、ギガンティックはエンドテイカーの能力で『望まぬ未来を何度でもやり直す』ことが出来ます。ですが、未だ魔女として成熟前であることが今回は仇となりましたね。彼女が時間を巻き戻せる範囲は『最大60秒』に留まることが分かりました、つまり――」
 これを利用して、少しずつ時間をかけて、気付かれないようにギガンティックへのダメージを蓄積させていくことが出来れば。
「いかな強大なる幼女総統といえども、皆さんの力を合わせれば、その命運を断つことも可能かも知れない、ということです」

 一人では、叶わないかも知れない。
 けれども、大勢でじわじわと攻めかかったら?

「僕は、実現不可能なことを皆さんに頼むほど、愚かではないつもりです」
 真面目そのものの顔で、ディルアークは猟兵たちを見渡した。
「皆さんの力を、信じています」
 そして軍帽を脱ぐと、魔導書を開き、戦場へと続く道を開く。
「人生、そう簡単にやり直しなんてきかないのだと、知らしめてやってきて下さい」
 グリモアを輝かせて転移を始めたディルアークは、力強く猟兵たちを送り出した。


かやぬま
 未だ魔女に至らぬが故に猛威を振るった幼女総統は、それ故に弱点を晒す。
 見出した活路を以て、ここでギガンティックを討ち取りましょう!
 かやぬまです、よろしくお願いします。

●プレイングボーナス
 ・ギガンティックがやり直せないほど時間をかけ、少しずつダメージを蓄積させる。
 自分一人でトドメを刺すつもりで挑むよりは、ギガンティックのエンドテイカーの範囲『最大60秒』を越える何らかの攻撃手段で『削る』ことをイメージした方が良いかも知れません。レイドバトル的な。

●プレイング受付について
 断章はありません、オープニングが公開され次第プレイングの受付を開始致します。
 今回は本当に成功度達成に必要な最低限の採用で完結させる予定ですので、ある程度プレイングが集まったら受付を終了するつもりでおります。
 また、プレイングの内容に問題がなくても、状況次第では不採用の方が出てしまうかも知れないことだけ、あらかじめご了承いただいた上で挑戦していただければ幸いです。
 プレイングを書いていただく前に、MSページにも一度お目通しいただけますと嬉しいです。

 それでは、皆様の熱いプレイングをお待ちしております! かやぬまも可能な限り頑張ります!
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第1章 ボス戦 『幼女総統「ギガンティック」』

POW   :    幼女キーック!!!!
単純で重い【幼女キック】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    超超巨大ビィーム!!!!
【超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア』】から、レベル×5mの直線上に【超超巨大ビーム】を放出する。【魔力】を消費し続ければ、放出を持続可能。
WIZ   :    斯様な結末、吾輩は断じて認めない!!!!
全身に【終焉を巻き戻す「エンドテイカーの魔力」】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【巻き戻されてゆく時間の流れ】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。

イラスト:すずま

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神臣・薙人
天城さん(f08073)と

過去はやり直しがきかない
その通りですね
未だ魔女に至らぬというのなら
この時点で討ち取りましょう

あの巨体ですから見逃す心配は無いでしょう
踏み付けられないように注意しつつ接近
同時に掌を切って血を流しておきます
大丈夫
見た目ほど痛くありませんから

相手の体に手が届く距離まで近付いたら
血液を付着させて夢幻桜花使用
天城さんの黒影剣とタイミングを合わせます
その後は白燐蟲を呼び出し
少しでも体力を奪いましょう
天城さんの攻撃に合わせて
一撃を積み重ねます
相手が動きを見せた際は
声を上げ天城さんに注意喚起
自分も回避行動を取ります

隙があれば血を付着させる面積を増やし
知覚阻害の効果が長引くようにします


天城・潤
神臣さんと(f35429)往きます

時間は永劫に先へ流れるもの

そこを捻じ曲げたら
この世の全ては何時か何もかも出鱈目になる
ですから
『それ』を邪悪な意図で
恣意的に運用する者は殺すべきです

その意思持つ僕を
敬するお一方である神臣さんが
お誘い下さったのは有難く
「必ず倒しましょう」
笑顔で応諾し二人で後を追います

神臣さんの傷に憂慮は隠せませんが…
ご自身のお覚悟
この上の否はありません

神臣さんの血で贖われた白き阻害
僕の闇の視覚と嗅覚遮断を完合させ
至近から終わりを始めましょう

片方に気付けても片方は見えず
起点の時間も分からず

生命力は常に奪い続けます
僕はただ幾度でも彼女に触れるだけで良い

互いの一撃は軽くても
重ねれば必ず



●痛みから遠く逃れようとしても
『此れは』
 数百メートルにも達する巨体が、ゆっくりと、動いていた。
『此れは、断じて敗走などではない』
 ゾルダートグラード幼女総統『ギガンティック』は、歯を食いしばり、呻く。
『此処は一旦退き、態勢を整えれば、吾輩は必ずや再起する……!』
 本当は、頭の何処かで理解はしていた。
 自軍に、『はじまりの猟兵』を狙う余力は既にないのだと。
 それでも、超大国の総統として、彼女には相応の振る舞いが求められた。
 そして、それをも許さぬ『六番目の猟兵』たちが、その背に迫ろうとしていた。

「過去はやり直しがきかない、その通りですね」
「ええ、時間は永劫に先へ流れるもの」
 神臣・薙人(落花幻夢・f35429)と天城・潤(未だ御しきれぬ力持て征く・f08073)の二人は、息を合わせて戦場へと降り立ち、幼女総統ギガンティックの巨躯を見た。
「そこを捻じ曲げたら、この世の全ては何時か何もかも出鱈目になる」
 潤は常の笑みを浮かべたまま、穏やかに、しかし決然と言い放つ。
「『それ』を邪悪な意図で、恣意的に運用する者は、殺すべきです」
 薙人も、首肯で桜の木の枝を静かに揺らした。
「未だ魔女に至らぬというのなら、この時点で討ち取りましょう」
「神臣さん」
 ギガンティック追撃の予知に、共に馳せ参じようと声を掛けたのは薙人の方からだった。
 それを、潤は心から有難いことだと思っていた。
(「敬するお一方である神臣さんが、意思持つ僕をお誘い下さった」)
 微笑みが、自然と笑顔に変わる。
「――ええ、必ず倒しましょう」
 そうして、二人は同時に地を蹴ると、ギガンティック目がけて走り出した。

 数百メートルもある幼女総統の巨体を、見逃すという方が難しく。
 踏みつけられないようにだけ注意を払いながら、ギガンティックの足元を目指す。
「! 神臣さん」
 共に駆ける潤が、突如己の掌を切り、朱を浮かべた薙人を見て声を上げた。
「大丈夫、見た目ほど痛くありませんから」
 |他人《ひと》の出血には敏感な割に、自身の出血には鈍感な薙人が、事もなげに返す。
「ならば、良いのですが……」
 薙人の傷に憂慮は隠せないが、これは薙人自身が決めたことだと思えば、この上の否はない。潤は一度首を振って自身に覚悟を決めさせると、再び前を向いた。

「気付かれては――いないようですね」
「あるいは――敢えて無視をしているのか」

 どちらであろうか。ギガンティックの進行速度は思ったよりも遅い。どちらにせよ、これならば、その巨大な脚に直接触れることも可能だろう。
 薙人は、掌に十分に蓄えた自身の血液を確認した。潤もまた、それを未だ痛ましく思いつつも、作戦のためと受け入れて黒蒼刃を鞘から抜き放つ。
「合わせます、天城さん」
「はい、神臣さん」
 二人同時に、その手と刀をギガンティックの踵あたりを目がけて振り下ろす!

『――』

 ずしん、と。
 重い一歩を踏み出したギガンティックは、果たして気付いただろうか。
 いや――|気付けまい《・・・・・》。
 薙人の血によって贖われたユーベルコード【|夢幻桜花《ムゲンオウカ》】は、術者の血液に触れたあらゆるものから全ての知覚を桜の花弁によって奪い去られる。
 さらに、潤のユーベルコード【|黒影剣《コクエイケン》】は自身と武装を闇のオーラで覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。
 至近から、既に終わりは始まっていたのだ!
「片方に気付いても片方は見えず」
 潤が纏った闇のオーラは、知らず知らずのうちに、ギガンティックから生命力をじわじわと奪っていく。
「起点の時間も分からず」
 薙人は致命的にならぬ程度の流血を続けながら、白燐蟲を喚び出し、潤の攻撃に合わせて一撃を積み重ねていく。

『……?』

 身体が、重くなっていく。
 無視出来ぬ程の倦怠感めいたものが、足を引っ張っている感覚。
 ギガンティックが遂に違和感に気付いた時には、既に巻き戻しが叶う60秒をゆうに超えていた!
『お、おのれ……六番目の猟兵か……!』
 幼女総統の声が、文字通り轟いた。忌々しげに足を上げ、周辺の地形ごと踏み壊さんとした動作を、注意深く様子を観察していた薙人は見逃さなかった。
「天城さん、来ます!」
 声を上げ、注意喚起を行いながら、自らも咄嗟に飛び退いて思い切り宙を舞う。

 ――ず、しいぃぃぃん!!!

 幼女キック――というべきだろうか。
 単純で重いその一踏みは、直撃した場所の地形を無残にも破壊してしまった。
 間一髪、間合いから離れた薙人と潤は無事であったが、その恐るべき破壊力には思わず絶句せざるを得なかった。
『愚かな! 吾輩は斯様な結末など、断じて認めぬぞ!』
(「来ますか」)
 薙人と潤は、二人同時に『エンドテイカー』の魔力が発動するか否かを見守った。
『……!? ど、どういうことだ!! 巻き戻しがきかない……!?』
 当然だ。
 今のギガンティックが巻き戻せる時間は、最大60秒。
 それ以前より行われていた薙人と潤による生命力の削り取りを、なかったことには出来ない。
『ええい、忌々しい! 何処を彷徨いているかは知らぬが、邪魔はさせぬ……!』
 ぐ、と。ギガンティックが、歩を進めるべく身を屈めた。
 その隙を見逃さず、薙人は血液の付着面積を可能な限り広げんとギガンティックの脚に手を滑らせ、潤もまた呼吸を合わせるように闇のオーラを纏った手で触れていく。

「神臣さん、これ以上は」
「……はい。ありがとう、ございます」
 朱に染まった掌はやはりどうしても痛ましく、思わず言葉をかけてしまう潤。
 それに応える薙人は、意地を張らずに頷くと、自ら止血を始める。

 互いの一撃は軽くとも、重ねれば、必ず。
 それぞれの考えられうる最善を尽くしたのだ、結果は後からついてくることだろう。
 その証拠に――ギガンティックの足取りは、どんどん重たくなっていっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

キラティア・アルティガル
彼奴めは断じて捨て置けぬ

魔女の力なぞ如何様な世界にても不要!
凡てのエンドブレイカー全ての猟兵に
倒す理由有りぞ

我が同胞たる予知の猟兵が告げし通り
集いし者共が手で一秒でも長く
あらゆる方法で削る事で
勝機が見ゆる
「ゆえにこそ参る!」

真向勝負を好む我だが此度は別
忍び隠れた所から創世神の棘を放とう

ただ一本を、の
そして棘打つ場所も時も1分毎ずらし一本また一本
身に装いに触れる神棘が彼奴を極小ずつであれ石に変えゆく

これ程の巨体なれば微石化なぞ逆に知覚できまい
元から手負いでもあるしの
仮に後から気付き慌て戻しても叶うは暫時
一番新しき棘が無くなるのみ

さて…最初の一本が這うてから幾許の時が流れたかの?
終焉は必ず訪れよう



●身勝手な運命に息をついても
 重い身体を引きずるように戦線からの離脱を図る幼女総統ギガンティックを、また一人追う影があった。
「彼奴めは、断じて捨て置けぬ」
 決然と言い放つのは、キラティア・アルティガル(戦神の海より再び来る・f38926)。
「魔女の力なぞ、如何様な世界にても不要!」
 そう、キラティアはかつてエンドブレイカーとして、大魔女スリーピング・ビューティの手から世界の滅びというエンディングを打ち砕いた者の一人だ。
「凡てのエンドブレイカー、全ての猟兵に倒す理由有りぞ」
 未だ魔女に非ずとも、いずれ魔女に至る幼体であるというのならば。
 それだけで、今ここで討ち取らなければならない立派な理由となる。

 ――自分が定めた|未来《エンディング》を、確定させる能力。

 それが身勝手に行使された結果、どれだけの犠牲が生じたか。どれだけの理不尽な『終焉』がもたらされたか。キラティアはそれを深く理解していたからこそ、ギガンティックを追撃することを望んだ。
(「我が同胞たる予知の猟兵が告げし通り、集いし者共が手で一秒でも長く、あらゆる方法で削る事で、勝機が見ゆる」)
 エンドテイカーの能力は、言われるまでもなく厄介なものだ。
 だが、自らもエンドブレイカーであったグリモア猟兵が語った通り、幼体であるギガンティックが巻き戻せる時間は――最大60秒。
 瞬間的な最大火力を叩き込み、致命傷を負わせたとしても、それはなかったことにされてしまう。ならば、真綿で首を絞めるように、巻き戻しさえ及ばぬ手段を用いて猟兵たちが力を合わせれば、どうだろう?

「ゆえにこそ――参る!」

 ギガンティックの足元に到達したキラティアは、その巨体を見上げ、一瞬だけ思う。
(「真っ向勝負を好む我だが、此度は別」)
 既に手負いとなった幼女総統に気取られぬよう、忍び隠れた所から腕を伸ばして、|棘《ソーン》を放つ!
『……ねば、疾く、此の場を離れねば……』
 ギガンティックの呻き声が聞こえる。まだ、気取られてはいない。その脚に、一本の【創世神の|棘《ソーン》】が突き刺さっていることに。
 次に場所を変えて、もう一本。また一本。一分ごとにずらして、神棘を刺していく。
 ギガンティックの身体に、衣服に、徐々に突き立てられていく棘は、刺さった順に周囲の物質組成を改ざんして、ごく僅かながらに石へと変えゆくのだ。
(「これ程の巨体なれば、微石化なぞ逆に知覚できまい。元から手負いでもあるしの」)
 果たして、キラティアの読みは正しかった。足元を中心に、ゆっくりと時間をかけて、異なる部位が石化していこうなどと、誰が想像出来ようか?
『ッ、此れは……|棘《ソーン》か……!?』
 ギガンティックの動きが一瞬止まり、遙か高みからの視線が足元に向いた気配がした。
『吾輩が攻撃を受けているだと……!? 小賢しい!!』
 巨大な掌が足元に向けてかざされると、ギガンティックがそうあれと望んだ通り、確かに棘は消えてなくなった。

「さて……最初の一本が這うてから、幾許の時が流れたかの?」

 キラティアが根気強く打ち込んだ棘の数は、ギガンティックが巻き戻せる限度を遙かに超えていた。気付いた時には既に遅く、幼女総統の巨躯のあちらこちらが、不可逆の石化に侵食されていたのだ。
「我は猟兵にしてエンドブレイカー、よって終焉は必ず訪れよう」
 秘めやかに、着実に、攻撃を続けたキラティアの勝利もまた、じきに訪れるに違いない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・ひかる
終焉を巻き戻す、時の力……
それならもしかしたら、対抗出来るかもしれません。
やってみる価値、ありますね。

まずは普通に精霊銃で攻撃
もちろん通じないでしょうし、何なら巻き戻されるでしょうが承知の上です
このまま意識を引き付け、怯んでの敗走を装いつつ【時の精霊さん・過去】発動
わたしへ意識が向いてる隙に、少しづつ時間をかけて「巻き戻す力」の記憶を奪い取り、使い方どころか存在自体を忘れさせます
たとえ巻き戻しが常時発動していたとしてもそれが時の力によるものなら、時の精霊さんなら多分対抗できるはずです
その間は追い立てられるでしょうけど、自分を囮に逃げ回るのは慣れてるので大丈夫です
良い感じに記憶を簒奪できたら、今度は悪夢の記憶を流し込んで攻撃
丁度いい具合に、新鮮な悪夢(本田さんに見せられた悲劇の幻影)もありますしね!
この間も並行して彼女のあらゆる記憶や経験を奪い続け、ただのでっかい幼女にしてやりましょう!
(過去の経験による辛い事や悲しいことへの耐性も徹底的に奪い取り、恐怖と絶望で心を圧し潰すのが最終目的)



●未来と指切りするのをやめたのは
『馬鹿な、馬鹿な……! 吾輩が、こうもしてやられるなど……!!』
 早く。早くこの場を去らねばならないのに、身体が言うことを聞かない。
 どうして、六番目の猟兵による攻撃にもっと早く気付けなかった?
 どうして、巻き戻しも間に合わぬ程に攻撃を重ねられてしまった?
 ギガンティックからすれば、理解が追い付かないことばかりだ。けれども、猟兵たちはギガンティックが持つ最大にして最悪の能力『エンドテイカー』に対抗すべく、あらん限りの知恵を絞り、巻き戻しの限界を超えた攻撃を、工夫して積み重ねてきた。
 その効果は明らかに現れ、今、こうしてギガンティックの足取りをひどく重くさせている。知らぬ間に生命力を奪われ、身体中のあちこちが石化し、もはや満身創痍だ。

「終焉を巻き戻す、時の力……」
 最後の力を振り絞ってその巨体を前に進めようとする幼女総統を見て、荒谷・ひかる(|精霊寵姫《Elemental Princess》・f07833)は呟いた。
「それならもしかしたら、対抗出来るかもしれません」
 懐から「Nine Number」の銘持つ精霊銃を取り出しながら、巨体目がけて走り出す。
「やってみる価値、ありますね」
 秘策を携えたひかるは、ここでギガンティックを仕留めることは出来るのか――?

 踏み潰されぬよう注意深く、しかし置き去りにされぬよう大胆に、ひかるは駆ける。
 そうしてギガンティックの足元付近を精霊銃の射程に収めたところで、精霊銃を数発撃つと、幼女総統の踵からふくらはぎ付近にかけて放たれた弾丸が命中した。
『……は、はは、まるで豆鉄砲だな……!』
 さすがにこの攻撃には気付いたらしく、ギガンティックは遙か高みで嘲笑すると、あっという間に銃創を『なかったことに』してしまった。
『愚か! 圧倒的に愚か! 斯様な非力なる攻撃しか出来ぬ者など、相手取る時間も惜しい……む?』
 ひかるは、一度巻き戻しによって攻撃を無効化されてなお、精霊銃を下ろさなかった。
(「何もかも、承知の上ですから」)
 一発、また一発。
 何度巻き戻されても、執拗にギガンティックを狙い続ける。
『くどい!! 何処に居るかは知らぬが、貴様の攻撃なぞ吾輩には通用せぬ!!』
 攻撃の手を緩めぬ限り、ギガンティックの意識は否が応でもひかるに向く。
 それこそが、ひかるの真の目的であった。

 秘めやかに発動させられた、【|時の精霊さん・過去《パスト・エレメンタル》】。
 ギガンティックの意識の外で、時の精霊さんはするりとその足元にまとわりつく。

「くっ……!」
 ひかるは、敢えてわざとらしくギガンティックにも聞こえるような大声で悔しがりながら、それでも精霊銃の連射を止めない。
 時間が、欲しかったからだ。時の精霊さんが、その力を十全に発揮するための時間が。
 巻き戻しさえ疎み、無視されることを危惧し、精霊銃で狙う箇所を一点に集中させる。
 すると、流石に脚を穿たれたくないギガンティックはエンドテイカーの能力を行使せざるを得ず、意識もまたひかるへと向かうこととなった。
 そのやり取りが、どれだけ続いただろうか?
 少なくとも、60秒はゆうに過ぎたのではなかろうか?
(「巻き戻しの力がたとえ常時発動しているとしても、それが時の力によるものなら」)
 ひかるは、時の精霊さんの力を信頼していた。
(「時の精霊さんなら、多分対抗できるはずです」)
 その力は、触れた対象の記憶や経験を奪ったり、逆に与えることができるというもの。
 時の精霊さんにひかるが『お願い』した内容は、こうだ。

 ――ギガンティックから、『巻き戻しの力の記憶を奪い取って欲しい』。

 果たしてギガンティックは、いつの間にか、エンドテイカーの能力の使い方どころか、己にその力が存在していたことすら忘れ去ってしまったのだ!
『……? 何だ、この違和感は……? 吾輩は、何かを忘れてしまっているような……』
 ギガンティックが、得体の知れない忘却の気配に動きを止める。
 呆然と立ち尽くす巨体に、時の精霊さんは更なる追撃をかけた。
『……う、うあ、あ……ッ!?』
 幼女総統の膝が沈み、遙か上空ではどうやら頭を抱えている様子がうかがえた。
 時の精霊さんは、記憶の簒奪だけでなく、逆に望んだ記憶や経験を『与える』こともできる。それにより、今まさにギガンティックは、地獄のような悪夢の記憶を流し込まれているのだ。
 その巨体に、物理的に損傷を与えることが難しいというのならば。
 精神的に責め立てたならば、どうなるか。
 誇り高きゾルダートグラードの幼女総統として君臨するギガンティックは、今やもはや『自分がそうであった』ことすら忘却させられ、何の寄る辺もない、ただの巨大な幼女と化してしまったのだ。

『あ、ああ――わ、吾輩、は――』

 何故、逃げようとしていたのかが分からない。
 何故、此処に居るのかが分からない。
 そも、自分が何者なのかすら分からない。
 ギガンティック|だったもの《・・・・・》は遂に膝を突き、その場にうずくまると、それきり震えたまま動かなくなってしまった。

「幼女総統と言われるだけあるなら、過去の経験による辛いことや悲しいことへの耐性も相当だったはず。それを、徹底的に奪い取らせてもらいました」
 ひかるは淡々と、もはや巨大な障害物でしかないギガンティックを見て、言った。
「今まであなたが与えてきた恐怖と絶望で、その心をも圧し潰されて下さい」

 これまで猛威を振るった幼女総統は、猟兵たちが考えられうる最善の策を尽くした結果、ここにとうとう倒れることとなったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年05月27日


挿絵イラスト