獣人世界大戦⑰〜狂気戦艦🍅
綿密な計画の最後は、力押しで〆るものらしい。
撤退する巨大な幼女の前方を塞ぐように現れる、ほつれた玩具のような艦船の群れ。
取るに足らぬように見える、それら。
しかし総統たる彼女は油断せず、手にする大砲から十分な火力をもって一掃する。
抵抗すら見せず、弾け、飛び散り……そしてより一層数を増やして再生する。
まるで魔力を喰らうたびに、勢いを増すが如く。
幾度目か、弾け飛び散ったほんの小さな一欠片が、ブーツの先に付着すると同時に増殖。
瞬く間に再生すると、幼女を飲み込まんと這い上るように増えてゆく。
踏み払おうと一瞬目を離したが最期、目の前の本体が襲いかかった。
決して果物になど例えられない、青臭い臭い。
艶やかで張りのある外皮から飛び出す、酸を含むグジュグジュの内容物。
数百メートルに達する幼女の巨体を、すっかりその腹に収める狂気艦のUDC怪物。
その恐ろしい外観はまるで――――。
真っ赤な ト マ ト 🍅 !!!!
●
「まるで悪夢のようだな。敵とはいえ幼子の危機、大の大人たる我らが取り払ってやろう」
野菜嫌いの子供が見る夢にも似ているが、決して笑い事ではないのだと語るはグリモア猟兵、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)
クロックワーク・ヴィクトリア最高司令官『プロフェッサー・モリアーティ』が戦乱に乗じて、敵国のゾルダートグラード幼女総統『ギガンティック』……"魔女の力"を手に入れようとしているのだ。
「彼奴ら狂気艦隊は|錨《いかり》に強力なUDC怪物を受肉させ、艦船であるにもかかわらずシベリアの大地に上陸している。貴殿らにはモリアーティの搭乗する旗艦"ネルソン"に乗り込み戦ってもらいたい」
外の広い甲板で戦うか、ヴィクトリア朝の洋館にも似た狭い艦内で戦うかは、猟兵の作戦次第だろう。
「予知にかかったUDC怪物は『正気を奪う赤い果実』と呼ばれるものだ。かの世界などで幾度か目にしたものもいるだろう」
――どうみても瑞々しく新鮮なアレにしか見えないので、心の中で『トマト🍅』と呼んでいる猟兵も多いことだろう。
「これの大型なものが融合し、艦を走らせている」
猟兵は即座に艦船の車輪と化して横回転しまくる、巨大なトマト🍅を想像した。
「旗艦ネルソンは狂気艦隊の中でも、これが憑りついているものだ。すぐに見つかるだろう」
はい。秒で分かると思います。
「戦闘が始まればUDC怪物も、モリアーティと同じく攻撃をしかけてくる。ただ基本は受動的な相手だ。せいぜい……床一面を赤い果実で埋め尽くすくらいか」
トマト🍅、地味に厄介だ。
「普通の実ではないから、異常に硬かったり柔らかかったりと足場を不安定にしてくるうえ……無差別に衝撃波や高命中の果実を飛ばしてくる」
トマト🍅、意外と妨害してくるな?
「更に……能力的には関係ないのだが、受肉に"ポーシュボス・フェノメノン"の能力を使った影響か、モリアーティのユーベルコードの見た目も赤い果実と化している」
トマト🍅、シリアスの邪魔までしてくるのか!?
「強力なUDC怪物と同時に、敵国の総統をも捕えうる有力オブリビオンとも対峙しなければならない、難しい戦いだ。決して油断せず、使えるものは存分に活用して、渾身の一撃を入れてくるがいい」
水のテレポートゲートを潜った猟兵は艦隊の行進を望む、シベリア大地の上空へと投げ出される。
小風
|小風《こかぜ》です。
50作目は獣人戦線にて、狂気計画〜UDC受肉艦です。
よろしくお願いします。
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第1章👿:狂気艦隊旗艦「ネルソン」にて、融合したUDC怪物に対処し、モリアーティを倒す。
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・融合したUDC怪物……『正気を奪う赤い果実』
https://tw6.jp/gallery/?id=9018
※敵UCの"ポーシュボス"部分、見た目が全部"トマト🍅"になります。
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プレイングボーナス……怪物化ネルソンによる「UDC怪物攻撃」に対処する。
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採用人数は成功値の高い方から4~6人くらいになると思います。
気兼ねなくお送り下さい。
また、プレイング期間(と〆切)を設けています。送信の際はMSページやタグも御確認下さい。
第1章 ボス戦
『プロフェッサー・モリアーティ』
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POW : 狂気砲弾
【ポーシュボス・フェノメノン】を宿した【艦隊の砲弾や機銃弾】を射出する。[艦隊の砲弾や機銃弾]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD : プロフェッサーズ・クエスチョン
対象への質問と共に、【自身の肉体】から【ポーシュボス・フェノメノン】を召喚する。満足な答えを得るまで、ポーシュボス・フェノメノンは対象を【ポーシュボス化】で攻撃する。
WIZ : 『小惑星の力学』
戦場全体に【流星の如く降るポーシュボス・フェノメノン】を発生させる。レベル分後まで、敵は【ポーシュボス化】の攻撃を、味方は【ポーシュボス化している部位】の回復を受け続ける。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
他にも色々と選択肢はあったろうに、何故トマト……?
モリアーティの奴は策士だと思っていたが、案外アレなのだろうか
いや、あんなのでもUDCの怪物。油断は禁物だろうが
甲板でモリアーティと相対
利剣を抜いて、澪式・捌の型【炎舞】の構え。まずは艦隊砲撃やトマトの攻撃を防ぐところから
下手に動き回ると足を取られる可能性はあるので、移動は最小限に。安全な足場を探しながら少しずつ前進していく
とはいえこれでは中々敵との距離を詰められないが。しかしいくら艦砲射撃と言えども弾数無制限って事はあるまい
ひたすら凌ぎ続けて、攻撃が薄くなった所で全力ダッシュ、そしてジャンプで不安定な足場を飛び越えて接近。斬り込もう
パドルシップよろしく、側面に真っ赤で巨大な『正気を奪う赤い果実』ことトマト🍅を回転させ地上を進む、非常に目立つ旗艦"ネルソン"。
上空より、まだ白く広い甲板に降り立つ六番目の猟兵は|夜刀神《やとがみ》・|鏡介《きょうすけ》(道を探す者・f28122)
「他にも色々と選択肢はあったろうに、何故トマト……?」
禍々しくも瑞々しいUDC怪物に一瞥をくれながら独り言ちる。
『時に果物のようだと謳っては忌避者の口へ容赦なく侵入する邪悪な野菜……。実に好ましい怪物だろう!』
応えるは鹿とポーシュボスの聴覚を持つ地獄耳『プロフェッサー・モリアーティ』
この個体に関してはトマト🍅は"アリ"判定が出るらしい。
ゴツン……ゴロゴロ……ブチャッ……!
艦の振動に揺られて甲板に湧き出でるは無数のトマト🍅。
まるで運搬船が転覆してしまったような光景だ。
音も無く宿星剣"利剣【清祓】"を抜刀すると、鏡介は正眼に構える。
同時に轟く砲弾と、機銃弾の連射される乾いた音。
およそ一人の人間を倒すために用いられるには、過剰すぎる武器量だ。
加速、減速、軌道変更の効果を、それぞれ別々に纏いながら迫り来る弾丸。
発動するはユーベルコード、|澪式・捌の型【炎舞】《レイシキ・ハチノカタ・エンブ》。
不規則な動きを繰り返す大小の弾をギリギリまで引き付け、素早く剛の太刀で受け止める。
次いで柔の太刀が鉄の弾を両断する、と同時に目前に迫る砲弾と機銃弾を一度に撫で斬る。
息をも吐かせぬ致死量の攻撃を、最小限の動きにて捌き続ける鏡介。
永遠を圧縮させたような、地獄の戦況。
だが彼は、それに終わりがあることを知っている。
――確かに大砲と機関銃を操るのはポーシュボス・フェノメノンだが、"弾"は無くなるのだから。
装填された分を撃ち切り、弾丸の嵐に一瞬の切れ間が生じる。
乾いた足場を鋭く蹴り、真っ赤な海を疾風のように跳び距離を詰める鏡介。
対するモリアーティも、手にした鋭利なステッキを槍のように構えて迎え撃つ。
「(なら――こうだ!)」
突然片足を前に投げ出し、勢いを殺すのも構わず甲板を削るようにスライディングする剣豪。
すると甲板に広がる真っ赤な海が大波を立てて、クロックワーク・ヴィクトリアの最高司令官へと覆い被さる。
鏡介を殺さんとした時に巻き込まれて広がった、穿ち立てトマト🍅の汁である。
彼の姿は直前に捉えている。
そうしてステッキを突くモリアーティに伝わる、ごく軽い空気の手応え。
トマト🍅の盾の向こうでダッシュをジャンプに切り替え死角へ回った京介の一閃が、マントと金属を切り裂いた。
成功
🔵🔵🔴
鳥羽・白夜
すげえ、めっちゃトマトじゃん!テンションあがるぜ…!(大のトマト好き)
イグニッションしブラッディサイズを構え甲板で戦闘。【足場習熟】で不安定な足場に対処。
まったく手強いトマトだぜ…果実飛ばされたら食いたくなるだろ、てか食っていいかな?←
闇のオーラを纏って【オーラ防御】しつつもひとりごちる。
トマトにはトマトをぶつけてやるぜ、と指定UC発動。
邪悪になりきらないと飲まれるってやつだったか…いいぜ、トマトのためなら悪にだって墜ちてやる(いいのかそれで)
もともと世界救うために戦うなんていい子ちゃんじゃないんでな、俺は。
満足するかは分かんねーけど、これが俺の答えだ!
熟れすぎたトマトと共に大鎌で斬りつけ攻撃
「すげえ、めっちゃトマトじゃん! テンションあがるぜ……!」
UDC怪物『正気を奪う赤い果実』の亡骸、つまりトマト🍅で真っ赤に染まった甲板に意気揚々と着地してみせるは、トマト好きにして六番目の猟兵がひとり|鳥羽《とば》・|白夜《はくや》(夜に生きる紅い三日月・f37728)
『この地獄に歓喜しているとは――実に愉快!』
頭から真っ赤な野菜汁をひっ被り、緑黄色な雰囲気を醸し出す半鹿頭の紳士は『プロフェッサー・モリアーティ』
トマト🍅を通して邪悪を見る、クロックワーク・ヴィクトリアのオブリビオンにして最高司令官だ。
いま、トマト🍅がひとつ、またひとつと震え出し、互いを傷つけ合いながら共鳴する。
流れ出るそれが甲板に満ち満ちれば、それは陸地に出現する真っ赤な海原。
まん丸トマト🍅、潰れたトマト🍅、もはや汁となったトマト🍅。
形状もさまざまなトマト🍅が津波のようにうねり、白夜に襲いかかる。
「|起動!《イグニッション》」
カードを輝かせ瞬時にブラッディサイズを構える白夜。
と、同時にオーラ防御を纏わせながら迷わず突撃!
巨大な大波をまるで輪切りにでもするかように、大鎌を振りかぶる。
――スパッ!!
わずかに出来た赤い波の断面を潜るように駆け抜け、大重量のトマト🍅汁を船首の向こうへと押し流した。
「まったく手強いトマトだぜ……果実飛ばされたら食いたくなるだろ」
てか食っていいかな? と、あれでも立派なUDC怪物に大胆なことを言ってみせる白夜。
『ほう、なかなかやるな。――だが未だ恐れ知らずの若者よ、己の正義を貫くには、世界の悪とならねばならぬ時がある。君はそれに耐えられるか?』
邪悪ナる者・モリアーティの問いと共に現れるは、その身に宿し使役するポーシュボス・フェノメノン(※見た目がトマト🍅)
不定形にしてより生物感を増した真っ赤なソレ🍅が、白夜をも己にせんと這い寄る。
風に乗りやってくる緑の香りをひとつ吸い込み、貴種ヴァンパイアは不敵に笑って見せる。
「邪悪になりきらないと飲まれるってやつだったか……いいぜ、トマトのためなら悪にだって墜ちてやる」
いいんかい🍅
それに――。
ぽつぽつと、白夜の身体に紅が浮き始める。
……否、"紅"ではなく"赤"。
そしてその色は、上空に出現した真っ赤な雲から降り注いでいる。
「――もともと世界救うために戦うなんていい子ちゃんじゃないんでな、俺は」
展開するはユーベルコード、|ブラッディ……じゃなくてトマトストーム《トマトジュースレイン》。
|トマト🍅《邪悪》には|トマト《邪悪》をぶつけてやる!
血液がトマトで出来ていると言っても過言ではない、重度のトマト好きである白夜!!
そう、つまり恐れることはない。
いくらトマト🍅と化そうとも、白夜は白夜のままなのだから!!!
トマト🍅で満ちトマトが降り注ぎトマト🍅が這いずる彼の為の舞台。
真っ赤なトマトの雨風が嵐となってモリアーティを包み、白夜を加速させる。
くし切りトマトを思わせる赤く染まった三日月刃が煌めけば、新たに流れ出でるはトマトではない赤色だ。
大成功
🔵🔵🔵
白銀・白兎
トマト、ですね。これ。瑞々しくて大変、美味しそうです。
床一面をトマトにされても困りますし、無差別衝撃波や高命中のトマトを投げられても困りますし。ボクひとりでは対処に困りますね。
ならば有利な状況にかえてしまいましょう。
UCで様々なトラップとモンスターを召喚します。
例えば床一面トマトや足場不安定なら飛行型のモンスターを、またボク自身は動かなくても床から棘を生やすこともできます。
衝撃波やトマト投げには硬いアイアンゴーレムで対応、そのままその鉄のボディで殴って貰います。
硬かったり軟かったりは火で対応します。あぶれば焼きトマト、ですね。そういえばリコピンを効率よく摂取するなら火を通すといいそうですよ。
「トマト、ですね。これ。瑞々しくて大変、美味しそうです」
真っ赤な甲板に真っ白な小鳥の翼で飛来するは、六番目の猟兵がひとり|白銀《しろがね》・|白兎《はくと》(猫の下僕の元貴族・f41811)
『実に素晴らしいだろう。今から君も、この一部になれるのだから』
一面のトマト🍅こと『正気を奪う赤い果実』の上にて、まるで主のように出迎えるは『プロフェッサー・モリアーティ』
全身の金色機械も使役するポーシュボスも薄っすら赤色に染め上げられ、まるでこの場から湧き出て来たような装いだ。
「それは……とても困りますね」
ゴロリゴロリと、艦が傾いたわけでもないのに自分の方へと徐々に転がってくるトマト🍅を見やり、気弱そうな表情に困惑の色を浮かべ、白兎はため息を吐く。
そして――顔を上げた時にはもう、ゲームマスターの眼差しになっていた。
発動するはユーベルコード、ダンジョンマスター・プロトコル。
一人で対処に困る相手ならばモンスターを呼び、トラップを張り、この戦場を丸ごと自らの|領域《ダンジョン》としてしまえばいい。
戦士ではなく軍師として、白兎とモリアーティの闘いが始まった。
――ボコボコボコ! ドドドドド!!
足場を埋め尽くすトマト🍅には飛行モンスターをぶつけて喰らわせ、自身にダイレクトアタックしてくるトマト🍅には床から大きな棘を生やして串刺しにする。
相手の動きを読み最適な手を打つ、ドラゴンプロトコルとしての腕が試される戦いだ。
対するモリアーティも更に空より|トマト🍅《ポーシュボス》を降らせ、白兎の手下を次々と|トマト🍅《ポーシュボス》化させてゆく。
――チャリン! チャリン! チャリン!
自らの指揮を離れたモンスターはもう仲間ではない。
非情の選択と同時に喰らわせれば、鳴り響くは|電子通貨《トリリオン》獲得の効果音。
すぐさま消費し、新たにアイアンゴーレムを召喚すると硬化するトマト🍅を殴らせ、戦線を維持する白兎。
……一手でも読み間違えれば後の無い戦いだ。
なにせ白兎は召喚に有限の|電子通貨《トリリオン》を消費するのに、モリアーティは手数を増やすのに白兎のモンスターを使えばいい。
リソースが一方的に喰われているのだ。
「(だからこそ――)」
ギリギリの最前線をジリジリと押されながらも、白兎は計算し続ける。
モリアーティには絶対に分からない、あの数に達するまでは。
|電子通貨《トリリオン》獲得と同時に即召喚をしていたから、まるで全額消費しているかのように見える白兎の資金繰り。
しかし盾となるゴーレムが倒され、トマト🍅が棘をも越える間際、モリアーティが勝利を確信した笑みを浮かべた瞬間、それは達成された。
……密かに貯めていた|電子通貨《トリリオン》が、目標金額を超えたのだ。
「ここです!」
新たな召喚と同時に、爆発するように甲板を舐めるは強烈な炎の色。
今までのモンスターよりもひときわ巨大な炎属性の竜が立ち上がると、艦船の上を暴れるように駆け廻る。
邪悪なトマト🍅の赤を、己が炎の神聖な赤に塗り替えようとするがごとく!
「そういえばリコピンを効率よく摂取するなら火を通すといいそうですよ」
体を動かなかった分、ずいぶん頭を酷使したようだ。
白兎は白い毛髪に指を突っ込み、脳を揉みほぐすようにして労わる。
新鮮な焼きトマトも食したいところだったが……疲れた体に炭を摂取させる気力は、起きなさそうであった。
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア
「なんだかカオスさに磨きがかかってない?」
とりあえず、足元に気をつけながら【ダッシュ】【ジャンプ】で攻撃を避けつつトマトをアサルトライフルで撃ち抜きながらトマトを片付けるよ
「硬くて残ったやつは、ちょっと蹴ったくらいでも平気だね!」
硬いトマトは蹴り飛ばしてモリアーティにぶつける、みたいな感じで【地形の利用】しながら戦闘
トマトの色に紛れたり潰れたトマトの中を潜ったりしながらUCで機動力を上げて奇襲をかけるが、クエスチョンでこちらに攻撃をしたらしたで自分を囮にしてクリーピングコインくん達を物陰から、こっそり【高速詠唱】【召喚術】で呼んだ戦乙女モンスターを上空から奇襲させて攻撃
「作戦勝ちかな?」
「なんだかカオスさに磨きがかかってない?」
真っ黒焦げの甲板に降り立ち、艦船の横でゆっくり回る巨大トマト🍅こと『正気を奪う赤い果実』から鮮やかなトマト🍅が生まれ出でるのを見て呟くのは、六番目の猟兵がひとり|印旛院《いんばいん》・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)
『可愛らしいウサギのお嬢さん、ニンジンよりもなお赤いトマト🍅はいかがかな?』
薄っすらと影を被ったようなくすんだ色味の装いに、トマト🍅と化したポーシュボスを従える鹿頭の紳士は『プロフェッサー・モリアーティ』
金色の目には、これまでの戦いを経て満身創痍でもなお、危険な鋭い光を宿している。
回答は決まっている。
そして、それが満足する答えでないことも。
返答の代わりにアサルトライフルを構えると、ラビニアは焼け焦げた床板を蹴る。
飛んで、跳ねて、硬いトマト🍅は蹴っ飛ばし返し、潰れたトマト🍅は踏んづけて、赤く塗られた足元を見事なスライディングと連射で縦横無尽に走り抜けてゆく赤兎。
まるでゲーム画面を見ているかのようなそれはユーベルコード、ガンバレル・コマンダーの賜物。
戦場に置かれたものを利用すればするほど、ラビニアのスピードは目にも止まらぬほどに加速してゆく。
『これは元気なウサギさんだ。しかし……私と遊ぶには少々|邪悪《意地悪》さが足りないみたいだね』
ラビニアが戦線を上げるほどに、空白地帯となってゆく彼女の後方。
射撃され、潰され、赤く塗り込まれた甲板の上を、モリアーティの手下たる同系色の|トマト🍅《ポーシュボス》が慎重に進めば――背面を取ることも可能であった!
「うわぁ!!」
トマト🍅ともスライムとも似つかないポーシュボスがラビニアを捕らえ、その身を|トマト🍅《ポーシュボス》へと変えんとする。
身悶える赤兎のゲームプレイヤー。
対して伏したその顔は……なぜかほくそ笑んでいた。
『何が可笑しいのかな? トマト🍅となりゆくウサギさん』
「バレちゃったか残念。――僕も結構|邪悪《意地悪》だからさ」
――キンキンキン!
衝撃が走るはモリアーティの身体!
金属が当たる音が肢体たるアウルム・アンティーカ装置を響かせる。
背面から奇襲するはラビニアが回り込ませていた"クリーピングコインくん達"。
追って思わず視線を外した隙に、頭上に描かれるは高速詠唱による召喚陣。
ラビニア愛好のカードゲームより戦乙女が呼び出され、主人を襲う不埒な老人を脳天から串刺しにする!!
「僕のユーベルコードは"戦場にあるもの"を利用すれば強くなる――"それ"って僕自身も含まれるよね?」
『目的達成の為には己さえ利用する……なるほど確かに……そして非常に好ましい……』
……邪悪さだ……。
狂気の戦艦が大きく揺れ、ラビニアは甲板に投げ出される。
すぐに体勢を整え視線を上げれば――。
そこには朽ちた船と冷たい風が、緑の香りを残して吹いているだけだった。
大成功
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