●カードファイターを襲う事件の陰
「どうしたんだよ? それはお前がコンコンしたりお小遣いを貯めて組んだ大事なサムエンデッキじゃないか!」
「わかんねえ……昨日、路地裏で無理矢理挑まれた闇のカードファイトに負けてから、デッキに触ることが怖いんだ……俺はもうGJCGを辞めるよ」
そう言ってキマイラの少年は友人に自分のデッキを渡すと、背を向けて家へ向かって歩き始める。
「待てよ! 俺がお前が奪われたレアカードを取り戻して、カードファイトは怖くない。楽しいものだって思い出させてやるからな!」
受け取った友達のデッキを握りしめながら、もう一人のキマイラの少年の背に向かって誓った。
しかしそれから数日後、その少年も自分のGJCGのデッキを手放してしまうことになるのだった。
●グリモアイェーガーカードゲーム
「キマイラフューチャーで起こっている事件を予知したわ」
TCG(トレーディングカードゲーム)のデッキを持った楜沢・玉藻(金色の天井送り・f04582)が今回の依頼について話し始める。
「これはGJCG(グリモアイェーガーカードゲーム)といって、キマイラフューチャーで流行っているカードゲームよ。あたしも遊んでいるわ」
GJCGとは猟兵が大好きなキマイラ達が作ったカードゲームで、魔法やアイテムカードなどはなく、猟兵が描かれた50枚のキャラクターカードでデッキを組むカードゲームだ。
「不良キマイラの中にはレアカードを賭けて『闇のカードファイト』と呼ばれる対戦を行う人達もいて、そこではイカサマをしてでも勝とうとする人もいるわ」
玉藻は『妖狐の戦巫女』と書かれたキャラクターカードを見せながら説明する。
どうやらカードの属性は世界、キャラクターは種族とジョブの名前が付いているらしい。
盤面には1列3枚、2列6枚のカードを登場させられるようだ。
「後列中央はグリモア猟兵フィールドといって、プレイヤーの分身という設定になっているわ」
前列にいるキャラクターカードは相手の前列にいるキャラクターカードに攻撃することができ、前列中央にキャラクターがいないとグリモア猟兵に攻撃できる。
グリモア猟兵が攻撃されるとダメージを受け、ダメージが6点になるか、山札が切れると負けというルールだ。
グリモア猟兵は特殊なキャラクターカードで、レベルが0から4まで書かれていて、毎ターン1づつレベルを上げることができ、レベルが上がるほど強いキャラクターを盤面に登場させて有利にゲームを進めることができる。
「最近闇のカードファイトに負けたキマイラがレアカードを奪われるだけじゃなくて、それが切っ掛けでGJCGを引退してしまうという事件が起きているの」
この事件には怪人が関わっているらしいという噂だ。
「賭けファイトでイカサマをしてレアカードを奪うのも良くはないけど、それで楽しく遊んでいたカードゲームを辞めさせられるのは許せないわ!」
何が起こっているのかGJCGのでデッキを持って闇のカードファイター達から情報を集め、怪人が何を企んでいるのか調査をしてほしい。
刀道信三
どうも、刀道信三です。
決闘者よりカードファイター寄りのカードゲーマーです。
●遊び方
対戦の様子はふわっとカードゲーム(アニメ)作品風になります。
どういうデッキでどんな戦い方をしたいと書いて下さい。
アグロで速攻をかけたいとか、コントロールで手札差をつけたいとか。
カードゲームに詳しくない方もイメージを伝えて頂ければいい感じに描写するよう頑張ります。
まず第1章では闇のカードファイター達と対戦して怪人の情報を集めましょう。
それでは皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『カードゲームの不当を防げ!』
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POW : キマイラの代わりにカードゲームで勝負を受ける!
SPD : 怪人の不正行為を華麗に暴く!
WIZ : 別の勝負を仕掛けてカードゲームの結果を有耶無耶にする!
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ハロ・シエラ
そのカード、玉藻さんっぽいですね。
私の友達や、場合によっては私に似た感じのカードもあるのでしょうか。
それはともかく、人の楽しみを奪うのは許せないですね。
安心して下さい、私も動画配信のアニメと言うものでルールは把握しています。
それに【物を隠す】技術や【早業】、【フェイント】に関する知識はイカサマを【見切り】、暴くのにも役立つでしょう。
見抜いた際にはカードを【投擲】してでも防いで見せます。
デッキに関しては…やはり【先制攻撃】が可能な物がいいですね。
相手がレベルを上げる前に、代償にダメージを受けてでも倒してしまいたい。
こう言うデッキは…スーサイド、と言うのですか。
ダークセイヴァーっぽいですね。
(「玉藻さんが持っていた『妖狐の戦巫女』は、玉藻さんっぽかったですね。私の友達や、場合によっては私に似た感じのカードもあるのでしょうか」)
ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)はGJCGのデッキを手に、闇のカードファイトが行われている場所を探して路地裏を歩いていた。
「それにしても、人の楽しみを奪うのは許せないですね。私も動画配信のアニメと言うものでルールは把握しています。遅れは取りません」
しばらく歩くと路地に囲まれた広場に設置されたスタンディングファイトテーブルの周りにたむろし、闇のカードファイトに興じる不良キマイラ達を発見する。
「最近カードファイトに負けた相手を引退させてしまう怪人を見掛けませんでしたか?」
「さあな。お前もカードファイターだったら、知りたい情報はファイトに勝って聞き出しな!」
不良キマイラはそう言ってハロにカードファイトを挑んできた。
ハロを子供と侮ったか。
或いは闇のカードファイターだからこそ、勝負の結果が絶対のルールなのだろう。
(「相手がレベルを上げる前に、なるべく早く倒してしまいたいですね」)
ハロが使うのはダークセイヴァーのウィニーに分類される速攻デッキだ。
仮令相手がイカサマも辞さない闇のカードファイターであっても、イカサマを仕掛けて来る前に勝負を着けてしまえば問題ない。
先攻3ターン目、ハロはグリモア猟兵をレベル3にグロウアップする。
ダメージは3対3、やや前のめりなファイト展開だ。
「『人狼のブレイズキャリバー』の起動効果。自分のグリモア猟兵に好きな点数のダメージを与え、与えたダメージ分だけこのターン中このキャラクターのクリティカルを+1します。2点ダメージを与えます」
「な、なんだと!?」
「さあ、この攻撃を防げますか?」
「くっ、まだだ。ダメージで回復カードを引けば……」
『人狼のブレイズキャリバー』の攻撃を防ぎ切れず、不良キマイラは山札からダメージを捲っていく。
そして6点目を捲ろうと山札に手を伸ばした時、密かに不良キマイラの口角が上がる。
「!」
「グワーッ!?」
不穏なものを感じ取ったハロは、咄嗟にトークンカードを手裏剣のように投擲し、不良キマイラの手の甲に命中させた。
すると不良キマイラの手からデッキと同じスリーブを被せた回復カードがヒラリとテーブルの上に落ちた。
「イカサマは謝る。許してくれ! 噂は聞いたことはあるが怪人のことは本当に知らないんだ!」
「そうですか。他の皆さんはどうですか。私は勝負をしても構いませんよ?」
ハロの子供らしからぬ冷静な立ち振る舞いに不良キマイラ達は戦慄し息を呑む。
大成功
🔵🔵🔵
ミーナ・ヴァンスタイン
アドリブやアレンジ歓迎するわ。
闇のカードフェイトをふっかけられているキマイラが居たら、代わりに勝負を受けるわ。
【暗殺令嬢】【誘惑】【挑発】
「わたしが相手をしてあげる」
優雅に微笑みつつ、どこか薄ら寒さを感じさせるわ。
使用デッキは、ダークセイヴァーの墓地蘇生を封じるデッキよ。
「死者は蘇らないの。現実でも、幻想でも、ね」
相手に攻めさせてからの【カウンター】よ。
「だからこそ、生者は倒れた者の意思を引き継いで強くなるのよ」
私の使用カードは墓地に存在することで自分フィールドのキャラクターを強化したり、墓地に特定のカードがあることで効果を発揮するキャラクター達。
「『ダンピールの聖女』これがわたしの切り札よ」
「観念しな。そのカードを賭けて闇のファイトをしようじゃねえか」
「イヤだ! このカードはお小遣いを貯めて買ったパックから出た大切なレアカードなんだ……」
「お前もカードファイターだったら挑まれた勝負から逃げるんじゃねえ! 逃げるくらいなら、そのレアカードを寄越してGJCGを辞めちまった方がいいんじゃねえか?」
臆病そうなキマイラの少年が不良キマイラ達に囲まれていた。
「わたしが相手をしてあげる」
キマイラの少年を庇うようにミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)が不良キマイラ達との間に割って入る。
「構わねえが、お前はソイツの持ってるレアカードと同等のものを賭けられるのかよ?」
「わたしはこのカードを賭けるわ。これでは不服?」
「あ、兄貴! あれは超ガチレアの……」
「へへっ、上等じゃあねえか……」
ミーナが取り出したのは、ミーナの分身ともいえる『レベル4ダンピールの聖女』のカードだ。
余裕たっぷりに微笑みを浮かべるミーナに不良キマイラ達は気圧される。
「死者は蘇らないの。現実でも、幻想でも、ね」
奇しくもミーナと不良キマイラのリーダー格が使うデッキはダークセイヴァーミラーになっていた。
ミーナの『ダンピールの咎人殺し』が登場時の効果で不良キマイラの墓地から1枚のカードを除外する。
不良キマイラは死霊術士系のカードの効果で特殊登場させようと思っていた墓地のカードをゲームから除外されて表情を渋くした。
しかし返しのターンで不良キマイラは思い切って手札をツッパしてミーナからガード札を吐き出させつつ、ダメージを5対4まで追い込む。
「だからこそ、生者は倒れた者の意思を引き継いで強くなるのよ」
ミーナのターン、遂にグリモア猟兵はレベル4にグロウアップした。
「『ダンピールの聖女』の起動効果。墓地にあるレベル1のカードの枚数だけ、このターン中に前列の猟兵カードの攻撃力を+5000するわ」
ミーナが前のターンで手札をガードに切っていたのはこの為の布石。
ミーナのデッキには墓地にある時にレベル1として扱われるカードなどが多く積まれている。
「これがわたしの切り札『ダンピールの聖女』の力よ。あなたのレアカードは要らないから、少し話を聞かせてもらいましょうか」
ミーナの宣告を前に不良キマイラは為す術もなく敗れたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ絡み可能使用はPOW
ゴリラ型ロボットのヒバゴン・シルバーバックは事件を報せを聞いて怪人たちが現れるというショップに来店、今まさに闇のカードバトルの真っ最中であった!
「お前たち、思った通りゲーマーじゃないウホね」
静かな怒りと闘志を燃やしながらヒバゴンは引いた回復トリガーのカードを示す。そしてそこから繋がる更なる回復と前列補充!ヒバゴンのデッキはジャングルデッキ!相手のフルコンボを防ぎ、或いは敢えて決めさせておいて後から超回復しデッキを疲弊させる変則的なデッキデスデッキである!
「ヒバゴンはゲームを怖そうとする奴らを絶対に許さないウホよ!」
負けるなヒバゴン!鉄壁の密林で悪を押し返せ!
「お前たち、思った通りゲーマーじゃないウホね」
ゴリラ型ロボットのヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)は事件の報せを聞いて、怪人たちが現れるというショップに来店していた。
今まさに闇のカードファイトの真っ最中である。
対戦相手は山札からカードを引く際に重ねて2枚引いたり、袖の下に潜ませたトリガーカードをチェック時に捲った様に見せ掛ける等のイカサマを躊躇なく行ってきた。
非道なプレイングに追い込まれたヒバゴンは、静かな怒りと闘志を燃やしながらダメージチェックで引いた回復トリガーのカードを示す。
更にグリモア猟兵のグロウアップ時効果でダメージを1点回復しつつ、猟兵を1体特殊登場させた。
ヒバゴンのデッキはジャングルデッキ!
ダメージ回復と高い防御力で相手のフルコンボを凌ぎ、カード効果で自分は山札にカードを戻しながら相手のライブラリアウトを狙ったデッキである。
「ヒバゴンはゲームを壊そうとする奴らを絶対に許さないウホよ!」
ヒバゴンはイカサマを含む相手のコンボをすべて防ぎ、前列に展開した猟兵カードで反撃する。
ヒバゴンのデッキの圧倒的な耐久力を前に、闇のイカサマカードファイターは山札切れを起こすのであった。
大成功
🔵🔵🔵
イリス・シキモリ
くだらない。こんな遊びに魂を賭けるとは。お前たちは解せない奴らだ。
いいだろう。付き合ってやる。ゆくぞ。グリモアライズ。私のターン。レベル0よりグロウアップ。
序盤はくれてやる。せいぜい余裕に浸れ。
ゆくぞ。レベル4。私は“銀河皇帝”にグロウアップ。
“銀河皇帝”になったことで[銀河帝国オブリビオン]をコール可能になる。
では、展開だ。前列にドクター・オロチ。更にアビ星人をコール。オロチの能力によりお前はレベル3以下ではアタック/ブロックできない。ダメージリソースを消費し銀河皇帝の能力を起動。このターン私のオブリビオン全てにクリティカル+1。更に永続能力で相手の効果を受けない。
では、制圧させてもらう。
「くだらない。こんな遊びに魂を賭けるとは。お前たちは解せない奴らだ」
イリス・シキモリ(パラドクスブレイカー・f13325)はGJCGが盛んな大型カードショップに訪れていた。
私立探偵として持ち前の洞察力を発揮して、大勢のカードファイターの中から闇のカードファイトに通じる者達を発見すると、情報を聞き出す為に彼らを挑発する。
「ンダトコラー! 遊びかどうかわからせてやらあ!」
「いいだろう。付き合ってやる。ゆくぞ。グリモアライズ。私のターン。レベル0よりグロウアップ」
3ターン目後攻、闇のカードファイターのアタックフェイズ終了時にダメージは4対2で闇のカードファイター側優勢。
「威勢が良かった割にチマチマと横ばかり殴りやがって、初心者か?」
「ゆくぞ。レベル4。私は『銀河皇帝』にグロウアップ」
イリスのグリモア猟兵領域に『銀河皇帝』が現れたことで観客達がざわめく。
「おい、GJCGは猟兵達が戦うTCGじゃなかったのか?」
「知らないのか? あれは猟兵達から話を聞いてテンションが上がった運営が勢いで作って先月発売したブースターパック『銀河帝国攻略戦』に収録されているカードだぜ」
ちなみに最新弾『ヒーローズアース』の発売も決まっている。
「私のグリモア猟兵が『銀河皇帝』になったことで【銀河帝国オブリビオン】をコール可能になる」
ここまでイリスが盤面をあまり展開しなかったのは、この構築の為だ。
「前列に『ドクター・オロチ』、更に『アビ星人』をコール。『銀河皇帝』がいる時、『オロチ』の登場時能力によりお前はレベル1以上のキャラクターで、お前のターン終了までアタックとブロックをできない」
「なんなんだ、その効果は!?」
「勉強が足りないな。ダメージリソースを消費し『銀河皇帝』の能力を起動。このターン、私のオブリビオン全てにクリティカル+1。更に永続能力でオブリビオン達は相手の効果の対象に取られない」
これではオブリビオンを退却させることで攻撃を止めることさえできない。
「では、制圧させてもらう」
ブロック制限で手札を使って守ることすらできず、闇のカードファイトはイリスの勝利となった。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
TCGでござるか?拙者殆どやったこと無いんでござるよね
初挑戦…楽しみですなァ
とは言いつつもイカサマ相手にまともにやっても素人の拙者じゃ勝ち目なし
ならこちらもより強大なイカサマを仕掛けますかな?ヒョッヒョッヒョ…
まずは闇のカードファイターを待ち伏せして…背後からレアっぽいカードを【スリ取って】…なんかへちょいカードを【スリ渡し】て…
何人かに仕込み終わったら何処かで適当に対戦開始!
拙者の【第六感】が冴え渡る!多分このカードにこの装備カードを組み合わせればなんかいい感じになるはず!
何切り札のカードが無い?すり替えておいたのさ!ウヒョヒョヒョヒョ!
イカサマなんぞしてるからでござるよ!
アドリブ・絡み歓迎
「TCGでござるか? 拙者殆どやったこと無いんでござるよね。初挑戦……楽しみですなァ」
そう言いながらエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)は闇のカードファイター達の溜まり場に近い路地裏でダンボールに潜んでいた。
かえって目立つ様な気もするが、キマイラフューチャーでは日常茶飯事である。
特にエドゥアルトが入ったダンボールの前を気にすることなく通り過ぎる合皮のジャケットにやたら鋲を生やしたキマイラから、エドゥアルトは大人気なくユーベルコード『Pickpocket』を使ってデッキのカードを入れ替えた。
「さあ、拙者と闇のカードファイトでござるよ!」
十分に仕込みが済んだところで、エドゥアルトは闇のカードファイター達の溜まり場に向かい勝負を挑む。
「おいおいオッサン、素人か? レアリティーが高いカードをテキトーに積んだってデッキは強くならないんだぜ」
エドゥアルトを金を掛けてるだけのカモと侮り不良キマイラはニマニマと笑みを浮かべた。
「ん、なんだ。おかしいぞ……?」
イカサマまでして不正にドローをしアクセスを増やしているのに、いつまで経ってもコンボ用のキーカードが揃わない。
「何、切り札のカードが無い? すり替えておいたのさ! ウヒョヒョヒョヒョ! イカサマなんぞしてるからでござるよ!」
「なんだと貴様ァ!」
怒鳴ってみたものの、これはイカサマ上等の闇ファイト。
イカサマしているのはお互い様なので憤りをぶつける先はない。
「そぉれ、ファイナルターンでござるよ!」
シナジーが取れていなくても、スリ盗ったレアカードには単体でカードパワーの高いものも結構ある。
キーカードを欠いて決め手に欠けるデッキとどちらが強いかは考えるまでもなかった。
大成功
🔵🔵🔵
フォンミィ・ナカムラ
あたしのデッキはUDCデッキ
レベル0のUDCトークンを召喚したり生贄にしながら戦うデッキだよ
序盤はあんまり攻めすぎずに、手札にコンボパーツを揃えながら盤面のトークン率を上げていくよ
「戦場傭兵のスキル発動! 自らを生贄にトークンを2体コール!」
準備が整ったら最後の決め技
Lv4UDCエージェントのスキル発動
盤面にトークンが5体以上いるなら、トークン全て大幅パワーアップ!
トークン達のアタックが終わったら、トークン5体を生贄にして手札の「グールドライバー」をセンターに召喚
生贄を食べた分だけ上がったパワーで攻撃だよ
このコンボなら、ちょっとイカサマで手札増やしたくらいじゃ防げないでしょ?
「あたしのデッキはUDCデッキ! あたしが勝ったら怪人のこと教えてもらうよ」
フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)はキマイラフューチャーの公園で見付けた闇のカードファイターから情報を聞き出す為にファイトを申し込んだ。
「あたしのターン! グリモア猟兵をレベル1にグロウアップして『UDCアースの戦場傭兵』を登場。戦場傭兵のスキルで自らを生贄にUDCトークンを2体コール!」
UDCトークンとはレベル0でパワーも低い特殊なキャラクターカードだが、簡単な条件で盤面に登場させることができるのが特徴である。
「レベル0のキャラクターばかり展開するだけでクソザコ過ぎやしないか?」
後攻3ターン目、ダメージ4対3と闇のカードファイター優勢。
不良キマイラが言う通り、盤面は埋めているもののパワーの低いUDCトークンばかりを展開していてフォンミィの攻撃の手は強くはない。
「準備完了、レベル4『UDCアースのUDCエージェント』にグロウアップしてスキル発動! 盤面にUDCトークンが5体以上いるなら、UDCトークン全てのパワーをこのターン中、盤面にいるレベル0のキャラクター1枚につきパワー+5000するよ」
つまり5体のUDCトークンのパワーが+25000されることになる。
「くっ、なかなかやるな。だがこのターンで仕留め切れなかったことを後悔させてやるぜ!」
大幅にパワーアップされたUDCトークンの猛攻に不良キマイラはダメージ5点まで追い込まれた。
「まだあたしのターンは終わらないよ! アタックフェイズ終了時に『UDCアースのグールドライバー』の手札スキル、盤面にいるキャラクター5体を生贄にすることで前列中央に特殊コール! 更に攻撃力+15000だよ」
「な、なにぃ!?」
フォンミィの切り札カードによる超強力コンボを前に、イカサマで多少手札を増やしたくらいでは耐え切ることができず、不良キマイラは敢えなく敗れるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
緋奈森・鈴音
POWで!
カードゲーム始めたばかりでレアカード引いちゃった……みたいな雰囲気で闇のカードファイターを誘惑しちゃうわー。
「えっ、遊んでくれるのー。お願いしちゃうわねー」
おねーさんはパーミッション&ライブラリアウト系のデッキを使うわねー。
初心者相手と思って油断してるうちに、相手のデッキの中身を確認して重要カードを抜きつつ、相手が使っているカードの内容と枚数を確認。
これで他からカードを持ってくるイカサマはできないものねー。
気がついたら取り返しつかなくなってるわよー?
「それは駄目ー。『いたずら狐』で打ち消すわ」
「『天井落し』の効果でライブラリー削ってね?」
ところでおねーさんっぽいカードも有るかしら?
「初めて開けたパックからキラキラしたカードが出たわ-。超ガチレア?」
緋奈森・鈴音(妖狐の化身忍者・f03767)はカードショップでレアカードを引いた初心者の振りをしながら闇のカードファイターが釣れるのを待つ。
「おっ、姉ちゃん、いいカード引いてるじゃねえか。使い方を教えてやろうか?」
「それは嬉しいわ-。お願いしちゃおうかしらー」
「姉ちゃん、デッキは持ってるか?」
「まだ組んでるところなのー。お手本にあなたのデッキを見せてくれないかしらー?」
「ああ、いいぜ」
ガラの悪いキマイラは鈴音にデッキを手渡した。
闇のカードファイトを生業としている者だけあって、初心者と思い込んでいても自分のデッキを触る相手への警戒の目は厳しい。
しかしデッキの内容を確認することはできた。
鈴音のデッキは相手のプレイングを妨害するパーミッション。
相手がしてくることを予め知っておくことのアドバンテージは大きい。
「それは駄目ー。『妖狐のゴッドペインター』のガード時スキル『いたずら狐』で打ち消すわ」
「畜生! 初心者じゃあなかったのかよ!?」
鈴音をカモにしようとしていた不良キマイラは鈴音の手の平の上で一方的にやられるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『勝利の栄光を掴め!』
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POW : 情熱を燃やして優勝する
SPD : 冷静な作戦で優勝する
WIZ : なんやかんやで優勝する
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●怪人の行方
猟兵達は闇のカードファイトに関わるカードファイター達とのファイトに勝つことで、ファイターを引退に追い込んでいる怪人の噂にそれぞれ辿り着くことに成功していた。
闇のカードファイト暗黒地下トーナメント。
広い地下イベントスペースを貸し切ったGJCGの非公認チャンピオンシップトーナメントである。
この大会の主催者が事件を起こしている怪人であるらしい。
大会の優勝者は景品以外に主催者とのエキシビジョンマッチを行うことができる。
つまり猟兵の誰かが優勝することで怪人のもとに辿り着くことができるのだ。
ハロ・シエラ
流石に優勝するとなると初心者の私では厳しいでしょうか。
ですが、デッキを信じろと教科書(アニメ)でも言っていました。
このまま速攻デッキで挑戦して見ます。
装備を使って狐耳と尻尾を出して、これで狐のキマイラっぽいでしょう。
あとは駆け引きです。
ユーベルコードを用いて、思い切り【誘惑】するような笑顔で「よろしくお願いします」と挨拶。
相手の集中力を乱しつつ「今のは宣言が遅かったから無しですね」などとジャッジも【言いくるめ】て自分の有利な状況を作ります。
最終的には「ありがとうございました!」と【手をつなぐ】と言うか握手して何も言わせない様に勢いで押し切ります。
やっといてなんですが、ちょっと卑怯でしょうかね。
ロラン・ヒュッテンブレナー
カードゲーム初挑戦なの
こういう遊びがあるなんて、キマイラフューチャーはすごい所なの
【SPD】
【世界知識】と【学習力】で【情報収集】して作ったロックバーンデッキで参戦なの
キーカードは「人狼の電脳魔術師」でグリモア猟兵がレベル3以上の時に自陣前列中央にキャラカードがいない場合ダイレクトアタックを封じて、前列攻撃宣言時に1点ダメージを与える効果なの
他はカウンターを消費して攻撃を止めたりフィールドにいる限りエンドフェイズにダメージ与えるカードを入れてるの
相手の能力がトリガーのカードたちを【見切り】と【時間稼ぎ】で攻撃のない平和なゲームを心掛けるの
大丈夫、ぼくは思考能力を上げるユーベルコードがあるの!
「流石に優勝するとなると初心者の私では厳しいでしょうか。ですが、デッキを信じろと教科書(アニメ)でも言っていました。このまま速攻デッキで挑戦して見ます」
まだファイターとして経験が浅いハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は使い慣れたデッキで地下トーナメントに参加することにした。
付け焼き刃のデッキでトーナメントを勝ち抜くのは難しいだろう。
しかしウィニーの特性として回れば高い爆発力はあるが、回らなかった時のリカバリーが難しい。
何しろ決着までのターンが短いということは、引けるカードが少ないということだ。
引きたいカードが山札の底に眠っているということも往々にしてある。
特にハロの使うデッキはスーサイドと呼ばれるライフまでコストにする最速の部類。
特徴もより顕著なものである。
そこでハロは狐耳と尻尾を着けて妖狐の様な仮装をしつつ盤外戦術を仕掛けることにした。
結論から言えば効果は抜群だった。
女性に免疫のないキマイラファイター達に、にこやかに接してくるハロに為す術はない。
極端な偏見ではあるが、カードゲーマーは皆同性愛者であるという説を唱える者までいる。
3回戦まではそれで冷静さを欠いた相手の隙を突いて多少手札の悪いファイトも強引に勝利することができた。
「ハロちゃん……?」
「ロランさん!?」
ベスト8を賭けたハロの対戦相手は知り合いの猟兵であるロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)であった。
ロラン相手に盤外戦術を仕掛けるつもりはないが、今までの行いを振り返りハロは顔を赤らめる。
「カードゲーム初挑戦なの。ハロちゃん、よろしくなの」
こうして二人のカードファイトが始まった。
「グロウアップ。『人狼の電脳魔術師』の永続効果、グリモア猟兵がレベル3以上の時に自陣前列中央にキャラカードがいない場合、ダイレクトアタックを封じて、グリモア猟兵を含む3体以上のキャラがタップしていない場合、相手は攻撃宣言時にダメージが4点以下の場合、1点のダメージを受けるの」
3ターン目を迎えてロランのダメージは4点、ハロのダメージは2点。
ハロの速攻をロランが凌ぎ切った形だ。
(「仕留め切れなかった……!」)
ロランはレベルが低くてもスタンド状態で防御力が上がるキャラクターを多くデッキに積んでおり、持ち前の計算能力を活かしてハロの猛攻を防いでいた。
こうなってしまうとデッキの大半をレベル2以下のキャラクターで構築しているハロにとっては厳しい展開だ。
加えてGJCGの前列中央のキャラクターはグリモア猟兵へのダイレクトアタックを防ぐだけではなく、攻撃時にグリモア猟兵をタップすることでトリガーチェックを行うことができる。
トリガーチェックとは、山札の一番上のカードを捲り、トリガーアイコンの効果を得ることができるというGJCGのルールだ。
トリガーアイコンの効果も強力なのだが、トリガーチェックで捲ったカードは手札に加えられる。
手札を増やす為にハロは前列中央のキャラクターの攻撃を行わなければならず、そうすると1点のダメージを負うことになる。
しかしトリガーチェックを行わなければ、毎ターン開始時のドローだけでしか手札が増えず、ロランとの手札差は増える一方になってしまう。
(「5点を負ったターンに一気に攻めればまだ……!」)
『人狼の電脳魔術師』で6点目のダメージを与えることはできない。
ハロは長期戦に弱い自分のデッキでは対処のできないカードをロランが引かないことを祈った。
「グロウアップ。レベル4『人狼のウィザード』、起動効果発動なの。ダメージリソース3と手札を2枚コストとして支払うことで、相手のグリモア猟兵に1点のダメージを与えるの!」
そして迎えた5ターン目、5点を負ってターンを送ったハロにロランのフィニッシャーカードが刺さる。
コストは重いが強制的にダメージを与える効果によってハロのダメージゾーンに6点目のカードが置かれ、ロランの勝利が確定した。
「ありがとうございました。私の分まで優勝を目指してがんばってください」
「ありがとうなの。ハロちゃん、大会が終わったらまた一緒に遊んでほしいの」
二人は握手と笑顔を交わし合い、次の約束をするのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミーナ・ヴァンスタイン
天敵の墓地除外デッキへの対策は用意しないとね
『ダンピールの化身忍者』の効果を発動するわ。
除外されたカード3枚まで選択、山札のカードを選択した枚数分を墓地に送り、それに応じた攻撃力を加算する。
わたしが選んだ枚数は3枚。あなたの切り札、倒させてもらうわ。
『ダンピールの精霊術士』戦闘時に効果を発動、除外されたカードを一枚選択しこのカードの後列に特殊召喚するわ。
選択したカードが存在する限り、このカードの攻撃力を上昇させるわ。
このカードが破壊された時、選択したキャラクターも墓地に送る。
相打ちで良い。これで逆転よ。
『多重人格者の聖女』自分のグリモア猟兵が聖女だった場合、その起動効果をもう一度発動するわ
「へっへっへっ、アンタのデッキが墓地利用系なのは、もうネタが上がってるんだぜえ!」
ミーナ・ヴァンスタイン(罪人殺しの聖女・f00319)は5回戦まで駒を進めていた。
トーナメントもここまで進むと有力選手の情報は出回ってしまう。
そしてこのトーナメントは闇のカードファイトの大会である。
公式戦ではサイドボードなど認められていないが、この大会に参加するようなダーティーなカードファイター達は平気で直接対戦相手をメタったカードを直前にデッキに入れてくるのだ。
キマイラの対戦相手が『ダンピールの咎人殺し』の効果でミーナの墓地からレベル1のキャラクターカードを除外する。
「そのプレイングは対策済みよ」
しかしミーナはトーナメントを勝ち抜く為に、メタデッキに対するデッキの調整を済ませていた。
「『ダンピールの化身忍者』の登場時効果を発動するわ」
ミーナはゲームから除外されたカードを3枚選び、選んだ枚数だけ山札のカードを墓地に送り、『ダンピールの化身忍者』はそのターン中この効果で墓地に送られたカードの枚数だけ攻撃力が5000上昇する。
「更に『多重人格者の聖女』が登場した時、グリモア猟兵が聖女だった場合、コストを払うことでグリモア猟兵の起動効果をもう一度発動するわ」
『ダンピールの化身忍者』で墓地を増やし、『多重人格者の聖女』で『ダンピールの聖女』の効果を二重に発動させることで、墓地からキーカードを除外された分を補っていた。
「そんなカード、ここまでの対戦で見たことがないぞ!?」
『ダンピールの化身忍者』はカードがゲームから除外されて初めて活きるカードである。
メタられることのなかった今までの試合で使うことはなかったのだろう。
「対策が足りなかったようね。これでトドメよ」
ミーナのコンボが決まり、5回戦もミーナが勝ち抜くのだった。
成功
🔵🔵🔴
ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ絡み可。使用はSPD
「こっちはヒバゴン1号でこっちはヒバゴン2号ウホ」
ヒバゴンはユーベルコードで出した分身とトーナメントに参加、一人二役の頭脳プレーである。加えて片方が負けるときはもう片方に対戦相手のデータが渡るおまけ付き!更には
「寝たきりの老人と掛けて帰りの聖火ランナーと解く。その心は、ごりんじゅうです」
「このイラスト実はゴリラが知ってる?絵!?」
「気弱なガンマンの引金と掛けて不運なカードゲーマーのドローと解く、その心は、ここぞで引けない」
時折挟まれるジョークの盤外戦術、自分と当たればその時は不戦勝。彼は正に今、目には目歯には歯のダーティークライムファイターと化していた!
エドゥアルト・ルーデル
カードゲームも良いよね!何故かインセクトなデッキができちゃったけど!
しっかし周りはレベルの高い奴らばかりで優勝は厳しい
やるか…イカサマを!デュフフ…ウヒョヒョヒョヒョ!
大会でウカツなイカサマはとても危険…しかしこの影の…【知らない人】だ!誰だお前!
とにかくこの知らない人なら見つからずに仕込めるはずだ…この強制的に種族を変えるカードをな!
序盤は大量召喚した雑魚猟兵で守り、特定種族を従えさせるカードで攻撃をさせず、
時間をかけて召喚するなんかグレートな奴が完全究極態で召喚されるまで耐える!
召喚されたら拙者の勝ちだ!ヒョッヒョッヒョッ!
(同じ猟兵にボコボコにされて負けたでも良いです)
アドリブ・絡み歓迎
「カードゲームも良いよね! 何故かインセクトなデッキができちゃったけど!」
トーナメントに参加するのに寄せ集めデッキのままという訳にもいかずデッキを構築したエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)。
インセクトって虫だよね?
たぶんキマイラデッキなんだと思うけど、猟兵としての再現性が低くてカードデザイナーの性癖を感じる。
「次の対戦相手はエドゥアルトウホね」
トーナメントなので勝ち進めばこういうこともある。
エドゥアルトの次の対戦相手はヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)1号だった。
(「大会でウカツなイカサマはとても危険……しかしこの影の……【知らない人】だ! 誰だお前!!」)
エドゥアルトはユーベルコードで知らない人を召喚した。
毎回違う知らない人が出てきて、その知らない人と五感を共有するのはちょっとした恐怖体験だと思う。
幸いヒバゴン1号はここまでの対戦相手同様に知らない人に気付けていない。
(「とにかくこの知らない人なら見つからずに仕込めるはずだ……この強制的に種族を変えるカードをな!」)
相変わらず大人気なくユーベルコードを使って勝ちにいくエドゥアルト。
知らない人はヒバゴン1号がその存在を感知していないことをいいことに、前列に出したカードを別のカードとすり替えたりした。
エドゥアルトは低レベルのキャラクターを展開しつつ、知らない人がヒバゴン1号の盤面に置いた種族のコントロール権を奪うというピンポイントだけど強力な効果を駆使して時間を稼ぐ。
「こんなカード、登場させたウホか?」
見覚えがないカードが前列に居て攻撃できずに首を傾げるヒバゴン1号。
「ウヒョヒョヒョヒョ! 遂に引いたでござるよ。『ウォーマシンのスターライダー』を!」
イカサマまでして時間稼ぎをしていたのはコンボパーツを集めるため。
6ターンもの間、前列中央に居続けた『キマイラのスクラップビルダー』
登場した『ウォーマシンのスターライダー』をコストに払うことで完全究極態なビルドロボットトークンが召喚されるのだ。
「召喚されたら拙者の勝ちだ! ヒョッヒョッヒョッ!」
エドゥアルトが高らかに宣言した通り、召喚できてしまうとちょっと対処できないくらい強く、そのままヒバゴン1号は圧倒された。
「気弱なガンマンの引金と掛けて不運なカードゲーマーのドローと解く、その心は、ここぞで引けない。次に対戦する時は覚えておくウホ」
「次? どういうことでござるか??」
「こっちはヒバゴン1号で、あっちがヒバゴン2号ウホ」
ヒバゴン1号が指差す先にはもう一人のヒバゴンがトーナメント会場で試合を行っている。
勝つためにユーベルコードの使用も辞さないダーティークライムファイターと化した猟兵はエドゥアルトだけではなかったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フォンミィ・ナカムラ
引き続きUDCデッキで挑戦だよ
GJCGにはちょっと自信あるし腕試し感覚で挑戦!
このデッキの弱点は、トークンを集中的に潰されたら強い動きが何もできなくなっちゃうこと
だから、トークンを守るためのカードも入れてるんだよ
序盤は山札から同名をコールできる「多重人格者の人形遣い」使用
退却時にデメリット効果のあるこのカードを囮にして優先的に狙わせるよ
トークンが揃ってきた中盤以降は「ヒーローマスクのパラディン」を横列にコール
このカードは「相手が効果で退却させる際、可能な限りこのカードを選ぶ」って効果なんだよ
こういうガード札も上手く使いつつ「マンゴーの電脳魔術士」とかでトークンを増やしてコンボ成立を目指すよ
「『多重人格者の人形遣い』を左前列にコール、同名カードを山札から右前列にコール、特殊登場した方の『多重人格者の人形遣い』は退却した時に自分の手札を1枚捨てる効果を得るよ」
5回戦、フォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)もまたメタカードの洗礼を受けていた。
UDCトークンは弱いが、フォンミィのデッキはUDCトークンを起点にしないと強力な動きができない。
「『スペースノイドの鎧装騎兵』の登場時効果、ダメージリソースを1払ってデメリット持ちの方の『多重人格者の人形遣い』を退却だ!」
だから対策として囮となるキャラクターカードをデッキに積んで来たのだ。
「今度は右前列に『ヒーローマスクのパラディン』をコール、相手は効果であたしのキャラクターを選ぶ際、可能な限りこのキャラクターを選ぶ」
「くそ、そんなに退却されるのが嫌なのかよ!」
対戦相手のカードファイターのデッキはあくまでフォンミィのデッキを知ってメタカードを差しただけのデッキ。
純正の除去デッキではない。
苦手なデッキと対戦することを想定してデッキを調整したフォンミィへの対策としては不十分だった。
「レベル4『UDCアースのUDCエージェント』にグロウアップ。『シャーマンズゴーストの電脳魔術士』を登場、UDCトークンをマンゴーが登場したフィールドに上書きして5体のUDCトークンが揃ったよ!」
布陣が整い必殺のコンボが対戦相手のカードファイターを襲う。
大成功
🔵🔵🔵
イリス・シキモリ
TCGを『たのしいおあそび』と思っているならそれで結構だ。
だが、それでは勝てない。優勝を狙うなら環境に即した『勝つデッキ』を持たねばならない。その上で存在しうるデッキタイプを研究し、対策を用意。更に試行を繰り返しプレイングを研鑽する。
これがTCG大会の『スタートライン』だ。
私は勝つために来た。故に、現環境トップメタの『銀河帝国』を使う。手札交換による事故防止。仮想敵へのカウンター。構築は万全だ
デッキ構築とは物語を作ることだ。主役を決め、そこに至る道筋を決め、勝利という結末を描く。私のデッキは完成している。
お前のデッキはどうだ。……進むつもりなら、見極めてやろう。
気合や運だけで勝てると思うな!
「この席に座っているお前に言うまでもないと思うが」
イリス・シキモリ(パラドクスブレイカー・f13325)は闇のカードファイト暗黒地下トーナメントの決勝卓に座っていた。
彼女の対面に座っているのはキマイラのカードファイター。
数々の勝負の末にここに辿り着けたのは、この二人であった。
大会主催者である怪人を引きずり出せるかどうかはイリスの双肩に掛かっている。
「優勝を狙うなら環境に即した『勝つデッキ』を持たねばならない。その上で存在しうるデッキタイプを研究し、対策を用意。更に試行を繰り返しプレイングを研鑽する。これがTCG大会の『スタートライン』だ」
イリスの言葉にも興味なさげに対戦相手のキマイラは気怠げな表情で、初期手札をハンドシャッフルしながら三重にしたスリーブからパチパチという乾いた音を立て続けていた。
イリスは勝つためにGJCGの現環境を研究し尽くしていた。
彼女のデッキは銀河帝国デッキではあるが、その中で環境に最も多く存在するトップデッキを仮想敵としてメタを張り、万全の構築をしている。
「デッキ構築とは物語を作ることだ。主役を決め、そこに至る道筋を決め、勝利という結末を描く。私のデッキは完成している。お前のデッキはどうだ」
「3チェンで」
イリスの揺さぶる様な会話にも応じることなくマリガン枚数を宣言するキマイラ。
デッキカットを行う際も最低限の手振りを示すだけで、対戦相手への敬意を感じられない。
(「やはりな」)
1ターン目に相手がプレイしたカードからイリスは相手のデッキタイプを読んだ。
それは予想した通り『銀河帝国攻略戦』で最も強化されたスペースシップワールドのウォーマシンデッキ。
現在GJCGの公式大会のデッキ分布で最も多くのファイターが使用しているデッキでもある。
(「そのデッキは先週あった大型大会の入賞レシピでも見た」)
恐らく対戦相手は闇のカードファイトを主とする者ではなく、GJCGのTP(トーナメントプレイヤー)だ。
闇のカードファイトのCS(チャンピオンシップ)であろうがTPには関係はない。
そして生半可なイカサマを見抜くくらいTPにとっては造作もないことだろう。
心なし対戦相手のキマイラのシャカパチが軽快なものになる。
カードからイリスのデッキを読んだのはキマイラも同じ。
イリスの使う銀河帝国デッキは販促アニメでボスキャラが使うデッキである。
わかりやすく強力なコンボデッキではあるが、良くも悪くも有名でよく対策されていた。
「『ウォーマシンの聖者』を登場、ダメージリソース1、1枚ドローして自分と同じ縦列のカードをレストする。レストしたキャラクターは次のスタンドフェイズにスタンドしない」
そしてウォーマシンデッキによる銀河帝国対策がこれである。
『ウォーマシンの聖者』は列を指定することで銀河皇帝の永続効果の対象無効化を受けない。
更にクリティカルの上がった攻撃も回数が減れば防ぐことも容易だ。
「『ウォーマシンの聖者』でアタック」
「『黒騎士アンヘル』でブロック、アンヘルのブロック時効果、ダメージリソース2、直前に相手が使用した効果を無効化して処理を取り消す」
「なん……だと……?」
「こんなコストが重くて効果に見合わない浪漫カードは積んでないと思ったか? これが私のデッキがお前のデッキに勝つ為に描いたイメージだ」
ダァン!
TPキマイラがファイティングテーブルを叩く音が大きく会場に響いた。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『キリ』
|
POW : 縁切断(物理)
【手刀】が命中した対象を切断する。
SPD : 縁消去(物理)
【何らかプラス】の感情を与える事に成功した対象に、召喚した【狛犬のような自動砲台】から、高命中力の【その感情を抱いた時の記憶を消す光線】を飛ばす。
WIZ : ただの八つ当たり
【なんかムカついた】から【強烈なビンタ】を放ち、【あまりの理不尽さからくる動揺】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠カスミ・アナスタシア」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
「ボクは楽しそうにGJCGでファイトする奴らとデッキの縁を消すんだ。誰にもその邪魔はさせない!」
暗黒地下トーナメントを主催していた怪人はキリだった。
キリは毛を逆立てながら猟兵達を威嚇する。
※ユーベルコードで攻撃しなくてもGJCGで負かすほど、キリはメンタルが凹んでいきます。GJCGで勝って弱らせ切ればトドメの一撃だけ攻撃すれば倒すことができます。
※実はキリにカードファイターとデッキの絆を絶つ能力はありません。思い込みの激しいキマイラが偶にキリの言うことを信じ込んでしまうことがありました。別にキリに負けてもGJCGのデッキとの絆を失ったりすることはありません。
ヒバゴン・シルバーバック
アドリブアレンジ絡み可能。使用はPOW
「なんか思ってたより大したことなさそうなのが出てきたウホ」
ヒバゴンは開口一番ひどいことを言った。目の前の少女を脅威と思えなかったのである。
「おおかたゲームに勝てなかったからこんなことしたんでウホ」
そう言いつつヒバゴンは自分のデッキを取り出し対戦の準備を整える。ちなみにヒバゴンの今回のデッキは相手コンボを制限する密林ロックデッキである。
「どうせ勝負に勝てたら大喜びしてもっとやりたいって言うに決まってるでウホ!」
キリを挑発するヒバゴン。いつの間にか後ろで分身がタルコンガを叩いて場を盛り上げようとしている。
「ヒバゴンが胸を貸してあげるからかかって来るがいいウホ」
「なんか思ってたより大したことなさそうなのが出てきたウホ」
「ポンコツそうなウォーマシンから突然ひどいこと言われた!?」
ヒバゴン・シルバーバック(ゴリラ型ロボット・f07349)は開口一番、キリのことをそう評した。
オブリビオンである怪人の少女だったが、ヒバゴンには脅威に思えなかったのである。
「おおかたゲームに勝てなかったからこんなことしたんでウホ」
そう言いつつヒバゴンは自分のデッキを取り出し対戦の準備を整える。
ヒバゴンの今回のデッキは相手コンボを制限する密林ロックデッキである。
防御向きのカードで守りつつ回復しながら相手のライブラリアウトを狙うジャングルデッキといい防御的なデッキが多い。
「どうせ勝負に勝てたら大喜びしてもっとやりたいって言うに決まってるでウホ!」
キリを挑発するヒバゴンの後ろで、いつの間にかまだ残っていたヒバゴン2号がタルコンガを叩いて場を盛り上げようとしている。
「ヒバゴンが胸を貸してあげるからかかって来るがいいウホ」
「ボクは勝ち負けの呪縛に囚われたお前達カードファイターをGJCGから解放してやるんだ」
厨二病っぽいポーズをキメたキリもデッキをファイトテーブルに置いた。
「グロウアップ、レベル3『キマイラフューチャーの怪人キリ』!」
「そのキャラクター初めて見るウホ!」
それもその筈、このカードはキリがGJCGの運営会社に行って駄々をこねて作らせたカードである。
レアリティーの部分もPR(プロモーション)になっている。
扱いとしては先行プロモーションカードなので後日キマイラフューチャーが強化される時に再録予定である。
「ダメージリソース2、相手のグリモア猟兵を相手のターンの終了時までレベル0にして、相手のターン終了時に相手は自分のソウルから1枚選び、グリモア猟兵をグロウアップさせる」
グリモア猟兵は自分のレベル以下の猟兵しか召喚できないというルールなので、グリモア猟兵をレベル0にされてしまうとパワーが下がるだけではなく、キリの攻撃に対するレベル1以上のカードによるブロックと、返しのターンに手札からの通常召喚もできなくなってしまう。
「さあ、お前の分身であるグリモア猟兵カードとの縁を消去してやる!」
特殊なルール干渉カードによる攻撃に対応し切れずにヒバゴンのグリモア猟兵にトドメのアタックが叩き込まれた。
「これは堪らないウホ…………あれ、なんともないウホ?」
ファイトには負けたもののキリ自体に別にGJCGを引退させる能力などはないので、特に何事もないヒバゴンであった。
苦戦
🔵🔴🔴
イリス・シキモリ
愚かな。カードとの絆などという概念そのものがまやかしだ。惑わされるお前は三流以下だ。
なら聞こう。お前は、デッキのカードを入れ替えたことがないのか?抜けたカードを省みたことは?
新しいデッキテーマに乗り換え、以前のデッキに触らなくなったことは?
断言する。カードファイターこそ、『絆』などという言葉から最も遠い存在だ。
だから私はくだらないと言った。
ファイナルターンだ。銀河皇帝の能力を起動。アタック時、自分の場のユニットが[銀河帝国]だけなら手札を3枚破棄してよい。破棄したらドライブ+2。バトル終了時スタンド!
これで、とどめだ。
お前が張り切らずとも、ハナから縁などありはしない。
お前の行為は全て無意味だ。
「愚かな。カードとの絆などという概念そのものがまやかしだ。惑わされるお前は三流以下だ」
「まやかしなんかじゃないもん! ボクに負けてGJCGの呪縛から解き放たれたキマイラ達だっていたもん!」
イリス・シキモリ(パラドクスブレイカー・f13325)の問い掛けに対して猛烈に反論するキリ。
ただしそれはキリの言うことを真に受けた素直で思い込みの強いキマイラだけなのだが。
「なら聞こう。お前は、デッキのカードを入れ替えたことがないのか? 抜けたカードを省みたことは? 新しいデッキテーマに乗り換え、以前のデッキに触らなくなったことは?」
「ボクはボクだけの『ボク』のデッキしか使わないもん! このカードには縁切りの力があるんだ!」
敢えてもう一度説明しよう。
キリのデッキはそういうのも面白そうと運営が作ったキリだけが持っているプロモーションカードを積んだデッキだが、別に縁を切ったりする特別な力はない。
一応公式のフロアルールの大会でも使用が認められています。
「断言する。カードファイターこそ、『絆』などという言葉から最も遠い存在だ。だから私はくだらないと言った」
「でもでも! みんな本気で楽しそうに、本気で悔しそうにファイトするじゃないか!」
たぶんそれがキリの本音の動機。
「ファイナルターンだ。『銀河皇帝』の能力を起動。前列中央のキャラクターのアタック時、自分の場のキャラクターが『銀河帝国』のオブリビオンだけなら、手札を3枚破棄してよい。破棄したらドライブ+2。アタック終了時にアタックしたキャラクターと『銀河皇帝』をスタンド!」
前のファイトでレベル3『キマイラフューチャーの怪人キリ』が起動効果にダメージリソースを2使ったことを見て、イリスはキリの表のダメージリソースを1枚に絞りながらファイトを進めた。
ところで『銀河皇帝』の能力の数が多い上にテキストがすごい長いのだが、イラストの顔に文字が掛かっていないか心配になる。
「これで、とどめだ。お前が張り切らずとも、ハナから縁などありはしない。お前の行為は全て無意味だ」
イリスに完膚なきまでに叩きのめされて、キリのメンタルはだいぶ凹んだのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エドゥアルト・ルーデル
数々の戦いを乗り越えて拙者もカードの良さがわかった!
カードの楽しさを知った拙者は無敵!イカサマ無しでまともにやってやりますぞ!
今回はキマイラデッキ!
と言っても相手の持ち札は強い、なのでこうする
【知らない人】!敵の山札に気づかれぬように…【盗み攻撃】だ!2枚…3枚…どんどん抜き取る!
恐ろしく早い抜き取り…拙者じゃなきゃ見逃しちゃうね
時は満ちた!魔法カード【コンコンマシーン】と【バトルキャラクターズ】!
コンコンマシーンはお互いの山札から2枚カードを手札に加える!
バトルキャラクターズはダイス目の数だけカードを再利用!そうだねデッキ破壊コンボだね
まともにやると言ったな…あれは嘘だ!
アドリブ・連携歓迎
「数々の戦いを乗り越えて拙者もカードの良さがわかった! カードの楽しさを知った拙者は無敵! イカサマ無しでまともにやってやりますぞ!」
ここまでユーベルコードを駆使して勝ち進んで来たエドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が高らかに宣言する。
「今回はキマイラデッキ!」
「まだ本当に初心者でデッキが定まってないんだね……」
デッキとファイターの縁を切ることを目的にしているキリは複雑な表情をした。
(「【知らない人】! 敵の山札に気づかれぬように……カードの抜き取りだ! 2枚……3枚……どんどん抜き取る! 恐ろしく早い抜き取り……拙者じゃなきゃ見逃しちゃうね」)
またしても性懲りもなく知らない人を召喚するエドゥアルト。
知らない人は今回も対戦相手であるキリには発見されていないらしい。
キリが自分の山札から手札や盤面に視線を向けた隙に、知らない人はキリに気付かれないていど、どんどん山札からカードを抜き取って減らしていった。
「時は満ちた! 『テレビウムのスクラップビルダー』と『キマイラのバトルゲーマー』を召喚! 『テレビウムのスクラップビルダー』の『コンコンマシーン』の効果でお互いに山札の上から2枚見てフィールドに特殊召喚する! 更に『キマイラのバトルゲーマー』は登場時にダメージリソース1を払うことで、相手は自分の山札の上から、自分のキャラクターと同じ枚数見て、キャラクターのいるフィールドに上書き召喚し、山札をシャッフルする!」
「あれ、デッキがもうないよ!?」
強制的に山札からキャラクターを召喚させられて、山札を減らされていたキリはライブラリアウトしてしまう。
「まともにやると言ったな……あれは嘘だ!」
「ひっどーい!」
キリのエドゥアルトに対する非難の声がこだました。
大成功
🔵🔵🔵
フォンミィ・ナカムラ
怪人キリ……?
初めて見るカードだ!
すごい強力なカードにびっくりしちゃうけど、あたしとデッキの絆はそんな簡単に断ち切られたりしないもん!
まずはトーナメントで当たった普通のキマフューデッキとの戦い方を思い出しながら、いつも通りリソースを貯め込みながらトークンをちまちま展開
キリの効果を受けたら戸惑って考え込み手札とにらめっこ
あ、でもそっか、この場面なら……!
敢えてレベル1の「サイボーグのサウンドソルジャー」にグロウアップ
グリモア時起動効果でコストを1払うごとにトークン1体をパワーアップ
この効果、ぜったい使う機会ないと思ってたんだけどなー(メインはもうひとつの能力)
これがカードとの絆のチカラだもん!
(「『怪人キリ』……? 初めて見るカードだ! すごい強力なカードにびっくりしちゃうけど、あたしとデッキの絆はそんな簡単に断ち切られたりしないもん!」)
二連敗にやや死んだ魚の様な目をしたキリの前に立ったのはフォンミィ・ナカムラ(スーパー小学生・f04428)だった。
(「まずはトーナメントで当たった普通のキマフューデッキとの戦い方を思い出しながら、いつも通りに」)
軸となるキーカードが専用のプロモーションカードとはいえ、キリのデッキは基本的にはキマイラフューチャーデッキだ。
採用されているカードは一般的なキマイラフューチャーデッキのものとも共通のものが多い。
「グロウアップ、レベル3『キマイラフューチャーの怪人キリ』!」
「やっぱりレベル0のカードでしかブロックできないのはきつい……!」
三戦目振りにまともにメインカードの効果を使えて少しテンションの回復するキリ。
フォンミィのUDCデッキは展開をほとんどUDCトークンに任せられる分、引いたカードをそのまま防御に使える。
それでも辛うじて6点目をくらわずに耐えるのが精一杯だった。
「ターンは返って来たけど、どうしよう……」
グリモア猟兵はフォンミィのターンの終了時までレベル0。
まだブロックに使えずにいたレベル1以上の手札は残っているが、このままでは通常召喚することもできない。
「あ、でもそっか。この場面なら……!」
自分の手札と睨めっこしていたフォンミィにビビっと直感が走る。
「レベル1の『サイボーグのサウンドソルジャー』にグロウアップ!」
「プークスクス、ターン終了時にソウルからグロウアップする能力が付与されているのはレベル0のグリモア猟兵だから、レベル1にグロウアップしちゃったら効果が消えちゃうよ?」
「『サイボーグのサウンドソルジャー』のグリモア猟兵時の起動効果、ダメージリソースを1払って、このターン中UDCトークン1体の攻撃力を+10000」
「……え?」
「この効果、ぜったい使う機会ないと思ってたんだけどなー。あ、ターン1回制限はないから、表のダメージリソースの回数だけ同じ効果を使用するよ!」
グリモア猟兵の時にしか使えない上に、レベル1の時に使うような効果でもなければ、ダメージリソース効率も良い効果とはいえないので、概ねなかったことにされていた効果である。
ちなみに『サイボーグのサウンドソルジャー』がデッキに入っている理由は猟兵として召喚された時の効果が使いやすいからだ。
「これがカードとの絆のチカラだもん!」
フォンミィにトドメを刺すつもりでキリは攻撃していた為、表向きのダメージリソースは大量にあり、また大した反撃はないと高を括っていたキリが防御用の札を十分に残している訳もなく、UDC達の一斉攻撃に呑み込まれるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ハロ・シエラ
優勝する事は出来ませんでしたが、ロランさんに負けたのなら仕方ないでしょう。
それにオブリビオンを引き摺りだす事が出来たなら問題はありません。
楽しくカードゲームで遊ぶ方々を力尽くで邪魔するなんて許されない事です。
……まぁ笑顔と口先で勝負を仕掛けた私が言う事でも無いですが。
しかしまた可愛らしい姿をしています。
ちょっと剣を振るい辛いですが、仕方ないですね。
と言う事でカードゲームより得意な剣術で勝負しましょう。
【フェイント】で引き出した手刀を【見切り】、【カウンター】でユーベルコードを乗せた一撃を放ちます。
これもまた駆け引き。
カードゲームと違って刹那の事ですが、奥深さは負けていませんよ。
「優勝する事は出来ませんでしたが、ロランさんに負けたのなら仕方ないでしょう。それにオブリビオンを引き摺りだす事が出来たなら問題はありません。楽しくカードゲームで遊ぶ方々を力尽くで邪魔するなんて許されない事です……まぁ笑顔と口先で勝負を仕掛けた私が言う事でも無いですが」
やや自嘲げになりつつハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)は仲間の猟兵達と怪人キリのカードファイトの様子を眺める。
(「しかしまた可愛らしい姿をしています。ちょっと剣を振るい辛いですが、仕方ないですね」)
カードファイトの結果に一喜一憂するキリの姿は怪人(オブリビオン)とは思えないほど、まるで普通の少女の様だ。
何度かの対戦を経て負けが込んだキリのメンタルはどんどん凹んでいき、戦意が萎んで隙だらけになっていく。
「これはこれで卑怯な気もしますが、カードゲームより得意な剣術で勝負しましょう」
抜剣したハロが負けた直後で俯いたキリの間合いに素早く踏み込んだ。
「くっ、こうなったら物理的に縁を断ってやるんだから!」
咄嗟にキリはユーベルコードを乗せた手刀を跳ね上げる。
「これもまた駆け引き。カードゲームと違って刹那の事ですが、奥深さは負けていませんよ」
迎撃したつもりのキリの手刀を、ハロは同種のユーベルコードを纏わせた細剣の刃で受け流す。
切断の力が反発し合い手刀と刃の間で激しく火花が散った。
「これで、トドメです」
手刀を受け流されて前のめりに体勢を崩したキリに対して、ハロは掬い上げ天を指す様にレイピアを斬り上げる。
無防備に股下から脳天までを両断されたキリは一瞬で絶命した。
たとえキリが少女然としていようがオブリビオンである。
この事件の解決にはキリを倒すことが不可欠だ。
これでキリによってGJCGを引退する者も、もう現れないだろう。
大成功
🔵🔵🔵