獣人世界大戦⑰〜|悪《世紀末風ヒャッハー》の花道
●悪とはなにか
「悪とか善とかの定義って難しいよねー? だって人によって違くない? まあ、単純に法律を犯したら悪ってのはそうだけどさ。なんかね、今度の戦場、邪悪ナる者になると有利になるらしいんだ。とりあえず、説明するね?」
うーん、うーん、と腕を組み、首を傾げる黒兎。
こくり、こくりと首を左右に傾ける度に、頭の兎耳がゆらゆら揺れる。
「えっとね、クロックワーク・ヴィクトリア最高司令官プロフェッサー・モリアーティが、狂気艦隊を率いて凍結海を越え、イガルカ方面に進軍しているんだ。これを止めるにはモリアーティと戦うしかないんだけど、モリアーティの身体から放たれる【ポーシュボス・フェノメノン】の性質がすんごく面倒くさいの」
黄金色で奇妙な身体なんだよ、ってさりげなく酷いことを言う。
「ポーシュボス・フェノメノンって生命の【善の心】に寄生するんだって。で、寄生されるとポーシュボス・フェノメノンになっちゃうの。モリアーティ自身は【邪悪ナる者】だから平気で、寧ろ使役しちゃうくらいなんだけど……そう、だから【善の心】が全くない【邪悪ナる者】になるか、寄生されても正気を手放さないで戦うしかない」
善の心はティースプーンひとさじでもあったらいけない、と。しかし、誰でも多少はあるものだ。
難しくないか? という声に、こくり頷く。
「そうなの。大変でしょ? 根っからの極悪人じゃないとちょっと難しくない? いっそ自分をだませるくらいの演技ができちゃえばいいんだろうけど。邪悪ナる者かーそうだなー……例えば……ほら、なんだっけ? 服が変! とかすんごく酷いことを言ってみたり? あとは世紀末風の極悪人になってみたり? もしくはものすごく利己的に振る舞ってみたり? 例えば、えっと……お前なんて気に入らないんだパーンチ、みたいな?」
うん、今、ちょっとトンチキのフラグがたったな? 寧ろ、敢えて立てたのか。
「とにかく! 誰かのためとか、世界のためとか、救うためとか、あと罪悪感とか! そういう心は一旦ちょっと今回は忘れた方がいいかなーって思うよ。あ、動物さんは有利かもしれないね! 自然界には悪とかないし。ま、僕にできるアドバイスはこれくらいかな! 大変だけどよろしくね」
グリモア猟兵は、適当なのか真面目なのかどっちつかずなアドバイスをぶん投げるだけぶん投げて、いってらっしゃーい! とひらひら手を振った。
なるーん
おはこんちばんは、なるーんです。
OPはタグでお知らせ!
こっちはトンチキだ! 小悪党でも全然OK!
結果的に行動が善でも、善の心さえなければいいのです!
あと善悪区別つかない子どもとか動物とか、多分、有利です。
プレイングボーナス:善の心を全く持たない『邪悪ナる者』になる/ポーシュボス化してでも正気を手放さず戦う。
以上、よろしくお願いいたします!
第1章 ボス戦
『プロフェッサー・モリアーティ』
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POW : 狂気砲弾
【ポーシュボス・フェノメノン】を宿した【艦隊の砲弾や機銃弾】を射出する。[艦隊の砲弾や機銃弾]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD : プロフェッサーズ・クエスチョン
対象への質問と共に、【自身の肉体】から【ポーシュボス・フェノメノン】を召喚する。満足な答えを得るまで、ポーシュボス・フェノメノンは対象を【ポーシュボス化】で攻撃する。
WIZ : 『小惑星の力学』
戦場全体に【流星の如く降るポーシュボス・フェノメノン】を発生させる。レベル分後まで、敵は【ポーシュボス化】の攻撃を、味方は【ポーシュボス化している部位】の回復を受け続ける。
イラスト:マノ居
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
印旛院・ラビニア
「『邪悪ナる者』かぁ。ポーシュボス・フェノメノンって怖いことになりそうだし、邪悪に身をやつすしかないか」
そんな訳で世紀末ファッション(https://tw6.jp/gallery/?id=192124 )に
「ヒャッハー! あっしら猟兵に楯突いたこと、後悔させてやるでやんす!」
などと言ってアサルトライフルをぶっ放しまくる
「さあ、部下達! お仕事の時間でやんすよ!」
更にUCでサイバーなヤクザやニンジャ達を召喚。【集団戦術】で指揮して回復の隙を与えないようにして攻撃を続ける
「お年寄りはとっとと引っ込んでるといいでやんすよ!」
所々ワードが口汚くなりきってはいない感じはあるが、そんな感じで戦う
●なりきるには装いから!
「『邪悪ナる者』かぁ。ポーシュボス・フェノメノンって怖いことになりそうだし、邪悪に身をやつすしかないか」
ちょっと待ってて~なぁんて一旦、ご退場して。そして、次にあらわれたその姿は!
嗚呼、その装い、まさに世紀末!!
ギラッギラのチェーンネックレス、トゲトゲスパイクはやしたアウター、赤いシャツ、おみ足晒すショートパンツにロングブーツというマジの世紀末ファッションに身を包み、颯爽と戦場に舞い降りたのは印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)さん。
――いやまって? そんなぴったりなお洋服、持ってたんですか!?
確かにイラストページ見て、はっちゃけラビニアさん可愛いな~って思った記憶がありますけども!
表情も心なしかいつもより悪ぅいお顔。それがまた似合いますこと、似合いますこと。
一見か弱く見える兎さんって外見に騙されてはいけない。今のラビニアは世紀末をヒャッハーする悪である。
「ヒャッハー! あっしら猟兵に楯突いたこと、後悔させてやるでやんす!」
ラビニアさんノっリノリやんけー!
あまりのヒャッハーぶりに困惑しているっぽいポーシュボス・フェノメノン。
あれ~? あれ~? と寄生する隙がありそうなラビニアの周りをふよふよするけれど。
「ヒャッハー汚物は消毒っすー!」
片っ端からアサルトライフルの餌食となった。なむさん。
そんな感じで次々と、戦場を飛びかうポーシュボス・フェノメノンを蠅の如くにぶち抜かれていく。
「っく、こんな小悪党なノリでポーシュボス・フェノメノンが退けられるなど! ならば数で撃ち込んでくれよう!」
流星の如くポーシュボス・フェノメノンを降らすモリアーティ。
確かに数で来られれば長期戦の疲弊から、うっかりなりきりが剥がれるかもしれない。長時間の演技は疲れるもので!
で、あるなばらこちらも数で対抗すればいいだけなのです!
「さあ、部下達! お仕事の時間でやんすよ!」
「ヒャッハー!! 邪魔だ邪魔だーーー!! ネエさんのお通りでやんすよーーーー!!」
ラビニアに呼び出されたヤクザやニンジャ達も、すっかり|悪《世紀末風ヒャッハー》になりきっていた!!
なんか一部は極上まぐろの寿司とか食べてる奴もいるけれど、ぱらりらーぱらりらーってヤンキーホーンを響かせて、サイバーなバイクで戦場を駆け巡る部下たち。
ラビニアの指揮で、部下たちは怒涛の波状攻撃をモリアーティに浴びせかける。
「おらおらおらおらー!」
「お年寄りはとっとと引っ込んでるといいでやんすよーーー!」
あらかた蠅どもを撃ち落としたらざっと左右にひいて、ラビニアのために道をあける部下たち。
それはまるで花道のよう! ラビニアは極悪に続く道を駆け抜けながら、ぐっと踏み込んで――跳躍!
「くたばれ、ジジイっ!」
飛び掛かりながらの接写でアサルトライフルをその顔面にぶちかました!!
大成功
🔵🔵🔵
小綿・たんぽぽ
◎▲
邪悪ナる者なんてぽぽちゃんには無理ですの~!
だって「かわいいは正義」ですの。
つまりかわいいぽぽちゃんは邪悪と対局にある正義のかたまりですの。
(敵を見るなりユベコ発動)
「もきゅ? きゅぴ……もっきゅ☆ もっきゅっぴぃ~☆」
もりあーてぃ? マントがクッソだっせぇですの~!
その金ぴかなんですの? お洋服なのか金管楽器なのかはっきりしてくださいまし。
きゃー、黒いうねうねはみ出てきましたの、ばっちぃですの!
もきゅぴぴきゅ(翻訳を憚られる罵倒)
(人倫に悖るド畜生毛玉ですが、富倫は守ります☆)
ちょっとばっちぃから近寄らないで欲しいですの。
モラ式戦車ワタゲ1号、主砲用ぉ意。目標、金ぴかのガラクタ! 射て!
●可愛いモラにトゲがありすぎた件について
美しい花には棘がある、とはよく言いますが。
可愛いモラにもトゲがあるとは思わないじゃん、UC名、略したらモラハラじゃん!!
なんのことですの~? なんてつぶらなおめめはキラッキラ★
可愛さ純度100%みたいなお顔で、それこそ綿毛みたいな可愛さで、ポーシュボス・フェノメノンが飛び交う荒々しい戦場に舞い降りたのは小綿・たんぽぽ(嵐を呼ぶふわもこ・f35609)ちゃん。
たんぽぽちゃん曰く。かわいいは正義、かわいいぽぽちゃんは邪悪と対局にある正義のかたまり、だそうです。
――確かにね!! そうだよね!! かわいければゆるされるってことは、ある。あるけどさ。
アサルトライフルを超・近接距離でぶち放されて、顔面半分を覆う黄金鎧を欠損させたモリアーティさん。
衝撃にふらつきながらぽぽちゃんを見て、恐らく、たかが獣ごときに、なんてチクチク言葉を言おうとしたんだと思うんだ。
それより早く、チクチク言葉の先制攻撃かましたのがぽぽちゃんだっただけで。
「もきゅ? きゅぴ……もっきゅ☆ もっきゅっぴぃ~☆(翻訳:もりあーてぃ? マントがクッソだっせぇですの~!)」
「んな!?」
いきなりdisられたもんだから流石のモリアーティさんも絶句。
このマントの素晴らしさがわからないとは!? とか続くはずの言葉は、ぽぽちゃんのマシンガンチクチクトークに完封された。
以下、翻訳のみでぽぽちゃんのチクチク言葉をお送りします。
「その金ぴかなんですの? お洋服なのか金管楽器なのかはっきりしてくださいまし」
「きゃー、黒いうねうねはみ出てきましたの、ばっちぃですの!」
「もきゅぴぴきゅ(翻訳を憚られる罵倒、地上波ならばピー音必須のあれそれ)」
戦場を縦横無尽にイエイイエイみたいなノリで飛びかっていたポーシュボス・フェノメノンは、ぽぽちゃんの情け容赦ないチクチク言葉の凶悪さに、わなわな震えていた。
邪悪! 邪悪すぎる! この毛玉ちゃん怖い!! 正義のかたまりじゃなかったの!? って感じ。
やっかいなことにぽぽちゃん自身は、心より思ったことを素直に言っているだけだし、自分は正義のかたまりと本気で信じていることだ。
つまりその心に、そもそも善悪なし! 曇りなき純粋さってことです。ほら、純粋さってときに残酷じゃん? それ。
モリアーティさん、可愛い毛玉ちゃんの外見に完全に騙されていたのか、例えるならば親戚の集まりのときに、可愛い姪っ子や甥っ子に、その服ダサーい! 髪型へーん! とか悪意なくdisられたときのお顔をしていた。
「ちょっとばっちぃから近寄らないで欲しいですの!」
そして繰り出されるトドメ。マジで近寄ってほしくなかったぽぽちゃんは勇ましい号令を戦場に響かせた!
モラ式戦車ワタゲ1号からどっかーーーん★っと主砲が放たれたる!!
ああ、パパばっちいから近寄らないで! なんて言われたときのパパのお顔をしていたモリアーティさん。
メンタルフルボッコボッコのまま、抵抗する隙なく主砲にぶっ飛ばされたのだった!!|ばくさん《なむさん》!!
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
変な服…というかポーシュボス邪魔過ぎ
絶対前歩いて欲しくないタイプ、通行の邪魔
帽子どうやって被るの洋服スタンドみたいに引っ掛けるの?ダサいけど
鬱陶しいからその角斬ってあげるね、拒否権無いよ
単純に興味本位で言ってるだけだが言葉選びが完全にディス寄り
根が真面目で優しい性分ではあるが
演技する事で自分を変える
鎌を手に近付いて来る奴薙ぎ払ったり
思いっ切り地に叩き落として踏み付ける
踏む用にヒール履いて来ました
触手嫌いなんだわ寄るな(ぐりぐり
空中戦で一定距離を保ちつつ
指定UC発動
とりあえずポーシュボスの見た目が生理的に受け付けないので散れ
量産した大量の鎌で
回復させないくらいにポーシュボスごと連続斬り仕掛けるね
●可愛い天使にもトゲがありすぎた件について!!
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)が戦場に馳せ参じる。
澪の心は、在り方は、基本的に善である。根が真面目で優しいのだから、それは当然といえば当然で。
澪自身も自分を騙すほど演じるしかないと、思っていた。
――モリアーティやポーシュボスの姿をその目で見るまでは。
砲撃により黄金鎧が破損したモリアーティ、その隙間から生えるのはうねうねした触手で。
しかもちょっとちぎれかけていたりして、血が滴っていたりしてぬめぬめ感というか生々しさが増し増しで。
おまけに同じくポーシュボスもうねうねした触手のような塊で。
あ、無理。と澪は思った。澪の最も大嫌いなものは、触手だ。そう、つまり。
「うっわ、変な服。というか触手嫌いなんだわ、寄るな、キモイ。本当にキモイ」
――澪の心を埋め尽くしたのは生理的嫌悪ただ一色!!
敵も味方も関係ない。1人でも多くの心を救うために猟兵として在る澪。
ただ今この戦場、この瞬間だけはそれを綺麗さっぱり忘れた。
無理。キモイ。今すぐ排除したい、というかする。なんだっけ、そう、汚物は消毒だ。
琥珀色の瞳は、澪の表情はすっと冷めたものになった。ちゃきり、鎌を構える。
さあ、此処から澪くんのスーパーdisりタイムである!!
「ポーシュボス、邪魔過ぎ」
澪くん、鎌をひと薙ぎして一匹、地面に堕とす。それをヒールでぐっしゃり踏みつけて一歩。
「絶対前歩いて欲しくないタイプ、通行の邪魔。帽子どうやって被るの洋服スタンドみたいに引っ掛けるの? ダサいけど」
――それ地の文もちょっと思った。あの角、帽子掛けだよね。わかる。
澪くん、また一匹、ポーシュボスを薙ぎ払い。
ただ踏みつけるだけでなく、グリグリとヒールでこう、捻りをいれる。ヒールってね、結構、痛いんだよ。マジで。
「鬱陶しいからその角斬ってあげるね、拒否権無いよ」
「ええい、猟兵とはどいつもこいつもかようなものばかりなのかっ!」
モリアーティは悪あがき。
流星の如くポーシュボスを降らせるが、それならと澪くんが展開するのは増殖する紅色に澄んだ美しき鎌。
「さあ、知らないけど。とりあえずポーシュボスもあなたも見た目が生理的に受け付けないので」
回復とか無理。ちぎれかけてるのが回復するとか本当に無理。元気で活きのいい触手とか絶対、無理!
「ああ、もう本当に無理なので! 諸共に、散れっ!!」
うっかり想像してぞわっと鳥肌が立ったりした澪くん。
敵意マシマシに無数の鎌で|触手の根源《モリアーティ》を細切れにする勢いで滅多斬りにしたのだった!
大成功
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馬飼家・ヤング
※アドリブトンチキ大歓迎!
んー、笑いの達人(自称)のわいが、一切の善の心を持たない『邪悪ナる者』になるとか無理ゲーちゃう?
考えろ、考えるんや……
(ぽくぽくぽく、チーン)
せや!時代は今「炎上系」!
バズるためなら手段も人の迷惑も強引にぶっ飛ばすアレや!
まずは相手の容姿を毒舌煽り芸でディスったる!
何なん、そのメカだかバケモンだかよー分からんデッサン狂いの外見!
そのくっさい触手マジダッサー!(プークスクス)
よーし、ええ具合にピキっとる
艦隊の砲弾が飛んで来たら逆に「爆裂!オトン投げ!」で掴んだる!
そのままブンブン振り回して機銃弾を跳ね返し
戦艦もボコボコ殴ってぶっ壊す
フィニッシュは敵を掴んで投げてドーン!
●それこそ|最新の邪悪《ニュースタイル》
悪には悪の流行が、ある!――、のかもしれない?
少なくとも時代の移り変わりにより悪のスタイルが増えることも、ある。多分。
悪さできる手法が増えれば、それだけ悪の手段も増えるのだから。
「んー、笑いの達人のわいが、一切の善の心を持たない『邪悪ナる者』になるとか無理ゲーちゃう? 考えろ、考えるんや……」
馬飼家・ヤング(テレビウムのちっさいおっちゃん・f12992)は一生懸命考えた。
笑いは善きことで良きことである。笑顔は人を幸せにするし、楽しい気分にする。
笑顔あるところに平和あり、平和あるところに笑顔あり、だ。
だから笑いの達人(自称)の自分が邪悪ナる者になるのは難しいのではないか。
でも一時でも悪にならねばならない――どうすれば、いいのか。うーんうーんと考えた。
そして、閃いたのだ!!!
「せや! 時代は今「炎上系」! バズるためなら手段も人の迷惑も強引にぶっ飛ばすアレや!」
――今やいろんな界隈を賑わして、更には炎上商法とか商法手段としても悪用される、アレである!!
実に邪・悪!! テレビニウムらしさ感じる、選択まさに流行の|邪悪《スタイル》!!
「何なん、そのメカだかバケモンだかよー分からんデッサン狂いの外見!」
ビートを刻むように煽る、芸風実にdisりスタイル。
「ぬぁ!? いや、ふん、いっそ埒外にはわからぬものか。両者の融合だ、黄金比の如くに美しかろう」
「伝わらんと意味ないんちゃう? 触手はみ出てるんちょーだらしないでー!」
「ぐぬぬ!? それは貴様らが散々ぶちかましてくれるからではないか!?」
アサルトライフルやら砲撃やら鎌でみじん切り喰らうやらで、モリアーティの外見はズタボロだ。
触手がはみ出ていたりちょっとぬめっていたりで、既に紳士的な外見も取り繕えなくなっていて、モリアーティ、ちょっと気にしていた。
お前らのせいだろー!? 煽り芸に削れる余裕、ほえるかわりに放つ|機銃弾《砲弾》。
「よぉしよぉしよぉしよぉーし! ぬぅうーーーん!!」
しかしこれこそヤングの目論見通り!
なんとヤング、自分に向かってきた砲弾を、身体を這って抱きかかえるように受け止めた!!
砲弾と共に後退するヤング、艦隊より落ちる寸前まで踏ん張って――ギリギリを、耐えた!!
テレビ画面にうつる|( -`ω-)✧《ドヤ顔》のアスキーアート。
対するモリアーティの顔は|∑(゚Д゚)《なんじゃと!?》である。
「おらおらおらおらーーー覚悟しいやーーー!! これが浪花根性じゃああ!!」
更には受け止めた砲弾をぶんぶん振り回し、戦艦をボッコボコの鉄くずにしながらヤングが駆けよってくるものだから、モリアーティ思わず逃げる。機関銃を放って足止めを狙うも、ヤングは砲弾を盾にしてはじき返した!!
「ええい、埒外など相手にしていられるか! 我が野望はなさねばならぬ! こんなたこ焼きのような奴に私がやられてたまるか!!」
「だぁれがたこ焼きじゃい、ボケぇ!!」
ヤング、砲弾をぽぉーい!! 勢い殺さぬままに充分に距離を詰めてモリアーティに飛び掛かる!!
どぉーーーん!! ボディープレス!! ジタバタともがく|下敷き《モリアーティ》をむんずと掴み。
「触手生物は海へ帰るお時間じゃけぇええ! いってらっしゃーーーーい!!」
|モリアーティ《タコ》を掴んでジャイアントスイング! 鉄くずにワザとぶち当てまくってタコ殴り。
そのまま海へと投げ飛ばした!!
水泳は充分に体力があるときでなければこせない。|モリアーティ《タコ》は海の底に沈下していく。
――ああ、それは見事に、たこ焼きにタコが負けた皮肉なる瞬間であった。
大成功
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