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獣人世界大戦⑰〜怪物は海より来たる

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第三戦線 #クロックワーク・ヴィクトリア #プロフェッサー・モリアーティ

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「いよいよ最終戦線ってときに悪いんだけど、今回は戦争の勝ち負けに関係しないタイプの仕事になるわ。
 だから、私の説明を聞いて、参加するかよく考えて。なにせ最後だけあって、相手も一筋縄じゃないから」
 いつになく真剣な表情の白鐘・耀が前置きした。
「第一戦線で叩いた「狂気艦隊」は覚えてる? そのリーダーが、『プロフェッサー・モリアーティ』。
 名前こそ有名な小説の悪役で、その当事者なのかどうかは知らないけど……あいつ、ヤバいわ。
 ……アポカリプスヘルで確認された「ポーシュボス・フェノメノン」と融合、っていうか……よくわかんないのね、本当。
 とにかくあの「善の心がある限り絶対に勝てない邪神」を、雨のように降らせるようなバケモノよ」
 そのモリアーティが従える狂気艦隊は、「怪物化」によって地上を闊歩する能力を手に入れたのだ……!

「奴の目的は、なぜかはわからないけどあのデカブツ幼女の「ギガンティック」を連れ去ること。
 絶対にろくでもない目的だろうから、防げるのであれば出来るだけ防ぎたい、ってのは私だけじゃないわよね。
 だから、なんとかして狂気艦隊の……怪物化した「ネルソン」の移動を阻止してもらいたいんだけど……」
 耀は顎に手を当て、思案した。
「モリアーティと戦うためにはネルソンに乗り込まないといけない。
 でも、そのネルソンは、錨にUDCを受肉させてる。つまり、そいつも攻撃を仕掛けてくるわけ。
 私が予知したのは『アフスズルト』っていう、邪神の一柱よ。そいつの攻撃方法への対処も忘れないようにね」
 耀曰く、かの邪神は強大な膂力による連続肉弾攻撃や、蒼い焔を纏った無数の剣といった、比較的わかりやすい攻撃方法で襲いかかってくるという。
「ただ、この邪神のユーベルコードは「与えた傷の治りがめちゃくちゃ悪い」っていう効果があるの。
 だから無理やり怪物の攻撃を突破してネルソンに乗り込もうとすると、肝心のモリアーティ相手の戦いでダメージが深すぎてろくに動けない……なんてことになりかねないわ。注意してね」
 もちろん、モリアーティ本体も強大だ。戦いは熾烈なものとなるだろう。
「……繰り返すけど、これは戦争の勝利には寄与しない。どうするかはよく考えて参加してね」
 耀は猟兵達をまっすぐ見据え、伝えると、火打ち石を鳴らした。


唐揚げ
●プレイングボーナス
 怪物化ネルソンによる「UDC怪物攻撃」に対処する。

 というわけで、以下受肉したUDC「アフスズルト」のユーベルコードです。

 POW : 『強撃』
 【邪神の速度と剛力から繰り出される猛連撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
 SPD : 『殲滅』
 レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【蒼焔によって鍛え上げられた邪神武器】で包囲攻撃する。
 WIZ : 『創傷』
 攻撃が命中した対象に【この戦いに勝利しても消えない邪神の疵跡】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【魂をも灼き尽くす必滅の蒼焔】による追加攻撃を与え続ける。

 あくまでプレイングボーナスレベルの相手なので、無理やり突破したことにしても問題ありません。ただ、その場合ダイスは一発振りになると思います。
 UDC怪物を滅ぼすのに充分なダメージを与えたと判定した場合、それ以降の参加者の方は「UDC怪物攻撃」をスルーしてモリアーティと戦えた、という扱いになります。
(リプレイの描写の問題なのでプレイングの判定自体は、対処方法も含めて全体的に行います)
 モリアーティとの戦いも大事な部分ですので、色々考えてみてください。それではご参加お待ちしています。
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第1章 ボス戦 『プロフェッサー・モリアーティ』

POW   :    狂気砲弾
【ポーシュボス・フェノメノン】を宿した【艦隊の砲弾や機銃弾】を射出する。[艦隊の砲弾や機銃弾]は合計レベル回まで、加速・減速・軌道変更する。
SPD   :    プロフェッサーズ・クエスチョン
対象への質問と共に、【自身の肉体】から【ポーシュボス・フェノメノン】を召喚する。満足な答えを得るまで、ポーシュボス・フェノメノンは対象を【ポーシュボス化】で攻撃する。
WIZ   :    『小惑星の力学』
戦場全体に【流星の如く降るポーシュボス・フェノメノン】を発生させる。レベル分後まで、敵は【ポーシュボス化】の攻撃を、味方は【ポーシュボス化している部位】の回復を受け続ける。

イラスト:マノ居

👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

印旛院・ラビニア
「戦艦にUDC怪物が受肉……嫌な足し算だなあ」
『案ずるな。俺様がいれば、こちらは乗算的に強くなる。俺様と!ラビ子がいれば!!』
「はいはい」
意思あるオブリビオンマシン『劫禍』に搭乗して戦うよ

「てか、向こうの攻撃のシナジーヤバくない?」
射撃で体制崩されるとやばいので、周囲の【地形の利用】で遮蔽を利用しつつ攻撃パターンを【学習力】で【見切り】出来るようになってから突っ込む
「軌道を変えるのも、思考が絡む以上パターンがあるはず!」
UCで砲弾に当てて爆破して目眩し。艦隊のパーツにもドリル弾を命中させられれば、武装に近い場所は操作して自滅攻撃を誘うよ
『フハハハ! 見直したかラビ子よ!』
「油断しないようにね」



●人と機の相乗効果
 無機物に邪神を融合させ、陸地を踏破する。戦艦という概念を無視したあまりにも冒涜的な|猪突猛進《パワープレイ》。オブリビオンマシン『劫禍』を駆る印旛院・ラビニアは呆れ顔になった。
「嫌な足し算だなあ。っていうか、それありなの?」
『案ずるな。俺様がいれば、こちらは加算ではなく乗算。俺様と! ラビ子は1+1ではなく1*1で∞なのだ!』
「はいはい。ノリ先行すぎて何言ってるかよくわかんないからね」
 ラビニアは熱苦しいノリをスルーした。

 ズン、ズズン――……土煙を舞い上げ、巨大なる戦艦が大地を闊歩する。
 その駆体からガラガラと降ろされた錨は、半人半獣というべき四臂四肢の怪物。その頭部にはただ篝火のような蒼い火が燃えていた。あれが例の邪神の火とやらか。
『此方は驚嘆し歓喜せり。斯様な形なれども、彼方との闘争は我が歓びよ』
 超自然的な声がエコーめいて響く。ラビニアは、オブリビオンマシンに守られていてなお、音波とともに浸透する狂気に頭蓋の中身を揺さぶられた。
「っとぉ……! さすがは邪神、だね! でも!」
 劫禍の両目が赤く燃えるように輝いた!
『この瘴気! むしろ俺様にとってはご褒美だ! ぬうん!!』
 驚くべき速度で疾駆・突撃した邪神の突進を、劫禍は出力を上げ真正面から受け止めた! 大地が砕け、土煙を上げながら踏みとどまる!
『オオオオオ!』
『この程度……ラビ子のためならば!!』
 劫禍は……止めた。巨大な邪神の突撃を有り余るパワーで! しかし攻撃は終わらない!
 ドウ! ドドウ! 艦隊砲撃だ! しかもその砲弾はポーシュボス・フェノメノンそのもの! いくらオブリビオンマシンとて触れられれば汚染されてしまう邪神現象である!
「避けて! 当たるわけにはいかないよ!」
『任せておけ!』
 劫禍はブースターから骸の海を燃焼炎代わりに噴射し、回避。邪神との相対距離が開いた瞬間、邪神は再び旋風の如きスピードで飛びかかった。
「疾い……でも、動きは僕が見切ってる!」
 ラビニアとてただ手をこまねくばかりではない。邪神の、あるいは砲撃の軌道を計算・予測し、劫禍と協力してコントロールすることで直撃を避ける!
『その砲撃、利用させてもらうぞ!』
 劫禍のドリルが接触寸前の砲弾を貫いた。カブーム! 爆炎がその姿を覆い隠す。
『む……!?』
 邪神は一瞬だけ意識を奪われた。側面か? 背後か? 答えは――真正面! 闇のような爆炎を切り裂き劫禍出現!
「いっけぇ!!」
 逆に突撃し、邪神を怯ませると同時に艦隊そのものにドリル弾を叩き込む。凝縮された骸の闇がネルソンを逆汚染していく! あちこちから小爆発!
「なんと……我が艦を骸の海で操ろうとするとは……!」
 ブリッジのモリアーティはよろめき、艦を通じたフィードバックに片目を眇めた。肉体から生えたポーシュボスがダメージを肩代わりし、ぶちゅりと潰れる。だが本体にまで届いたそのダメージは決して無視できない……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ワタリ・イブキ
悍ましき怪物の群れる艦。
我がカラテの限りを以て沈めてくれよう。

UDCの攻撃は、複雑な軌道に惑わされれば終いだ。
武器が妾目掛け飛来するタイミングを【心眼】にて見切り【瞬間思考力】にて最適な回避機動を策定し躱す。
回避不能と見ればUCにてスリケン【投擲】し破壊。

「ドーモ、ブラックフェザーです。お主のカラテ、策謀の成就に値するか。見定めてくれようぞ」

ポーシュボス化、即ち善の心への寄生か。
笑止。我が|意志《エゴ》は善悪にて測れるものに非ず。
邪神でありながら人の価値観に拘泥するなど、超越存在の風上にも置けぬわ!

その意志と【気合い】でポーシュボス化を抑え込み、UCと|格闘攻撃《カラテ》で敵を押し込んでゆく。



●フライ・トゥ・ザ……
 オブリビオンマシンと邪神のカイジュウめいた激突のなか、ワタリ・イブキは影めいたスピードでネルソンの砲撃をかいくぐり、錨を繋ぐ脈動する鎖を蹴り上がった。
「イヤーッ!」
 まさにそれは色付きの風。彼女の胸は豊満である。イクサを終わらせるには本体であるモリアーティを滅ぼす他になし! だが!
『させぬ。此方は番人にして壁。やすやすと通れると思うな』
 キュキュキュ――! と、空間そのものを滑る異様な音を立て、蒼炎を纏う無数のツルギがワタリを狙う。カラテミサイルだ!
「イヤーッ!」
 ワタリはコマめいて回転し、全方位にスリケンを投擲した。KA-BOOM! 蒼炎のツルギはスリケンを浴び爆発! ワタリもまたカラテで対抗する!
「我がカラテが滅ぼすべき敵はお主ではない! イヤーッ!」
 ワタリはさらなるサウザンド・デイズ・ショーギめいた膠着状態に陥る前に、ブリッジへとエントリーした。

 KRAAAASH! ガラスを叩き割り三点着地したワタリは、電撃的速度でアイサツ。その胸は豊満である。
「ドーモ、ブラックフェザーです。お主のカラテ、策謀の成就に値するか……見定めてくれようぞ!」
「ドーモ、ブラックフェザー=サン。モリアーティです……これでいいかね? では死にたまえ」
 モリアーティの人型のフォルムが異形に歪んだ。全身から噴出したポーシュボス・フェノメノンが、ブラックフェザーの豊満な肢体に絡みつき強制同化しようとする! アブナイ!
「む……!」
 ブラックフェザーは一瞬にして手足を縛られ、そして肉体を融合する邪悪ナる現象によって自我を汚染された。視界はマンゲキョめいて明滅・回転し、己という概念が千々に乱れ……否!
「我がエゴは善悪にて測れるものに非ず! イイイヤアアーッ!」
 見よ! ブラックフェザーはポーシュボス・フェノメノンを引きちぎった! カラテなのだ!
「イヤーッ!」
「グワーッ!?」
 悠然と支配者めいて眺めるモリアーティの胴体に、トビゲリが突き刺さる!
「お主はいつまで勘違いしている? これはお主の当事者としてのイクサぞ!」
 ブラックフェザーの瞳が、炎めいて燃える……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

エル・クーゴー
●SPD
躯体番号L-95
当機は対艦戦闘に高い適性を発揮します


・スーツよりバーニアを展開、飛翔
・高速度を維持し吶喊(推力移動+空中機動)
・【万象改竄:電脳大天球儀】発動


●対邪神
・スキャニング光で周囲一帯を素早く網羅、敵攻撃軌道が描く幾何学模様の完成形を先読み
・包囲攻撃の間隙を縫って飛び、回避困難と思しい攻撃へは所有武装を先んじて撃ち込む(先制攻撃+クイックドロウ)


●対モリアーティ
・敵コードの「質問に対する回答」という部分を「介入が認められている余地」と解釈し、ハッキング敢行
・回答のフリをして、無駄に圧縮&暗号化までした大量のゴミ情報を送付し機能不全を狙う(カウンターハック+暗号作成+データ攻撃)



●地より空へ
 駆体番号|L-95《エル・クーゴー》が、彗星の軌跡めいた燃焼炎を噴かし地を滑る。目指す先は、地上を己の蹂躙すべき海と定めた怪物の戦艦直上。
 しかしそれは、L-95の機動力をして簡単なことではない。戦闘艦隊の弾幕を無傷で突破し、万軍を単騎で破壊可能の火力を以てしてさえ、怪物化ネルソンの、そしてそれを統べるモリアーティの降らせる邪神の雨は想像を絶する!
 ポーシュボス。決して善なる者では打ち勝てぬ邪神現象。加えて地に突き刺さる怒りに受肉させられた四臂四肢の怪物……|灰の野を歩むもの《アフスズルト》の強大なる膂力が、挑戦者の前に世界の果ての壁の如く立ちはだかるのだから。

 オオオオ――闘争に狂いし|邪神《かみ》の|戦咆哮《ウォークライ》が、超自然的に大気をどよもした。
 L-95はほぼ直角に軌道を変える。三次元的かつ変幻自在の空中機動は、まるでいくつものリヒテンベルク図形を立体化して重ね合わせたような、極めて複雑で予想しがたい迷宮の如きジグザグ|模様《パターン》を描く。一瞬後、サイバーチックなスキャニング光の残滓を、蒼く燃える魔刃が縫うように切り裂いた。
『ほう』
 アフスズルトの頭部なき炎の中から感嘆の声音。爪先から生じた幾何学模様の死は百や千で済む数ではなく、加えてその膂力で地を跳んだアフスズルトそれ自体が、砲弾じみたスピードでL-95を叩き潰さんとする。
「敵本体の吶喊攻撃を検知。対処します」
 敵の移動先の先の先の先を読み、読んだ上での対処の裏の裏の裏を掻く。L-95は銀髪を靡かせ、直撃すれば四散抹殺は確実であろう突進攻撃を回避。すれ違いざまに対艦飽和攻撃を邪神の下肢部分に叩き込んだ!
『此方の動きを此処まで読み取ろうとは……!」
 落ち行く邪神が、さらなる幾何学の死を放つ。L-95は捉えられない。それはまるで水の中で屈折する光のように、万の殺意のなかを踊りネルソンの艦橋へ吸い込まれていった。

「ふむ。この弾幕を突破してくる猟兵がいる存在するか」
 モリアーティは驚くこともなく、感心した様子で事実をあるがまま受け入れた。KRAASH! L-95がエントリーした瞬間、全身のいたるところからポーシュボスが顕現し襲いかかる!
「闘争は知的にスマートに行おうではないか。なぜ君達にとって必須ではない、この私を滅ぼそうとするのかね?」
「当機はその質問に対する確固たる回答を用意しています」
 ポーシュボスがL-95の駆体、そして|電脳《メンタル》を余さず同化・邪神化しようと物理的・電子的・超自然的に侵食にかかる……だが!
「……ぐっ!?」
 モリアーティの目から血が噴き出した。肉の鞭めいて触れ、繋がったポーシュボスが内側から裂け、砕け、黒い血のようなものを流して爆ぜる。直結状態から流し込まれた大量の|不要情報《ノイズデータ》による過負荷とフィードバック!
「なる、ほど……私の質問に対してカウンターハックしたというわけ、か……!」
 モリアーティは血の涙を拭い、不敵に笑った。亀裂じみた傷口から再びポーシュボスが溢れ、油断ならぬミレナリィドールを完殺を襲う。L-95はしかし、適切な回避・防御をもって自らの肉体を、あるいは自我を守る。
 その闘争こそが、億万の言葉よりも雄弁な回答だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドワルダ・ウッドストック
アドリブ連携歓迎

来ましたわね、モリアーティ。
狂気艦隊の策謀が何であれ、それを見過ごせませんの。
戦争の勝敗に寄与せずとも、イングランドの行く末に影響は必須ですわ。
全力でネルソンを、そしてモリアーティをぶっ飛ばしますわ!

受肉したUDC怪物の強撃は当たらないよう回避を試みますが、避けきれない連撃は体勢を崩す前にナイフを犠牲にして受け流しましょう。
カウンターで銃撃を叩き込み、撃破できればモリアーティへの対処に入りますわ。

狂気砲弾の弾幕は、ポーシュボス・フェノメノンを宿している……。
ならば諸共撃ち落としてしまいましょう!
鋼鉄弾雨!
攻撃範囲にある砲弾も銃弾も、モリアーティと一緒に制圧してみせますわ!


花乃宮・百合姫
【アドリブOK】
ここを砕き突破することでござりますな。
敵の猛撃に対するは式神「百華隊」との連携での撹乱。
狂乱・神風杜若と浄化の技を併用し、邪悪なる力をこの戦艦より滅してくださりましょう。

そして、もりあーてぃとやら
その方の狼藉もここで終わらせていただきまする。

私は敵の砲撃を見切って回避を繰り返さんとします
されど、なるべく式神との連携による撹乱を重視し倒したいところでござります

僅かな隙を狙ってのユーベルコード同時発動による攻撃。
コレを持って討伐をさせていただきまする。


山吹・慧
なるほど、幼女を誘拐しようとしているのであれば
阻止さねばなりませんね。
…間違ってないですよね?

【光輝聖天】を発動して飛翔。
まずは邪神の相手ですね。
邪神の強撃は【浄化】の力を込めたエンジェリックウイングの
光の【羽を飛ばす】ことで攪乱して【空中機動】で回避。
そして【神聖攻撃】の【乱れ撃ち】を放ちます。

邪神を滅したらモリアーティです。
【オーラ防御】を展開した上で、砲弾は【衝撃波】で【吹き飛ばし】、
機銃弾は【集中力】による【ジャストガード】で弾きます。
敵の攻撃を凌いだら、炸裂弾をバラ撒いて
爆発と激しい光の【目潰し】で攪乱。
更に【フェイント】をかけてから【リミッター解除】した
【功夫】の打撃を放ちます。



●邪なる神、叛きし者たち
 ごう、ごう、ごう――おぞましい邪神が地に満ち、溢れ、うねり、そして蒼炎の薪となって燃える。ポーシュボス・フェノメノンと不滅不治の疵を齎す邪炎の最悪のコラボレーション。それはすなわち、触れること自体が必殺を意味する悪夢じみた地獄の顕現。秒ごとに邪神は殖え、降り注ぎ、錨となりしアフスズルトは地を焼き尽くす。
 それだけではない。アフスズルトは燃える地を蹴飛ばすように跳梁跋扈し、モリアーティを討たんとする猟兵を力で打倒せんと爪を振るうのである!
『此方は歓喜せり。界を越え顕現し彼方らと闘争出来ようとは!!』
 理解しがたい狂喜のパルスが空間を揺らめかせた。ようはシンプルな膂力に頼ったパワフルな物理攻撃――そう表現するのは容易い。ただし神の|領域《レベル》での破壊的打撃であることを除けば。
「この手の戦闘狂は人も神もさして違いはありませんね……!」
 破邪の光が瞬いた。真の姿を曝した山吹・慧の掌から圧縮された燦然光がエネルギーとなって迸り、必滅の刻印を宿した邪神の爪を触れずして弾く。ギィン! 金属質な轟音が響き、邪神は燃える地を4つの肢で踏みしめ、削りながら減速。空を飛びネルソンの艦橋へ急ごうとする猟兵達に再び飛びかかった。
「来ます。なるべく攻撃は誘導しますが、防御はお忘れなく」
 慧は天使めいた光の翼を広げ、邪神を惑乱する。残像さえ生じさせるスピードの交錯が、宇宙を跳び回る原子核のぶつかり合いのように火花を散らした。かと思えば、アフスズルトは出し抜けに標的を変え別の猟兵に襲いかかるのである。行動の予測が極めて困難!
「こちらはモリアーティも相手取らねばならないといいますのに……!」
 エドワルダ・ウッドストックはナイフを盾のように斜めにかざし、胴体両断もありうる致命的薙ぎ払いを防いだ……否、|受け流し《パリィング》した。
 ギャ、リンッ!! 鋼鉄と鋼鉄を超高速でぶつけ合うような耳障りな高音。エドワルダはナイフごと両腕が折れて砕けたような衝撃を、奥歯を噛み締めて耐える。邪神はすれ違い、次は花乃宮・百合姫へ――否、させない。エドワルダは琥珀色の髪を靡かせすでに振り向いている。
「わたくしは、敵を見逃しませんわよ!」
 BRATATA! 振り向きざまの三点バースト。蒼炎の残滓を切り裂くようなマズルフラッシュが、邪神の無防備な背中を、そして獣じみた下半身部分を逆袈裟に劈き、切り裂く。血の代わりに迸るのはやはり必滅の蒼炎。エドワルダは髪を一房焼かれながらも、やはりギリギリで回避。

『此方をも滅ぼし踏破せんとするか。蛮勇なり』
 ドウ、ドウ! 怪物化ネルソンの砲声が戦場に転がった。砲弾のシルエットは煮え立つように変異している。それ自体がポーシュボスの侵食を受けた、いわば邪神弾なのだ!
「あちらも撃ち落とさなければ! 見逃しませんッ!」
 BRATATATA! エドワルダはライフルの|引き金《トリガ》を引いたまま、|弾倉《マガジン》が空になるまで横薙ぎに全力射撃した。弾丸は非現実的速度で飛び、尋常の物理法則ではとても質量差で撃ち落とせないはずの邪神弾を空中で爆発四散させる。爆炎はアフスズルトの魔力によってやはり蒼く染まり、火の粉の一つ一つさえ無視せざる飛沫と化す。百合姫はその軌道を直感的に読みくぐるように跳んだ。
「もりあーてぃとやら……その狼藉、ここで終わらせていただきまする」
 彼女が見据えるのは、あくまでも本丸に座する敵本体のみ。別の猟兵の熾烈な攻撃に手をこまねくモリアーティは、ゆえに三人をアフスズルトとの|連携攻撃《コンビネーション》によって全火力で粉砕することが出来ない。そこに間隙がある。
『オオオッ!!』
 邪神が吼えた。惑乱する慧の破邪の光を切り裂き、猛烈なる連続打撃が百合姫の行く手を物理的に遮る。これに立ちはだかるは今は亡き百華隊の式神達。
 右上腕が横薙ぎに振るえば、兵達は紙屑のように吹き飛び、左下腕が掬い上げるように抉ればさらに第二陣が吹き飛ぶ。三度目の攻撃は百合姫に届かんとしていた――彼女が棒立ちでそれを眺めるだけの痴愚であれば、の話。
「邪なる力では、この歩み。止められませぬ」
 浄化の光がバリアじみて邪神の爪を拒絶し、反発力で払い除けた。天輪が妙なる輝きを強める!
「力押しに屈するわけにはいきませんからね……!」
「弾幕はこちらで食い止めます、存分に!」
 エドワルダの叫びに頷き、慧は神聖なる力を邪神に向け一気に放出した。極大のレーザーじみた破邪の光が、天輪の輝きと挟撃する形でアフスズルトを飲み込む。
『オ、オオオ……!?』
 その濃密なる光が絶えぬうちに、エドワルダが銃撃によって「切り開いた」わずかな間隙を、彼らは飛んで急いだ。

「……来たか」
 カウンターハックによるダメージを堪えたモリアーティが視線を向けると、怪物化ネルソンの艦橋に「生え」た無数の対空砲塔がひとりでに猟兵達を狙い定め、そして砲声の交響曲を奏でた。BRRTTT……一流のパイロットでさえ回避不可能な弾幕が三人を襲う。その砲撃一つ一つが、やはりポーシュボスの侵食を受けた危険な邪神弾!
「砲弾であろうと、銃弾であろうと、すべてまとめて制圧してみせますわ!」
 エドワルダは倍の放火で応えた。BRATATATA! 物理的にありえないレベルのライフル連射! 弾丸と弾丸は空中でかち合い、爆ぜ、カメラフラッシュのように空中に爆ぜ咲く炎のなかを百合姫と慧が飛ぶ!
「私の弾幕をたった独りで相殺しただと……!?」
 KBAM! 慧の炸裂弾がモリアーティの眼前で爆散し、視界を奪う。咄嗟に回避しようと動作した先には、百華隊の残存兵力による包囲網。逃れることは出来ない。
「高みの見物は楽しかったですか? ……それも、ここまでですが」
「必ず、その身も企みも滅してみせましょう……はあッ!」
 ふたつの光が、モリアーティを捉える形で交錯した。邪神によって構成された肉体に破邪の双撃が叩き込まれる!
「莫迦な……!」
 モリアーティは愕然と目を見開き、破壊的な威力に悶絶し、そして絶叫した!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鳴宮・匡
モリアーティとやらの思惑がなんであれ
後々の問題にを放置する理由はない

邪神のほうも同じだ
邪魔になるなら砕くまでだろ?

やることはいつもと変わらない
攻撃予兆は“比較的わかりやすい”らしいからな
眼で見て、耳で聴いて、肌で感じて避けながら
その上で本体を視て急所を穿つ
動かなくなるまで、何度でも
そういう、いつもと同じことをするだけだ
相手が今日は、艦に取り憑いたUDC怪物ってだけで

――それと「教授」を名乗るオブリビオンか

俺の友達にも、お前と同じ名を名乗っているひとがいるよ
でも――あの人は身一つ、脳ひとつあれば全てを成し遂げるひとだ
拾って来たガラクタを使って力を持った気になってるだけのお前とは
比べ物にならないくらい強いけど

どんな問答が好みなのかはわからないけど
何を言われようと、お前の思惑は通さないよ
お前のしようとしていることは多分
いずれどこかの世界で起こる戦いの火種だ

ポーシュボス化した身体は撃って切り離し影で埋める
腕さえ動けば一撃入れるのには困らない
そして、一撃で十分だ
――視えたなら外さないから



●悪の対義語
 ポーシュボス・フェノメノンは善なる者では決して勝てない。
 たとえ一欠片でも善なる心を宿しているなら、大量殺人鬼だろうと無垢な赤子だろうとポーシュボスに「なる」。ゆえにかの邪神はUDC怪物と一線を画す。
 加えて鳴宮・匡は、錨に受肉したモノに見覚えがあった。かつて、UDCの片隅、封じられた太古の欠片を滅ぼした記憶が脳裏に去来する。

 あの時、匡は死力を尽くした。絶対的な力――権能だとか異能ではない、ただただ強いというシンプルな暴力を相手に、半死半生で勝利をもぎ取った。
 あの時と同じように、灰の野を歩むものが迫る。同じ速度。同じ力。ただし、匡の目にはあの時と違って見えた。

 あの時よりずっと遅く、ずっと鈍く、ずっと軽い。
 それが主観から来る相対的感覚であることを、匡は冷静に対処しながら理解している。彼は敵が弱く見えることで慢心したりするような|新兵《ニュービー》ではない。そして、いまさら驚嘆するほど素人でもない。
(「次は右から来る」)
 未来予知に等しい皮膚感覚の通りに、魔剣を撃ち落とす。そこへ突進。匡はすでに横っ飛びに回避している。敵が方向転換するより先に、脇腹に銃弾。
『此方を、識っているというのか!』
「そうだな。でも別に、だからってわけじゃない」
 匡は銃口を向けた。邪神は動かない……違う、動けないのだ。金縛りに遭ったとかそういうわけではなく、一挙手一投足、ありとあらゆる動きを読まれてしまうというのを理解した。頭部のない全身が戦慄めいて震える。人間的感情になぞらえるなら、それは高揚なのだろうか。
「|過去の残骸《おまえら》と違って、俺達は今でも成長してるんだ」
 邪神はすべての力を振るって、匡を叩き潰そうとした。
 しかしその爪が届くことはなく――たった一発の銃弾が、受肉した怪物を崩壊せしめた。


「もはや打ちひしがれてしまいそうだよ」
 まるで匡を出迎えるように、モリアーティは言った。
「六番目の猟兵の力は、私の予測を遥かに超えていた。"この私"も、もうじき滅んでしまうか。実に嘆かわしい」
「……|モリアーティ《その名》を名乗る割に、らしくないんだな」
 匡は呟いた。
「俺は同じ名を名乗っている|友人《ひと》を知ってる。
 お前と違って、たとえ脳ひとつでも全てを成し遂げるひとだ」
「さしずめ私は瓦礫の山の王かね」
「言い得て妙かもな」
 ポーシュボスが大輪の花を咲かせるように膨らみ、爆ぜた。匡は非現実的速度で飛来した邪神の断片を撃ち落とし、躱し、すでにモリアーティの死角へ。
(「疾い!」)
(「遅いな」)
 ポーシュボスがドリルのように鋭角的螺旋を描き、うねりながら匡を襲った。匡は右肩から先を呑まれ、左手に持ち替えた銃のトリガーを引き続ける。侵食は銃弾によって切除し強制的に断絶。くろぐろとした右手がグリップを支えた。
 匡に、問いかけは必要なかった。彼の目はすでに、撃つべき場所と残骸を送るべき場所とを視ている。そして銃声が轟いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒沼・藍亜
金ぴか触手男が幼女誘拐を目論んでる……これは最低の犯罪の予感
まあ、突っ込みどころは多いんすけど、邪神相手なら黙ってる訳にもいかないんすよね

直接の殴り合いなんか無理っすからね、来いっすよ『暗く昏い黒き虚兵』
足元の黒い沼より這い出すようにメイガス(正確にはその装甲を纏い同じ姿となったUDCなんすけど)を呼び出し、機体装甲の隙間より這い出す触腕での迎撃と、『嫌悪の指輪』の力で生み出す「対象からは最も嫌な物体として認識される幻影」を生み出しての撹乱で邪神武器に対抗、錨へと装甲パンチぶち込むっす

で、教授っすけど、質問には答えないし会話もしない。あれはボクらとは別の「そういうモノ」として対処する。ポーシュボス化は『昏き祝福の紋様』で時間稼ぎしてこっちもUC。
世界を白と黒に塗り変え、黒き海が獲物を凌辱し、白き雨でポーシュボス化も含め敵の痕跡全てを真っ白に塗り潰してくっす。
まあこれだけで終わるとは思わないっすけども、それならそれで、
何時までも何処までも、消し続けるだけっすよ

※アドリブ連携他歓迎っすよ



●終局
「質問がしたい。キミはなぜわざわざ、キミ達に取って不必要な|戦場《この場》へキたのかね」
 黒沼・藍亜は答えない。|暗く昏い黒き虚兵《メイガス》――正しくはその装甲を纏い、同様の姿となったUDC――の出力をフルに活かし、沸き立つように包囲するポーシュボスを拒絶し、そして振り払う。のたうつ触腕が冒涜的に絡み合い、筆舌に尽くしがたい醜悪な融合と自滅を繰り返した。それは直視せざる狂気の光景だ。
「私の作戦行動は、むしろキミ達からすればギガンティックを取り除く有意義なものとすら思えるのだがね」
 藍亜は答えない。言葉を言葉として認識しない。鸚鵡の鳴き声と本気で会話しようなどという人間はいない。ただの人形を生きた人間と思い込み愛するのが狂気だとしたら、|問答《これ》は同じ域のものだ。正気を以て狂気に対する藍亜からしてみれば、無視し、切り捨てるのはあまりにも容易い。得意とすら言える。

「私を己とは異なるモノと定義し、切り捨てるか。些か心外だな」
 モリアーティの言葉は、強固な藍亜の心の壁そのものに同化し、侵食するように的確だった。
「いくら無視し会話を放棄したところで、キミの耳は、感覚器官は私の言葉を認識している。キミの脳細胞は私の言葉を言葉として処理してしまう。
 それが人間というものだ。風鳴りを神の雄叫びと考え、星の位置に物語を見出す――キミ達の美徳であり弱点だな」
 藍亜は邪神除けの文様を輝かせた。ポーシュボスの侵食が――然り、すでに藍亜は侵食を受けつつある――僅かにだが遅まる。だがそれは、迫りくる雪崩から急いで雪山を滑り降りていくような幽き抵抗。藍亜はモリアーティの言葉を理解してしまっている。耳を引きちぎったところで、その問答は必ず精神に沁み渡る……ならば、モリアーティと同化したポーシュボスも同じだ。

 藍亜は最初からその可能性を受け入れたうえで対策していた。
 世界に白が生じた。ポーシュボスという黒を押し退け、焼き払い、否定する白い雨。一方で、邪神のそれと酷似していながら、しかし決して混ざり合うことのない黒が、足元からわだかまる。怪物化ネルソンを覆い、戦場を覆い、藍亜とモリアーティを、ポーシュボスという現象を飲み込むために。
 その行動は、すなわち敵対という答えである。モリアーティが納得するものではない。ゆえにポーシュボスは現れ、喰らわれ、現れ、凌辱され、現れ、消え、現れ、侵食し、現れ――終わりがない千日手。いや、倒れるのは藍亜が先……モリアーティはそう考えていた。
「ボクが――ボク達がやることは、変わらないっすよ」
 藍亜は会話ではなく、ひとりごちた。消えていくモリアーティを視界に入れず、だが認識し、虚空に呟く。
「邪神相手なら、ボクは戦う。相手が誰だろうと、どれだけ強かろうと、どんな世界だろうとどんな事情だろうと戦うっす。そう決めてるんで」
 ……藍亜は、一種の装置として、あるいは反射する機構として己を定義している。
 そこに感情や主義主張はない。そうならねば、只人が邪神と相対することなど出来ようはずもない。狂気の闇の対極には、何者の存在さえも許さない理性のまったき白がある。藍亜はその戸口に片足立ちで佇み、そして危ういバランスを守っている。おそらくはこれからも、彼女はそうするのだろう。

 バランスを崩して闇に落ちるか、それとも白に呑まれるか。
 どちらが来るかはわからないが、そのときはいずれ必ずやってくる。
 ただしそれは今ではない――モリアーティは白に呑まれ消えゆきながら、名残惜しむような吐息を漏らした。それが、奴の最後の残滓だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月31日


挿絵イラスト