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獣人世界大戦⑳〜発端

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第三戦線 #はじまりの場所 #はじまりの猟兵

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 はじまりの猟兵は歓喜に震えた。
 やっと出会えた、やっと来てくれた。
 ずっと、ずっと待っていました!
「ようこそ六番目の猟兵!! ああでも、わたしの寿命はとうに尽きて|世界の敵《オブリビオン》と化しています。本当は、今すぐ皆さんに全てを伝えたいけれど……嘘偽りない真実を告げるには、わたしと戦ってもらうしかありません」
 容易には復活できない程に損耗すればきっと、その末期には皆さんにお話しできるでしょう。
「だから、知りたい方は、私に向かってきてください。ただし、わたしは一番はじまりの猟兵……最も古き者。正直言って、弱いですよ!」

「はじまりの猟兵から情報を得るには、彼女と戦い、完膚なきまでに倒さなければならない」
 仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は言い、気を付けるべき事項を一つずつ、猟兵に伝えた。
「まず、はじまりの猟兵についてわかっていることは彼女が獣人戦線の獣人達にユーべルコードを与え、異世界に対抗する力を与えたということ。各勢力がはじまりの猟兵の奪い合いに血道をあげていること、そして|世界の敵《オブリビオン》という立場にあっては真実を話すのに不都合が生じること。つまり他の勢力を退け、彼女を倒せば望む話を得られる。もっとも、彼女自身は話したくてたまらないみたいだけどね。世界の敵である以上、意図せず嘘を語る危険を考慮して戦闘中に重要な情報を語ることはない」
 猟兵に倒された場合、はじまりの猟兵は『二番目から五番目の猟兵について』の情報を語るだろう。
「『聞きたければ、私に向かってきてください』と彼女は言っている。遠慮はいらないね」

 その名の通り、はじまりの猟兵は最初期――旧式といっても差し支えないだろう――の猟兵であるため、最新の能力や戦術を習得した『六番目の猟兵』に力では及ばない。代わりにユーべルコードと自身の技能を組み合わせ、多様な戦術を取ってくる。
「技能に関しては戦闘に関するものは一通り高レベルで習得済みのようだ。『戦場の戦い方』に精通するはじまりの猟兵はその場で臨機応変に対処してくるはず。皆の攻撃に対してはじまりの猟兵がどのような方法で対抗してくるか、うまく予想してさらなる対処法をあらかじめ想定できれば、なんとかなるかもしれない」
 そういう意味では難敵といえる。相手が戦場でどのような行動を取るか、自分次第の状況で相手の行動を読み、さらにその上をいけ、というのだから。
「ヒントとしては、はじまりの猟兵は手段を選ばない。卑怯、姑息と言われるような作戦であろうとためらわずに実行する。弱き者でもやりようによっては力の差を覆せるということを、身をもって証明するかのようにね」


ツヅキ
 OP公開直後よりプレイング募集しています。
 こちらに届いたものから順次リプレイをお返しする予定です。

●第1章
 ついに『はじまりの猟兵』が姿を現したものの、オブリビオン化しているため真実を得るには彼女と戦って完膚なきまでに倒さなければなりません。
 戦争終了時点で⑳が制圧している場合、戦争終了後に『二番目から五番目の猟兵について』の情報を語ります。
 なお、『はじまりの猟兵』は力こそ現在の猟兵に及びませんが、その知識や技能を生かしてあらゆる手を尽くして戦いを挑みます。
 ある意味では卑怯とも言えるその戦い方への対処が必要になりそうです。

●プレイングボーナス
 「戦場の戦い方」に対抗する/圧倒的な力や最新戦術で叩き潰す。

 詳細はOPをご参照ください。
 それでは、よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『はじまりの猟兵』

POW   :    ストライク・イェーガー
レベルm半径内の対象全員を、装備した【ライフル】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD   :    プログラムド・ジェノサイド
【予め脳にプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    キューソネコカミ
【ライフル】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

紫・藍
あやー。
そのでっすねー、はじまりの猟兵さん。
申し訳ないのでっすが、おねえさんの弱さ故の強さ……藍ちゃんくん相手ですと腐るかと?
弱い弱いと言ってますが単純戦闘能力、おねえさんの方が上でっすよ?
純戦闘UCと戦闘技能完備なおねえさんに対して、藍ちゃんくん、戦闘に関する技能皆無でっすし。
そうなると普通に攻めてくるしか無いのでは?
格上をあの手この手で勝つのは慣れていても、戦闘をぶん投げてる、成り立たせない相手はどうでっしょかー!
藍ちゃんくんでっすよー!
踊るのでっす!
おねえさんのライフルが明後日に飛んでいくように!
そもそも負傷させないでっすし、射程も何も素手な藍ちゃんくんが圧倒的に不利でっすので万一当てられても即死なにそれでしょうが!
釣られないようにしようにも、戦闘技能だけでは対処が難しいかと。
目をつぶり心眼頼りとかでもこれ、別に視覚条件じゃないですしねー!
リズムや藍ちゃんくんがリードしても良いでっすし!
疲れ果てるまで踊っていただきましょう!
ダンス技能のないおねえさんには延々ダンスはバテちゃうかと!



 紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は頬に指先を当て、小首を傾げた。
「あやー。そのでっすねー、はじまりの猟兵さん」
「なにかしら?」
「申し訳ないのでっすが、おねえさんの弱さ故の強さ……藍ちゃんくん相手ですと腐るかと?」
「えっ、えっ?」
 今度ははじまりの猟兵が小首を傾げる番だった。
「どうして?」
「藍ちゃんくん、戦闘に関する技能皆無でっすし」
「えー!?」
 そういうことなのだった。
 弱さを生かす戦法というのは相手の裏をかいたり、強さを逆に利用したりといったやり方が考えられる。だが、どれほど豊富な戦闘経験を持っていたとしても、藍は|そういう戦い方はしないのだ《・・・・・・・・・・・・・》。
「えー!? それじゃあ、どうやって戦うのですか?」
「どうぞどうぞ、おねえさんの好きにかかってきてくださいなのでっすよー」
 まさしく戦闘をぶん投げ、成り立たせるつもりのない藍に対してはじまりの猟兵も困った顔になる。
「でもでも、思いきり叩き潰してくれないと、情報を伝えることはできませんよ?」
「なら踊るのでっす!」
「踊る?」
「ええ、おねえさんも一緒に!」
「あっ」
「叩き潰すのではなく、踊り潰すのでっすよー!」
 最初は驚いていたはじまりの猟兵だが、すぐに楽しそうに藍の真似をして踊り始めた。どんな戦闘技能も|踊らない《・・・・》という意思を貫くことはできない。だって歌と踊りは戦いとは違う次元にあるパフォーマンスなのだから。
 ちょっと難しいステップのあるところは藍が手を差し伸べてリードしてあげる。戦場はいつしかステージとなり、はじまりの猟兵が疲れて座り込んでしまうまで止まらなかった。
「はぁ、はぁっ……どうしてあなたは疲れないの!?」
「ダンス技能の賜物なのでっす!」
 笑顔でウインクする藍。
 戦いとは戦闘に関する技能だけが有効なのではないのだと、はじまりの猟兵も知ったことだろう。もっと他に大事なことだってあるのだ。
「これが六番目の猟兵の戦いなのでっす! お見知りおきを、お姉さん!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイン・セラフィナイト
自分で弱いって言ってる人ほど強いの知ってるからね!?
油断大敵、ってことで……とにかく目指すは完封だね。

【天網の魔杖】を発動、戦場内の世界法則を掌握しよう。
キミのライフル、火薬の発火点を5000℃にまで上げて発砲できないようにするね。
あ、それとキミの身体の摩擦係数をゼロにしたから、立つことも難しいし、何かを握るのも厳しいんじゃないかな。
後は……キミの身体にかかる重力を6Gまで増加させて、身動きも取れなくさせて、と。

……というわけで。
『境界術式:叡智ノ書架』展開!
魔導書の束から放たれる魔弾の雨で。はじまりの猟兵さんを蹂躙するよ!
僕は魔術師だからね。打たれ弱いし、同じく卑怯な手を使うまでだよ。



 御冗談を、というやつだ。
 アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)の経験上、こういう自己申告を信じるわけにはいかない。
 ――自分で弱いって言ってる人ほど強いんだよ……! これ、絶対。というわけで油断大敵。とにかく目指すは完封でいこう。

「いくよ! アストラル・マキナ!」
 水色に輝く巨杖が電脳魔術を起動、空間干渉サーバーによるハッキングを走らせる。いまやアインは世界法則を掌握する魔術師そのものだ。
 軽やかに輝杖を振るだけで、世界はその姿を変える。
 そう、たとえば――。
「物理法則だってこの通り」
「えっ? あれ?」
 はじまりの猟兵がライフルのトリガーを引いても一向に弾が出ない。
「火薬の発火点を5000℃にまで上げたんだ。あ、それからキミの身体の摩擦係数もゼロにしておいたよ」
「きゃ、きゃー!?」
 まるで地面が氷みたいに滑った。
 否、変わったのは地面ではなくてはじまりの猟兵の身体の方だ。だから、とっさに近くにあった木に捕まって立とうとしても無意味。触れるもの全てがつるつると滑って大事なライフルすらもお手玉のように放り出されてしまった。
「こ、こんなのどうしろって言うんですか!?」
 はじまりの猟兵は未知の戦法に戸惑った。
「み、見切っても……だめ、カウンター……そもそもライフルが握れない! 八方ふさがりです……あっ!?」
 しかも、アインは涼しい顔ではじまりの猟兵にかかる重力を六倍にしてしまった。
「お、重い!」
「……というわけで、仕上げだ!」
 突如、アインの周囲を無数の魔導書が埋め尽くした。それらは空中に浮遊しながら風もないのに一斉にページがめくれ始める。書物に秘められた魔術が織りなす魔弾の雨がはじまりの猟兵をしたたかに蹂躙するのだった。
 最古の猟兵を名乗る少女をやり込めたアインは、朗らかに告げる。
「卑怯な手を使うのは君だけじゃないんだよね。これが現代の魔術師の戦い方さ。打たれ弱いからこそ、いつでも研究熱心でいないとね!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

バルタン・ノーヴェ
アドリブ連携歓迎

オーライ!
参りマスヨー、はじまりの猟兵殿!
同じ猟兵として、遠慮なく容赦なく叩きのめしマース!
レッツ、エンジョイバトル!

……はじまり殿の立ち居振る舞いはまさに古参の兵士。
剣技も銃の扱いもワタシより卓越しているデショー。
迂闊に撃ち合い、斬り合えばいいようにあしらわれる様が感じ取れマース。
と言う訳で、油断せず容赦なく全力でアタック!
「カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」

ヒャッハー!
デビルキングワールドのスーパーカオスドラゴン殿が直伝、混沌魔法の数々で相手しマース!
はじまり殿からすれば未知の、予測不能対処困難な最新技術と思われマース!
変身を繰り返し、圧倒的カオスで叩き潰すであります!



「オーライ!」
 バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)は勢いよく飛び出した。シベリアの極寒にあっても溌溂とした弾丸のようなテンションは変わらない。いや、むしろ昂っている。なにしろ相手は古参の兵士も同然。
 ――始祖、といっても構わないだろう。
 自らを弱いと謙遜できるほどの卓越した技術はあらゆる面においてバルタンを上回ることはまず間違いない。
 剣だろうが銃だろうが、技量が必要とされる武術であればあるほどにはじまりの猟兵はベテランとしての実力を見せつけてくるはず。
「参りマスヨー、はじまりの猟兵殿! レッツ、エンジョイバトル!」
「これは――!?」
 ライフルを構え、バルタンの攻撃に備えたはじまりの猟兵が驚愕するまでそれほどの時間はかからなかった。
 剣だろうが銃だろうが、なんでもござれ。
 だが、バルタンはどちらも選ばなかった。迂闊に撃ち合い、斬り合えばあしらわれることを感じ取っていた。ゆえの変則攻撃。ゆえの、規格外――!
「イエス! カオスメモリ、ロゴスイグニッション!」
 バルタンがウインクと同時に変化した。
 纏う服装はメイドから渾沌操る魔術師に。ホワイトブリムは法アイテムを色々とぶら下げたつばの大きな帽子に代わり、その身長ははじまりの猟兵が仰ぐほどの大きさへ。
「え、え……? どういうことなんです!?」
「ヒャッハー! スーパーカオスドラゴン殿直伝の混沌魔法デース! はじまり殿、いかがですかな? 初めてご覧になる未知なる最新魔法の数々は!」
「す、すごいです……こんなの、はじめて……!」
 混沌魔法がはじまりの猟兵を呑み込み、圧倒的なスケールで暴れ狂う。指パッチンひとつでバルタンは次々と姿を変え、今度は丈の長いドレスに使い魔を連れた格好で杖を振るうのだった。
「なんて圧倒的なの!」
 浴びるように混沌魔法を受けたはじまりの猟兵は歓喜の悲鳴を上げた。これが六番目の猟兵の戦い方なのだ。最新の、今を生きる最前線の。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
幾多の経験を積んだはじまりの猟兵ことはじまりちゃんは強敵でしょう。

そんなはじまりちゃんにどう対抗するか。
わたくしの答えは「戦いどころではない状況に満ち込み、戦闘技能以外で勝利する」です

そんなことが可能なのか?
可能なんですよ。そう、わたくしならね

戦場につくと同時にUCを起動。戦場をクソスレ世界へと置換します。
この世界はあらゆる行動の度にダイスが振られ、ゾロ目が出たら問答無用で死ぬ世界。

この世界で、わたくしが【第六感】と【見切り】を駆使し、ひたすら攻撃を避けつつ、自前の【幸運】でゾロ目を回避し続けます。

わたくしが倒れるのが先か、はじまりちゃんがぞろ目で死ぬのが先か。
理不尽な運ゲーを味わうがいい!



 エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は腕を組み、人差し指の先をくるくると回した。考えているのだ。
 どうやったら数多の経験を積んだはじまりの猟兵という強敵から勝利をもぎ取れるか。
「――決めました!」
 可能か不可能かでいえば、エミリィには前者を実行するだけの自信があった。そう、|わたくしならばできる《・・・・・・・・・・》。

「え?」
 はじまりの猟兵は目をみはる。
「この世界は、いったい――!?」
「説明しましょう。この世界ではあらゆる行動の度にダイスが振られ、ゾロ目が出たら問答無用で死にます」
「えっ?」
「いわばクソスレ世界です。愉快で不条理です。物理法則は超越しました。さあ、ダイスを振ってください、はじまりちゃん!」
「えー!?」
 言われるまま、放り出すようにダイスを投げるはじまりの猟兵。
「セ、セーフ! 2-4!」
「ではわたくしの番。6-1!」

 はじまりの猟兵が慌ててライフルを撃つ。
 ジゼルがひらりと躱す。
 ダイスを振る。
 この繰り返し。
 まさしくクソスレ。
 問答無用のデスゲーム……!

「さ、3-5……ッ」
「2-3!」
「1-……あ、あっ、1!?」
 ゾロ目が出た瞬間、はじまりの猟兵は完全にファンブル。
 豪運の持ち主ジゼルはクソスレ世界の法則により葬り去られてしまった少女を想い、遠い眼差しでどこかを見つめるのだった。
「ああ、理不尽な運ゲーの犠牲者がまたひとり……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

レモン・セノサキ
へえ、コンセプトもろ被りの相手と戦るのは初めてだな
自分もはじまりちゃんと同じ、"強化"偽身符でも無い
銀の雨の時代の|旧式《タイプ・オールド》さ
さぁ、弱い者同士
化かし合いを始めようじゃないか

「トラップダイス」を起爆
煙幕で視界を奪い吶喊
銃使いにあるまじき、初手「sfz.275」の接近戦
と見せかけ煙幕の中に「仕掛鋼糸」を張り巡らせ
切断攻撃を試みる

敵UCには「奇術符」で幻影と入替り初撃を外させ
▲カウンターの呪詛で▲精神汚染
敵の戦闘知識を鈍らせよう
更に「ブルーコア」を無数に舞わせ▲レーザー射撃の▲一斉発射
敵を防戦に押し込めたい

はは、強いねえ……はじまりちゃん
武装もボロボロ、しかも弾切れ
だがキミより少しだけ
私の方が悪辣だったみたいだ
指定UC発動
トラップダイスの煙幕に含まれていた猛毒ガス&マヒガス
猶予していた二つのデバフを強化し発症させ動きを封じよう

別枠のUC【蒼の魔弾】発動
蒼い雷球が|指先に灯る《・・・・・》
銃が無きゃ魔弾は撃てない、なんて誰が言ったよ?
私の二つ名はマホウツカイ
音そのものの意味だ



 レモン・セノサキ(Gun's Magus魔砲使い・f29870)は「へぇ」と少女を見た。奇妙な仮面を被り、鎖を纏っている。まるで自らを縛っているみたいな出で立ちだ。
「はじまりの猟兵がめずらしいですか?」
「まあね。でも、それ以上に|もろ被り《・・・・》なのが興味あるんだ。コンセプトってやつ?」
「コンセプト……」
「自分もね、同じなのさ。はじまりちゃんと」
 立てた親指の先を、レモンは自分の胸元へ突き付けた。
「“強化”偽身符でさえ無い、正真正銘の|旧式《タイプ・オールド》。さぁ、弱いもの同士、化かし合いを始めようじゃないか」
 刹那の爆発はレモンが起爆したトラップダイスの発煙効果によるものだ。はじまりの猟兵は虚を突かれ、激しくせき込んだ。
「いったいどこに――え?」
 レモンがいた場所。
 それは、はじまりの猟兵の眼前だった。
「えっ?」
 少女の視線がレモンとその手にある|銃《sfz.275》を交互に見つめる。銃使いがなぜ? その疑問に答えるかのように、煙幕によって隠されていた鋼糸が襲いかかった。
「本命はこっちなんだ」
 キュィ――ほんの僅かに空気を震わせるほどの微かな鳴音と共に少女を切り飛ばす。何もする暇を与えなかった。経験も技能も、使う余裕など与えてやるもんか。
「さすがは六番目の猟兵! やりますね! でも、同じ手は二度もらいませんよ……!」
 少女の連続攻撃はさきほどまでの戦闘を即時反映したプログラムによってレモンが取るであろう回避パターンをあらかじめ先読みしている。
 ……はずだった。
「幻影!?」
「残念、外れだ」
 相手がこちらの戦術を上回ってくるなら、それをさらに上回ればいい。幻影と入れ替わったレモンが狙うのは少女の精神。呪詛による汚染。少女が頭を抱え、ぐらりとよろめいた。その間にブルーコア空中設置完了。レーザー射撃姿勢に入り次第、一斉発射――!!
「く……ッ」
 呻き声は少女のものか、レモンのものか。
 煙幕が晴れた時、どちらも満身創痍だった。
「はは、強いねえ……はじまりちゃん」
「あなたこそ」
 四方八方から襲い来るレーザー嵐の中、それでも少女は止まらなかった。止まれなかったと言うべきかもしれない。
「さすがにボロボロ、しかも弾切れ。だがキミより少しだけ私の方が悪辣だったみたいだ」
「え?」
 勝負は決まったものと油断していた少女が聞き返した。まだ辺りを漂っていた煙幕の残りが猛毒のガスとなってマヒを促す。
「……ッ」
 息ができない。
 喉を抑え、うずくまる少女の背に向けてほのかに光る指先を掲げるレモン。いつの間にか死角にいる。蒼い雷球はあっという間に質量を増した。
「銃がなくても魔弾は撃てる。なぜならば、私の二つ名は|マホウツカイ《・・・・・・》――音そのものの意味だ、覚えておいて」
 まるで超新星のように爆ぜる|蒼の魔弾《シェル・ブルースフィア》。周囲の空間を歪めながらはじまりの猟兵を呑み込み、シベリアの地を時空の色に染め上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カタリナ・エスペランサ
理不尽には更なる理不尽による蹂躙の応報を。それが私の戦いだけど
貴女はそうして抗ってきたのね
であれば私たち――六番目の猟兵の強さを示す事
それを以て先達への手向けとしましょう

装備[驕傲]《情報収集+念動力》センサー及び《戦闘知識・第六感》の併用した《見切り》
戦場に転移した瞬間から警戒は最大限
《受け流し+吹き飛ばし+属性攻撃+オーラ防御》小細工を寄せ付けない嵐を纏い《空中戦》で攻撃に対応

【暁と共に歌う者】と響かせる《歌唱》は
聴いた者を幻惑し知覚・身体能力を奪う《誘惑+催眠術+略奪+ハッキング》兼《多重詠唱》
痛めつけるのは本意でないもの
連撃よりは不死鳥の炎を束ね《神罰+全力魔法》の極大火力を叩き込むわ



 ――理不尽には更なる理不尽による蹂躙の応酬を。

 人には誰しも生き方というものがある。
 それがカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)のような宿命を持った存在とっては、戦い方と言い換えても変わりない。
 生きることは戦うこと。
 目の前の少女は、カタリナとはまた別のやり方で抗ってきたのだ。
「ならば示しましょう。私たち――六番目の猟兵の強さを、貴女に。そして、それを以て先達への手向けとするわ」
 相手の攻撃がプログラムによる連続攻撃であるならば、むしろカタリナにとってはやりやすい。驕傲は開幕から全開にて領域展開済み。カタリナの必要とするあらゆる情報が力場を通じて流れ込んでくる。
 上、右、今度は左――!
 少しずつ、少女の焦りが伝わってくる。
「なぜ?」
 経験と技能において、はじまりの猟兵は確実に六番目の猟兵を上回っているはずなのに。カタリナは空中に布陣すると嵐でもって少女の連続攻撃を受け流すようにいなした。僅かな技の切れ目を見切り、抉るように吹き飛ばす。
「どうして当たらないの? ……それにこれは、歌……?」
 はっとして顔を上げた少女は見た。
 劫火の翼を広げた不死鳥がシベリアの空に降臨し、歌声を響き渡らせる。耳にしてしまったが最後、幻惑された少女の焦点がぼんやりと合わないで揺らいだ。まるで誘惑されたように、催眠に落ちたように、精神を乗っ取られたかのように……。
 カタリナは最後まで見届けた。
 幾重にも束ねられた不死鳥の炎が羽搏くように地上へ差し向けられた刹那、黙示録のような極大火力が少女に降り注ぐのを。
「やり方は違えど、貴女はどこか私に似ているから」
 せめて、苦しまないように一瞬で。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月21日


挿絵イラスト