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獣人世界大戦⑳~m'aider!

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第三戦線 #はじまりの場所 #はじまりの猟兵

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 六番目の猟兵!

 待っていました……わたしはあなた達を、ずっと待っていた!
 あなた達に伝えたいことが、伝えなければならない事があるんです!

 でも今のわたしは、寿命尽きてもなお待ち続けた故にオブリビオンと化しています……
 たとえ罪深き者と呼ばれようと構わなかったけれど、あなた達に真実を教えられない事だけがわたしは怖い。
 だから、嘘の情報を渡してしまわないように、わたしと戦って下さい!
 完膚なきまでに叩きのめして下さい!
 そうすればきっと……きっと、わたしはあなた方に……!!



「『二番目から五番目の猟兵』について」

 ヴィズ・フレアイデア(ニガヨモギ・f28146)は青空よりも、深海よりも青い髪を耳に掛けながら言う。

「はじまりの猟兵がお前達に伝えたい事だ。我らがどうして『六番目の猟兵』と呼ばれているのか、どうして彼女が『はじまりの猟兵』なのか、其の情報から判ることがあるだろう。――だが」

 ヴィズは目を伏せる。
 最も古き猟兵は、長き長き時を待ち続けた結果、オブリビオンと化してしまった。
 正確な情報を受け渡しする為には、彼女が纏ってしまった“闇”を祓う必要があるのだという。

「“闇”は形作る。六番目の猟兵の闇――即ち、お前達の真の姿を闇に歪めたような姿をしているだろう。……あたし? あたしは、……よく見えなかったが。だが、其の“闇”が立ちはだかるお陰で、『はじまりの猟兵』はお前達と共闘する構えを見せてくれそうだよ。大慌てでね、『すみません、わたしの闇が!』ってね、……ふふ」

 はじまりの猟兵だなんて大袈裟にいうが、可愛い所もあるんだね、とヴィズは笑った。
 そうして指を振ると、白磁の扉が現れ、蒼い薔薇が咲き乱れる。

「――さあお前達! もう戦線も第三地点に達している、此処からが大詰めだ! 闇の自分なんてモンはさっさと吹っ飛ばして、この戦争にケリをつけようじゃないか!」

 『はじまりの猟兵』は己の闇と戦いながら、ずっと|救難信号《m'aider》を送り続けていたんだ。
 今こそ其れを受け取って、手を伸ばす時なんじゃないのか!


key
 こんにちは、keyです。
 メインテーマのフレーズがタイトルに組み込まれたりすると燃える派です。皆さんはどうですか?


●目的
「『闇の真の姿』と戦い、撃破せよ」


●戦争シナリオ
 こちらのシナリオは1章で終了する「戦争シナリオ」です。


●場所
 シベリア奥地の深い森の中です。
 膨大な闇に包まれた『はじまりの猟兵』があなた達『六番目の猟兵』を待っています。
 しかし彼女は既にオブリビオン化しており、正確な情報をあなた達に渡せるか判らない状態……だったのですが。
 『はじまりの猟兵』を包む闇があなた達を認識すると、“真の姿”を邪悪に歪めたような姿を構成して襲い掛かって来ます。
 流石にこれは『はじまりの猟兵』も想定外だったようで、共闘して闇を撃退しようとするでしょう。
 闇は『はじまりの猟兵』のエネルギー源でもあります。倒してしまえばつまり、『はじまりの猟兵』を倒す事とイコールになるので……倒してしまいましょう!


●プレイングボーナス!
「「はじまりの猟兵」と共闘する」
「自身の“闇の真の姿”を描写し、それに打ち勝つ」

 “闇の真の姿”はプレイング内で「こんな感じ!」と描写して頂けると助かります。
 見目が邪悪である必要はありません。正々堂々を好む猟兵なのに不意打ち邪道を徹底する、其れもまた“闇の真の姿”でしょう。
 『はじまりの猟兵』と共に、闇に染まった己を打ち倒して下さい。


●プレイング受付
 オープニングが公開された時点でプレイング受付開始です。断章はありません。
 〆切はタグ・マスターページにて適宜お知らせ致します。

●注意事項(宜しければマスターページも併せてご覧下さい)
 迷子防止のため、同行者様がいればその方のお名前(ID)、或いは合言葉を添えて下さい。
 また、アドリブが多くなる傾向になります。
 今回は『はじまりの猟兵』との共闘がありますので、同行者がいない限り基本的にソロ描写になります。


 此処まで読んで下さりありがとうございました。
 皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『はじまりの猟兵』

POW   :    ストライク・イェーガー
レベルm半径内の対象全員を、装備した【ライフル】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD   :    プログラムド・ジェノサイド
【予め脳にプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    キューソネコカミ
【ライフル】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

神酒坂・恭二郎
なるほどな、俺が俺の真の姿ってわけか
刀を持ち飢えた目をぎらつかせながら、青い風桜子を陽炎のようにゆらめかせている己を見る
あれは強いな。まったく自重せず、有り余る力が漲ってる。ありゃあ勝てんね、力の桁が違う

「悪い。力を貸してくれとは言わんが、後ろにいてくれ」
はじまりの子に頼んで、後ろにいてもらう
大した意味はない
俺に逃げ場が無くなっただけだ
男の見栄の張りどころだ

風桜子で燃え上がる相手に対し、刀を下げた無形の構えで応じる
力みを消して、止水のように静かに構え
脱力からの一瞬の速度に全てを賭ける
はっきり言って分が悪い
そして、そんな勝負程に面白い

「馬鹿は死ななきゃ治らないかねぇ」

勝負の一閃に全部賭けた




 そいつの瞳は、獣のようだった。
 青い風桜子が陽炎のように燃えている。其れが神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)の闇の真の姿だった。

「成る程な。まだ斬り足りないって顔をしてら」
『す、すごいオーラ……! わたしでも判るくらい物凄い覇気を放ってます……けど! 六番目の猟兵、あなたなら』
「いや、勝てんね」
『そうですよね、勝て――えぇ!?』
「勝てん。あれは強い。自重せず、有り余る力が漲ってる。俺とは力の桁が違う」
『そ、そんなぁ……!!」

 勝てないと言われては、『はじまりの猟兵』が文句ありそうに声を上げるのも仕方ないというものだ。
 しかし恭二郎は其れでも逃げようとは言わない。逃げるとも言わない。
 何故なら此処は|彼好みの戦場《・・・・・・》だったからだ。

 はっきり言って分は悪い。
 悪いにもほどがある、だからこそ面白い。そんな時に投げる賽にこそ、恭二郎は愉悦を感じるのだ。

「悪いな。力を貸してくれとは言わんが、後ろにいてくれ」
『……? 後ろ、ですか?』
「あぁ」

 不思議そうにしながらも、『はじまりの猟兵』は恭二郎の後ろに立つ。
 さあ、これで“逃げ場はなくなった”。男の見栄の張りどころ、今こそ賽は投げられる。

 闇の『神酒坂・恭二郎』がゆっくりと歩み寄って来る。
 風桜子が燃えている。其の相手に対し、恭二郎は刀を下げて“無形の構えで応じた”。
 全身から無用な力が抜ける。明鏡止水、静かに構え――其処からの一閃に全てを懸ける。

「丁か半か……張った張った、ってなあ!!」


 其の時『はじまりの猟兵』は、輝くような一撃を見た。
 大上段から振り下ろして来る闇の『神酒坂・恭二郎』の胴を斬り抜く恭二郎の一閃。
 後ろには下がれない。前にもゆかれない。強敵に対して一閃のみで応ずる。不利に不利を重ねた一撃は、光よりも速かった。

 そして『はじまりの猟兵』はみた。
 六番目の猟兵が、恭二郎が浮かべた笑みを。

 ――あれは、愉しんでいる目だ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エミリィ・ジゼル
あ、あれは…わたくしの闇の姿、かじできるさん…!

家事を捨ててサメに走ったわたくしとは対照的に、サメではなく家事を選んだ紛い物…家事ができないことと鮫魔術をアイデンティティとするわたくしにとって唾棄すべき存在…

あんな醜悪なものを野放しにしていては、わたくしのアイデンティティがクライシスします。
早々に根絶やしにしなくては。

というわけで、はじまりちゃんと共闘。誰かを乗せると轢殺ダメージが二倍になる轢き殺しUCを使い、闇のかじできるさんたちを轢き殺していきます。

アイデンティティを捨て、凡庸なメイドに落ちぶれた輩になど負けるわけにはいかんのだー!




「あ、あれは……!!」

 エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)は戦慄した。目の前に楚々と並ぶのは、エミリィにそっくりな……ちょっとまって何で複数いるんだ?

『あれは!? 何ですか、六番目の猟兵!』
「あれは……わたくしの闇の姿、かじできるさん……!!」
『かじできるさん!?』
「そう、家事を捨ててサメに走ったわたくしとは対照的に、サメではなく家事を取ったわたくしの紛い物です……」
『(多分家事を取るのが正しいと思うんだけどなぁ)』
「家事が出来ない事と鮫魔術をアイデンティティとするわたくしにとっては唾棄すべき存在!」

 あんな醜悪なものを野放しにしていては、わたくしのアイデンティティがクライシス!!
 早々に根絶やしにしますよ、はじまりちゃん!

 言うとかじできないさん……もといエミリィは鮫を召喚し、『はじまりの猟兵』と共に騎乗する。首根っこを掴んで鮫に乗せたという砲が正しいかもしれない。

「さあはじまりちゃん、ライフルをぶっ放すのです! 目標は前方です、ファイア! ファイア!」
『え、えーー!! よく判りませんが判りました、撃ちます! や、闇のかじできるさん! 覚悟して下さい!!』

 そいやーっと無差別にライフルの弾をばらまくはじまりちゃん。
 凄まじい速さで大気を泳ぐ鮫は竜巻を巻き起こしながら次々とかじできるさんを轢殺していった。
 アイデンティティを捨て、凡庸なメイドに落ちぶれた輩になど負けるわけにはいかんのだ! と、全てのメイドさんに喧嘩を売りながらエミリィは鮫を乗りこなしていた。
 はじまりちゃんは半泣きだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミュー・ティフィア
あれが……

天女のような衣に身を包んだ真の姿。けれど白い光のシルエットみたいになってて、隣にはどの精霊もいない。
正しい事の為なら手段を選ばない。その果てに大切な人も自分の姿すらも失った成れの果て、なのかな?
哀しい存在ですね。

うん、一緒に倒しましょう!私達が力を合わせれば負ける道理はありません!

確か彼女はユーベルコードが今の猟兵に比べて見劣りする分戦術に長けていたはず。

あれが光を含めた全ての精霊の加護がない私なら多分この杖で下級の魔法を高速連射してくると思うんです。貴女ならどうしますか?

絆歌・歌姫の言霊で攻撃とはじまりの猟兵の強化をしつつ相談した作戦を実行に移し、うまく魔法を躱しながら戦います。




 ミュー・ティフィア(絆の歌姫・f07712)に対するは、天女のような衣に身を包んだ『ミュー・ティフィア』を見る。
 けれど其の姿はまるで白い光のシルエットのようにぼやけていて、いつもなら隣にいてくれる精霊も、誰もいない。

「差し詰め、正しい事の為なら手段を選ばない――其の果てに大切な人も、自分の姿すらも失った成れの果て、なのかな?」
『……悲しい、ですね』
「そうですね、とても哀しい」
『じゃあ、倒しちゃいましょう。あれはあなたの本当の未来ではありません。だから、倒しちゃいましょう!』
「……、うん。一緒に倒しましょう! 私たちが力を合わせれば、負ける道理はありません!」

 頷き合う少女たち。
 では、と『はじまりの猟兵』がミューに一つ提案をする。
 其れでいきましょう、とミューが頷くと、二人はまるで天から降りて来たかのようなシルエットを見据えた。

『では手筈通りに……行きます!』
「はい!」

 はじまりの猟兵が駆け出す。
 二人は思い付いた作戦を胸に描き――。

 ――。

『あなたなら、どういう戦法を取りますか?』
「そうですね。普段なら精霊の加護を用いて攻撃をするんでしょうけど……全ての精霊の加護を失くした私だとするなら、きっとこの杖で下級の魔法を高速連射してくると思います」
『ふむふむ、成る程。結界の術はお持ちですか?』
「私ですか? ええ、あります」
『わかりました。では――わたしがあの『あなた』に近付いたら……』

 ――。

『六番目の猟兵! 今です!』

 ミューは手筈通りに、シルエットへと肉薄した『はじまりの猟兵』ごと結界術で二人を閉じ込める!
 そうして此処からはミュー自身の意思で、歌を唇から紡ぎ始めた。時間と絆の深さは比例しない。同じ猟兵ならば、きっと『はじまりの猟兵』にだってこの強化は届く筈。
 光弾を連射する闇の『ミュー・ティフィア』に駆けこむようにしながら、『はじまりの猟兵』はライフルを構える。

『わたしもあなたも、きっと撃つ事しか出来ない』

 このライフルの弾はどんな存在であろうと殺す。けれど、其れを確実に当てなければ意味がない。
 『はじまりの猟兵』は『ミュー・ティフィア』が放つ魔法で身を焦がしながらライフルを構える。そうだ、不利な状況程、鼠の一噛みは威力を増すのだ。

『この結界は|弾丸すら反射する《・・・・・・・・》結界……! 乱反射するライフルの弾を避ける事が出来ますか!?』

 そうして『はじまりの猟兵』が放ったライフルの弾は、結界に乱反射して美しい音を奏で――

 やがて光のシルエットが弾けるように、ミューの視界が光で染まった。
 其の光が収まる頃には、其処には空っぽの結界があるのみだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シトー・フニョミョール
アドリブ歓迎
しかし、シトーにそんな物があるのでしょうか?

闇の真の姿:制服姿のシトーとそっくりの姿を取ったり、膨大して四脚の手足の肥大した異形の獣に姿を取ったりする闇。

なーるほど理性と欲求のスキマ的が変異し続けている感じですか。面白いものですねぇ。

【灼滅の業】でバッチリいきましょう。救うために倒すという決意はなかなかポイント高いと思いません?薫さん(シトーの抱える内なる意思のこと)

人型の時は『Strong hallucinations』で動きを止めつつ、『当たった相手を確実に目立たせるスポットライト』でガッチリ動けなくしてあげましょう。異形に変わったら固めず、引っ掛けてぶん投げてやりましょうか!




「正直、シトーに|闇の真の姿《そんなもの》があるとは思っていませんでした」

 シトー・フニョミョール(二人で一つ?なクリスタリアンの従者・f04664)は語る。隣には『はじまりの猟兵』、そして目の前には――“闇”そのものがあった。
 其れは蠕動していた。四つ足の獣のようになったかと思えば、シトーを模した人間のような姿を取る。まるで姿を迷っているか、定められぬかといった様相であった。

『あれは……
「なーるほど。理性と欲求の隙間的なものが変異し続けている感じですか。面白いものですね」
『面白い……ですか?』

 なんだか怖いです、という言葉を呑み込み、『はじまりの猟兵』はシトーを見る。闇の真の姿を貶める事は、イコール、シトー自身を貶める事になるからだ。

「大丈夫です。シトーと薫さんが心を合わせて、倒せない敵はいないのです」

 ふわり、とシトーもまた真の姿へと変身する。そうしてフックのついたワイヤー、“Strong hallucinations”を握ると、フックのついた片方を“闇”へと放った。
 くるくると粘体のような闇にワイヤーが巻き付く。いやいやをするように頭を振る闇目掛けて、放ったドローンからスポットライトが照らされた。

『あれは!?』
「あれは相手を“目立たせる”スポットライトです。大丈夫、見ていてください」

 『はじまりの猟兵』は言われた通りに“闇”を見ていた。すると光に照らされた場所がキラキラと輝いて――あれは、そうだ。黄金に変わっているのだ。

 “闇”は抵抗を強め、全て固められる前にと四つ足の異形へと姿を変える。

「無駄ですよ!」

 其の隙を逃さず、シトーは思い切りワイヤーを振り回す。歪に巻き付いたワイヤーが“闇”に鋭く食い込んで、ぶん投げられるように大地に“闇”が叩き付けられた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アシェラ・ヘリオース
成程、あれが闇の私か
近衛装束を纏い、臨界状態で励起した赤い槍と赤い剣を装備している。目元はバイザーに隠れて見えない

「すまないが助けてくれ。あれは今の私より強い」
はじまり猟兵に助力を請う

あの槍は破天槍、触れると爆発して死ぬ。受けるな
あの剣は破星刃、切先が向くと一瞬で肉薄されて死ぬ。しのげ
幸いに武装はその二つだけのようだ。実りのある情報共有を行えたと思う

基本は彼女との連携。呼吸を合せ、槍相手は距離を取り、剣は互いに切先が向かぬようにライフルと私の闇理力の砲撃で牽制する

地力の違いで追い込まれるだろうが、冷静に
ここぞで「破天槍」を私の「破天槍」で受け相打ちにし、彼女のライフルに全てを託す

「任せた!」




 遥か別世界、スペースシップ&オペラワールドの近衛装束。
 手にした赤い槍と剣は耳鳴りがしそうな赤い色を纏い、傍目に見ても臨界状態であるのが判る。
 そして其の目元は赤いバイザーで見えず――

 其れがアシェラ・ヘリオース(ダークフォースナイト・f13819)の“闇の真の姿”であった。

「成る程、あれが闇の私か。……『はじまりの猟兵』、助けてくれるか? おそらくあの私は、今の私より強い」
『勿論です。あなた達にはお伝えしなければならない事がありますし、何よりあれはわたしの闇から生まれた存在、消し去る為に何でもご協力します!』

 ライフルを片手に、弱いですけど! と力こぶをつくる『はじまりの猟兵』。何処かおどけたような其の姿に僅かアシェラは笑みを零すと、では、と“闇の真の姿”が持つ武器を指差した。

「あの槍は破天槍。触れると爆発して死ぬ」
『爆発!?』
「そしてあの剣は破星剣、切っ先が向けば一瞬で肉薄されて死ぬ」
『一瞬で!?』
「幸いだったな。武装はその二つだけのようだ」
『いやいやいやいや待ってください! どちらも向けられれば死ぬ類のものじゃないですか! 幸いでも何でもないですよ!?』
「いや、幸いさ。何故なら――」




 ライフルの銃撃音が、シベリア奥地にこだまする。

『むっ、向けないで下さい、向けないで下さい……!!』
「そうはさせん」

 アシェラと『はじまりの猟兵』は互いに互いをカヴァーできる位置に経ちながら、それぞれ銃弾と砲撃を行う。
 闇の『アシェラ・ヘリオース』は其れ等を剣と槍でさばいていく。向けられれば死ぬとアシェラが語った剣を狙って二人は銃撃と砲撃を行っている。故にまだ、二人は死んではいない。
 ――だが。
 『アシェラ・ヘリオース』が槍を一振りするだけで、すさまじい力の奔流が二人の体勢を崩さんとする。『はじまりの猟兵』は経っているだけで精一杯、アシェラは辛うじて其の闇理力を読み、かわす事しか出来ない。

「(地力が違う――だが)」

 何より己だから判る。
 アシェラは予感していた。そろそろ『アシェラ・ヘリオース』は――|痺れを切らす《・・・・・・》と。

 其の通り、『アシェラ・ヘリオース』は痺れを切らした。
 剣がダメなら槍でとばかり、破天槍を構えて『はじまりの猟兵』へと迫る。

「――今だ!!」

 さらばだ、破天槍よ。
 アシェラは心中で別れを述べながら、己の赤い槍で『アシェラ・ヘリオース』の槍を防ぎにかかる。
 しかし片や臨界状態で励起したもの、片や励起しただけで臨界状態ではないもの。
 相打ちで終わったのは幸運といえるだろう。『アシェラ・ヘリオース』の破天槍は軌道を逸らされ、――其の代わりに、アシェラの持っていた破天槍は其の柄までひびが入った。
 破壊されなかっただけでも僥倖か。だが、……獲ったぞ。

「任せた!」
『はい!』

 『はじまりの猟兵』が放つ必殺の銃弾が、槍を弾かれた『アシェラ・ヘリオース』を貫く。
 其の闇が弾けて消えるのを見詰めて。
 そして同時に、『はじまりの猟兵』も消えるのを見詰めて。
 そうしてアシェラは、今にも瓦解して崩れそうな、力だけで破片を繋ぎ合わせている己の破天槍を見下ろすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
言うなれば先輩ではあるのですよね、こんな事態でなければ、なめろうをご馳走したい所だったのですが

●Wiz
あの敵、ビスマス結晶と宇宙服が組合わさった様な、アレがわたしの闇の

忌み嫌う、なめろうを捨てた後の未来の……あの闇が形を変えて来るのなら(アポカリプス・ランページ⑮〜NO FEAR 参照)

彼女と『団体行動&集団行動』連携
『早業』UC発動

『オーラ防御』備え『第六感』で攻撃を『見切り&残像』回避

【ガイアビスマスライフル】の【蒼鉛光学弾】にズワイ蟹のご当地パワーと『属性攻撃(重力)』込め蟹鋏『弾幕』にしたのを『誘導弾&エネルギー弾』と一緒に『一斉発射』

彼女がuc撃てる位置取りも考えつつ

※アドリブ歓迎




「言うなれば先輩なのですよね」

 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は『はじまりの猟兵』をそう称する。
 見詰める先は己の“闇”。ビスマス結晶と宇宙服が合わさったような、どうにも奇妙な形をしている。

「こんな事態でなければ、なめろうを御馳走したい処だったのですが」
『ナメ……ロウ? 其れは美味しいんですか?』
「とっても美味しいですよ! 本当に、こんな事態でなければ」

 と、二人は『ビスマス・テルマール』を見据えた。
 きっとあの姿は、ビスマスが忌み嫌う“なめろうを捨てた後の未来の彼女”なのだろう。きっと違うのは、其の口数の少なさだけに違いない。
 ほら、だって槍を持っている。素早く肉薄して、ビスマスを貫いてやろうと其の切っ先を伸ばして来る。

「そうはさせません!」

 だけれどビスマスとて、成長しない人形ではないのだ。あの日から今まで紡いできた時間は、ビスマスを確実に強くしている。
 掌大に展開したオーラで槍の切っ先を受け流し、其のまま受け流しを兼ねた回避行動を取る。『ビスマス・テルマール』は其のまま二人の間を槍突のままに抜け、反対側で構え直した。

「今度は喋らないのですね」

 ――運命には逆らえないのに。
 あの日黒い炎の中で“彼女”が口にした一言は、今でもビスマスの心の中に残っている。
 だが、|其れが何だ《・・・・・》。

「引き付けます!」
『はいっ!』

 『はじまりの猟兵』はビスマスの言葉に素早く反応した。ビスマスが引き付けている間に射角を調整するのだと直ぐに気付き、移動を開始する。

「……」
「おっと、狙うべきはそちらではありませんよ」

 槍が『はじまりの猟兵』を追う、其れをビスマスが牽制する。

 ――Local Hearts Biscancer BisRise!

 そんな電子音声と共に降り立つは、ビスキャンサー・バーストモード。
 ガイアビスマスライフルを構え、其の内に籠められた青鉛光学弾に“ずわい蟹”のご当地パワーを込める。おっと、隠し味に重力も付けてあげよう。

「……蟹鋏です、食らってみなさい!」

 ビスマスが放った一撃は無数の銃弾に分かれ、弾幕となって展開する。
 さしもの『ビスマス・テルマール』もこれにはひとたまりもない。防御行動を取った其処に……

『六番目の猟兵! お背中をお借りします!』
「はい!」

 『はじまりの猟兵』が狙いを定めた。
 ビスマスの立派な鎧、其の背中を踏み台に跳躍して、|弾幕の上から《・・・・・・》――死を齎す銃弾を一撃、あちこちから闇噴き出す『ビスマス・テルマール』にお見舞いした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヘルガ・リープフラウ
あまりご自分を卑下なさらないで、『はじまりの猟兵』よ
人は皆、わたくしだって……弱き心は誰しもが持つもの
そして「真の強さ」とは、戦闘力ではなく「何者にも決して折れぬ志」

共に戦いましょう
己の闇を越えるために

“闇の真の姿”は白き衣を纏った「慈悲なき聖母」
正義を司る女神(ネメシス)はこの世のあらゆる悪を容赦なく断罪する
弱さは悪
愚かさは悪
憎しみは悪
絶望は悪
負の感情が世界を滅ぼすならば、その醜い心ごと滅するがいい……!

いいえ、人は過ちからも学び成長するもの
怒りが闘志の、悲しみが慈悲の呼び水となるように
希望の歌が続く限り何度でも、何度でも立ち上がる
『はじまりの猟兵』よ、恐れることなくそのライフルを撃って!




「貴女はご自分を『弱い』と仰ったけれど、そんなに卑下なさらないで」

 ヘルガ・リープフラウ(雪割草の聖歌姫・f03378)は柔らかくしなやかな声音で『はじまりの猟兵』へと語り掛ける。
 人は皆――わたくしだって――弱き心は誰しもが持つもの。そして“真の強さ”とは、戦闘力ではなく“何者にも決して折れぬ志”なのです。

『あなたは優しいですね、六番目の猟兵』
「いいえ。優しいのとは少し違うかもしれません。わたくし自身、己の弱い心に振り回されてきたからこそ――ですから言うなれば、経験談かも」

 ヘルガと『はじまりの猟兵』は少しだけ笑い合って、“闇”へと向き直った。
 其処には白い衣を纏った美しい女性がいた。ああ、きっと彼女は“|慈悲なき聖母《ネメシス》”。この世のあらゆる悪を容赦なく断罪するのだろう。

 ――弱さは悪である

 ――愚かさは悪である。憎しみは悪である。絶望もまた悪である

 ――負の感情が世界を滅ぼすならば、其の醜い心ごと滅するが良い

 静かに、しかし厳然と告げられる言葉。
 其の威圧感は最早神々しささえあり、女神とも呼べる威容であった。
 しかし、ヘルガは其れにくじけたりはしない。

「いいえ! 人は過ちからも学び成長するもの。――怒りが闘志の、悲しみが慈悲の呼び水となるように! ですから負の感情は、決して悪などではないのです、“わたくし”よ!」

 ――『はじまりの猟兵』。大丈夫、さあ、恐れずに其のライフルを撃って。

 ヘルガは歌う。不屈の覚悟を込めた歌を。どんな悪意にも妨害にも負けぬと謳う。
 『はじまりの猟兵』は其の歌声に誘われるかのようにライフルを構え、……其の銃弾を一発、女神へと捧げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月24日


挿絵イラスト