獣人世界大戦⑲〜始祖人狼の首を取れ
「獣人世界大戦への参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は獣人戦線の世界地図を広げ、現在の状況を語り始めた。
「第一、第二戦線を突破し、超大国との戦闘は第三戦線に移行しました。どんな結果になるにせよ、あと10日ほどでこの戦争にも決着がつくでしょう」
明らかとなった「はじまりの場所」。続々と戦場に現れる超大国の黒幕達。この第三戦線での戦いの結果によって、獣人戦線の情勢は大きく変わるだろうし、その影響は他の世界にまで波及するやもしれない。まさにここからが正念場と言えるだろう。
「今回皆様にお願いするのは、五卿六眼『始祖人狼』の撃破です」
獣人世界大戦の引き金を引いた彼こそは、ダークセイヴァーの真なる支配者「|五卿六眼《ごきょうろくがん》」の一柱にして、ワルシャワ条約機構を大呪術「|五卿六眼《シャスチグラーザ》」で監視・支配していた張本人。そして全ての人狼の祖――即ち「人狼病」の根源である。
「彼の撃破は獣人世界大戦を終結させる絶対条件です。ダークセイヴァーで他の五卿六眼と戦った経験のある猟兵なら、実力はお察しのことと思いますが……それでも倒さなければなりません」
隠された「欠落」によって規格外の力を誇る五卿六眼は、今の猟兵にとっても確実に滅ぼせるという保障はない相手だ。それでも、まるで太刀打ちできないほど隔絶した力の差はなかったはずだ――避けられぬ戦いである以上、全力をもって挑むしかない。
「戦闘が開始されると、始祖人狼は背中から『血脈樹』を生やし、戦場に存在する『全て』を人狼化させます」
動植物はおろか大気や水すらも「人狼化」させる、それがダークセイヴァーに「人狼病」を撒き散らした始祖人狼の能力である。ここで言う「全て」とは文字通り、周辺の空気や地面まで含んだ「全て」であり、万物が鎧を纏い剣を手にした「人狼騎士」と化して襲い掛かってくる。
「無尽蔵に現れるこれら人狼騎士を退けなければ、始祖人狼に攻撃が届くことはありえませんが……そもそも『一瞬前まで足場や空気だったものが突然敵の群れと化す』状況にも対応しなければ、戦いにすらならないでしょう」
これら全ての困難に対処して始祖人狼と対峙できたとしても、彼自身も恐るべき強敵だ。「全て」を人狼化させるということは、猟兵の装備や攻撃手段、そして猟兵自身も例外ではないということであり――勝利を掴み取るためのハードルは果てしなく高い。
「尋常ならざる強敵ですが、それでも皆様なら必ず勝利できると、リムは信じています」
説明を終えたリミティアは手のひらにグリモアを浮かべ、ワルシャワ条約機構の始祖人狼の元へ猟兵を送り出す。
獣人世界大戦の決着を左右する、五卿六眼との戦い。忌まわしき人狼病の元凶を果たして討つすべはあるのか。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回の依頼はワルシャワ条約機構を支配する五卿六眼『始祖人狼』の撃破です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……無限に現れる人狼騎士をかわし、始祖人狼を攻撃する/大気や大地などなどの「人狼化」に対処する。
始祖人狼は戦場に存在する全てのものを人狼病に感染させ、人狼騎士化して使役します。
猟兵の足元の地面だろうと吸っている空気だろうとどんどん人狼化していきますので、これに対処しつつ無尽蔵に出てくる人狼騎士を突破しなければ戦いになりません。
始祖人狼自身の攻撃手段も人狼化を引き起こすものが多いので要注意です。強敵ですので、十分に作戦を練って挑んでいただけると幸いです。
この戦場は【第三戦線】で、完結までの締切が6月01日(土)16時となっています。
そのため、執筆状況によっては採用できないプレイングが出るかもしれないことを、予めご了承下さい。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『始祖人狼』
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POW : 天蓋鮮血斬
【巨大化した大剣の一撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD : 血脈樹の脈動
戦場内に、見えない【「人狼病」感染】の流れを作り出す。下流にいる者は【凶暴なる衝動】に囚われ、回避率が激減する。
WIZ : 唱和
【3つの頭部】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【人狼化】の状態異常を与える【人狼化の強制共鳴】を放つ。
イラスト:UMEn人
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
ロラン・ヒュッテンブレナー
アドリブOK
絡みNG
人狼病は、あなたが撒いたものだったんだね
ぼくは自分の運命を受け入れたから
この姿も力も狂気も、ぼく自身だから
でも、故郷を脅かす相手は、絶対許さないの
自分の周囲を結界で覆ってゆっくり進むよ
ぼくにも、脅威に抗う力があるの
死の循環、接続
同時にUC発動、右目が闇色に染まって右頬に紋様が浮かび上がる
周囲の万物の刻を急速に早送りして風化させる波動を結界から放つよ
ぼくがこの場にいるだけで、周囲は無生物に至るまで終わりの刻に向かって風化していく
それはあなたも例外じゃないはず
人狼同士で決着を付けるべきだと思わない?
魔術師として、人狼として、忌むべき力に見初められた者として
せめてこの場で決着を!
「人狼病は、あなたが撒いたものだったんだね」
ダークセイヴァーに蔓延する「人狼病」という不治の病。その感染者の一人であるロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)は、元凶たる『始祖人狼』と対峙していた。五卿六眼にしてワルシャワ条約機構の黒幕――2つの世界の頂点に君臨するものが、ここにいる。
「ぼくは自分の運命を受け入れたから。この姿も力も狂気も、ぼく自身だから。でも、故郷を脅かす相手は、絶対許さないの」
「唱和:ならば吾々は迎え撃つのみ」
彼がここに来た理由は病を癒やすためでも復讐でもない、罪なき人々と世界を守るため。まっすぐな決意を瞳に宿した少年に、始祖人狼は全力をもって抹殺すると宣言した。3つの首が唸る時、背中から伸びた血管樹がロシアの凍土を侵食していく。
「唱和:疾く蔓延れ、吾が『人狼病』」
人狼の祖が広める病は生物と非生物の区別なく、あまねく全てを「人狼化」させる。大気や大地が形を変え、剣と鎧で武装した「人狼騎士」の軍団が瞬く間に現れる。それはロランの足場や呼吸するための空気さえ例外ではなかった。
「ぼくにも、脅威に抗う力があるの……死の循環、接続」
戦場が完全に人狼化する前に、ロランは自分の周囲を結界で覆ってゆっくりと歩きだす。その右目は闇色に染まり、右頬には紋様が浮かび上がる――始祖人狼と同じ五卿六眼が一人、腐敗の王との戦いで受け継いだ【死の循環】の力。封じるべきこの力を、今は解放する時だ。
『ウオォォォォォン……ッ!!!?』
ロランの結界から放たれる「死の循環」由来の波動は、万物の刻を急速に早送りする。全てが人狼化するのならば、すでに人狼病に感染したものを含めて全てを風化させてしまえばい。駆け抜ける乾風に巻き込まれた人狼騎士たちが、断末魔と共に塵と化していく。
「ぼくがこの場にいるだけで、周囲は無生物に至るまで終わりの刻に向かって風化していく。それはあなたも例外じゃないはず」
「唱和:腐敗の王の力を、何故貴様が」
「唱和:だが然り、吾々も肉持つ身なれば腐敗もする」
有象無象などに目もくれず、ロランが見据える相手はただ一人。これを受けて始祖人狼の多頭が重ねて言葉を返す。
人狼騎士に比べれば遥かに緩やかだが、始祖の肉体も波動を浴びて徐々に朽ち始めている。五卿六眼とて無敵の存在ではないことは、闇の救済者戦争で実証済みだ。
「人狼同士で決着を付けるべきだと思わない?」
「唱和:それも悪くはない」
3つの頭部から【唱和】し、猟兵にも人狼化の強制共鳴を引き起こさんとする始祖人狼。肉体が獣に近付いていくのを感じながら、それでもロランは歩みを止めなかった。耐え難いほどの苦痛に苛まれながらも、人狼化の進行した部位を自ら風化させて削ぎ落とし、ユーベルコードを継続する。
「魔術師として、人狼として、忌むべき力に見初められた者として。せめてこの場で決着を!」
逃れられぬ病であるならば、それさえも背負って進む。闇の支配者たちに運命を翻弄されてきた少年は、それでも世界の解放と復興に力を注ぎ、病の祖を追い詰めんとしていた。果たしてその覚悟と勇気は始祖にも通じ、乾風を浴びた血管樹が砂のように朽ちていく――。
大成功
🔵🔵🔵
館野・敬輔
【SPD】
アドリブ連携大歓迎
五卿六眼『始祖人狼』ようやく見つけた!
ダークセイヴァーと獣人戦線の人々を苦しめた元凶め、覚悟しろ!
俺の手札だと、無限に現れる人狼騎士を躱す方が現実的に思えるな
指定UC発動、白い魂の靄を纏い
「第六感」に耳を傾けながら「ダッシュ、見切り」+UC効果の高速移動で人狼騎士を次々に躱し駆け抜けよう
もし足元から現れたら、人狼騎士を蹴り飛ばすように「ジャンプ」し回避
回避が間に合わなければ黒剣を振り抜き「衝撃波」で吹き飛ばそう
人狼病感染の流れはあえて避けない
凶暴なる衝動にあえて身を任せ、目を血走らせながら
黒剣の「2回攻撃、怪力」で始祖人狼を力いっぱい叩き切る!
ここで落ちろ…っ!
「五卿六眼『始祖人狼』ようやく見つけた!」
闇の救済者戦争の時点から、その名前は五卿六眼『ライトブリンガー』の口から語られていた。ダークセイヴァーからワルシャワ条約機構に派遣されたとは予兆されていても、これまで姿を見せなかった五体目の五卿六眼。遂にそれと対峙した館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)は、全身に闘志を漲らせた。
「ダークセイヴァーと獣人戦線の人々を苦しめた元凶め、覚悟しろ!」
「唱和:覚悟を問うならば、貴様も排除される覚悟をせよ」
始祖人狼は3つの口から同じ言葉を吐き、背中から禍々しい血管樹を伸ばす。人狼病の根源たる彼がただ命じれば、あまねく全てが「人狼騎士」となり、付き従う。この無尽蔵の兵力を攻略できなければ、始祖に刃を向けることなど夢物語でしかない。
(俺の手札だと、無限に現れる人狼騎士を躱す方が現実的に思えるな)
そう判断した敬輔は【魂魄解放】を発動。己が黒剣がかつて喰らった魂を白い靄にして纏い、移動速度を強化する。
どこから敵が出てきても反応できるよう、第六感に耳を傾けながら全力疾走。襲い来る人狼騎士を次々に躱しながら始祖人狼に迫る。
『ウオォォォォォーーーンッ!!』
人狼病は空気や大地にも感染する。それ即ち、空中や足元から突如無数の敵が現れるということだ。一体一体が雑兵とは言い難い力を持った人狼騎士は、猟兵の行く手を阻まんと咆哮を上げて剣を振るう。まるで世界の全てが敵に回ったかのような錯覚、一瞬でも足を止めればその瞬間終わりだろう。
「まだ終わってたまるか!」
『ウォォォンッ?!』
敬輔は足元に湧いた人狼騎士を蹴り飛ばすようにジャンプして、振り抜いた黒剣から衝撃波を放って周囲の敵を吹き飛ばす。全てを蹴散らす必要はない、狙うは始祖人狼の首だけだ。なおも攻め寄せる敵の群れを掻い潜り、彼はひたむきに前へと進み続ける。
「唱和:汝も獣に堕ちよ」
始祖人狼は騎士たちの中央に陣取ったまま動かない。だが、攻撃はすでに始まっている。【結界樹の脈動】が生み出す「人狼病」感染の流れは、敬輔の心身も密かに蝕んでいたのだ。大気や大地さえ人狼化させる超常の病から、猟兵だけが無事だと誰が思えたのか。
「望むところだ……!」
だが敬輔は感染を避けようともせず、凶暴なる衝動にあえて身を任せ、目を血走らせながら疾走する。人狼病により高まる闘争心は、制御できるのであれば此方の力にもなりうる。獣の衝動を理性で制御しながら、彼は始祖人狼の元まで駆け込んでいき。
「ここで落ちろ……っ!」
「唱和:なんと強靭な意思か……!!」
黒剣から繰り出される二度の斬撃が、凄まじい膂力をもって始祖人狼を叩き切る。血管樹と同じ赤い血が、体躯より吹き出し、巨躯がよろめく。人狼病にすら屈しなかった黒騎士の精神の強さに、3つの首は感嘆の声を漏らした――。
大成功
🔵🔵🔵
神酒坂・恭二郎
さて……お前さんが全部の元凶か
こりゃあ死ねるねぇ
軽口をたたきながら「スペース手拭い」を手にし、風桜子を籠めた布操術で人狼騎士達を蹴散らし、始祖人狼へと斬り込む【早業、ロープワーク】
間合いを詰めつつ人狼病を警戒して手拭いは捨て、風桜子を籠めて両掌を打ち鳴らし、四方の人狼騎士と空気を吹き飛ばしつつ、風桜子による簡易結界術で自分と始祖人狼のいる空間を真空状態にする【結界術、衝撃波、吹き飛ばし】
(流石に、真空下での感染は簡単にはいかんだろ)
風桜子を纏う高い跳躍で床を避け、始祖人狼まで跳躍。奴の恐るべき大剣に怯まず、【覚悟】をこめて渾身の「箒星」を煌めかせる【覇気、切込み、推力移動、鎧無視攻撃】
「さて……お前さんが全部の元凶か。こりゃあ死ねるねぇ」
万物を人狼化させる恐るべき「人狼病」の根源、五卿六眼『始祖人狼』を相手に、神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)は軽口を叩く。宇宙素材の「スペース手拭い」を手にし、飄々と笑うその姿は、死を覚悟した男のものには見えない。
「唱和:ならば疾く死ぬがいい」
始祖人狼が唸り、背中から血管樹が伸びると、水も大気も地面も全てが人狼化していく。現れた「人狼騎士」たちは命令のままに剣を取り、一斉に恭二郎へ斬り掛かる。五卿六眼の名に恥じぬ絶望的な力、果たしてどう突破するのか。
「いよっと!」
恭二郎が|風桜子《ふぉーす》を籠めると、手拭いは鋼よりも固く柔軟に変化し、ひと振りで敵を打ち倒す武器となる。これぞ 神酒坂風桜子一刀流に伝わる布操術。大宇宙にその名も轟くスペース剣豪の業をもって人狼騎士を蹴散らし、始祖人狼へと斬り込んでいく。
『ガルルルルッ!』
だが倒しても倒しても人狼騎士は次々に現れ、四方八方から襲い掛かってくる。技能においては剣豪に敵うものではないが、数の暴力はいつの時代、どの世界でも有効だ。そして人狼病の感染は周辺物に限らず、猟兵やその装備品にも及ぶ――。
「この辺でいいか」
できる限り間合いを詰めたところで、恭二郎は人狼病を警戒して手拭いを捨てる。丸腰になった剣豪の元に人狼騎士が殺到するが――その時、彼は|風桜子《ふぉーす》を籠めた両掌をパァンッ!! と打ち鳴らし、四方の人狼騎士を吹き飛ばした。
((ウォォォォンッ?!!))
(唱和:大気を……飛ばしたか?)
吹き飛んだのは人狼だけではない。衝撃波と|風桜子《ふぉーす》による簡易結界術によって、恭二郎と始祖人狼のいる空間は真空状態と化した。大気のない空間では音は伝わらず、当然呼吸もできない。だが宇宙空間での戦闘に慣れ親しんだ恭二郎にとっては問題にならない。
(流石に、真空下での感染は簡単にはいかんだろ)
恭二郎がこの空間を作り上げたのは、感染対象となる空気を物理的に排除するため。彼はにやりと笑いながら愛刀「銀河一文字」を抜くと、|風桜子《ふぉーす》を全身に纏って大ジャンプ。まだ人狼化する恐れのある地面を避けて、始祖人狼の元まで一気に跳躍する。奴の恐るべき大剣の間合いに入ることになっても怯まず、覚悟をこめて――。
(神酒坂風桜子一刀流……箒星)
彗星の如くまばゆい|風桜子《ふぉーす》の斬撃波が煌めき、始祖人狼を斬り伏せる。それは恭二郎の内在風桜子が一時的に枯渇状態に陥るほどの、まさしく渾身の一撃。悲鳴こそ聞こえなかったものの、刀から伝わる手応えと流れ出る鮮血は、その覚悟に見合うダメージを示していた。
大成功
🔵🔵🔵
サーシャ・エーレンベルク
あらゆるものを人狼化……周辺に存在するモノ全てが敵というわけね。
あなたの言い分はもう結構。
……あなた達のせいでこの世界の獣人たちが苦しんでいるのか。
あなたの行動や目的に相当の理由があれど、それが今まで消え失せた命への免罪符にはならないのよ!
【白冰冬帝】を発動、冰の女王の真の姿へと変身するわ。
あらゆるモノが、全て鎧を纏った人狼騎士へと変質する……けれど、その一番の弱点は、そういったモノが意志と身体を持ってしまうということよ。
凍結の嵐で、次々と現れる人狼騎士を物言わぬ氷像に変えましょう。
氷嵐に紛れて潜伏し、それでも私を見たものは絶望に苛まれ、動きが鈍る。
凍てつき、冰れ。
竜騎兵サーベルで叩き斬る!
「あらゆるものを人狼化……周辺に存在するモノ全てが敵というわけね」
異世界ダークセイヴァーにおける、獣人とは似て非なる「人狼」の祖。人狼病の元凶たる『始祖人狼』を、サーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)は鋭い眼差しで睨みつけていた。水も大気も大地も人狼化させる闇の支配者も、彼女にとって恐れるものではない。
「あなたの言い分はもう結構。……あなた達のせいでこの世界の獣人たちが苦しんでいるのか。あなたの行動や目的に相当の理由があれど、それが今まで消え失せた命への免罪符にはならないのよ!」
サーシャにとって奴はワルシャワ条約機構の黒幕、異世界からやって来た侵略者のトップだ。どんな言い訳をされようが、ひとりの獣人として迎え撃つのみ。物心ついた時から戦場を駆け、数々の修羅場を潜り抜けてきた彼女の剣が、今さらここで鈍るはずが無かった。
「唱和:然らば、吾々も問答無用で貴様達を排除しよう」
慈悲も容赦もないのは始祖人狼とて同じこと。彼が背中から血管樹を伸ばすと、再び人狼病の感染が拡がっていく。
周辺の空気や、足元の地面すらも「人狼騎士」と化し、敵に回る――絶望的な光景の渦中にあって、サーシャは静かに竜騎兵サーベル「ヴァイス・シュヴェルト」を抜き。
「それは私の台詞よ」
その瞬間、彼女は真の姿である【白冰冬帝】へと変身を遂げる。美しくも触れがたき気配を纏った冰の女王の周囲には雪と氷の嵐が吹き荒れ、戦場を覆っていく。厳冬のロシアであっても、これほどの寒さは類を見ないほどの冷気だ。
「あらゆるモノが、全て鎧を纏った人狼騎士へと変質する……けれど、その一番の弱点は、そういったモノが意志と身体を持ってしまうということよ」
地面であれ、大気であれ、人狼病により変異したモノを、サーシャは片っ端から凍結させていく。通常の生物が生存不可能な領域まで低下した気温と猛吹雪の中では、人狼騎士とて存えることはできず、物言わぬ氷像と化してしまう。
『グ……グルルルッ……!!?』
氷嵐に紛れて潜伏するサーシャの姿は捉え難く、それでも彼女を見てしまった者たちは絶望に苛まれ、動きが鈍る。
人狼という心ある生物になったことで、絶望の感情を喚起するユーベルコードの影響も受けるようになってしまった彼らは、ただ怯えながら凍りつくのを待つことしかできなかった。
「唱和:吾が人狼病を、斯様な手段で無力化するとは」
冰嵐をもって人狼騎士を征した白き女帝に、始祖人狼も感嘆を禁じ得ない。流石に五卿六眼たる彼は凍結することも絶望に竦むこともなく、巨大化させた大剣で【天蓋鮮血斬】の構えを取るが――それが振るわれるより先に、サーシャは間合いに踏み込み。
「凍てつき、冰れ」
冷気を帯びた竜騎兵サーベルが、ワルシャワの主を叩き斬る。吹き出した鮮血が、ロシアの雪原を赤く染め上げる。
冰の女王は仲間の死を背負う追悼の姿。超大国との戦いで散っていった獣人たちの遺志を込めた斬撃は、始祖人狼に消えざる傷を刻みつけていた。
大成功
🔵🔵🔵
榊・霊爾
君は非常に真面目なヤツだというのは解った
あの時君だけこの世界に飛ばされたのに、忠実に任務を果たそうとする
真面目過ぎるが故に私らが赦せなくなったんだね
|手の内《ユーベルコード》を暴かれて一般公開されたら、ね...
やる事は単純、圧倒的暴力と数の暴力か
だが実質無差別無限湧き、私の手持ち武器も何時寝首を掻くか分からない
『境界』の術式を展開、人狼病を中和と同時に人狼病そのものを消す【カウンター】を常時発動
【ダッシュ】で切り抜け、カウンターを逃れた人狼騎士を【不意打ち】【早業】の【切断】で処理
始祖人狼の攻撃を【残像】で欺き【見切り】で回避
ほぼ同時に【死角攻撃】の【居合】で斬り捨てる
「君は非常に真面目なヤツだというのは解った。あの時君だけこの世界に飛ばされたのに、忠実に任務を果たそうとする。真面目過ぎるが故に私らが赦せなくなったんだね」
ダークセイヴァーから獣人戦線に派遣されて以降、ワルシャワ条約機構にて獣人の監視と支配を行ってきた五卿六眼『始祖人狼』。彼が「はじまりの猟兵」に並々ならぬ執念を見せるのには、相応の理由があるのだろうと、榊・霊爾(告死鴉・f31608)は薄々察していた。
「|手の内《ユーベルコード》を暴かれて一般公開されたら、ね……」
「唱和:御託はいい。吾が前に立ちはだるならば排除する」
無論、始祖人狼は現代の「六番目の猟兵」にも容赦はしない。「はじまりの猟兵」を求める者を遍く消し去るため、彼は自らの権能を存分に発揮する。ダークセイヴァーを席巻する「人狼病」が、今ここでも猛威を奮おうとしていた。
(やる事は単純、圧倒的暴力と数の暴力か。だが実質無差別無限湧き、私の手持ち武器も何時寝首を掻くか分からない)
血管樹を生やした始祖人狼を中心にして、空気や地面が「人狼化」していく。鎧を纏い、剣を手にした人狼騎士たちは、始祖の命に従う忠実な兵士だ。これだけでも厄介なのに加えて、一番危険なのは自分自身が人狼化してしまうことだと霊爾は理解していた。
「悪足掻きはよせ……とは言えないか、流石に」
彼は【術式『境界』】を展開し、人狼病への感染を中和すると同時に人狼病そのものを消し去るカウンターを発動。
ウイルスを取り込んでワクチンを作るように、彼が放った霊気に触れた人狼病の感染者――すなわち人狼騎士たちは元の土くれや大気に戻っていく。
「道を開けて貰うよ」
『ギャオンッ?!』
敵が大きく数を減らした隙に、霊爾は戦場をダッシュで切り抜け、カウンターを逃れた人狼騎士を不意打ちで処理していく。不可視のカーボンナノチューブワイヤーに繋がれた暗器「鵙」による目にも留まらぬ早業が、狼の首を切り落とした。
「唱和:なかなかやる。だが吾を討たぬ限り感染は止まらぬ」
「分かっているとも」
始祖人狼の言う通り、一度は人狼病を中和された物質もすぐにまた人狼化を始める。霊爾もこれが一時凌ぎに過ぎぬことは理解していた。ゆえに最短経路を走り抜けて、狙うは始祖の首ひとつ。これ以上感染を拡げさせてなるものか。
「唱和:沈め」
「勝負だ」
大剣をさらに巨大化させ、必殺の【天蓋鮮血斬】を繰り出す始祖人狼。霊爾はその一撃を残像で欺き、紙一重の見切りで回避する。ほぼ同時に死角へ回り込んだ彼は居合刀を抜き放ち、乾坤一擲の一太刀をもって敵を斬り捨てる――。
「君の任務は終わりだ」
澄んだ刀身を濡らす鮮血。始祖人狼の血管樹は切り裂かれ、本人の背中にも深い刀傷が刻まれる。どれだけの期間この地に根を張ってきたのか知らないが、彼奴の策謀はここで終止符を打たれる。それは霊爾にとって揺るがぬ確定事項であった。
大成功
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フォー・トラン
方針:大気や大地などなどの「人狼化」に対処する。
よう、最も古いきょうだい!
妹が友達を連れて遊びに来たぞ!
戦場に降り立つや狼へと姿を変えて、四本の足で始祖人狼へとまっしぐら。
人狼になりたての大気や大地は、人狼としては新人もいいとこ。
若いから弱いってわけじゃないだろうけど、姉としてあたしが言う。
末っ子どもは引っ込んでろ!!!
人狼の叫び声は周囲にあるもの全てを震わせる。(「恐怖を与える」)
ましてや今のあたしは敵UCの影響で凶暴化しているのだ。
新人狼たちの怯んだ隙を突いて始祖人狼へ肉薄、「電撃」を帯びた牙でその身を引き裂いてやる。
攻撃後は長居せずに逃げる。
さて、これで少しは気が晴れた。
「よう、最も古いきょうだい! 妹が友達を連れて遊びに来たぞ!」
そう言って戦場に降り立つや、フォー・トラン(精霊術士・f12608)は狼へと姿を変えて、四本の足で『始祖人狼』へとまっしぐらに迫る。彼女も人狼ではあるが始祖への畏敬などありはせず、さりとて憎悪や復讐心も感じられない。五卿六眼にこれほど気安い口が叩ける輩もそうはいまい。
「唱和:兄弟か。ならば同胞と戯れるがいい」
馴れ馴れしい態度にも表情ひとつ変えず、始祖人狼は【血脈樹の脈動】を発動。戦場全体に拡大する「人狼病」感染の流れは止まらず、新たな「人狼騎士」が次々に現れる。生物だろうと非生物だろうと、あまねく全てを人狼化させるその力こそ、彼の始祖たる由縁である。
『ウオォォォォォーーーンッ!!』
鎧を纏い、剣を携えた人狼騎士たちは、始祖が命ずるままに遠吠えを上げ、猟兵となった同胞に容赦なく牙を剥く。
だが、人狼になりたての大気や大地は、フォーからすれば人狼としては新人もいいところ。若いから弱いというわけではないだろうが、"姉"として言わせてもらう。
「末っ子どもは引っ込んでろ!!!」
【人狼咆哮】。激しい咆哮によって周囲にいる全員を高威力で無差別攻撃する、人狼の基本的なユーベルコードだ。
そう、人狼の叫び声は周囲にあるもの全てを震わせる――物理的にだけではなく、精神さえも。獰猛なる獣を前にした時、生命は本能的な恐怖を感じずにはいられない。
『ウ、ウォォ……ッ!?!』
心胆寒からしめる【人狼咆哮】を浴びせられ、ビクリと身を震わせる新人狼たち。【血脈樹の脈動】の影響で凶暴化している今のフォーに怒鳴られれば、闘争心も吹き飛んでしまうだろう。この隙に彼女は"末っ子"たちをすり抜けて、始祖人狼へ肉薄する。
「引き裂いてやるよ、きょうだい」
「唱和:吾が走狗が、思い上がるな」
3つ首で唸りながら大剣を振るい、応戦する始祖人狼。異能を抜きにしても五卿六眼の一角たるに相応しい戦闘力を誇るが、皮肉にも血脈樹による人狼病の活性化がフォーに勝機を生んだ。凶暴なる衝動は回避力の低下と引き換えに激しい闘争本能を呼び覚まし、刃が届くよりも疾く、喉元へと喰らいつく――。
「唱和:貴様……!!!」
それは、まさに雷光が閃くような一瞬の出来事であった。電撃を帯びた狼の牙が、宣言通りに始祖人狼を引き裂く。
始祖の反撃が来る前に、フォーは尻尾を巻いてその場から退散。攻撃が通ったのであればこれ以上の長居は無用だ。
「さて、これで少しは気が晴れた」
血脈樹の影響も解けたのか、頭の中もすっきりした気がする。最も古ききょうだいへの挨拶は上手くいったようだ。
どこまでも自由奔放なそのあり方は、どんな強敵との戦いでも変わらず。稲妻と共に彼女が刻みつけた噛み傷は、果たしてどんな結末に繋がるのだろうか――。
大成功
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ブリュンヒルデ・ブラウアメル
成程…腐敗の王と戦った時の事を思い出すな
腐敗と感染の違いはあれど…やはり同族か
人狼が何に感染して出現しようと…そこに瞳が、エンディングがあるならやりようがある
『我とその武装が人狼病に感染する終焉』及び『出現した人狼に仕留められる終焉』を見て、それらを全て破壊する!
如何なる人狼病の感染の流れを作り出そうとも…その流れが先んじて把握できていれば問題はない
翼を広げ、人狼化と人狼に未来視で対処しながら剣を振るい斬滅
このまま、始祖人狼にも斬りかかる
ここでその存在を滅ぼす事は出来ないのだろうーーだが、その思惑を砕く事は出来る!
凛とした声で剣を振るっていくぞ
「成程……腐敗の王と戦った時の事を思い出すな」
かつてダークセイヴァー上層で交戦した五卿六眼『腐敗の王』。あれと同様に戦場を支配する能力に長けた『始祖人狼』と対峙し、ブリュンヒルデ・ブラウアメル(蒼翼羽剣ブラウグラムの元首『剣帝』・f38903)は気を引き締める。
「腐敗と感染の違いはあれど……やはり同族か」
「唱和:彼奴に勝利したからと言って、吾々に勝てると思うな」
闇の種族の能力は多種多様。腐敗の王が生と死の循環を操ったように、始祖人狼はあまねく全てを「人狼化」する。
人狼病の祖である彼が【血脈樹の脈動】を起動すると、水や土や空気に感染が拡がり、剣と鎧で武装した人狼騎士が次々と姿を現した。
「人狼が何に感染して出現しようと……そこに瞳が、エンディングがあるならやりようがある」
押し寄せる人狼騎士の大軍、そして感染の危機に対して、ブリュンヒルデは【蒼翼の終焉破壊・終焉破壊の基礎たる我が瞳】を発動。『自分とその武装が人狼病に感染する終焉』及び『出現した人狼に仕留められる終焉』を見て、それらを全て破壊せんとする。
「如何なる人狼病の感染の流れを作り出そうとも……その流れが先んじて把握できていれば問題はない」
ヴァルキリーとしての蒼きエネルギー体の翼を広げ、人狼化と人狼に未来視とエンドブレイカーの力で対処しながら「蒼翼羽剣ブラウグラム」を振るう。人狼と成り果てる終焉も、人狼騎士の刃にかかる終焉も、悲劇のエンディングは全てこの剣で斬滅してみせよう。
『ガルルッ?!』
数では圧倒的大差を築く人狼騎士たちだが、未来視をフル活用する相手を仕留めきるのは難しい。ブリュンヒルデはそのまま人狼化した大気中をすり抜けるように翔け、この戦場の中心に立つ者、すなわち始祖人狼にも斬りかかった。
「ここでその存在を滅ぼす事は出来ないのだろう――だが、その思惑を砕く事は出来る!」
「唱和:成程、口先だけでは無いようだ」
凛とした声で剣を振るう、その戦いぶりは勇ましく。どんな絶望が眼前にあっても、心折れぬあり方こそエンドブレイカーの信念である。人狼騎士も血脈樹を脈動させたまま大剣で応戦し、ロシアの凍土に激しい剣戟の火花が散った。
「視えた……そこだ!」
数秒のうちに交わされる数十度の攻防。その刹那に捉えた勝利のエンディングを見逃さず、ブリュンヒルデは蒼翼羽剣を振り下ろした。青い羽を模した刃は理不尽な終焉そのものを砕き、吸い込まれるように始祖人狼の身を穿つ――。
「唱和:やはり猟兵を侮ってはならない、か」
傷を負った始祖人狼は後退して体勢を立て直す。その3つ首はいずれも油断のない鋭い眼光で猟兵達を睨んでいる。
果たして彼が何を知っているのか、ここで問い質すことはできないが。今はその陰謀を完膚なきまでに破壊すべく、蒼き戦乙女はさらに切り込んでいった。
大成功
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鳴宮・匡
敵の数がどれくらいだろうがやること自体は変わらない
出てくるのなら、出てきた傍から仕留めるまでだ
いつでも撃てるよう気構えながら
知覚し得る限りの戦場一帯すべてに意識を割いておく
生憎、眼も耳もいいんだ
人狼騎士の出現を感知したら即座に撃ち抜くよ
出現した敵をうまく蹴り飛ばして足場にできるようなら
始祖の方へ向かうための文字通りの足掛かりになるかもな
急な方向転換にも利用できるなら、相手の一撃を躱す助けにもなるかも知れない
……勿論、利用した後は仕留めるけど
長々と戦えるような相手ではないだろうから
射程内まで近づいたら、急所を狙っての一撃に全神経を注ぐよ
生憎、狙いを外したことはないからな
一撃で十分だ
「敵の数がどれくらいだろうがやること自体は変わらない」
水が、土が、空気すらもが人狼となる異常な戦場で、鳴宮・匡(凪の海・f01612)は一切の動揺を示さない。周りの全てが敵だなんて状況、今さら驚くほどのことでも無いと言うように、凪いだ瞳で敵を視て、使い慣れた銃を構える。
「出てくるのなら、出てきた傍から仕留めるまでだ」
「唱和:ならば全て討ち果たしてみせよ」
五卿六眼『始祖人狼』が血脈樹を伸ばし、人狼病の感染を拡大させる。地面からでも、空中からでも、どこから敵が湧いてきてもおかしくない状況。匡はいつでも撃てるよう気構えながら、知覚し得る限りの戦場一帯すべてに意識を割いておく。
「生憎、眼も耳もいいんだ」
人狼騎士の出現を感知すると、匡は即座に「BR-646C [Resonance]」のトリガーを引く。今は亡き師より贈られた愛銃は、生への渇望を叫ぶように銃声を奏でる。剣を構える暇もないうちに、その標的は心臓を撃ち抜かれて土に還った。
『ガルル……ギャッ?!』『グガッ?!』
視界の外からでも、足元からでも、匡の常人離れした五感と射撃技術から逃れられる者はおらず、銃声が鳴るたびに敵の断末魔が増える。とはいえ何百体倒したところで敵の数が尽きることがないのも事実だ。あまねく全てを人狼化させる始祖人狼の能力を前に、兵力の枯渇は期待しないほうがいい。
「遊んでる暇はなさそうだな」
『ギャンッ?!』
匡は湧いてきた人狼を蹴り飛ばして踏みつけ、始祖の方へ向かうための文字通り足掛かりにする。地面が人狼化することはあっても、人狼がさらに人狼化することはない。ある意味、この戦場で最も信頼できる足場は敵の背中だった。
「助かった。じゃあな」
『『ギャォンッ!?』』
彼はその"足場"を急な方向転換にも利用して、敵からの攻撃を躱す助けにもする。勿論、利用した後は仕留めるが。
攻撃を空振った人狼と足場にされた人狼、二体の心臓をまとめて一撃で撃ち抜いて、始祖人狼までの道を切り開く。
(長々と戦えるような相手ではないだろうな)
射程内まで近づき、始祖を撃てるチャンスが巡ってくると、匡は急所を狙っての一撃に全神経を注ぐ。極限まで集中し研ぎ澄まされた彼の五感は、針に糸を通すよりも細い道筋を捉え、神業の域に達した射撃を可能にする。もっとも、ここで言う神とは即ち死をもたらす神だ。
「生憎、狙いを外したことはないからな。一撃で十分だ」
死神の眼は狙いを違えず。その振るう【死神の咢】は、狙ったものを逃しはしない。放たれた銃弾は人狼騎士の肉壁をすり抜け、始祖人狼の元に――その3つある頭部のひとつと撃ち抜いた。遅れてきた銃声と共に、鮮血と脳漿が戦場に飛び散る。
「唱和:吾が走狗を超え、吾々を狙い撃っただと……!」
相手は超大国の支配者たる五卿六眼。頭を射抜かれただけで死にはしないが、与えたダメージと驚愕は大きかった。
死神の一撃を放った張本人は、この時点でもうすでに前線を離脱している。どこまでも冷静で感情的にならない、"凪の海"の異名にふさわしい仕事ぶりであった。
大成功
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プリズム・アストランティア
アドリブ、連携歓迎
始祖人狼、この戦争の元凶を
断つ為にも避けられない戦いね。
あらゆるものを人狼化させる能力に対抗する為に
ヘヴンリィ・シルバー・ストームを発動するわ。
銀色の雨を戦場全体に降らせ、万色の稲妻で
始祖人狼を攻撃し、集まってくる人狼騎士も全て排除するわ。
そして優しい雨で自分と仲間の回復そして、
人狼化を少しでも抑制できればかしら。
血脈樹の脈動の流れを呼んで下流に立たないように注意するわ。
基本的には遠距離からUCによる攻撃と回復を継続するけど、
始祖人狼に接近されたら義帝の剣で応戦するわ。
「月が見える時、人狼はより強くなるというけれど、それは私も同じよ」
「この大地も貴方の思い通りにはさせない」
「始祖人狼、この戦争の元凶を断つ為にも避けられない戦いね」
伝説の「はじまりの猟兵」を探し求め、超大国と大陸全土を巻き込む獣人世界大戦の引き金を引いた『始祖人狼』。
今、その目前に立ったプリズム・アストランティア(万色の光・f35662)の瞳には、猟兵としての世界滅亡の危機を阻止せんとする、強い使命感が宿っていた。
「唱和:然らば吾々を止めてみせろ、六番目の猟兵よ」
対する始祖人狼も現代の猟兵を脅威と認め【血脈樹の脈動】を起動。戦場のあまねく全てを「人狼病」に感染させ、再び配下の「人狼騎士」を増やしていく。この巨大な流れの中にいる限り、猟兵さえ人狼化の危機からは逃れられぬ。
「月が見える時、人狼はより強くなるというけれど、それは私も同じよ」
月夜の下に顕現する人狼騎士の大軍を前に、プリズムは【ヘブンリィ・シルバー・ストーム】を発動。かつて月に幽閉されていた来訪者――ルナエンプレスであった彼女は、神秘の源たる|銀色の雨《シルバーレイン》と万色の稲妻を降らせることができる。それは仇なす者に裁きを、味方には癒やしをもたらす|異能《アビリティ》だ。
『ギャオォォォンッ?!!!』
空気や地面から人狼化した騎士たちは、出現と同時に万色の稲妻に打たれる。どこから来ようが雨の下にいる限り、逃れる術などありはしない。荘厳なる一振りの剣を手に、月光を浴びながら雷雨を呼ぶ乙女の姿は、畏怖を感じるほどに神秘的であった。
「唱和:異界の神秘。其れを以って吾が人狼病に抵抗するか」
【ヘブンリィ・シルバー・ストーム】は攻撃専用のユーベルコードではない。優しい雨は術者と仲間の心身を癒し、内なる神秘を活性化して人狼病を抑制していた。完全ではないにせよ、プリズムの身体に人狼化の兆候はいまだ無い。
「その樹が病の感染を加速させているのね」
さらにプリズムは血脈樹の脈動の流れを読んで、その上流へと回り込む。下流に立ちさえしなければ、人狼病の影響は軽減されるはず。凶暴なる衝動に囚われることもなく、あくまで彼女は冷静なまま立ち回り、人狼騎士を排除しながら始祖にも攻撃を加えていく。
「唱和:どうやら貴様を殺さねば、この雨は止まぬらしい」
「できるものならやってみなさい」
遠距離から雷雨による攻撃と回復を継続するプリズムに、始祖人狼は自ら距離を詰めてきた。それだけ彼女の能力を警戒したのだろうが、近づきさえすれば簡単に殺せると思っていたなら大間違いだ。能力者として|銀の雨が降る時代《シルバーレイン》を生きた彼女は、死と隣り合わせの戦場を生き抜く術を知っている。
「この大地も貴方の思い通りにはさせない」
その手で振るうは「義帝の剣」。メガリス「大帝の剣」を模倣して造られたそれを、彼女が使うことは滅多にない。
言い換えれば、今がこの剣を振るうべき時だということ。模倣なれどもメガリスの剣は五卿六眼の剣とも対等に打ち合い、その身に傷を負わせた。
「唱和:手強い。故にこそ滅ぼさねばならぬ」
義帝の剣に斬られた始祖人狼は、万色の稲妻を避けるように後退し、体勢を立て直す。その眼に宿る光は爛々と闇夜に輝き、プリズムを含めた猟兵を睨みつけている――戦いの行方は未だ定まらず、さらなる激化の兆しを見せていた。
大成功
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レティシア・ハルモニアス
夢幻戦線
まずは人狼騎士じゃ!ライメイザ!
『はい…!』
無限に湧く人狼騎士に対しては結界術で攻撃を防ぎながら妾は素早く焼却のエネルギー弾を放ちライメイザも電撃で敵に攻撃(指定UCの効果でUC眷属召喚・ライメイザを発動)
ここは…紅い矢弾の雨!
指定UCを発動して敵を攻撃するのと同時に推力移動で加速して敵を目指す
『行ってください!』
ライメイザが敵が湧いてきた瞬間破壊雷で敵を攻撃
見つけた!ぐぅぅ…
人狼病の下流から脱出する為に結界術を発動しながら推力移動で上流を目指す
衝動に飲まれる所じゃった!人狼病よ消え去れ!
指定UCの他のUC発動効果でヴァンパイアストーム“起源喰らい”を発動して敵と人狼病の流れを消し去る
黎明・天牙
夢幻戦線
『ふはははは!愉快愉快!もっと食わせろ!』
邪神君が無限速で移動しながら人狼騎士を概念滅の衝撃波で消し飛ばしていた
…ここに、いたのか?まあいいや人狼騎士の相手は邪神君に任せようか
疑問だったが戦闘態勢をとる
無限に発生しやがるな…なら電撃の振動だ
大気などから発生した人狼達には電撃の振動の力(衝撃波)を放ち周りの敵に攻撃しながら推力移動で敵を攻撃する
行くぜ…ちゅんちゅん!
敵のUCが発動した瞬間に指定UCの効果でUC『楽園』奥義・OVER THE PARADISEを発動して身体を回転させて人狼病を吹き飛ばす竜巻を発生させた
ちゅーん!
そして敵を吹き飛ばした
『いいぞ我が愛馬、もっと強くなれ…ふふっ』
リンカ・ディアベルスター
夢幻戦線
…この邪神、まさか
と天牙の邪神の不審な態度を見て天牙に警告する
天牙…気を付けるんだあの邪神は何か隠しているでもまずは人狼騎士だ!
私は高速詠唱で結界術を展開して敵の攻撃を防御してから振動の力(火属性攻撃の衝撃波)を放ち攻撃
急がないとね…!
大気から発生した人狼に対して指定UCを発動してからクイックドロウの要領で電撃のエネルギー弾や概念無限消滅撃の矢弾の雨を放ちながら敵に攻撃して推力移動で移動する
来たね…ティニちゃんも行くよ!
敵のUCに対してはUCの効果でUC『虚無』の星神クォートを発動してから上流を推力移動で目指す
落ちろ!
敵の心眼で敵を見ながら武器に触れて破壊してから振動の力を放ち攻撃する
『ふはははは! 愉快愉快! もっと食わせろ!』
五卿六眼『始祖人狼』のもたらした「人狼病」が蔓延する闇夜の雪原。そこに【顕現夢幻蝉・8月の破滅】で顕現した邪神「オーガスト・ベイン」は目にも留まらぬスピードで移動しながら、湧いてきた「人狼騎士」を概念滅の衝撃波で消し飛ばしていた。この戦争期間中、長らく行方知れずとなっていた彼の下には、一頭の騎馬が付き従う。
「……ここに、いたのか? まあいいや人狼騎士の相手は邪神君に任せようか」
消息不明の間に邪神が何をしていたのか、黎明・天牙(夢幻戦線のリーダー『パラダイス・ブレイカー』・f40257)は疑問だったが質問する余裕はない。ひとまずは共通の敵と戦ってくれるなら良しとして、自らも戦闘態勢を取った。
「……この邪神、まさか」
一方、天牙の旧知であるリンカ・ディアベルスター(星神伝説を知る開拓者・f41254)も、邪神の不審な態度には警戒していた。常人より遥かに長い年月を生き、|星神《アステリオーン》の力を使いこなす彼女は、邪神についても余人にはない知見を持っているのかもしれない。見て天牙に警告する
「天牙……気を付けるんだあの邪神は何か隠している。でもまずは人狼騎士だ!」
警告を発しながら高速で詠唱を紡ぎ、結界術を展開してから振動の力を放つリンカ。燃え盛る高熱の衝撃波を浴びた人狼騎士はたちまち灰と化すが、それでも斃せたのは全体のごく一部。人狼病の感染爆発が止まる気配はまるでない。
「無限に発生しやがるな……なら電撃の振動だ」
大気や地面などあらゆる場所から発生する人狼たちに、天牙も電気の衝撃波となった振動の力で応戦する。どこからでも敵が湧いてくる以上、足を止めればすぐに包囲されてしまう。彼は推力移動で戦場を常に飛び回り、人狼の猛攻を潜り抜けていく。
「まずは人狼騎士じゃ! ライメイザ!」
『はい……!』
そして夢幻戦線のメンバー、レティシア・ハルモニアス(奪われた全てを取り返す為に〜吸血鬼戦線〜・f40255)も戦闘に加わる。リンカ同様結界で攻撃を防ぎながら、敵を焼却せんと闇刃銃『エレクトニアス・ヴァラージュ』からエネルギー弾を放ち。同時に【眷属召喚・ライメイザ】で呼び出された彼女の従者も、電撃で人狼を焼き払っていく。
「唱和:異なる猟兵同士が力を合わせ、吾々に挑むか。面白い」
夢幻戦線の奮闘を見た始祖人狼は、牙を剥きながら背中の血脈樹を伸ばす。不気味に脈動する血管の如き樹は、戦場に見えない力の流れを作り出し、「人狼病」感染をさらに加速させる。このままでは非生物だけでなく、猟兵たちまで人狼化するのは時間の問題だった。
「急がないとね……!」
「ここは……紅い矢弾の雨!」
長期戦になれば勝ち目はないと悟ったリンカとレティシアは、同時にユーベルコードを発動。【『狩猟』の星神 翠嵐】の力を借りて放つ電撃のエネルギー弾と、吸血鬼の力を込めた【紅い矢弾の雨】が降り注ぎ、周囲の人狼騎士を概念レベルで消滅させる――この隙に、二人は魔力による推力を一気に加速させて始祖人狼のもとに向かった。
『行ってください!』
なおも湧いてくる人狼騎士は、ライメイザの雷が瞬時に破壊する。このような有象無象に主の道を阻ませはしない。
彼女の援護もあって、レティシアとリンカは敵将に迫る。だがその時、始祖人狼の背中で血脈樹が再び脈を打った。
「唱和:貴様達も吾が走狗となれ」
「見つけた! ぐぅぅ……」
「来たね……ティニちゃんも行くよ!」
【血脈樹の脈動】がもたらす人狼病への感染は、肉体だけでなく精神にも影響を及ぼす。膨れ上がる凶暴なる衝動に囚われ、正気を失ってしまえばその時点で敗北だ。レティシアは咄嗟に結界術を張って感染を抑えようとし、リンカは【『虚無』の星神 クォート】の力を借りて速度を上げる。だが、それでも尚視えざる脅威は近付いてくる。
「行くぜ……ちゅんちゅん!」
二人の危機を救ったのは【『楽園』奥義・OVER THE PARADISE】を発動した天牙だった。全長3mの巨大な白雀に変身した彼は、身体を勢いよく回転させて竜巻を発生させる。それは単なる気体の流れではなく、人狼病を吹き飛ばす奇跡の力を帯びていた。
「ちゅーん!」
「唱和:吾が病をかき消すだと……?」
それは始祖人狼の常識を覆す事象。だが事実として人狼病の感染拡大は止まり、すでに人狼化した騎士たちも、始祖さえも竜巻で吹き飛ばされていく。それはあくまで一時的な現象に過ぎなかったが、今まさに感染の危機に陥っていた仲間達には、得難い好機となった。
「衝動に飲まれる所じゃった!」
「危ない所だったね」
天牙の竜巻が人狼病を吹き飛ばした隙に、レティシアとリンカは血脈樹が作り出した流れの上流に回り込んでいた。
この位置なら感染の心配はない。曇りのない心眼で始祖人狼の姿を捉えた二人は、満を持しての反撃に打って出る。
「今度はこっちの番だよ」
「唱和:吾々の剣が……!」
リンカが敵の得物に素手で触れると、無骨な大剣がボロボロと朽ちていく。彼女の顕現させた『虚無』の星神の力は星神の中でも最も制御が困難であり、危険な力だ。真実の対局である虚無は、あらゆるものを滅びへと誘うのである。
「落ちろ!」
「人狼病よ消え去れ!」
間髪入れずにリンカは振動の力を放ち、レティシアも【ヴァンパイアストーム"起源喰らい"】を発動。無数の吸血コウモリの群れが人狼病の流れを消し去りながら始祖人狼の血液と起源を奪い、至近距離からの衝撃波が吹き飛ばす。
「唱和:想像以上だ」
始祖人狼の発言は淡々としていたが、それでも身体に刻まれたダメージは隠せない。五卿六眼にしてワルシャワ条約機構の支配者である彼も、平等に死は訪れるのか。再び人狼病が猛威を振るう前に、夢幻戦線は追撃を仕掛ける――。
『いいぞ我が愛馬、もっと強くなれ……ふふっ』
戦いが激化する一方で、邪神オーガスト・ベインは自らの騎馬で人狼騎士を蹂躙し続けていた。湧き続ける敵の数を少しでも減らすという意味で、彼の行動は猟兵の助けになっている。だが、その口から漏れる邪悪な笑いは、それ以上の目的を持っているようにしか見えなかった――。
大成功
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アルマ・アルカレイト
チーム錬金術士と死神
属性攻撃…刹那の無限回転発動
クイックドロウ…錬成弾を素早く放つ
錬金術…マヒ攻撃と凍結攻撃の錬成弾を錬成
視力…敵や周りを見る
結界術…緋智の使用技能
ゼーレじゃない!
とライバルを見つけて指を指してしまう
『アルマ人に指を指しちゃ駄目だよ!』
結界術を展開しながらヒサに注意されてしまったが戦闘態勢をとる
負けない…って、ゼーレがいない!
結界術が攻撃を防いでいる間に人狼騎士に錬成弾を放つ
『行ってアルマ!』
ヒサはUC朧月夜・冥道神機『緋智』を発動して冥道朧月で大気から発生した人狼達を吸い込んだ
これをくらいなさい!
敵のUCを発動してきたので推力移動で上流を目指した後、私はUCを発動して敵に攻撃
東・慶喜
チーム錬金術士と死神
属性攻撃…刹那の無限回転発動
クイックドロウ…素早く弾丸を放つ
結界術…防御技能
視力…周りを見る
推力移動…移動技能
錬金術…凍結攻撃とマヒ攻撃の錬成弾を錬成
こいつがゼーレなんか?!危な!
前にアルマが話していた相手を見て驚くが予め結界術を展開していたので敵の攻撃を防御
行け!アルマ…ってゼーレはもうおらへんな…
その後反撃にUCライトニング・ブリザード・フォーミュラを発動して人狼騎士と大気から発生した人狼達を攻撃する
俺は遠くから攻撃や!
敵のUCに対しては推力移動で衝動が起きない場所へ移動しながら刹那の無限回転をかけた弾丸を放ちドライライオットを呼び出して次元と因果を越えた連撃を敵に放つ
ゼーレ・ユスティーツ
チーム錬金術士と死神
あら…アルマ久しぶりね、お友達もこんにちは とアルマ達に挨拶してから敵の方へ向かう
素早く倒さないとね…
人狼騎士には気功法で整えながら心眼で敵の動きを見ながら推力移動で回避しながら振動属性の斬撃波を放つ
あら、敵も馬鹿じゃないわね …
敵は周りに当たらないように現れる 確かに一気に現れれば道を防ぐ事が出来るがすぐには動けなくなるからだ
ならば敵の攻撃を鎌でシャドウパリィで弾いた後呪殺弾を素早く放ち指定UCを発動して敵を攻撃
とりあえず…消えなさい
敵のUCに対しては神越速の推力移動で敵の間合いに近づいて鎌から斬撃波を放ちUC還り蝶『スタールイーファントム』を発動して敵を切り裂いた
「ゼーレじゃない!」
『アルマ人に指を指しちゃ駄目だよ!』
五卿六眼『始祖人狼』との決戦の地で、偶然にも旧知のライバルを見つけたアルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)は、大きな声を上げて指をさしてしまう。あまりマナーが良いとは言えない行為に、一緒にいた少女「緋智」が慌てて注意する。
「あら……アルマ久しぶりね、お友達もこんにちは」
指されたほうのゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)は特に気にした様子もなく、大人びた態度で挨拶を返す。彼女達はとある異世界の出身で、魔力至上主義者による社会を打倒するために戦っていた錬金術師だ。現在は猟兵として世界を旅しているが、まさかこんな所で出会うとは。
「こいつがゼーレなんか?! 危な!」
『グルルルルッ!!』
以前からアルマが話していた相手が目の前にいることに東・慶喜(無能の錬金術士の相棒・f40772)は驚くが、呑気に雑談している暇はなかった。始祖人狼の能力である「人狼病」の猛威は戦場全体を覆い尽くしており、大気や地面が次々に「人狼化」して襲い掛かってくる。予め結界術を展開していなければ、彼の頭は噛み砕かれていただろう。
「行け! アルマ……ってゼーレはもうおらへんな……」
すかさず彼は【ライトニング・ブリザード・フォーミュラ】を発動し、電撃と氷のレーザーで人狼騎士に反撃する。
無限に湧いてくる敵を痺れさせるか凍りつかせ、仲間の道を切り開くのが彼の仕事だ――もっとも、一人はすでに先行したようだが。
「素早く倒さないとね……」
一足早く先に進んだゼーレは、気功法で呼吸を整えて敵の動きを心眼で捉え、推力移動で回避しつつ大鎌を振るう。
黒蝶の死神と称された彼女の呪神鎌『エーリュシオン』の振動波は、草を刈るように正面の人狼騎士を斬り払った。
「負けない……って、ゼーレがいない!」
若干遅れてアルマもライバルに負けじと追いかけてくる。彼女の戦法は緋智の結界術で攻撃を防ぎながら、錬成刃銃『ディアブロ』のクイックドロウで反撃するスタイルだ。刹那の無限回転をかけて彼女が放つ錬成弾は、マヒと凍結の状態異常を引き起こし、人狼騎士を次々に動けなくしていく。
「あら、敵も馬鹿じゃないわね……」
一方、先行するゼーレは人狼の出現パターンが変化しているのに気付いた。周りに当たらないように一定の感覚を開けて現れるようになったのだ。確かに一気に現れればこちらの進路を塞ぐことが出来るが、すぐには動けなくなるので一網打尽にされやすい。こちらの動きを見た始祖人狼の対策だろう。
「けど……貴方達に見えるかしら? スタールイー・レイド!」
『ガ、ガルルルッ?!!』
四方八方から迫る攻撃を、ゼーレはシャドウパリィで弾きつつ「黒蝶刃銃」を撃ち、隙を作ってからユーベルコードを発動。概念すら無視した黒と紫の斬撃波を放ち、広範囲の人狼騎士をまとめて切り裂いた。神域を超える速度の斬撃から、逃れられる敵はいない。
『行ってアルマ!』
さらに後方に残っていた緋智が【朧月夜・冥道神機『緋智』】を発動し、十字型の【冥道朧月】を放つ。なおも大気から発生する人狼たちはその冥道に吸い込まれていき、ゼーレの【無限影斬・スタールイー・レイド】とも合わせて、敵でひしめいていた戦場にわずかなスペースが生じる。
「ありがとうヒサ!」
そのスペースがまた人狼で埋まる前に、全速力で駆け抜けるアルマ。ライバルの背中に追いつくと、そのまま二人で始祖人狼の元に迫る。全ての人狼の祖にして王たる彼は、3つの首で猟兵達を睥睨し、背の血脈樹を脈打たせていた。
「唱和:何者も吾が人狼病より逃れること能わず」
【血脈樹の脈動】が作り出す見えない力の流れは、猟兵にさえ人狼病を感染させ、凶暴なる衝動を沸き上がらせる。
ひとたび衝動に囚われ冷静さを失えば、人狼騎士の猛攻には耐えられないだろう。一同は急いで感染の下流から逃れようとする。
「とりあえず……消えなさい」
スタールイー・レイドの効果で超神速を得ていたゼーレは、真っ先に間合いに踏み込むと【還り蝶『スタールイーファントム』】を発動。量子化を発生させながら放たれる残滅撃の波動が、始祖人狼を空間ごと真っ向から斬り伏せた。
「俺は遠くから攻撃や!」
距離を取ったまま衝動が起きない場所まで移動した慶喜も、ゼーレに続いて攻撃を仕掛ける。刹那の無限回転と呼ばれる独特の技法から放たれる彼の弾丸は、過たず始祖人狼の巨躯を射抜き――間髪入れずユーベルコードが発動する。
「来いや! ドライライオット!」
「唱和:斯様な者さえ猟兵に力を貸すか……!」
召喚された【凍結魔神ドライライオット】は氷と雷を纏った巨体を活かして、次元と因果を越えた連撃を繰り出す。
始祖人狼は大剣で防御の構えを取るが、全ては捌ききれずに負傷を増やす。止まることのない連携攻撃から、反撃に転じる暇もない。
「これをくらいなさい!」
そして連携のラストを飾るのはアルマ。推力移動で血脈樹の上流のポジションを取った彼女は、自身の錬金術の結晶たる「賢者の石」を取り出し【神秘殺しの次元撃】を発動。石に貯めた時空の力を解き放ち、次元すら貫通する究極の一撃を叩き込む。
「唱和:六番目の猟兵……これほどの力を付けていたか」
魔術や神秘に対抗するために"無能の錬金術士"が編み出した切り札は、見事に始祖人狼の胸を貫き、風穴を開けた。
夥しい量の出血を溢れさせながら、彼は感嘆とも驚嘆ともつかぬ言葉を吐き、膝を付く――人智を超えた力を持った五卿六眼にも、いよいよ肉体の限界が迫っているようだ。
大成功
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紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
歌うのでっす!
ただただただただ歌うのでっす!
「全て」を人狼化させる。
恐ろしい能力なのでっす。
空気さえ人狼化するとのことでっすし、歌ってる時にお口の中に人狼が生じて口封じ等もあり得るかもしれません。
でしたら楽器で。楽器も人狼化するというのならダンスで。
どこまでもオンステージなのでっす!
世界に、己自身に。
藍ちゃんくんは歌い続けてきたのでっす!
「全て」等、今更のことなのでっす!
始祖さんが全てを人狼化するというのなら!
藍ちゃんくんは全てをファンにしちゃうのでっす!
大気も大地も、人狼さん達も、始祖さんさえも魅せて差し上げるのでっす!
人狼化の強制共鳴?
やや、人狼になった藍ちゃんくんもワイルドで魅力的なのでっす!
ですが、ええ。
“強制”でしか共鳴できないというのなら!
そこが始祖さんの限界なのでっす!
唱和による共鳴……それが音だというのなら!
藍ちゃんくんの歌で演奏で唱和に更に音を重ね、チューニングしてみせるのでっす!
3つではない4つの声だからこそ、強制共鳴とは別の歌になるのです!
「藍ちゃんくんでっすよー!」
土も、水も、空気すらも、何もかも「人狼病」に侵されていく異常な戦場。そこに降り立った紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)の行動は、いつものように名乗りを上げ、歌うこと。武器を取るのではなく、敵意を示すのでもなく、ただ歌う。
(ただただただただ歌うのでっす!)
その行動は一見不可解であるだろう。油断を誘うにしても不自然だ。伸びやかに響く歌声は美しいものだが、それを聞いた『始祖人狼』は、直ちに歌唱を妨害しようと「人狼騎士」の群れを差し向けてくる。大地を埋め尽くす数え切れないほどの敵が、此度のオーディエンスだ。
「唱和:何のつもりか知らぬが、好きにさせる理由はない」
始祖人狼の三つ首が【唱和】すると、人狼病の感染範囲はさらに拡大し、猟兵である藍自身にも影響が及ぶ。空気さえ人狼化するのであれば、歌っている彼の口内に人狼を生じさせ、物理的に口封じするくらいのことは朝飯前だろう。
(「全て」を人狼化させる。恐ろしい能力なのでっす)
歌唱を妨害された藍は、ならばと楽器を弾き鳴らし。その楽器も人狼化すれば、ダンスでパフォーマンスを続ける。
押し寄せる人狼騎士の猛攻も同時に躱しながら、戦場をパッション全開でアグレッシブに舞い踊る。どんなに過酷な状況でも、彼の笑顔が曇ることはない。
「世界に、己自身に。藍ちゃんくんは歌い続けてきたのでっす! 『全て』等、今更のことなのでっす!」
『ウ、ウオオォォォ……!!』
どこまでもオンステージの気構えで、最高のアピールを続ける藍。そんな彼を攻め立てるうちに、人狼たちの様子に変化が生じる。生命体、無機物、自然現象さえも魅了する【星の瞳】に胸打たれ、獣の心に好意が芽生えだしたのだ。
「始祖さんが全てを人狼化するというのなら! 藍ちゃんくんは全てをファンにしちゃうのでっす! 大気も大地も、人狼さん達も、始祖さんさえも魅せて差し上げるのでっす!」
「唱和:魅了、それが貴様の力か」
ユーベルコードの域に達した芸術の力を、改めて危険視した始祖人狼は【唱和】を続ける。身の回りのものをどれだけ人狼化しても止められないのであれば、残す手は本人を人狼化させるのみ。強制共鳴による人狼化の変異が、徐々に藍の肉体にも現れ始めた。
「やや、人狼になった藍ちゃんくんもワイルドで魅力的なのでっす!」
藍はそう言うものの、人狼病の侵食は決して心地よいものではない。激しい苦痛と凶暴化の発作が、心身両面から彼を蝕む。ダークセイヴァーの人狼たちは、多くがこの病のために生涯を短命に終える。このままでは彼に選べる末路はふたつ、始祖人狼の走狗になるか死ぬかだ。
「ですが、ええ。"強制"でしか共鳴できないというのなら! そこが始祖さんの限界なのでっす!」
唱和による共鳴――それが音だというのなら、藍は自らの歌と演奏で唱和にさらに音を重ね、チューニングを図る。
不気味な獣の雄叫びに、自分のメロディを加えることで"音楽"にしてみせようとは、まさに彼のようなタイプにしかできない発想だろう。
「3つではない4つの声だからこそ、強制共鳴とは別の歌になるのです!」
観客のレスポンスや喝采をも取り込み、芸術的な一体感を作り上げる。それが生の音楽でありライブというものだ。
始祖人狼の【唱和】を巻き込んだことで藍の【星の瞳】はさらに力を増し、戦場に蔓延る人狼たちを虜にしていく。こうなれば新たな人狼が発生しても、ただファンが増えるだけだ。
『ウオォォォォォ!!』『オォォォォォッ!!』
「唱和:我々の心に……覚えのない感情が拡がっていく……」
そして藍のパフォーマンスは始祖人狼の闘志すらも萎えさせ、殺意を鈍らせる。"強制"ではなく"共感"にて生まれる力――それは五卿六眼が持ち得ない境地。ひとりの若者の全力の歌が、演奏が、ダンスが、戦いを終局に導いていく。
大成功
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四王天・燦
合戦の様相だ
大将首獲って手柄を上げたいのが武士のサガ
血脈樹へと駆けるぜ
稲荷符を撒いて浄化を施していく
少しでも万物が人狼病に感染するのを遅らせる
周辺環境が人狼化したら、状況認識されるより早く先制攻撃で斬り伏せるよ
足場の人狼化対策として変異済の人狼そのものを踏みつけ足場にして突っ切るぜ
堂々名乗りを上げて始祖に相対するよ
その首頂戴仕る
神鳴とアークウィンドの二刀流で斬り掛かるぜ
始祖に戦う理由など問答してみよう
アタシは誰も失わない強さが欲しいってね
戦闘昂揚で凶暴な素振りこそすれ、落ち着きをもって首を獲る算段を立てるよ
風属性攻撃の衝撃波を乱れ撃ちして人狼病感染の流れを掻き乱したり発生する人狼を吹き飛ばしたりしとく
服の中には破魔符を貼り付けまくって抵抗力も高めているぜ
凶暴演技を見破られる前に砂を蹴り上げ風に乗せて目潰しだ
ここから【殺戮剣舞】で勝負をかける!
多少の被弾は気合で堪えて殺し合いよ
鎧毛皮に覆われていない鼻っ面ぶった斬って、喉を串刺しにしてやる
猛者に一礼
首はダークセイヴァー世界で弔ってやれんかな
「合戦の様相だ。大将首獲って手柄を上げたいのが武士のサガ」
ダークセイヴァーの真の支配者にして、ワルシャワ条約機構の黒幕。大国間の陰謀と様々なオブリビオンの思惑が入り乱れる獣人世界大戦においても、大物の首級を前にして、四王天・燦(|月夜の翼《ルナ・ウォーカー》・f04448)は血脈樹へと駆ける。その根本にいる輩こそ、此度の騒乱を引き起こした『始祖人狼』だ。
「唱和:万物よ、吾が走狗となれ」
ひときわ激しい【血脈樹の脈動】が、戦場のあまねく全てを「人狼化」させていく。大地も大気も奴にとっては何もかもが己が走狗だ。猛威をふるう人狼病の脅威を突破せずして、かの五卿六眼の首を討ち取ることなどできはしない。
「無視して押し通るってワケにもいかないか」
燦は懐から「四王稲荷符・桃華絢爛」を撒いて土地に浄化を施していくが、相手は五卿六眼のもたらす病――あるいは呪いだ。ほんの少しでも感染するのを遅らせるのが精々で、予防できるとは思っていない。行く手に立ち塞がる人狼の数を一頭でも減らせれば御の字だ。
「先手必勝、これに限るぜ」
『ガルルルル……グガッ?!』
周辺環境が人狼化すれば、燦はそいつらに状況を認識されるよりも早く先制攻撃を仕掛ける。鎧を纏い、剣を携えて顕現した「人狼騎士」は、それを振るう暇もなく妖刀「神鳴」と短剣「アークウィンド」の二刀流に斬り伏せられた。
「唱和:吾が走狗が尽きる事なし」
「それはどうかな、っと!」
人狼病の感染はさらに拡がっていく。だが稲荷符の浄化が効いているのか、あるいは始祖人狼も消耗しているのか、その勢いは戦場を埋め尽くすほどではない。燦は地面の人狼化に足を取られぬよう、すでに変異済の人狼そのものを踏みつけ足場として、邪魔者を斬り伏せながら一気に突っ切る。
「月夜の翼、四王天・燦。始祖人狼、その首頂戴仕る」
「唱和:我が首安くはないぞ、『六番目の猟兵』よ」
ついに始祖に相対する距離まで迫ると、彼女は堂々名乗りを上げて斬り掛かった。雷と風を纏った二刀流を相手に、人狼騎士も無骨な大剣で応戦する。ここからは凡百の人狼がやすやすと割り込める戦いではない――歴戦の達人同士の死合いだ。
「始祖、お前はなんの為に戦う」
「唱和:吾々は排除する」
「唱和:はじまりの猟兵を。それを求むる者共を」
激しい剣戟の火花を散らしながら、燦は敵に戦う理由を問う。「はじまりの猟兵」の在り処を探り、世界大戦まで引き起こした始祖人狼の返答は、猟兵に対する並々ならぬ敵意であった。オブリビオンだからという理由では収まらぬ、積極的な害意を感じる。
「唱和:全てを識った所で、変わるはずがない」
「唱和:その衝動こそが、猟兵の根源なのだから」
そこまでするには相応の事情があろうが、ここで語る意味はないと始祖は言う。3つの首が唱和し、血脈樹の脈動が激しくなると、彼を中心とした人狼病感染の流れはさらに加速する。それは猟兵である燦の心身をも侵食し、凶暴なる衝動に飲み込まんとしていた。
「唱和:かくいう貴様は何故戦う」
「アタシは誰も失わない強さが欲しい」
だが燦は戦闘の昂揚感で凶暴な素振りこそすれ、落ち着きをもって首を獲る算段を立てていた。求めるのは奪うよりも守る力。掛け替えのない家族や最愛の人を奪われないために、どんな障害にも負けない強さが欲しい。この想いは絶対に誰にも譲らない。
「たとえ世界を殺す愛だとしても、アタシは手放さない!」
揺らがぬ信念を叫び、アークウィンドから風の衝撃波を乱れ撃つ。吹き荒れる烈風は人狼病感染の流れを掻き乱し、発生する人狼を吹き飛ばしていく。服の中に貼り付けまくっておいた破魔符も、感染への抵抗力を高めているようだ。感情任せに荒ぶるように戦いながらも、瞳の奥にはまだ理性がある。
「唱和:ならば、その手ごと斬って捨てよう」
「お断りだ!」
相手が人狼病の影響で凶暴化しているとみた始祖人狼は、隙を突いて深く切り込んでくる。まだ演技を見破られていない今が好機だと、燦はさっと砂を蹴り上げ、風に乗せて目潰しを仕掛けた。それで刹那でも相手が怯めば、ここからは全力で勝負をかける。
「速く・重く・鋭く。四王天・燦の荒ぶる剣戟が、肉体の限界を凌駕する!」
「唱和:それが貴様の本気か。ならば吾々も全力で応じよう」
肉体にかかる負荷を無視した【四王殺人剣『殺戮剣舞』】。暴走のふりをしていた時よりも激しく、疾く、鋭い剣舞が敵を襲う。ここで押し切れるか、あるいは凌ぎきれるかで勝敗が決まる。これが最後の攻防とばかりに、始祖人狼も総身に力を漲らせた。
「まだまだ行ける……動けアタシの体ァ!」
斬り返されようとも気合で堪え、全身全霊の殺し合いを繰り広げる燦。命が持たないギリギリの段階まで封印を解除した【殺戮剣舞】は、恐ろしい速さで彼女の寿命を削りながらも、次第に始祖人狼を押し始め――そして遂に、鎧毛皮に覆われていない鼻っ面を、風の短剣がぶった斬った。
「終わりだ!」
直後、突き出した雷の太刀が、狼の喉を串刺しにする。なおも刃を掴もうとする始祖人狼、その前に最後の力を振り絞って刀を捻り込み、電撃を迸らせる。闇夜にまたたいた紅い閃光は、敵に残された命の灯を、完全に焼き尽くした。
「唱和:吾々が敗れるか……口惜しいぞ、『六番目の猟兵』よ……」
末期の言葉を淡々と唱和させ、自らが作った血溜まりの中にどうと倒れる始祖人狼。その巨躯はもうピクリとも動かない。背中から伸びていた血脈樹が朽ち果て、感染した人狼騎士たちも消えていく。どうやら、決着はついたようだ。
「…………」
死闘を征した燦は、無言のまま猛者に一礼。せめてもの敬意として、その首はダークセイヴァーで弔ってやれないかと短剣を構える。どれだけ邪悪なオブリビオンと言えど、故郷の土で眠る権利くらいは、あっても良いだろうと――。
――かくして激闘の末、猟兵達はワルシャワ条約機構の支配者、五卿六眼『始祖人狼』の討伐を成し遂げた。
この大いなる勝利が獣人世界大戦、ひいては獣人戦線にもたらす影響は大きく。一ヶ月に渡る戦争が終息に向かいつつあることを、誰もが感じ取っていた。
大成功
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