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獣人世界大戦⑳〜はじまりのぽんこつガール!

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「誰がぽんこつですか失礼な!」

 タイトルにいきなり怒られた。

「私はこれでもはじまりの猟兵。皆さんのために一生懸命情報を伝えにやってきたのです!」

 そう、なんか変なお面被ってる彼女こそ、あの伝説の「はじまりの猟兵」その人なのだ!
「へ、変じゃありません! かっこいいし! 流行ってるし! 獣人渋谷でみんな買ってるんです!」
 そう、彼女こそははじまりの猟兵。なのでカッコよさとか流行のセンスがちょっと古いのだ!
「そ、それはともかく! 私は皆さんに情報をお伝えしたいのですが……くっ、体が疼く……鎮まってください私の体……私はもうオブリビオンになってしまっているため、上手く自分を制御できないのです」
 彼女こそははじまりの猟兵。古いためにちょっと厨二入っているのだ!
「なので正確に言葉にできません……やーいバーカバーカべろべろばー。……はっ、違います! 今のは言葉が勝手に!」
 やっぱぽんこつじゃね?

「ち、ちがいます! はじまりぽんこつじゃないです! ……うう、でも、どうやら、私をいったんボコってくれないと体の制御を取り戻すことができないようです。うまく皆さんに情報をお伝えするために、……私と戦ってください! そして、私をやっつけちゃってください!」

 おお、なんという気高い覚悟と誇りか! 遥か時を隔てた後進に道を拓くため、彼女はあえてその身を犠牲にしてくれるというのだ!
「ですが、戦闘となればですね、なんといっても私ははじまりの猟兵。こう見えても! 古いので!」
 むっ、気を付けねばなるまい! 大体初代ヒーローと言うのは強いものだ!

「弱いです!」
 弱いんかい!
「弱いです! 情報とか技術とか装備とか古いので。でも、その代わり……卑怯な手を使います!」
 卑怯なんかい! 気高さとか誇りどうした!

「いやそれはそれで……だって戦場では何でもアリじゃないですか?」
 まあそうなんだけど。

「……ってことで」
 と、場面一転。
 グリモアベースにおいては、グリモア猟兵、ユメカ・ドリーミィが、ふわふわと揺れるシャボン玉の向こうから猟兵たちを見回しながら状況を説明していた。

「みんなの大先輩にあたる「はじまりの猟兵」ちゃんが、みんなに情報を伝えたがっているの。でも、今の彼女はオブリビオンになってしまっているから、本当のことを上手く伝えることができない可能性があるんですって。対策としては、もう思いっきり、……はじまりちゃんをボコってしまうしかないわ!」

 若干ドン引く猟兵たちにユメカは慌てて付け加える。
「だって本人がそうして欲しいって言ってるんだもの! 上手くボコれば、この戦争が終わったあたりに情報を伝えてくれる可能性があるわ。ただし」
 と、指を一本ピンと立てて、ユメカは注意を促す。
「はじまりちゃんもわざとやられてくれるわけじゃないわ。むしろ卑怯で姑息できったねえ手を使って抵抗してくると思うの! そこに気を付けて戦ってね!」

 一方そのころ。
 はじまりの猟兵は恐るべき卑怯な罠を既に仕掛けていた!

「ふっふっふ。落とし穴を一杯掘ってですね、その上にこうして……おまんじゅうを置いておけば、きっと猟兵の皆さんは引っかかるでしょう! ううっ、卑怯すぎて心が痛みますが、仕方がありません!」

 やっぱこの子ぽんこつなのでは?


天樹
 こんにちは、天樹です。
 このシナリオは戦争シナリオです。一章で完結し、戦争全体に影響を及ぼします。

 はじまりの猟兵ちゃん意外なキャラ……ですがここは心を鬼にして彼女をボコってあげてください。それが彼女自身の望みでもあります。戦争終結時までにはじまりちゃんを倒しきっていれば、戦争終結後に「第二から第五の猟兵」についての情報が提供されるでしょう。

 なお、彼女は彼女なりに頑張って戦います。そのために手段は選びません。つまり、なんかいろんな卑怯な手を使って来ると思われますので、これに対応すること、もしくは、罠とか知らねえ! と言わんばかりに圧倒的な戦力で蹂躙してしまうことがプレイングボーナスとなります。ご一考ください。

 それでは皆様のご参加を心よりお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『はじまりの猟兵』

POW   :    ストライク・イェーガー
レベルm半径内の対象全員を、装備した【ライフル】で自動的に攻撃し続ける。装備部位を他の目的に使うと解除。
SPD   :    プログラムド・ジェノサイド
【予め脳にプログラムしていた連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    キューソネコカミ
【ライフル】が命中した敵を一定確率で即死させる。即死率は、負傷や射程等で自身が不利な状況にある程上昇する。

イラスト:hoi

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

エミリィ・ジゼル
わたくしは意味深なことしか言わない奴は絶対許さない明王。意味深なことしか言わない奴は絶対許さない。
はじまりの猟兵だろうと例外ではありません。
むしろ相手が叩きのめしてくれというのです。情報を吐きだすまで全力でボコりましょう。

はじまりちゃんは卑劣にも落とし穴を大量に設置しているようですね。
ならばこちらは空から攻撃しましょう。

具体的にはUCで153体の空飛ぶかじできないさんズを召喚。
遠慮と配慮の欠片もない鮫魔術の連射ではじまりちゃんをフルボッコにします。

わたくし自身はサメ子に乗って上空を飛び、【第六感】と【見切り】で回避に徹します。
あとはサメの玩具です。

意味深なことしか言わないやつは死ねぇい!



「御無礼」
「アバーッ!!!!!」
 哀れはじまりの猟兵は爆発四散! シナリオ完!

「……いやリプレイ一人目の一行目でシナリオ終わらせないでください!?」
 爆発でちりちりアフロになりながら、始まりの猟兵はなんとか体勢を立て直す。その姿に、相手は不満顔だ。
「えーおとなしく死んでていいんですよ。思わせぶりなこと言う奴は殺せって幼稚園で習うじゃないですか」
「習いませんよ!? 流れるように世の教育制度を崩壊させないでください!?」
「んもー、変なところで真面目ですね、そんな変なお面被ってるくせに」
「変じゃないです! っていうか、格好のことをあなたに言われたくありません!」
 はじまりの傭兵が憤然となって睨みつける相手の、その格好とは。

 サメ。

 なんかこう、もこもことしていそうでそれでいてピチピチとしていそうな、サメ。
 そう、そんなハイセンスにしてシャレオツな流行の最先端着ぐるみを着こなす彼女こそ、サメ偏にメイドと書いてエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)と読む!

「……どう書くんですかそれ」
「だから『サメ偏にメイド』って言ってるじゃないですか」
「書けませんよ!?」
「書けるって。ほらこう書いてこう」
「何をでたらめな……えっ本当に書けた!?」

 これぞコミックと違い具体的ビジュアルの要らない小説の雑な強さなのだ! 書けたと言えば書けたことになっちゃうのである!

「……私がしばらく死んでる間に世界の常識変わりましたか?」
「常識なんて誰かが勝手に決めたものさふふんふーんみたいなありがちな歌詞がそこらのポップスにいくらでもあるでしょう。そんなもんです」
「うわ全方位無差別砲撃!? そういう危ないこと言って私巻き込むのやめてください!?」
「さあそんなことより、キリキリとりょうへいしんじつをゲロしてもらいましょう! このサメの偉大なる姿が目に入らぬか! 変なお面のくせに!」
 キシャアア!! とエミリィの纏うサメぐるみがあたかも意志あるように威嚇する。大海の覇者、大海原の勇者たるサメの、野性の凄みと美しさを併せ持つ大いなる姿を前にしては、どんな相手も恐れ入って本当のことを言わないわけにはゆかぬに違いない。
 このエミリィの真実を求める真摯な姿勢に我々は感嘆の念を覚えざるを得ない! あとサメって吠えるっけ。まあ吠えるだろう多分。
 その威厳に、思わずはじまりの猟兵はびくりと身を竦ませて半泣きの声で抗う。

「また変なお面って言った! だから今の私はちゃんと言いたくても言えないんですよ! 戦場説明ちゃんと読みました!? ……だいたいサメなんてシャチより弱いくせに」

「………あ“!!!???」

 おお、それはサメラーには決して言ってはならぬ言葉! エミリィ、キレた!
 はじまりの猟兵ははっと自分の口を抑えたがもう遅い!
「違っ……今のは!今のはオブリビオン化した体が勝手に言ったことで私の意思ではなくてですね!?」
「ザンケンナッコラー!! ナメンナッコラー!!! かじできない軍団出撃っコラー!!!」

 聞く耳持たぬエミリィは憤怒と激情のままにユーベルコードを発動! 次元が切り裂かれ世界法則が覆るような閃光と雷鳴が迸るところ、現れたのは──。
 おお見よ、虚空を埋め尽くし天地しろしめす無数のエミリィの群れという地獄絵図! エミリィが9、空間が1と表現せねばならぬほどの、これこそがエミリィの秘技「あばれまわるかじできないさんズ」に他ならぬ! 一人でさえあんま相手したくないエミリィがこれだけ現れてしまっては大体世界終了のお知らせみたいなものだ。

「ッキャシャアアアアア!!!」
 怒り狂うサメの咆哮が天地を圧して響き渡り、空間を押し潰しながら天空を駆けるサメの群れが一斉に絨毯爆撃を開始した。爆発! 爆裂! 爆散! 万物一切塵に帰し微塵も残さぬという勢いだ!

「いやあああ!!??」
 戦慄したはじまりの猟兵だが、さすがに古より戦いを重ねし歴戦にして最古の戦士。彼女はここで最も卑怯でありながら最も適切有効な戦術を迷うことなく選択した。それは!

 後方に転身し全力で進軍する!
 つまり……逃げる!

 そらもう必死で逃げる! 
 おお、だが……。

「あっ」

 彼女は忘れていた。
 自分が──OPで落とし穴を掘っていたことを。

「ふっ……はじまりちゃんはこんなアホなやられ方を、このシナリオ中、あと16回くらい繰り返すんですよ。これがサメの呪いです……サメ偏に絶対に許さないよって書きます」
 落とし穴にハマったはじまりの猟兵に情け容赦ない攻撃をずんどこ集中させながら、エミリィは静かにつぶやくのだった。

「いや書けませんからぁぁ!!!???」

大成功 🔵​🔵​🔵​

東天・三千六
はじまりの猟兵ちゃんさん、なかなか難儀な状態になっていますねえ。
ここは彼女のお望みのままに、火力でズドン!とさせていただきましょう。

さあさ、御先祖様方……貴殿方の末の子に、どうかそのお力をお貸しください……。

先ずは【鏖殺の瞳】で睨み付け、怯ませます。
メンチを切る、というヤツですね。ふふ。
喉元にある【天墜龍の逆鱗】に触れます。引っ掻きます。
逆鱗に触れるとの言葉の通り、少々気性が荒くなってしまいますが、普段から大人しい僕にはそれくらいが丁度良いですね。あはは。
あちらから放たれるライフルの弾丸は【呪怨弾】で弾き飛ばします。

ふふ、正面からの殴り合いの開始です。お覚悟を。



「はじまりの猟兵ちゃんさん、なかなか難儀な状態になっていますねえ……」
 
 しみじみと呟く東天・三千六(|霹靂霊《かみなりおばけ》・f33681)に、はじまりの猟兵は仮面の奥から熱い情熱の視線を向けて取りすがった。
「そう! そうなんですよ! 大変なんです! よくわかってくださいました!」
「うわ食い気味にきた!?」
「私もね、すっごい頑張って骸の海から帰ってきたんです。でも体はオブリビオン。もう、うまく言いたいことも言えないこんな世の中じゃって感じなんですよ!」
「あー確かに若干言い回し古いですね……」
「でも、そんな私の苦労をわかってくださる方がいて嬉しいです。それもこんな可愛らしい方が」
「はあ……ありがとうございます……?」
「いやホントにお可愛らしい……すべすべしたほっぺた……とろんとした澄んだ瞳……きゅんとした生意気可愛いツノ……えへへへへ……美味しそう」
「あれなんか変な方向になってきてませんか!?」

 おお、はじまりの猟兵の仮面の奥から漏れる声と息が、なんかぜーはーと妙に熱く切なく荒くなってきているっぽい感じがするではないか! それに気づいた三千六はびくりと身を竦ませたが、はじまりの猟兵ははっと気づいたように慌てて手を振る。

「ま、待ってください、違うんです! これは全部オブリビオン化してしまった私の体が勝手にやったことでして……自分の意思で自分の体をコントロールできないものですから、申し訳ありません……」
「そ、そうですか。ならいいのですが……」
「いやほんとですよ、ほんとに……美ショタのほっぺなでなでしたいとか……綺麗な二の腕スリスリしたいとか……引き締まったお腹さわさわしたいとか……そんなことは全然まったく……えへへ」
「あっこの人ホンモノだ」

 さすがに若干唇をぴくぴくとさせながら、三千六は今こそその秘められた神秘にして深き幽世の力を引き出す! 多分力押しで行かないとダメな奴だこれと判断して! たぶんそれ正解!

「御先祖様方……貴殿方の末の子に、どうかそのお力をお貸しください……!」
 これぞユーベルコード『|霊基遡源《ライフストリーム》』の発動だ!
彼の祈りが聞き届けられたか、見よ、三千六の姿が変わる! 先祖代々伝わる神霊の力が雷鳴と共にその身に憑き、紡がれた永き時の中から生み出された超越の能力が稲光と共に宿って……!

 ※ユーベルコードの秘密の設定 ご先祖様の霊を身に降ろす。30代後半の年頃になり髪型は雲みたいな長髪モフモフ化。

「……なんですって?」

 『30代後半の年頃になり』。

「………解釈違いですぅぅぅぅぅ!!!!」

 なんたることか、はじまりの猟兵が急に暴れ出した! いったいどうしたというのか!
「ショタが! 美ショタがあああああ! うえええええん!!!」
 しかもなんか泣いてる! めっちゃ号泣している!
「あれっ僕のせいですかそれ!?」
 気にしないで欲しい、三千六はなんも悪くない。

「うわあああん、世界なんかもうどうでもいいですぅぅぅぅ!!」
 だがはじまりの猟兵は八つ当たりというか自暴自棄的に、手当たり次第に銃を乱射し始めた! あたかも暴風の如き勢いだ!
 逆ギレ! そう、それはある意味では最も卑怯な戦術と言えよう!

「いやさすがに付き合ってらんないので……」
 三千六は龍身と化した神々しき自らの喉元に手を伸ばすと、龍鱗に爪を立てた。逆向きに生えたその場所こそはいわゆる逆鱗──。またの名を暴れん坊スイッチだ!

「お仕置きタイムですよ、はじまりの猟兵ちゃんさん!」

 瞬時、三千六のおとなしやかだったまなざしが灼熱のごとく充血し、光を含んで怒気が走る。敵を見据える瞳は鏖殺を物語り、天高く咆哮した龍神は虚空を駆けると真っ直ぐに──はじまりの猟兵をぶん殴った!
「きゃああああっ! あっでもなんか……自分の喉引っかくとこセクシーでした……」
「割と死んでも治らない系ですねお姉さん!?」
 デンプシーロール! フリッカー! ハートブレイク! そらもうサンドバックからも同情されるのではないかと言うほどボッコンボッコンとぶん殴られ続けながらも、なぜか、はじまりの猟兵はどこか陶然とした口調となっていくではないか。

「ああ、目が霞んで……さっきの可愛い姿が走馬灯のように……かわいい子にボコられて逝けるならそれはそれでですね……」
「お姉さんはなんというか……はじまりどころか、終わってません? いろいろな意味で」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
「はじまりの猟兵ですか。
ならば、この私が最新技術の粋を集めた機動戦車オベイロンの力を見せてあげましょう!」

はじまりの猟兵の情報や技術、装備が古いというなら、逆に最新装備で身を固め、技術や情報戦にも強い私の方が圧倒的に有利!
オベイロンに乗って、はじまりの猟兵が待つ戦場に向かい――

「あ、あんなところに、おまんじゅうが!」
『アイ、落とし穴の反応があります』
『あっ、こら、なにオベイロンから降りておまんじゅう拾いに行ってるの!?』
「大丈夫です、私が落とし穴程度にひっかかるとでも……
って、きゃああああっ!?」

『仕方ないわね、ぽんこつのアイ抜きでやりましょう』(紋章だけ戻ってきた
『そうですね、主砲発射』



「はじまりの猟兵ですか……確かにレトロゲームにも味があっていいものもあります。それは認めましょう」
『いきなり何言ってんのアイは』
『パック、アイの言動に基本脈絡はありません』

 アイ・リスパー(|電脳の天使《ドジっ娘電脳魔術士》・f07909)がのたまいだした唐突な言に、意志ある紋章のパックと万能機動戦車オベイロンが、まーためんどくさくなる奴だなこれ的なやれやれ感を醸し出す。だがそんなことにかまったりするようなアイではないのだ。

「つまりはじまりの猟兵は最初の猟兵、いわばレトロゲームのようなものということですよ! ですが、レトロゲーにいくらいいものもあると言っても、最新のゲームには適いません。いえ、むしろレトロゲーの良さはその大部分が懐かしさ補正であり、実際の面白さは最新ゲームの方が圧倒的と言えるでしょう!」
『全世界に向けてまんべんなく効果的に喧嘩売るのやめてくれるアイ!?』
「つまり最新の猟兵である私たちにかなうわけがないのです!」
『まあ第六猟兵もスタートしてからもう5年経っているのでそろそろ古』
『わー!! オベイロンもそっち方面で地雷踏みに行くのやめて!?』

 パック頑張れ。超がんばれ。

「まあとにかくですね、私たちは常に最新の情報をアップデートしています、負けるはずがないのです! 昨夜だってオベイロンに新しい情報を入れたばかりです!」
『それはゲームの環境に変動に伴うtier変更のデータでしたが』
「それでもアプデはアプデです! 即ち無敵! ではレッツゴー!」
 いうこと聞きやしねえ。それでも仕方なくオベンロンはアイとパックを載せて進軍を開始する。
『……私がまともに戦車らしい行動をしているのは久しぶりな気がしますね……む、地形センサーに感あり。アイ、前方にお』
「おまんじゅうです! わーい!」
『……とし穴が。びっくりするほど人の言うことを聞きませんねあなたは……』
「きゃーっ!?」

 おお、なんという狡猾な罠! おまんじゅうに釣られたアイは哀れにも落とし穴に真っ逆さまと相成った!

「ふっふっふ! この時代の猟兵にもやはり落とし穴は効くのですね! やはり最新のトラップです!」
 落とし穴の淵から中を覗き込んで得意げにドヤっているものこそはじまりの猟兵だ! なんと恐ろしい罠を考え付くのであろうか!
「さあ、このまま埋めちゃいますよー」
「きゃーっやめてええ!? っていうか……もしかして」
 だがアイはこの危機に陥ってなお、その鋭い頭脳で隠された真実を見抜く!

「これ、敵を落とし穴に落として埋める、あのレトロゲームですね?」

「……えっと何を言っているのかよくわからないんですけど……?」
 唐突にわけわかんないこと言いだしたアイに一瞬はじまりの猟兵の行動が止まる。そこへ、パックが援護を加えた!
『アイ、そのおまんじゅうを食べるのよ! そのパワーエサを! パワーアップして脱出するのよ!』
「こ、これはエサをぱくぱく食べていくあのレトロゲーム! これは冒頭の伏線回収! 今回はレトロゲーがテーマだったのですね!」

 いや別に流れで。

 なんだけどなんかそういうことになった感じで、おまんじゅうを食べたアイは(プラシーボで)パワーアップ! 落とし穴を飛び出した!
 だがはじまりの猟兵もさるもの、これを迎え撃つ!
「やりますね六番目の猟兵! ならば……このタルを喰らってください! えい!」
「くっ、ゲーマーの名に懸けて負けませんよ、はじまりの猟兵!」
 きゃっきゃ。
 うふふ。
 っていうか何やってんの君ら。

「ああ、私が少し考え違いをしていたかもしれません……レトロゲームも素晴らしいものだったんですね……」

 ……よくわからないが、とにかくアイが何か悟りを開いたようなので、それはそれでいいのだろうか。
『でもオベイロン、このままじゃ、はじまりの猟兵を倒せないわよ? アイはなんか普通に相手と一緒に遊んでるし……』
『近接しすぎてはじまりの猟兵のみを単独でねらえませんね……仕方がありません』
 起用に吐息を合成音声で作り出すと、オベイロンは無造作に砲身を構えた。

『二人は右から左へ……そして左から……今です! |まとめてどーん《名古屋撃ち》!』

 どかーん。

 容赦なくブッパされたオベイロンの荷電粒子砲はアイとはじまりの猟兵をまとめてブッ飛ばしたのだった。
「アバーッ!!?? こ、コンティニューさせてくださいいい!!!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・ランフォード
はじまりの猟兵…
「猟兵のルーツ…世界の謎とかめっちゃ気になるよね…」
「信用できんのかこのポンコツ」
…聞いてみてから判断しましょう

卑怯な手段…自身を人質に罠に嵌めるとかでしょうか
とりあえず鎧としてキャバリアを
実現符で実体化したれんと数珠丸太郎も奇襲用に伏せて
対毒のために薬丸を口に含んで…にがっ
忍者の罠使いの知見で設置場所を見切り準備完了と

敵UCはキャバリアなら武器受け防御
降りた時は第六感合わせ見切り回避、更に実体化した錬が防ぎ
こちらもUC発動、なかった事になりました
次の攻撃が来ると予想し攻撃して妨害・回避します

ところで貴女、お名前は?「どこ住みだった?」
「丸薬いるか?頭すっきりするぞ…苦いけど」



「彼女がはじまりの猟兵ですか……」
『猟兵のルーツ……世界の謎とかめっちゃ気になるよね…』
『つってもよ……』

 三人の人格を持つレン・ランフォード(|近接忍術師《ニンジャフォーサー》・f00762)はそれぞれの視点から相手を見据える。その相手こそは『はじまりの猟兵』、すべての始祖だ。その姿は、根源にして起源としての威厳と風格、古き悠久の時の流れを感じさせる威圧感を覚えさせ……。
 たりはしなかった。

「あ、次の猟兵が来ましたね……きゃーっ!?」
 わたわた、ばたーん。
 ……慌てるあまり、なんかなんもないとこでコケてるし。

『……信用できんのか、あのポンコツ』
 凛々しい『錬』ため息交じりのつぶやきに、続く二人、『蓮』と『れん』もがっくりと肩を落とすのだった。

「まあ聞いてから判断するとして……そのためにも戦わないといけないんですよね」
『でもなんか卑怯な手を使うって。どんなのかな? わくわく』
『なんでそこで目をキラキラさせんだ……』
「卑怯な手として考えられるのは……」
 と、蓮は腕を組み、深く考える。

「──自分自身を人質にとる、と言ったような手でしょうか」
「えっなんでです!? それ、どうやるんですか!?」
「ええ、自分を傷つけると情報が取れない、どうだ攻撃できないだろう、ということを主張するとかですね……ってなんではじまりさん本人がそれ聞いてるんです!?」

 いつの間にか傍でふんふんと聞き耳を立てていたはじまりの猟兵に、蓮もさすがにツッコまざるを得ない! しかもなんかはじまりの猟兵はちゃんとメモも取っている! 真面目だ!

「うわあ、なんてズルい手でしょう……貴女はニンジャですか? ニンジャとはやはり怖いですね……」
「えっ引かれるほどですか!? 私そんな引かれるほど悪辣なこと考えましたか!?」
「だってまさかそんな斬新な手段を……最近の猟兵さんたちの考えることは進化しているのですね……」
『思いっきり古典的な戦術じゃねえか!?』

 はじまりの猟兵と、蓮・錬がワチャワチャとしている中、ぽむ、とれんが納得したように手を打った。

『なるほど……自分のド天然に相手を巻き込む……これは確かに卑怯な戦い方……』

 まあ卑怯と言うか反則と言うか……?
「くっ、そうだったんですか!」
『そうだったのかよ!』
「えっそうなんですか!?」

「はじまりさん本人が驚かないでください!? ……うう、これは確かに手ごわい相手です。ならば──やられる前にやります! 速攻です!」
 以心伝心一心同体、指示を飛ばす必要もなく意志と思考を通じ合う三人のレンは瞬時に散会! 戸惑うはじまりの猟兵は足をもつれさせ勝手にすっころんだが、レンたちは動じない! さすが忍者の鍛え上げられた鋼の精神だ!

「だってそのボケはさっき見ましたから!」
『つかこれボケ潰しにも効くんだな……』
『あたらしいはっけん……』

 そう、一度見たボケ……いや、一度見た攻撃はなかったことにできる、レンのユーベルコード『|時空断裁《ジクウダンサイ》・|蜃気楼《シンキロウ》』が既に発動しているのだ!
 ここから畳みかけるか、レン! かわすか、はじまりの猟兵!
 だが……おお、なんとしたことか。はじまりの猟兵は転んだあと、ジタバタして動けないではないか! なぜか!?

「わああん、ツノが地面に変な角度で刺さって! う、動けないです!!!」

「……ぷっ」
『ちくしょう『見た』とはいえ何度でも笑うわこんなん!』
『このUCは何度でも笑えるボケが弱点……あたらしいはっけん』
 
 レンたちは必死で笑いをこらえながら地面に標本刺しになってバタバタしているはじまりの猟兵に近づいていく。無情にとどめを刺すつもりだ。何たる忍者の非情さであろうか。

「きゃーっ、来ないでくださいっ!!」
『ぽいっ』
「きゃーっ……え? これは……」
 騒ぎ立てていたはじまりの猟兵の仮面の奥、口の中に、れんがひょいと何かを投げ入れた。これは……忍者の丸薬!

「毒消しの丸薬です。多少頭がすっきりするでしょう。あなたが落ち着いてくれないと私たちも情報を得る意味からも困りますので」
「あ、ありがとうござ……うええええ!!!!???」

 感激し礼を述べようとしたはじまりの猟兵だったが、その瞬間七転八倒し悶絶絶叫!

「に、にがぁぁぁぁぁぁいいいい!!!???」

「言い忘れてましたがそのお薬は多少味が……あ、手遅れでしたね」

 やはりニンジャコワイ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

才堂・紅葉
なんと言う気高い覚悟!
これは念入りに情報絞らねばならせん

あら、こんな所にお饅頭が
落とし穴に足を踏み入れて拾います
汚れないようにラップされてるのが性格出ますね
私は、重力制御で体重を軽くしてるので落ちません
怪訝な顔で彼女がやってくるのを待ち、流れるようにSTFを入れます
なんか、殴り倒すのも気まずいので、サブミッションでメンタル削りますね
3回泣きが入ったら、技を解いて解放します



「あら、こんなところにお饅頭が」

 流れるように優雅な挙措で、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は道端に置かれたお饅頭に歩み寄った。そのまま自然に美しい手を伸ばす。

 そんな紅葉の姿を、物陰からワクワクしながら見つめているものがいる、それこそがはじまりの猟兵だ。彼女の手には「ドッキリ大成功」と書かれたプラカードが。そう、お饅頭ははじまりの猟兵の仕掛けた恐るべき罠なのだ!
「ふふふふ、猟兵さん、あと一歩進めば落とし穴です! 落とし穴の中には小麦粉がいっぱい敷き詰めてあるのです!『聞いてませんよ~、ちゃんちゃん!』 と言うオチになってもらいましょう!」
 はじまりの猟兵はやっぱりなんか感覚が古いのだ!
 しかし紅葉の身に危機が迫っていること自体は事実である。紅葉はこのまま、その美しい体に真っ白な粉まみれという、なんか一部層にはすっごい刺さりそうな姿になってしまうというのか!
 紅葉は静かにお饅頭に触れ……。

「ではいただきますね。きちんとラップしてあって汚れていませんし」

 取った。
 食べた。
 普通に。

「あれえええ!???」

 これには思わずはじまりの猟兵もプラカードをぶん投げて物陰から走り寄らざるを得ない!
「ちょ、ちょっと待ってください、私仕込み間違えましたか!? 確か落とし穴の場所はここでよかっ」

 ずぼっ。
 嵌った。
 落ちた。
 普通に。

「きゃああああ!!!???」

 落とし穴に真っ逆さまに落ち込み、中に敷き詰められた小麦粉まみれで真っ白になったのは、哀れ、はじまりの猟兵の方だった!
「な、なんでえええ!!??」
 穴の中から上の方を見上げ、はじまりの猟兵は情けなさそうな声を出す。そこに見たのは……おお、当たり前のように浮いている紅葉の姿だった! 厳密にいえば、落とし穴のふた、発泡スチロールの脆そうな素材を割ることなく、その上に無造作に流麗な姿をとどめているのだ。
「あら、可愛い体が粉まみれ。なんか一部層には刺さりそうな姿ですね、はじまりの猟兵さん」
「な、なんであなたは落ちないんですかあ!?」
「あ、私重力制御しているので」

 そう、紅葉こそは世界を滑る四つの力のうちの一つ、『重力』を自在に操る恐るべき能力者であったのだ。彼女のその力をもってすれば、発泡スチロールを割るほどの負荷をかけず、お饅頭のみを食べることも容易い!
「き、聞いてないですよおおおお!」
「ナイスオチ。落とし穴だけに。さて、それでは今度はこちらの番ですね」

 おーっと、紅葉、はじまりの猟兵を落とし穴の中から引っ張り上げるとそのまま大地にテイクダウン! さあ紅葉、まるで風のそよぐように滑らかに、光の煌めくように鮮やかに、相手の身体をあまりにも巧みに拘束していきます! 瞬時にはじまりの脚を自らの脚で絡め、背後から手を伸ばしてフェイスロックにがっちり固めたぁっ、これは! 必殺の|才堂流大蛇葛《サイドウリュウオロチカズラ》だぁーっ!! まさに人間あやとり、いや人間折り紙と言っても過言ではないほどにはじまりが折り畳まれた! もはや拷問を通り越した芸術といってもいい締め上げ方であります! これははじまり苦しい! 苦しいぞ!!

「きゃあああ!!?? なんで急にプロレス実況風になってるんですかあ!?」
「まあこれSTFですからね」
「そ、そんな新しい技をもう取り入れているんですか今の猟兵さんは!?」
「いやSTFがメジャー化したのって90年代アタマの闘魂三銃士時代……ああ古い人なんでしたっけ……」
 技一つに、時代に込められた空気を感じる。過ぎ去りしその時代の熱い魂の高まり、荒々しい気迫のほとばしりが、一つの技の中に今も脈々と息づき、受け継がれているのだ。プロレスって、いいわよね……。
 などと改めてしみじみと感じつつ、それはそれとして紅葉は容赦なくはじまりの猟兵を締め上げるのだった。

「いたあああ! いたああああいいいい! 待って、ちょっと待って! お金、お金払いますから!」
「あー、買収ね。それはなかなか卑怯な手段。いいですねえ、ちょっと考えるわ。でもトータル収支で考えた場合、あなたをボコって情報を引き出したときのほうが私にプラスになる。ということでその申し出は謹んで却下いたします」
「そんなあ! 100円! 100円ですよ! この世のすべてが買える金額です!」
「……古い時代設定バラバラでしょあなた」

 かくしてはじまりの猟兵がタップするまで、粉まみれの可憐な少女(たぶん)がエグく極め続けられるという、なかなか性癖な光景は続いたのだった。

「あ、しまった……これ公開すればよかったですね。結構なシノギになったでしょうに」

大成功 🔵​🔵​🔵​

試作機・庚
んー…なーんかどっかで見たことあるような……んーダモクレス…というかあのトップはディバイドでは地球側デスし…
(絡みついてるチェーンと下に展開されている歯車のエフェクトを見ながら)
…ギャグみたいな話でする思考じゃないデスね!切り上げ切り上げ!

さて、ということで戦うんデスけど…
話せるように加減しつつ徹底的にぶちのめすって案外難しいデスね…

とりあえずUCは【到達点】用意しておくとして…ランダム発動デスからUCに頼らない動きしないとデスね…

となるとキャバリアは待機させて身一つのが良さそうデスね

…ってカウンター狙いしようと思ったら即死持ちじゃねーデスか!アブねぇ!
不利にしすぎない程度に攻めるデスよ!



「ふむ……あなたがはじまりの猟兵デスか……」

 試作機・庚(|盾いらず《フォートレス》・f30104)は、注意深く鋭い視線を相手に飛ばす。
「は、はい、よろしくお願いします! ……って、ええと、そんなにじっと見つめられて……私の顔に何か付いているでしょうか?」
「いや逆に付いてねえとでも思ってんデスか!?」
 そう、始まりの猟兵の頭部にはなんかこう、なんだこれと言わざるを得ないなんかがしっかりと付いているのだ!
「まあその何かわかんないのは置いておくとしてもデスね……」
 ごほん、と咳払いをして仕切り直しつつ、庚は改めて相手の姿をしっかりと見定める。

「……なーんか、どっかで見たことあるような気がするんデスよね………」
「あ、ナンパですね!?」
「違うデスよ!? っていうかそんな手古すぎるデス!」
「そ、そんな! 最先端のナンパテクニックじゃないんですか!?」
「こんなことで時代に感慨を持ちたくなかったデス……と言うかデスね」

 庚は頭痛を抑えつつ、なおも見据えた。
 はじまりの猟兵の姿を──そして、その身に絡みつく漆黒の鎖と、彼女の脚元に展開されている、紋章めいた……あるいは歯車めいた無機質な謎の輝きを。それは確かに庚の記憶の片隅にこびりついて離れない、あるビジョンと重なる部分があったからだ。

「ダモクレス……というかあのトップはディバイドでは地球側デスし……あなたは……」
「……そうですか。よくそこに気づきましたね。第六の猟兵さん」
 庚の言葉に、はじまりの猟兵は静かに声を返した。どこか悲しげに、しかし毅然として。その響きには深い真実を抱くものとしての孤高の尊厳があった。

「な、なんデスって!? ではまさか!?」
「そう、ただやみくもに戦うのもいいことです。しかし、こうして断片的に示される世界の秘密と謎に迫り、深く思索を巡らせるのも素晴らしいと言えるでしょう。そう言う意味ではあなたは実に優秀な猟兵さんのようですね」
「つ、つまり!?」
「そう、そうした謎解きもまたPBWの醍醐味なのです。フレンドと一緒に熱く意見を交わして世界を模索し探求して楽しむことが……かつてそうした世界の謎で引っ張る系の作品が多くあったように……アレとかアレとか……」
「……なんか方向変わってきたデスか!? つまりどういうことなのか言えってんデスけど!?」

「わーん! だから言えないんですよぉ、今の状態の私はちゃんとお話しできないんですってばぁ!」

 ……まあそういうことなのだが。
 泣き声のはじまりの気持ちもわかる。はじまり悪くない。
 そして庚が一気に重度の疲労を覚えたのもよくわかる、庚も悪くない。
 誰も悪くないのだ。きっと運命が悪かったのだ。何という哀しい定めか。

「ええい! んじゃもうブチのめすデスよ! 覚悟してもらうデス!」
「くっ、こちらもそう簡単にやられはしませんよ! なんたって私の攻撃は卑怯な上に即死しちゃうんですからね!」
「うっ、恐ろしい攻撃デス! いったいどんな……!」
「いきますよ! ──『学校に突然テロ集団が襲撃! でも私が隙をついて大活躍!』」
「……なんて?」
「むっ、これは効きませんでしたか、やりますね! ではこうです、『クール系コミックキャラの口癖を真似た!』」
「何やってんデス……」
「つ、強い!? ならば『弾けもしないのにギター背負って歩きまわっていた!』」
「いや即死ってそういう意味デスか!? 確かにある意味卑怯で即死しそうデスけども!」
 恐るべきはじまりの猟兵の即死攻撃を、庚は軽やかに寸前で回避! 一進一退互角の攻防が続く!
「地の文も何いってんデス! もうぶん殴るデス……手加減しようと思ったデスけどギャグキャラは死なないから何やってもいいや。オラッ喰らえ液体金属!」
「グワーッ!?」
 庚は鈍く銀色に光る液体金属を無理やりはじまりの猟兵の仮面の奥に仕込む! ちょっとイケない雰囲気になりかけなくもない!
「こ、これは!? ああっ体が動きません!?」

 そう、これは庚がMSにランダムで使用UCを決めさせる『到達点』を使用した結果であった! MSはそこで『|緊急高速施術《エクストラオペレーション》』を選択したのである!
「治療用UC? どういう意味で……」
「歯ぁ食いしばれぇ!!」
「アバーッ!!?」
 ナムサン! 庚はそのまま全力ではじまりの猟兵をシバキ倒した!
 だが!
「あれっ、痛みがすぐにひいていきます……?」

「それがこの液体金属の力デス! すぐに治療をするので体にダメージはほとんど残らず、それでいて体の動きを奪っているので……エンドレスフォーエバーにボコリングし続けることができるのデス!」

「いやあああまさに外道!?」
「そのツッコミにも時代感じるデスね。懐かしいデス」

 ちょっとほのぼのしながら殴り続ける庚なのだった。

「ほのぼのしませんよ私はー!?」

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

|ぬあー、しまった落とし穴にハマってしまったー(棒)《無防備を装う》
とわざと落とし穴に落ちて、底で|感覚遮断落とし穴属性のマイクロブラックホールに変身《罠使い、重量攻撃、魔喰✕大食い、化術肉体改造》し私自身が|エレメンタル・ファンタジア《高性能を駆使する、リミッター解除、限界突破》になるわ。
で、落とし穴を確認にのこのこやってきたぽんこつちゃんを重力圏に捉えてそのまま吸い込んで呑み込むわよ❤下半身が変態もとい大変なことになってるけど感覚遮断してるからぽんこつちゃんでもそこそこ耐えられるでしょう。
まぁ、脱出した瞬間に一気にクルんだけど❤



「きゃー、しまったわー落とし穴にハマってしまったわー」

 永遠に語り継ぎたいくらいに見事な悲鳴を見せたのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の|混沌魔術師《ケイオト》艶魔少女・f05202)その人だ。
「いやあああん、落ちちゃったわあああーどうしましょうー誰かーきてー」
 まず落とし穴に落ちたという状況の説明をし、誰かの助けを望んでいることを伝える、これ以上ないほど簡潔で要を得た悲鳴と言えるだろう。読者諸氏もぜひ、落とし穴に落ちた場合の悲鳴の参考になさっていただきたい。

「ふっふっふ、この地の底から響くその絹を裂くようなか弱くも儚く可憐な叫びはどうかしら! 誰しも、思わず駆け寄って、お嬢さんどうしましたかさあこの手につかまってくださいなあに私は通りすがりの旅のものですよ的なムーブをかましたくなるに違いないわ!」

 ……と、アリスも思っていたのである。
 思っていたが。

「……来ないわね?」

 いつまでたっても助けが来ないではないか。この場合、助けとは、即ちはじまりの猟兵のことだが。
 そう、アリスははじまりの猟兵が仕掛けた落とし穴にわざと嵌って見せ、これを確認に現れた相手に逆襲せんとする、恐るべき綿密なプランを立てていたのだ。
 しかも、見よ。
 アリスの声はすれどもアリスの姿はそこにはない!
 いや、厳密に言えば。
 
「──今はこの落とし穴自体が私だというのに!」

 そう、アリスはなんと、自らの肉体を改変し作り変え、事象を変換し現実を歪めるというとんでもねえ魔術を行使することにより、落とし穴それ自体と一体化していたのだ! これぞ混沌魔術師の面目躍如といえよう!
 これではじまりの猟兵がいつ来ても即座に彼女を捕獲できる! ……はずだったのだが。

「ねえ何で来ないのー? 私落とし穴に落ちたんだけどー?」
「いや行くわけないじゃないですか! そんなとこ!」

 アリスの度重なる声に、ついにはじまりの猟兵も反応した。だが、どうしたことか、はじまりの猟兵はアリスの挑発に乗らぬではないか。いったいこれは!? さすがにはじまりの猟兵も歴戦の戦士だけあって、幾多の戦場で磨かれた戦の勘が働いたとでもいうのか。

「だっておかしいでしょう、エプロンドレスの銀髪落とし穴とか!」
「し、しまったわ!?」
 
 おお、これぞ千慮の一失だ! アリスは落とし穴と一体化し、すなわち落とし穴が彼女自身となったことで……落とし穴の外見が、フリフリのエプロンドレスを着た白銀の髪の落とし穴となってしまっていたのだ!
 ……何を言っているのかよくわからないと思うが、MSも何を書いているのかよくわからないので、そういうものだと思っていただきたい!

「ドレス着た銀髪の落とし穴とか見たことないです! あなたはきっと落とし穴の偽物ですね!」
 アッハイもうほんとはじまりの猟兵の言うとおりである。そりゃそんな落とし穴あるわけないですよね。
 ということでどこからどう見てもおかしなそんな場所に、いかにはじまりの猟兵がぽんこつと言えども、うかうかと出向くわけがなかったのだ。だが、アリスは怯まない!

「果たして……そうかしら?」
「えっ?」
「あなたが骸の海に行ってもうどれくらいたったのかしらね。その永い年月の中で、ドレスと銀髪の落とし穴が生まれていないとあなたは本当に言えるのかしら!? 古い常識に縛られて新しい現実が見えなくなっているのではなくて!?」
「はっ!!」

 はっじぇねえよ。
 だがはじまりの猟兵はその言葉に深く納得したようだった。もうダメじゃないかなこの子。

「さあ、それを確認するためにも、私を覗きに来るといいわ」
「そ、そうですね。何事も自分の目で確認しませんと……」
 かくしてのこのこと|落とし穴《アリス》の側まで出ていったはじまりの猟兵は──。

「いただきまぁす❤」
「きゃーっ!!??」

 巨大な口をがばぁと開けたその落とし穴は底なしのブラックホール! 荒れ狂う重力の嵐が情け容赦もなく襲い掛かり、はじまりの猟兵を大海の中の木の葉のごとく翻弄し、彼女をすっぽりと飲み込んでしまったのだ!
「い、いやあああ!?? なんかいろんなところがいろんなことになってええええ!?」
「ぐへへへへ、良いではないか良いではないか。はじまりちゃんのはじまりをはじまりはじまりしましょうねえ❤ ……っていうか、これは、アレね……」

 アリスは自らもとろりと滴り落ちそうな声でじゅるりと涎を舐めとる。

「『私の中』に挿れ……入れて暴れられるって……私自身もこれ、なかなかイイわ……あんっ❤」

 かくしてその落とし穴の中からはしばらくの間、二人の少女のものと思われる嬌声が長らく響き渡ったという。
 落とし穴の淵がなんかびしょびしょに濡れていたとかいう話もあるが、定かではない。ちゃんちゃん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

東・御星
「はじまりの猟兵」がオブリビオンとなるとはね。
既に彼女は死していて、本来であれば消え去る定め。
けど、せっかくだからその運命に抗ってみようかな?
そも、彼女とまともに戦闘する気はそもそもない。せいぜい
GRANDビットによる【オーラ防御】防護の【結界術】【空中機動】
で高速化された攻撃を全力で避けるくらい。
「貴女のその運命、私が覆してみせる!」
縁死とは、元来滅ぼすための力だった。破壊するための、
否定するための力だった。
だからこれはその歴史を塗り替える第一歩!
「はじまりの猟兵」を「敵にして味方」と認識する。
そしてそこに【UC】を放つ!皆!力を貸して!
用意された結論に、私は抗う!



「貴女が『はじまりの猟兵』……」

 東・御星(紅塵の魔女//人生、その継続と終焉・f41665)は、戦場でまみえたその相手を、畏敬をもって澄んだ瞳に映しだす。
「はい。そして貴女が、六番目の猟兵ですね。お待ちしていました、ずっと、貴女方を」
 異形の仮面の奥から紡がれた、くぐもったその言葉の意味を知ることは、今はできない。だが少なくとも、その声の中に含まれた寂寥と悲哀、そして宿命の重さを、御星は鋭敏に感じ取っていた。

「私たちの始祖、そして脈々と時の中に紡がれ続けるその扉を開けた人。……その『はじまりの猟兵』が私たちの宿敵、オブリビオンとなるとはね」
「悲劇と喜劇は裏表ですね。私自身も生前は思いもよらぬことでした。ですが、事ここに至った以上は是非もありません。全力でお相手願いましょう。……そうでなければ、私がここにきた意味はないのです」

 はじまりの猟兵は自分が倒されることを望んでいる。
 そうしなければ、大切な情報を伝えることができないから。
 それは御星も知っていた。伝えられていた。そして今、眼前に立つはじまりの猟兵本人と接し、その身に纏う悲壮な決意を、肌でしかと感じ取ることもできた。
「うん、覚悟はできてるよ」
「では、私を……」

「──貴女の運命を覆してみせるっていう覚悟がね!」

「えっ!?」

 御星の言葉が風に乗り、その残響も消えぬうちに、彼女は音をも欺き光と競うほどの超高速で大地を蹴った。理解できぬ御星の言葉に、一瞬反応が遅れたはじまりの猟兵の乱射は、虚しく土埃を上げ、虚空に吸い込まれる。
 無数の残像が天地に舞う。御星の姿は目も綾に翻りあたかも満天の綺羅星の如しだ。それはオーラを写し鏡とし、そこに映し出された無限の御星!

「本来は消えるのが貴女の定め。分かってるよ。でもさ、ここまできたんだもの。せっかくだから運命に抗ってみようよ!」
「できません! 私が今ここに至れたこと自体が既にありえぬ奇跡めいているのです。これ以上は望まないで……どうか、私に、後進の足を引っ張る不名誉な先達の名を負わせないでください」
「なら私も、自分が気高い先輩に手も差し伸べられない不出来な後輩って思わせないでほしいな!」

 小さく笑いながら御星は飛び回る。単にはじまりの猟兵の攻撃を回避するだけか? いや──さにあらず!
 無限に交錯する軌道に翻弄されたはじまりの猟兵の手元が微かに乱れる、その一瞬、ミリ秒にも満たぬ刹那の隙を、御星は見逃さぬ!

「GRANDビットォ!」

 響く声の元、御星の制御する9基のビットが一斉に攻撃を仕掛ける──但しそのターゲットははじまりの猟兵本人ではなく、その手のライフル銃だ!
「ああっ!?」
 繊手から弾かれたライフル銃が乾いた音を立てて大地を転がる。
 好機は今を置いて他になし!

「皆! 力を貸して! 用意された結論に、私は抗う! ──『|氷炎龍絶影深層形『八竜召喚・絶技覚醒《エニシシンソウケイ・クラフトイェーガー》』ッ!!!』

 巻き起こったのは、超越の炎。
 荒れ狂ったのは、絶対の氷雪。
 真紅と白銀の嵐が混然一体となって天地に叫喚し世界を覆い尽くす。
 それこそは……古き因果も閉じた時空もすべてを引き裂き眩い輝きの中に作り変える、無限なる希望と新生の力だ!

「貴女を縛り付ける絶対の法則を否定する! 貴女は──『敵にして味方』だ!」

 御星の凄まじきUCの効果、それは。
 ──『敵を六番目の猟兵と為し』『味方の死を否定する』。

 ゆえに、その力がはじまりの猟兵に対して振るわれたのならば……。
「そ、んな!?」
「あり得ぬ奇跡と貴女は言ったね、でも、奇跡を自分の力で強引に引き寄せるのが私たち猟兵なんだ! 貴女自身が昔そうだったように!」
 はじまりの猟兵の姿が虹色のオーロラのような輝きに包まれていく。まるでその煌めきは、よく見知っているあの光──グリモアの光のようだ、と、御星は思った。彼女の唇から静かに声が流れ出していく。

「……私の力、縁死とは、元来滅ぼすための力だったんだ。破壊するための、否定するための力だった。……でも、それを生きるために使うことだってできる、私はそれを知ったんだ。だからこれは、──その歴史を塗り替える第一歩なんだよ」
「本当に……困った後輩ですね。そして……素晴らしい後輩です。私は貴女を誇りに思います……」

 御星の力が本当にはじまりの猟兵の呪縛を完全に打破できるかどうかはまだわからぬ、だが少なくとも。
 今、彼女が仮面の下で確かに優しく微笑んでいるということ。
 それだけは間違いなく、「縁死」によって紡がれた結果に他ならなかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オニバス・ビロウ
卑怯な罠を使うか…確かに手段を選んでは死に直結する事はままある
生き残る事が勝つ事と考えるのもむべなるかな
故に俺もその姿勢をりすぺくとしよう

はいこれ見て
はいこれ竹とんぼ
あと花札とか鞠とか…色々あるぞ
…では、遊べ!(ゆーべるこーどによる命令

うむ、遊んでいる上に罠どころではなくなっているな…ついでに花桃も一緒になって遊んでいるので言うことなしである
しかしこの状況下で殴らねばならぬのは、いささか外聞が…いや待てそこの仔狐とはじまりの猟兵よ
そのおむすびは、本日の俺の昼飯だが何故食べている?

そうか…遊んで腹が減ったか、なるほど

心置きなく殴る理由が出来たな
覚悟せよ、仕置きの時間である(強く拳を握りしめる)



「しまった。まさかここまでとは」

 オニバス・ビロウ(花冠・f19687)は企図の齟齬に内心臍を噛む。綿密にして完璧な作戦を彼は立てていたのだ。そう、世界のために大義のためにはじまりの猟兵をボコるための。
 だが、まさかそれが破綻寸前になろうとは。
 そう、なぜこんなことになったかと言うと……

 ほわんほわんほわん……(回想SE)

「さあ六番目の猟兵さん、勝負です! 私を倒さないと大事な情報は手に入りませんからね! ただし、この戦場にはいっぱい罠を仕掛けてありますよ!」
「うむ、卑怯などとは言うまい。手段を選んでは死に直結することはままあるゆえにな」
「あら、お侍様だと見ましたが、そのあたり寛容なのですね?」
「……というか、そも、かの剣豪塚原卜伝殿も新免武蔵殿も、大概卑怯なことやりまくっておるからなあ……」

 卜伝は左太刀を得意とする対戦相手に、左太刀はヤメテと何度も申し送り、相手が、ははあ卜伝め、左太刀が苦手なんだな? と油断させたところをあっさり斬り倒している。
 武蔵は吉岡一門との戦いの時も巌流島の時もわざと遅れていって相手をストレスマッハにさせて勝っている。
生き残るのが正義なのであって、変に意地張って殺されては元も子もないのである。

「故に、俺もその姿勢をりすぺくとしよう。行くぞ! わがゆーべるこーどを喰らうが良い!」
 オニバスの裂帛の気勢が轟くところ、天地が揺らぎ虚空が煌めき、時空の法則が軋み悲鳴を上げる! これこそ世界そのものを作り変えるオニバスの恐るべきユーベルコードの発動だ! その名も!

「『|わがまま仔狐を逆らわせない方法《カイヌシノクニクノサク》』っ!!」

「え、なんて?」
「わがまま仔狐を逆らわせない方法」
「子狐?」
「子狐」

 静まった戦場に、こゃーん、とちんまい鳴き声が響いた。オニバスはひょいとその鳴き声の主を摘まみ上げ、はじまりの猟兵に示してみせる。
「子狐」
「いえ見ればわかりますが! それでどうやって戦うおつもりなのです!?」
「フッ、分からぬか。見よ、竹とんぼ!」
「え、なんて?」
「竹とんぼ」
「いえ見ればわかりますが! それでどうやって戦うおつもりなのです!?」
「フッ、分からぬか。見よ、鞠!」
「天丼は3回までです!」

 ぜーはーとツッコミに息を荒げるはじまりの猟兵に、オニバスはニヤリと笑って言明した。
「遊べ!」
「ええっ!?」
 瞬間、はじまりの猟兵の体に電撃が走る! 彼女の意識界すべてにほんわかとしたお花が咲き乱れ、のんびりとした音楽とかぐわしい薫りが漂ってくるような気がする! なんだかとても楽しい気分に……そう、遊びたくて仕方がないようなウキウキした気分になっていくではないか!
 まさにこれこそが恐るべきオニバスのユーベルコードの威力だったのだ。おもちゃを見たものはこれで遊ばずにはいられなくなるのである!

「わぁい……竹とんぼですぅ……」

 はじまりの猟兵と言えども例外ではなかった。ぼうっとした目付きになった彼女は、フラフラと竹とんぼを手に取ると、手の間に挟み、ぎゅんと揉み回し………飛ばせた。
 ──ものっそい勢いで地面に向かって!!

「何ィ!?」
 さすがにオニバスも驚愕せざるを得ない! 超高速竹とんぼはギャリギャリギャリと土煙を上げるほどの威力で地面を抉る。そして次の瞬間……地面から次々と竹槍が飛び出してきた!
「なんだとぉ!?」
 おお、これはまさしく、あらかじめはじまりの猟兵が戦場いっぱいに仕掛けておいた罠に相違なし。その罠が、地面を叩く竹とんぼの超絶な勢いにより誤作動で発動してしまったのだ!
「お、おい、竹とんぼやめろ! やめるのだ! 鞠で遊ぼう、な!」
 慌ててオニバスの出した指令に応じ、ぽややんとしたまま、はじまりの猟兵は鞠を手に取り、付こうとし……大地が割れるほどの激烈な勢いで叩きつけた! その反動でまたも罠が誤作動! 仕掛け弓が雨あられとビュンビュン飛んでくる!

「な、なんということだ……まさか……はじまりの猟兵が、竹とんぼも鞠も上手くできないほど|不器用《ぽんこつ》であったとは!」

 ほわんほわんほわん……(回想終了SE)
 ……というわけである。

「くっ、このままではいかん。よし、こうなったら!」
 凄まじい憩いで襲ってくる罠の数々に、オニバスは固い決意を決めた!

「殴る!」
 殴った!
 
 ……最初からそれでよかったのでは?

「うむ……人生とは難しい。すべてが修行だな」
 しみじみと思いを馳せるオニバスの傍らで、子狐はこゃーんとのんびり、オニバスのお昼ご飯であるおにぎりを食べていたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒影・兵庫
(「猟兵でも死んだらオブリビオンになるのね。ま、ポンコツらしいしさくっと倒しましょ」と頭の中の教導虫が話しかける)
油断大敵です!せんせー!
(「ほーん?んじゃ黒影はどう戦うのよ?」)
まずは{要塞蠍}に搭乗!
次にUC【煉獄蛍】を発動し火計兵さんに戦場を火の海にしていただき
俺たちは常温の炎の壁と『念動力』で作った空気の壁と『火炎耐性』付き『オーラ防御』壁と要塞蠍の四重壁で熱を遮断し籠城!
敵だけ火あぶりにします!
(「黒影…やっと要塞蠍の正しい運用をしてくれるのね!アタシ感激!」)
今回ばかりは慎重に慎重を重ねないと!俺たち以外は灰も残さず焼却です!
(「そうね!そうしましょ!これからもそうしましょ!」)



『そっか……猟兵でも死んだらオブリビオンになるのね』

 黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)の頭の中で響く声は、彼の脳内に寄生し彼を導く、師にして慈母のような存在、教導蟲スクイリアのものだ。
 戦場で対峙した「はじまりの猟兵」。その相手を認識し、スクイリアの心中に、今までにはなかった感情が微かに蠢き始めていた。

「せんせー? どうかしましたか?」
 いつものスクイリアとは少し違う声のトーンに気づいた兵庫は不思議そうに脳内の彼女に語り掛ける。だが、スクイリアは薄く笑って、何でもない、と軽く答えを返した。

『ま、相手はポンコツらしいし、さくっと倒しましょ』
「ですが油断大敵です! せんせー! 相手は歴戦、舐めてかかることはできません!」
 元気いっぱいに、しかし気の緩みもなく敵を軽視もしない、そんな兵庫の姿に、スクイリアは嬉しそうに問う。
『ほーん? んじゃ黒影はどう戦うのよ?』
「はい、まずは……」

「こ、これは!?」
 はじまりの猟兵は、眼前に現れた偉容に、仮面の下の目を見張った。それこそは巨大にして重厚、あらゆる攻撃を遮断しあらゆる目標を破断する無言の意思を込めた、鈍く光る鋼の姿。サソリの姿を模したキャバリア、要塞蠍である! 
「いかなる罠が仕掛けてあろうとも蹂躙するのみです!」
 搭乗する兵庫の操作の下、要塞蠍は轟音を立てて大地を進軍し、空気を引き裂いていく。地面の下に隠されていたであろう罠の数々を、あまりにも哀れなほどに軽く破壊しながら。
「今の時代の猟兵はこんなものを使うのですか!?」
 うろたえつつもはじまりの猟兵はライフルを連射、しかし無論通じぬ! 軽い火花を散らすのがやっとというありさまで、虚しく銃弾は弾かれ続ける。

 そう、兵庫には傷一つ付けられぬ。この要塞蠍の前では。
 それは、兵庫を溺愛するスクイリアにとって何よりも大切な要素。
 兵庫を傷つけないということが。
 兵庫を──死なせないということが。
 スクイリアに取っては、何よりも優先する事項で、
 ……「あった」。

(けど……猟兵と言えども、死ねばオブリビオンになる。それは。それは二つの意味を持つ……)
 愛し子の奮戦を見つめながら、スクイリアは思いを巡らせる。
 はじまりの猟兵がオブリビオンとなって戻ってきたという、新たに知った事実。それは。

(黒影が死んだらオブリビオンになってしまう。だから、絶対に死なせない──それが、一つ)
 それは今までの決意とさして変わらぬ。それをより強固な形にしただけだ。兵庫がオブリビオンと言う怪物になってしまうのを防ぐためにも、スクイリアは兵庫を守らねばならぬ。
 ……はず、だが。

(もうひとつは……『死んでもオブリビオンになって戻ってこられる』)

 それはスクイリアの中で愕然とするほどの価値転換に近かった。魂が軋み悲鳴を上げるほどの。
 スクイリアは。
 兵庫を死なせたくない、のでは、|ない《・・》。
 |失いたくない《・・・・・・》、のだ。
 失わずに済むのであれば。たとえそれがオブリビオンであっても、戻ってきてくれるのであれば。
 ──それはスクイリアの願いに最も沿うのではないか?
 ましてや……。

(オブリビオンになれば……不滅になる……一度倒されても、骸の海に帰ってまた戻ってくることができる……!!)

 ああ、だがそれはなんと悍ましい考えか! スクイリアは慌てて頭を振り、自分の考えを追い払った。
(違う、アタシは今まで通りでいい。兵庫が猟兵として元気に戦うのを護る、傷つけないように大切に。それでいい。いいはず……!)

「さあ、火計兵の皆さん、お願いします!」
 兵庫は勇躍して戦い続けている。
 煉獄蛍と呼ぶ虫たちを召喚し、全周を炎の海に包み込んでいるのだ。要塞蠍の強固な装甲、そして兵庫の念動力で作り上げた空気の壁やオーラの輝きが、彼ら自身を保護している。
「俺たち以外は灰も残さず焼却です!」
 天地をも滅ぼさんほどの灼炎業火が世界の怒りのように燃え上り、はじまりの猟兵を含むその中のすべてが薄紙のように燃え尽きていく。

『そうね、そうしましょ。これからも……そうしましょ』
 スクイリアは兵庫の言葉に和した。
 燃え盛る炎の中に消えていく世界のすべてを見つめながら。
 ──自分たち以外のすべては燃え尽きてしまえと願いながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】

うーん、ガッツリとポンコツ♪
ココはみっちり遊んであげないとねえ?

アタシは自動操縦中【ナインス・ライン】の肩に乗る
いくら姑息でも等身大の謀略ならキャバリアのタッパには無意味♪

むしろ【UC:ホーント・ガーディアン】開始
アタシの幻152体と自身の【ツィユィ】を以て
ポンコツ娘に相応しい153連の粒子爆発オチさ♪

なお群体支援による《瞬間思考力Lv1620》と生体電脳で
彼女を徹底解析、UCや直接攻撃は時間減速を集中させた上で迎撃さ
粒子防壁も153枚あるから不意打ち対策も万全で一切油断なし
「卑怯だ、せめて降りろ」?嫌だね♪

◆質問
2~5までアタシらの中に居たりしない?
いない連中は今後会う可能性ある?



「あの、物は相談なのですが」
「だめー」

 リーゼロッテ・ローデンヴァルト(|KKS《かわいくかしこくセクシー》なリリー先生・f30386)は、眼前の敵──はじまりの猟兵がおずおずと申し出た声を気軽に一蹴した。

「いえせめて内容を聞いてからでも!?」
「ここ降りてくれって言うんだろう?」
「……ええ、まあ」
「だめー」

 リーゼのにべもない否定は、はじまりの猟兵のはるか高みから降ってくる。そう、そこは無機質に輝く鋼の人知の結晶、聳え立つくろがねの城塞、『ナインス・ライン』──キャバリアの肩の上なのだ。そりゃあはじまりの猟兵の攻撃も届かないし、罠も効かないってなものである。
 まあせめてキャバリアサイズの落とし穴を大規模に掘れていれば、ある程度は結果が出たかもしれないが……。
 いかんせん、はじまりの猟兵は時代の違いからキャバリアの存在を知らず、落とし穴も人間大サイズのものでしかなかったので、普通に通じなかったのだった。

「今の猟兵はそんなものに乗ってるとか知らなかったです! 私も欲しいです! 降りてくれないなら私にもください!」
「割と無茶振りするねアンタ!?」
「だってかっこいいじゃないですか」
「まあうん。それは同意する。っていうか、古い時代の人なのにこの機体の良さがわかるのはなかなかのもんだよ。なんせ量産機ではあるけど出力とペイロードに惚れてねえ、しっかり手ェ入れてカスタムしてあるからね、量産機ゆえの機能性・生産性とワンオフとしての独自性を共に兼ね備えた一つの到達点であり、生体電脳連動機構の調整には苦労したけどそれだけに芸術的なバランスで」
「なんかのスイッチ入りました?」
「……くっ、危ないところだった! 危うく我を忘れて延々と語ってしまうところだったじゃないか。こんなところにも罠を仕掛けてくるとは、さすがはじまりの猟兵だね!」
「……いえ私は別にその……」
 今のははじまりの猟兵悪くないと思う。まあ、時間を操れるがゆえに超高速思考できてしまったリーゼならではの早口と言うか。
 
「じゃあ話聞いてくれた礼だ、ココはみっちり遊んであげないとねえ?」
 WOOON! 重低音のエンジンの唸りが虚空に響き渡り、ナインス・ラインは大地を揺るがせて怒涛の進撃を開始した!
「きゃーっ!? なんか身に覚えのない怒りを買っている気がします!?」
「ふははははー! ポンコツ娘がゴミのようだー!」
 ナインス・ラインは突き進む! 坂の上から転がってきた巨岩を軽々と蹴り飛ばし、木々の間から襲ってきた丸太を粒子防壁で弾き飛ばして、すべての罠を突破していく! その様はまさに無人の荒野を征くが如しだ!

 必死で逃げ惑うはじまりの猟兵の前に、その時幻影のように浮かび上がる人影! おお、それはまぎれもないリーゼのものだ! だがなぜ?リーゼは今、背後のナインス・ラインの肩の上にいるのではなかったか?
 驚愕し周囲を見回すはじまりの猟兵の視界に、次々と亡霊のように現れる──無数のリーゼ! 右に、左に、上に下に。空間を埋め尽くすほどに現れるリーゼの、くすくすと漏らす狂的な笑みが多重に反響しあって、悪夢のように世界に響き渡る! なんか悪役っぽい演出のような気もするが!
 それはリーゼにしてリーゼにあらぬもの、質量をもった幻影だ。称して曰く、──『|Op.NULL:HAUNT GUARDIAN《ホーント・ガーディアン》』!!

「さあそろそろ追いかけっこはおしまいかな? きれいに吹きとばしてあげようじゃないか。もしちょっとでも残ったら……そうだね、アタシがイジってあげてもいい。『はじまりの猟兵』のカラダ、興味がなくもないからねえ、どっちの意味でも」
「あわわ……ど、どっちの意味でもご遠慮申し上げたく……」
「じゃあトンじゃえ」

 次の瞬間!
 虚空をつんざき天地を揺るがせる轟音と爆炎が無限に連鎖連環し炸裂した! 地盤が覆り雲が吹き飛ぶ! 空間そのもの滅ぼし尽くすかとさえ思われる、とめどなく終わらぬ業爆は、リーゼとその分身たちの巻き起こした153連粒子爆発だ!

「いやあああああオーバーキルですぅぅぅぅ!!??」

 その凄絶なる破局のあとで、およそ形あるものが残っているはずもない。
 リーゼは虚無と化した跡地を見て、ちょこんと頭を小突いたのだった。

「あー、2~5までアタシらの中に居たりしないか、とか、いない連中は今後会う可能性あるか、とか、聞けばよかったな。……まあいっか、どうせこの場では答えられなかっただろうし」

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

はじまりの猟兵……えっ?
いや自分でぽんこつアピールする奴に碌でもない奴しか思い当たらないんだけど!?
なあお前さん、実は本名ジェスターとかゼルデギロスとか言わねぇ?
っても当たってるかどうかすら分からねぇもんなぁ。
しっかしどうしたもんか……あ。
ポンコツでも卑怯な手を使ってくるなら久々にあの手を使うかな?

「くっ、なんて悪辣な手を……!」
と『コミュ力』マシマシで怖がりつつ、仕掛けられたトラップの弱点をテレパスと舌戦で『情報収集』。
ついでに逆用できそうな罠まで探って【弱点特攻作成】し、その罠へ連続攻撃を『おびき寄せ』るよ!
……ぶっちゃけボコるのすら罠に思えるのが怖いよホント。



「アタシさあ、自分でぽんこつアピールする奴に碌でもない奴しか思い当たらないんだけど?」
「待ってください、風評被害です! 私別にぽんこつじゃないです!」

 数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)の疑わしそうな目に、はじまりの猟兵は必死で抗弁した。実際、はじまりの猟兵は、自分で自分がぽんこつだとは言っていない。ただ明らかに確実に明確にどう見てもポンコツだろお前としか思えないというだけで。

「ほんとにぃ? お前さん、実は本名ジェスターとかゼルデギロスとか言わねぇ?」
「私の本名はそんなのじゃありませんよ?」
「じゃあなんていうんだい?」
「えっと……|土師《はじ》・|真理乃《まりの》です」
「嘘つけえええ!???」
「うわああん、だから今は私まともにお話しできないんですってばあああ!!!」

 泣き出すはじまりの猟兵だが、実際どこまでが真実なのか、客観的に確認する術がないのが困ったものなのである。もしかしたらほんとに土師・真理乃が本名なのかもしれないし!

「いやそれはねえから。もしそうだったら鼻でスパゲッティ食いながら目でピーナッツ噛むから。……にしても、なまじ会話はできるが真実性が担保できねえってのは、話できないよりも逆に厄介だねえ」
「ですので、私をやっつけてください。そしたらお話しできますので」
 むー、と多喜は眉根を寄せた。
 正直、『それさえも偽りなら?』という懸念自体も捨てきれないのである。
 仮に、この『はじまりの猟兵』を倒すこと自体に、何らかの悪意のある計画が隠されているとしたなら?

「まあ……はじまりちゃんをぶっ倒せば第二から第五猟兵までの情報が得られるってこと自体は、グリモア猟兵が予知を見てるわけだ。グリモアまで欺けるかってえと、そんなことはない、とは思いたいがねえ」

 全てを信じこむものもすべてを疑うものも同様に道に行き詰まるものだろう。そうはわかっていても、多喜はある程度、疑心暗鬼の念が濃くならざるを得ない──そんな故郷の環境があった、ということはひとつの事実であった。

「とはいえ、ここで悩んでても仕方ねえ。よし、はじまりちゃん、悪ィけどぶっ倒させてもらうよ!」
「はい喜んで! じゃあ卑怯な手を使いますね!」
「だからもうそういう会話がわけわからねえんだよ! ……ちなみに、どんな卑怯な手なんだい? ちゃんと引っかかってあげるためには、内容を知らねえとだからさ」
「わあ、引っかかってくれるんですね? はい、落とし穴です。すぐそこに掘ってありまして、中には納豆が敷き詰めてあります」
「エグっ!? 納豆かよ!? そこは小麦粉とかさあ!?」
「小麦粉にはちょっと嫌な思い出があるので……具体的には前のほうのリプレイをご覧ください……」
「あー? ……ああ、紅葉かぁ……何度か落ちてんだね……」

 っていうか多喜も何普通に聞いてんのって感じだし、はじまりの猟兵も何普通に答えてんだって感じではあるが、しかしこれこそが恐るべき多喜のコミュニケーション能力! そのさっぱりとして爽やかな明るい世話焼き姉貴分体質は、誰であっても自然に好意を持たずにはいられないのだ。
 ……あとはまあ、はじまりの猟兵は卑怯な手を使うとはされているが、それを隠すとはされていないので。人それをぽんこつと言うのだが。

「んー、具体的なことが知りたいな。はじまりちゃん、その場所に案内してくれねえ?」
「いいですよ、ちゃんと落ちてくれます?」
「はっはっは、ダメだよはじまりちゃん、人を疑っちゃ」
「そうですね、うふふ。えっと、そこを前に三歩行ったところです」
「えーと、この辺かな?」
「あ、もっと右ですね。右ってそっちじゃないですよ、お箸を持つ方ですよ? ほら、こっちの……あ」

 あ。
 って。

「きゃあああああ!!!??」
 うん、そりゃ落ちる。
 一応擁護するとさすがにはじまりの猟兵もそこまでぽんこつなわけではなく、多喜がユーベルコード『|弱点特攻作成《カニングクラフト》』を使用して精巧な地形のカモフラ―ジュを行っていたために距離感覚が狂ったのである。何度か落とし穴に落とされたはじまりの猟兵の弱点は、まさに落とし穴自体だったのだ。
 ……それがぽんこつそのもの? うんそうだね。

「いやあああ……納豆……ベタベタああ……ふええええ……」
 穴の底から響く、しくしくとむせび泣くはじまりの猟兵の声を聴きつつ、多喜は改めて思うのだった。

「人を疑うって、哀しいよなあ……」

大成功 🔵​🔵​🔵​

荒谷・つかさ
……弱いもの虐めは趣味じゃないんだけど。
まあ、必要なら仕方ないわね。
ええ、仕方がないのよ。
(丸太を軽々と素振りしながらエントリー)

罠を仕掛けてくるなら、地形ごと全部ぶっ壊せば良いわね
ということで【荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし】発動
「怪力」でハイジャンプして高さを稼ぎ、「怪力」任せに丸太を地面に叩きつけて地形を粉砕
罠も何もかも更地にする
あとは使い物にならなくなった丸太は放り投げて「怪力」任せのステゴロに突入
最初から最後まで、真正面からパワーで圧倒するわ

心が痛む?安心なさい。
卑怯も、姑息も、きったねぇ手も。
全部、力尽くでぶち壊せるから。



「……弱いもの虐めは趣味じゃないんだけど……」

 どかーんどかーん!!
 濛々と巻き上がる土煙! 凄絶に響き渡る爆裂音! 大地を揺さぶる激しい振動!
 おお、誰が見ても明らかだ! 10㎞先からでもわかるだろう、それこそが……荒谷・つかさ(|逸鬼闘閃《Irregular》・f02032)のダイナミックエントリーであることに!

「まあ、必要なら仕方ないわね」

 爆裂! 爆散! 空間がひしゃげ潰れるかのような重圧! それはつかさが勝手に軽々とひっさげぶん回す、巨大な丸太の巻き起こす衝撃に他ならなかった!
 学校帰りの小学生が、いい感じの小枝を振り回しながら下校する、あんな感じをご想像いただきたい。
 ……もっとも、つかさが手にしているのは、全長10数mはあろうかと言う巨木を根こそぎ雑にひっこ抜いた代物であったが。
 ねえ、僕、ここで振り回されるために千年生きてきたのかな。そんな巨木のため息が聞こえるようである。悲しいことだ。だがこれも運命である。

「ええ、仕方がないのよ。ということで、潰れてね?」
「えっ、それにハイって答えなきゃいけないんですか私!?」
 畏れ戦慄くはじまりの猟兵の眼前に存在するのは、つかさと言う名前の、形を取った『力』そのもの、人の形をした『暴』それ自体だ! 
「いえ、はいって言ってくれてもくれなくてもどっちでもいいのだけど……どっちにしろ潰すし」
「わあ対話不可能系……し、しかし! 私だってむざむざやられたりはしませんよ!」
 
 さすがに歴史の扉を開いたはじまりの猟兵、普通ならまずSANチェックをしなければならないようなその現状にあっても、彼女は雄々しく立ち向かうことを選択した!
(ふ、ふふ。逃げるふりをして落とし穴におびき寄せてですね……)

「でえりゃあああああ!!!!!!」

 次の瞬間、地球がなくなった。
 ……ように思えた。
 まあ、それに限りなく近かったが。
 ではそのプロセスを見てみよう。巨木をぶん回しつつ天空高く雲間の果てまで跳躍したつかさが、まっしぐらに大地へ巨木を叩きつけたことにより、──そこらへん一帯の地面が丸ごと、巨大クレーターのごとく抉れて消し飛んだのだ! あたかも恐竜を滅ぼしたユカタン半島のアレのように!
 そう、これぞ怪力1716のもたらす秘奥義、『|荒谷流重剣術奥義・稲妻彗星落とし《ライトニング・シューティンスター》』に他ならない!
 この時消し飛んだ大地の欠片が雲を覆い、しばらくこの地方は日光が差さなくなったと伝えられる! これが俗にいう「つかさの冬」である!

「……わーい……落とし穴なくなっちゃいましたあ……」

 もちろん地面ごとなくなったのだから、落とし穴とかそういう次元ではない! というかそれで何とか生きてるはじまりの猟兵もさすがである!
「で、でもこれであなたには武器がなくなりましたよ……!」
 残されたほんの僅かな勇気を振り絞って、はじまりの猟兵は震える拳を握る。
 彼女の言う通り、さすがにそれほどの凄まじい破壊力には、見上げるほどの巨木であっても耐え切れるはずもなく、地面と一緒にきれいさっぱり消滅していたのだ。僕、ここで消えるために千年生きてきたのかな。そんな巨木のため息が聞こえるようだが、仕方がないのだ。
 だが、……悲しいことに、つかさには何の動揺も見られぬではないか。

「あー、そうね。一本なくなっちゃったわね」
「……一本?」
「あと5,6本持ってきてるし」
「いやどうやってです!?」
「手で」
「そうじゃなくて、こう、持ち方と言いますか!?」
「今届くわ」
「……届く?」

 と、はじまりの猟兵が聞き直した時。
 はるか天空の彼方から雷鳴のつんざくような音を立て、全長数十mの……先ほどと同程度かそれ以上の巨木が天頂真上から降り注ぎ、大地にまとめて突き立ち林立したのだ!
「……わー。この時代では、木って降ってくるんですねー……」
「さっきまとめて引っこ抜いて、空にブン投げ上げておいたの。大体このくらいのタイミングで落ちて来るだろうと思ったわ」
「よく衛星軌道に乗らなかったですねー……」
「あらそういえばそうね。今度からは気をつけないと」
 つかさはにっこりと可憐に微笑みを浮かべ、愛らしく小首をかしげる。

「……で、まだやる?」
「……せめて、痛くなくしてくれると嬉しいです……」
 泣き笑いのような声を漏らすはじまりの猟兵に、つかさは柔らかく微笑んで、──痛くなくしてあげたのだった。優しいね!

大成功 🔵​🔵​🔵​

有坂・紗良
アドリブ絡み諸々歓迎

なんか物々しい感じで出てきた割に拍子抜けっスね

ところでいいライフル持ってるっスねぇ、ちゃんと動くんだったらアンティーク物としていい価値出そうで…
でもね、でもっスよ、時代は進むし銃器も兵器も進化するんスよ
つーワケで近代化の波をとくと味わうといいっス

まずは最新鋭アサルトライフルによる一斉掃射!
お次は担いできたフルオートショットガンによるばら撒きタイム!
最後にダメ押しのドローン爆撃!
どんな罠かは知らないけど、全部弾と爆薬で吹っ飛ばしちまえば無問題っス

悲しいかな戦争も進み続けてるんスよ、骨董品担いで勝てる程甘くはないんスよね…
いやでもアレ欲しいな…後でもらえないかな…



「それ! それどこのっスか!?」
「え? どれですか!?」

 出会い頭にいきなり食いついてきた有坂・紗良(天性のトリガーハッピー人間・f42661)の勢いに、はじまりの猟兵は思わずたじろいだ。構わず紗良は相手に飛びつき、半ば奪い取るかのように目的のものを手に取った。すなわち、はじまりの猟兵の持つライフルである。

「いやぁいい味わいっスねえ! このウッドストックの使いこまれていながらちゃんと磨かれてるのがわかる輝きがたまんないっスよ! ウォールナットかなあ、いいなあ……アルミストックとかもね、もちろんいいんスけど、やっぱこのウッドの質感は別格っスよねえ! あたたかあじ! それがあるっス、職人の手作り感と言うかね」
「アッハイ、ありがとうございます……?」
 ……なんかはじまりの猟兵、若干怯えてないかなって。
「機関部もちゃんと油注されててサビ一つなく……うひゃ、このボルトいい作動音! この高く澄んだ金属音たまんねっス!」
 と、浮かれまくっていた紗良だったが、しかしその時、不意に真顔に戻った。

「……でも、これ戦場に持ってきてるってことはっスよ、動作品っスよね。これで戦うんスよね」
「そ、それはもちろん……」
「何考えてんっスか!」
「えええ今度はダメ出し!?」

 絶賛から一転、厳しい口調で叱られたはじまりの猟兵はかんぜんにこんらんしている!

「こんな貴重なアンティークを実戦に使うとか、もったいないにもほどがあるっス! ここまでの芸術品はちゃんと博物館とか、そうでなくてもきちんとした収蔵家の人のところで安らかな余生を送らせてあげるべきなんっスよ!」
「いやでも……私これがないと武器がなくなっちゃうので……武器がないと私死んじゃいますし……」
「アンティーク銃と自分の命とどっちが大事なんスか!」
「命ですよぉ!?」
 ……なんか紗良も大概アレなアレである。

「いやでもこれで戦うのはガンマニアとしてボクは許せないっス! 仕方ないので、ボクの持ってきたサブアームを貸してあげるっスよ! はいこれ! ちょい前のッスけどね、やっぱ戦場ではコンバットプルーフ、信頼性が優位かなって思うんっス。いつの世も性能と信頼性はトレードオフなのが悩みっスよねえ……」
「え、えええ!? あ、ありがとうございます……?」
 ほらわけのわかんない流れになってきた。
「じゃあこれで戦うっスよ。いいっスね? じゃあ始め!」

 ということで始まった。いや始まっていいのかな。
 ともあれ、戦場の両端に分かれた紗良とはじまりの猟兵の激しい撃ち合いだ! 硝煙のにおいが立ち込め甲高い銃声が響き渡り、大地や木々に弾痕が刻まれる!

「ヒャッハアアア! 生きてる!生きてるって感じっスよぉ! ねえそう思うでしょお、はじまりさんんん!?」
「いえ私オブリビオンなのでもう死んでるんですがああ!!??」
「じゃあ生き返るって感じだ! 最高っスね射撃はあああ!!!」

 なんかもうダメじゃないかな。
 とはいえ、徐々に差が付き始めた。当然と言えばあまりにも当然だが、紗良の方が優勢になっていっているのである、そりゃあ、はじまりの猟兵も、今渡されたばっかりで習熟もゼロインもしてない銃でまともに戦えるわけないじゃん!
「あれっ私だまされましたか!?」
 いやまあ120%紗良は善意だったのだと思うが、……ただその場の勢いとノリが突っ走ってしまっただけじゃないかなって……。

「さあさあどうしたんスかああはじまりさんん! お次はなかなか珍しいっスよ、フルオートショットガンを御覧に入れるっスよぉぉぉ!! そして最後はぁ!」
 紗良はおもむろにUCを発動する。それにより召喚されたものとは、現代の戦場における革命ともいうべきアイテムだ。はじまりの猟兵はおそらく存在を知りさえしないであろう、それこそは。

「ドローン爆撃っス!! |特攻小隊出撃《スウォームチームロールアウト》っ!!」

 無数のドローンは空を埋め尽くしはじまりの猟兵の陣地へと殺到! これに対応するだけの手段はもはやはじまりの猟兵にはない!
「きゃーっ!!!!???」
 凄絶な爆撃が開始され、あたり一帯は原始時代に戻ったかのような様相を呈したのだった。
 その惨状から目を背け、紗良は静かに祈りを捧げる。

「同じ銃好きとして残念でしたっス……でも、現代の新しい銃の醍醐味を感じることができたんなら……はじまりさんもきっと本望っスよね……」
「いや私別に……そこまでのガンマニアではないです……がくっ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
守護霊の憑依【ドーピング】の強化に加え
元猟兵かつ卑怯な相手に『絶対零度の業火』が滾る
特に精神攻撃には【気合い】爆発
ブチ切れてるからこそ、冷静・確実に殺す

炎の【属性攻撃・矢弾の雨】で罠もろとも
爆破・焼却する【全力魔法・範囲攻撃・地形破壊】
【火炎耐性】で私は無傷

敵の位置も爆炎に紛れての攻撃も
【第六感・索敵・読心術】で【見切り】
【念動力】で指をへし折る【武器落とし】

念動力で引き寄せ
【怪力・功夫・カウンター】の手刀で【串刺し】
【多重詠唱・高速詠唱・衝撃波・乱れ撃ち】で爆散させる

戦場では何でもアリと言ったのはお前よ、天然ポンコツ腹黒娘
私は過去を切り捨てない道を選んだ第2の骸の海だけど
お前を救う気は無いわ



 寂寞の荒野に渺茫とした風が吹いたようだった。
 厳冬を思わせる寒風が。いや、極北を感じさせる冷気と言うべきか。
 その凍てつくような大気はただ一人、戦場に立つ孤影からもたらされているのだと、その場にいたもう一人──はじまりの猟兵は悟る。
 ためらいがちに、はじまりの猟兵は声を掛けようとした。
「あなたは……」

「囀るな」

 ただ一言、断ち切るような声がする。いや、それは「声」であっただろうか。「音」と言うべきではなかったか。
 そう、大地の底の暗渠から、あるいは虚空の彼方、光が消え果てる絶地から滲み出てくるようなその音を、人の喉と唇が発することができるなどと思えるだろうか。
 ましてや思うまい、その影が誰かを知るものであるならば。それが、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)の声であろうなどとは。

 ドゥルールの声は甘く滴るような美酒の響きであるはずだった。風に遊ぶような玲瓏の美曲であるはずだった。
 だが今は。
 ──そこに渦巻くは、憎悪。憤怒。激情。悲哀。慨嘆。……そして怨念。
 その圧倒的なまでの拒絶に、はじまりの猟兵は息を飲み、僅かに後ずさる。

「お前に聞くのはただ一回。お前が口をきいていいのもその一回。心して答えなさい」

 ドゥルールは虚空を軋ませるような口調を供に、ゆっくりと振り返る。その瞳はもはや特定の対象を映し出してはいないようだった。彼女の目に映るのはただ──世界のゆがみ、理のひずみ、それだけだ。
 ドゥルールは一言一言、区切るように、問う。

「お前は。──はじまりの。──猟兵なの?」

「はい、私はそう呼ばれているもので……」
 その言葉は終わることを許されなかった。
 結尾に至る前に、凄絶な手腕の一撃がはじまりの猟兵の胴殻を撃ち抜いたからだ。

「がああああっ!!?」

 仮面の奥から血反吐を噴き出しながら、はじまりの猟兵は嵐の中の木の葉のごとくに吹きとばされる。
 その前に、ゆらりと幽鬼のごとき影を引きずってドゥルールが立つ。

「お前は骸の海から来た。だから、第二の骸の海ともいうべき私は一応確かめなければならなかった。お前が……|そう《・・》なのかどうかを。本当に|そう《・・》なのかを。けれど、確かだった」
 ドゥルールの髪が荒ぶる風に嬲られて踊る。冷ややかな彼女の言葉とは裏腹の、その内心の激しい感情を表すように。

「はじまり。そう──お前が始めたのね。お前がすべての原因なのね。お前がいたから何もかもが生み出された。お前が。……お前が!! はじめた!!!!」

 痙攣しつつ立ち上がりかけたはじまりの猟兵を、今度は暴風のごとき勢いで叩きつけられたドゥルールの蹴りが籾殻のように弾き飛ばす。
「ぐはあっ!!」
 もんどりうつはじまりの猟兵に、狂瀾波濤、猛然とドゥルールは襲い掛かる!

「ならば死ね。全ての悲しみに、すべての怒りに、すべての犠牲者にその血と臓物を捧げて死ね……!」
 そうだ、そのものがいたからこそ何もかもが始まった。悲劇も惨劇も涙も絶望も孤独も、すべてが。すべてが!
 
 頭蓋を一砕きにせんばかりの勢いで振り下ろされた踏みつけを危うくはじまりの猟兵は横転して回避する。荒い息をつきながら、それでもはじまりの猟兵は掠れる視線を相手に向けた。

「……確かに、私は罪を犯したのでしょう、それを認めます、ですが」
「喋るなと言ったわ」
 太陽さえも焼き尽くさんばかりの業火が空の果てより降り注ぎ大地を砕いて燃え上がらせる! ドゥルールの心の奥底、魂の慟哭自体が形を取った、それは縷々溢れる血涙の代わりの炎だ!
「あああっ!!!」
 轟炎に巻かれてはじまりの猟兵は周り灯篭のように舞う。灼炎と黒煙に翻弄され、焼き尽くされていきながら。その姿はあたかも運命の手に弄ばれる人々の姿の象徴のようでもあった。

「ああ、母様……私はどうすればよいのでしょうか。私の中の愛する友たちよ、私はどうすればいいのかしら。私は、この屑を──」
 燃え上っていくはじまりの猟兵と、世の終わりのように吹き荒れる炎の嵐を背景に、ドゥルールは歌うように祈った。陶然としたその表情は、もはやこの世界の理の外を見つめ、そこに揺蕩っているかのようでもあった。

「──一秒でも早く殺したくて仕方がないの。でも、同時に……一秒でも長く生き延びさせ、徹底的に苦しめ抜いてたっぷり嬲り殺しにもしたいのよ。困ったわ、ねえ、どうすればいいのかしら、ねえみんな、教えてほしいわ、私の友たち……!」

 ドゥルールの声はそのとき。
 鏡のような湖畔の上を流れていく銀糸の琴の音のように、美しかった。
 まぎれもなく、この世のものならぬほどに、美しかった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ビスマス・テルマール
まさか話に聞いていた始まりの猟兵さんが、こうしてある種の試練として、ならばわたしも、出来る限……

何か緊張感の欠片もない気がしますね

●Pow
貴女の戦い方に対しては
わたしなりの戦術で
姑息な手を使う暇は与えません!


『早業』で『属性攻撃(重力)&オーラ防御&結界術』込めた『誘導弾&レーザー射撃&エネルギー弾』の『弾幕&範囲攻撃&一斉発射』で『盾受け』壁を作り『ジャストガード&受け流し』時間を稼ぎつつ『早業』UC発動

なめろう『料理』への情熱と意志の力にで強化された『空中戦&推力移動』で撹乱

弾幕の壁も生かし『第六感』で『見切り』回避

【なめろうフォースセイバー】で『怪力&鎧無視攻撃&2回攻撃』

※アドリブ歓迎



「まさか話に聞いていた始まりの猟兵さんと出会えるなんて感激です!」

 ビスマス・テルマール(通りすがりのなめろう猟兵・f02021)は純粋な澄んだ瞳をキラキラと輝かせて目の前の相手を見つめた。その視線には敬意と礼節と感動が満ち満ちている。まるで推しに会えたファンのように。

「そう、これはきっと後輩を鍛えるためのある種の試練なのですよね! このビスマスもまだまだ未熟ものではありますが、はじまりの猟兵さんにお会いできた以上、出来る限りのことをする覚悟でこの身をなめろうのように粉骨砕身することを惜しまない決意です!」
 ビスマスの、その率直にして素直な好意を前に、はじまりの猟兵は──

「いやそんな、それほどのものじゃありませんよ、えへへ。私なんてただ、なんかはじまっちゃったなーって感じではじまっただけの、はじまった的なはじまりでして、えへへ」

 ……なんか照れていた。爆照れしていた。身をふにゃふにゃもじもじとさせ、身をよじるようにして。

「……何言ってるかよくわかりませんが緊張感の欠片もないのはわかりました……」
 ビスマスの目が微妙に痛々しいものを見るような温度になる。確かにそのはじまりの猟兵の姿には、あんまり伝説オブ伝説なあのひと的な威厳とか尊厳とかはない。っていうかクネクネしてて、むしろ微妙にキモい。

「キモくないですよ!? ねえビスマスさん!? 私キモくないですよね!?」
「……あー、なんか風が気持ちいいですね?」
「露骨に話逸らされました!?」
 仮面の奥でよく見えないが、ちょっと涙目になってる気がするはじまりの猟兵。
「うう、私照れ屋なので……あんまり直で褒められるとどうしたらいいかわからなくなって意識がどっか飛んでいくんです……」
「た、大変ですね?」
「この仮面も実はそのテレを隠すために付けていて」
「そんな理由で!?」
「まあ嘘なんですけど……」
「嘘なんですか!?」
「すみません、今の私はオブリビオンなので。本当のお話がなかなかできないんです!」

 そういえばそんな設定だったっけ。
「なので、猟兵さんにはぜひ私をやっつけていただいてですね」
 と言いかけたはじまりの猟兵を、ビスマスは片手で制し、ふと考え込んだ。
「いえ待ってください、何か今いい考えが浮かびそうな気がします………」
 うーん、と悩んでいたビスマスだったが、ややあってポンと手を叩く。

「そうだ! 何も無理に戦わなくても、そのままで本当のことを言える練習をしてみるというのはどうですか?」

「……練習?」
 きょとんとするはじまりの猟兵に、ビスマスはにっこりとして──フォースセイバーを突き付けたのだった。

「……な、なめろう……ですか? それは一体……?」
 先ほどから少し後。戦場近くの海の上で、ビスマスははじまりの猟兵を背に乗せ飛行していた。そのビスマスの全身は、鮪・アボカド・バナナの三種の鎧装で覆われるという芸術的な姿だ! 
「なめろうは世界で最も美味しく素晴らしい料理です! ぜひそれをはじまりの猟兵さん芋食べていただきたく! そしてなめろうは新鮮な食材が命ですのでね、こうして海までやってきました……さあ漁の始まりですよ!」

 ビスマスのある意味での戦いが始まった! その手練の早業で繰り出した誘導弾とレーザー弾が、波間に遊ぶ魚たちにジャストヒット! 跳ね上がるところを素早く飛翔し掬い取っていくのだ!
「これだけ獲れたらもういいでしょう……さあ料理に移ります!」
 続いてビスマスは、獲れた魚たちをフォースセイバーを振り回し、鮮やかに捌いていく! 熱量で魚の新鮮味が失われてしまわないように細心の注意が必要なその行為を、ビスマスは苦も無くやってのけるのだ。
 そして、ここからがなめろうの真髄! 三枚おろしにした魚を、怪力を振るってトントンと叩き潰していく・
 魚の身がねっとりと美味しそうな粘り気があるまで潰せたらなめろうの出来上がりである!

「さあ、召し上がってください! そして感想を聞かせてください!」
「こ、これは……!」

 一口含んだはじまりの猟兵の声の色が鮮やかに変わる。仮面の奥で表情はわからないが、その感情は間違いなく……満足感だ。

「お、美味しいです、ビスマスさん!」
「ね、『本当のこと』が言えたでしょう? なめろうはやっぱり、世界を結ぶ絆になるんです!」

 新鮮な魚の味をたっぷりと愉しみながら、ビスマスとはじまりの猟兵は和やかな食卓を囲んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルエリラ・ルエラ
【アドリブ改変・連携歓迎】
ふっ…この美少女エルフルエリラちゃん様が来たからには好きウボァー!?(落とし穴に嵌る)
おのれおのれおのれ…卑怯な真似を!この天才美少女エルフ私じゃなかったら死んでいたところだよ(這い上がりながら)
あ、ブーツで飛べるじゃん私、とんどこ(ふわぁ…)

狡猾な落とし穴で私を嵌めるとは怒ったよ!
こうなったらなにかやられる前に〈メカ・シャーク号〉でまっすぐいってぶっとばす!
全速前進!メカシャーク号フルスロットルダッシュだー!
そして接近したら【芋煮アタック】でボカーンだよ!あとはもう芋煮鍋とゴボウでタコ殴りで全て解決!
ぶい!



 はじまりの猟兵は、しょんぼりとした顔でうなだれ、反省していた。

「うう……やはり罠を仕掛けるのはあんまりよくないのでしょうか……」

 このシナリオ中に多くの罠を仕掛けたはじまりの猟兵であったが、それがうまく発動したことはあんまりない。むしろ、自分の方がハマってしまう……というか、ハメられてしまうようなことばっかりだったのである。罠が悪いっていうか、はじまり本人が悪いんじゃないかなって言うのはとりあえず置いておく。
「やっぱり落とし穴とかよくないですよね。うん、そうです、やめましょう!」
 決断したはじまりの猟兵は、さっそく落とし穴の上にでかでかと注意書きを立てたのであった。

『ここに落とし穴があります』

 何とわかりやすいことか!
「全部埋め戻すのは大変ですから、ひとまず応急的に……うん、これで間違ってここに落ちる人はいないでしょう! さあ、次の落とし穴にもこれを立ててこないと」
 上機嫌で立ち去るはじまりの猟兵。
 ……無論読者諸氏におかれては、この後の展開が容易にご想像出るであろう!
 そしてその御期待を裏切らない相手がやってきた。鼻歌まじりでトコトコと現れた、ルエリラ・ルエラ(芋煮ハンター・f01185)である。
 ルエリラはふと眼前の立て看板に目を止めた。

「なんだって、『ここに落とし穴があります』? ……ふふん、卑怯な罠を使うっていうのはこのことだね! この超絶天才美少女エルフである私には全部お見通しなんだよ。つまりだ!」
 ルエリラはドヤっとした表情でビシッと看板を指さす!

「ここに落とし穴があると思わせてわざと迂回させたところに、実は本当の落とし穴があるって計画に違いないね! つまり、──ここには落とし穴はないんだよ! ああ、時々自分の才能が怖くなるね! 世界はどうして私にだけこんな素晴らしい頭脳を与えたのか……まったく選ばれしものであるということは孤独でつらいものだね……」
 かくて、ルエリラは自信満々に一歩を踏み出して。

「ウボァー!?」

 お約束でした、皆様お楽しみいたでしょうか。

「おのれおのれおのれ……卑怯な真似を! 絶対に許さないよはじまりの猟兵!!!」
 真っ黒の泥まみれになって呪いの言葉を吐きながら目の前に現れた謎エルフの姿に、はじまりの猟兵は恐怖する!
「えっなんです!? 何がどうなって!?」
「よくもこの天才美少女エルフたる私に落とし穴なんて仕掛けてくれたね!」
「……え、落ちたんですか? ほんとに? ……あれに引っかかる人初めて見ました。ある意味、才能ではないですか?」
「才能? ……まあ私は天才だからね。それほどのこともあるんだよ」
 余裕を見せてカッコつけ、傍らの樹に手をついてポーズを決めようとしたルエリラだったが、しかし。

 かちっ。

 と言う音と共にブットい丸太が飛んでくる! ブッ飛ばされるルエリラ!
「ああっそこは丸太罠のスイッチです! なんでわざわざそんなところに手を!?」
「グワーッ!? おのれはじまりの猟兵! あくらつな罠にもほどがあるよ!」
 キレて地団太を踏もうとしたルエリラだったがしかし。

 かちっ。
 
 おお、こんどは坂の上からでっけえ岩が転がってきた! つっ転がされるルエリラ!
「あああ、そこで五回足踏みをしてから一拍休んでもう三回足踏みすると、岩ころがしの罠のスイッチが入るんです!」
「アバーッ!!? そんなめんどくさいシステムよく作ったね!?」
「といいますかそんなめんどくさいシステムによく引っかかってくれますよね……本当に天才ではないでしょうか」
「……もしかしたらだけど、まさかだけど、私さっきから別に褒められてたんじゃなかったのかな?」
「いえ、ある意味褒めているのは事実と言いますか……珍しい生き物ですねって……」

 はじまりの猟兵に珍しい生き物と言われてしまうエルフ。あのはじまりに。あの。

「おのれー! こうなったらもっと珍しいものを見せてあげるよ! メカ・シャーク号カムヒアー!」
 轟然! 海原の彼方から光を超えてやってきたのは無敵鮫神メカ・シャークだ! 大地を蹴り砂塵を巻き上げ風を切って、メカ・シャークはどこまでも突き進む! その姿にはじまりの猟兵も愕然とする!
「ええっサメが地上を走って空を飛ぶんですか!? 確かに珍しいです!?」
「いやそれは別に珍しくないっていうかサメなら当たり前だし」
「うそぉ!? この時代そうなの!?」
 他の時代から来た人は信じられないだろうが、実際この時代はそうなのである。考えてみると何だこの時代。

「本当に珍しいのはこれだよ! 里芋の力を借りて今必殺の、芋煮あたーっく!」
 グラグラと煮え立つ芋煮を満杯にした鋼に輝く芋煮鍋がおもむろにはじまりの猟兵に向けて叩きつけられた!
「きゃーっ!? ……うう……結局何が珍しいんです……?」
「見てわからないかな、この超高級鍋だよ! エルフ国宝のおじさんが10年かけて鍛え上げたこの芋煮鍋は、そんじょそこらじゃお目に掛かれないね!」
「それ武器にする方が珍しくないですか……? がくっ」

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月25日


挿絵イラスト