フォートレス・ヒーローVSダーティ・ゲイズコレクター!
ダーティ・ゲイズコレクター
下記の内容でノベルの作成をお願いします!
■概要・シチュエーション
庚(f30104)とダーティ(f31927)はUDCアースで邪神復活阻止の依頼を受ける。
邪教徒はヒーローショーでの参加者を生贄に邪神復活を企んでいて
その儀式を邪魔するため、ヒーローショーの参加者として庚とダーティが参加。
邪教徒を倒し、邪神復活を阻止した後、ヒーローショーのシメとして
怪人役のダーティがヒーロー役の庚に敗れるシーンをしようとしたら
庚が非常に目立つカッコいい技を繰り出してきたため
それを見たダーティは地味なまま敗れたくないと反撃。
それから互いにユーベルコードを撃ち合い
最終的にヒーローショーの会場は爆発四散。
庚とダーティは吹っ飛ばされて星となり
UDC組織は大爆発の事件の隠ぺいにてんてこ舞いとなった。
■プレイング
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
本日はヒーローショーの怪人役をやっています!
邪教徒さんの悪事の邪魔もできましたし、あとは悪役らしく
ヒーローに負ければOKですね!
って庚さんなんですか!そのカッコいい上に超目立つ技は!?
このままでは私が目立たないまま終了してしまいます!
そんなの納得できません!週刊誌で1年間くらい戦う敵ぐらい
目立ってから負けたいです!
もはや手段は選んでられません!
ユーベルコードを使って目立ってから負けます!
※使うユーベルコードはお任せします!複数使っても構いません!
●邪神復活ショー
UDCアースにおいて邪神を奉じる集団を総じて邪教団と呼ぶ。
邪教徒たちはどんな時であっても太古より続く邪神の加護を信じて、これを封印から解き放ち、復活を願う。
だが、邪神復活はいつだって世界の破滅を意味する。
故に猟兵達は駆けつけ、これを解決する。
時にはUDC組織と連携することもあるだろう。
その一つにヒーローショーに集まった人々を生贄に邪神復活を目論んでいたのだ。
「そんなこと許せませんデスね!」
「えぇ、私よりもワルなことをしようなど!」
試作機・庚(盾いらず・f30104)とダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)の二人はUDC組織の養成を受けて、この邪神復活の儀式を阻止するべくヒーローショーへと飛び込む。
何故、ヒーローショーに参加を?
決まっている。
邪教徒達は卑劣にもヒーローショーに集まった正義の心を芽生えさせたばかりの幼気な子供たちをショーの一貫として攫い、邪神復活の生贄に捧げようとしている。
無論、許されることではない。
だからこそ、二人は悪役に扮した邪教徒たちを阻むヒーローとして飛び込んだのだ。
だが、ダーティは悩んでいた。
そう、だって彼女は悪魔である。
視線誘導の悪魔。
ワルに憧れる良い子の種族。それが悪魔である。
なんらかの概念を司っている悪魔たちにとって、頼まれたら嫌とは言えないほどに善良なのだ。
けれど、ワルに憧れる気持ちがある。
ヒーローとして飛び込まねばならないのは、ちょっと抵抗があった。
「いえ! だからこそ、私は裏方にまわりましょう!」
「えっ、どういうことデスか?」
「つまりですね、庚さん。ヒーローは一人なのです。唯一無二。ならば、庚さんこそがヒーローにふわさしいでしょう!」
「そ、そうデスかね?」
「フォローはお任せください!」
ダーティの言葉に庚はそうかな? とおだてられたように背中を押される。
別にダーティはサボりたいわけではない。
それもワルっぽくてすこぶる気が惹かれるが、本題はそこではない。
「さあ、庚さん!」
「わかりましたデスよ! 待て待てぃ、デス! そこな悪漢! 子供たちは攫わせはしないデスよ!」
庚はヒーローショーの舞台に飛び出し、ショーにかこつけて子供たちを攫わんとしているヴィラン装う邪教徒たちをユーベルコードにて脅威排除(ピース・メーカー)と為すのだ。
一瞬にして放たれた剣閃がヴィランたる邪教徒たちを舞台袖へとぶっ飛ばしていく。
殺しはしていない。
けれど、ユーベルコードに寄る一閃は、子供たちの目に触れさせはしない。
まるで舞台装置の演出のように庚のユーベルコードは邪教徒たちを吹き飛ばしたのだ。
そのフォローをするためにダーティは舞台袖で動き回る。
吹き飛ばされた邪教徒たちをふんじばって、簀巻きにしているのだ。
「ふぅ、これでヨシ、と」
にやり、とダーティは舞台袖の暗がりで笑む。
その瞳がきらりと輝いていた。
何か悪巧みをしているようであったが、庚は颯爽とヒーロー登場を決めて、会場から拍手喝采を受けていた。
「すっごーい!」
「あのお姉さんつえー!!」
子供らの無邪気な声援に庚は応えるように手を振る。
とは言え、庚は思った。
勢いよく飛び込んで邪教徒たち扮するヴィランをぶっ飛ばしたのはいいが、此処からどうすればいいのか、と。
だってそうだろう。
本来の筋書きがすっかり狂ってしまっている。
ヴィラン役をできるスタッフは全員、邪教徒だったのだ。
今更UDC組織にバックアップしてもらおうとしても、エージェントの数がたりない。
どうしよう、と庚は内心冷やせをかいていた。
しかし、次の瞬間、おどろどろしいBGMが会場に響き渡る。
証明が落ち、子供らの悲鳴が上がる。
加えて、赤いスポットライトが乱舞し、スモークが噴出する。
濛々と立ち込める白煙。
赤いスポットライトがスモークの源へと向けられる。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター!」
赤く染まったスモークの中心から飛び出したのは、ワルの女幹部な衣装に身を包んだダーティであった。
視線誘導の悪魔らしく、会場の視線は彼女に釘付けである。
ワルな女幹部な衣装らしく、大変に際どい。
ワルの女幹部ってどうしてこんなに際どいのだろうかと思うが、これもまた大人の事情ってもんであろう。
健全な少年たちの情操教育の危機である。
なにかに目覚めてしまう少年たちがでてしまう!
ダーティとしては、むしろ、画策せぬワルであったが、しかし確実に目覚める少年たちがでてしまう!
なんというワル!
「凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
あれ!?
女幹部じゃない!?
魔王って言った!?
誰もがそう思ったし、庚も思った。
いや、ていうか、渡りに船である。
彼女は此処からショーをどのようにして組み立て直そうかと頭を悩ませていたのだ。
手を降って声援に応えるにしたって無理があった。
だからこそ、突如としてアドリヴとは言え、ダーティがワルの女幹部……じゃない、大変に青少年の情操教育にワルい感じの衣装で現れたことは幸いだったのだ。
「魔王ダーティ!」
庚は即座に観客席に被害が及ばぬようにシールドを張り巡らせる。
相手がダーティならば、少しは無茶をしてもよいだろうと思ったのだ。
いや、大丈夫か?
庚の瞳がユーベルコードに輝いている。
「如何に魔王が立ち塞がろうとも、我が先を阻む者無し(ノー・チェイサー)!」
放たれる剣閃は空中で光を放ちながら、きらびやかな星の如き光を解き放つ。
ショーを見に来ていた少年たちは、これが演出だと思っただろう。
明滅する光。
されど、その剣閃はダーティに当たることはなかった。
初撃を外すことで彼女の剣閃はダーティに当たることはなく、ただ空間を走る閃光となってド派手な演出へと変わるのだ。
「な、なんというカッコいい上に超目立つ技は!?」
「フ、これぞ一軌刀閃(イッキトウセン)。重力を振り切る速度というものです」
そう、庚の剣は重力の鎖すら引きちぎる速度で飛ぶ斬撃を生み出すのだ。
それを演出として放つものだから、あまりにもド派手。
「でもなんか敵が使う技っぽい」
幼気な少年たちのツッコミに庚は、え!? と思った。
いや、ヒーローらしい戦い方をしていたはずだ。
しかし、ショーとしては中盤。
あえて外すことでダーティの反撃を誘っていたのだ。つつがなくショーを進めるために! なのに、ヴィランっぽい!?
そんな庚への評価にダーティは、とても、ぐぬぬって思った。
カッコイイ。
かっこよすぎるし、何より!
「私より目立つとは!?」
このままやられてはならない。あっさりやられておしまい。めでたしめでたしのとっぴんぱらりのぷう。なんて視線誘導の悪魔として許容できない。
ダーティの瞳がユーベルコードに輝く。
「ヒーロー庚! 大した剣速です。ですが! この魔王ダーティを前に恐れ慄け! 泣き叫べ! 終焉告げる花よ咲け!」
己に向けられた視線。
大仰な台詞。
そして、何よりダーティのワルの女幹部コスのせいで会場の少年たちの視線は彼女に釘付けであった。
その視線をダーティはオーラに変換し、そのチャージに応じて赤紫色の矢印オーラを生み出すのだ。
膨れ上がる力に庚は、ダーティが本気だと理解しただろう。
「これぞ、酷悪!濁穢花蕾狂咲(ダクアイカライキョウショウ)!」
放たれる矢印オーラの弾幕が庚へと迫る。
自動追尾する矢印は、凄まじい爆発と閃光を生み出す。
あまりにも派手過ぎる。
庚がシールドを張っていなかったら、観客席にまで爆発が飛んでいただろう。
「ちょ、わっ! 本気デスね、ダーティさん! みんな、ピンチデス! どうかヒーローである私に応援を!」
庚は煽るようにして観客席へとコールを求める。
ヒーローに応援を。
ショーのお決まりであったことだろう。
ピンチに陥ったヒーローを助けるのは不思議な力ではない。ショーを見に来た観客たちの声援なのだ。
故に庚は手を掲げる。
そこにダーティのユーベルコードがきらめく。
完全に理性なんてなかった。
「揺籃の穢れに溺れし邪なる王の魂よ! 悍ましき獣の皮を纏いて現世に惨禍を刻め!」
彼女の全身を覆う赤紫色の矢印のオーラを脱ぎ散らし、ダーティの姿が赤紫色の毛並みの狼へと変貌していく。
触れたものを切り裂く赤紫色の体毛を持つ狼。
その変身に観客たちは悲鳴を上げる。
だが、庚は告げる。
「例え、暴悪!邪王魂覆穢狼禍(ジャオウコンフクワイロウカ)が迫ろうとも、安心してくださいデス。庚が、みんなを、守ります!」
だから、と庚は迫るダーティの理性喪った姿を見やる。
ヒーロっぽくないと言われたが、今の庚は面目躍如であった。
とてもヒーローっぽい!
「がんばえ!」
「がんばれー! がんばってー!!」
少年たちの舌足らずな声援を受けて庚は笑む。
そうでなくては。
ならば、締めくくるとしよう。
これこそが、秘匿兵装之零-変形機構開放-(カーテン・コール)である。
その名に相応しいユーベルコード。
己が姿をヒーローのニューフォーム姿のように変形させ、彼女は迫る狼へと変じたダーティと激突する。
その激突は大爆発を引き起こす。
ヒーローショー会場をぶっ飛ばすほどのユーベルコードの激突であった。
事の顛末を語るのならば、これは怪我人ゼロのガス爆発事故として処理された。
庚とダーティはぶっ飛ばされて星になった。
比喩である。
だが、二人はどこか満足だった。
ダーティはワルっぷりを発揮し、庚はヒーローっぽくないと言われた汚名を返上したのだから。
敗者がもしも、この事件にいるのだとしたら、それは邪教徒たちではなく、事件を隠蔽するために奔走するUDC職員たちであった――。
成功
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