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獣人世界大戦⑫〜激動のウラル

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第二戦線 #ゾルダートグラード #幼女総統『ギガンティック』 #シュリヒトゲヴェーア #夕狩こあら



 ロシア西部、ユーラシア大陸を南北に走るウラル山脈。
 歴史的にアジアとヨーロッパを分かってきた山脈群は、目下、その境界を失くそうとしていた。
『くらえ、シュリヒトゲヴェーア地味なライフル!! 機械兵士ゾルダートの諸君よ、吾輩に続け!』
 諸君が行軍しやすいよう、丁寧に平らにしながら進んでくれる! ――と。
 カッと白む山の端から、巨体も巨体、数百メートルに達する魁偉を現したのは、幼女総統『ギガンティック』。
 機械帝国「ゾルダートグラード」を支配するうら若きも過ぎる彼女は、自身の体格に合わせて作られた超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア地味なライフル』を何の反動も受けることなく連射し、ウラル山脈の山肌を破壊しながら進んでいた。
『見よ、この超超巨大ビームの威力! 山を削る幼女キック! そして終焉を巻き戻す「エンドテイカーの魔力」があれば、猟兵など巻き戻される時間に流れ流れて、どこどこ行くものよ!!』
 大きな幼女がそう叫ぶ中、休みなく哮る砲音は山肌を削ってボカーン!
 ストーニーベルト、つまり「石の帯」と呼ばれる山脈を砲撃すれば、超衝撃に石が爆ぜて飛礫がドーン!
 巨大な弾丸が篠突く雨と叩きつけ、山肌から削れた石礫が驟雨と降り注ぐ――凄まじい砲撃礫撃が嵐を巻き起こす遥か上、幼女総統の自信に満ちた花顏が崩れ行く山を見下ろしていた。


「突厥語族で『帯』を示す『ウラル』が、その意味を失ってしまうなんていけないわ」
 大地に石の帯を成す山脈が、歴史的に大きな境界を成してきた山脈が、暴悪に地均されようとしている――。
 聞けば、かの幼女総統は「はじまりの猟兵」を奪取すべくロシア深部へ、ウラル山脈を平らにしながら進軍しているらしいが、ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)はこの師行を止めるべきと猟兵に呼び掛けた。
「皆には、ギガンティックがウラル山脈を踏破するより早く撃退して欲しいのだけど……技術の粋を凝らして作られたっていう超超巨大砲が厄介なのよね……」
 幼女総統が装備している銃は、彼女の体格に合わせて作られた超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア地味なライフル』。
 数百メートルに達する巨体を誇る彼女は、規格外の火力と射程を誇るこれを何の反動も受けることなく連射する事ができるので、先ず猟兵は苛烈極まる砲撃に攻略の筋を見つけなくてはならない。
「なんとか掻い潜って足元に攻撃を叩き込みたいところだけど……そうねぇ、皆のユーベルコードならいけるかもしれない!」
 幼女総統は、ワルシャワも人民租界も他の超大国共も、単騎で蹴散らしてくれると息巻いていた。
 だが猟兵は? 数々の奇跡を生むユーベルコードを使う猟兵はどうだろう?
「超大国とは違った戦い方ができる私達なら、彼女の足を止められるかもしれないわ。多分……きっとね!!」
 花屋の声色は、仲間を心配する以上に信頼と期待で弾んでいる。
 その証拠に微咲をひとつ、ぱちんとウインクしてグリモアを召喚した彼女は、胸の空くような勝利を見せてくれるであろう精鋭の転送に掛かる。
「あれだけの巨体をすってんころりん、転ばせられたら見物ねぇ」
 吃々と零れる悪戯な微笑が、眩い光に搔き消えた。


夕狩こあら
 オープニングをご覧下さりありがとうございます。
 はじめまして、または、こんにちは。
 夕狩(ゆうかり)こあらと申します。

 こちらは『獣人世界大戦』第⑫の戦場、超大国「ゾルダートグラード」を支配する超巨大幼女総統『ギガンティック』と戦う、一章で完結する戦争シナリオ(難易度:普通)です。

●戦場の情報
 獣人戦線、ユーラシア大陸を南北に走るウラル山脈。
 現在、幾つかの氷河を抱く最高峰「ナロードナヤ山」の雪嶺に、ギガンティックが絶え間ない砲撃を叩きつけています。砲弾も飛礫もガンガン飛んでおり、大変危険な状態です。

●敵の情報:『幼女総統「ギガンティック」』(ボス戦)
 超大国「ゾルダートグラード」を支配する総統です。
 数百メートルの体躯に超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア(地味なライフル、の意)』を携え、さらに時空を操る能力までも持ち合わせています。

●プレイングボーナス:『超超巨大砲の砲撃に対処する』
 このシナリオフレームには、特別な「プレイングボーナス」があります。
 これに基づく行動をすると、戦闘が有利になります。

●リプレイ描写について
 フレンドと一緒に行動する場合、お相手のお名前(ID)や呼び方をお書き下さい。
 二名様以上は【グループ名】を冒頭に記載願います。この場合も呼称があると大変助かります。
 また、このシナリオに導入の文章はありません。
 状況によりサポート様のプレイングも採用しつつ、早期の完結に努めます。

 以上が猟兵が任務を遂行する為に提供できる情報です。
 皆様の武運長久をお祈り申し上げます。
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第1章 ボス戦 『幼女総統「ギガンティック」』

POW   :    幼女キーック!!!!
単純で重い【幼女キック】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    超超巨大ビィーム!!!!
【超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア』】から、レベル×5mの直線上に【超超巨大ビーム】を放出する。【魔力】を消費し続ければ、放出を持続可能。
WIZ   :    斯様な結末、吾輩は断じて認めない!!!!
全身に【終焉を巻き戻す「エンドテイカーの魔力」】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【巻き戻されてゆく時間の流れ】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
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遠桜・星黎凪
クロムキャバリア世界の小国出身、アンサーヒューマンのキャバリア乗りです
普段の口調は「明るく丁寧な幼女(わたし、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です

■性格
明るく天真爛漫
ロマン(キャバリア的な意味で)が好き

■戦闘
愛機のクロムキャバリア「夜桜」に乗り
近距離なら「天桜剣」「桜和剣」で斬り、遠距離なら「閃桜」で狙撃します

生身でも刀を振るって戦えます

UCは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
又、例え依頼の成功の為でも、公序良俗に反する行動はしません
後はお任せ
宜しくお願いします!



 凡そ「主の道を整えよ」とは耳にするが、目前に見る「主が道を整える」光景には度肝を拔かれよう。
 機械帝國ゾルダートグラードが総統『ギガンティック』は、超超巨大砲で山肌を切り崩し、その巨大な脚で山脈を踏み均し、自らが率いる兵団に平坦な道を進ませている。
「敵は改造獸人『機械兵士ゾルダート』と、二足歩行型戰鬪車輌……つまりキャバリアで進軍中、と……」
 流石の軍事力だと、モニタ越しに見る敵軍の威容に唸る髙音ソプラノ
 佳聲の主たる遠桜・星黎凪(桜花の機士・f29963)は、愛機『夜桜』に搭載した髙速演算AI『ラプラスの桜』が捕捉した機兵の数や型式、装備の類を分析すると、これに対抗すべく自身と愛機の出力を上げていく。
 黑とピンクにカラーリングされたキャバリアが、エネルギーの髙まるほど輝かしく――宵に咲き亂れる櫻花のように照り上がるのが美しかろう。
 而して星黎凪も櫻色の麗瞳を烱々と研ぎ澄まして云った。
「第二戰線は、山脈越え……ワルシャワ条約機構本土に乗り込むには、彼等を押し返さなくてはいけませんよね!」
 鐵と鐵の戰いを制する――!
 此處がキャバリアの戰場と凛然を萌した星黎凪は、極限まで励起させた瞬間思考力フォーアンサーを自機背部に備えた機械剱群に行き渡らせると、これを薄紅色に輝かせて『翼桜』の出力全開ッ! 玲瓏と煌く櫻の光片から【鋼桜機兵】を召喚した!!
「――進撃です!」
 指揮官の號令で前進を始めるは、剱や銃砲で武裝した鋼鐵の機械人形兵。総勢136体。
 4機を組にして34隊を我が左右に配置した星黎凪は、その髙耐久力と髙敏捷性を以て機械兵団に立ち向かわんとする――!
「幼女総統が繰り出す蹴撃に警戒しつつ、砲煙弾雨を潜り拔け、敵軍を薙ぎ倒していきましょう!」
 鋼鐵の機兵を指揮しつつ、自身も推進裝置を全開にして進軍する星黎凪。
 ひとたび射程圏内に敵機が捉えられれば、少女はロングレンジライフル『閃桜』をプラズマレーザーモードに。
 自身の超腦力とAIの予測計算により、精確精緻な射撃を開始する!
「――狙い撃ちます!」
 キャバリアの操縦に拔群の適正を持つ星黎凪は、ゼロタイムラグでレーザー射出!
 指揮官が先ず一機を撃墜すれば、鋼鐵の機械兵団も一斉に砲撃を開始し、兩軍の間に閃光爆轟が膨れ上がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鳳・雛子
ギガちゃん、もう「ごめんなさい」しても遅いのよ
大地を荒らし、命を弄ぶ悪い子はママがたっぷりお仕置きしてあげる
国土国民を守る自衛官として許すことは出来ない。「灰の魔女」を怒らせた報い、その命で贖ってもらうわ

キャバリアに騎乗し、速攻でUC発動。射線を読み、そこから逸れ続けながら肉迫していく
空中機動、推力移動で飛行。迷彩、目立たないを重ねて敵眼を欺きながら回避行動を繰り返していく
その間にブレードにエネルギー充填。情報収集、戦闘演算で弱点の目星を付けたら重量攻撃、斬撃波、衝撃波、部位破壊、鎧無視攻撃を載せたブレードの斬撃を叩き込む!
リーチに捉えたらサイズ差を無視し、手心を加えずブレードを叩き込み続ける



 百戰百勝、非善之善者也。
 不戰而屈人之兵、善之善者也――。
「百回戰って百回勝つのが最善ではないと、超大國のお偉いさん方は『孫子』を知らないと見える」
 百年と戰い続けているという事は、それだけ戰下手であるという事。
 自衛官として國土國民を守る鳳・雛子(Angel Wing・f40342)は、徒爾いたずらに大地を荒らし、無辜の命を弄ぶ行爲は看過できず――特に、目前で山を踏み均す幼女の凶行は「目に餘る」と柳眉を顰める。
「機械帝國ゾルダートグラードが総統、ギガンティック……ギガちゃん、もう『ごめんなさい』しても遅いのよ」
 総統とはいえ幼女。すんごい巨大でも幼女。
 未だ『魔女』として成熟前ならばと、怜悧な佳聲を幾許にも和らげた雛子は、愛機Heaven Shakerに搭乗すると同時、【Luminous/Code: EPYON】を起動すると、姉妹ユニット『Monica』『Nicola』が彈き出す「未來予知」――この戰場・戰況から予測される膨大なデータを受け取る。
「……その未來、ママが書き換えてあげるわ」
 気が狂う程の情報が腦波を攫いに掛かるが、雛子は予知した未來を覆す力と天賦の才を持つイノセント。
 腦裡に映る未來と目前に見る現実とを重ね合わせた彼女は、間隙なく降り注ぐ砲彈の全ての射線を見切ると同時、遅延なく機体に反應させて躱す。なんという反射!
「――『灰の魔女』を怒らせた報い、聢と贖って貰うわ」
 超超巨大ビームを逸らし続ける事で距離を詰めた雛子は、朦々たる戰塵に紛れて推力全開ッ! 硝煙彈雨の只中に飛翔すると、更なる接近を図る。
「機体に迷彩を適用しつつ、ブレードにエネルギー充填……完了」
 敵影を捕捉し、並行して弱点の目星を付ける。
 巨体が無敵という訳でも無いと、ででんっと立ち開かる幼女総統に照準を結んだ雛子は、この間にも膨大な未來予知を送出する娘らに「應」を示すよう巨刃一閃!!
 煌々たるエネルギーを帯びるUltra Solid Bladeを水平に斬り払ッた――!!
「悪い子はママがたっぷりお仕置きしてあげる」
『――いつの間に!!』
 上体を傾けること10度は会釈!
 30度は敬礼! 45度は最敬礼!!
 そして反省を示すには、70度の屈折!!
『んうーっ!! 吾輩が頭のテッペンを晒すなど……っ!!』
 鋭く重い斬撃を腹部に沈み込ませたギガンティックは、強制的にぺこりんこ!!
 ママより指導を受け、完璧な「ごめんなさい」のポーズを見せるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウュル・フゥ
うひゃー!
こんなでっかい敵、初めて見るんだけど!
GGOにいたらこの子一人でひとつのクエストができちゃうレベルっていうか。
でもだからこそ面白いよね!
よーし、やっちゃうよー!

メュズリィちゃんに【騎乗】して【空中機動】でギガちゃんトコへ向かってくよ。
ライフルの砲撃は射角を【瞬間思考力】で適宜判断して回避方向を指示。
紙一重で避けると余波が怖いから大きく回避してもらう形で。

そのままギガちゃんの頭上を目指してもらって、到達次第メュズちゃんから飛び降り急降下。
加速を乗せた渾身のUCを叩き込みにいくよ!

あ、折角だからギガちゃんのコト【魔喰】させてねー♪
(ワームヘッド・テイル突っ込みもぐもぐ)



 繊手を額に翳し、かの巨影を仰ぐ。
 山肌を蹴り上げる脚から自信溢れる幼顏まで、上へ上へと捺擦なぞるように見上げたウュル・フゥ(貪り喰らうもの・f41775)は、睫を持ち上げ、咽喉を露わに……予想外の仰角に首をトントンと叩いた。
「うひゃー! こんなでっかい敵、初めて見るんだけど!」
 スケールが違う、と喫驚を萌した佳聲には感嘆も交えて。
 我が庭「ゴッドゲームオンライン」なら、彼女單騎ひとりでひとつのクエストができちゃうレベルだと唸ったウュルは、レイドバトルに參戰するかのような高揚感に花顏を輝かせる。
「よーし、やっちゃうよー!」
 ゲームでのプレイスタイルをその儘に、好奇心いっぱい鈴音を転がしたウュルは、先ずはおともだち(?)の堕天使メュズリィを喚び召し、その翼を拝借。
「メュズリィちゃん、ギガちゃんトコへいこっ! 頭上まで行けば、きっと見晴らしが良いよ」
 ウュルは興味で言ったか判らないが、ライフルは頭より高く構えない。
 撃手の目線以上まで飛翔すれば超超巨大砲の脅威はほぼ無くなるが、それまでは銃身から方向や射角を判斷し、ある程度予測した上で進路を採ろう、と――ウュルはゲームを攻略するような気樂さと鋭さでメュズリィに指示する。
「紙一重で避けると余波が怖いから、なるべく大きく回避して……そうそう! いっけぇ~♪」
 先ずは幼女の脚が届く高さを超え、次いで砲口より高く、頭上に至る。
 ここまで來ると気付かれようが、『シュリヒトゲヴェーア地味なライフル』の砲身より近く侵襲したなら話は別。
『!? 邪魔者め!』
「こーんにーちはー!」
『この期に及んで挨拶とはゴキゲンな! 叩き落してやる!!』
「折角の連射が止まるけどいいのかな?」
 ウュルは基本フリースタイル。その時その場をめいっぱい樂しむエンジョイ勢。
 見つかった瞬間に「またね♪」とメュズリィちゃんから飛び降りた佳人は、降下しざま猫の手型のガントレットから爪を出してジャキーンッ!! 凄まじいオーラを纏った【魔喰戦技:巨人の拳ギガント・ナックル】を走らせる――!
「そーれ、いっけー!」
『わがはいの!!! みみが!!!』
「あ。ちょっと摘まみ喰いもさせてねー♪」
 インパクトの瞬間、くるりんっと回って撓った触手状の尻尾を伸ばす。
 流石に丸呑みとはいかないが、筒状の口吻でパクッと鼻頭に噛みつかれたギガンティックは、幼女らしい金切り声を叫ぶのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神酒坂・恭二郎
さて、重力下でこれだけの巨体を見るのは流石に初めてだ
このでかさは脅威だね

「鮫五郎」
懐から取り出した「スペース絵馬」から相棒のスペースシャークを召喚して機動力を確保する
後は砲撃に隠れてひっそりと、接近がばれたら回避に集中し、砲撃の切れ目に一気に接近を試みる
幼女キックはでかいモーションをよく見て、鮫ドリフトでやりすごし
地形を破壊する衝撃は、俺が刀に纏わせた「風桜子刀」を巨大化させ、振り抜くことで切り抜けたい【切断、オーラ防御、武器の巨大化、受け流し】

反撃は、幼女の足の甲の痛点の集まるツボに渾身の風桜子突きを放ち【急所突き、衝撃波、覇気】

「頃合いだな。頼んだぜ、鮫神様」

その隙に、星喰鮫を召喚したい



 刀一本で異世界を巡るおとこも、重力下でこれだけの巨体を見るのは初めて。
 然も『魔女』としては成熟前と云うのだから空恐ろしい。
「このでかさは脅威さね。――唯だ、物見遊山は嫌いな性分で」
 これを押し返せとは無茶な依頼だが、やってのけようとは仕事人の矜持。
 或いは勝負師にも似ていたか、神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)は巨大幼女を映した烱瞳を小気味良く眇めると、着流しの懷から絵馬を取り出し、ぶうらり紐を持って鈴を鳴らした。
「鮫五郎」
 りん、と震える鈴音と共に置かれたのは、絵馬に記された鮫の名。澁い。
 音に結ばれて現れたスペースシャークに、まるでサーフィンするみたいに脚を乗せた恭二郎は、砲煙彈雨に隱れて接近を始めた。
「扨て、獲物に近付くまではひっそり行くとしよう」
 海洋パニック映画とて、最初から鮫の巨影は見せぬもの。
 相棒の機動力に頼って潜行した彼は、脅威の最たる『シュリヒトゲヴェーア地味なライフル』の射程を拔けてからは回避に集中!
 山地では餘程見掛けぬ鮫に気付いた幼女総統が、脚をテイクバックさせた瞬間に軌道を變えた。
『むっ、吾輩の足を掬わんとする不埒者発見! 蹴り飛ばして呉れる!!』
「それだけでかけりゃ、モーションも大きくなるさね」
『鮫でドリフト……!?』
 鮫の尾鰭を押し込むように軸足の加重を強く、美しいスプレー(※石礫)を描くドリフトターン!
 而して華麗に超キックを躱した恭二郎は、インパクトと同時に爆ぜる超衝撃めがけて『風桜子刀』を一閃!
 風桜子ふぉーすを最大まで振り絞って巨大化した光剱を振り拔き、衝撃波の裂け目より姿を現した――!
『そこか!!』
「噫、ここだ」
『いだだだだ痛だだだ!!』
 次の蹴撃が來るより迅く、鮫肌を橫滑りさせながら突きを放つ。
 革靴に隱れる足の甲、痛点の集まるツボを攻めれば痛くない筈は無く――総統が幼女らしい悲鳴を上げる最中、恭二郎は先の絵馬を赤く赫く、我が鮮血と風桜子ふぉーすに滿たして契約の触媒にした。

「頃合いだな。頼んだぜ、鮫神樣」

 刻下、岩石のゴロゴロと轉がる地面を海面の如くして飛び出る――暗黑宇宙の星喰鮫メガロドン!!
 喫驚に見開く幼女の足元、強靭な頤を迫り出した巨大鮫が空間ごと片足を一呑みにする!!
『な、ん――ッ!?』
 其は時にして三秒足らず。
 最早、悲鳴も間に合わなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。

勇気ばくはもとい欲望解放で幼女総統と同スケールに巨大化化術肉体改造武器巨大化
砲撃とビームはエナジードレインで運動エネルギーとか熱量とか吸収して凍結しちゃえば無効化できるでしょう。魔喰✕大食い✕エネルギー充填✕魔力吸収、凍結攻撃
で、ステータスオープン☆私の個人情報を開示して幼女総統の脳内に流し込んじゃうぞ♪情報伝達、精神汚染これが攻撃と予測できるのがいたら見てみたいってことで禁呪『理解』発動☆
どう?どう?私を理解することで脳内が頭セカンドカラーに染っていくのはたまらないでしょ♪
えっちなのうみそおいしいです❤欲望解放✕魔喰✕大食い



 巨大な敵に立ち向かうべく巨大化するのは、ウルトラにスーパーなヒーロー達が持つ勇気のチカラだ。
 而して目下、山を切り崩す幼女総統『ギガンティック』を仰ぎ見たアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の混沌魔術師ケイオト艶魔少女・f05202)も、勇気のバーンと爆発するように……いや、慾望のシュババババーンと迸る儘に軀を膨らませると、周囲の地形が模型に見えるくらい巨大化を果たした。
「――ふぅ、これくらいかしら」
『むぅっ』
 然しもの総統も、己と同スケールの少女を見るのは初めてか。
 ギガンティックは吃ッと眦を裂くや超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア地味なライフル』の砲身を水平に、アリスの腦天を撃ち拔かんと銃爪を引いた。
『吾輩と並び立つとは不遜も不遜! その身を早く縮めよ!!』
「そうね。實の所、器の大小は関係ないのだけれど……こっちの方がになると思ってね」
『なん、だと……?』
 畢竟、躯に内包する魔力は同じ。
 大きかろうと小さかろうと、目下に放射される超超巨大ビームは熱量なら吸い取れば良し、運動エネルギーは凍結すれば障り無いと、アリスは涼しい表情かおで赫灼の光条を無効化していく。
 正面で喫驚の表情いろを見せる幼女に不敵に咲んだ小悪魔少女は、未だ底の見えぬ魔力を漲溢させると、いよいよ反撃に掛かった。
「それじゃ、ステータスオープン☆ アリスを知って貰うわよ♪」
『これは……っ、來る……! 流れ込んで來る……!』
 忽ち幼女の腦内に伝達されるは、アリスの個人情報。
 自身のステータスを開示した佳人は、身長や体重、スリーサイズや猟兵としてのレベルと能力値は勿論、他者のエナジーを糧に生きるべく寄生し、対価として快樂を與える存在である事を赤裸々に伝える。
『アリスは……子供の如き無邪気さと、小悪魔の如き妖艶さを併せ持つ少女……怖い恐いコワい!!』
「どう? どう? 私を理解することで腦内がセカンドカラーに染っていく感覺は♪」
『……えっちな……のうみそ……おいしい、です……!? なんだこれは!?』
「――ね、た ま ら な い でしょう?」
 これが「攻撃」と予測出來る者が居るなら見てみたいと、混沌魔術の実践者は神すら試そう。
 禁呪『理解』を施される事で自らもアリスとなれば、幼女総統は瞳をグルグル。アリスという渾沌に堕ちて砲撃を止めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルガシェラ・トヴェナク
潜り込めばいいんですね、わかりました
地味なライフルってネーミング、面白いですね
確かに大きいだけで、機能としてはすごく地味ですもの

大きい敵って素敵
たくさん食べられますから

地面があるのでしょう?
だったら私は近づける
私の体をほどきましょう
この体は全て、捕食性ナノマシンの塊
地面を捕食しながら細い細い穴を掘って彼女の足下へ

こんにちは、いただきますね
足を、胴体を、腕を、武器を、頭を
全て捕食します
雪溜まりに沈むように飲み干しましょう

抵抗に遭ったら、逃げちゃいますけど
でも、食べられるだけ食べたいですね
戦争って素敵! 食べて良い物がたくさんあるんですもの



 巨大giganticである事は、それだけで価値がある。
 何故なら、それだけ食べられる。
 噫、なんて素敵だろうと垂涎に緩む花唇を引き結んだメルガシェラ・トヴェナク(スノウ・ドロップ・f13880)は、処々に雪斑を落とす大地を見渡すと、これも幸いだと三日月を描く。
「潜り込めばいいんですね、わかりました」
 佳人が言うところの「わかる」は「できる」という事。
 超超砲撃を潜り抜け、更に超超蹴撃を避けて接敵する――其は精鋭でも負傷を覺悟する任務だが、彼女は事も無げに「應」を頷くと、忽ち麗姿を解きほぐした。
「向こうまで地続きなのでしょう? だったら私は近づける」
 雪精を思わせる繊麗の躯は“擬態”。
 無数の捕食性ナノマシンで構成される兵器であるメルガシェラは、雪解けの雫の滴るが如く輪郭をほどくや《浸食ノ白雪アバランチ》――斑雪はだれと見紛う姿となり、地面を食しつつ移動を始める。
 頭上、いや地上と云うべきか、朦然と吹き荒れる戰塵は閃々轟々、幼女総統が『シュリヒトゲヴェーア』を連続射撃しているが、細い細い穴を掘って地中を進む兵器には他人事。
「“Schlicht gewehr”……地味なライフルってネーミング、面白いですね」
 透き通ったソプラノを囁く花唇も今は解けたが、亜空間で思考する腦は、機械帝國の技術の粋を凝らした兵器が、行き着くところ「單純Schlicht」であったことに皮肉を零す。
「確かに大きいだけで、機能としてはすごく地味ですもの」
 こちらも技術の粋、超極小を超集約させたメルガシェラにとって、巨大化しただけの銃器は陳腐に見えたか知れない。
 とまれ佳人は超超砲撃の大いなる震動だけは受け取りつつ、古生代の造山活動によって形成された山地をモグモグ。数種ある鉱物のヴィンテージな味わいをエネルギーに變換しつつ、総統の足元に到達した。
「こんにちは、いただきますね」
『? !?』
 先ずは味見にと、キックを繰り出す革靴をモグモグ。
 立派な牛革を味わった先には、素足、胴体、腕……件の武器まで這い上がった爾後あとは、頭から耳の天辺まで捕食しようと健啖を萌したメルガシェラは、幼女の巨躯が雪溜まりに沈むよう飲み干しに掛かった。
『ッ、吾輩の身体に何が起きている……!?』
「食事中のお喋りは失礼かもしれませんが、いただいております」
『ひっ……嫌だ厭だイヤだ!!』
 拒まれるとは予測していたが、噫、それでも食べられるだけ食べたい――。
 これだけ食べて良い物がある機会は無いと戰爭に感謝を捧げたメルガシェラは、刻下、抵抗に繰り出る足を平らげてしまうのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リダン・ムグルエギ
いやー、映えるわ幼女ちゃん!
次砲撃する時、ポーズ取ってくれない?

毒も量が必要になるし近づくのも一苦労な敵ね
でも…映えるわ
なら全力で挑むのみ

風上から毒霧を発生させつつ迷彩衣裳に身を包み砲撃から隠れて接近!
ルート取りは現地人のコネを活かして選定
敵雑兵はコードの余波で「右側に敵多数!」と虚像を見せ無力化し…

幼女の足下に潜り込んで撮影タイムよ
はい、チーズ!
あ、右から戦闘機が来てるけど無力なこっち気にして大丈夫?

今回の目標は幻覚で攻撃対象の方向を誤認させ
ドイツ側の自陣を撃ってもらうこと

写真は全世界に配信しといたわ!

冷静になって気付かれぬよう
写真や幼女特攻な食べ物の好き嫌い等の話題で弄り(精神攻撃)ましょ



 いかに巨きかろうと、幼女は幼女。
 お坊ちゃんもお嬢ちゃまも、幼児の扱いに慣れたリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)にはお手の物。それこそスタジオマルオのスタッフくらい素敵な写真を撮って見せよう。
「ふー、着いた。此処に來るまでが骨折りね!」
『? ……なんだ、戰場カメラマンか。遅いぞ』
 機を逸するな、と言を添える程には幻惑されている――幼女総統『ギガンティック』。
 岩石と雪斑というウラル山脈の地肌にドンピシャな迷彩衣裳を着て匍匐前進、砲煙彈雨を這うようにして潜り拔けたリダンは、会敵と同時に衣裳に施した催眠模様を見せると、そのまま会話の主導権を握った。
「いやー、映えるわ幼女ちゃん! 次に砲撃する時、ポーズ取ってくれない?」
『いいだろう! 他の超大国共が慄くよう、勇ましい感じでいく!』
「OK,角度を變えてもう一枚いくわよー。はい、チーズ!」
 この時パシャリと閃光を瞬くのは、高機能スマホ『万魔電』。
 これ一台で映画も撮れる優れモノだが、では戦場カメラマンらしく重装備なのはどういう事か。
 其はどれだけ枚数を重ねても撮影を遮らぬ雜兵がタネを明かそう。
『右側ニ敵多数アリ』
『迎撃シマス』
 機械帝國が誇る超軍事力、機械兵士ゾルダートは右に。キャバリアも右に。
 然う、濛々たる戰塵に紛れて放たれた【ゴートリック・フォース】――催眠性のある毒霧が風上から侵襲した事で、敵兵は有機無機を問わず「山羊の悪魔が囁いた通りの虚像」を攻撃し続ける。
(「正直、これだけの毒を散布するのはキツかったけど……やっぱり映えるわ」)
 この爲に全力で來たのだと、リダンはシャッターを重ねよう。
 次いでカメラをセルフィモードに切り替えた佳人は、足元から剔るようなアングルで撮影する事で、総統の規格外のサイズ感を際立たせた。
「慾を言えば笑顏が欲しいんだけど……そうだ、好きな食べ物は何かしら?」
『紛う事なくプリンである!』
「じゃ次はプリンでいきましょ」
 好きな食べ物を口にすれば、自ずと笑顏になるもの。
 間違いなくイイ絵が撮れるとスマホを構えたリダンは、直前も直前、攻撃対象を誤認した兵団が一斉に「自軍へ」砲身を向けた時に佳聲を挟んだ。
「あ、右から戰鬪機が來てるけど大丈夫?」
『んン? ――!!』
 その瞬間を切り取った写真は、今大戰最大のスクープ。
 画面右側を赫々と、驚愕の表情を照り上げる幼女は忽ち全世界に配信され、帝國はこの敗北感ある一枚絵に撤退を余儀なくされる。

「ひゃー、ワシが案内したツノの人、本当に撮っちまったべや」
 眞っ先に反應したのは、彼女にルート取りや風向きを教えた現地民。
 痛快な絵に笑った男は、直ぐ拡散する事で彼女の胆力を全土に知らしめるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

浅間・墨
ロベルタさん(f22361)
彼女たちが現れるその前に全て準備を整えますね。
リミッター解除後に限界突破して準備を終えます。
継戦能力でその威力と駆ける速度の維持をしますよ。
『兼元』の一振りを携えて鯉口を切っておきますね。
そして【神滅 弐之太刀『神裁』】を使用しますよ。

私は超距離射撃専用銃の銃身を斬るように狙います。
難しい場合は巨大な銃弾を斬れるか試しましょうか。
ん。どちらも『的が大きい』ので問題はないかも…。
弾はともかく銃身に換えは難しいのではと考えます。

丁度いいので幼女さんにも怖い目に合って貰いますね。
銃身を斬られて動揺したところを…膝カックンさせます。
斬るのは流石に幼い子なのでしないように心がけますね。
彼女達が退却してくれれば問題ないのですから。


ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)
戦いが始まる前に墨ねーと準備をするじょ!
パフォーマンスを上げてから封印解くじぇ!
次に限界突破してから多重詠唱を始めるねぃ。
継戦能力は威力と速度の維持に使うよ♪

「おー! でっかい、ねーちゃ…子供?」
巨人みたいな子供が今回の対象みたいだねぃ。
機兵が小っちゃく見えるじぇ。凄いねぃ~♪
銃とか銃弾は墨ねーがなんとかしてくれるはず。
僕は墨ねーのフォローとかしよーと思うじぇ♪
あ♪攪乱もできそうだねぃ~♪落とされない!
「うぇ~い♪ こっちだよ、こっち♪」

うーん。流石に子供に蹴りはマズいよねぃ…?
もし泣いちゃったら涙も兵器になりそうだしねぃ。
涙が集まって洪水とか土石流とか鉄砲水とか…?
だから膝をカックンしよーと思いついたじぇ!
早速墨ねーと連絡とって同時に膝を攻撃だじぇ!
「喰らえ、秘奥義、膝かっくん!」
手を付いたら山が2つくらい崩れそうだけどねぇ?



 機械帝國ゾルダートグラードが総統ギガンティックは、先に『はじまりの猟兵』の手掛かりを摑んだワルシャワ条約機構に宣戰布告し、侵攻を開始した。
 彼女は他の超大國が參戰する事は勿論、此度の大戰に『六番目の猟兵』が介入すると読んでいた人物でもあり、幼く可愛らしい見た目からは想像もつかぬ慧眼を有している。
「う。僕らがグリモアを持ってるって、確信してたもんねい」
「……奇襲が……通じない……なら……迎撃……準備、を……万全に……なくては……」
 敵の主力は、鋼鉄要塞グラードで量産された機械兵士ゾルダート二足歩行型戰鬪車輌キャバリア
 圧倒的軍事力を誇る帝國軍と正面対決するのは分が悪いが、幼女総統が警戒する『六番目の猟兵』とて、見た目の幼気なさや可愛らしさを裏切るに定評のある、一騎當千の強者つわものたち。
 目下、石の帯ストーニーベルトを成すウラル山脈を防衛ラインに、その花のような繊躯から凄まじい鬪氣を立ち昇らせ、帝國軍を待ち受けていた。
「おー! でっかい、ねーちゃ……子供?」
 山の端からニュッと現れた巨影に、ぱちぱちと睫を瞬くロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)。
 貪欲の海に棲まう巨人や鋼鉄の騎士キャバリアを遥かに凌ぐ超超極大サイズに瞳を皿にした少女は、成程、他の超大國も單騎で蹴散らそうという気焔も壮語ではないと実感する。
「機兵が小っちゃく見えるじぇ。凄いねぃ~♪」
 かの機兵も総統の周辺に居ればオモチャのように見えるが、こちらに來れば相應の大きさ。
 遠近感が狂いそうだと胸奧で注意喚起したロベルタは、しかし大きなものを相手取るのは「面白い」と昂揚を抱いてもいて、間もなく攻撃に掛かる鐵機の群れを引き付けるよう手を振った。
「うぇ~い♪ こっちだよ、こっち♪」
『撃滅目標ヲ発見。砲門全解放』
「鬼ごっこだじぇ~♪」
『攻撃開始』
 数騎の機械兵士がロベルタめがけて砲撃するも、身体能力を飛躍させた彼女の早いこと、迅いこと!
 元々、自分より遥かに大きなオウガとのデスゲームを樂しんでいたからか、ロベルタは祕呪を重ねて得た強靭な脚力で砲彈を躱し、間際で爆ぜる衝撃を擦り拔け、ポニーテールを搖らしながら走る、疾る、奔る!
「う! でっかく見えてたのが、もっとでっかくなってきたじぇ~♪」
 これだけの砲煙彈雨にて、戰塵の激しく舞う中でロベルタの影は隱れてしまうが、その濛然も腰から上には届かぬ幼女総統は、どこに行っても見えるもの。
 立場が逆でなくて良かったと花唇に弧を描いた少女は、ぐるりと後方へ回り込む。

「ん。……『的が大きい』のは……問題ないかも……ません……」
 かの幼女も、幼女が構える銃も。そして、其から放たれる砲彈も。
 相手むこうの方が大きくて良かったと思うのは、浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)も同じ。
「……凡そ弓を學ぶ者……三年凝視の瞳には的の虱も車輪の如く……」
 小さな虱を捉えんとすれば弓の名手でも三年掛かるが、逆に、虱が人間を捉えるに三年も掛かるまい。
 趙の紀昌にならずとも良いと『真柄斬兼元』の鯉口を切った佳人は、頭上から不斷に襲い來る巨大砲彈に冱瞳を結ぶや拔刀――ッ! 二尺三寸三分の大刀を疾らせるなり彈殻炸藥を眞ッ二つに、我が身から左右に軌道を分けた後に爆ぜる熱い衝撃のみを受け取る。
「滅せ……」
 この時、蘭麝の髪を爆風に梳った墨は、噴煙の立ち込める中で返す刀にもう一閃ッ!!
 斬るほどに凄味を増して魔神の如くなった剱気を迸り、【神滅 弐之太刀『神裁カミタチ』】――超高速にして超威力を誇る斬撃を放った――!!
「……銃なら……斬……筈です……」
『っっ!? 吾輩の、我が帝國の技術の粋が――!!』
 シュリヒトゲヴェーア、巨大なだけで造形は單純schlicht小銃gewehrなれば――“斬れる”。
 反動なしに連発できる利点はあるものの、攻撃時には必ず固定しなくては撃てぬライフルは、墨にとっては動かぬ巻き藁を斬るようなもの。
 而して刻下、幼女総統が構える超超巨大砲の銃身をズンッッッ! と斬り落した墨は、超超巨大な其が重力に結ばれて墜下する間に飛び退くと、次の瞬間を預ける。
「……丁度、良い機会ですし……幼女さん……も……怖い目……に……って……貰い……すね」

「喰らえ、祕奧義、膝かっくん!」

 決定打を放つは――ロベルタ!!
 戰塵と轟音に紛れて幼女の背後に回り込んでいた彼女は、スッパリ銃身を斬られて動搖しているであろう総統を【雷神の大槌ミョルニル・ハンマァー】で背襲ッ! 雷霆が轟々と哮ると同時、紫電の迸るが如きイナヅマシュートを膝裏に叩き込み、強制的に曲げさせた――!!
「Uccidi i nemici in orbita con l'aiuto del ruggito! 尻モチついちゃえっ♪」
『ひゃわぁーーっ!!』
 巨大とはいえ幼女。総統とはいえ幼女。
 流石に子供をシバくのは良くないと、迎撃前に二人で話していたのだ。
 またあれだけの巨躯にて、もし泣かせでもしたら涙も兵器に――雫と落ちれば頸椎骨折、集まって大河となれば洪水や土石流、鉄砲水にもなるんじゃないかと心配したおねえさんズなれば、墨は銃を斬るに留め、ロベルタは体勢を崩すのみ。やさしい。
「……退却して……頂ければ……問題ない……ので……」
「う。進撃の勢いも削がれたみたいだし、もうしないじぇ♪」
 ――やさしい。
 おねえさんズの慈愛あふれる佳聲は、幼女のお尻が大地を叩く超超轟音に搔き消され、山崩れの衝撃に揉まれてしまうが、これほど見事な「すってんころりん」をお披露目してしまった幼女総統は、顏を眞ッ赤にして引き返すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月17日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト