●予測不能の右半身
「みんな、獣人世界大戦への参加ありがとう」
そう言って、猟兵に感謝を告げるのはグリモア猟兵の風吹・香織(怠惰な「双胴の悪魔」乗り・f39889)だ。
知らない人のために、概要を軽くだけまとめておくよ、と香織が概要を話し始める。
「かつて自分達に痛手を与えた『はじまりの猟兵』の拠点を探していた超大国『ワルシャワ条約機構』、その支配者である『始祖人狼』が、遂にその手がかりを掴んだらしい」
それに呼応し、他の超大国もそれぞれに「始祖人狼の阻止」や「はじまりの猟兵の奪取」を目的として、ワルシャワ条約機構への大規模な軍事侵略を開始している。
「戦争が発生すれば、犠牲となるのは罪もない獣人達だ。そのうえ、超大国のオブリビオン達は「|世界の滅亡《カタストロフ》」さえも意に介していない。決して、超大国の好きにはさせないためにも、みんなの力を貸しておくれ」
そう言って、香織は猟兵達を見た。
「今回相手してもらうのは、第一戦線でも戦った『有頂天道人』だ。あれだけ倒されてもまだ染み出してくるんだからオブリビオンってのは厄介だね」
今回の『有頂天道人』は第一戦線の戦い方に加え、より渾沌化に特化した戦い方をしてくるようだ。
「具体的には、渾沌化した右半身を「白き天使の翼・白きおぞましき触手・白き無貌の牛頭・白き殺戮する刃」等々に不規則に変化させ、「予想もつかない不意の一撃」を放ってくるらしい。予測不可能の一撃をどう捌くかが求められるよ」
とはいえ今回も例によって先制攻撃はないらしい。で、あるならば、まだ対処の余地はあるかもしれない。
「勿論、猟兵が先手を取ったとしても、『有頂天道人』はその右半身で抵抗してくるだろう。それにどう対処するかは考えたほうがよさそうだね」
そう言って、香織は話を締めくくり、猟兵達を送り出すのだった。
メリーさんのアモル
まだまだ獣人戦線で戦争だ! こんにちは、メリーさんのアモルでございます。
敵は『有頂天道人』。戦場は開けた場所で障害物などはございません。
『有頂天道人』は渾沌化した右半身を「白き天使の翼・白きおぞましき触手・白き無貌の牛頭・白き殺戮する刃」等々に不規則に変化させ、「予想もつかない不意の一撃」を放ってきます。
これら、「「渾沌化」から放たれる予測不能の不意打ちに対処する」とプレイングボーナスが得られます。
それでは、頑張っていきましょう!
第1章 ボス戦
『有頂天道人』
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POW : サイバネ殺法 undefined cyberne
【機械化義体でカンフー技】を放ち、命中した敵を【undefined】に包み継続ダメージを与える。自身が【中国拳法の構えを】していると威力アップ。
SPD : サイバー渾沌拳 undefined kungfu
【サイバー化した肉体】と【渾沌化した肉体】を組み合わせた独自の技能「【サイバー渾沌拳】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。
WIZ : 渾沌波動弾 undefined aura
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【undefined】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠山田・二十五郎」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
ほほう、サイバーを捨てた渾沌有頂天となりマシタカ!
予測不能な不規則な不意打ちに対処するには、やはりカオスがグッダー!
という訳で、カオスメモリ、ロゴスイグニッション!
ヒャッハー! 参りマース!
まず発動するのはカオスヘッダー!
変化する右半身に属性を変え続ける混沌の炎をプレゼント!
翼も触手もなんであれ、混沌物質のファイアーでダメージを付与しマショー!
渾沌と混沌で戦場が滅茶苦茶になっている間に、ワタシはUC再使用のスタンバーイ……!
有頂天道人が形成を変えるべく中国拳法の構えを取ろうとした瞬間にもう一度変身して、予測不能な軌道を描くハイパーカオスチャージで轢殺アタックであります!
「ほほう、サイバーを捨てた渾沌有頂天となりマシタカ! 予測不能な不規則な不意打ちに対処するには、やはりカオスがグッダー!」
そう言って戦場に転移してくるのは脳筋仕様の戦闘民族(奉公人風味)、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)だ。
「という訳で、カオスメモリ、ロゴスイグニッション! ヒャッハー! 参りマース!」
渾沌には混沌を。
かつて『デビルキングワールド』で発生した戦争、『7thKING WAR』の折、スーパーカオスドラゴンとの戦いで彼が使っていた混沌魔法の知見をインストールする。
自身の姿がカオスを具現化する混沌魔術師の姿へと変身する。
「ほう、面白い来るがいい」
『有頂天道人』の右半身が変化し、バルタンに伸びる。
対して、バルタンがまず発動するのは混沌魔法「カオスヘッダー」。
レベルm半径内の全てに属性を変え続ける混沌の炎を放つその魔法で、変化したその右半身ごと、戦場を混沌の炎で溢れさせていく。
『有頂天道人』の右半身がそれに耐えながらもバルタンに迫るが、混沌魔法「カオスヘッダー」は肉体を癒す混沌物質による治療も可能なため、バルタンの負傷は、それが即ち一撃で致命傷になるのでない限り、耐えられる。
「くっ、炎など、耐火形態へ変化させれば良いかと思ったが、この炎、属性を自在に変えるのか、カカッ、面白い」
右半身を普通に腕に戻し、そのダメージの具合を確認する『有頂天道人』。
『有頂天道人』は右半身を白き殺戮する刃に変化させ、そこから散弾のように無数の職種を放つ。
対するバルタンはこれを回避し、次なるユーベルコード再使用の隙を伺いつつ、「カオスヘッダー」で攻撃を続ける。
戦場は渾沌と混沌でもはや無茶苦茶だ。
「ふむ、これは一撃で決めねばまずいな。先ほどお主が捨てたと言ったサイバーを使うとしよう」
そう言って、機械化義体を起動し中国拳法の構えを取る『有頂天道人』。
だが、その隙をこそ、バルタンは狙っていた。
再びのユーベルコード『|模倣様式《イミテーションスタイル》・|混沌魔法《スーパーカオスマジシャン》』で、さらに姿を変える。
次なる、発動する混沌魔法は『ハイパーカオスチャージ』。
カオスで予測不能な軌道を描く突進で、『有頂天道人』の攻撃を回避した上で、轢き潰し、 『有頂天道人』を後退させる。
「俺の渾沌が破れるか……。その混沌、見事!」
そうは言いつつも、 『有頂天道人』はまだ負けを認めるつもりはない様子。
まだ戦いは始まったばかりだ。
大成功
🔵🔵🔵
大丸・満月
アドリブ連携可
つまり右半身を何とかすれば勝ち目はあんだな。
ならちょっと頭を使うかね。
まず【記憶消去銃】と【フック付きロープ】をぶん回しての遠中距離攻撃でカンフー攻撃を牽制して途中で【刻印変化術】を使って相手の姿を刻印の魔力で包み込んで…そうだな人間の少年姿にしてやるか。
獣人が知らない人間という生命体の姿での万全のカンフーはお前に出来るかな?そしてただの変化術じゃない"突き刺さって抜けない"UCだ。中でどんなに右半身が混沌化しても被さった変化の魔力は解けないし突き破るにも時間が掛かる、その上で変化に左半身は慣れないよな。その間に【暴力】と【捕食】で攻撃、さあ俺の栄養になりやがれっ!
「つまり、右半身を何とかすれば勝ち目はあんだな」
そう言って、戦場に降り立つのは対UDC組織の内勤職員だったがグールドライバーとしての資質が発覚し、刻印を埋め込まれたら猟兵に目覚めた者、大丸・満月(人間のグールドライバー・f42686)だ。
「ならちょっと頭を使うかね」
満月は光線銃『記憶消去銃』と『フック付きワイヤー』をぶん回し、中距離でカンフー技を牽制する。
「ふん、その程度の甘い牽制で、俺を捌けると思ったか?」
対する『有頂天道人』は右半身を白きおぞましき触手へと変化させ、伸ばし、満月へと迫らせる。
とはいえ、触手、とは。UDC怪物に如何にもありがちな特性で元々UDC組織の一員である満月にとってそれらを捌くのは困難ではない。
光線と触手とそしてフック付きワイヤーが飛び交い、お互いがお互い回避し合う。
お互いに致命傷にはなり得ないダメージを負いつつ、戦いは続く。
そんな、牽制の一撃で多少の手傷を負うのにお互いが慣れた頃。
そんな牽制の一撃に紛れ、本命のユーベルコードが光る。
「エージェントは変装術も心得てるってな!」
|刻印《ドライバー》の魔力が込められた一撃が、『有頂天道人』を包む。
「しまった!?」
戦い慣れた『有頂天道人』、それが本命の一撃であろうと悟るのは難しい事ではない。
だが、受けてからではあまりに遅い。
刹那、その姿は人間の少年へと変わっていた。ただ見た目が変わっただけではない、質感も含めたあらゆる外見が変化している。
これこそが満月のユーベルコード『刻印変化術』であった。
「カカッ、なるほど。この魔力は俺の渾沌を以ても容易くは抜けぬようだな。その上、なるほど、機械化義体も封じられたか」
「そういうことだ。中でどんなに右半身が混沌化しても被さった変化の魔力は解けないし突き破るにも時間が掛かる、その上で変化に左半身は慣れないよな」
それに、と満月が続ける。
「獣人が知らない人間という生命体の姿での万全のカンフーはお前に出来るかな?」
「やって見せよう!」
『有頂天道人』が中国拳法の構えを取る。渾沌化しての攻撃が使えない以上、取れる手はユーベルコードによる攻撃だけだからだ。
「くっ、速度も、レンジも、まるで出せない、だと……」
だが、機械化義体もないその普通のカンフー技、しかも少年の姿だから、射程も圧倒的に短い。
これまで互角の戦いは大きく覆った。
「さあ俺の栄養になりやがれっ!」
一転圧倒的に有利な状況を得た満月は素早く『有頂天道人』の甘いカンフー技を回避しつつ、『有頂天道人』に飛びかかるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
神酒坂・恭二郎
さて、より渾沌化に傾けてきたか
まぁ勝つためには有りな選択だね
だが、ちょっと残念に思う
対策
地面に風桜子を込めた刀を突き刺し、奴の「予想もつかない不意の一撃」に対し、切り上げの一刀をもって応じる【カウンター、見切り、衝撃波、破魔、龍脈使い】
龍脈の力を借り、瞬間的に高次元に高めた風桜子で奴の「渾沌化」の力自体を断ち切るのだ
攻撃
返す刃で即袈裟切り。迷い無く振りぬく【切り込み、残像、切断、鎧無視攻撃、早業】
「惜しいね。俺には、前のあんたの調和の拳の方が手強かったよ」
「さて、より渾沌化に傾けてきたか。まぁ勝つためには有りな選択だね」
敵の選択を聞き、そう呟くのは神酒坂風桜子一刀流なる創作流派の使い手、スペース剣豪の神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)だ。
「カカッ、その通り、俺は勝つためになら戦い方を変えることも厭わない」
恭二郎の言葉に『有頂天道人』が頷く。
(だが、ちょっと残念に思う)
そう頭の中でぼやきつつ、恭二郎は|風桜子《ふぉーす》を込めた『銀河一文字』を地面へと突き刺す。
「戦いの前に、得物を地面に突き刺すとは正気か? いや、あるいは……」
何かしらの強力なユーベルコードの行使? と『有頂天道人』は警戒する。
「いずれにしても、それが成る前に倒せば良い事よ」
右半身が白き無貌の牛頭へと変化し、その面を恭二郎に向けて『有頂天道人』がタックルを敢行する。
「誠心一刀、万象を祓う……柄じゃあないんだがね」
その突然の予想もつかない不意の一撃に対し、恭二郎は『銀河一文字』を抜いての素早い切り上げの一撃を見舞いする。
それはユーベルコード『霊妙剣・滝祭』。
高次元にまで練り上げた風桜子を込めた神酒坂風桜子一刀流による一撃により、非物理的な超常の力のみを攻撃するユーベルコードである。
それは良く分っている物ほど斬りにくく、良く分らない物ほど良く斬れるという、まさに『有頂天道人』の渾沌を切るには打って付けのユーベルコード。
先ほどまで地面に『銀河一文字』を突き刺していたのは、龍脈の力を借りて、風桜子を高次元にまで高めるためだったのだ。
「馬鹿な、俺の渾沌の力が!?」
思わぬ事態に驚愕する『有頂天道人』。
それはそうだろう、勝つために渾沌化に能力をより高めたのに、それを一瞬で奪われたのだ。
その虚をつかれた『有頂天道人』の隙だらけの一瞬を、しかし、恭二郎は見逃さない。
素早く返す刀で『有頂天道人』に『銀河一文字』を振り抜き、袈裟斬りにしてしまう。
「惜しいね。俺には、前のあんたの調和の拳の方が手強かったよ」
「カカッ、なるほど。調和を捨て、渾沌に走ったのが俺の敗因、か。面白い」
袈裟斬りにされてなお、『有頂天道人』は笑う。
だが、と。『有頂天道人』が中国拳法の構えを取る。
稼働するは機械化義体。
「しかし、渾沌化に割り振ったからと言って、渾沌化だけが俺の力だと思ってもらっては困るな」
鋭いカンフー技が恭二郎に放たれる。恭二郎はその攻撃に『銀河一文字』で応じる。
渾沌化を封じてなお、2人の戦いはまだ続く。
大成功
🔵🔵🔵
荒谷・つかさ
予想もつかない不意の一撃、か。
まあいいわ。何をお出しされようと、私は私らしくいつも通りにやるだけよ。
【型破り】発動し、真っ向から突撃
敵の攻撃は持ち前の「怪力」で以て力尽くで弾いて凌ぎ、掴みかかって寝技(関節技)に持ち込む
こうすれば構えを取ることも出来ないし、右半身を変化させようとしても力尽くで締め上げて妨害できるわ
打撃戦に持ち込まず、こちらの土俵にさえ引きずり込めれば私の勝ちは揺るがない筈よ
尤も、単純な殴り合いであったとしても負けるつもりは無いのだけれど
例え予測不可能だろうと、鍛え上げた肉体……筋肉さえあれば、どうということはないということよ!
「予想もつかない不意の一撃、か」
敵、『有頂天道人』の情報を聞き、そう呟くのは戦国の世より代々伝わる戦闘流派・荒谷流の正統後継者、荒谷・つかさ(|逸鬼闘閃《Irregular》・f02032)だ。
「まあいいわ。何をお出しされようと、私は私らしくいつも通りにやるだけよ」
「ほう、ならお前のいつも通りを見せてみるがいい」
その言葉に、『有頂天道人』が面白そうに笑い、中国拳法の構えを取る。
「渾沌化? 予想もつかない不意の一撃? そんな小細工如き、ぶち破るのみよ」
そういってつかさは自身のユーベルコードを起動し、一気に『有頂天道人』に肉薄する。
「ほう、自ら向かってくるか、カカッ、面白い」
ここまで猟兵は中距離戦を行うか、相手から接近してくるのを迎え打つ者が多かった。
予測不能な一撃に対し、至近距離に近付くのは、対応可能な時間を減少させ、自身を不利に追い込む結果になりかねないから、というのがおそらく主な理由である。
が、つかさはそうではなく、自ら『有頂天道人』へと距離を詰める。
「ならば、俺の渾沌化の妙技、喰らうがいい」
『有頂天道人』は自らの右半身を白き天使の翼へと変化させ、つかさに対し攻撃を……。
出来なかった。
圧倒的な怪力、それが振るわれた白い天使の翼を力尽くで弾き、そのまま掴みかかって関節技へと移行していく。
「な、なに!?」
全身に浮かぶ上がる血管が彼女がどれだけの力を行使しているかを伺わせる。
これこそが、つかさのユーベルコード、あらゆる敵の行動を力付くで妨害してしまう、その名もズバリ『|型破り《モールド・ブレイク》』である。
こうして、 『有頂天道人』は中国拳法の構えを取ることも叶わず、右半身を変異させようとしてもそれを力尽くで締め上げる事で妨害され、一切の攻撃が許されないまま、一方的に攻撃を受け続ける事となる。
(打撃戦に持ち込まず、こちらの土俵にさえ引きずり込めれば私の勝ちは揺るがない筈よ)
まぁもっとも、つかさにとってみれば、単純な殴り合いでさえも決して負けるつもりはなかったのではあるが。
「例え予測不可能だろうと、鍛え上げた肉体……筋肉さえあれば、どうということはないということよ!」
「ぐぅ、文字通り手も足も出ないか……、俺にこのような弱点があろうとは……無念」
『有頂天道人』は抵抗を続けるが、それがうまくいく気配はない。もうしばらく、このまま攻撃を受け続ける事になる事だろう。
大成功
🔵🔵🔵
禹・黄風
…他の技を取り入れる、それは武術家としては当然でしょう。
肉体改造も毒手とかありますし…しかしサイバネに渾沌…?
それらを高い技量で操る変幻自在の戦法、武を求むる者の端くれとして何としても乗り越えましょう。
三節棍を伸ばしなるべく遠距離から仕掛けます。
敵の動きは速い、少しでも見切る間が欲しい。
向こうの攻撃で何かが放たれたら即ダッシュで着弾地点から離脱し消滅を回避。
起動可能になった時点でUC起動し空中からの奇襲で棍の一撃を叩き込みましょう。
渾沌化した部位の攻撃は恐ろしいですが、それは大気を捉えられるのか。
不意討ちにも動揺せず攻撃に伴う風の流れに乗るようにして受け流し回避します。
※アドリブ絡み等お任せ
「……他の技を取り入れる、それは武術家としては当然でしょう。肉体改造も毒手とかありますし……」
そう言って、『有頂天道人』の戦法に理解を示すのは、江蘇省出身の三節棍と暗器を操るトラの武人、禹・黄風(武の頂を・f40009)だ。
「……しかしサイバネに渾沌……?」
とはいえ、その後に続く強化手法は黄風には馴染みのないものだった。
「それらを高い技量で操る変幻自在の戦法、武を求むる者の端くれとして何としても乗り越えましょう」
「カカッ、良いぞ。乗り越えてみせるがいい」
そう言って、『自在三節棍』を構える黄風に『有頂天道人』が笑って、構えを取る。
お互いまだ射程外、どちらが先に近づくのか、どちらがどう仕掛けるのかで、戦いは如何様にでも動く事だろう。
先手を取ったのは、黄風。黄風は遠距離で立ったまま、『自在三節棍』を伸ばして、遠距離攻撃を仕掛けたのだ。そう、『自在三節棍』とは単なる『自在三節棍』にあらず。それは、如意棒三本を鎖で連結加工した変幻自在の三節棍。
故に伸び縮みも変幻自在なのである。
「しっ!」
その動きは予想外だった『有頂天道人』は、しかし素早く機械化義体でその攻撃を受け止める。
——敵の動きは速い、少しでも見切る間が欲しい。
そう考えながらも黄風は続け様に攻撃を放つ。
その全てが機械化義体と右半身が変異した白き天使の翼に受け止められる。
「その程度か。なら今度は俺からいくぞ」
右半身が再び変異し、|何《・》|か《・》が放たれる。
|何《・》|か《・》としか形容できないそれを、黄風は武人特有の警戒心で即座にダッシュ、着弾地点から離脱し、半径1mを消滅させるその攻撃を回避する。
そして。
「自然を感じ、自然に気を一致させる――そうすれば、この通り」
敵は今から一分強の間、|何《・》|か《・》を打ち出す以外に何もできない。
その隙に、ユーベルコードを発動し、黄風は外界と同化し、大気へと変じる。
そのまま、気の噴出で一気に飛び上がり、『自在三節棍』による渾身の一撃を見舞う。
「渾沌化した部位の攻撃は恐ろしいですが、それは大気を捉えられるのか」
「くっ、俺もまだ功夫が足りないというのか」
あるいは、サイバーと渾沌にかまけ、素の功夫が落ちたというのか。
『有頂天道人』はその攻撃の全てが空を切り、逆に黄風の攻撃はその全てが強烈な奇襲となった。
「ここまで、か。無念……。猟兵よ、見事であった」
そう言って、『有頂天道人』はついに絶命したのであった。
大成功
🔵🔵🔵