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獣人世界大戦⑥〜Good morning odessa

#獣人戦線 #獣人世界大戦 #第一戦線 #F.O.N #スモーキング・ラビット #ごめんなさい!プレ締めさせていただきます(平謝 #キャパオーバーしそうで申し訳ありません!

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「Gooooood mooooorning odessa!!」
 DJのハイテンションなコールが番組の始まりを告げる。

「くそったれな朝がまたやってきたぜ。今日も●●な1日のはじまりだ」
 口が悪いのはそれが軍の放送だからだろうか。正直婦女子に聞かせたい内容ではなさそうだ。

 毎朝7時、朝食時に流れるこのプログラムは軍にとって数少ない娯楽のプログラムで、楽しみにしている兵士も多く、聴取率も高い。
 しかし最近、このラジオプログラムが|F.O.N《フィールドオブナイン》に利用されているという噂が流れていた。

 スパイがこの放送を利用して連絡を取っているというのだ。

 状況から見て、この噂が真実であり軍の放送局内にスパイが潜り込んでいることは間違いないが、それが誰なのか、そしてどんな方法で連絡をとっているのか、それはまったく解らなかった。
 放送を中止することも考えられたが、ただでも数少ない娯楽を奪うのは軍の士気にも関わる。

 司令部はほとほと困り果てていた。


「それで、わたしたちに依頼が来たんだよね」
 理緒は小さなトランジスタラジオを弄びながら、集まってくれた猟兵たちを見回した。

「このラジオプログラムが利用されているのはほぼ確定みたいなんだ」
 理緒がタブレットの資料を見ながら、状況を伝える。
 ラジオのプログラムはこの番組以外にももちろんあるが、他のほとんどの番組は軍の放送らしくニュースがほとんどで、自由度がないうえに番組内で伝えられるものも検閲をされたものばかり。
 視聴者の声やリクエストの音楽など、ある程度自由な内容の放送はこの番組くらいなのだ。

「スパイの連絡方法がこれだけってことはないだろうけど、ひとつずつ潰していくのが大事だからね」
 理緒がうんうん、と頷きながら言う。
「局内への潜入方法や、潜んでいるスパイの捜索方法や確保の方法は任せるよ」
 あ、でも。と、理緒は最後に思い出したように言った。
「できれば放送局内はあまり壊さないように気をつけてね」
 ……壊すとたぶん請求来るから。
 少し目を逸らして、理緒はゲートを開いた。


すい
● 
 おはようございます。MSを務めさせていただきます、すい、と申します。
 OPに来ていただきありがとうございます。

 オデッサで繰り広げられている諜報戦。
 今回|F.O.N《フィールドオブナイン》の連絡方法のひとつが判明しました。
 どうやら敵はラジオ番組を利用して、工作員に命令を出しているようです。

 利用されているであろう番組の目星はついたのですが、誰が、どんな方法で、ということはいまだ解っていません。
 みなさまは放送局内に潜入し、スタッフを装いながらスパイを見つけ、確保していただくことが目的となります。
 派手な行動で相手に悟られてしまうと敵はすぐに撤退してしまうため、静かな戦いを心がけていただけますと嬉しいです。

●その他注意事項
 このシナリオは戦争シナリオで、集団戦1章のみで完結します。
 プレイングの受付はオープニング公開後。断章はありません。
 完結優先で採用させていただきたいと思っていますので、全採用できなかったらごめんなさい。

●プレイングボーナス
 このシナリオにはプレイングボーナスがあります。
 プレイングボーナスは『スパイの目を欺きながらスパイを探す』です。

 それでは、みなさまの熱くて楽しいプレイングお待ちしています。
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第1章 日常 『獣人ラジオ放送』

POW   :    熱いトークで盛り上げる

SPD   :    軽快に分かりやすく情報を伝える

WIZ   :    楽しい音楽や話芸を流す

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

栗花落・澪
種族特徴である髪の花を隠すための帽子に
なるべく地味な服装
背中の羽も一時的に消して
言葉遣いも今日に限っては敬語を徹底
新人スタッフの一人として紛れ込みます

ラジオじゃなくてモデルの現場だけど
姉の仕事少し手伝ったことあるから
スタッフという立場に求められるスキルはある程度わかってるつもりだから
指示された仕事を積極的にこなしつつ
音楽で鍛えた聞き耳と気配感知能力で
些細な言動、態度等からスパイに目星を付けていきたい

あとは相手の立場に合わせて
例えば上司なら相談のていで
パーソナリティなら次のコーナーについての打ち合わせとして等理由を調整しつつ呼び出して
人目が外れているタイミングで指定UC
寝かしつけて捕獲狙います


クリシュリッツ・メーベルナッハ
つまりはラジオプログラムに関わっている者にスパイがいる、と。
これは探偵の腕の見せ所と言えそうだ。

ラジオプログラムという媒体の性質上、スパイとして情報を発信するなら番組内容に何らかの符丁を仕込むという形が自然だろう。
となれば、怪しいのは視聴者からの投稿内容、その採用を決めているスタッフ…構成作家、かな?

軍関係者に【変装】、軍からの通達を伝えると称して潜入。
責任者に話を通した上で、構成作家へ接触を図ろう。

接触したら、番組の構成や視聴者投稿の傾向等、カマ掛けも交えた質問を。
反応を見ての【読心術】も交え、ボロを出し次第UCで拘束。
所持品や周辺資料等を調べ、証拠を押さえるとしよう。


ルナ・キャロット

可愛いもふもふ様から汚い言葉がいっぱいでてきて……ギャップ萌えです!
新人お手伝いスタッフとして潜入

お便り送れる系のラジオなら匿名姫兎を装って【お風呂のときは耳か尻尾どっちから洗ってますか?】ってセクハラまがいのお便りを送りつつ……
放送見とれてる場合じゃないですね。お仕事もせねば!

ラジオで命令ってなると話題に暗号を混ぜるとか、こっそり違う音を混ぜてるとかですかね?
DJ様はなんとなく疑いたくないので音探しします。兎スキンの【聞き耳】機能で混ざった音を聞き分けます
音の主や発生源を見つけたら好奇心旺盛な新人のフリをしてそこに近づきます。
焦ったスタッフがいたら顔覚えておいてあとで不意打ち首トン確保!


夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
一先ず、手段の目星だけでもついたのは良かったですかねぇ?

『FLS』により|全『祭器』《未装備含》を召喚後、【綰閒】を発動し体内に収納、全能力を身体機能として扱える状態にすることで、警戒されずに『祭器』の機能を使える様にしておきますねぇ。
そして、スタッフとして働きつつ『FPS』の能力を発動、『思考探知』や『情報スキャン』で、怪しい人物を探しましょう。

発見出来ましたら行動を注視、一人になったところを『FIS』による転移から不意打ちし、弱めた『FES』の『電撃属性の魔力矢』で気絶させますぅ。
後は『FPS』の能力で『記憶』を探査、可能な限りの情報を抜き取ってから仕留めますねぇ。




 軍服を着崩した男の前に、少し緊張した面持ちで栗花落・澪(泡沫の花・f03165)とルナ・キャロット(†月光の聖剣士†・f41791)、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が並んで立っていた。
 3人は軍の放送局にADとして潜入し、たった今採用が決まったところだ。
「いやあ、よかったよ。ちょうどアシスタントの子が異動で前線に送られてしまって、人手不足だったんだ」
 男は3人に笑いかけながら、ポールと名乗った。この番組のディレクターをしているらしい。
 目当ての番組に配属されたことはよかったが、前線に送られたアシスタントの子にはちょっと申し訳ないことをしたかもしれない。澪がそんなことを考えていると、ポールは、
「見ての通り男所帯で、ちょっとやりにくいかもしれないけど、よろしく頼むよ」
 男は澪の頭を帽子の上からぽんぽんと叩いて、ルナの肩に手を置くと、そういってもう一度笑った。
 こっそり――と本人だけ思っている――るこるの胸を見ていたことは、ツッコまない方がいいのだろうと3人は口をつぐんだ。

 たしかに男所帯だ。
 ディレクターのポール、DJをつとめるエバンス、構成作家のアルノートに技術スタッフのミルスと、男性ばかりで女性スタッフがいない。
 軍隊ということもあるのだろうが、ちょっと極端にも思えた。

「みんな、今日から手伝ってくれる澪ちゃんとルナちゃん、それにるこるちゃんだ」
 朝の生放送が終わった直後の適度な緩さの中、ポールが3人を紹介する。
「こんな番組に綺麗どころ3人も入れていいのか? 下ネタに染めるのはしのびないぜ」
 エバンスが言うと、ミルスとアルノートも同意して頷いた。
 ルナとるこるの2人はしっかり女性なのだが、実を言えば澪は男性だ。だが見た目が地味になるよう中性的な服を選んでいたこともあって女性に見えたらしい。
「そこは上からのお達しだからね。あれだったら耳を塞いでおいてもらえばいいさ」
 とはいえ、リスナーからのメッセージには目を瞑れないけどな。ポールはそう言うと、番組に送られてきたメッセージを机の上に広げる。
 まずはこれに目を通し、明日読む分を選別するようだった。


 3人がうまく潜入を果たしていた頃、放送局の前に一人の士官――と見えるが実はクリシュリッツ・メーベルナッハ(真偽自在の探偵気取り・f36263)の変装――がその姿を現していた。
 ラジオプログラムを利用しての連絡と言うことなら、その方法は番組内容に何らかの符丁を仕込むという形が自然だ。
 ならばDJや技術者よりは、番組内容を決めているディレクターや構成作家のほうが怪しいとみるべきだろう。
 そう推理したクリシュリッツは、軍の広報担当という身分を偽装し、監査という名目で早速スタッフに接触を図った。

(ディレクターはちょっと忙しそうだね。ならまずは――)
 クリシュリッツは構成作家のアルノートに声を掛けた。話の内容は、もちろん番組に関することだ。
 もともと軍のプログラムとは思えないくらいに緩く、朝食時に下ネタ満載という番組内容だ。ツッコミどころはいくらでもある。
 そこを皮切りに、リスナーメッセージの取捨選択やリクエストの採用基準など、符丁を仕込みやすいところへと話を向けていく。
「紹介するリスナーメッセージやリクエストの採用は誰が決めているのかな?」
「メッセージは俺だな。とはいえ、全員が目を通しているがな。リクエストに関してはエバンスとポールだ」
 クリシュリッツの質問に答えながら、アルノートがスタジオの中でメッセージに目を通すスタッフたちを示す。
 そこでは確かにポールをはじめ、エバンスや、先に潜入していた澪、ルナ、るこるもメッセージに目を通し、紙の山を捌いていた。
「そうなんだね。ディレクターを呼んでもらっても?」
「ああ、かまわんぜ。おいポール!」
 アルノートがスタジオからポールを呼び出す。
「ポールさん、明日の放送、見学させてもらっても構わないかな?」
 形式的なものだよ、いちおう監査なんでね。クリシュリッツが笑いながら言うと、ポールも笑いながら頷いてそれを承諾した。


 翌朝。
 澪、ルナ、るこるの3人はいくぶんげっそりした感じで放送局の扉をくぐった。
 昨日の生放送後、初仕事としてスタッフとメッセージの選択をしていたのだが、目を通すだけでもかなりの量がある上、そのほとんどがまぁ、ひどい。いくらなんでも放送に乗せられないだろうというものが大半で、その全てに目を通さないといけないというのは、かなり精神を削られた。

 しかし任務はここからが本番である。
 るこるは自らが操る全ての『祭器』を体内に収納すると、稼働の準備を整え、さらに|FPS《フローティングプローブシステム》を起動して調整室に入ると。ミルスのサポートをしながら周囲の思考探知をしつつ、こっそりシステムを機材に接続して、放送内容や周囲の情報を記録していく。これで今後の証拠の保全や検証も容易になるはずだ。

 澪も、スタッフとして働いた経験を活かして様々な雑務を一手に担っていた。そのときは姉の手伝いであるモデルの現場だったがスタッフとしての動き方は心得ている。ポールの指示を聞いてAD業務をこなしながら調整室内の会話に聞き耳を立てることはそう難しいことではない。
 すぐ側でスタッフの会話を聞くことができれば、微妙な気配の変化を感じ取りながら、怪しい動きがないかチェックすることもできるだろう。

 そんな中、すこし毛色の違ったのはルナだ。
 ルナはエバンスのアシスタントとしてスタジオに入ると、つなぎ役としてポールの指示をエバンスに伝えながら、スタジオと調整室を忙しく行き来している。
 見た目はかわいいもふもふから弾き出される毒舌マシンガントークにギャップ萌えてしまったルナには願ってもない状況ではあったが、さすがに萌えてばかりもいられない。
 ポールの指示はもちろん、エバンスのトークやかけられる音楽の中にもなにかの符丁がないか、しっかりとチェックはしなければならなかった。

 そんな風にばたばたと準備をしているうちに、いつのまにか放送開始まであと3分をきっていた。クリシュリッツも調整室にやってくると、スタッフに軽く挨拶をしながらポールの隣に腰を下ろす。そして――。

『Gooooood mooooorning odessa!!』
 エバンスのオープニングコールがスタジオに響いた。

 エバンスの軽快で少し――いやだいぶきわどいトークと、軽快なジャズ。番組のプログラムはいつもど変わらずに進んでいく。
 途中メッセージのコーナーでルナがこっそりぶっ込んだ、
「お風呂のときは耳か尻尾どっちから洗ってますか?」
 などという質問に、とても記録に残せない回答を返したりするのも通常運行だった。

 そして番組も最後にさしかかったときに違和感は訪れた。それはポールからルナに渡された一枚のメモだった。
 アルノートが手書きしたそれは、リスナーメッセージでも緊急のニュースでもなかった。そこに書かれていたのはいくつかの数字の羅列だ。そしてそれを受け取ったエバンスは、
「さてそれじゃ、今日は最後にラッキーな6人をご紹介する日だ。今週の運を使い果たしたやつらは――」
『e7acac e4ba8c e58089 e5baab 203039 e69982』
 エバンスが数字を読み上げていくのを、何故かアルノートが緊張して聞いている。
 それに気づいたクリシュリッツが、澪とルナに素早く目配せをすると、二人は小さく頷き、るこるは涙滴型の水晶を手の中で回してみせた。


 そして生放送が終わった。
 終了の安堵感を演出しながらも、猟兵たちのほんとうの仕事はここからだ。後片付けをしながら、雑談を装いつつ、もういちどスタッフをしっかりと見極める。
「最後の数字って、あれなんだったんですか?」
「ああ、あれは『くじ』の当選番号だ。ま、商品といっても食堂のチケットや酒、煙草とかなんだけどな」
 ルナに問われてアルノートが答えた。極めて平静を保っていたが、ルナの耳はわずかな揺らぎを聞き逃さない。
「そうなんだ。こんどわたしも買っておこうかな」
 ルナのそんな風に言いながらの合図を受けて、クリシュリッツが「それでは」とスタジオを出ようとすると、ポールとエバンスもクリシュリッツを見送ろうとスタジオを後にした。
 この後はいつも通りなら、明日のメッセージと曲の選択だ。アルノートと澪、ルナはエバンスたちが戻ってくる前に準備をしておこうとメッセージを机に広げ、そして……。

 調整室に向けて澪が瞳を輝かせると室内に甘い香りが充満した。舞い落ちてくる花びらに気づいたミルスがその場にかくりと倒れ込む。
 隣にいたるこるがミルスの体を支え、そっと床に寝かせると、るこるもスタジオの中に入って、調整室を仕切る重い扉にしっかりとロックをかけた。

「な、なんだ?」
 雰囲気の変わった三人にアルノートが戸惑う。
「あなただね」
 澪はあえて『何が』とは言わなかった。
「エバンスさんじゃなくてよかったです」
 ルナはちょっと安心したように呟きながら、しっかりとアルノートを見据えた。
「もう逃げられませんので、おとなしくしてくださいねぇ」
 るこるがアルノートの額に水晶を押しつけ、記憶情報を概念化してひっぱり出す。当たりだ。アルノートが連絡員であることは間違いない。

 そこにポールとエバンスが、クリシュリッツと共に戻ってきた。どうやら事情は説明済みらしく、二人は悔しそうにアルノートを睨んでいる。
 クリシュリッツは空間の隙間から喚びだしたヘビでアルノートを拘束すると、数字を書いたメモを取り上げてから、
「このヘビは噛まないから大丈夫だよ」
 そう言ってポールとエバンスに引き渡し、ミルスも起こすと、3人でアルノートを司令部へと連れて行くように促した。

 そして残ったのは猟兵と数字の羅列されたメモ。これが解読できれば、相手の戦力をもう少し削げるのだけど――。
 4人はメモに書かれた数字を眺めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

葛城・時人
完全に紛れて分からないのは厄介だな…
でもどうにかして見つけ出さないと
スパイの好き放題させてたまるか

【黒影剣】を使う
元のアビリティの時からこれには闇纏いがついてる
同じ能力者、猟兵でない限り感知不可能の優れもの
昔はジョブを変えたら失ったたけど猟兵の今は保持出来てる
有難い

闇に隠れて潜入するよ
無言でただ静かに各所を経巡ろう

ずっと観察していると…
見えてくる
どうやら俺が知る方法が使われてるようだね
有名な詩を朗読して侵攻度や状況を暗喩するあれ

それを指示するヤツを特定して
一人になった所で大鎌を突きつける
闇のオーラで生命力も奪えたから『敵』間違いなし

きっと他にも居るだろうけど
俺はコイツを確殺する
「此処までだよ」


ラブリー・ラビットクロー
ねえマザー
スパイの奴らが上手くわかるよーにラジオにお手紙書きたいの
どんな内容がいいかな?

【文章生成を開始します】

他のヒトには悟られないよーな
だけどスパイにはピンと来て
うまく誘き出せるよーなのが良いと思うなん

【文章内容を変更中】

皆が楽しみにしてる番組
FONの奴らに利用されるなんてダメらぶ達が阻止しなくちゃ

【完了】
【いつも楽しくラジオを聞いています。一曲リクエストさせて下さい。曲は名曲『Back to the WAREHOUSE09』です
(スーパー戦車の様に文字化けした文字列で)緊急事態発生。関係者各員は至急指定されたポイントへ集合せよ】
【それでは指定した倉庫へ向かいましょう】

マザーありがとー!




 番組スタッフとして潜入した班とはまた別な形で行動していた班も、もちろんその活動を開始していた。
「完全に紛れて分からないのは厄介だな……でもどうにかして見つけ出さないと」
 葛城・時人(光望護花・f35294)は闇のオーラを身に纏い、このままスパイの好きにさせるわけにはいかない、と、放送局の制作・編成部内を監視しながら小さく呟く。

 時人は部内を見渡せる場所、わりと目立つところを巡って見張っていたが、闇のオーラはその姿を完全に隠していた。
(昔はジョブを変えたら失った能力たけど、猟兵の今は保持出来てる。有難い)
 この能力のおかげで時人は自由に部内を歩き回れる。もしその姿に気づくようなものがいれば、それこそ重要目標だ。
 時人は部内の人間のだれにも悟られないまま、その情報を集め、分析していた。


 ラブリー・ラビットクロー(人々の夢を追う行商人と人工知能【ビッグマザー】・f26591)も休憩室に紛れ込んで、そこを利用する局員や、出入りする一般の利用者に気を配っている。

(ねえマザー)
 昨日の早朝、放送局に紛れ込んですぐ、ラビットクローはこっそりとマザーに話しかけていた。
(スパイの奴らが上手くわかるよーにラジオにお手紙書きたいの。どんな内容がいいかな?)
【文章生成を開始します】
 マザーからの返答を得て、ラビットクローは周りを見渡した。
 のんびりと食事をする者、食事を終えてしばしの休憩を楽しむ者など、みんな好きなことをしているが、ラジオのトークにはリアクションがあるので、やはり皆が楽しみにしてる番組なのだろう。
(|FON《フィールドオブナイン》の奴らに利用されるなんてダメ。らぶ達が阻止しなくちゃ)
 ラビットクローはあらためてそう思った。
【完了】
 マザーがそう言うと、ラビットクローがメッセージシートに書いたそれをたたんで、リクエストボックスに投函する。これで明日にはスタッフたちの目に触れるはずだ。

 そして――


『今日最後のリクエストは、各音楽賞を総なめにしたという名曲をご紹介だ。俺の番組のリクエストにはちょーっといい子ちゃん過ぎる曲だが、たまにはこんなのもいいよな。それじゃ聴いてくれ『Back to the WAREHOUSE09』!』

 DJのコールと共に流れたのは柔らかなバラードで始まる曲。たしかに番組の雰囲気とは少し合わないが、曲自体は名曲だ。流れ終わる頃には騒がしかったリスナーたちも静かに聴いていた。
『今日は最後にラッキーな6人をご紹介する日だ。今週の運を使い果たしたやつらは――」
『e7acac e4ba8c e58089 e5baab 203039 e69982』』
 曲のアウトロにかぶって流れたDJのトークに、時人とマザーが反応した。

「これは……曲のタイトルと数列を掛け合わせた連絡だね」
 時人の予想する範囲内の連絡法だった。時人は頭に叩き込んでおいたオデッサの地図を思い出すと、
「スタッフに変奏してる仲間がいたよね。ならスタジオ内は任せよう」
 そう言って放送局を出ていった。

【相手の連絡を傍受しました。指定された倉庫へ向かいましょう】
 それとほぼ同時、マザーもラビットクローに暗号があったことを伝える。
「なにかあったのん?」
 驚いたラビットクローがマザーに問うと。
【はい。先ほどのラッキーナンバーが暗号でした。わたしたちのリクエストもつかってくれたようです】
 マザーが言うには、先ほどのラッキーナンバーを解読すると『第二倉庫 09時』となるということだ。
 こちらがリクエストした曲のタイトルが『Back to the WAREHOUSE09』だったのは偶然だが、そこも利用してくれたのだろう。
「マザーありがとー! 9時なら急がないと!」
 番組は8時に終わる。ラビットクローは急いで倉庫へ向かっていった。


 台に倉庫、9時――。
 時間を確認して時人とラビットクローは倉庫内に突入した。
 急な突入に呆然と立ち尽くしていた連絡員に時人が闇のオーラを纏ったまま触れれば、一人があっけなく膝から崩れ落ちる。
 同時にラビットクローも金属バットでもうひとりの連絡員をフルスイングしていた。
 あっというまに気を失った2人を確保して、二人は顔を見合わせる。

「お疲れさま」
「お疲れさまだなん!」
 お互い自分以外が放送局外へ出向くとは思ってなかったようだが、そこは猟兵。スタンドプレーも連携になってしまうのが『埒外の存在』である。

 二人は笑い合うと、捕縛した二人を司令部へと連れて行った。
 放送局内の連絡員にくわえて、外部で工作していたスパイも2人捉えることができた。
 これは予想以上の大戦果と言っていいだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月10日


挿絵イラスト