獣人世界大戦②〜強襲、もふもふキャバリア
●これは誰がなんと言おうとキャバリア。いいね?
「みんな、集まったわね? 今回はスイス方面に向かってもらうわ」
グリモアベースに集まった猟兵達を前にアヤカ・ホワイトケープ(ロストイノセント・f00740)がブリーフィングを始め、獣人戦線のユーラシア大陸の地図を広げる。
今回はスイスを中心とするアルプス山間部の地下に存在する、異常なほどに巨大な『迷宮要塞』を攻めるとの事だ。
「あれだけ広い迷宮要塞内部には、ゾルダートグラード軍の何らかの巨大戦力があるんじゃないかって思うんだけど、その前にみんなにやってもらう事があるの」
どこからどう調達したのかは定かではないが、要塞内部に多数配備されているクロムキャバリア製の最新鋭キャバリアを撃破する。
それが今回の任務だ。
「今回は広大すぎる敵陣に突っ込む事から、警備は極めて厳重よ。行動を開始して大体数分くらいすると、内部の警備部隊が押し寄せてきて非常に危険な事になるわ」
さすがにそうなってしまえば、いくら猟兵とて生きて帰る事は不可能。
そのため、警備部隊が来るまでの短時間の間、キャバリアの数を減らすのが主な仕事となる訳だ。
なお、撤退に関してはアヤカが全面的にバックアップしてくれるので、その辺りは心配無用である。
「で、今回みんなが戦う事になるキャバリアは……これよ」
アヤカはスケッチブックを取り出して広げると、あまり上手くない絵が描かれていた。
丸っこい体の、もふもふした……ひよこか何かか?
「えっと、データによると……敵の名前は『フライトチキン』、まんまるでもふもふしている、ひよこ型キャバリアね。……本当にこんな姿をしているのよ?」
……マジで!?
てか、それ以前にひよこ型キャバリアって何!?
どこの誰がそんなトンチキな物を作ったの!?
「なんでもパイロットの安全を最重要視する不思議なキャバリアで、パタパタと低空飛行し、稀にぴよぴよって鳴き声を上げるかもしれないんだって」
なんすかそれ。
ゾルダートグラード、なんでこんな物を戦力として調達したんだ……?
「もちろんみんなが攻撃しようとすると、向こうもやられてたまるかと言わんばかりに、集団戦法で立ち向かってくるはずよ。何とか上手くやり過ごした上で、数を減らしてね」
5メートルくらいはあろうかと言う、まんまるもふもふなキャバリアが集団でわーっと攻めてくる。
想像しただけで地獄……いや、天国か?
ある意味では強敵と言えるのかもしれないが、油断は禁物だ。
「もふもふに気を取られすぎないよう気を付けてね。それじゃ、行ってらっしゃい!」
NS
はいどうも、|NS《えぬえす》でございます。
毎日出る膨大な数のシナリオに戦々恐々としています。
戦争シナリオ二本目、今回もどうぞよろしくお願いします。
●目的
迷宮要塞に攻め込み、内部に配備されているクロムキャバリア製のもふもふした最新鋭キャバリアを短時間の内に撃破の後、撤退する。
プレイングボーナス:キャバリアを用いた集団戦闘に対処する。
OPにもありますが今回は短時間の内に攻撃し、警備部隊が押し寄せてくる前に撤退する流れとなります。
タイムリミットが迫ったらアヤカが皆様を拾いに行くので、撤退にプレイング文字数を割く必要はありませんのでご安心下さい。
●ご注意
今回は久しぶりにギャグ要素がいくらか混じる事になると思われます。
その辺りをご了承の上でご参加いただければ幸いです。
プレイング受付開始は『OP承認後、導入部を書いた後から』になります。
プレイングをお送りする際にはそれ以降でお願いします。
戦争シナリオは戦況にも影響するため、早期完結を目標としております。
そのため、リプレイは出来るだけ早めにお返し出来ればと思います。
また、クリアに必要な人数が集まり次第プレイング受付を締め切る方針です。
その際には『プレイング受付〆切』とタグに表記します。
受付〆切後に来たプレイングは基本的に対応出来ませんので、予めご了承下さい。
それでは、もふもふキャバリア軍団に負けず、撃破に励んで下さい。
第1章 集団戦
『フライトチキン』
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POW : 緊急着陸態勢
【フライトチキン】を操縦中、自身と[フライトチキン]は地形からの激突ダメージを受けず、攻撃時に敵のあらゆる防護を無視する。
SPD : 専守防衛機構
【身】を構える。発動中は攻撃できないが、正面からの全攻撃を【くちばし】で必ず防御し、【体当たり】で反撃できる。
WIZ : 保護オーラ展開
自身と装備を【オーラ防御】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
イラスト:key-chang
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●クソデカもふもふ空間
猟兵達はゲートを抜け、広大すぎる迷宮要塞へと足を踏み入れる。
やってきた場所はクロムキャバリア製の最新鋭キャバリアが置かれた、途轍もない広さの格納庫のようなところだ。
まずは物陰から様子をちらりと見てみると、そこにはブリーフィングで聞いた通りのまんまるボディでもふもふした、ひよこ型キャバリア『フライトチキン』がずらりと並べられ、アイドリング状態のまま待機していた。
5メートルはあろうかと言うもふもふ巨体がいっぱい詰め込まれている空間は、何ともシュールすぎる光景だ。
……さて、これからすぐにこいつらへ攻撃を仕掛ける訳だが、その途端に奴らは一斉稼働し始めて集団戦法を取ってくる事になるだろう。
その際には、数多のクソデカもふもふロボ軍団に襲われる事になるのは確実だ。
うっかりもふもふに心奪われたりしないように気を付けつつ、侵入に気付いた警備部隊がここへ駆け付けるまでの数分の間に一機でも多くのフライトチキンを撃破しよう。
いざ、アタック!
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
な、何とも可愛らしいキャバリアですねぇ。
とは言え、何とかしませんと。
『FAS』により飛行、『FLS』の空間歪曲障壁を展開しまして。
【瓌蕐】を発動、全『祭器』共々『鯨ベーコン』として食べたことの有る『ナガスクジラ』と同等の「身長25m級」の体格を獲得、対格差を逆転させますねぇ。
【緊急着地態勢】による防護貫通は、『FPS』の探査で時機を把握した上で『FAS』の飛行か『FIS』の転移で躱せば良い上、『自動反撃』による[カウンター]も可能ですぅ。
後は[2回攻撃]で手数の増えた、各攻撃用『祭器』で叩きましょう。
ところで、実は羽毛が取れたりしません?
沢山の羽毛布団が作れそうですが。
●デカい物にはよりデカい物をぶつけんだよ理論
「な、何とも可愛らしいキャバリアですねぇ」
フライトチキンを目にした夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)が率直な感想を口にする。
こんな見た目でキャバリアだって言うんだから、あっちの世界はよく分からんものだ。
まあ、向こうにはパンジャンドラムやたい焼きの姿をしたキャバリアもある訳だし、割となんでもアリなのかもしれませんが!
「とは言え、何とかしませんと」
ついうっかり、その可愛らしさに目的を忘れてしまいそうになってしまったるこるであったが、フライトチキンを出来る限り撃破すると言う本来のミッションを思い出し、気を引き締める。
「さて、向こうは5メートル級の大きさ……真っ向から戦うのは危険ですねぇ」
物陰からフライトチキンの軍団を観察しつつ、るこるはいかに戦うかを考える。
仮にバカ正直に突撃したところで集団戦法で襲われ、もふもふ地獄の前に倒れてしまうのがオチだろう。
……人によってはそれでも構わんと言いそうな気もしますけど。
「大きさには大きさで対抗と行きましょう。それでは、行きますよぉ」
と、ここでどう戦うかを決めたるこるが物陰から出ると同時に、『FAS』で飛行。
更に『FLS』の空間歪曲障壁を展開し、『|豊乳女神の加護・瓌蕐《チチガミサマノカゴ・ハナヒラクゼッカ》』を発動。
全ての祭器共々、かつて鯨ベーコンとして食べたことのある『ナガスクジラ』と同等の身長25m級の体格を獲得……要するに巨大化である。
こんなにデカくなって大きさ的に大丈夫なのかと思われる事だろうが、そもそもにしてこの空間そのものが相当なまでにデカく、25メートルに巨大化しても天井に頭がぶつかるような事はないので実際安心だ。
「な、なんだ!? 侵入者……いやデカすぎないか!?」
「一体どこに隠れて……げ、迎撃ーッ!」
一方のフライトチキンもクソデカ侵入者こと、るこるがいきなり現れた事で混乱するも、直ちに迎撃行動に移行。
アイドリング中であった機体の両目が赤く光って、次々と起動する。
「この迷宮要塞に侵入するとは命知らずめ!」
「いくらデカかろうと、我々がお前達を始末してやる!」
……などとフライトチキンらは口にしつつ、ホバリング状態でパタパタ飛びながら巨大化したるこるへ向けて襲い掛かる。
なんと言うか、パイロットの声と機体の見た目がまるで合ってない!
「ふむふむ、多方向から来るみたいですねぇ。こっちですよぉ」
「何!? 避けられ……ウワァーッ!?」
それはさておき、今まさにフライトチキン隊に襲われんとしていたるこるは『FPS』の探査で敵の来る方向を把握すると『FIS』の転移でヒョイっと躱し、その上で祭器の自動反撃でカウンターを叩き込む。
結果、フライトチキンはあっと言う間にボロ雑巾めいてブッ飛ばされた。
「こっちからも行きますよぉ」
更にるこるは瓌蕐の特性である二回攻撃も生かし、追撃の手を緩める事なくフライトチキンを倒していく。
……なんか、まとめて吹き飛ばされるフライトチキンの姿を見てると、ちょっと可哀想にも思えるような気がしませんかね?
「ところで、実は羽毛が取れたりしません?」
え、羽毛?
もふもふしてるから、羽毛は多分あると思うけど……いきなりどぉしたんすか?
「沢山の羽毛布団が作れそうですが」
あ、そっちなんだ!?
でも、あと数分したら警備部隊が来るから直ちに撤収する事になるんで、時間の許す限り好きにするといいんじゃねっすかね!
大成功
🔵🔵🔵
オヴィリア・リンフォース
アドリブ、連携歓迎
フライドチキンじゃなくて、フライトチキンなのです?
大きなまん丸で美味しそうに見えなくもないけれど
キャバリアである以上は食べられないのが残念なのです。
銀猫突撃でキャバリアを使用不能にしてやるのです。
猫魔力は可愛くても兵器には容赦はしないのです。
ついでのそのもふもふが本物か確かめてみるのです。
もし本物なら驚異の技術力なのです。
正面からは突撃せずに側面に回り込むのです。
こっちは小さくても素早さなら負けないのです。
もふもすを堪能して無駄な時間を取らないよう
気を強く持って、警備隊が来るまでに
可能な限りキャバリアを破壊、
最低でも使用できなくするのです。
ただのオブジェにしてやるのです。
●猫魔力って、なんだ……?(宇宙猫略)
「フライドチキンじゃなくて、フライトチキンなのです?」
オヴィリア・リンフォース(銀色の魔女猫・f25140)がキョトンとした様子で尋ねる。
……そうですね、『ド』じゃなくて『ト』ですね。
揚げた奴じゃなくて、飛んでる方の。
「大きなまん丸で美味しそうに見えなくもないけれど、キャバリアである以上は食べられないのが残念なのです」
え、キャバリアじゃなかったら食べたかったの!?
……と思ったけど、オヴィリアはフードファイターでしたね。
仮にフライトチキンにお肉が付いていたら、きっと体にガブリとやっていたに違いない……の、かなぁ?
「キャバリアである以上、あのボディの下は金属と機械で出来ているのです。だとしたら、もふもふボディは本物でない可能性も十分考えられるのです」
急に何の話を!?
一応、設定文には『まんまるでもふもふしている、ひよこ型キャバリア』とはありますが……
「なので、そのもふもふが本物か確かめてみるのです」
そっち!? そっちなの!?
本来の目的、忘れてないよね!?
「もちろん、キャバリアも使用不能にしてやるのです。そこは忘れてないのです」
そ、それならいいんですけど……
で、どうやってフライトチキンの軍団を破壊もしくは使用不能にするので?
「猫魔力です」
猫魔力。
……猫魔力?
「猫の力をみせるのです」
そう言い、オヴィリアは『|銀猫突撃《ブースターキャット》』で全身から猫魔力を纏って、この広大な空間を飛び回……その猫魔力って一体何なのォー!?
なんかオーラ的な物みたいな感じで解釈すればいいんですかね……?
「猫魔力は可愛くても兵器には容赦はしないのです」
フライトチキンの一体に向けて突撃するオヴィリア。
どうやら先の発言『もふもふが本物か確かめる』を行うつもりのようだ。
「にゃーっ……むむ? これは本当にもふもふなのです。驚異の技術力なのです」
早速胴体部分へ向けてダイブすると、フライトチキンのボディが本当にもふもふだった事にオヴィリアが驚く。
なんたる事か、本当にふかふかだったようだ……ってホントにどんな構造してるんですかね、このキャバリア……?
「な、なんだ!? 機体に猫が引っ付いてるぞ!?」
「あれは侵入者だ! すぐに迎え撃て!」
その一方でオヴィリアの襲撃(?)に気付いたフライトチキンパイロット達が、慌ただしく機体を起動。
専守防衛機構で身構え、攻撃に対する備えを行う。
「向こうも気付いたようです。ここからは全開なのです」
フライトチキンが次々と動き出した事を受けてオヴィリアの目がきゅぴーんと光ると、体の小ささと機動力をフルに生かし、正面から突撃せず側面に回り込んでボディにダイブ、もふもふを更に堪能する。
「やっぱりもふもふです。このままお昼寝を……はっ、危ないところだったのです」
オヴィリアはもふもふに気を取られそうになる前に気を強く持ち、側面飛びつきからフライトチキンへの破壊工作を続ける。
説明し忘れていたが銀猫突撃は触れた物品や対象の装備を破壊、あるいは使用不能に出来るため、この任務にうってつけだ。
「あの猫、なんてすばしっこい……うわッ、システムがダウンした!?」
「こっちは機体がショートして……おぶっ!? も、燃えてるぞー!?」
フライトチキンの部隊はオヴィリアに次々と触れられた事で、修理不能レベルの大破或いは謎の発火事故が起き、大混乱状態だ。
これなら奴らの損害も相当な物になる事だろう。
「猫魔力の前にはキャバリアもただのオブジェなのです」
破壊工作を済ませて撤収する直前、オヴィリアは得意げな様子でそんな事を口に……あの、猫魔力って結局なんだったんですかね……?
大成功
🔵🔵🔵
栗花落・澪
かわいい
いやでも僕はこの世界のためにも頑張かわいい
念のためオーラ防御を纏い空中戦しながら指定UC
破魔を宿した炎の鳥達を四方八方に飛び回らせ
狙いを定めにくくするよう妨害、翻弄しつつ
隙を狙って1匹の後頭部にガシッと貼り付きたいです
もふもふしたいもちょっとあるけど一番の目的は
今僕に攻撃仕掛けたら巻き込むよって事
勿論油断はせず、仕掛けて来たら即座に落ちるように回避して同士討ち狙い
その隙に炎の鳥達で攻撃し
浄化の炎で燃やしちゃおうかと
防御が上がっても無敵じゃない
継続的に削ればいつかは脆くなる
そこへ更に高速詠唱で雷魔法の属性攻撃、範囲攻撃を落とし
まとめて感電させたいな
もふもふ好きだし可愛いけどそれはそれ
●ぼーぼー鳥(見た目的な意味で)
「かわいい」
初手からド直球な事を口にする栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。
フライトチキン、確かに見た目だけなら可愛いと言えば可愛いが……でも全長5メートルあるせいで、ちょっと不気味と言うか奇妙と言うか。
せめてダウンサイジングしていれば、まだ良かったと思うんですよね。
「いやでも僕はこの世界のためにも頑張かわいい」
ワーッ、つゆりんがバグったー!?
……いや落ち着くんだ、あんな見た目でもアレはキャバリアだぞ。
可愛いのはあくまでガワだけであって、あのもふもふ毛を剥いでしまえば金属と機械の塊なんだぞ。
そもそもあいつらを破壊するのが任務であって、もふもふを堪能しに来た訳ではない事は分かっている……いる、よね?
「いけないいけない、やるべき事を忘れちゃいけなかわいい」
つゆりーん!?
さすがにリプレイが進まないので、そろそろ魅了を解除してもらってもいいすか!?
「……うん、ここは落ち着こう。深呼吸して……よし」
ここでようやく我に返ったか、澪は戦闘モードに移行。
心を鬼にして(?)破壊活動を開始する。
今度こそ大丈夫……大丈夫、なんですよね?
「もふもふしてるって事は、やっぱり火に弱いはず。なら……」
澪は物陰からバッと飛び出すと同時にオーラ防御を纏いつつ、『|浄化と祝福《ピュリフィカシオン・エト・ベネディクション》』で破魔を宿した炎の鳥達を四方八方に飛び回らせ、自身も空中を舞いながらフライトチキンの部隊を翻弄する。
「……侵入者か! ぬぅ、熱源反応が多数!?」
「保護オーラ展開だ! これがあれば火など恐れるに足りん!」
一方で侵入者である澪に気付いたフライトチキンは同じくオーラ防御で機体を覆い、攻撃力と防御力を倍増。
火への備えを万全にする。
「向こうもオーラ防御? でも、その分動きが大きく鈍ってるんだったら」
保護オーラ展開の代償で機動力が激減したフライトチキンを見て、澪は素早く回り込みつつ、近くの一体の後頭部にガシッと貼り付いた。
その途端、やわらかもふ毛の感触が直で伝わってくる。
「あっ、もふい……でも、今はそれどころじゃなかった」
もふボディに心奪われそうになりながらも澪は『おそらく聞こえるはずだろう』と思い、フライトチキン後頭部へ向けて直接警告する。
「聞こえてる? 今僕に攻撃仕掛けたら巻き込むよ?」
「何ィ!? く、こちらの足が遅い事を上手く利用したようだが……やれ!」
仲間に合図を送ると別のフライトチキンが澪の貼り付いている後頭部に向けダイブ。
必死にパタパタと羽を動かして迫る様はなんだか可愛らしいぞ!
「……巻き込むって確かに言ったからね?」
こちらへ向けてやってきたフライトチキンの攻撃をギリギリまで引き付けると、澪は即座に落ちるように回避、フライトチキン同士が盛大に激突し誤爆してしまう。
「よしっ、今だ! 燃えちゃえー!」
その隙に澪は炎の鳥達で攻撃、相手のもふボディに火を付ける。
もっとも、オーラ防御の効果もあって効きはいまいちのようだが……
「防御力は上がっても、決して無敵じゃないはず。強火で行くよ!」
それでも構わず、集中的に火力を上げるとボディの一部が燃え尽き、内側の金属部分が露になる。
可愛い化けの皮が剥がれた瞬間だ。
「見えた! まとめて痺れちゃえー!」
そして弱点部分が露出したところを狙い、高速詠唱で雷魔法を広範囲に落とすと絶縁効果もあったもふボディが無くなった部分に直撃。
それにより致命的ダメージを受けると同時に、フライトチキンの体が一斉に炎上。
鳥の丸焼きの出来上がり、である。
……相手、キャバリアだけどね!
大成功
🔵🔵🔵
神酒坂・恭二郎
これはまた、何とも可愛らしいと言うか何と言うか
放置しても良いんじゃねぇかな……
なんて、甘い事は言わないさね
自身の生存を確保した上で、技術レベル的に型落ちの相手を一方的に攻撃。この構図自体が危険なのさね
普通だった奴等が、それでおかしくなるのは過去の戦場で何度も見た
方針は、連中の中に飛び込んで大立ち回り
攻撃はせずに、風桜子の【推力移動】で機体同士の間に滑り込んだり、嘴を風桜子のこもった刀で【受け流し】て、時間を稼いで奴等を集める
「撤収だね。食い過ぎるなよ、鮫神殿」
時間になれば、アヤカ嬢の救援に合せて
格納庫の地面を虚数空間に繋げ、召喚した星喰鮫で一掃しよう
●サメだー!!
「これはまた、何とも可愛らしいと言うか何と言うか。放置しても良いんじゃねぇかな……」
いえ、ダメですよ神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)さん!?
あんな見た目でもキャバリアですし、それを利用してゾルダートグラードが侵略とか他の超大国との戦闘に投入され……え、投入して戦うの? このキャバリアが?
いずれにせよ、このフライトチキンも(多分)人々の命を脅かす存在故に、一機でも多く破壊しなければならないのだ。
「なんて、甘い事は言わないさね」
……あ、良かった。
さすがにさっきのは冗談でしたよねハハハ。
「自身の生存を確保した上で、技術レベル的に型落ちの相手を一方的に攻撃。この構図自体が危険なのさね。普通だった奴等が、それでおかしくなるのは過去の戦場で何度も見た」
ウワーッ、急に真面目に!
温度差、温度差が激しいよ恭二郎さーんッ!?
確かにクロムキャバリアと獣人戦線の技術レベルには相当な開きがあり、その差で一方的に蹂躙する事は……って、真面目に語ってる場合じゃなかった!
これ一応(多少の)ギャグ寄りのシナリオですし!
「さぁて、それじゃあ仕事でも始めるとするかね」
そんな事は露知らずと言った様子で恭二郎はニヤリと笑みを浮かべると、一気に敵陣へ飛び込んでいく。
なんと言うか、初手からカッ飛ばしてる!
「侵入者だ! 迎撃、迎撃ー!」
「警備部隊に緊急通報! 到着まで持ちこたえろ!」
その一方で、恭二郎が堂々と攻め込んできた事にフライトチキンのパイロット達が驚きつつも、迎撃体勢に移るべく機体を起動。
慌ただしく、もふもふボディのひよこ型キャバリアが集団で攻めてきた。
「おおっと、大勢でのおもてなしとは痛み入るね」
パタパタと羽を羽ばたかせつつホバリングで続々とやってくる、フライトチキンの部隊を前に恭二郎は名匠・|銀河流星《しろかわながせ》作の大業物『銀河一文字』を抜き、構える。
「あらよっと!」
フォーメーションを組んで飛び込んできたフライトチキン数体の攻撃を、恭二郎は|風桜子《ふぉーす》の推力移動で滑り込むようにもふもふボディの間をすり抜ける。
上手く潜り抜けたかと思われた次の瞬間、今度は別の方向からやってきたフライトチキンの嘴アタックが飛んでくる。
「そこだ、喰らえい!」
「よいしょぉっ!」
間一髪のタイミングで、嘴アタックをこれまた|風桜子《ふぉーす》の籠った銀河一文字で華麗に受け流す。
「俺を倒したいなら、もっと数を集めてきな」
だが恭二郎は一切反撃する事なく攻撃を避けまくり、この場に敵を集め続ける。
これでは敵を倒すどころの話ではないが……?
「くそ、こいつ……ちょこまかと……」
「警備部隊が来るまであと少しだ、追い詰めて押し潰せ!」
それに対し、ひたすら逃げ回られ続けて苛立つフライトチキンのパイロット達。
奴らが言うように、警備部隊が到着するまであと僅かだ。
「撤収だね。食い過ぎるなよ、鮫神殿」
そしてタイムリミットが来たか、格納庫奥に脱出用ゲートが開く光を目にした恭二郎が直ちに反転、撤収と同時に『|口寄せ:星喰鮫《メガロドン》』で格納庫の地面を虚数空間に繋げ、暗黒宇宙の星喰鮫を召喚する。
どうやら先程まで敵を集め続けていた理由はそのためだったようだ。
「な、なんだ!? サメがなんで……ウワァァァーッ!?」
「く、喰われ、喰われるゥゥゥーッ!」
集まったフライトチキンを格好のエサと認識したか、星喰鮫が容赦なく喰らう!
サ、サツバツ!!
「待たせたな、侵入者は……な、なんだこれはッ!?」
……そして恭二郎が撤収した直後、入れ替わりでやってきた警備部隊が目にしたのはサメに喰われた後のフライトチキンの無残な残骸であったと言う。
大成功
🔵🔵🔵
カーバンクル・スカルン
まあ、間近で見れば3m台でも望遠鏡越しに見れば可愛いひよこだと思って誤魔化せ……るわけないな。単純にゴツゴツしたキャバリアに飽きて可愛らしい物見たくなっただけでねぇの?
相手の本拠地に自ら突入して四面楚歌になっている今、正攻法では押し切られる。なら搦手かつ最大効率でいくとしましょう。
1体のフライトチキンをターゲットにしてひたすら攻撃。そしてそれを起点として【集団心理】を発動! いくらフライトチキンのスペックが上がっても中のパイロットが何も出来なくなったら意味がなくなるだろう?
あとはパイロットを操縦席から引き摺り出して捕縛して転がして、席に入るための扉を溶接して使えないようにしたらそそくさと退散!
●そう言えば操縦席ってどこにあるんですかね?
「まあ、間近で見れば3m台でも望遠鏡越しに見れば可愛いひよこだと思って誤魔化せ……るわけないな」
カーバンクル・スカルン(クリスタリアンの懲罰騎士・f12355)はフライトチキンに対する印象を何とかしようと思ったが、上手く行かずに考えるをやめた。
いくら可愛くとも、根本的にデカかったら何と言うか不気味だからしょうがない。
せめて着ぐるみサイズなら……って、それじゃそもそもキャバリアにならんですが。
「単純にゴツゴツしたキャバリアに飽きて可愛らしい物見たくなっただけでねぇの?」
うーん、そこんとこどうなんですかね……?
全ては宿敵主が知るところであって、実際はニントモカントモ……
どちらにせよ、このもふもふキャバリアを破壊或いは使用不可能にまで持っていかなければならず、それも一機でも多くやるとなるとかなり大変である。
「相手の本拠地に自ら突入して四面楚歌になっている今、正攻法では押し切られる。なら搦手かつ最大効率でいくとしましょう」
そんな中、カーバンクルはこの場における戦法を決めたのか、いよいよ敵陣へと殴りこまんとする。
さあ、ハデにやっちゃって下さい!
「どっせーい!!」
カーバンクルが敵中へ飛び込むと同時に、不意打ちジャンプキックをフライトチキンの一体に叩き込むも、もふもふボディが衝撃を受け止めた。
意外! それは防御にも使える!!
「ぬおッ!? て、敵襲か!? 戦闘体勢ーッ!」
奇襲を受け、コクピット内部が派手に揺れた事に反応したパイロットが慌てて機体を起動すると同時に、周囲の仲間にも呼び掛ける。
フライトチキンは なかまをよんだ!
「おっと、仲間を呼んだようね。けど、それがどうしたって言うの!」
ジャンプキックの直後に先程攻撃を仕掛けたフライトチキンへよじ登ると、カーバンクルは機械仕掛けのワニで頭頂部を追撃!
ガンガンと機体に衝撃が走る!!
「こ、この……落ちろ、落ちろー!」
一方で更に攻撃を受け、頭上のカーバンクルを振り落とそうとするフライトチキン!
オーラ防御を展開しているのでダメージは少ないが、鬱陶しい事この上ない!
周囲を囲んだフライトチキンらもカーバンクルを狙おうとするが誤爆を恐れてか、思うように攻撃を仕掛けられない様子だ。
「この辺りが仕掛け時ね。さあ、恐怖するといいわ」
そのまま一体のみをひたすらにボコりつつ、ここでカーバンクルが『|集団心理《ミンナデワタレバコワクナイ》』を発動すると、中のパイロットに幻影を見せる。
「な、なんだ!? こいつらは一体……!? く、来るな……来るなーッ!」
じっとこちらを凝視する大量の獣人の群衆(を、模した幻影)を前にパイロットが恐怖すると、慌ててコクピットハッチの解放ボタンを押す。
「よし来た。いくらフライトチキンのスペックが上がっても中のパイロットが何も出来なくなったら意味がなくなるだろう?」
「なッ、何を……アァァァー……ッ!?」
そしてそのチャンスを逃さず、カーバンクルが反応。
コクピットからパイロットを引きずり出して拘束具で捕縛すると、そこから床に向けて無情にも投げ落とした。
……何か落下の際にヤバい音が聞こえたような気もするが、多分気のせいだ!
「そして無人になった今の内に……ちょちょいの、ちょいっと!」
仲間が投げ落とされた事で軽い混乱状態に陥っている他のフライトチキンを尻目に、カーバンクルはコクピットハッチを閉じると、迅速に溶接。
あっと言う間に中へ戻る事が出来なくなってしまった!
「こんなところね。破壊は仲間がやってくれるだろうし、速やかに撤収!」
敵にちょっとした嫌がらせを済ませたカーバンクルはそのまま180度ターンし、この場から風のように去っていった。
……あれ、結局いたずらしに来たの!? 最大効率は!?
大成功
🔵🔵🔵
結城・有栖
わぁ…可愛いもふもふさんがいっぱいですね。
「もふってる時間はないヨ?急がないとネ」
残念ですね…でも、了解です、オオカミさん。
今回はトラウムに搭乗し、シュトゥルムで飛翔して出撃。
まずはUCで魔法を強化する腕輪を創造して装備です。
技能は【属性攻撃】に特化。
敵の攻撃は、【野生の勘で見切り】つつ、【空中機動】で素早く動いて回避。
【残像】も残して囮にし、撹乱もしますね。
その隙に、シュトゥルムの風を使い、敵に竜巻を放って【範囲攻撃】。
竜巻に巻き込んで連携を崩したら、ガイスト・クリンゲから雷の魔力弾を放って【追撃】です。
雷で感電させ、内部機器をショートさせてあげます。
…何だか、ちょっと罪悪感が湧きますね。
●結論:機械は電気に弱い
「わぁ……可愛いもふもふさんがいっぱいですね」
フライトチキンがずらりと並んだ格納庫内を見て、結城・有栖(狼の旅人・f34711)が目をキラキラと輝かせる。
そう言えば有栖さん、可愛い物やぬいぐるみが好きってステシにありましたね。
そりゃあ確かに反応せざるを得ないと言うか……相手、デカいけど!
「もふってる時間はないヨ? 急がないとネ」
思わず任務を忘れそうになっている有栖に向け、彼女の中に眠るオウガこと『オオカミさん』が釘を刺す。
オオカミさんの言う通り、今回はフライトチキンをもふる余裕はない。
そんな事をしていたら、タイムオーバーで駆け付けた警備部隊に捕まっておしまいだ。
「残念ですね……でも、了解です、オオカミさん」
有栖は仕方ないかと言う様子で気を引き締め、オオカミさんに返答する。
なんと言うか、オオカミさんがいなかったら今頃は大変な事になってたかもしれない。
だってホラ、そうなったらストッパー不在で、もふもふ地獄に沈んでたかもだし?
「で、どうやって戦うんだイ?」
「相手がキャバリアなら、こっちもキャバリアで行きます」
有栖は魔女のような姿をしたキャバリア『トラウム』を召喚すると、早速乗り込む。
そうしてトラウムがシュトゥルムシステムで飛翔すると、フライトチキンへ向けて飛び立つのであった。
「もふもふさんでも中身は機械、ここはこの手で……」
まず有栖は『|想像具現・幻想魔導具《ソウゾウグゲン・ゲンソウマドウグ》』を発動し、魔法を強化する腕輪を創造して装備する。
これで攻撃準備は完了だ。
「敵! 向こうもキャバリアで来たか!!」
「しかし我々の方が数は上だ! 飛んで火に入るなんとやら、ってな!」
その一方でフライトチキンの部隊もトラウムに気付くと、各々がパタパタとホバリングしながら攻撃を仕掛けんとする。
……見た目が可愛いせいで、妙に緊張感がないのはご愛敬だ!
「いっぱい来たネ。うーん、もふもふしてそうだヨ」
「今回は惑わされません。……多分」
……今、多分って言わなかった!?
ちょっと心が揺らいでない!?
それはともかく、フライトチキンが集団戦法でトラウムに襲い掛かるも、野生の勘で攻撃を見切りつつ華麗な空中機動で素早く動き、回避していく。
相手は見かけによらず機動力はそこそこあるようだが、早さはこちらが上のようだ。
「そこだ、喰らえ……な、残像!?」
更にはトラウムが移動の際に残像も残してフライトチキンを攪乱。
数で勝る相手を手玉に取る。
「向こうは混乱してるヨ。やるなら今しかないネ」
「はい、反撃です。風よ、風よ……」
この隙を逃さず、有栖の駆るトラウムがシュトゥルムの風を使い、敵に竜巻を放つ。
先に創造した腕輪は属性攻撃に特化しているため、威力もバッチリだ。
「なんだ!? 機体が煽られて……わぁぁぁーッ!?」
「この中で暴風だと!? し、姿勢制御……オ、オボボーッ!」
竜巻に呑まれたフライトチキンは、暴風の中でぐるんぐるんと大回転。
これにはパイロットにもダメージは必至だ!(主に三半規管が)
「一気に決めます。ここは容赦なしです」
「よーシ、やっちゃいナー!」
敵部隊の体勢が大きく崩れた事で生まれた一網打尽のチャンスを逃さんとばかりに、トラウムが手にしているキャバリア用の魔法の杖『ガイスト・クリンゲ』が青白く輝くと、雷の魔力弾が放たれ、追撃する。
「うぐぐ、は、吐きそうで……アッババババーッ!?」
「アーッ!? グワーーーッ!?」
そして雷の魔力弾がフライトチキンに直撃すると、容赦なく内部機器を焼き、ついでにパイロットにも致命的ダメージを与えた。
……その結果、フライトチキンは揃いも揃って黒焦げになり、自慢の(?)もふもふ毛も燃え尽きてしまい、中身の金属ボディが丸出しになってしまったではないか。
とは言え、あの見た目でもキャバリアなのだから、そうもなっている訳だが。
「……何だか、ちょっと罪悪感が湧きますね」
一網打尽の後、無残な姿を晒しているフライトチキンだった物を見て、少しだけ可哀想な事をしてしまったのかもしれない……と有栖は思う。
……まあ、任務は達成しているし結果オーライって事で!
――かくして、猟兵達の活躍により配備されていたフライトチキンの大部隊は壊滅的な被害を受け、九割五分が破壊もしくは稼働不能と言う大損害を被った。
同時進行している作戦も順調に進んでいるらしく、アルプス国家要塞内部の制圧は近い事だろう。
大成功
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