獣人世界大戦⑤〜レジスタンスを引っ越し作戦
●グリモアベースにて
「集まってくれてありがとう。早速、作戦の説明をさせてもらうね」
グリモア猟兵達により多くの猟兵達が獣人戦線にへと送り込まれる中、グリモア猟兵であるリリスフィアが次の依頼の説明を始めた。
「向かってもらいたいのは、獣人戦線のイタリア半島だよ。今はゾルダートグラードの勢力下にあるのだけれど、飛行機乗りの中心とした獣人達がレジスタンスを結成して、ゾルダートグラード空軍への抵抗を続けているんだ。彼らの勢力が拡大していければ、猟兵達にとっても大きな力になる筈だよ」
だがゾルダートグラード軍も黙って見過ごす訳もなく『秘密警察』を派遣し、潜伏しているレジスタンスだけでなく猟兵達をも摘発しようとしている。
「既に秘密警察はレジスタンスのアジトを特定しつつあって、このままだと摘発されてしまうのが予知してしまったんだ。だからその前に皆の助力でレジスタンス達が逃げるまでの時間を稼いでもらえないかな」
現在レジスタンスが潜伏しているのは、ゾルダートグラード軍の占拠下にある小さな港町である。
港町をくまなく捜索されれば、容易にアジトを発見されてしまう事だろう。
幸いにもレジスタンス達は別のアジトに引っ越し中であり、数時間ほどの時間を稼ぐことが出来れば、『秘密警察』でも簡単には見つからない新アジトに、全員無事に避難が完了する事だろう。
「秘密警察は猟兵達も狙っているから、気を引くことは十分に可能な筈だよ。ただ摘発されないようにだけは注意して欲しいかな」
『秘密警察』は精鋭部隊ではあるものの、猟兵達が全力で戦えば勝てない相手ではない。
だが戦闘となれば戦えば無関係の住人達を巻き込んでしまい、被害は避けられないだろう。
「秘密警察をレジスタンスから遠ざけさせつつ、適当に時間を稼いだところで逃走するというのが、今回やってもらいたいことになるかな。秘密警察の獣人達は皆、柄の悪い人達のようだから、多少手荒になっても気にすることはないと思うかな」
オブリビオンとの戦いに比べれば地味な作戦であることは否めない。
だが民衆の犠牲を出させないようにする為にも、レジスタンスの救出は必要な作戦でもある。
「町とレジスタンスにさえ被害がなければ、やり方は問わないよ。皆の活躍を期待しているね」
そう説明を終えたリリスフィアは、早々に転送門を開くのであった。
吾妻 銀
吾妻 銀です。
獣人世界大戦の2本目のシナリオとなります。
戦争シナリオとなりますので、1章構成となります。
第一戦線のシナリオですので、5月10日(金)までに完結を目指します。
秘密警察から獣人達レジスタンスを逃がすための冒険シナリオとなります。
秘密警察の摘発対象には猟兵も含まれていますので、猟兵であることをアピールすれば、摘発しようと集まってくるでしょう。
他の手段でも秘密警察を足止めすることは可能です。
プレイングボーナスは「秘密警察に気付かれないようレジスタンスを助ける」となります。
参加は公開直後から受け付けます。
締め切りは参加状況を見て、タグや雑記に記載します。
それでは皆様の参加をお待ちしております。
第1章 冒険
『集積基地防衛線』
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POW : 集積基地の移送が終わるまで軍勢を食い止める。
SPD : 一刻も早く移送が終わるように手伝う。
WIZ : 敵の指揮系統を混乱させる。
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
夜刀神・鏡介
もしレジスタンスが摘発されれば殺されるか、或いは連中の兵士にされるか……どちらにしても碌な未来にはならないだろうな
レジスタンスに潜入した警察の一員、もしくは民間の密告者というテイで警察連中に接触する
伝える内容は「抵抗勢力の拠点を見つけた」とか「連中の移動経路が分かった」とか
予め確認しておいた、人気のない場所に警察を誘い込む
そのまま時間を稼げればいいが、流石に怪しまれるだろうな
連中が動き出す前に先制攻撃を仕掛けよう。その為に人気のない場所まで来て貰ったんだからな
尤も、警察連中を倒し切る必要もないので適当な所で撤退しよう
俺を追いかけてくるならそれはそれで時間が稼げる
風吹・香織
アドリブ連携歓迎
ふわぁ、地上での作戦は退屈だよ。けど飛行機乗りの同志のためだ。頑張らないとね。
なるほど、今回はむしろ自分達が猟兵であることを活用した作戦だね。
ならこうしよう。
まずはユーベルコードを発動して、街の郊外に塹壕と滑走路を用意しておこう。
これだけで敵の注目を集められる可能性もある。
そうなれば、次の工程はスキップしよう。
次は適当にM1ガーランドを上空に向けて発砲して秘密警察の気を惹き、後は翼も活用しつつ、滑走路に駐機させてる|P-38 ライトニング《相棒》の元まで逃げるよ。
後は|P-38 ライトニング《相棒》に乗って発進だ。
対空火器はなさそうだし、追っては来れないでしょ
リアラ・アリルアンナ
ああ!この世界でも、邪智暴虐の輩の専横によって正しき幸福を求める市民が虐げられる!嘆かわしい事です!
生まれた世界は違えど、親愛なる友人の為に一肌脱ごうではありませんか!
「市民の皆様!あなたの親愛なる友人、そして猟兵のリアラです!
本日は皆様の幸福を踏みにじる真なる反逆者!ゾルダートグラードから皆様を開放する為にやって参りました!」
秘密警察とやらも大通りでこのような演説を打つ者がいれば、流石に動かざるを得ないでしょう
そうしてすぐに集まってきた数人を|説得《UCで洗脳》して味方につけ、後から来る新手に立ち向かってもらいましょう!
さあレジスタンスの皆様、敵の目がこちらに向いている間に退避を!
エドゥアルト・ルーデル
街ごと焼いたらいかんか?
しょうがねぇなあ攪乱すっか!
UCを発動して拙者だけ最速の世界…他の奴らはスロウリィ…速さが足りない!
誰も追い付けない超高速行動…つまり風吹いたみたいなもんだからやりたい放題できるって事でござるな!秘密警察共をねんいりにピンポンダッシュしていこうぜ!
秘密警察の背後にするっと回り込んで後頭部を指で連打したり…無理やり壁の方向に向かせたり…
バレてないならもっと大胆に行けるな!ベルトちょん切ってズボンをずり下げたり!片っ端から靴紐切って回ったり!銃や装備を奪ったり!
適当やったら気付く前に即離脱でござるよ!我に追いつく警察無し!
次はなにしてやろっかなァー?
鳳凰院・ひりょ
避けられる戦闘は極力避けたいかな?
という事で、UCで小動物達を召喚しつつ、秘密警察の動きに関する情報収集を行ってもらって、随時報告を受けよう
それとは別に俺が動物型の式神を召喚して街中を走り回らせてみようかな?
動物型って、この世界じゃ階梯0の獣人と見た目変わらないみたいだし
秘密警察の存在に気が付いて逃げている獣人、に偽装出来ないかな?
無論レジスタンスの引っ越しに支障が出る方向への逃走はNGとして
レジスタンスのいる所から遠ざかる方向への移動なら大丈夫か?
いくつか、同様の式神を召喚してレジスタンスから遠ざけた所で解除(つまり相手が式神を見失う)という事を繰り返して、相手陣営を混乱させちゃおう!
普段はのどかな小さな港町だが、今日に限っては喧騒と緊迫感に包まれていた。
ゾルダートグラード軍が派遣した秘密警察による、レジスタンス狩りが行われているからだ。
「おい、お前レジスタンスだな?返事はしなくていいぞ、そうに違いないからな」
「そ、そんな…」
気弱そうな獣人の若者が、秘密警察の集団に問答無用で連行されようとしている。
その光景を目撃している住人達は、助けたくても身動きが出来ないでいる。
秘密警察の目は港町のそこら中に張り巡らされており、少しでもおかしな動きをする者がいれば、摘発されてしまう事だろう。
適当な住人に濡れ衣を着せようとしているのも、レジスタンスを炙り出す為なのだ。
「我が物顔で踏み入れやがって、何が秘密警察だよ…」
「あと少し時間が稼れば…」
あまりの非道な行いに感情が抑えきれなくなったのだろう、そんなかすかに聞こえた小声も、鋭い聴覚を持つ秘密警察の獣人達は聞き逃さなかった。
「今の声は誰だ!出て来い」
「お前だな。お前もレジスタンスか!」
このままでは本当のレジスタンスが摘発されるのも時間の問題である。
「もしレジスタンスが摘発されれば殺されるか、或いは連中の兵士にされるか……どちらにしても碌な未来にはならないだろうな」
秘密警察の横暴を目の当たりにした、夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は確信する。
レジスタンスを秘密警察の手に渡すわけにはいかないと。
「あちらです。レジスタンスと思わしき人物が向こうの方に逃げていくのを見ました」
獣人だけで構成されている秘密警察である以上、潜入捜査官と偽りのは難しい、ならばと鏡介は民間の密告者というテイを装って、警察連中に接触する。
「何だお前は?この町の者ではないな!」
鏡介の出で立ちから、怪しんだ秘密警察の注目が否応なしに集まる。
(流石に怪しまれるな…)
やはり簡単にはいかないと、鏡介は当初の予定を切り替え、戸惑うフリをして人気のない場所にへと逃げ込む事にした。
「ふわぁ、地上での作戦は退屈だよ。けど飛行機乗りの同志のためだ。頑張らないとね。
その様子を風吹・香織(怠惰な「双胴の悪魔」乗り・f39889)は気だるそうな態度で眺めていた。
だがその眼には使命感に満ちた光を宿している。
秘密警察に追われている鏡介が猟兵である事は知っている。
ならば自分もとばかりに香織は、連射可能なライフル『M1ガーランド』を上空に向けて適当に発砲した。
これには住人達も秘密警察も驚愕し、大騒ぎになる。
「貴様っ!猟兵だな治安維持法に従い、連行させてもらうぞ」
「そんな法律がここでもあるなんて聞いてないよ」
風吹もまた人気のない場所にへと逃走を開始した。
「ああ!この世界でも、邪智暴虐の輩の専横によって正しき幸福を求める市民が虐げられる!嘆かわしい事です!」
騒ぎが大きくなる中、堂々と演説を行っているのは、リアラ・アリルアンナ(リアライズユアハピネス・f36743)である。
猟兵であるリアラは、生まれた世界は違えども親愛なる友人の為に一肌脱ごうと、意気込んでいる。
「市民の皆様!あなたの親愛なる友人、そして猟兵のリアラです!本日は皆様の幸福を踏みにじる真なる反逆者!ゾルダートグラードから皆様を開放する為にやって参りました!」
隠れる気もない堂々とした演説に、恐怖に怯えていた住人達は不思議と勇気づけられるような感覚に陥る。
リアラの演説と共に放たれる渦巻状の波動が、そうさせているのだ。
「ええい。次から次へと、治安を乱す奴らは許さんぞ!」
更に街の郊外に塹壕と滑走路が突然出現したという報告も受け、秘密警察のリーダーらしき男は頭を抱えた。
それは香織の事前工作によるものなのだが、秘密警察にしてみればレジスタンスの仕業であるようにしか見えない。
対応しないわけにも行かず、部下の警察官に全員取り押さえるよう指示を下す。
同時に本国からも援軍を寄こすよう指示を出した。
「え、本隊が来るの?なら、その前に街ごと焼いたらいかんか?」
どこか楽しげな表情で秘密警察のやり取りを聞いていた、エドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)が自問自答するも、すぐに考えを取り下げる。
「しょうがねぇなあ攪乱すっか!」
散臭く、不審げな男ではあるが、エドゥアルトもれっきとした猟兵なのだ。
ほんのわずかの間だけ真剣な表情を見せてから、行動を開始する。
「他の奴らはスロウリィ…速さが足りない!」
UCで身体能力を強化した、エドゥアルトは援軍を呼ぼうと通信機で連絡を取ろうとしていた警察管に急接近し、通信機とついでに拳銃も強奪するのであった。
「つまり風吹いたみたいなもんだからやりたい放題できるって事でござるな!秘密警察共をねんいりにピンポンダッシュしていこうぜ!」
秘密警察達が襲撃に気付く僅か数秒の間に、エドゥアルトは好き勝手に暴れる。
背後にするっと回り込んで、後頭部を指で連打したり…無理やり壁の方向に向かせたり、ベルトちょん切ってズボンをずり下げたり、片っ端から靴紐切って回ったりと、通常なら数分はかかるだろう行いを、エドゥアルトは超高速行動により僅か数秒で成し遂げたのだ。
「な、なんだぁ!」
秘密警察達が慌て出した頃には、エドゥアルトは既にその場から逃げ去っていた。
「避けられる戦闘は極力避けたいかな?無論レジスタンスの引っ越しに支障が出てしまうのもね」
猟兵達が秘密警察の注意を引いている中、鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)は、慎重にUCで召喚した小動物達に情報収集を行わせていた。
そしてその報告を受け、秘密警察とレジスタンスの動きも把握済みである。
レジスタンスの引っ越しはほぼ完了しつつあり、残っている人員が港町を脱出すればいいだけである。
「俺も連中の注意を引くとしようか」
ひりょは獣人と見た目は変わらない動物型の式神を召喚し、秘密警察の気を引くように走り回らせた。
「あそこにもいたぞ、レジスタンスだ。一人も逃すな!」
指揮系統が乱れつつある秘密警察達は、疑う事もせずに式神を追いかける。
無論レジスタンスのいる所から遠ざかる方向にである。
「みんな、力を貸してくれ!」
式神には負担を強いてしまうがこれも作戦の為と、ひりょは決意して同様の式神を召喚するのだった。
「……どうやら仲間も上手くやっているらしいな」
人気のない場所に逃げ込んだ鏡介は、追ってきた秘密警察達に対して先制攻撃を仕掛け、全員打倒していた。
他の猟兵達が注意を引いてくれているおかげで、追ってきた秘密警察の数もさほどではなかったのだ。
「頃合いか…警察連中を倒し切る必要もないし撤退しよう」
これ以上留まる必要はないだろうと、鏡介は刀を鞘に納めて撤退を開始する。
「見つけたぞ!逃げられると思うなよ」
だが秘密警察も簡単に撤退を許さないようである。
「引き上げるの?なら、一緒に行かない。その為の翼も用意しているからさ」
そこへ同じようにして注意を引いていた香織が合流する。
鏡介に断る理由はなく頷き、香織の後を追いかける。
「くそっ!邪魔をするな」
一方で大通りでも騒ぎは続いていた。
様子を見ていただけの住人達が秘密警察に抵抗しているのである。
「まさかこいつら全員、レジスタンスなのか?」
港町に潜んでいたレジスタンスは少数であると聞いていた、秘密警察も眼前に立ちはだかる数十人の住人達を前に困惑している。
「さあ、共に手を取り合いましょう! それはとても幸福なことなのですから!」
住人達を新たなレジスタンスに仕立てたのは、尚も演説を続けているリアラの|説得《UCで洗脳》によるものである。
だがそうなると秘密警察なりふり構わなくなる。
「こうなれば皆殺しに…」
開き直ったような決断をして武器を取り出そうとする秘密警察だが、手にしていたはずの武器が消えていた。
「我に追いつく警察無し!次はなにしてやろっかなァー?」
舞い戻ってきたエドゥアルトが、秘密警察の武器を片っ端から強奪しているのだ。
「今の内に避難を!」
ひりょも便乗して住人達を先導する。
「くそっ!逃がさんぞ」
混乱しながらも使命を果たさんと逃走する住人達を、秘密警察は懸命に追いかける。
「この辺りでいいかな?」
ひりょはタイミングを見計らって住人のフリをして逃げてもらっていた式神を解除した。
秘密警察の目には突如住人が消えたように見えたことだろう。
「……どうやら本物のレジスタンスの引っ越しは完了したようだね」
レジスタンスの様子を観察させていた式神から、残っていたレジスタンス達が潜伏させていた船を出港させたという報告を受ける。
「それならもうここには用はないでござるな!お嬢ちゃんも一緒に逃げるでござる。拙者はとても幸福でござる」
リアラの影響を受けているのかいないのか、エドゥアルトは幸福感に満ちた表情で、演説を終えたリアラを抱え上げると、信じられない程の速さでその場から去っていくのだった。
「俺は置いてけぼりか?…だがその方がいいか」
レジスタンスは去ったようだが、その代わりに残った住人達が摘発されてしまうという事態は避けなければならない。
その後も、ひりょは式神の召喚と消滅を繰り返し、秘密警察にあたかもレジスタンスがまだ逃げている最中であると思わせる事にした。
空を見上げると、双発機が陸地に向かって飛び去って行くのが見える。
香織と鏡介が搭乗しているP-38 ライトニングである。
2人もまた秘密警察からレジスタンスと住人達を遠ざけさせる為に、敢えて目立つように飛び去ったのだ。
秘密警察側は対空火器の用意はなく、飛び去るのをただ見送るしかなかった。
「まさか逃げられたのか…」
気が付けば加担したと思しき住人達の姿も消えており、秘密警察のリーダーががっくりと項垂れる。
その光景を見届けたひりょも、弱りきった秘密警察の目を盗んで、その場を立ち去るのだった。
大成功
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