獣人世界大戦⑦〜毒蛇叩き
●のたうつ九龍城
獣人世界大戦が始まって、どの超大国の支配国にもない香港のサイバー城塞『九龍城』に変化が現れた。
あれはなんだと人民租界のオブリビオン達が叫ぶ。
『九龍城が……進撃を始めた……?』
巨大な城塞はヘビのように大地をのたうち、ある方角に向かってうねりながら進み始めていた。
その行き先は中国大陸部、人民租界のオブリビオンとしては大戦の最中にこんな厄介な『サイバードラゴンシティ』を向かわせるわけには行かない。
住民により改造されつくされ難攻不落の九龍城、しかしその進撃を止めるためにガラガラヘビのオブリビオン達は細長い体をうねらせて九龍城の内部へと潜入していく。
グリモアベース。
「皆さん、獣人戦線でとうとう獣人世界大戦が始まってしまいました。超大国の野望を阻止するために、どうかお力を貸して頂けないでしょうか」
トラのグリモア猟兵、禹・黄風(武の頂を・f40009)が集まった猟兵達にそう要請する。
「今回向かって頂きたいのは香港の九龍城、元々どの超大国の支配下にもない独立した難攻不落の城塞だったのですが……獣人世界大戦の開始と同時にサイバードラゴンシティとなり、中国大陸部へと進撃を開始したのです」
城って動くんですね、と微妙に遠い目をしつつ黄風は説明を続ける。
「九龍城を止めるために人民租界のオブリビオンの兵が侵入を果たしています。ガラガラへビのサイバー改造兵部隊で、皆さんにはこの部隊の撃破をお願いしたいんです。九龍城は自動変形し続けるサイバーパンクダンジョン、現地の獣人達が散々改造し尽くしたサイバートラップだらけの構造で、上手く利用できればオブリビオンを倒す大きな助けになるでしょう」
必要な罠が存在するなら猟兵に好意的な現地住民に接触すれば場所を教えてくれるだろうと、黄風は説明して彼のグリモアである巻物を広げ、転送の準備を開始する。
「今回の戦争には終戦を含めて三つ、十日おきに大きな区切りがあります。長い戦いになると考えられますが、ペースを考えつつ最後まで戦い抜き超大国に大打撃を与えましょう」
そうトラの青年が話を締めくくると同時にグリモアが光輝いて、猟兵達は奇怪なサイバー都市の内部へと転送されたのだった。
寅杜柳
オープニングをお読み頂き有難うございます。
何でもありな九龍城。
このシナリオは獣人戦線の『サイバードラゴンシティ』と化した『九龍城』に忍び込んだ『ランスヘッド・コマンド』たちと戦うシナリオとなります。
九龍城は自動変形し続けるサイバーパンクダンジョンで、現地住民が散々改造して罠だらけになっているので上手く使えば一網打尽にできるかもしれません。
また、下記の特別なプレイングボーナスがある為、それに基づく行動があると判定が有利になりますので狙ってみるのもいいかもしれません。
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プレイングボーナス……九龍城のサイバートラップに敵を巻き込む。
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それでは、皆様のご参加をお待ちしております。
第1章 集団戦
『ランスヘッド・コマンド』
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POW : 手負蛇の執念
【肉体の損傷を無視して行動させる呪詛】に覆われた真の姿に変身し、筋肉・骨・神経・臓器のどれかを激しく損傷する度に追加攻撃ができる。
SPD : ラトルテイルブレード
【猛毒を仕込んだ蛇腹剣の攻撃】が命中した部位にレベル×1個の【裂傷】を刻み、その部位の使用と回復が困難な状態にする。
WIZ : サイドワインダー
【地面に伏せた】姿勢のまま、レベルkm/hで移動できる。移動中は、攻擊が命中した敵に【出血毒】の状態異常を与える。
イラスト:片川 香恵
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
霧崎・天音
敵は蛇のような動き…
だとしたらネズミ返しのような罠が設置されていたら登れなくなる可能性があるかも…
できる限り深くて登れないような罠を用意してもらうと嬉しいかな。
…その後は敵を待ち構えて、適度に攻撃を仕掛けつつ後退
できる限り敵を集めたところで罠の発動を要請する。
多くの敵を落とし穴に落として、一点に集めたところで一気にユーベルコードを打ち込んで、まとめて粉砕する…
コレで多くの敵を仕留められると思う…
レニー・リー
ガラガラヘビ…ってことは毒持ちか
戦闘中に治療してる余裕は無いし
地の利を生かして嵌める方が良さそうだね
住民から教えてもらう罠の種類は
“床のセンサーと連動する落とし穴”
誰かが上を通ったら開くタイプのやつね
仕掛けの位置を確認して…いざ、出陣!
【太陽気功】発動
【酉の形】併用
光でおれの存在を示して挑発
かつ目眩ましで一瞬、時間を稼いで
【酉の形】の発動に繋げるよ
ほんの少しだけ宙に浮くように飛んで全力逆走!
敵の攻撃がギリギリ届かない程度の距離を
保ちつつ逃げて
罠の位置まで釣り出すよ
おれは浮いてるから
床のセンサーに感知されないけど
地を這う敵は引っ掛かって
落とし穴に真っ逆さまってわけ
|拜拜《バイバイ》、オブリビオン
●竜殺しと獅子兎は迎え撃つ
『ランスヘッド・コマンド』の群れは音もなく九龍城への侵入を果たす。
強化されたガラガラヘビ獣人、細長い体の特性もあってこのような敵拠点への潜入や強襲はお手の物だ。
ピット器官での熱源感知能力もあり暗闇であろうとその行動に淀みはなく、改造され尽くして雑多に見える九龍城を進んでいく。
「ガラガラヘビ……ってことは毒持ちか」
ライオンのような首周りの毛並みが特徴的なウサギはレニー・リー(眠れる獅子兎・f43295)は、この九龍城に潜入した敵について思案を巡らせていた。
ガラガラヘビの部隊を相手にするなら戦闘中に治療する余裕はないだろう。それならば、
「地の利を生かして嵌める方が良さそうだね」
レニーの言葉にレプリカントの霧崎・天音(異世界のラストドラゴンスレイヤー・f40814)。も同意している。二人は既にこの九龍城の友好的な住民に必要とする罠を伝えていて、その場所の近くでガラガラヘビの一部隊を待ち構えていた。
その位置は確認済み、あとは敵の部隊がやってくるのを待つだけで、その姿が通路の向こうに見える。
「いざ、出陣!」
レニーの掛け声、敵兵の部隊へと駆ける二人で先に仕掛けたのは両手に獄炎刀『雷火』と『獄炎』を構えた天音だ。
一気に距離を詰めて連続で斬りかかり、ヘビ達は散開して斬撃を回避する。
躱しきれなかったヘビの胴体が切り裂かれ、だがその体を呪詛が覆ってより凶悪な姿へと変貌を遂げる。体を切り裂かれているのに全く動きが鈍らないのは全身を覆う獣呪術の呪詛によるもの、激しく傷ついたのならそれに対する報復のように追加で攻撃を仕掛けてくるという特性だ。
手負いの執念、更に敵の数は多く真っ向から戦うだけでは押しつぶされてしまう状況で、天音は攻撃を加えながらも徐々に後退し始める。弱気になったとみたガラガラヘビ達は仲間と共に連携して彼女に襲いかかる。
しかしそこで、レニーの叫び声が響く。
「おれを見ろ!」
【太陽気功】というユーベルコードをレニーが起動し、その全身から気を放出して眩い光が九龍城の通路を満たす。
露骨な目眩まし、だがガラガラヘビは視界が塞がれてすぐに熱源感知によりレニーの位置を把握して蛇腹剣を振るう。
猛毒仕込みの刃は切り裂かれたならズタズタにされてその箇所が使用困難になってしまう。拳法で戦うレニーには割と厄介であり、だからこそ対策もしている。
「鶏の如く……風を読む!」
蛇腹剣が彼に届く前に、レニーの体が風に乗ってほんの僅かに浮かび上がり斬撃を回避。【酉の形『風見之鶏』】により飛翔可能になったレニーの体は蛇腹剣のギリギリ届かぬ範囲を維持しながら後退していく。
(「もう少し……」)
さり気なく周囲へと視線を向けて位置を確認しながら二振りの獄炎刀で毒牙を防ぐ天音、蛇の尾の叩きつけを防ぎ、その勢いで大きく後方にジャンプすれば、反射的にガラガラヘビ達は地を高速で這って追いかけて、二人の足を狙い機動力を潰そうとしてくる。
しかし、それこそがオブリビオン達にとっての命取りとなる。
その牙が天音の脚に届く直前、ランスヘッド・コマンド達の真下の床が急に抜けてガラガラヘビ達が重力に引かれて落下する。
「上手くいったみたいだね」
ここに仕掛けられていたのは重量を感知して作動する落とし穴、それもネズミ返しのように這い上がるのが難しい深い穴で、地を這うヘビ達は咄嗟に反応できず纏めて落下してしまう。
この場所まで惹きつけてこのサイバーシティのセンサーに反応させ落下させる、それが二人の作戦だった。
天音はセンサーの位置を正確に把握して飛び越え、レニーは浮いているから重量感知には引っかからない。引っかかるのは地を這うガラガラヘビ達だけで、窮地に落とされたヘビたちはどうにか脱出しようとするが、
「地獄の刃、華となって奴の命を攫え!」
それを否定するかのように天音がユーベルコード【獄炎斬華・死桜】を起動、彼女の右脚を補っていた地獄から炎でできた桜花の花弁が吹出して、落とし穴の底に蠢くガラガラヘビ達に襲いかかる。
一点に集められたオブリビオン達、傷ついても強引に体を動かせる呪詛でも蛇毒剣でもそれらに抗うことはできず、穴の底から這い上がる事のできたランスヘッド・コマンドはいなかった。
「|拜拜《バイバイ》、オブリビオン」
レニーの言葉に穴から響く音もなし。
ガラガラヘビの兵士たちを一挙大量に仕留めた天音とレニー、だがこの九龍城へと潜入した敵部隊は未だいるだろう。
この九龍城を完璧に守り抜くために、二人は次の罠の地点へと向かうのだった。
大成功
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夜刀神・鏡介
改造され尽くした九龍城。一体何が彼らをここまで駆り立てのやらと思うけれど
戦いの役に立つなら活用させてもらおうか
この辺りには転移罠が幾つか仕掛けてあり、別の仕掛けとの組み合わせで何処に転移するかは変えられる……と
仕組みを一通り頭に叩き込んでから戦場へ
利剣を抜いて、澪式・捌の型【炎舞】の構えで敵と相対
包囲されないように注意しつつ敵の攻撃を弾きカウンターで攻撃
安全なタイミングで転移罠を使い、敵を撹乱するのを何度か繰り返す
そうしているうちに敵も対応して、かつ罠の利用を考えてくるはず
そうなったら、仕掛けを動かす事で転移先を切り替えて別の危険地帯へと飛ばしてやろう
数が幾らか減って戦いやすくなったな
●その罠の先は何処へと
龍の如く大地をのたうち進む九龍城、その進撃を止める為に潜入を果たしたガラガラヘビ部隊の得意とするのは生物に対する暗殺、急襲。
反面建造物を豪快に破壊するような力には欠けていて、だからこそ未知の場所であっても行動できるように連携や索敵、斥候としての能力は磨かれている。
なのだが、
『おい、今どこにいる!?』
『分からない。転移罠に引っかかったようだ!』
分断された部隊の間で通信機越しにやり取りされているように、このサイバードラゴンシティの罠にかかってしまい、持ち味の一つを潰されたヘビの部隊は混乱に陥っていた。
(「一体何が彼らをここまで駆り立てたのやら」)
こんな訳の分からない罠がごまんとあるらしい、改造され尽くした九龍城について夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は『利剣【清祓】』を構え敵と相対しながらそんな事を考える。
彼らの情熱の由来はこの九龍城への愛着か、もしかするともっと別の何かなのかもしれないけれど、それはさておいて自身の戦いの役に立つのであれば存分に活用する姿勢でいた。
オブリビオン達が連携して怪奇人間の青年に毒牙を突き立てんと襲い掛かる。
「焔の如く――澪式・捌の型【炎舞】」
しかしユーベルコード【澪式・捌の型【炎舞】】を起動した鏡介はその攻撃を柔の太刀で勢いを殺して受け止め、返す剛の太刀で水平方向に斬り裂いた。
普通なら行動の継続は不可能になるだろう重傷、だが呪詛により自身を真の姿へと変質させたガラガラヘビはなおも鏡介へとその長い胴体をしならせて襲い掛かろうとする。
バックステップして躱し、剛の太刀で弾き飛ばしてから転移罠のある床を踏む。次の瞬間に鏡介は少し離れた場所に転移していて、ランスヘッド・コマンド達の更なる連撃は空を切る結果となった。
安全マージンを取りつつ包囲されそうになれば転移罠で安全な地点へ離脱する、予め住人に仕組みと位置を教わっているから出来る。
しかし何度もできる訳ではない。向こうも軍人、即座に自分達も利用しようと考えてくるはずで、実際に転移先の対応を把握しようとしている様子がある。
そしてもう一つ、鏡介が住人達から聞いていた仕掛けがあった。
(「このレバーをこう上に……」)
通路の装飾に見せかけたレバーを思いきり下に操作する鏡介。
表面上は何も起こらない。だが、彼を追って転移罠に飛び込んだガラガラヘビはその変化を身をもって知る事となる
『パターンが変わった!?』
『罠だ! 逃げ……』
罠の転移先を変化させる仕掛け、どう変化するかを知っている鏡介には何も問題はなくともオブリビオン達は大混乱。
落下罠に電撃罠、変化した転移先には危険な罠の数々が待ち構えていて部隊の連携は完全に破壊された。
一矢報いようと直に襲い掛かってくる毒蛇、それを鏡介は破魔の力を宿せし鉄刀でしなやかに防ぎ受け止めて、
「数が幾らか減って戦いやすくなったな」
破魔の剛の太刀で両断、今度こそ損傷を無視できぬ程に見事に上下に両断されたヘビのオブリビオンは床に落下。
そして周辺の混乱しているガラガラヘビの部隊にトドメを刺した鏡介は、まだいるだろう敵を探しにサイバードラゴンシティの通路を駆けていく。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
やや、地面に伏せたままの高速移動でっすかー!
ではでは教えていただいた粘着地雷原におびき寄せるのでっす!
爆発する前に渡り切ろうにも身体にくっついてずどんなのでっす!
ちなみに藍ちゃんくんは空中浮遊で安心なのでっす!
地雷対策あるあるの味方が爆発させた後を後続が安全に通るということもしてくるかもでっすがー。
出鼻をくじければこっちのもの!
後続の方々をまとめて踊らせちゃうのでっす!
蛇の皆さんに立って……鎌首をもたげて? 踊っていただくのでっす!
地面に伏せさせなければ高速移動も毒も不発なのでっす!
そのまま蛇さん同士の長い身体が絡まるように踊らせて、残る地雷原に触れさせちゃいましょう!
●電脳龍の中でご一緒に
ヘビと言われて誰もが連想するだろう、地を這って標的に忍び寄る動作はランスヘッド・コマンド達も当然のように得意としていた。
身を低く伏せた姿勢のまま高速で移動するガラガラヘビの部隊は、他の場所から侵入を果たしたであろう同胞を気にかけながらも与えられた使命を果たす為、こののたうつサイバードラゴンシティの通路を進んでいた。
――なのだが。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
待ち構えていたダンピールの紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)に遭遇したのが運の尽きであった。
とても賑やかで人の目を惹きつける藍にシリアステンションなガラガラヘビ部隊は即座に始末にかかる。
見られたなら始末する、暗殺や奇襲を得意とする彼らは慣れた動作で藍ドルに襲いかかる。
「やや、地面に伏せたままの高速移動でっすかー!
」
オーバー気味なリアクションで藍が驚いてみせ、接近するガラガラヘビ達から跳ねるようにして逃げ出した。
オブリビオン達は当然藍を追いかける。始末できなければ厄介な仲間を呼ばれるかもしれないからと、高速で這いずり追いかけて――そして吹き飛んだ。
『何っ!』
「教えて頂いた粘着地雷源なのでっす!」
跳ねるように――だけではなく、さり気なく空中浮遊で地面にすら触れていなかった藍は地雷を躱し、対するヘビ達は最高速度を出すために地雷原に伏せたままに飛び込んだ。爆発する前に突破しようにも床にしっかり固定された地雷は触れたものに張り付いてヘビたちの動きを阻み、外そうとする間にずどんと吹き飛ばされてしまう。
けれどガラガラヘビ達はすぐさま対抗手段を考えて、冷静にその方法を実行する。
「ややっ、そうきましたかー」
先に進み倒れた仲間を後続が足場にしつつ、既に地雷が爆発した場所を選んで進む。文字通り仲間の屍を踏み越えてくる敵部隊に、けれど藍は動じない。
出鼻を挫き後続の動きを一度止めた、そうなった時点でこっちのものなのだから。
「それでは皆様、ご一緒に! レッツ・ダンシングなのでっすよー!」
ユーベルコード【|藍ちゃんくんと愉快な観客達!《リー・アー・アイチャンクーンッ》】を起動して明るく藍ドルが敵のヘビたちに呼びかけパフォーマンスを開始。空中浮遊で空をステージに、手足のないヘビでも案外真似できてしまいそうに思える風に藍に微調整を加えられたダンスパフォーマンスは、兵士がついつられて体を動かしてしまうほど。
ガラガラヘビの長い体の上半分が立ち上がって鎌首をもたげ、インドあたりの蛇使いがパフォーマンスでさせる踊るような動きを取り始める。
伏せていなければ高速移動も出血させることも不発に終わる――それのみならず、つられて動いてしまうから近くの仲間達との位置関係、そして床に広がる地雷原の事を全く考えていない動きになってしまうわけで、藍がそうなるようにパフォーマンスを調整したようにヘビの長い体はお互いに絡まりあって、バランスを崩しついには地雷原にゴロゴロと転がってしまう。
かちっと音がして、遅れて派手な爆発音。
ガラガラヘビ部隊を見事に撃破した藍は、変わらずハイテンションで他に敵がいないか空を浮遊しつつ索敵を再開するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
自ら敵地へ向けて進軍していくとはすごいです
その心意気に感服です
そんな住民の皆さんにぜひ猫の手をお貸ししたいです
竪琴を爪弾いて
カラクリ鼠さん達をどこからともなく呼び寄せます
肉食禁止の世界とは言え蛇さんですから
その本能からきっと鼠さんは好物だったり心惹かれたりするのではないでしょうか
囮となって引き付けたり逃げ道を塞ぐように自爆したりして
サイバートラップへ誘い込みます
トラップで混乱したりサイバー機構が故障している所を攻撃です
蛇腹剣が来るでしょうが…残念、それは立体映像です
鼠花火の如く鼠さんたちが次々と殺到して
体当たりしたり(投擲攻撃です)
爆発したりして
蛇さんたちを倒していきます
終幕
そのまま演奏を続けて海での安らかな眠りを祈ります
どうぞ静かな眠りを
九龍城の皆さん、お疲れさまでした!
これからも頑張りましょう!えいえいおー
ルー・ガルフィオン
アドリブ・連携歓迎
……?何これ。……!……セーフ。トラップ回避成功。
……うん、無暗に探索するのは控えておく。
住民から拘束型の罠の位置を幾つか教えてもらった。これは使えそう。
罠が見渡せる高所に潜伏し、罠にかかった敵を狙撃していく作戦。
その際、マリス(パートナーの悪夢)には周囲の見張りをさせておく。近くに敵が来たら吠えて教えてね。
もし近距離まで敵が忍び寄ってきたなら、速やかに撤退。
……のついでに、罠の元まで釣り出せないかな?
UCでかく乱しながら敵が罠の方向に進んでいくように仕向けてみよう。
とはいえ、近接戦闘は苦手なので優先は撤退。
蒼炎の幻影に身を隠し逃走しつつ、もし罠にかかった敵がいれば射殺する。
●黒猫とカラクリ鼠、羊と悪夢の大狼
九龍城内の雑多なモノの積み重なった通路を抜けて、猟兵達がある地点へと移動していた。
「自ら敵地へ向けて進軍していくとはすごいです」
まさかこんなに雑多で巨大な九龍城自体が動き本土を目指すなんて、箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)にとっても想定外。
自分自身で叩きに行く、という感情がこの九龍城にあるのかはともかくとして、この九龍城の住人はどうにもそんな感じらしく心意気には感服するばかりだ。
だからこそ、
「皆さんにぜひ猫の手をお貸ししたいです」
小さな黒猫の手は多くの悲劇から人々を救ってきた、だからここでもそうしたいと小さな体に大きな志を抱いてサイバーな通路を進んでいく仄々。
そんな彼と同じ方向に向かっているのはどこかアンニュイな雰囲気の褐色肌のヒツジの少女、ルー・ガルフィオン(夢幻の狙撃手・f41066)。
戦法は多少違うけれども共闘する分には効率的に戦えるだろう、予め住人に確認していた罠のポイントに二人で向かい、目的地にたどり着く。
親切なこの九龍城の住民からルーが聞いたのは拘束型の罠の位置、そしてその罠にかかった敵に射線が通る高所を幾つかで、周囲を見れば廃材が積み重なった山が幾つか。
狙撃手の彼女がこれは使えると思えるうってつけの場所も幾つかあって、けれどその前に足元に目を落とす。
「……? 何これ」
そこには奇妙に光る妙に大きなチェスの駒が転がっている。
ポーンの形、形そのものはクラシックだが、表面に光の紋様が走っていてどことなくサイバーな雰囲気だ。
あまり見たことのないそれに触れてみようとして、傍らの大狼の『マリス』が前足でべちっと弾き飛ばした。
大きな駒は横倒しになってごろごろ転がり、そして壁に当たって止まった瞬間パカっと頭の部分が開いてそこから周囲に網が放射された。
「……! …………セーフ」
一瞬びっくりしたようだけれど、抑揚は殆ど変えずにルーが呟く。
「拘束型の罠、みたいですね」
仄々が網の端を持ち上げながら呟いた。きっとこれがこの九龍城を守る為に住人が改造、設置した罠の一つだろう。
何か言いたげにルーをマリスをじっと見ていて、
「……うん、無暗に探索するのは控えておく」
そう呟いて、ルーは狙撃ポイントへと登り始めて、
「それでは私は敵を誘き寄せてきますね」
黒猫が懐中時計を取り出してワンタッチで竪琴を展開、弦を爪弾けば魔法のメロディが響きだす。
「出番ですよ〜♪」
ユーベルコード【ハーメルンの竪琴弾き】、音楽に誘われるようにどこからともなく召喚されるのはカラクリ鼠たち、現れた彼らの魔導蒸気エンジンはこのサイバーな場所でも絶好調な様子だ。
仄々が別の場所へ続く通路を慎重に進むと、その先にガラガラヘビ獣人数体の部隊の姿を発見する。
向こうはまだ仄々に気付いていない、今なら作戦を仕掛ける事も出来るだろう。
――この獣人戦線は草食と肉食の共存の為に肉食が禁じられている。
オブリビオンであるランスヘッド・コマンダー達ガラガラヘビの獣人がそれを遵守しているのかは不明だが、彼らがヘビである事には間違いない。
カラクリ鼠が通路を走り、これ見よがしにガラガラヘビ獣人達の前を走りアピールする。
わざと止まったり急に動いたり、存在をアピールすればヘビ達は露骨に怪しいこのネズミ達を蛇腹剣の腹でべちんと破壊しようとする。
けれどちょこまかと走るそれには中々当てられず、その内突然光って爆発して近くにいたヘビが吹き飛ばされた。
『これは爆弾か!?』
即座に戦闘態勢に入るガラガラヘビ達の周囲に、大勢のカラクリ鼠達が一斉に姿を現してバラバラに動き出した。
『慌てるな! 確実に一つ一つ対処しろ、作り物のネズミなんぞに負けるな!』
指揮官らしき個体が叫んで、再び秩序だった動きを取り戻すガラガラヘビ部隊。散発的な自爆特攻に対し致命傷を防ぐように回避、逆に隙を見せたカラクリは確実に蛇腹剣で破壊していく。
だが、それはまだ黒猫の策略の内。
『……妙だな』
オブリビオンの指揮官は思う。派手に攻撃したのは最初だけ、後の攻撃はどこか甘く、まるで自分達をどこかに誘導しているかのようで――、
その時、銃声が連続で響いた。音の方角は上方、複雑に入り組んだ段差の上にヒツジの姿が見える。
誘い込まれた――そう悟ったタイミングでこの場所に仕掛けられていた大掛かりな罠の一つが起動、強力な磁場がヘビ達を襲う。
金属製の部品が取り付けられた頭部や尾部が磁力により引っ張られ壁に叩きつけられ、身動きが取れない。
「マリス、見張りをお願い。近くに敵が来たら吠えて教えてね」
複雑に積み重なった廃材の山の上に乗り、敵の部隊をを見下ろすルー。
ルーの夢の世界より出でたる大狼は、狙撃に集中する彼女の傍で命令通りに耳をあちこちに向けて警戒を行っている。
敵が拘束罠にひっかかったなら、距離があるうちは罠にかかった獲物を撃ち抜くだけだ。
更にカラクリ鼠達が走り出して一斉にガラガラヘビに襲い掛かった。
まるで鼠花火のように駆け回り飛び回るからくりネズミの突進は強烈、投擲具の破壊力で蛇鱗を砕いてダメージを通し、更に自爆して周辺の個体を吹き飛ばす。
『アイツだ! あの黒猫を斬ってしまえ!』
竪琴を奏でる黒猫をその召喚主と見抜いたヘビの蛇腹剣が閃き、瞬時に距離を詰めて黒き毛並みを斬り裂いた。だが、
「……残念、それは立体映像です」
それはカラクリ鼠が投影した仄々の立体映像、偽物の仄々のいた位置には危険な針山の壁があり、そこに攻撃を叩き込んでしまったガラガラヘビが悲鳴を上げる。
竪琴の音色はカラクリ鼠のテンションを現しているかのようにアップテンポになり、そしてその間もルーは冷静に狙うべき標的をスコープ越しに確実に捉え、仕留めていた。
その時マリスが背後に向かって低く吼えた。ヒツジの耳がそれを認識した瞬間に狙撃銃を構えつつ前に飛び出し山を下りながら後方から迫る敵から距離を取る。
一般的に狙撃手は近づかれると弱い。まして相手は接近戦での攻め手を多く持つ毒持つヘビだ。
「少し、大人しくしてて」
並走して山を下るマリスに手で触れて、ユーベルコード【|偽装炎幕《カムフランム》】を起動。
大狼のナイトメアはその力で変質し、蒼炎の幻影となって接近していたガラガラヘビ獣人の周りを翻弄するように飛びかかり、蒼炎の幻影はぶわりと広がってガラガラヘビ達の視界を覆う。
攪乱の炎、しかしピット器官による熱感知で標的の位置は把握できている。
尾部の蛇腹剣で仕留めるべく感じ取ったルーの位置に向かって飛びかかるランスヘッド・コマンド。だがその刃は空を切り、それどころか真下から網が放たれヘビの長い胴体に絡みついて縛り付けた。
幻影が隠していたのは地面に転がっているチェスの駒の石像、どうやらここにあった拘束型の罠へと誘導する為の攪乱は上手く行ったようだ。
銃声が連続で響き、網に捕まったヘビの動きが停止する。
蒼炎の幻影に紛れたままのルーが歴戦の相棒『ヴォルコフSVV』で過つことなくその頭部を撃ち抜いたのだ。
そして再び山の一つへと登り再び狙撃にかかるルー、全ての敵兵が倒れるまで、そう時間はかからなかった。
戦闘が終わってからも竪琴の演奏は続き、鎮魂歌へと切れ目なく変わっていく。
骸の海での安らかな、静かな眠りを祈る仄々、そして演奏を終えて、この九龍城の住民に勝利を伝える為に戦場を後にした。
情報提供してくれた彼らへの感謝と勝利のお祝いを伝え、
「これからも頑張りましょう!」
えいえいおー、と仄々はこれからも続く戦いに向けて気合を入れて、住民達も楽し気に大笑いして戦意十分な様子を示した。
かくして九龍城を襲うオブリビオンを撃破した猟兵達は、次なる戦場に向かう為グリモアベースへと帰還したのだった。
大成功
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