獣人世界大戦⑦〜歓待ボクシング
●九龍城の酒場
ステージ上で向かい合っている、二人の獣人の両足が、リズミカルなステップを刻む。
ウサギの獣人が、ジャブを繰り出し距離を測る。その拳が引っ込められた瞬間、対するトラ獣人が距離を詰め、アッパーカットを放った。
クリーンヒット。ウサギが吹っ飛ぶ。
わあっ、と観客たちが沸いた。
●グリモアベース
「どんな超大国にも領有されていない、香港のサイバー城塞『九龍城』が、ヘビみたいに大地をのたうち進む『サイバードラゴンシティ』に変化して、うねりながら中国大陸へ進撃を始めたぜ! ビックリだな」
宙夢・拓未(未知の運び手・f03032)は、説明を始めた。
「九龍城に住んでる獣人たちは、どいつもこいつも、裏稼業に従事していたり、あるいはスネに傷を持っていたりするアウトロー揃いだ。けど、猟兵のことは、概ね『超大国に反抗して戦う、気持ちのいい連中』って認識してて、割と好意的に迎えてくれることが多いみたいだ。今回、皆には、九龍城の一角にある酒場に向かって、獣人たちの歓待を受けてきて欲しいんだ。そうすりゃ、不思議な『九龍の霊気』をしばらく身に着けられて、人民租界での戦いが少し有利になるぜ」
拓未が言うには、その酒場では、ステージでボクシングをやっているのだという。それに猟兵たちが混ざってくることを、獣人たちは望んでいるようだ。
ボクシングの相手になるのは、力自慢の、階梯2~5の獣人たちだ。トラやキツネ、ヒョウ、パンダなどがいる。
「ボクシングと言っても、厳格な公式ルールに基づく試合じゃなくて、相手を殴ってノックアウトしたら勝ち! ぐらいの、ルールの緩い拳闘だ。功夫や空手とかを使っても、誰も文句は言わないぜ。アウトローらしいよな」
それから拓未は、一つ注意点を挙げる。
「もちろん、相手はオブリビオンじゃないから、本気を出して殺しにかかっちゃダメだぜ。だからって、手加減し過ぎても白けさせちまうから、本気過ぎず、手加減し過ぎず、程良い感じで頼むぜ!」
ボクシングの勝者には、紹興酒を一瓶、または中国茶の詰め合わせの、どちらか好きな方が贈られるという。未成年である、もしくは未成年に見える場合は、紹興酒は選べない。
「説明は以上だ。アウトローたちなりの『歓迎の宴』、楽しんできてくれ!」
拓未のグリモアが青く光り輝き、猟兵たちを九龍城に転送してゆく。
地斬理々亜
地斬です。
よろしくお願いします。
●プレイングボーナス
『アウトローの流儀で供される「歓迎の宴」を楽しむ』
これに基づく行動をすると有利になります。
●諸注意
未成年の猟兵、もしくは未成年に見える猟兵は、紹興酒を希望しないでください。
また、紹興酒・中国茶のアイテム発行はありません(「もらえたよ!」というリプレイ描写のみとなります)。
●プレイング受付
【5月3日(金)8:31~23:59】の予定です。
変更がある場合などは、シナリオタグでお知らせします。
なお、採用人数は少なめの予定です。
それでは、どうか楽しんでくださいませ。
第1章 日常
『野良ボクシング』
|
POW : パワー全開でぶつかっていく!
SPD : フェイントや小技を駆使して闘う!
WIZ : 長期戦に持ち込んで逆転狙い!
|
皐・芽衣
ボクシング。パンチメインのスポーツじゃったか、前にテレビで見たのう。
面白い、一戦やらせてもらおうかの!
角は邪魔じゃろうから、仕舞っておくぞ。
【獬豸ノ理】でフェイントの判断は出来る。
攻撃を[見切り]ギリギリで避け続け
試合を盛り上げようかの。
さて、避けてばかりでも皆飽きるか。そろそろ反撃といくか。
蹄で地を蹴り起こした勁をグローブに伝え[カウンター]。
[功夫]をボクシングに活かすなら、こんな感じかの。
ありがとうのぅ、面白い勝負じゃったぞ!
おぉ、中国茶の詰め合わせじゃな、ありがたい!
また、機を見て戦わせてくれると嬉しいのう。
わし、来年の今頃には20になるんじゃ。
成人したら、紹興酒を狙わせて貰おうかの!
●瑞獣の拳闘
「ボクシング。パンチメインのスポーツじゃったか、前にテレビで見たのう」
皐・芽衣(金色一角のメイメイ・f35724)は呟き、それからこう口にした。
「面白い、一戦やらせてもらおうかの!」
殴り合うのには邪魔になるだろうと、芽衣は自身の立派な角に手を当てる。軽く引くと、角はするすると体内に引っ込んだ。
かくして、ステージに上がった芽衣と対峙したのは、ヒョウの獣人だった。
互いに構え、試合開始のゴングが鳴る。
ヒョウが放った最初の一撃は、ボディを狙うと見せかけての、顔面へのストレート……フェイントを交え、ヒョウが打ち込んでくる。それを芽衣は見切り、ギリギリで横に避けた。
ユーベルコード『
獬豸ノ理』を発動している芽衣には、虚偽や騙しは手に取るように分かるのだ。
ジャブと見せかけてのフック、フックと見せかけてのアッパー……ヒョウの攻撃を、芽衣は最小限の動きでかわしていく。
(「さて、避けてばかりでも皆飽きるか。そろそろ反撃といくか」)
芽衣は蹄で床を蹴る。発された勁が、びりびりと、芽衣のグローブに伝えられる。
ヒョウの放ったフックを、芽衣は屈んでかいくぐり、カウンターのボディストレートを打ち込む。功夫を活かしたその一撃は、ヒョウを吹き飛ばし、ノックアウトした。
「ありがとうのぅ、面白い勝負じゃったぞ!」
「ああ。こちらこそ、ありがとう」
起き上がったヒョウ獣人は、晴れやかに芽衣へ笑いかける。
それから、酒場の主人であるライオン獣人が芽衣に歩み寄り、箱を手渡した。
「こちらをどうぞ」
「おぉ、中国茶の詰め合わせじゃな、ありがたい!」
芽衣は嬉しそうに受け取る。
「また、機を見て戦わせてくれると嬉しいのう。わし、来年の今頃には20になるんじゃ。成人したら、紹興酒を狙わせて貰おうかの!」
「もちろんだ! またいつでも来てくれよ」
アウトローたちは、芽衣の再挑戦を快く歓迎するのだった。
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア
格闘ゲームとかで、そこそこ慣らしたもんだよ
「ゲームとリアルは違うとは言うけど、あいにくゲームプレイヤーだからね僕は」
意気揚々と挑戦に入るけど、最初は積極的に打ちあわずに様子見
「やっぱ、ちょっと待ってくれない? なんか思った以上に圧が怖いし」
なんて逃げ回りながら相手の動きを観察し相手の動きなどを【見切り】、だんだん逃げ回らずにギリギリ回避するように
「そろそろ、頃合いかな?」
盛り上がるがってきたら、相手の攻撃に【カウンター】を合わせて倒しにかかる
「これが紹興酒?」
試しに飲んでみるけど「うわ、きっつ!」と顔を顰めたところで、周りから子供扱いされてむくれたり
「こう見えてもいい歳なんだけどなぁ」
●ボクシング・ゲーム
様々なゲームの経験がある、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)にとっては、ボクシングも、格闘ゲームで慣れているものの一つだ。
「ゲームとリアルは違うとは言うけど、あいにくゲームプレイヤーだからね、僕は」
意気揚々とステージに立ったラビニアの前に現れたのは、ワニの獣人であった。
ゴングが鳴る。ワニがすぐに距離を詰めようとしたのに対し、ラビニアは……ひょこひょこと逃げ回った。
「やっぱ、ちょっと待ってくれない? なんか、思った以上に圧が怖いし」
「待たんぞ! 逃げるな!」
ワニは言うが、ラビニアはあくまで逃げ回る。
けれど、ただ逃げているわけではなかった。ワニの動きを観察しているのだ。
(「……よし」)
やがて、その動きを見切ったラビニアは、次第に、逃げずに回避するようにし始める。サイドステップでストレートを避け、スウェーバックでアッパーをかわす。すれすれでの回避に、観客が沸いた。
「そろそろ、頃合いかな?」
ラビニアはワニを見据える。ワニが放ったのはボディアッパーだ。ラビニアはそれをバックステップして回避し、カウンターの右ストレートを思い切り打ち込んだ。ユーベルコード『スキルクロス・リユニオン』によるマキシマムカウンターである。
ワニは倒れて床にのびる。ノックアウト。ラビニアの勝利である。
「賞品は紹興酒をお願いしようかな。僕はちゃんと成人してるしね」
運ばれてきた瓶入りの紹興酒を、ラビニアは物珍しげに眺めた。
「これが紹興酒?」
開封し、試しにラビニアは一口飲んでみる。
「うわ、きっつ!」
ラビニアは顔をしかめた。
「おいおい、紹興酒の良さが分かんねぇのか?」
「まだまだ子供舌だな、嬢ちゃん」
周囲のアウトローたちが楽しそうに笑う。ラビニアはむくれた。
「こう見えても、いい歳なんだけどなぁ」
言いながら、ラビニアは紹興酒をもう一口飲んだ。
「やっぱ、きっつ……」
大成功
🔵🔵🔵
フィランサ・ロセウス
ボクシング?
あはっ、いいよ!ちょっとだけ遊ぼっか♥
ステージの上ではガードなんていらないわ
どんな
拳も、全部受け止めてあげる♥
あら?あら?あなたの気持ちはそんなもの?もっと情熱的に来てくれないと、あなたを“好き”になれないわ!(激痛耐性)
ああ…その拳を叩き付けられるほど、私の気持ちは昂って、自然と笑顔になっちゃう♥(威圧)
でも、一方的に貰うだけじゃフェアじゃないわね
テクニックも何も無い単純な
暴力だけど、受けた分だけ私も返してあげなくちゃ♥
さあ、さあ!ゴングがなるまでは、心ゆくまで殴り愛いましょうね♥
壊すつもりはないけれど、簡単に倒れたりしちゃ嫌よ?
●殴り愛い
「ここでやってるのは……ボクシング?」
「そうだぜ。嬢ちゃんも、ぜひ混ざっていってくれ」
アウトローの誘いに、フィランサ・ロセウス(危険な好意・f16445)の胸はきゅんとときめいた。
「あはっ、いいよ! ちょっとだけ遊ぼっか♥」
軽やかな足取りで、彼女はステージに上がる。
対峙したのは、キツネの獣人だ。
キツネは拳を構える。一方、フィランサは両手を下に垂らしたままだった。ノーガードである。
(「どんな
拳も、全部受け止めてあげる♥」)
これが、異常なフィランサにとっての『普通』の行動である。
キツネは初めに、様子見のジャブをフィランサに数発食らわせる。
次は一発、少し強めのジャブ。フィランサの唇とまぶたが切れたが、彼女はむしろ不服そうだ。
「あら? あら? あなたの気持ちはそんなもの? もっと情熱的に来てくれないと、あなたを“好き”になれないわ!」
痛みに耐えながらフィランサは言った。紛れもない本音なのだが、キツネは挑発と受け取ったのだろう。鋭いストレートや、抉るようなフックを繰り出し始めた。
フィランサは避けも防ぎもせず、それらを受け続ける。
「ああ……♥」
フィランサの気持ちは昂り、彼女は笑顔を浮かべた。
気圧されたキツネが、わずかに後退する。
その瞬間、フィランサが床を蹴った。右、左と繰り出すのは、テクニックも何もない、単純な
暴力だ。ユーベルコード『燃ゆる恋の炎』によって勢いの増したそれは、キツネの顔に鋭く打ち込まれた。
「ぐっ……う……」
揺れる視界を、キツネは頭を振って戻す。
「さあ、さあ! ゴングが鳴るまでは、心ゆくまで殴り愛いましょうね♥ 壊すつもりはないけれど、簡単に倒れたりしちゃ嫌よ?」
フィランサは笑う。その瞳は、ハートマークであった。
「はは、上等だよ……さあ、続けよう!」
キツネもまた、強がるように笑った。
フィランサとキツネの殴り愛いは、まだ続く。
大成功
🔵🔵🔵
レニー・リー
嘩!楽しそうだね!
『九龍の霊気』も気になるけど、それ以上に
単純におれも混ざりたいな!
腕試し、大好きなんだ!
相手は指名してもいいのかな?
それなら、トラ獣人さんに対戦をお願いしたいな
おれの師匠と同じ種族なんだ
よし、気合い入れて…勝負だ!
【ライオンラビット・ハート】自動発動
(挑戦者としての)魅力上昇
磨き上げた『功夫』を活かして挑むよ
ただし、体捌きだけね。脚技は使わない
ボクシングの流儀に倣って、攻撃は拳だけ!
相手が攻撃してくるタイミングを『気配感知』で読んで
躱すか『受け流し』て
後の先を取って…カウンターパンチだ!
勝って、中国茶が欲しいなあ
お酒はまだ飲めないし
何より、包子と合うからね!
●挑戦者
「
嘩! 楽しそうだね!」
レニー・リー(眠れる獅子兎・f43295)は声を上げた。
「『九龍の霊気』も気になるけど、それ以上に、単純におれも混ざりたいな! 腕試し、大好きなんだ!」
「おお、良い気概じゃねぇか」
前のめりに挑戦に取り組むレニーの姿勢に、酒場のアウトローたちも嬉しげだ。
「トラ獣人さん、対戦をお願いしたいな」
「俺か?」
酒場のカウンター席にいたトラが顔を上げた。
「おれの師匠と同じ種族なんだ」
「なるほどな。良いぜ」
トラは快諾する。
「よし、気合い入れて……勝負だ!」
レニーとトラはステージに上がった。
レニーがチャレンジ精神を感じたことにより、ユーベルコード『ライオンラビット・ハート』が自動発動する。レニーの挑戦者としての魅力は、ぐんと増した。
功夫の体捌きを活かし、レニーはトラのストレートを、流れるようにかわす。トラが攻撃してくるタイミングは、気配感知で読んでいた。
功夫には脚技もあるが、ボクシングの流儀に倣い、今回レニーが攻撃に使うのは拳だけだ。
トラがボディフックを繰り出す。レニーは肘を下げてしゃがみ、エルボーブロックを行った。
「!」
「――」
一瞬トラに生まれた隙を見逃さず、レニーはカウンターパンチのアッパーを放つ。後の先だ。
レニーの拳はトラの顎へと綺麗に吸い込まれる。
「がっ……」
トラはそれでもまだかろうじて立っていたが、朦朧としているのだろう。ふらついている。
「レ・ニ・ー! レ・ニ・ー!」
客席から声援が上がる。
「とどめだよ!」
レニーはトラの顔にストレートを放つ。
トラ獣人は、ばったり倒れた。
わああっ、と歓声が上がる。
「中国茶が欲しいなあ」
「良いぞ。こちらだ」
レニーに、酒場の主人のライオン獣人から、中国茶の詰め合わせが贈られる。
「ありがとう。お酒はまだ飲めないし、何より、
包子と合うからね!」
大好きな包子と、淹れた中国茶を合わせて喫する、その時を思い浮かべて、レニーはにっこりと目を細めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘
ブン殴り合うのが妾の基本スタイルではあるが、ボクシングが得意かと問われたらちょっと違うであろう
が! 観客たちを魅せてアゲる拳闘とゆーことなら妾のフィールドだ!
ステップは使えんが、その分上半身の安定度は高いのでな
まあノーガードでもイケるのだが、ぐねっとスウェーだとかダッキングを使い回避技術も見せていこう
右のジャブをメインに使い、試合を組み立てていくぞ
はっはっは、そして当然警戒するであろうな、左の大砲を!
切り札をいつ切るか、相手も周囲もドキドキさせようではないか
安心せい、ちゃんと手加減はするし撃つ以上は一発KOだ! アッパーとかストレートとか、その辺は状況次第!
それとお土産には紹興酒を希望するぞ!
●邪神様、推参
ブン殴り合うことは、御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)にとっての基本スタイルだ。けれど、菘はボクシングが得意なのかと問われると、少し違う。
「が! 観客たちを魅せてアゲる拳闘とゆーことなら妾のフィールドだ!」
それには、菘は自信があった。何しろ、普段から動画配信者をやっているのだ。
「とゆーわけで、だ! お主が妾の相手であるな、よろしく頼むぞ!」
「ああ……よろしくな」
対戦相手のオオカミ獣人への、丁寧な挨拶も菘は忘れない。
ゴングが鳴った。
菘はステップを踏まない。彼女の下半身は、蛇のものなのだ。
オオカミはフックを繰り出す。菘の上半身はぐねっと後ろに下がり、オオカミの拳が菘の鼻先をかすめた。
ノーガードでも菘は平気なのだが、あえて、オオカミの放つパンチを菘は避けていく。上半身を後ろに傾けるスウェーバックに、素早くしゃがむダッキング。華麗な回避が行われるたび、観客がどよめいた。
菘がメインで用いるのは、右のジャブだ。オオカミは回避や防御を行いながらも、何発もそれらを食らっていく。
今、この場は、動画生配信の撮影現場となっているのだ。この『
ライブストリーミング・フィールド』では、『動画映え』を意識した全ての行動が強化され、動画映えという要素を無視した全ての行動が弱体化される。オオカミは動画映えを意識していないがゆえ、趨勢は菘に傾きつつあった。
右のジャブを中心に使う菘に、オオカミや観客たちは、いつ左腕を使うのかとハラハラしていた。その左腕こそ切り札だと、誰もが理解していたのだ。
そうして、ここぞというタイミングで、菘は、大きく無骨な左腕で、大砲のごときストレートをオオカミの顔にぶちかます!
綺麗に一撃が決まって、オオカミは吹っ飛ぶ。菘の狙い通りの、一発ノックアウトである。
観客は、一斉に立ち上がり、喝采を送った。
「対戦感謝だ! 応援にも感謝するぞ!」
紹興酒を受け取りながら、菘は勝者らしいスマイルを動画に収めたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
建依・莉々
「技など、所詮女子供の小細工よ! 頼るは自身の拳のみ!」(いや、女の子でしょうが、自分)
POW+怪力全開! 技もいらぬ、フェイントもいらぬ! ただ拳を叩き込むのみ!とノーガードでぶん殴ります。元々液体だから、気功・発勁以外なら通じないしね♪ これで景品の中国茶はゲットだよ♪ できればおまけで点心・甘味も付けて欲しいな♪
目標はパンダ師匠!(勝手に命名) もふもふパンダと戯れたい、そのためにここまで来たのだから!(数分後、パンダの実際を見て涙にくれる莉々であった)
●パンダの現実
「技など、所詮女子供の小細工よ! 頼るは自身の拳のみ!」
建依・莉々(ブラックタールのどろんバケラー・f42718)は胸を張る。
「いや、嬢ちゃんも女の子だろ」
酒場にいたアウトローがすかさずツッコミを入れた。
「てへ♪」
莉々は可愛くごまかした。
「目標はパンダ師匠! もふもふパンダと戯れたい、そのためにここまで来たのだから!」
勝手に命名を行いつつ、莉々は酒場の椅子に後ろ向きに座っているパンダ獣人に声を掛けた。
「パンダ師匠! わたしと対戦して!」
パンダがくるりと振り向く。煙草をくわえていた。
「あ~ん? 俺かぁ? お目が高いじゃねぇか、お嬢ちゃん」
その毛並みは、もふもふではなく、ゴワゴワである。
「…………うん」
莉々は、泣きそうになりながら頷いた。
パンダを連れて、莉々はステージに上がる。
ゴングが鳴った。
ノーガードの莉々に、パンダの拳が叩き込まれる。
莉々は飛び散った。液体の、ブラックタールである莉々の肉体に、気功でも発勁でもない打撃は通じないのである。
「何っ!?」
パンダが驚愕する。
「行くよ、パンダ師匠!」
技でも何でもない、フェイントもない、怪力での莉々のパンチが、パンダのボディに叩き込まれる。
パンダは打たれた腹部を押さえてうずくまり、そのままうつ伏せに倒れた。
「これで景品の中国茶はゲットだよ♪」
パンダがもふもふでなかったことは悲しいが、中国茶をもらえることは、莉々にとって嬉しい。
「これをどうぞ」
「やったー♪」
酒場の主人から中国茶の詰め合わせを受け取り、莉々ははしゃぐ。
「できればおまけもつけて欲しいな♪ 甘味か何か、ある?」
「ふむ、それならこれをあげよう。特別だぞ」
酒場の主人のライオン獣人が莉々に手渡したのは、月餅であった。
「わーい、ありがとう♪」
早速、莉々は月餅を開封し、一口かじる。
「んー、あまーい♪」
莉々は、子供らしい無邪気な笑顔を浮かべるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ヴォルフガング・エアレーザー
※アドリブ、連携歓迎
アウトロー流の歓待……かつての傭兵時代を思い出すな
荒くれ者たちの集う、猥雑で、それでいて活気に満ちた場所
妻を娶ってからは久しく訪れてはいなかったが
血気逸る若き日に懐かしさを感じる
ボクシングか、悪くない
アポカリプスヘルの戦争ではプレジデントを相手に一戦交えたものだ
奴との死闘に比べれば余興のようなものだが、だからと言って手を抜くつもりもない
正々堂々手合わせ願おう
野生の勘を研ぎ澄ませ、相手の出方を伺い紙一重で回避
観客の熱気を更に盛り上げるように接戦を繰り広げる
なかなかやるな
だが、俺の力はこんなものではない……!
一瞬の隙を突き渾身のボディブロー
良い試合だった
試合後は固き握手を
●平穏な戦い
(「アウトロー流の歓待……かつての傭兵時代を思い出すな」)
ヴォルフガング・エアレーザー(蒼き狼騎士・f05120)は、酒場の片隅で物思いに耽っていた。
周囲にあるのは、荒くれ者たちの集う、猥雑で、それでいて活気に満ちた場所だ。
(「妻を娶ってからは、久しくこうした場所を訪れてはいなかったが」)
ヴォルフガングが感じるのは、懐かしさだ。血気逸る若き日を思い出す。
「ボクシングか、悪くない」
背中を壁に預けていたヴォルフガングは、歩み出た。
「アポカリプスヘルの戦争では、プレジデントを相手に一戦交えたものだ。奴との死闘に比べれば余興のようなものだが、だからと言って手を抜くつもりもない」
あの時も、拳と拳のぶつかり合いだった。あの時と違って、今回は命を賭ける必要はないが、ヴォルフガングは手抜きをする気はない。
「正々堂々手合わせ願おう」
「おう、よろしくな」
サルの獣人が、ヴォルフガングと共にステージに上がった。
ゴングが鳴る。
先に動いたのはサルだ。一撃目からストレートが放たれる。ヴォルフガングは野生の勘でそれを察知し、サイドステップして紙一重で避ける。
『疾風の青狼』に、生半可な攻撃は通用しない。
ヴォルフガングはジャブを放つ。サルはこれを、前腕を顔の前に出すことでブロックした。
繰り広げられる接戦に、酒場の熱気が増す。
「なかなかやるな」
ヴォルフガングは呟く。
サルがフックを放った。ヴォルフガングは素早く屈み、これを避ける。
「だが、俺の力はこんなものではない……!」
サルがフックを出した直後の、一瞬の隙を突いて、ヴォルフガングは屈んだ体勢から立ち上がりながら、その反動を利用し、渾身のボディブローをサルに叩き込んだ。
サルは思い切り吹き飛ばされ、床に伸びる。ノックアウトである。
「良い試合だった」
「……ああ、ありがとな」
ヴォルフガングは、起き上がったサル獣人と固い握手を交わしたのであった。
獣人たちの歓待を受けた猟兵たちは、『九龍の霊気』を身に着けることだろう。
命がけの戦いが、猟兵たちを待っているのである。
大成功
🔵🔵🔵