獣人世界大戦④〜ステルス・ナイトメア
……ふいに|影《・》が動いた。
壁から床へ、そしてまた壁へ……まるで這うような、舐めるような動きでそれは飛んでいるのだ。ロシアの首都・サンケテルブルクを目指す『狂気艦隊』の船内にて。
「クロックワーク・ヴィクトリアの新生『狂気艦隊』が動き出した。『UDCアースの邪神』に守護された戦艦を撃破するには、先に邪神を倒すのが不可欠……最も、ただ姿を見せるだけで深刻な狂気を誘発するほどの相手だからね」
何らかの対処なり心構えは必要だろう、と仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は言った。
「邪神だけど、ステルス機能を持った戦闘機を想像してもらえるかな。常にステルスを発動していて認識困難だけど、攻撃時には隙ができる。地上の存在を無差別に破壊し続けようと、捕捉した敵は逃さない」
見た目はまるで、海を泳ぐエイのような。
だが、確実に生き物ではない。
つめたくかたい、鋼鉄に由来する三角型の機体をもっている。
ここで止めなければ、サンケテルブルクの住民に対する大虐殺は免れないだろう。超大国同士の戦争において巻き込まれるのは罪なき住民たちだ。
そして、クロックワーク・ヴィクトリアの軍勢に慈悲はない。想像できるかのようだ。血の赤と硝煙の匂いに塗れ、残骸になった街の姿が。
「健闘を願うよ。戦艦を守護する邪神さえ倒せば、艦隊は心臓を失った抜け殻も同然。クロックワーク・ヴィクトリアの新生『狂気艦隊』が海を渡り切る前にね」
ツヅキ
OP公開直後よりプレイング募集しています。
こちらに届いたものから順次リプレイをお返しする予定です。
●第1章
クロックワーク・ヴィクトリアの新生『狂気艦隊』を守護する邪神を討伐してください。敵は船内を移動し続けているようです。普段はステルスで見えませんが、攻撃する時に隙が出来ます。
●プレイングボーナス
邪神のもたらす狂気に耐えて戦う。
詳細はOPをご参照ください。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『夜鷹ナイトメア』
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POW : オペレーション・アライドフォース
【自身のステルス(敵からの認識阻害能力)】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【装備が、防御貫通・必中効果の誘導爆弾】に変化させ、殺傷力を増す。
SPD : この正義の御旗に
【自身のステルスを強化した後、攻撃モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
WIZ : 夜鷹のラストフライト
対象の攻撃を軽減する【全身が炎に包まれた、流れ星モード】に変身しつつ、【ステルスを代償にする事で、多数のミサイル】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
イラスト:伊瀬井セイ
👑11
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「アララギ・イチイ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
風吹・香織
アドリブ連携歓迎 無茶だと思ったら流してください
へぇ、相手はUDCアースにおけるF-117のような機体らしいね。場所は艦内とのことだけど、内部を作戦機が飛べるほどというのなら、私の|P-38 ライトニング《相棒》もきっと飛べるね。飛んでみせるよ
というわけで艦内を相棒で飛翔する。
これもUDCアースのフライトゲームで見たよ。トンネルミッションって奴だろう?
通路の広さはそこまでではないから、ステルスといっても、私の【操縦】技術と【空中戦】技術なら、その進路は容易に予想可能だ。
出てきて攻撃モードに移ったところを、逃さず機関砲で撃ち抜いてやる。
どうだ、20mmの徹甲弾は効くだろ?
――へぇ、似てるね。
風吹・香織(怠惰な「双胴の悪魔」乗り・f39889)の脳裏を過ぎったのは、F-117。
あれはUDCアースにおける機体だが、邪神というからにはやはり何か関りがあると考えるべきかもしれない。例え船内という制限があれど、香織の頼もしき相棒はいつも通りに飛んでくれるだろうから。
今回の状況は、言うなれば『トンネルミッション』という奴だ。
とても熟練の技が要求される、かなり難易度の高いミッション。
UDCアースではいろいろなフライトゲームが発売されているから、どこかで聞いた人も多いだろう。もっとも、通路の幅にはそれほど余裕がない。
香織は真剣な表情で操縦桿を握った。
「いくよ、|P-38 ライトニング《相棒》!」
お互いの信頼がなければできない特攻だが、香織はどちらも持ち合わせていた。
空中を飛ぶための操縦技術も、相棒との信頼関係も――両方。だから敵の進路も過たず予想可能。突如、眼前に青い機体が姿を現した時も慌てる事無く機関砲で撃ち抜いてやることができた。
「どうだ、20mmの徹甲弾は効くだろ?」
命中し、翼から煙を吹きながらバランスを崩す敵機にそう告げて。
「私の相棒の方が上手だったね」
大成功
🔵🔵🔵
レン・ランフォード
こんな所にも現れますか…邪神!
人々の安寧のためにも必ずここで断ちましょう
狂気に対しては狂気耐性に加え
装備:秘伝の薬丸を口に含んでおきます…にがっ
あとは気合で耐えます
艦内を第六感も合わせて警戒しながら探索
発見したら苦無投擲や残像使った回避で敵のUCを誘います
敵を指さしつつミサイルをギリギリまでひきつけ、見切りUCを発動
立ち入ちを入れ替える事で邪神は邪神自身のミサイルで傷つく自爆となります
その炎も私を対象としているなら自分のミサイルは軽減できないでしょう?
邪神滅ぶべし
本当に、全く持って神出鬼没だった。
この――邪神というやつは!
レン・ランフォード(近接忍術師ニンジャフォーサー・f00762)は改めて奴らの異質さを思い知る。
こんなばしょで人々の命を奪い去るための艦隊を守っているなんて。
まるで泥濘のような、底無しの狂気を振りまいているなんて。
「ここで断ちましょう、人々の安寧のために……!」
口の中に放り込んだ秘伝の丸薬の苦さがレンの意識を狂気から引き剥がす。気を抜けばすぐに眩暈のような感覚と妙な恐怖が襲い来る。
堪えろ、と言い聞かせる。
気合いだ、自分の耐性に自信を持て。
第六感が頼りだった。
何となく、こっち。
根拠はない。
自信は……それなりに、ある。
警戒は欠かさなかった。
なにしろ、相手はステルス。
どこから来るかなんてわからないから。
ぴく、とレンの眉が僅かに動いた。
もしかしたら?
第六感が告げる。
――そこだ、と。
すかさず苦無で攻撃を仕掛け、勘が正しかったことを証明する。反撃のためにステルスを解き放った敵機の姿はまるで夜空を迸る流星のようだ。
残像を纏い、レンはぎりぎりまでミサイルを引き付けた。
まだ……あと少し……もうちょっと、――今だ。
指を差す、という動作が転移の合図。
互いの位置が入れ替わり、自分のミサイルをその身に受けた敵機は激しく燃え盛りながら不時着した。
「邪神滅ぶべし」
敵を燃やすための炎にすら、裏切られて逝け。
大成功
🔵🔵🔵
神酒坂・恭二郎
こいつは難敵だ
ステルスとは何ともやりにくい相手だね
対策
刀を床に突き立て同心円状に、ごくごく微弱な風桜子の波を送る
【竜脈使い、結界術】で触れただけで消えるような、ごくごく弱くて【迷彩】めいて分かりづらい風桜子の結界を通路に沿って何枚か張り巡らせる
奴を認識は出来ない。だが、結界が消えた事は分る。要は鳴子だね
小細工だが仕方ない
後は、刀を床に突き立て、全身を捻って力をためる。そして奴の狂気に対する【覚悟】を定めておく
会敵必斬
の四文字だ
攻撃
結界の破れ方で位置を見極め、奴の気配が現れた瞬間に、突き立てた刀をデコピンの要領で加速させ、機先を制した一撃を狙う
「ヤバイ賭け程、血が騒ぐってもんさね」
神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)の横顔に浮かぶのは覚悟の決まった表情だ。
強敵や難敵といった相手を前にすると、どうしたってそうなる。やりにくい相手であればあるほど、勝つための手段を考えることに全神経が集中し始める。
――突き刺す、床に。
刀を。
そうすると同心円状にほんの僅か、ごく微弱な風桜子の波が送られることになる。施術者である恭二郎以外の誰も気づけない、竜脈に属する類の――触れただけで消えてしまうような。
迷彩、とでも言うべきだろうか。
「何枚ぐらい必要かね」
通路に沿って必要なだけの枚数を張りめぐらせてやれば、鳴子代わりの結界の出来上がりだ。認識できない相手なら、こちらが認識できるもので補ってやればいい。
そんな小細工でも、いや、だからこそ……まんまと引っ掛かってくれる。
(「来たな」)
ぷつん、と途切れる感覚。
恭二郎は目を閉じ、だんだんと近づいて来る合図に意識を向けた。床に突き立てた刀を掴み、全身を捻るようにして溜めた力はかなりのものだ。
さあ、これだけの覚悟を決めた俺を果たして狂気に引きずり込むことはできるかな――?
「会敵必斬! そこだ!」
結界の破れた方角で、敵機が姿を現した。
同時に襲いかかる狂気を不屈の意思でねじ伏せる。あらん限りの力で刀を――デコピンみたいに――加速させながら解き放った。
狙いはただひとつ、機先を制した一撃。
パッ、と敵機に罅が入ったかのように刀傷が走る。|命中したということだ《・・・・・・・・・・》。見た事か、と恭二郎は力強く笑った。
「ヤバイ賭け程、血が騒ぐってもんさね」
大成功
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紫・藍
姿を見せるだけで狂気を誘発するという特性がステルスで台無しになってらっしゃるのではと首を傾げていたのでっすがー。
コスト用のステルスでしたかー!
ではでは狂気耐性と言いたいとこなのでっすが!
姿を見せるだけで狂わせるのは、藍ちゃんくんもなのでっすよー?
狂わんばかりに熱くさせる、ヒトそれを熱狂と呼ぶのでっす!
藍ちゃんくんでっすよー!
邪神さんもミサイルもまとめて踊らせちゃうのでっす!
攻撃ではないでっすし、自発的につられてるだけなので、軽減なんて関係ないのでっす!
ミサイル同士をぶつけ合わせたり、ミサイルに突っ込ませたり、ブレイクダンスで地面に激突させて負荷をかけつつ、寿命切れまで時間を稼いじゃいましょう!
その姿を見た者は、あっという間に正気を失って狂い出す。
同時にステルスにて姿を眩ませ、神出鬼没の奇襲を仕掛ける。
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)が気づいたのはその矛盾だった。最もコスト用なのだとしたら腑に落ちる。
戦い方には2種類あると知れ。
|耐える《・・・》のも手だが、|張り合う《・・・・》のも一興なのだ――と。
「というわけで、藍ちゃんくんでっすよー!」
華麗なるターン&ステップ。
踊れや踊れ、魅惑のダンスステージの開幕だ。
――熱狂。
ライトを浴びて、リズムを体で感じて、全身で。
いつしか邪神も体を左右に揺らし始めた。ミサイルも踊っているつもりなのだろう、不規則な旋回を繰り返しながら同士討ちを始める。
まるでブレイクダンスみたいに地面を穿ち、戦艦ごと破砕するのも躊躇わない。藍は楽しそうに笑った。ダンスは世界共通だから。
「その調子なのでっすよー! 寿命切れまで音楽は止まらないのでっす!」
大成功
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儀水・芽亜
邪神が『ナイトメア』を名乗りますか。いい度胸です。叩き落としましょう。
艦内の広い船室に陣取り「狂気耐性」を己に施し、「集中力」で耳を澄ませ、邪神の立てる駆動音を探ります。船室の扉は全て閉鎖し家具でバリケードを設置。
邪神が使うのは視覚だけでない認識阻害。
空気に混ざる違和感。来たようですね、|夜鷹《ナイトホーク》!
どちらが本物の『ナイトメア』か、教え込んであげます。
待機中から紡ぎ続けてきた詠唱をもって召喚しましょう、私のナイトメアを!
いくらステルスがあろうと、バリケードを突破しないと入れない以上、それは無意味。
「全力魔法」悪夢の「属性攻撃」「破魔」「貫通攻撃」のナイトメアランページで迎撃です!
邪神がナイトメアを名乗っていると聞いて、何もしないでいられるだろうか――否。
「いい度胸です。叩き落とされる覚悟はおありですね?」
儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『夢可有郷ザナドゥ』・f35644)が頼りにしたのは『音』だった。集中力を高める、狂気耐性を全開にする。
視覚のみならず、認識阻害を行うということは単純に不可視になるだけではないということ。それはつまり、|空間を歪める何らかの違和感が必ず存在するということ《・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》でもある。
微かな手掛かりを芽亜は逃さなかった。
さあ、どちらが本物の『ナイトメア』なのかを教え込んであげましょう。
「――来たようですね、|夜鷹《ナイトホーク》!」
芽亜は敵を迎え撃ち、|私の《・・》ナイトメアを召喚する。
ステルスだけではバリケードの突破はできない。ゆえに、直線状の敵を蹂躙するナイトメアが最大限の力を発揮する。
全力で、魔を撃ち破る属性攻撃を叩き込む――即ち、ナイトメアランページによる貫通撃! 轟音を上げ、|邪神の《・・・》ナイトメアは腹を見せて引っ繰り返った。ショートした電気系統が火花を上げている。
大成功
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