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Knight&Rose ~出立の朝~

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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●決意
「三日後、我らが主アシェリーラ様がこの村へとおいでになる」
「それまでに食料や財産を全て供物として準備しておくように」
 虚ろな顔の少女たちが村の人間へと宣言する。この辺りを統べる者に村の存在が知られた事を。そして行われる凄惨で残虐な宴の準備を自らの手で進める事を。
 従わなければその場で殺されるだろう。今まで見てきた村の残骸を村人たちは思い起こして、自分の非力さを嘆く。しかしいつまでもそうしている訳にもいかない。すぐさま集まり、ひとつの決断を下す。
 ――この村を、捨てる事を。

●予知
「皆様、ようこそおいでくださいました」
 真白のローブに身を包んだ涅・槃(空に踊る人工の舞姫・f14595)が皆を出迎える。
「早速ですが此度の事件について説明致しますわね」
 今回はダークセイヴァーの隠れ里。ついにオブリビオンに見つかってしまったところだ。
「彼らが選んだのは新天地への旅立ちですわ」
 むざむざ殺される必要もない。またどこかへ身を隠すだけだと。幸い次の潜伏場所は確保出来ているという。ならば猟兵がすべき事とは。
「皆様にはまず村人たちの護衛をお願い致しますわ」
 無事に辿り着けなければ逃げ出す意味がない。収穫間近の畑を置いてでも逃げる意味が。
「その後は放棄した村でオブリビオンの到着を待ちうけ、これを討伐してくださいませ」
 他にも被害を受けている村や町があるはずだ。倒せるのなら倒してしまえばいい。
「当該の村は既に旅立ちの準備を整えています。予知に狂いが生じてしまうので、止める事はできません」
 目を伏せ僅かに俯く。身体の前で組んだ手に力が篭る。
「かと言ってオブリビオンを野放しにする訳にも参りません。どうか、よろしくお願い致します」
 頭を下げる彼女の背後でダークセイヴァー特有の空と大地が広がっていく。転送の準備は完了した。後はキミたちが踏み出すだけだ。


宮松 標
 初めまして或いは再びまして、新人マスター(二ヶ月目)の宮松 標です。

 今回はダークセイヴァーでオーソドックスなシナリオとなっております。
 猟兵たちは引っ越しのお手伝いの後に空き家となった住居に潜んで、オブリビオンの手勢を待ち受けて各個撃破し、ボスを皆でボコりましょう。

 個人的に新しい試みを織り込んでいます。ふふふ……。
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第1章 冒険 『ついにこの里を捨てる時が』

POW   :    重い荷物を持つなど、スムーズに移動できるように手助けする。

SPD   :    敵の斥候を捕らえたり罠を仕掛けたりして、追っ手を妨害する

WIZ   :    移動の痕跡を消すなど、敵から発見される危険を取り除く。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「これで最後か!?」
「少しならこっちにも積めるぞ!」
「子どもたちは全員出てるな!?」
「先に出発するのはどの馬車だ!?」
 男たちの怒号が飛び交う。今まさに荷物を積み込み、慌しく別れを告げている最中だ。猟兵たちは転送先として用意された馬車を転がし、村へと近付く。道を間違えて偶然辿り着いた旅人を装って。
 なんとか彼らの一応の信頼を勝ち取り、一行の護衛を請け負う事ができた。向かう先は荒地を越え山を越えた新天地。着く頃には昼になっているだろう。さあ、出発だ!
花狩・アシエト
村を捨てるか…相当な覚悟だろうな

POW
よし!任せとけ、重い荷物はもってやる
女子供が持っている重そうなのは、「大切だ」と言われても持つ
大切だから兄ちゃんが運んでやる。必ず返すから
軽そうなのは持たせてやろう
そこまでは強引にしない

馬車が脱輪したら後ろから押す
せーので押すぞー

あとは子供は全員いるか?数えたか?
子供って大人が予想しない行動をするもんだ
おーい自分ちの子供がいるか確認しろよ、と村人たちに声かけ
いなかったら探しに行く
一人になって心細くなってる頃じゃないか

アドリブ歓迎



●3台目
 先頭から少し後ろの女性や子どもの多い馬車。花狩・アシエトはそこで木箱を持ち上げるのに難儀している子どもに声をかける。
「よし!重い荷物は持ってやる」
「やだっ!これはオレの大事な荷物なんだ!」
 なんとか抱えて渡すまいとする少年の姿につい口角が上がる。
「新しいところに着いたら必ず返してやるよ。大事ならなおさら無理はするな」
 優しく諭す。どう見ても彼の手には有り余るのが見て取れた。
「それとも、兄ちゃんじゃ頼りないか?」
 木箱ごと少年をひょいと抱き上げる。多少暴れてもビクともしない。やがて少年は諦めたように大人しくなった。そっと下ろす。
「……わかった、兄ちゃんに頼む。ただ、水にだけはくれぐれも気をつけてくれよ!」
 すねた顔から悔しそうな顔。
「ああ、任せとけ」

 山道の入り口でささやかな休憩を取った後、急な勾配に差し掛かり全体のスピードが落ちてくる。
 荷車を押して段差を越えたり、何かの巣穴に馬車の車輪がはまったり。無理せずゆっくりと進むことで脱落する者もなく。
 最終的に特にトラブルもなく山越えを完了する。

 やがて村らしき建造物群が見えてきた。それと先陣を切った男衆と馬車。
「子供は全員いるか?数えたか?」
 目的地が見えて気が緩むタイミング。今一度周りを確認するよう促す。子供は大人が予想しない行動をするものだから。
 子ども好きを自認するアシエトは、道中ですっかり子どもたちに取り囲まれていた。さて、この子はどこの子だったか。
「おーい自分ちの子供がいるか確認しろよ!」
 それぞれ母親の元へと散り散りになる。もし迷子になったらさぞかし心細いだろう荒地を抜け、このまま無事に辿り着けそうだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラザロ・マリーノ
【POW】
税率100%!?いや、それ以上か!
人間にもオブリビオンにも非道な領主はいたが、さすがに全員に全財産差し出させる奴はいなかったな。
まあ、問答無用で村ごと皆殺しにされるよりはマシか。

UC「影の傭兵」を発動。【怪力】を活かして二人がかりで荷物運びをする。
馬車に乗せきれない荷物を、【ロープワーク】で出来るだけ多くまとめて背負って歩くぜ。

ついでに、道中は【コミュ力】で村人と雑談でもしておこう。
ただでさえ心身ともにキツイんだ。黙って歩いてるだけだと、頭の中が嫌な考えだけになっちまうだろうからな。

※アドリブ・連携歓迎



●2台目
「……という訳でさぁ!」
「なんだってぇ!?今まで色々と非道な領主はいたが、さすがに全員に全財産差し出させる奴はいなかったな」
 ラザロ・マリーノは道中で代わる代わる村人と雑談をしていた。同じ話を聞く事もあるが、それぞれで意見が違ったりしてその差異を読み取るのも悪くはない。
「……それにしても、本当にそんな量を背負って大丈夫かい?兄ちゃん」
 これも既に何度か聞いた話題だ。しかしそう問いたくなる村人の心理も解る。なにしろその背の荷物は、例えば今隣にいる青年の5倍はあるだろう。そして、少し遅れて歩く同じだけ荷を背負う影。マリーノのユーベルコード『影の傭兵』で作り出したもう一人の”マリーノ”だ。
「ああ、なんならもう少し積むか?」
「いやいや!馬車が空になっちまうよ!」
 まだまだ載せられると余裕を見せるとすかさず断られる。これももう何度目か。馬車の過積載分を”影”と手分けして背負っているのだが、そもそもとんでもない量を馬車に載せて山を越えられると思ったのだろうか。

「そろそろ山道に入るから、その前に少し休憩しようってさ!」
 前方から声がかかる。やがて馬車は道を外れて停まった。新天地の安全を確認するため先に出た男衆が僅かな荷と共にここを通ったのは随分前のようだ。山の向こう側まで様子を見に数人が走り出した。もし危険なようなら、後続を待つ手筈となっていると聞いた。
 場合によっては荷物を置いて応援に出るべきか、とマリーノは逡巡する。偵察に出た者はまだ戻らない。まさか既に見つかったのでは、と最悪の事態が脳裏を過ぎった時、安全が確認された合図があったと聞こえてくる。
 さあ、新天地まであと少し!

成功 🔵​🔵​🔴​

レイン・フォレスト
全財産と食料を差し出せって、死ねと言ってるのと同じじゃないか……
収穫間近の作物を収穫できないのは無念だろうな…
せめて無事に新天地に辿り着けるよう、精一杯協力しよう

【SPD】
僕は力仕事には向かないからなあ
別の方面で働こうか
ちょっとその辺を見てくるよ

馬車の行く手、その周辺を「聞き耳」で怪しい音を探りつつ「第六感」で敵がいないか捜す
もし斥候を見つけた場合は
「僕の目を見てごらん?」と「誘惑」を発動
何人が斥候に来てるのか聞き出してみよう

そいつがオブリビオンなら生かしてはおけないけど
操られてる人間ならその辺に縛り付けておこう

馬車に戻ったら
大丈夫、追っ手は排除したからね
と笑ってみせる

アドリブ歓迎



●5台目
 それは出発直後。周囲を警戒していたレイン・フォレストの勘に触れるものがあった。この時振り向いたのは、本当に偶然だったのだろうか。後方の木々の背に不審な影を見つけたのだ。
「ちょっとその辺を見てくるよ」
 フォレストは随行者にそう告げて歩き出した。目的とは別の木々に向けて。辺りを見回しながら心持ち大きめな足音を立て、ちょっと散歩に出た風情。さてどうするかと思案を巡らして素通りする寸前。
 不審な影が飛び出してきた。が、その足取りに俊敏さは感じられず、手にした得物はあまりにも小さく。その全身を観察する余裕さえあった。粗末な布に等しい衣服。薄汚れた裸足。決して清潔とは言えない風貌。首輪と金具のついた鎖。小さすぎる得物はとても武器とは呼べない木製のフォーク。オブリビオンの奴隷少女だ。
 軽いステップで避けるだけで奴隷少女の奇襲は失敗に終わる。首輪に手をかけ引き寄せ、フォレストはさっさと情報を聞き出す事にした。
「僕の目を見てごらん?」
 微笑むように奴隷少女の顔を覗き込む。目を合わせた途端差した赤みが、みるみる顔を覆っていく。視線で射抜くように見つめたまま質問を囁いた。それまで虚ろだった瞳が潤んで答えを紡いでいく。
 結果。三日前に村へ現れたという他の奴隷少女たちと、一緒にここまで来て見張りとして残された事。それと、アシェリーラという彼女たちの主たる吸血鬼は夕方に当たる時間に村を訪れる事が判った。
 情報と引き換えに奴隷少女が命乞いするのを無視して、愛用の銃で撃ち抜き、急いで馬車の元に戻る。
「大丈夫、追っ手は排除したからね」
 そう随行者に笑顔を向けた。一行は再び辺りを警戒しながら進む。

成功 🔵​🔵​🔴​

向坂・要
まぁあちらさんにしてみりゃ村人の生き死になんてさして興味もないでしょうからねぇ
なんて村に出された無茶な要求に内心独りごち

ま、大人しく従うばかりがヒトじゃねぇ、ってね
新たな門出だ
邪魔は野暮ってもんでさ

【WIZ】
出発の手伝いが済めば最後の馬車に同行
エレメンタル・ファンタジアで陽炎と大地の力を組み合わせ偽りの馬車群を生み出し適当な方向へ走らせ(別の村などが行き先に無いように【世界知識】などで注意)ついでに大地の精霊に轍を模して貰い

自分達の後ろには轍を偽装
その際追っ手の妨害も考慮し(不自然で無いレベルで)荊を仕込み
【物を隠す】
【目立たない】

【地形を利用】もしていきたいところですねぃ



●6台目
「まぁあちらさんにしてみりゃ村人の生き死になんてさして興味もないでしょうねぇ」
 ぶらりと村の周囲に監視や伏兵がいない事を見て回る。誰もいない事を確認し、眼帯の青年が村に出された無茶な要求に対して率直な気持ちを吐露する。外にまで漏れたのはほんのご愛嬌。
「大人しく従うばかりがヒトじゃねぇ、ってね」
 青年は村の入り口の広場へと戻ってくる。最後に残った馬車は、他の馬車が新天地に着くまで今日現れるはずの吸血鬼を引き付けておく囮の役を担っていた。殿を務めるべく志願した老兵を中心とした面々。そこに向坂・要の姿もあった。老兵の一人が口を開く。
「今ならまだ間に合うぞ、若いの」
「またその話ですかぃ?」
 要が残る事を、荷積みの時から誰もが渋った。旅人であり村とは関係ない事。吸血鬼に見つかったら命の保障は出来ない事。後者は逆に村人の方が言いくるめられてしまったが。曰く、この日に我々がここに辿り着いたのは奇跡だと。
「神のお導きなら尚更あなた方を見捨てちゃおけませんよ」
「そろそろ我らも発つとしよう」
 要に退く意思はない事を確認し、ひとつため息を吐いて老兵は手招きをする。皆と一緒に馬車へ乗り込むと、要は大地の精霊の力を借りて陽炎を起こす。ゆらりと空間が揺らぐとそこには同じような馬車が3台現れた。更に本物の馬車の轍を消し、陽炎の馬車の轍を刻むように大地の精霊へお願いする。これらを囮として追っ手を撒く作戦。
 念のために他の馬車とは違う、山を迂回するルートを使う。追っ手が現れたら荊の罠も使うつもりだ。
 こうして万端の準備をして、最後尾の陽炎の馬車隊がゆるゆると村を発つ。罠を張った無人の人家を残して。

成功 🔵​🔵​🔴​

織部・水重
SPD行動
アドリブOK

この老体には荷物運びはキツそうじゃ
村に残って追手の足止めといこうかの

村に残ったゴミを材料に「アート」で村人に似せた人形を作れるだけ作る
人形は各家の中に設置し、玄関には足元に村で調達したロープを張ったり油やビー玉を撒いたりして
人形に気を取られた侵入者が転ぶようにしておく

村の近くに潜伏し
追手が村を出ようとしたらワザと見つかり、村人の逃亡先とは別方向に逃げる
できるだけ多くの追手を引き付けた後【ガジェットショータイム】で
発射時に煙が大量に出る小型ロケット+織部そっくりの人形を召喚し
近くの山に向けて発射、飛んで逃げたように見せかける

同時に自分は煙に紛れて「忍び足」でこっそり逃げる



●4台目
「ニヒヒヒ……」
 各家から出た廃材などや自分で持ち込んだ材料を元に、人形を量産している影。異国の衣装を身に纏った老人。織部・水重の手から作り出される人形は不気味なほど村人によく似ていた。
「じいさん、こりゃあいったい……?」
 人形の出来か、はたまた自らの腕に見惚れるように量産された偽物の村人たちを眺めていた老人に、本物の村人たちが近付く。そのうちの一人が問いかけた。水重は咳払いをひとつ。
「ふむ、疑似餌と言うべきかもしれんの」
「ぎじ……?なんだい、そりゃ」
 ますます訳が解らない顔になる村人。他の村人も見物に集まる。水重は用意したロープと仕掛けを手に、空いた家を適当に指す。
「ではあの家で実演してみせるでござるよ」
「俺の家!」
 村人の一人が声を上げると、同じ顔の人形をひょいと抱え上げて楽しげに向かう。ガランとした部屋の中央、窓から良く見える位置に人形を俯かせて床に座らせた。
「それでの、これらを……こう、それとこうして……こう……」
 詳しい説明は省き、テキパキと罠を仕掛けていく。それをドアから顔を突っ込んで村人たちが見回している。後は玄関ドアの周りだけ。
「後はこれをこうして、出来上がりでござる」
 その顔は完全にいたずら坊主のそれだった。村人たちは顔を見合わせてひとつ頷く。
「わかったよ、じいさん。後は俺たちで手分けしてやるから、馬車で休んでてくれ」
「そうそううちの娘たちが、じいさんと話してみたいと言ってたな」
「……そう言うなら、ちょいと休ませてもらうでござるか」
 ひ孫娘のような歳の子を始めとした幼な子たちと話してる間に女性たちも乗り込んできて。気がつけば馬車は村を発っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャルロット・ルイゾン
【POW】
アドリブ、絡み歓迎。

慣れ親しんだ住処を捨てて新天地を目指すなど、決して楽ではございませんのに。
ええ、とても人間らしくて前向きで、素敵だと思いますわ。
彼らの自由と平等と友愛と尊厳のため、わたくしでお役にたてることがあれば、喜んでお手伝いいたしましょう。

わたくしは力仕事には向いておりませんけれど
皆さまの道行きを少しでも快適にすることで移動のお手伝いができればと思っておりますの。
もし体調の思わしくない方や怪我人がいらっしゃれば医術を用いて、今できる範囲での手当てを行います。
コミュ力、礼儀作法、世界知識、学習力、第六感などを駆使して
お話相手になることでも多少の不安を取り除けると素敵ですわね。



●1台目
 まだ陽の昇らぬ時間。薪と水、毛布と僅かな食料。戦い慣れた武装の村の男たち。それとまるで場違いな、波打つ柔らかな真珠色の髪の少女。シャルロット・ルイゾンはその医術の腕を買われて同行していた。
「わたくしでお役にたてることがあれば、喜んでお手伝いいたしましょう」
 そう言って二つ返事で馬車へ乗り込むと、男たちが浮き足立つのが誰の目にも明らかになっていた。その直後に女性陣からどやされるのも、お約束の流れだろう。荒地を進む2台の馬車。先を行くのは村のもの。後ろを付いて行くのは猟兵たちのもの。後から他の馬車に同行してくる猟兵を乗せて戻るため。
 道中は比較的順調であった。弱いはぐれ魔獣がいたとか、非業の死を遂げた少女のオブリビオンが一体うろついていたとか。ひとつ違えば脅威となる相手だが、単数ならば充分対処できた。それ以外は気ままな雑談で時間を潰す。どんな魔獣を相手にしてきたか。今度の村は何度目だとか。誰それさんとこの子どもが。自分が子どもだった頃は。そんな他愛もない話題で埋め尽くされた。
 山を登り、いよいよ新天地が見えてくるという頃。
「……おい」
 御者の放った低い一言。たったそれだけで馬車の中は一瞬にして緊張感に満ちた。新天地はその昔に放棄された集落をこつこつと修復したもの。その集落で一番大きな建物の煙突から立ち昇る煙。安全を確認したら合図として火を入れる家であった。
「……道に迷った旅人かもしれん。俺たちが先に行って見てくる」
 そう言って二人が道なき道を下って行く。馬車は速度を上げた。
 ――どうか。どうか、予知が狂っていませんよう――
 嫌な予感にシャルロットは震える手で祈った。

苦戦 🔵​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『隷属から逃れる術を知らない少女達』

POW   :    命より重い忠誠を誓おう
【忠誠を誓った者から授かった力】に覚醒して【命を省みず戦う戦士】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    主のためなら限界すら越えて戦い続けよう
【主の命令書を読み限界を超えた捨て身の攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    主人に永遠の忠誠を誓おう
【忠誠を誓う言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。

イラスト:すねいる

👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 コンコン
「巡回の自警団だ。誰かいるのか?」
 第一陣の馬車2台が山を下りきる頃。先行した二人が屋敷の扉を叩いた。中で音はするが誰も出てこない。片方の黒髪の男がふと窓を振り仰いだ。
「お……おい、あれ!」
 指差した先には、山に入る少し前に同行した少女が倒した吸血鬼の手下。よく見れば顔立ちなど多少の差異はあるものの、部分部分は全て同じ。粗末な布に等しい衣服。決して清潔とは言えない風貌。首輪と金具のついた鎖。
 向こうも目が合うとは思っていなかったらしく、目を見開いて何か叫んでいるように見えた。もう一人の赤髪の男は即断する。
「戻るぞ!」
「あ、ああ」
 二人は走り出す。馬車が着く、集落の入り口の方へ。その後姿を二階の窓から冷たく見下ろす者がいた。口角の上がった口元から、ふふふ、と笑いがこぼれた。
「……日が落ちるまで身を隠すのにちょうど良い小屋があると思ったら……」
 遠く見える馬車に視線を移す。くっくっくっ、と喉の奥から込み上げる笑いを押し殺す。
「まさかそちらから飛び込んでくるとは、全く……これだから人間は面白い」
 ついに高笑いへと変ずる。一目散に逃げ出した村人の背へ。いつでも捕らえる事は出来るぞと。もっと人を集めよと。全てを差し出せと。言うように。

「ダメだ!乗っ取られてる!」
「道中で見たあの女がいた!中にもっといる気配がしたぞ!」
 ようやく馬車に辿り着き、二人の男が悲鳴のように報告する。
「なんだと!?」
 後続の馬車が着くまで時間がない。男たちはどうするか話し合いを始めた。
花狩・アシエト
女……?
俺、女は切れねーんだけど……
さて。どうしたもんかな

あ、なあ
馬車は後ろで待ってろよ
先に行って死なれちゃ後味悪いからな
攻撃届かないとこにいろよー

……切れなきゃ裂くだけか
紅椿を使う
手が汚れねーし、感触も残らないしな
詠唱しつつ、避けるぞ
詠唱がメインだから多少の被弾はしょうがない

相手の攻撃は、「武器受け」「第六感」「残像」で避けたりガードする
「学習力」で敵のパターンを覚える

紅椿が効かなきゃ、「二回攻撃」「力溜め」で一人ずつころす
ああ手が汚れちまった
オブリビオンめ

アドリブ、共闘歓迎


レイン・フォレスト
これは運が悪いと言うべきか
いや、どうせやるつもりだったんだし、それがちょっと早くなっただけ
村の人達は馬車の中に隠れてて
絶対に出てくるんじゃないよ

【SPD】
さっきの子と同じような子達か
そんな姿で隷属するしかないのは哀れだね
今、そこから解放してあげるよ

オブリビオンであれば命乞いは聞かない
本気で行かせて貰おう

【ブレイジング】を使い「先制攻撃」を狙う
少女達の攻撃は「見切り」で回避を試みよう
余裕があればさっきみたいに「誘惑」を試してみたいけど
戦闘中は無理そうかな

攻撃を食らってしまったら「吸血」「生命力吸収」で回復を
オブリビオンの血はマズイけど背に腹は代えられない

少女達の次は親玉だ
首を洗って待ってろよ


ラザロ・マリーノ
女で子供、そのうえ奴隷か。やりづらい相手だが…そう思わせるためにあんな格好させてるのかね、やっぱり。
まあ仕方ねえか。全員助けられるほど物資も時間も余裕があるわけじゃねえしな。

攻撃力重視でUC「極限の領域」を発動。

【ダッシュ】で一気に突っ込んで、体重とスピードを乗せた【シールドバッシュ】【吹き飛ばし】でなぎ倒す。
倒れたところに、【怪力】【なぎ払い】でハルバードを振るってとどめを刺すぜ。

この程度で殺せなくなるようなお人好しが傭兵なんてやれる訳ねえよな。
まあ、お前らの分の借りは俺たちがご主人サマに返しておいてやるから、安心して眠るんだな。

※アドリブ・連携歓迎


織部・水重
SPD行動
アドリブOK

心の奥底まで主人に隷属しておるようだのう
見るからに不憫な娘子を殺めるは気が進まぬが致し方なし、か

敵が襲撃してきたら同乗している女子供を巻き込まぬように馬車を降り、離れて戦う
「ちと離れておれ。なーに無理はせんよ、こんな爺でも死なれたら寝覚めが悪かろう?」

【ガジェットショータイム】で丸太のように巨大なフラッシュライトを召喚、
閃光を放って敵の目をくらませ敵の超高速連続攻撃をかわし、丸太サイズの本体で殴って戦うぞい
「良い子は人の顔にライトを当ててはならぬでござるよ、ヒッヒッヒ」
敵が屋敷に立て籠るならライトを破壊槌のようにして「へあーっ!」と扉を破るのも試してみようかの



●1台目
「とにかく、俺らだけじゃ対処できない。後続と合流して頭数を揃えないと」
「山のふもとまで一度下がろう」
「不本意だが、あの煙で山を越えてくるだろうからな」
 男たちの決断は素早かった。猟兵たちの馬車もそれに続く。
「あれ、そういや一緒だった嬢ちゃんは?」
「自分の馬車に戻ったんじゃねぇの?さっき青い顔してたしなぁ」

●2台目
「あ?どうしたんだ、こんなところで」
 安全確認の合図を見て山を下った先で、集落に入ったはずの連中が難しい顔をして焚き火を囲んでいた。
「どうしたもこうしたもねぇよ!」
「以前村に来た吸血鬼の手下のボロボロの女がな、お屋敷にうじゃうじゃ入り込んでやがったんだ」
「あんまり数が多いんで、お前らを待ってたんだよ」
 ある者は憤り、ある者は怪談を語るように。そして今後について話し合いが始まる。吸血鬼に仕える奴隷の少女たちがこちらの味方になってもらえたら、などと。それをラザロ・マリーノは聞いていた。
「その手下の女たちだが、人じゃねぇぞ」
 男たちが一斉に振り返る。
「……その話、本当か?」
「ああ、俺たちはそういう『人ならざる者』を殺すのが生業でな」
 水を打ったように辺りを静寂が支配する。何と言葉にしたらいいか、戸惑っている様子だ。もっとも反応とかどうでもいいからマリーノは内部を把握したがった。
「屋敷の見取り図か何かないか?ざっとでいい」
「俺が覚えてるから、地面でよければ」
「頼む」
 正直頭脳労働は苦手だが一人では手に余る量なので、経験と知識を総動員して次の馬車が来るまでの時間を稼ぐ事にした。

●3台目
 山裾沿いに荒野を進んでいると、大きな盾を持った人物が近付いてくる。先行していた馬車に同行したはずのマリーノだ。同じ猟兵の顔を見つけて走り寄る。
「おう、来たな。待ってたんだ。緊急事態でな」
「俺をか?どういうことだ」
 腑に落ちない顔で花狩・アシエトが訊き返す。先に馬車を止めるよう御者に指示を出し、アシエトに付いてこいのジェスチャー。前方の馬車への道中に説明を聞く。
「幸い今はまだ動きはないが、あの屋敷の中にオブリビオンがウヨウヨいるそうだ」
「なんだって?予知が外れたのか?」
 確か聞いた予知は村へオブリビオンが襲撃してくるという話だ。
「いや、外れたというよりも……」
 二人とも、村への使者の言葉を正確に思い起こす。『食料や財産を全て供物として準備しておくように』だったか。
「そうか……今なら全財産が馬車の中……!」
 アシエトが言葉を絞り出す。マリーノが同意する。
「食料は後から手下どもに回収させればいい」
「オブリビオンめ……!」

●正面突破
 アシエトが扉の前に立つ。その少し後ろでマリーノが盾を構えた。
「この正面扉だけ外開きにした意図はなんなんだろうな、マリーノ?」
「さあな。それはあいつらに聞いた方が早いんじゃないか、アシエト」
 マリーノが更に後方を指し示す。集落の入り口で見守る村人たち。
「……準備はいいか?」
「おうよ」
 【極限の領域】を使い凄まじいオーラを纏うマリーノ。アシエトも片手をドアノブにかけた状態で詠唱を開始し、椿の花びらが周囲を舞い始めた。反対の手でカウントダウン。ゼロの代わりに力の限りドアノブを回す。”重い”ドアはすんなりアシエトのエスコートに応じた。
「ぉぉおおおッ!」
 盾を掲げてマリーノが突進する。十人ほどドアに垂れ下がっていた奴隷少女たちを吹き飛ばし、活路を開く。そのまま奥の数人を更に薙ぎ倒し、手にしたハルバードを振るう。次々と仕留めながらホールを縦断した。
 マリーノの直後に踏み込み、周囲を確かめたアシエトが【紅椿】を発動させた。
「落ちろ落ちろ、くびよ落ちろ」
 広いホールのほとんどを椿の花びらが埋め尽くした。奴隷少女たちを裂き散らす。傷の浅い個体たちがアシエトに飛び掛る。全員は回避しきれず、アシエトの腕にオブリビオンがぶら下がる。爪を立て食い込ませてきた。痛みで集中が乱される。瞬間、風が巻き起こる。思わず閉じた目を開くと、奴隷少女の腕だけが視界に入った。
「大丈夫か?」
「すまない、助かった」
 マリーノが排除してくれたのだと悟り、短く礼を言う。残った腕を振りほどき、再び詠唱に入った。二人は親玉が潜んでいるだろう2階への階段を探す。

●4台目
 村に残ってオブリビオンどもを撹乱して煙に巻くつもりだったのに、と最後の荒地を走る馬車の外に投げ出していた視線を車内に戻す。女性の比率が高く、それも比較的若い世代。これはこれで悪くはないと相好を崩す。一見は面倒見の良い好々爺。
 目的地はまだ先なのに停まる馬車。何事かと騒然となる車内。そして聞こえてくる男と御者とのやりとり。
「――場合によっては――する――」
「――その、おぶなんとか――」
 おぶなんとか。それがオブリビオンを指すなら、自分の出番だ。織部・水重はひょいと馬車を降りる。
「じいさん?」
「拙者の出番のようでござろう」
 スタスタと集落に向けて歩き出す水重を止めようとする村人。
「やめとけ、じいさんにゃ無理だ。皆と一緒に――」
 追いかけてきた男の前で急転回急停止。目を白黒させてわたわたとしている村人を面白げに眺めながら。
「なーに無理はせんよ、こんな爺でも死なれたら寝覚めが悪かろう?」
 そして踵を返し、手をひらひらと振る。
「それに一人じゃなかろうて」
 先行した馬車にそれぞれ随行した猟兵がいるのだから、むしろ暴れる余地があるかどうかを心配しながら集落へと一人向かう。

●正面突撃
 開いたままの正面扉へ、その老人は歩みを進めていた。扉の向こうには奴隷少女たちが忙しなく右往左往しているのが見える。水重は足音もなく扉の内側へと忍び込んだ。
「心の奥底まで主人に隷属しておるようだのう」
 ぽつりとこぼした言葉に、ようやく奴隷少女たちが老人の存在を認識する。
「見るからに不憫な娘子を殺めるは気が進まぬが致し方なし、か」
 気が付いた時には丸太のように巨大な超強力懐中電灯――フラッシュライトを、水重は抱えていた。奴隷少女たちが戦闘態勢を取った瞬間、えげつない光量がホールを満たした。目を灼かれ動けない奴隷少女たちを、そのサイズ自体が凶器となるフラッシュライトで殴り飛ばしていく。
「良い子は人の顔にライトを当ててはならぬでござるよ、ヒッヒッヒ」
 物言わぬ奴隷少女たちの間を縫いながら誰へともなく言い残す。勘で階段を見つけ駆け上がった。
 廊下の先、ひと際豪華な扉の前で難儀している二人の男を見つけ、丸太大のライトを小脇に抱えて走り寄る。
「そこが親玉のいる部屋じゃな!任せておけ!」
 水重は丸太(略)を抱えなおし、そのままスピードを上げ突進する。
「へあーっ!」
 丸太(略)を破城槌として、屋敷を揺るがす衝突音を立てながらドアを破壊した。同時に絹を裂くような男性の声が響き渡った。

●5台目
 ――これは運が悪いと言うべきか。
 レイン・フォレストの脳裏に真っ先に浮かんだ言葉。山を越えた後の荒地で待ち受けていた村人の説明を一緒に聞きながら。既に猟兵たちが乗り込んでいるようだ。
「どうせやるつもりだったんだし、それがちょっと早くなっただけ」
 ソレの排除は自分の仕事だと暗に告げる。
「アンタも行くのか?」
「もちろん」
 男の言葉に首肯し、身につけた装備をチェック。いつでも戦闘可能だ。
「先に行ったアンタの仲間にも、俺たちの問題だからと言ったんだが、お告げとやらで倒して歩くのが生業と言われちゃ、止めようがないよなぁ」
「せめて武運を祈らせてくれ」
「ありがとう、皆の無事もね」
 不条理を飲み込む男たちの心遣いに口元が緩む。慌てて引き締めながら歩き出そうとして、振り返り念を押した。
「村の人達は馬車の中に隠れてて。絶対に出てくるんじゃないよ」
 フォレストは今度こそ振り返らず歩き出す。

●裏方清掃
 正面から乗り込もうとして、ふと見回した。屋敷の横手に影。正面に人影はないが、誰かが大暴れしている音が聞こえる。彼らが見落とした敵を始末するのが彼女の役割なのかもしれない。
 屋敷を回りこみながら。オブリビオンであれば命乞いは聞かない。聞く必要もない。本気で行かせて貰おうと、愛銃を握りなおす。
 見えた影はやはり、道中で倒したのと同じ奴隷少女だった。
「そんな姿で隷属するしかないのは哀れだね。今、そこから解放してあげるよ」
 逃げようとする背に銃弾を撃ち込んだ。倒れ伏した奴隷少女は痙攣するようにもがき、それきり動かなくなる。今は亡き育ての親に仕込まれた射撃術は、ほんの一瞬で何発もの鉛玉を正確に命中させるだけの高等技術(ユーベルコード)に昇華していた。
 建物の影から覗き込めば、裏口のある辺りに複数の奴隷少女の姿。距離は遠くない。弾数を数え、深呼吸ひとつ。もう一度覗き込みながら発砲のシミュレート。動きが変わらないうちに飛び出す。シミュレート通りに全てを撃ち倒した。素早く裏口の横へと移動し、再装填。
 裏口から中の様子を窺う。誰もいないようだ。そっと侵入。だが、扉の影に一人。包丁を手に決死の突撃を敢行した。僅かに反応が遅れ、利き手ではない方の腕をざっくりと包丁が刺さる。すかさず両方の肩と太ももを撃ち抜き、動けなくしたフォレストは近くに膝をついた。
「オブリビオンの血はマズイけど背に腹は代えられない」
 首輪を持って引き起こすと吸血を始めた。残った奴隷少女の命を吸い上げる。全てを絞り取って傷を回復し、立ち上がった。
「……次は親玉だ。首を洗って待ってろよ」
 鋭い眼光を上へと向ける。屋敷を揺るがす衝突音はまさにその時だった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

向坂・要
こりゃまた賑やかなこって

念の為村人達の方にルーンを宿した分体をいくつか護衛(お守りみてぇなもんだと思ってくだせぇ)に残しておきますぜ
なんかあったらこいつ(分体)に合図でもしてくだせぇ

他にも隠れてたりたなんだいねぇか注意しつつ館へ

先に行った方々がだいぶ派手に暴れてなさるご様子で
オレの分が残ってりゃいいんですがね
なんて嘯きながらも油断せず

視界に頼らず五感、に【第六感】、八咫影戯で周囲を探り警戒

Lückeで間合いが近けりゃ短刀、遠けりゃ蛇腹剣、など自在に間合い、形状を変化させ

あちらさんが賑やかなら、と【目立たない】様に【暗殺】【念動力】【毒使い】
ま、必要なら派手にやりますがね

絡み
アドリブ歓迎


シャルロット・ルイゾン
嗚呼、与えられた猶予とはそういうことでしたの。
彼らが逃げ出すことなど恐らく織り込み済みでしたのね。

死してなお自由になれないなど、それは人間への、そして、彼らの死への冒涜に他なりませんわ。

人形を操ってフェイントを仕掛けながら相手を翻弄しつつ
戦闘の様子をよく見て学習しておきますわ。
攻撃はなるべく見切り、または、ミレナリオ・リフレクションでの相殺を狙います。
苦しませるのは本意ではございませんの。
Chambre à Gazへ閉じて夢見るような最期へ誘いましょう。

ご安心くださいませ。
あなた様方に齎らすのは美しい果ての幸福。
わたくしが導き、救って差し上げます。
ですから、もう、よろしいのですよ。



●安寧
 シャルロット・ルイゾンは一人、集落の入り口をくぐった。屋敷の二階の窓。奴隷少女ではない人影。そこから視線を感じる。嘲るような。
 その視線を意に介さず、周囲を観察する。お屋敷の正面扉から奴隷少女が数人、手に何かを持って歩いてくる。それは薪であったり、農具であったり。即席の武器。包囲するように左右へとばらけるのを、すかさず人形を操り妨害する。
 フェイントを仕掛ければいとも簡単に翻弄され、半数ほどが逃げ出すように集落の外へと走り出した。それに気付いた順に後を追いかける。奴隷少女たちが目指す先には畑が広がっていた。修繕の合間に村人たちがいつでも使えるようにと整備していたもの。
 更にその先には馬車で越えてきた山から雪崩れるように広がる森。逃げ込まれると厄介だ。シャルロットは屋敷を一瞥して追跡する。放って置いたら村人の馬車が襲われるだろう未来は容易く見えた。
 集落の周りを囲う柵で足止めされている彼女たち。全てを看取る望月の瞳は、これから夢見るような最期へ誘う相手の観察を継続する。ありとあらゆる情報の学習。
「ご安心くださいませ」
 ゆったりと一歩を踏み出し声をかける。難儀しながら柵を乗り越えていた奴隷少女たちが不思議そうに振り返った。動きが止まる。
「あなた様方に齎らすのは美しい果ての幸福」
 もう一歩。少女の操り人形をするりとひと撫でし、自分の前に出す。
「わたくしが導き、救って差し上げます」
 さらに一歩。慈愛に満ちた聖母のような微笑みを見たのは誰か。
「ですから、もう、よろしいのですよ」
 最も近い個体を少女人形が身の内へと閉ざす。僅かな時間を挟んで再び開いた時、ずるりと奴隷少女の身体が滑り落ちた。
「――!」
 声なき悲鳴。外にいたものは一目散に走る。内側のものは柵を越えようともがく。柵から転落したものを踏みつけ。我先にとよじ登る。
 片端から少女人形の抱擁を与えていく。仲間に踏まれ事切れている奴隷少女の亡骸。
「苦しませるのは本意ではございませんのに……」
 操り人形たちと共に柵をひらりとクリアし、素早く後を追いすがった。

●6台目
 追っ手を警戒して遠回りルートを選んだ馬車は、荒地を猛スピードで駆け抜けた。向坂・要の操る陽炎の馬車隊はもういない。馬の休憩のために立ち寄った村で、夜遅く奴隷少女たちが他の村に目もくれず大移動した話を聞いたから。その方向は奇しくも新天地を指していた。
 車内は重苦しい空気が占めている。物理的距離はどうにもならない。先行した皆がどうか無事であるように。ただひたすら祈った。
 新天地の辺りで空へと立ち昇る一筋の煙。第一陣が到着した際、安全を確認した時に上げる合図。本当に無事かは、この目で確かめるまでわからない。山裾に馬車の群れを見つけた。それが村のものか判別するには距離をもう少し縮める必要がある。
「じいさんたちが着いたぞー!」
 村の若い男の声が荒地にこだました。それだけで車内の皆がぼろぼろと涙をこぼす。御者台に身を乗り出し、叫び返した。
「無事かー!?」
「安心しろー!皆いるぞー!」
 やがて無事に合流を果たす。村のものが全員いるのを確認し、号泣する老兵。泣き笑いながら抱擁しあう者。そしてそれを見守る要。彼の役目はここからが本領である。

●静謐
 集落の入り口に立ち、闇色の鴉を放つ。要自信も感覚を研ぎ澄まし、周囲を窺う。集落内は何の反応もない。真っ直ぐ屋敷へと向かう足取りは慎重に。見上げる位置で足を止める。中からは屋敷を揺るがす衝突音が響いた。続く悲鳴。
「先に行った方々がだいぶ派手に暴れてなさるご様子で」
 ため息と零れた言葉。
「オレの分が残ってりゃいいんですがね」
 後半は開いたままの正面扉から地面へと射す灯りに落ちる。屋敷の中に闇色の鴉を放った。一階にまだ敵の反応。小さな部屋に立てこもっている様子だ。一部屋ずつ攻めるのが良いだろう。油断せず足を踏み入れる。
 まず一部屋目。ノックしても出てこないのはわかりきっているので強引に扉をぶち破り、奴隷少女めがけ蛇腹剣を振るう。なんの抵抗も示す暇もなく易々と屠る。
 二部屋目。こちらも内部は既に把握している。同じように扉を蹴り飛ばして奥にいる奴隷少女を切り伏せる。
 三部屋目は倉庫として使われている。つまり障害物となる荷物が多い。そして扉の前にバリケードが築かれているのが判った。面倒だが一番近い部屋の窓から外へ出る。やる事は窓からの奇襲。念動力で別の窓を割り、そちらへ注意を向けている間にそっと窓を開き侵入する。まだ新しい窓枠は心得たように音を立てることはなかった。
 目の前の奴隷少女の首を短刀で静かに掻き切る。暗殺と呼ぶに相応しい動き。薄暗い倉庫を移動する。念動力を使い見当違いの方向で音を立て、次々と仕留めていった。

●集合
 二階では親玉を守る最後の奴隷少女が倒される。と、ほぼ同時にシャルロットと要が辿り着いた。部屋の中では何かわめいているが、言葉として聞き取れるものではなかった。
 妨害するものはもう何もない。後は目の前の吸血鬼を猟兵たちが骸の海へと還すだけで、この集落はひとまずの平和を得るだろう。
 新天地の歴史上、最初で最後かもしれない戦いが、さして広くもない部屋で始まろうとしている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『残影卿・アシェリーラ』

POW   :    我が終生の敵手の力を見よ
【刀身に封じられた『太陽の炎』を纏った剣 】が命中した対象を燃やす。放たれた【吸血鬼を浄化する太陽の力を秘めた】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    我は既に死者である故に
【オブリビオンとして復活させた自分の分身 】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
WIZ   :    我が闘争の果に
【オブリビオンとなる前からの戦闘経験により】対象の攻撃を予想し、回避する。

イラスト:壱弐乃

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はランゼ・アルヴィンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「私をそう容易く葬れると思わないで頂きたいですね!」
 吸血鬼がようやく聞き取れる言葉を吐き捨てる。背後の窓へ手を叩き付けた。ガラスがガタガタ音を立て、風もないのに他の窓が耳障りな悲鳴を上げる。一層甲高い叫びと共にガラスが一斉に割れた。破片が猟兵たちへと降り注ぐ。
「何を……!?」
 猟兵の誰かが投げかけた時にはひらりと身を返し窓枠へ飛び乗ると、吸血鬼はそのまま外へと躍り出た。

「おい、誰か飛び降りたぞ!」
 離れて待機している村人たちにもその光景は見えた。
「あの人たちの誰でもないな!?」
「どうする!?」
「あの眼帯の兄ちゃんが置いてったあれで合図を送ってみるか?」
 黒髪の男が指したそこには、周囲を警戒している眼帯の猟兵の姿。馬車を離れる前に護衛として残していったお守り代わりの分体だ。
「いや、兄ちゃん本人があそこにいるんだろうから、少し様子を見よう」
「集落を出てこっちに向かって来るようなら合図するぞ」
「ああ頼む」
「女子どもと荷物の馬車をもっと下げろ!」
 戦闘に備えてにわかに慌しくなる。食い止められるか――!
花狩・アシエト
捨て台詞残してったな……
諦めの悪いやつは嫌われるぜ
オブリビオンとはいえ、女の子をあんな風に捕らえてるような悪趣味なやつに負ける気はしないな!

飛び降りた窓から俺も続く!
大丈夫か!?もうちょいだから待ってろよと馬車に声かけ

走って追いかける
ほっっんとに諦め悪いな!

追い詰めたら、前衛に立つ
界刀閃牙で戦う
「二回攻撃」「力溜め」で攻撃だ
敵の攻撃は「残像」「第六感」で回避しつつ、避けきれない攻撃は「武器受け」で耐える

俺の知ってる最強の槍使いの打ち込みより、ぜんっぜん軽い攻撃だな!(挑発しつつ

アドリブ、共闘歓迎


織部・水重
SPD行動
アドリブOK

いかん、村の者達が!

とっさに【ガジェットショータイム】で電流の流れる鉄の投網を放つネットランチャーを召喚し
窓から地上へ投網を放って吸血鬼を捕獲し、電流を浴びせる
さらに吸血鬼ごと網を引っぱり、できるだけ村人たちから引き離す
分身を出すヒマなぞ与えんぞい

他の猟兵が吸血鬼に追い付いたら攻撃の邪魔にならないよう投網は一度解除
自分も地上へ飛び降り、村人の前に立ちネットランチャーを構えて吸血鬼を牽制
近づいてくるならもう一度鉄の投網で捕獲を試みる
失敗した場合は村人を身を挺して「かばう」

「敵に背を向け弱者を襲うとは、それでも主と仰がれる者かえ
畏敬を求めるならば相応の立ち振る舞いをせい」


シャルロット・ルイゾン
まさか逃げ出すとは思いませんでしたわ。
ですが、彼の目的はわたくし達と戦うことではありませんものね。
ええ、追いましょう。
彼らのところに届く前に。

人形たちを操ってフェイントを仕掛けながら早業で追跡いたしますわ。
必要ならば恐怖を与えましょうか。
そして、人形たちの棘や毒で鎧無視の属性攻撃を傷口を抉りながら2回攻撃で重ねます。
わたくしの消耗を抑えるためにも生命力吸収を行いますわね。

人間の自由と平等、彼らの美しい友愛と尊厳を踏みにじること。
それがあなた様の罪にございます。
ですから、どうぞ、わたくしに身をお委ねください。
美しい果ての幸福へ導いて差し上げますわ。


向坂・要
叫んだり飛び降りたり忙しい人ですねぃ

村人達の方に向かうのを見て分体達に宿した守りのルーン発動させ万が一の時の守りとして備え

窓からこちらも飛び降りるなど追跡しつつ【スナイパー】で相手の進行を阻害する様に足などを狙いクイックドロウ
(可能なら足場の固定や阻害に念動力利用)

宿したルーンにより放たれる【誘導弾】による【鎧無視攻撃】【毒使い】【マヒ攻撃】の【属性攻撃】

【第六感】も生かし【視力】だけに頼らない攻撃

言ってることとやってる事が違いますぜ
せっかく来たんだ
釣れない態度は無しにしましょうぜ

全体を俯瞰で把握する様に心がけて
何かあれば声掛け

アドリブ
絡み歓迎


レイン・フォレスト
容易く葬れるなんて思ってないさ
だけど、何としてでも葬ってやるとは思ってるよ

真の姿
悪魔のようで気に入らないけど、これで奴を倒せるのなら!
解放:頭に角、背中に悪魔の羽

【SPD】
飛び降りた相手へここから撃っても届かないだろう
ならば追う!
村人の方へは行かせない
迷わず同じ窓から飛び降りて後を追う

追いながら【ブレイジング】で攻撃
とにかく足を止めないと!狙いは足元
反撃には「見切り」と「第六感」で回避を試みて
分身が出てきたらそいつの相手を
仲間が親玉を追うのを邪魔させはしない

仲間が分身の相手をしてくれるなら遠慮無く親玉へ
あんな悪趣味な奴隷少女を使役するような奴、絶対に許さない

村の人達の平穏を何としても取り戻そう


ラザロ・マリーノ
野郎…!そう簡単にやらせるかよ!!

真の姿を開放(体格が一回り大きくなり、牙・角・翼が生えて、よりドラゴンに近い外見に)。

奴を追って【ジャンプ】で飛び降りて、【ダッシュ】で接近。
UC「修羅の業」を叩き込んで、【怪力】【ロープワーク】で【時間稼ぎ】するぜ。
敵の反撃は【盾受け】【オーラ防御】【激痛耐性】でしのぐ。

そこらの化物よりはるかに強い力を持ってるくせに、弱い奴から狙うなんて誇りも何もねえようだな!
吸血鬼の名を汚す前に、さっさと骸の海へ帰りな!!

※アドリブ・連携歓迎



「あなた方が大事に守るモノを壊してあげましょう!」
 窓の外から吸血鬼の挑発が聞こえてくる。守れるものなら守ってみせろと。
「いかん、村の者達が!」
 手近な窓へと走り寄る織部・水重の声と同時に花狩・アシエトが吸血鬼の後を追って窓枠を飛び越える。
「何としてでも葬ってやる」
 真の姿を解放しながらレイン・フォレストがアシエトに続いて踏み越える間に、水重は丸太(略)を別のものへと召喚し直した。肩に担ぐ大砲のようなもの。ダークセイヴァー特有の空から舞い降りるフォレストのシルエットは先ほどとは異なり角と羽を生やし、まるで悪魔のようで本人は気に入っていない。それでも奴を倒せるのなら、とその姿を曝す。

「まさか逃げ出すとは思いませんでしたわ」
 別の窓からシャルロット・ルイゾンが飛び出した。一瞬早く水重のネットランチャーが細い鉄で編まれた網を射出する。それはまるで吸血鬼に迫る掌のように。追いかけるフォレストの援護射撃が上手く吸血鬼の足を止める。
「叫んだり飛び降りたり忙しい人ですねぃ」
 向坂・要は冷静に、分体に宿した守りのルーンを発動させる。分体たちは即座に応え隊列を変える。水重の鉄糸網が吸血鬼を捕らえた瞬間、バチリと大きな音を立てて電流が走った。
「野郎……!そう簡単にやらせるかよ!!」
 真の姿を解放したラザロ・マリーノが要の後に続き、窓の外へと踊り出る。アシエトが吸血鬼に追いつく直前、吸血鬼が網の外へ分身を呼び出した。水重が網を引いて動きを止めようとするが、吸血鬼の分身は本体の代わりに駆ける。

「ほっっんとに諦め悪いな!」
 本体を後続に任せ、アシエトは吸血鬼分身を追った。念動力で操る短剣を足場に高く舞い、要は戦場を俯瞰する。フォレストが吸血鬼分身の足止めを狙って発砲する音が響いた。その間にも吸血鬼本体は剣を使い網を燃やし、脱出を図る。
「あなたの目的はわたくし達と戦うことではありませんものね」
 自由を取り戻したばかりの吸血鬼にシャルロットの人形たちが肉薄する。だがそれを紙一重で吸血鬼は躱してのけた。その挙動を可能にしたのは生前から受け継ぐ卓越した戦闘センスと今まで積み重ねてきた経験。
「――おっと、このような無粋な人形に捕まるなんてぞっとしませんね!」
 吸血鬼本体の嘲る声を後ろに聞きながらフォレストは走っていた。前方では分身に追いついたアシエトが剣を交えている。

「俺の知ってる最強の槍使いの打ち込みより、ぜんっぜん軽い攻撃だな!」
「ほう、それは面白い!一度その方と手合わせしてみたいものですね!」
「そいつは無理だな!てめぇはここで俺が倒すからな!」
 一度間合いを取る二人。圧倒しているように見えるアシエトだが、じりじりと集落の外へと誘導されていることに気がついていない。
 その集落の外ではいつの間にか水重がランチャー片手に駆けていた。村の男たちの方へと走り寄っていく。
「じいさん!?いったいどうしたんだ?」
「ちぃとばかし老体には堪えるんでな、若いのに任せてひと休みじゃ」
 要の分体たちの後ろに陣取り、集落の入り口付近へ視線を走らせる。アシエトと分身吸血鬼のその向こうから銃を構えたままのフォレストが向かって来る。二人がつかず離れずだったのでタイミングを窺っていたが、今ならば。

「なら、俺でどうだ!?」
 紙一重で人形を避けた吸血鬼本体の背後から拳を振り被るドラゴン。否、真の姿となりその特徴を得たマリーノ。その体躯もドラゴンのようにひと回り大きくなっている。
「そんな大きな声を出してどうしたんです?まさか奇襲だなんて野暮な事をしたつもりですか?」
 剣の横っ面で拳を受け止めた。マリーノはニヤリと笑って飛び退る。吸血鬼本体が不審な顔をした次の瞬間、太陽の炎を纏った剣が爆発した。
「ぎぁぁあああぁぁぁぁ!な、な、なにを」
 吸血鬼本体が絶叫する。更に何か言い募ろうとして、腕に違和感を覚えた。見下ろすと剣を持っていた左腕に何かが巻きついている。もう片側は、マリーノの右腕に。
「こ、こ、こんなもので、私を捕まえたと!思って!」
 その顔は驚愕と嘲笑の中間のような、奇妙な形に歪んでいた。
「さあ、男と男の勝負といこうじゃないか」

 アシエトと睨み合い、じりじりと集落の外へ戦いの場を移そうとしている吸血鬼分身に向かって弾倉の半分を叩き込む。
「がはっ……」
 胸に4発の銃弾をもろに喰らい、天を仰ぐ吸血鬼分身。アシエトとフォレストはその背後にもう1体の吸血鬼を幻視した。数瞬遅れてそれが幻ではなく、新たに発生した吸血鬼の分身だと理解したのは、別々の動きをしたからだ。仰向けに倒れこむ吸血鬼分身と、集落の外へと走り出した吸血鬼分身の分身。
 便宜上分身をA、分身の分身をαとしよう。思わずαを追跡しようとしたアシエトに上空から制止する声が降ってくる。
「こちらさんは俺たちでお相手しますんで、しっかりトドメ刺してくださいよ」
 どちらにも援護できるよう戦況を見守っていた要だ。念動力で色々なものを足場として空を駆けていく。

「じいさん、来たぞ!」
「何か援護することはあるか?」
 様子見に二人だけ残して、村人たちは全ての馬車と後方へと下がっている。
「ヒッヒッヒッ、下がらぬのならワシの側を離れるでないぞ!」
 立ち上がってネットランチャーを構えた。要の分体たちも射線から外れ、臨戦態勢へと移行した。

「そこらの化物よりはるかに強い力を持ってるくせに、弱い奴から狙うなんて誇りも何もねえようだな!」
 鈍い音とマリーノの怒声が響き渡る。吸血鬼本体の顔面に拳が打ち込まれる。
「誇りなど!遥か昔に捨ててきましたよ!」
 叫びながらマリーノの腹に渾身の一撃を叩き込む。
「……いいパンチしてんじゃねぇか!」
「こんなに熱くなったのは久し振りですよ」
 にやりと笑うマリーノ。口元をぬぐう吸血鬼本体。そしてそれら全てを観察しているシャルロット。男と男の勝負という言葉を手出し無用の意味と判断し、吸血鬼本体の行動を学習する。

 仰向けに倒れた吸血鬼分身Aはそのままピクリとも動かない。焦れたのかアシエトが口を開く。
「……倒した、のか?」
「わからない。油断するな」
 アシエトの背後の死角を利用し行動不能に陥れたフォレストは、銃口を吸血鬼分身Aから離す事なく答えた。
「諦めの悪いのは頭を潰さないとな」
 真っ赤なチェーンソー剣を上段に構えながら吸血鬼分身Aに近付き、その首元目掛けて振り下ろす刹那。吸血鬼分身Aはがばりと身を起こし手にしていた大剣で受け止めた。接点でバチバチと火花を散らし、チェーンソー剣が炎に包まれる。炎は意思をもったようにどんどんとアシエトへと迫り、ついには服に引火した。
「うわぁ!?」
 二人が切り結んだ隙を狙ったはずのフォレストの弾丸も大剣に阻まれる。そして火の気もなかった右腕が突如炎に侵食された。

 吸血鬼分身αは要たちの斉射で蜂の巣にされながらも前に進んでいく。水重の鉄網がその身を包み引き倒す。すぐに解除されて二度目の斉射を全身に受ける。それでもなお立ち上がろうとする吸血鬼分身αに戦慄を覚えた。
「……こりゃ……」
 水重のランチャーが微妙に形を変える。打ち出すものの形状に合わせて。立ち上がるのを諦めたのか、這いずり始めた吸血鬼分身αの頭をロッキングする。オブリビオンにとっての死は、むしろ静かに手を伸ばした。
 発射されたそれは、対象にめりこんで内部爆発を起こす弾頭。戦いを間近で見たいと見張りに志願した村の男たちはしばらく悪夢にうなされるだろう。内容物を撒き散らしながら頭を吹き飛ばされる男の最期。そこまでして、猟兵たちはようやく吸血鬼分身αを沈黙させる事に成功した。

 これ以上長引かせると不利。そう悟ったアシエトはチェーンソー剣を椿の花びらへと変貌させる。花びらたちは吸血鬼Aの視界を奪いながら切りつけた。だが決定力に欠け、大したダメージにはならない。それが目的ではなく。
「そこだっ!」
「なっ……!」
 吸血鬼分身Aの胸から槍の穂先が生えた。それは視界を奪った隙に背後を取ったアシエトの槍が貫いた証。切りつけるように引き抜けば、目に見えない刃が吸血鬼分身Aの身体を両断した。

「オラァ!」
 殴りつけられ吹き飛びかけた吸血鬼の身体を、羂索というロープ状のものが引き留める。既に試したが解く事も叶わず、翻弄されていた。同じだけの力がかかっているはずのマリーノ側の端は強靭な鱗によって食い込むことなく衝撃を吸収している。
「そろそろ終いにしてやるぜ!」
 低めのパンチを繰り出すマリーノの拳が吸血鬼に届く寸前、ロープが消えた。直後にインパクト。されるがままに吹き飛ばされる吸血鬼の身体を、シャルロットの人形がキャッチする。手で、ではなく、その身に内包する昏き深淵の懐で。
「人間の自由と平等、彼らの美しい友愛と尊厳を踏みにじること。それがあなた様の罪にございます」
 もはや叫ぶ力もないらしい吸血鬼を内に抱く乙女人形へと宣告する。
「ですから、どうぞ、わたくしに身をお委ねください」
 分身たちを倒した猟兵たちが少し離れて見つめる。
「美しい果ての幸福へ導いて差し上げますわ」
 乙女人形の中の生命反応が消えたのを、誰もが察しただろう。

●引越
「おかげさまで無事にたどり着くことができました」
 村の長だろう老人が猟兵たちへ深々と感謝の意を示す。隣に立つ青年もそれに倣う。
「いえ、それが私たちの役目ですんで」
 猟兵を代表して応えるのは要だ。それぞれ短く別れを告げ、馬車へと乗り込む。とりあえず元村へと戻って罠を片付けなければならない。時間帯はそろそろ昼間が終わろうとしていた。

●●●おしまい……?●●●

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2019年04月14日


挿絵イラスト