獣人世界大戦⑦〜六色のルービック・ダンジョン
人民租界に衝撃が走った。
いかなる超大国の領有下にもない香港のサイバー城塞『九龍城』の出撃――ヘビのように大地をのたうちながら進む様子はさながら『サイバードラゴンシティ』といえよう。
「進撃先は中国大陸部のようだ。もちろん、これを人民租界軍が放っておくわけがない。九龍城を止めるべく襲いかかるオブリビオンの大群を頼めるかい?」
麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)が言うには、九龍城内部は住民の獣人によって散々改造され尽くしたサイバーパンクダンジョンと成り果てているらしい。
「それも、誰の意思でもないダンジョン自身が自動変形し続けるんだ。これを利用しない手はないね?」
ダンジョンの外周部はまるでルービック・キューブのように区画が入れ替わり、さっきまであったはずの空間がいつの間にか隔壁に圧し潰されていたりする超危険地帯だ。
「一応法則があって、同じ色の区画は同じ面に集まるように動くんだ。それを分かっていれば、次にどの区画がどの方向へ動くのか予想もできるだろう。もっとも、敵はこの仕掛けを知らないからね。どうぞ有利に活用してやってくれ」
オブリビオンの集団はコウモリのように宙を飛び交う機敏な動きが特徴の爆撃兵だ。うまく隔壁の間に誘い込めれば、一気に数を減らせるだろう。
「よし、じゃあサイバードラゴンシティ化した九龍城まで送ろうか。獣人世界大戦への参戦、いってらっしゃい。どうやら、大変な戦いになりそうだ。くれぐれも気を付けるといい」
ツヅキ
OP公開直後よりプレイング募集しています。
こちらに届いたものから順次リプレイをお返しする予定です。
●第1章
中国大陸に向けて進撃を始めた『九龍城』に攻め入る人民租界軍の迎撃をお願いします。サイバーダンジョン化した九龍城はルービック・キューブのように区画が移動し続け、うっかりすると隔壁に挟まれて大変なことになります。これをうまく利用し、逆に敵を嵌めることができれば有利に戦えそうです。
詳細はOPをご参照ください。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『コウモリ爆撃兵』
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POW : 無差別爆撃
戦場にレベル×5本の【焼夷弾】が降り注ぎ、敵味方の区別無く、より【多くの被害と死者が出る】対象を優先して攻撃する。
SPD : 反響定位
【超音波】を体内から放出している間、レベルm半径内で行われている全ての【攻撃】行動を感知する。
WIZ : 空飛ぶ悪魔
戦場内で「【助けて・死にたくない・怖い・熱い・神様】」と叫んだ対象全員の位置を把握し、任意の対象の元へ出現(テレポート)できる。
イラスト:はるまき
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サーシャ・エーレンベルク
立体的に区画が変化する九龍城……まさに人民租界って感じね。
まあこんな立体的な迷宮、誰が攻略するかって話なんだけど……他者の助けの声を餌食にするなんて随分と趣味の悪い兵士たちね。
それなら、その優秀な耳を利用してあげましょうか。
まずは立体的に変化する区画の中で、わざと挟まれて逃げ場をなくしましょう。
そうしたら……「誰か助けて!」って叫ぶわ。
そうすればコウモリ爆撃兵はこちらへテレポートしてくる。
分からない? これはあなた達を捕らえる罠だってことよ!
【氷禍輪舞】を発動、敵の攻撃を踊るように回避しながら、同じく逃げ場をなくした爆撃兵たちを弾丸で撃ち落としていくわよ!
「ふうん、なるほどね……」
まったく誰が考えたのかは知らないが、外連味があり過ぎるというのも問題だ。
まさに人民租界、まさに難攻不落を誇る九龍城。
サーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)の耳に微かな羽搏きの音が届いた。
――来る。
他者の助けの声を餌食しようなんていう、随分と趣味の悪い兵士たちが、|九龍城《ここ》に。
サーシャは区画の移動するタイミングを測り、さりげなく隔壁と隔壁の間に潜り込んだ。いかにもトラップに嵌って困っているといった声色で。
「誰か助けて!」
九龍城の上部を旋回していたコウモリ爆撃兵は己の本能に従うまま転移し、一瞬にしてサーシャの元へ。
「キキッ!」
「かかったわね」
敵のユーベルコードを逆手にとった華麗なる罠――サーシャは舞うような後方宙返りで超音波を躱し、抜き払った双銃の照準を一瞬で合わせた。弾丸を叩き込む、連続で。銃声が立て続けに響き渡る。銃創に凍むような浸食で脅かす。
「逃げ場なんてないわよね」
動き続ける区画同士に挟まれた爆撃兵は身動きできないまま、ぐったりと力尽きた。次、とサーシャは双銃を眼前に構え直す。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
あやー!
ルービック・キューブダンジョンでっすかー!
とっても面白いのでっす!
音ゲーのように変形を読みながらダンスして、地形を利用しちゃうのでっす!
ではではコウモリさんをおびき寄せるのでっす!
神様と叫べば込められた感情は問わないようですっし!
藍ちゃんくんの恋人の神様なおねーさんへの藍の歌をお届けするのでっす!
ところでこれ、よくよく考えてみれば。
転移してくる時点で藍ちゃんくんの歌を聞いてる=ファンになってるので詰んでるのでしてー。
因果応報といいますか、非道な技がご自身の首をしめちゃってるのでっす。
藍ちゃんくんの味方になったルービックさんに、自分から無意識に飛び込んじゃってるのでっすよー!
赤、白、緑……確かに六色に塗られた面の区画がバラバラに動いているのを紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は確認する。とても面白い。ルービック・キューブを巨大化して、自動で動かしているみたいな光景だ。
「♪」
いつの間にか、藍の体が左右に揺れる。
爪先でトントンと地面を叩き、リズムを体で覚える。
ワン・ツー、ワン・ツー。
ダンスの練習もかくや。
覚えたリズム通りに|地形《ルービック・キューブ》の動きを読み、――さあ、魅惑のステージが開幕するのでっす!
「キキッ!?」
歌が聴こえる……愛の歌……恋人……神、様……!! |キーワード《・・・・・》に反応したコウモリ爆撃兵はその時点で詰んでいた。
なぜならば、本能だから。
なぜならば、因果応報だから。
なぜならば、|既に藍ドルのファン《・・・・・・・・・》だから。
「藍ちゃんくんのファンサ、気に入ってもらえて嬉しいのでっすよー!」
あとはもう、爆撃兵の自由にしてやるだけでいい。それが藍の望みだから。自分から迫りくる隔壁と隔壁の間へ飛び込み、短い悲鳴と共に押し潰される――……。
大成功
🔵🔵🔵
皐・芽衣
隔壁にコウモリを追い込み、詰ませれば良い感じじゃな。
【神羊拳・器械套路『雷霆万鈞』】で偃月刀「鉅角」を[ぶん回し]、
わざと[注目を集める]。
同時に宝貝「雷公羊毛」から[電撃・マヒ攻撃・範囲攻撃]を放ち
コウモリを狙撃していこうかの。
反響定位での感知では、電撃まで防ぐのは困難じゃろ。
偃月刀を振り回すわしを中心に、電撃で味方が倒れていく。
攻撃範囲にわざわざ入ってくるかの?
向かってくるならそれでも構わんが……避けて移動するんじゃないかの?
電撃の範囲・方向を調整すれば、誘導も容易いじゃろ。
盤面は残局じゃ。隔壁に挟まれるよう、追い込んでやろう。
電撃の餌食になるか、罠にかかるか、二択じゃ。選ぶと良い!
方や偃月刀、方や雷公羊毛。
前者は代々皐家に伝わる家宝、後者はそれを飾る品。
――ぶぉん。
皐・芽衣(金色一角のメイメイ・f35724)が力いっぱい振り回すと、纏う電撃が雷霆となって敵の群れを撃ち抜いた。
「反響定位での感知では、さすがに電撃までは防げなかろうて」
「キキッ」
闇雲に進めば麻痺して墜ちるしかない、この状況。
敵も馬鹿ではあるまい。
ならば、雷霆を躱すように移動してくるはずだという芽衣の読みがこの時、的中する。
「期待通りの反応じゃな」
雷霆を躱すように飛ぶのなら、即ち誘導も可能。芽衣は渾身の力で偃月刀を振り回す。敵は躱す。芽衣は振り回す……。
「キキ!?」
どれくらい繰り返しただろうか、意識が完全に雷霆からの逃亡に切り替わっていたコウモリ爆撃兵はまさにこれからぶつかろうとしている区画同士の間に|迷い込んでしまった《・・・・・・・・・》。もしも人間と同じように喋れたら「しまった!」と叫んでいたに違いない。
芽衣は静かに告げるのだった。
「盤面は終局じゃ。どうやら、お主が選んだのは罠にかかるほうじゃったみたいよのう」
もはや逃げ出すには遅きに失した爆撃兵が音もなく隔壁に潰されてゆくのを、芽衣は何も言わずに最後まで見届ける。
大成功
🔵🔵🔵
夜刀神・鏡介
仮にも自分達の住居をここまで改良するというのは……少々やり過ぎではなかろうか
まあ、撃退の役に立つならそう悪い話でもないか?
大刀【冷光霽月】を抜いて敵軍と相対
敵の無差別爆撃はもちろん厄介この上ない。地形移動やそれによって生まれる壁を活用しながら防御と回避をしながら敵の元へ接近
剛式・弐の型【激浪】で適宜接近してきた敵を攻撃しにいく
敵の動きは速いし空を飛んでいる。簡単には当たるまいが。
それでも、下手に動けば、攻撃を避けられたとしても地形に巻き込まれる可能性がある
逆に地形に巻き込まれるのを嫌うならば此方の攻撃が通る。倒しきれなくとも、一撃加えた衝撃で吹き飛ばしてそのまま隔壁でトドメも狙えるだろう
際限を知らないのか、と夜刀神・鏡介(道を探す者・f28122)は思った。
改造に改造を重ねた九龍城はもはや、|普通じゃない《・・・・・・》。ある意味では狂気の沙汰。鏡介は2mを超える大太刀を手に、まずは敵軍への接近を試みる。
「悪いが、まともにくらうつもりはないんでね」
器用に、鏡介は動く地形を壁代わりにして焼夷弾の死角を作り出す。厄介な無差別攻撃だとて――否、だからか――鏡介が避けた分はまとめて敵が請け負うことになるだろう。それを抜けて来たものを、順番に斬り捨ててやればいい。
――恐ろしい勢いで、薙ぎ払う。
手ごたえは非常に軽い。
当たったのかほとんどわからない程度。
吹き飛ばした体が隔壁にぶつかり、そのまま挟まれてジ・エンド。
とにかく鏡介は慎重に動いた。
なにしろ下手に動けばルービック・キューブもかくやなサイバートラップの餌食なのだから。
「もっとも、条件は同じだろ?」
地形に巻き込まれるか、それを嫌って【激浪】に薙ぎ払われるか。また新たに1体、間合いに飛び込んでくるのを見据え。
「好きな方を選ばせてやるよ」
大成功
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