獣人世界大戦①〜ひとりでも多くを
――街が、燃え盛っている。
起動されている『何か』は、俺達を追って――『何か』に、俺達を変えようとしている。
捕まってはならない。そうすれば俺達は、恐ろしいなにかに変わってしまう気がして。
足を取られる仲間が建物の中に取り残される。でも、今の俺じゃあ助けられない!
瓦礫で傷ついた腕を庇って、俺は『何か』を躱していく。
どうすれば良い、どうすれば……!
●
「緊急招集だ! もう話は通っていると思うが、超大国が一気に動きはじめた!」
区切・終(飢餓文学・f42796)はそう叫ぶ。
「『無限軌道都市』の起動、それによる『機械罠』の駆動! 街の獣人達を『機械兵士』に改造しようとする蛮行に手を染めようとしている!」
簡潔に事を言うと、終は猟兵達を見据えた。
「――獣人戦線、ベルリン! 罠に対抗できる者はそちらを! 獣人達を一人でも助けろ……!」
終の目はかつてなく真摯な目で告げた。
「俺は戦争が嫌いだ。――大嫌いなんだ、無用に失われる、その命が!」
●
命からがら外に出た。外も地獄絵図だ。炎上する建物を振り返る。
「頼む……誰か――誰か!」
叫び声が出た。助けたかった。でも、腕はすでに焼けただれていて――あの中に入ることは、自殺行為だ。
けれども、建物から出たあとに、逃げるならどこへ?
必死に考える。避難するのならば、少なくともここよりより遠くへ!
でも、俺一人じゃあ――!
拳を握る。
なんで、俺は、こんなに弱いんだ!
tk
tkです。戦争シナリオとなります、よろしくお願いいたします。
駆動中の機械罠に対処するか、なるべく多くの獣人を助けることにより、プレイングボーナスが発生いたします。
どうか、この戦争の被害を少しでも食い止めるよう、頑張りましょう!
第1章 冒険
『燃え盛る街』
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POW : 頭から水を被り、燃える建造物に突入する
SPD : 建造物を破壊し、延焼を防ぐ
WIZ : 逃げ惑う獣人達を安全に誘導する
イラスト:del
👑7
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
サーシャ・エーレンベルク
……超大国は、いつもきまぐれね。
助けに来たわ。大丈夫、私に任せなさい!
【冰縛結風】を使用して、周囲の炎上を氷結の力で抑え込んでみましょう。
倒壊しそうな建物を氷結させて維持、機械罠も全部凍らせて無力化するわ。
あまりに厄介な罠なら、竜騎兵サーベルで叩き斬るわよ。
一緒に使うユーベルコードは【竜の牙】。精鋭兵たちを呼び寄せて、住民の救出を任せる。
恐れることはないわ。超大国は今に分かるでしょう。
この状況で、私達六番目の猟兵たちが何の行動も起こさないなんてあり得ない。
この世界を混沌に陥れた代価は、しっかりと払ってもらうわ。
イコル・アダマンティウム
「立って。」
誰かじゃ、だめ
生身で、全身に覇気を纏って
皆を助けにいく、ね
【説得、演説、力業】
……喋るのは、不得意
機械罠たちを殴り飛ばしながら、覇気で存在感を出しながら喋る、ね
<暴力><覇気>
「落ち着いて、考えて。」
どんとふぃーる、しんく
緊急事態こそ、慌てちゃダメ
「一人じゃだめなら……皆で逃げて」
「一人で助けられない……なら、皆で助けて」
「皆は……きっと弱くない、よ」
【使用UC:眠れる力を呼び起こせ!】
獣人戦線の皆は……もっとできるはず
「アレは、僕が壊すから」
皆を捕縛する罠は僕が壊すから、
皆に、頑張って欲しい
頑張れる人に、僕の<覇気>由来のバトルオーラを付与してくね
<限界突破><おねだり>
【罠破壊】
気に入らない罠
いっぱいぶん殴って、投げ飛ばして、踏みつけて
徹底的に破壊して見せて、皆の士気を上げる、ね
「せい。」
<暴力>
<鎧砕き><鎧無視攻撃>
「えいえい。」
<乱れ撃ち><アクセルコンボ><連続コンボ>
「ん。」
<グラップル><踏みつけ><吹き飛ばし><叩き割り><蹂躙>
「……次は?」
<継戦能力>
ゼノヴィア・ホーカーテンペスト
●POW
ああ…なんて酷い事を
至る所に火の手が上がって、取り残された獣人さん達の悲鳴で街が…街が…
肉の繭の体である私も中に入れば取り残された獣人さんと同じ運命にを辿ってしまいますが、どうしましょ…どうしましょ…
そうです
ここは私の事を女王と呼び慕っております、あの方達の助けを借りましょう
『炎の魔王軍』により配下モンスター…と言っても良いのでしょうか
炎属性の戦闘能力を持っていれば炎上している建物に突入しても大丈夫…なのかもしれません
あとはそうですね…
助け出した街の方達の一時避難所を築いて貰っても良いかも知れません
はぐれて不安がっている方も居るでしょうし、まずは安全な場所で落ち着いた後に脱出しましょう
栗花落・澪
自身に水の魔力を編み込んだオーラ防御を纏い
炎の熱と衝撃を緩和
機械罠の稼働音を聞き耳で聞き分け、罠との距離や方向を探りつつ
紅色鎌鼬を発動
機械罠への敵意で数百と量産した鎌を空中で自由に操り
水の魔力を乗せる事で消火付与
一部は罠を無効化するための攻撃用
一部は自分と獣人達を守る盾として控えさせる
「ごめんね、回復もしてあげたいんだけど
今はこっちの処理で手いっぱいだから…」
属性魔法で出した水や氷、消毒液や包帯で
簡易的な応急処置だけでも施したり
少しでも元気な人には、他の仲間に肩を貸したり避難誘導の手伝いをお願い
「他に、逃げ遅れた人とか見かけなかった?
僕が行ってくるから、貴方達は鎌に隠れながら先に逃げて」
「立って」
イコル・アダマンティウム(ノーバレッツ・f30109)は、膝をついている獣人にそう声をかけた。
「『誰か』じゃ、だめ」
その言葉に、獣人は顔を上げる。
目の前に迫っている機械罠を、イコルが殴り飛ばすのを見届ける。イコルは容赦なく、次々と襲いかかるそれをスクラップにしていく。
「落ち着いて、考えて。どんとふぃーる、しんく。緊急事態こそ、慌てちゃだめ」
「で、でも……! この腕じゃ!」
「君は、一人じゃない」
その言葉に、獣人は前を見据えた。
「一人じゃだめなら……皆で逃げて」
一撃、喰らわせる。
「一人で助けられない……なら、皆で助けて」
一撃、払いのける。
「皆は……きっと弱くない、よ」
そして手を差し伸べた。
「……!」
獣人はその手を取る。立ち上がり、怪我をしている腕を庇いながらも、尚も顔は下げず。
「俺に、貴方のように戦う力は、ありません」
「……」
「でも――そうですね。俺は。俺達は、弱いわけじゃない。決して――だから、俺なりに、戦います」
きっと、皆弱くない――その言葉は、励ましには充分で。
「建物は任されたわ!」
サーシャ・エーレンベルク(白き剣・f39904)が『冰縛結風』によって周辺の炎上を抑える。
同時に、『竜の牙』によって精鋭兵達が出現する。これにより救助の手が足りぬということはないだろう。
「中に入るのは一部が倒壊していて危険です! ……どうかご武運を!」
「では、伝手があるなら、あなたは避難の呼びかけを!」
サーシャの言葉に、獣人は頷くと駆け出していく。
「……」
その獣人に、イコルはその道がうまく行きますように、と加護をもたらした。
――なぜだろう、不思議と力が湧いてくる、俺だって、頑張らなければ……!
●
「アレは、僕が壊すから」
建物内部に入り込み、気に入らない罠に対して、イコルは徹底的な破壊行動を見せる。或いは砕き、或いは連撃を喰らわせ、或いは叩き潰し――一方的に、蹂躙するように。
「やっているね」
栗花落・澪(泡沫の花・f03165)も戦線に突入、しかし目的は炎上している建物だ。サーシャの精鋭兵にまぎれて、水の魔力で編んだオーラを纏いつつ、被災した現場に入り込む。
「これは……」
栗花落は思わず眉をしかめた、機械罠はイコルがある程度仕留めてくれているが、怪我人が多く、それに群がるように機械罠が襲いかかろうとしている。『紅色鎌鼬』を発動、数百と量産した鎌は自在に、そしてイコルや精鋭兵を邪魔しないように機械罠を殲滅していく。機械罠の手が及んでいるのはここだけではない、迅速な対応をしなければ――!
鎌の一部は自分と獣人達を守る盾と機能させていて、サーシャのはからいにより、歩けない者達は精鋭兵に背負われて脱出口へと向かっていく。
「ごめんね、回復もしてあげたいんだけど今はこっちの処理で手いっぱいだから……」
簡易的ながら清潔な包帯や消毒液で応急手当をしてやる、獣人達はそれでも深く感謝した。火の手と罠の数が減ることで、仲間同士で手を取り合い、助け合う獣人達の姿も見受けられる。
「他に、逃げ遅れた人とか見かけなかった? 僕が行ってくるから、貴方達は鎌に隠れながら先に逃げて」
「大丈夫です! 一番後ろは僕でした……!」
報告を上げるのは兵役経験のあるらしい獣人らしく、敬礼を示す。
「了解、ありがとう」
「問題は避難先ね……さっき、外に出ていた獣人さんが、心当たりがありそうだったけれども……」
サーシャは案じながらも、未だ襲いかかる機械罠に向き合い、どうしたものかと身構えた。
●
ゼノヴィア・ホーカーテンペスト(常世より堕ちりし繭入り娘・f31464)の姿に仰天しながらも、獣人達は火の手が広がらない、避難先になりうる広場で応急手当をする手を止めない。先の腕を怪我した獣人が手配した場所だ。
イコル達が対応していたのとはまた別の建物が炎上していた中で、配下の炎属性モンスターで救助させたところ、目論見は見事的中し、大きなモンスターは怪我をしている親子を優しく避難場へと降ろす。
「……あ、ありがとう……!」
たどたどしい子供の声は、ゼノヴィアの姿に目を白黒させつつも、感謝の言葉を述べた。
「……大丈夫です……さて……ここを一時避難所としましょうか……」
配下のモンスター達がバリケードになりうる瓦礫などを持ち上げ始めると、動ける獣人達も各々が持てるものを手にして積み上げ始めた。
「あ、あなたたち……大丈夫なのですか……?」
「任せてばかりでは、いられません!」
「私達だって、こういう『戦い』をしなくちゃ!」
そう言って自分達を奮い立たせる獣人達の手は震えているものの――それでもこの地獄を生き抜こうとする意思は強く。
「……分かりました。では、そのお手伝いをさせていただきましょう……」
ゼノヴィアは、凛とした声で、そう言った。
●
「どれくらい、機械、減らせた?」
「半分くらい? うじゃうじゃ居るわね……」
「なりふり構っていられないって、こういうことか……!」
建物から脱出したイコル、サーシャ、栗花落の三人は、それぞれ背を預ける。
敵の数は多い。けれども負けてもいられない。
――ひとりでも、多くを、救わねば!
大成功
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