5
熱くなれ! 熱くなるんだよぉ!!

#キマイラフューチャー

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#キマイラフューチャー


0




●グリモアベース
「お集りいただいて嬉しいわ。今回はお茶をご用意したのよ、お飲みになりながら聞いてくださいな」
 グリモア猟兵の揚羽・王子(今日は昨日の夢を見て・f02885)は、集まった猟兵たちに紅茶の入ったカップを勧めた。猟兵たちが手に取ったお茶は冷めていた。本人はちゃっかりとポットから暖かい紅茶を注いで飲んでいる。ずるい。
「先ずはこちらの動画をご覧になって?」
 王子が手元の投影キーボードを操作すると、空中に画像が映し出される。

 地にひれ伏した男が悔しそうに叫ぶ。
「プロ野球を引退してサッカーに移転し、その後は柔道と剣道とジークンドーの師範免許を取って、今はラクダの調教師をしているこの俺が負けるなんて……っ!」
 え、何この人ハイスペック。
 その男性に機関車怪人が歩み寄り、右手を差し出す。
「いい勝負だったよ! ありがとう!」
 え、何この怪人スポーツマンシップ。
 男性が怪人の手につかまり立ち上がる。
「実はさ……俺はこの勝負に勝ったら――」
 言葉はそこで途切れた、王子が動画の再生を止めたせいだ。続き、続きは?

「この様に、怪人が色んな方と勝負をして、その動画をネットに流しているの」
 待って、男性が気になって話が入ってこない。そんな困惑を察する事なく、王子は続ける。
「今は大事に至っていない勝負だわ、でもその過酷さからいつ死者が出てもおかしくないの。ですから、皆さまには怪人と勝負をして、勝利した上で怪人を倒していただきたいの。でもね、勝負を持ちかける際は、事前に用意しないといけない物があるのよ」
 彼女は紅茶を飲んでから、ゆったりと訊ねてくる。
「皆さま、こたつはお好きかしら?」


ぷりんMk2
 初めましてこんにちは、ぷりんMk2です。
 三本目のシナリオはコメディ路線でお送りさせていただきたいと思います。
 もちろんプレイングは真面目でも、ふざけていても大丈夫ですので、したい事を思い切りしちゃいましょう!

●目的
 最初はコタツムリの討伐です。
 冬のリゾートエリアに生息しており、こたつの様な殻を背負っています。ほぼこたつです。これらの殻を採取して怪人との勝負に挑みましょう。

 コタツムリ、うちには生息していませんが取り込まれている方も多いかと思います。風邪に気を付けて、楽しく猟兵生活をエンジョイしましょう!
12




第1章 冒険 『コタツムリを探せ!』

POW   :    コタツムリの体当たり。文字通り、体当たり。地味に重いです。

SPD   :    コタツムリの抱擁。敵に素早く近づき、暖かなコタツに取り込みます。

WIZ   :    コタツムリの団欒。触覚をミカンやお茶っぽく見せて誘惑し、コタツに取り込みます。

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

竹城・落葉
 寒い……。あぁ、あんなところにコタツが……。ちょっと温まるか……。
 ハッ、いかん!今の我は猟兵、コタツムリを討伐せねばなるまい。
 我は『剣刃一閃』を用いて、コタツムリの殻を壊さぬよう切り伏せるぞ。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情かつ殆ど無言で攻撃を仕掛ける。
 さて、余談だが、我のマイブームは怪人を美味しく食す事だ。コタツムリは怪人で無さそうだが。まぁいい。美味しそうだから食べてみる事にしよう。倒した後、コタツムリを焼き、醤油や塩コショウなどの調味料で味付けして食べるぞ(味はマスターさんにお任せします)。


本山・葵
・到着時
早速肉を食べてフードファイト・ワイルドモードを使用
「ぱっと見、コタツにしか見えないっすねえ、家具屋さんとかに入り込まれたら見分けつかないっすよ」
「今日のお肉は王道のマンガ肉っす!」

・討伐中
増加した戦闘力で体当たりを受け止めて、コタツムリをひっくり返して隙をつく
「ぐっ、確かに重いっすね。パワーアップしてなかったらふっ飛ばされてたっす。」
「どっせーい!ひっくり返ったら簡単には起き上がれないし、お腹も丸見えっすよ!」
技能:零距離射撃でトドメをさす。


アンシェ・ローム
う〜ぶるぶる。毎年冬って寒すぎるんですの!寒くない冬ってないんですの!?
こたつ…こたつ……あっ、おこた…?!

うおおおおおお!!!!!猫の毛づくろいをしてこたつ(むり)の中に最高速で滑り込みますわ!!

にゃ〜……あったか〜……ぬくぬくですわ…

…ハッ、いけませんわっ、これはこたつむり!討伐しなければ…。
ジャッジメントクルセイドぶっとばしますわよ!

ところで、こたつむりってどうやって殻から引き抜くんですの……?とりあえずサザエみたいに何か刺して引き抜くのが良いかしら…。ていうかこれ食べられまして?こたつむりのアヒージョとか美味しそうですわね……。


コエル・フーチ
【SPD】
揚羽さんあとで動画の続き見せてくれないだろうか……
ところで、なんで勝負の準備にコタツなんだ?
まあいい、仕事だったらコタツだろうと、ストーブだろうと持ってくるさ

あくまで殻を採取だからな、あまり激しい攻撃は控えるべきだろう
万物に宿る精霊よ、我が声を聴き我が声こちゃ……ええい、長い!
そこらにいる精霊よ、一番いい弾をくれ【精霊の選択】(高速詠唱)
とにかく、通じればいいんだこういうのは

【精霊の選択】で召喚された精霊銃弾をコタツムリに打ち込む
どんな弾かは知らないが、とにかく撃ってみれば分かるだろ。


水心子・真峰
*SPD
これ……倒すのかい?

ふむ……としばし考えてから
ユーベルコードに抵抗するでもなく誘われ暖を取りに行くぞ
コタツの天板に身を投げ出してべったり顔をすりつけぐうたら姿勢も披露

「嗚呼、そうだそうだ」
錬成カミヤドリで複製した太刀×13をコタツムの周りに浮かべ
剣先を一斉に向けながら
「大人しく殻をよこせ。さもなくば三枚おろしの後に酢漬けになるぞ」
目をかっ開いて殻をがっちり握り
恫喝という名の恐喝を行おう



●冬のリゾートは油断せずに上着を着ていきましょう
 五人の猟兵が転移されたポイントから、コタツムリの群生地へ向かう。と言っても、冬のリゾートエリア内の移動だが。
 ウェーブがかった金髪を揺らしているのは、本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)だ。
「群生地へ直接転移かと思ったっす。自己紹介できないかなって思ってたっすから、名札付けちゃったっす」
 呼び合いに不便があるといけないっすから、と葵は胸元に飾った名札を皆に見せた。そこには『ヤドリガミ 本山葵』と書かれている。
 それを見た水心子・真峰(ヤドリガミの剣豪・f05970)は驚いた顔をした。
「ほんわさ……えっ!? キミはわさびのヤドリガミなのか!?」
「自分はわさびじゃないっす!」
 普段からわさび、とからかわれてしまう葵は速攻の返答だ。訂正する事にこんなに馴れたくないっす……。と思いつつ、真峰の発言が悪意からでないとわかるので、自分の眼鏡を両手で包むように上げる。
「これっす。自分は眼鏡のヤドリガミっす」
 唖然としていた真峰は、はっと気が付いて深々と頭を下げて謝罪する。
「勘違いしてすまなかった……。うう、姉はまたそそっかしいミスをしてしまったよ……」
 整った顔で冷たい印象を与えがちな真峰だが、実は粗忽者で結構ミスもする。彼女は脇差の妹の事を思い浮かべて、ちょっと涙ぐんでいる。
「だ、大丈夫っすよ! そんなに気に病まないで欲しいっす……!」
「間違いは誰にでもありますし、葵さんが良いと仰られているんだから、気になさらないほうがよろしいですわ」
 アンシェ・ローム(ですわ~ますわ~・f06211)が持ち前の優しさでフォローに入る。そんな彼女を見つめる小さな影。
(ふわふわもこもこ……かわいいなぁ、猫さん……)
 フェアリーのコエル・フーチ(指先の熱・f08889)だ。普段はクールだが、実はかわいいものが好きな一面を持つ彼女は、ケットシーのアンシェに抱き着きたいのを堪えていた。。
(あっ! ひよこさんの付いた杖だ、かわいいー!!)
 アンシェの持つぴよメイスを見て、心の中で叫ぶコエル。正確にはひよこでなく小鳥で、杖でなくメイスなのだが、その程度は誤差の範囲だろう。きっとね。
「それにしても、寒いですね……」
 黒い羽織を身体に密着させるように、腕で引き寄せた竹城・落葉(一般的な剣客・f00809)の吐息は白い。
 冬のリゾートエリアにいるのだから、寒いのは当然なのだが。だからと言ってこみ上げる感情は抑えられるものではない。
「確かに寒いですの! 寒くない冬ってないんですの!?」
 気を落ち着かせるために腕の毛づくろいをしながら歩くアンシェの目に、それは映った。

●それは抗えぬ誘惑
「あっ、おこた…!?」
 【猫の毛づくろい】の効果で、摩擦抵抗の減っているアンシェは勢いよくダイブ・イントゥ・ザ・コタァーツ!!
「にゃあ……あったか~……ぬくぬくですにゃあ~……」。
「え、こたつ!? 私も少々温まっていきましょう!」
 幸せそうな声を聞いた落葉が、引き寄せられるようにこたつへ向かう……もちろん、それらはこたつではなくコタツムリなのだが。
「ハッ、いかん! 今の我は猟兵、コタツムリを討伐せねばなるまい」
 ふらふらとコタツ(ムリ)へ歩み寄っていた落葉が我に返る。人格の切替えで一人称が我になったおかげで我に返る、ってやかましいわ。
 先ほどまでの穏やかな人格から一変、冷酷な雰囲気を纏った落葉は表情を変えずに刀の柄に手をかける。コタツムリが体当たりしようと彼女へ迫る、だがそれは彼女の刀の間合いに近付く事と同義。
 深緑の着物の袖がひらり、と揺れて刀が一閃。
 殻から切り取られたコタツムリはしばらく前に進んで、その内に動かなくなった。

「これ……倒すのかい?」
 見る限り、そんなに獰猛な生物ではないようだし。どうしたものかと腕組みをして、考えを巡らせる真峰。何か自分の中で決定したらしく、ふむ。と頷いて彼女はコタツムリへと歩み寄る。
 近付いてきた真峰を抱擁せんと、コタツムリはこたつ布団のような軟体部を広げる。誘われるまま、一切逆らわずに彼女はコタツ(ムリ)に包まれる。
「ううん……暖かいな……」
 へにゃりと破顔一笑。こたつで言えば天板に当たる殻を、すりすりと頬で撫でる。完全にリラックスモード。仕方ないよね、こたつだもの。
「嗚呼、そうだそうだ」
 ふと思い出したように彼女は呟き、そのままコタツムリの殻をがっしり掴む。すると空中に13本の刃の細い太刀が現れ、切っ先が一斉にコタツムリへと向けられる。
「大人しく殻をよこせ、さもなくば三枚おろしの後に酢漬けになるぞ」
 かっ! と目を見開いて恐喝を始める真峰、怖い。
 いやいや、と首っぽい箇所を横に振るコタツムリ。コタツムリなだけに無理ってか、やかましいわ。
「酢漬けが嫌なら、殻だけ渡せばいいだろ」
 なおも首っぽい箇所を振り続けるコタツムリ。
「殻のために、おろされるのがいいのか?」
 やっぱりふるふるとコタツムリ。
「キミは欲張りか? どっちかにしなよ」
 そうは言われても、コタツムリには殻を渡せない切実な理由があった。別に寒いからとか、引っ越し先がないとか、そういうのではなく。
 皆も知っての通り、コタツムリとはこたつのような殻の巨大カタツムリだ。
 よくある誤解だが、カタツムリはナメクジが殻を背負っている訳ではない。ナメクジこそが殻のいらないカタツムリ、と言ったほうがいいだろう。
 つまりカタツムリにとって殻は重要なものだ、だって内蔵が詰まっているからね!!
 しかし悲しいかな。人語の話せないコタツムリが、それを真峰に伝える術がない。ずっといやいやしているコタツムリに、痺れを切らせた真峰は立ち上がって実力行使に打って出た。
 とどのつまり、無理矢理に殻を剥がしちゃったんだ。内蔵の切れるブチブチとした感触を、寒いから表面がくっ付いてたのかな程度に捉えて、殻を引っぺがすとそれを天に掲げるような体制になる。
 下に、コタツムリの死骸が見えた。
「……そういう事なら言ってくれないか?」
 内蔵が零れないよう、慎重に殻を下す真峰だった。

 ぱっと見でこたつ、軟体部を収納すればこたつ。さすがコタツムリと言うだけあるっすね、と関心する葵。
「家具屋さんとかに入り込まれたら、見分けつかないっすよ」
 言い終わってからお肉を齧る、今日のお肉は王道のマンガ肉っす! 憧れるよね、マンガ肉。
 フードファイターをサブジョブに持つ彼女は【フードファイト・ワイルドモード】で、戦闘力を増加するために二本のマンガ肉をぺろりと平らげる。
 その葵に向かって突進してくるコタツムリ、仲間を二体殺された彼等も生存のために必死だ。その体当たりを葵は正面から受け止める!
「ぐっ、確かに重いっすね!」
 パワーアップしてなかったらふっ飛ばされてたっす! と称賛しつつも、彼女が退く事はない。相撲のもろ差しのように取っ組み合う一人と一匹。しかし、それは長くは続かず。
「どっせーい! ひっくり返ったら簡単には起き上がれないし、お腹も丸見えっすよ!」
 葵に下から掬い上げられて、コタツムリは天を仰ぐ。ばたばたと暴れる手足を持たないコタツムリは軟体部をうねらせる。彼女はそのお腹辺りに熱線銃を突き付けて、トリガーを引く。
「あっ!」
 その熱線はコタツムリに一直線の穴を開けた。そう、背中の殻にも。
「あちゃー、やっちゃったっす。んー……次は気を付ければいいっすね!」
 直ぐに次のコタツムリへ向かった葵、切り替えが早い。失敗を引きずってもいい事ないからね。

「ところで、なんで勝負の準備にコタツなんだ?」
 コエルは首をかしげる。
「まあいい、仕事だったらコタツだろうと、ストーブだろうと持ってくるさ」
 幼い時分より探索者の近くで働き、生計を立てて来た彼女は仕事に真摯だ。
 今回の目的はあくまで殻の採取。となれば広範囲に及ぶような、激しい攻撃は控えるべきだと判断したコエルは、愛用しているショットガン型の精霊銃『ショットスピリッツ』の弾を一旦外す。
 そこへ新しい弾を詰めるべく【精霊の選択】によって、コタツムリの殻採取に適した精霊銃弾を召喚する。
「万物に宿る精霊よ、我が声を聴き我が声にこちゃ……ええい、長い!」
 ……しようとしたんだよ。しかし呪文が長く――と言うか今噛みませんでした? ――詠唱が面倒になった彼女は独特な高速詠唱を行う。
「そこらにいる精霊よ、一番いい弾をくれ」
 こういうのは相手に伝われば、それでいいんだ。とは彼女の談。
 すると自然を構成する精霊が一瞬、極小範囲の空間を揺らして精霊銃弾を出現させる。それは弾頭先端が被膜に覆われていないメタルジャケット弾だった。
「ふむ……とにかく撃ってみれば分かるだろ」
 コタツムリの軟体部を目掛けてコエルは精霊銃弾を放つ。
 見事に軟体部へ命中した銃弾は、内部へ食い込みながら先端の軟らかい鉛部分が衝撃で拡張し、平べったく変形する。前へと進もうとする運動エネルギーを持った銃弾は先端が尖っていないために直線を描かず、柔らかい身体をジグザグと刻むように進んで、やがて体内でエネルギーを失った。
 軟体部を透視する事ができないコエルには、弾は貫通しなかっただけに見えた。だがコタツムリの体内はぐしゃぐしゃに壊れてしまったので、そのまま絶命する。
「なんだか、よくわからんが……倒したのか?」
 動かなくなったコタツムリへ、コエルは慎重に近付いて行った。

「ぬくぬく~……」
 未だコタツムリの暖かさに包まれているアンシェは、周りの様子を気にせずくつろいでいた。なんだか、段々と眠くなって――
「……いけませんわっ! これはコタツムリ!」
 うとうとしている時に限って、重要な事を思い出し布団から出なければならなくなる現象に見舞われた彼女は、目的を思い出す。これの殻を採取するのだと!
「あ、でも、もうちょっと……だけ……」
 うと~っと、瞳を閉じて意識が飛ぶ五秒前。
「寝そうでしたわ! 何という卑劣な作戦ですの!?」
 飛び起きたアンシェは、急いでコタツムリの抱擁から脱出する。少し名残惜しくもあるが仕方ない。だって目的は殻なんですもの!
 脱出した彼女はコタツムリへ、触りたくなる程に魅惑の肉球を向けた。天から光が落ちてきて、コタツムリに命中、その肉体の水分を蒸発させる。
 後に残った殻から、内蔵を取り出すのも楽でした。

●エスカルゴはバジルが一般的かな?
 コタツムリの殻を採取した猟兵たちは、怪人との勝負に挑む――その前に、ちょっとだけ。
「さて、このコタツムリ……美味しそうだから食べてみる事にしよう」
 落葉はマイブームの怪人を食べる事、をコタツムリにも適用した。腹が減ってはなんとやらとも言うからね。
 塩コショウなどの調味料を取り出す落葉に、アンシェが声をかける。
「アヒージョなんかが美味しそうじゃありませんこと?」
(あひじょ?)
 聞きなれない単語に首を捻る落葉。
「簡単に言うとオイル煮っすね!」
 食事の話題を聞きつけた葵が話しに加わる。そのまま、ちょっと失礼するっすよ。と落葉の持ってきたオイルと塩を拝借。
(え……、食べるのか? あれを……?)
 馴染みのない食材に、コエルは背筋がぞわっとする。
「器がないと駄目っすねー。コエルさん、レプリカクラフトで作ってもらっていいっすか?」
 食べるとか気のせいだよね、と自分に言い聞かせながら【レプリカクラフト】で器の偽物を作るコエル。
「わたしは遠慮するよ」
 殻から引き出した内蔵のせいで食欲が湧かない真峰は早々に表明する。この人達本気なんだと察したコエルも辞退する。
「自分も食べるなんて考えてなかったっすけど、試してみようかなと思ったっす!」
 チャレンジ精神旺盛なフードファイターはアドリブに強い。
 葵の指示でコタツムリの軟体部をさくさくっと一口大に刻む落葉。それに塩を塗り込むアンシェ。後は油に漬したそれを、葵が【眼鏡レーザー】で加熱。
 念願のお食事タイムである。
「うん、エスカルゴみたいで美味いな」
 噂に聞いただけで、食べた事はないのだが。きっとこんな味なんだろうな。と想像した落葉の感想。
「そうですわね、少し大味ですけどイケますわ」
 お屋敷で何回かエスカルゴを食べた事のあるアンシェも納得の味だ。
「これってお肉には含まれるんすかねー?」
 こんな味なんすね、と葵も気に入った様子。

 獲った分の食材が尽きるまで、アヒージョパーティーは繰り広げられている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

グランディア・エストリア
こたつむりぃ?

ナンノコッチャ。
まぁ、いい。
オレ様の身体はシベリアの寒さでも耐えることのできる冬仕様。
なんたって、冬毛だからなっ!!
コタツの誘惑ぐらい、どうってことないわ!!

で、臭うぜ。

そこ、こたつむりだなっ!!

さて、オレ様は一切、容赦しないぜ。
硬い殻は難儀だぜ。
だが、これならどうかな?

こうなりゃ、シェイク(こたつむりの身体をガタガタさせる)させてやるぜっ!!
ついでに、思いっきり叩きつけて、衝撃を与えれば、嫌が応にも出てきざるを得ん!!
出てこない場合は、UC使うが。

出てきたら、爪と牙でトドメ。

これで、奴とのバトルに持ち越せるってわけだ。



●これが俺様のヘルシェイク
「こたつむりぃ?」
 グリモア猟兵からコタツムリの殻の採取を頼まれた、グランディア・エストリア(猛虎蹂躙・f06203)は不可解そうに顔を歪める。眼光が鋭くて怖い。
「ナンノコッチャ」
 最初から、そんなに深く考えるつもりなどなかった彼は、どうでもいいやと投げ出す。
「寒さに強い俺様にゃ、こたつの誘惑ぐらいどうってことないぜ!!」
 足取り軽くコタツムリの群生地へ向かう。見えてきたのは沢山のこたつが集まっている広場だ。
 そこでグランディアはふんふんと鼻を鳴らす。
「ふん……臭う、臭うぜ」
 彼は勢いよく、一つのこたつを指さす。
「そこ、コタツムリだなっ!!」
 ご名答、それは確かにコタツムリだ! ……というか現在彼が立っている広場のこたつは、全てコタツムリな訳だが。
「さて、俺様は一切容赦しないぜ! これならどうだ?」
 彼はコタツムリをがしっと掴んで、思いっきり揺さぶる。
「シェイクの後は、衝撃だぜ!」
 バーバリアンの彼は力任せにコタツムリを持ち上げて、そのまま地面へ叩きつける!
「どうだ! 嫌が応にも出てこざるを得んだろっ!?」
 衝撃を受けたコタツムリは、くねくねと痛がる素振りを見せる。だが殻から出てくる気配はない。あえて詳しい事は説明しないが、出てこられない理由があるのだ。
「強情なやつだな、じゃあ実力行使しかねぇぜ!」
 彼は殻を壊さないように、コタツムリの軟体部を【灰燼拳】で引き裂いた。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『怪人とスポーツ対決!』

POW   :    体力を活かした正統派パワープレイ

SPD   :    速度を活かした敏捷派スピードプレイ

WIZ   :    知性を活かした策略派頭脳プレイ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●スポーツとは汗を流せばいいのだろうか
 こたつを手に入れた猟兵たちは、事前に教えられていた怪人の動画撮影スポットへ向かう。丁度そこに怪人がいたため、身構える猟兵たちに怪人は爽やかな雰囲気で話しかける。
「自前のこたつを用意してまで勝負にくるなんて、よっぽど自信ありと見たよ!」
 この口ぶりでは、もしかしてこたつを用意しなくても勝負できたのでは……? 猟兵たちは訝しんだ。
「動画を見てきたなら、スポーツ勝負だとわかっているね?」
 いいえ、全然、ちっとも。
「それじゃあスポーツマンシップに乗っ取って、正々堂々と『灼熱☆我慢大会』で勝負しようじゃあないか!」
 猟兵たちの頭に、検索ワードが浮かんだ。
『スポーツ とは』
竹城・落葉
 我とて元武将、例え我慢大会であろうと全身全霊で行かせて貰おう。覚悟せよ!
 と、勝負はコタツに入って、相手より先に出てはいけない、というものだったか?ハッ、生ぬるいわ!過酷な対決をやってきていたであろう貴様にとって、コタツの熱さに耐えるというのは些か物足りないだろう。
 そこでだ。我は自身のコタツと怪人のコタツに火を点けるぞ。コタツが燃え上がる中、どちらが最後までコタツに入っていられるか勝負だ。
 我は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情かつ殆ど無言で勝負にあたるぞ。……耐えられたら、の話になってしまうがな。
 あと、この対決方法は危険なので良い視聴者の方々は絶対に真似しないように、と注意喚起しておこう。


コエル・フーチ
【WIZ】
ツッコミどころが多すぎだが、自信満々に言われると
逆にそういうものかと思えてくるな……
ああ、うん……やるからには勝つぞー【鼓舞】

とりあえず、私達フェアリーにはなかなか厳しい勝負だな
身体が小さい分、温まるのも早い。これは、少し工夫が必要だな

攻撃性を極力落とした「熱線の雨」(熱線じゃなくて熱風程度)を
怪人に向けてこっそりと発射【物を隠す】【属性攻撃】
私が耐えなくても、相手が先に音を上げればいいんだ。
「ふんわり集めて、なんとなくまとめて、装填完了、熱風発射!」

卑怯? いやいや、つい勝負に乗ったが
機関車怪人が暑さ我慢で勝負を挑む方が卑怯だろ


本山・葵
・開始前
崩れ落ちる
「こ、こんなことのために、わざわざこたつ集めさせられたっすか…」

・大会中
こたつに眼鏡を放り込む
「自分、ヤドリガミなんでコタツに入るのは当然本体っす」
錬成カミヤドリでこっそり自分を増やして交代でこたつに入る
「まともにやってたら終わらねえっす。暑くなったら分身と
交代すれば無限に続けられるっす。」


水心子・真峰
尊い犠牲となったコタツムリを無駄にしない為にも、この勝負受けて立とう
炬燵に半纏を着て鍋焼きうどんを食べながらの我慢大会だ

まぁ、わたしが着ている半纏の下には冷たい保冷剤がびっしり仕込まれ
食べている鍋焼きうどんも、うどんに見える菓子なので全く熱くはないのだがな
食ってるのに夢中なら気付かんだろう
怪しまれれば、私の方が先に食い終わりそうだなと煽って焦らせよう

ほう、食い終わったか
では追加の品だ
怪人に熱々すてーき肉
わたしにも同じく熱々すてーき肉(に見える洋菓子)だ
茶は熱々の紅茶が丁度良さそうだな



●コタツムリは残念だったね
 怪人の言葉を聞いた葵は、たまらず膝から崩れ落ちた。
「こ、こんなことのために……わざわざこたつ集めさせられたっすか……?」
 脳内でのツッコミを処理しきれなかったコエルが呆然としている所を横切り、歩み出た真峰は堂々と宣言する。
「尊い犠牲となったコタツムリを無駄にしない為にも、この勝負受けて立とう」
「ああ、うん……やるからには勝つぞー」
 そうだった、勝負しないと終わらないんだ。と気が付いたコエルが味方を鼓舞する、いまいち覇気はないが鼓舞なのです。
「例え我慢大会であろうと全身全霊で行かせて貰おう。覚悟せよ!」
 真面目なのにと言うべきか、真面目だからと言うべきか、落葉は怪人へ向かって見栄を切る。
「ようし、じゃあ配信の準備とかあるから少し待っていておくれよ。くつろいでいていいから」
 自信の表れだろうか、余裕の構えで怪人は会場のセッティングを始めた。

●灼熱☆我慢大会
 ただでさえ暑い、夏のリゾートエリア。用意された小屋の窓は大きく、外の様子がよく見える。
 海が輝き、浮き輪に乗った住民がはしゃいだり、それをひっくり返されて追いかけっこに発展したりしている。アイスが溶けて砂浜に落とす子供もいる。
 そんな景色を眺めながら、ストーブの効いた室内に集まった五人はどてらを着こみ、こたつの前に立つ。こんな勝負に誰がした!
「それじゃ、一斉にこたつに入ろう」
「「「「「せーの!!」」」」」
 今ここに熱い(物理)勝負が始まった!

 掛け声と共に葵はこたつへ眼鏡を放り込む。
「自分、ヤドリガミなんでコタツに入るのは当然本体っす」
「なるほど、猟兵にはそういう種族もいるんだね」
 怪人からの了承を得た葵は、そのままこたつに本体が入っているのですけどフレームが溶けないか眼鏡族は心配です。
 フェアリーのコエルは身体が小さい分、熱が溜まるのも早いので明らかに不利だ。さて、どうしたものかと一計を案じている。と、隣で汗をかきながら無表情の落葉が目に入る。
「竹城さん、大丈夫なのか?」
 もしかして既にへばっているのではと心配したコエルが声をかける。落葉は静かに呟きを返した。
「……生ぬるい」
「いや、熱いぞ?」
 本気でこの人大丈夫なのだろうか、彼女が倒れない内に勝負を決めなければ……。コエルはひそかに魔力を練り、熱属性の魔力散弾をやんわりと放つ。熱風程度の魔力散弾は、怪人を周りよりも一層暖める。
(卑怯? いやいや、つい勝負に乗ったが、機関車怪人が暑さ我慢勝負を挑む方が卑怯だろ)
 彼女は気が付かれない程度に熱風を送り続ける。

 怪人は既に焦っていた。真峰が熱さなど気にも留めないかのように、鍋焼きうどんを頬張っているからだ。
「私の方が先に食い終わりそうだな?」
「い、いや! 僕も食べるとも!」
 怪人が目の前の鍋焼きうどんをすすると、その熱々さに思わず頭から蒸気が噴出する。
 ぽっぽー!
 鳩時計を彷彿とさせる音だが、異なる点といえば蒸気なために湿度が上がって室内の不快指数が上がる事だろう。
 しかし真峰は何故こんなにも暑さに強いのか、と疑問に思う人も多いだろう。解説すると、彼女の着ているどてらの内側には保冷剤がびっしり仕込まれている。
 ついでに、食べている鍋焼きうどんはお菓子でできている。いわゆるそっくりスウィーツだ。ここでフェイクスウィーツと言うと、お菓子型のアクセサリとかになってしまうので注意だ。
「いつもより暑さが増している感じがする……! これがプレッシャーなのか……!?」
 熱風にもそっくりスウィーツにも気が付く気配のない怪人は、追い詰められて視野が狭くなっている。
「ほう、食い終わったか。では追加の熱々すてーき肉を頼む」
 真峰が小屋の外へ語り掛けると、外にいたアンニュイな雰囲気のヤドリガミスタッフが焼き立てのステーキ(とそっくりスウィーツ)をそれぞれの前に置く。
「熱々の紅茶も美味しいな」
 不敵な笑みを浮かべる真峰。

 葵は【錬成カミヤドリ】で本体である眼鏡を複製して、こっそり入れ替えする作戦だ。
(まともにやってたら終わらねえっす。暑くなったら分身と交代すれば無限に続けられるっす)
 怪人の注意は真峰が引き付けてくれているので、入れ替えもカメラにさえ気を付ければ容易だ。念力で何回目かの交代を済ませ、次の交代に移ろうとした葵は違和感を覚えた。
(ん? 何かが引っかかって、上手く分身が入れ替えできないっす?)
 気が付かれないように、そっと手をこたつに差し入れて引っかかるものを掴む。引きずりだしたそれは目を回したフェアリー。
(コエルさん大丈夫っすか!?)
 小声で心配しながら、コエルの頬をつつく葵。
「うう~ん、あづいなぁ……」
 やはりフェアリーには過酷すぎる勝負だったのだ……。幸いにも怪人が気が付いていないようなので、彼女をこたつの外に出しておく葵だった。

●大変危険ですので、視聴者の皆さまには真似しないでいただきたく
 落葉は言った。
「貴様、些か物足りないのではないか?」
 話しかけられた怪人は、実際は追い詰められているので物足りない事はないのだが、勝負を盛り上げたくて嘘をついた。
「もちろんだとも! 何かの提案かな?」
 その言葉、聞き受けた。と落葉は呟き、左の袖の中に右手を入れて、ごそごそと探る。でてきたものは、マッチだ。マッチ売りの少女が持っているようなマッチだ。
 冷酷な雰囲気の落葉がマッチを持っているのを見ると、嫌な予感しかしない。彼女はもちろんマッチに火をつけて――怪人のこたつへ放り投げると共に自身のこたつにも火を放つ。
 彼女の瞳は怪人に語り掛ける『どちらが最後までコタツに入っていられるか勝負だ』と。
「いや、ちょっ、ないないない!」
 そこで配信は一時中断される、画面にはクマとウサギのぬいぐるみと共にこの様な文言が書かれている。

『しばらくお待ちください』

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​


●スポーツとは汗を流せばいいのだろうか
 画面が動画に戻る、それは怪人のアップから始まった。
「さて、仕切り直しだ! キミタチは何も見なかった、いいね?」
 猟兵たちはこくこく頷いた。
「ルールのおさらいをしようか」
 何もなかった、何もなかったし、勝負はこれからだ。
「灼熱☆我慢大会は、暑さにどれだけ耐えられるかを競う勝負だ。汗を沢山流すスポーツだね」
 最後の一文はおかしい気がする。
「参加者はどてらを着てこたつに入り、熱々の料理を食べる。あとはどれだけの時間耐えられるか。その勝負だとも!」
 おかしい、スポーツ要素がない。
「それじゃあ、始めるよ!」
グランディア・エストリア
POWで。

ベンガルなら、このぐらい平然としていたであろうが。オレ様は「アムール」だ。
…駄目だ、下手な状況じゃねぇ。

完全にあっちのペースだ。
だが、どうやって、コイツを何とかするかだ。

こうなれば、やるべき事は…隙あらばちゃぶ台返しだ。
ある程度我慢して、相手がよそ見してる間に鍋ごとちゃぶ台返しだ。
奴にダメージ与えてでもどうにかすればいい。

オレ様としちゃ、こんなもんとは思っていなかったからな。
体力ならある。
ならば、体力が尽きるまでだ。


仲佐・衣吹
ずいぶんルールが具体的になったね……何かあったの?
しれっと聞きつつ、ちゃんとドテラとコタツに入って我慢大会するよ
だってスポーツだもんね

挑戦するのは僕こと主人格ベストだよ
あっ、残りの人格達はオルタナティブ・ダブルで本体と一緒に逃げたよ
ビーチでアイス食べてる。ずるい

ズルせずに黙々と食べるよ
でも所詮分身だからあんまり熱くも苦しくもないんだよね~
お腹に溜まらない料理を一定のペースでぱくぱく食べていくよ

あぁ、そうそう。こんなものも用意してみたんだ
直火にかけていた石を、それぞれの熱々鍋の中にドボン
マグマのようにグラグラ沸騰する焼石鍋の出来上がりさ
さっ、どんどん行ってみよう~


高柳・零
なるほど、eスポーツの一種ですね(納得)

コタツと鍋と卓上コンロと卓上DVDプレイヤー複数を持参します。
コンロには何故か自爆スイッチが付いています。
「これですか?気にしないでください」

「暑さ我慢大会ですね。受けて立ちますよ。…ところで、こういうのは真夏の砂浜でするものでは?随分設定が甘いですね」
火炎耐性と激痛耐性で暑さと辛い物に耐えつつ、根性で頑張ります。
「さあ、出来ましたよ。激辛唐辛子鍋。具は黒はんぺんのみです」

DVDは「やたら熱い人が語る動画」と「バカップルがいちゃいちゃする動画」を流します。
「うざいですね。殴りたいです」

うっかり自爆スイッチを押した時は無敵城塞を使います。

アドリブ歓迎です



●生物は色んな個体がいるからね
「ずいぶんルールが具体的になったね……何かあったの?」
 怪人のルール説明を聞いた仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)は知らぬ顔で問いかける。
「ナニモナカッタヨ」
 対する怪人はなぜかわからないがカタコトだ。本当、なんでだかわからないが。
「なるほど、eスポーツの一種ですね」
 納得したように高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)が呟く。
「え、いいスポーツ? そうだね!」
 聞き間違えた怪人が嬉しそうに頷く。ちなみにeスポーツは広く言っちゃえばオンライン対戦の事なので、かすってもいないぞ。良い子の皆は間違えないでくれよな!
 和気あいあいとした中で、浮かない顔をしているのはグランディアだ。
(まずい……ベンガルならこのぐらい、平然としていたであろうが)
 キマイラの彼は虎の姿をしている、アムールトラの姿だ。それはロシア辺りに生息する虎、と言えば彼の焦りがわかりやすいだろう。そう、アムールトラは寒さに強くなるために長い体毛を持っており、暑さには滅法弱い。
 ちなみにベンガルトラはインドのほうに生息する虎です。
(これは純粋に体力が尽きるまで……奴にダメージを与えるしかないな)
 熱い大会に不穏な空気が流れた。

●灼熱☆我慢大会(take2)
 こたつに入る直前に零が全員に卓上コンロと卓上DVDプレイヤーを配布した。
「鍋を食べるだけでは暇でしょうから、どうぞ見てください」
「これは親切にありがとう!」
 爽やかにお礼を述べた怪人の動きが止まる。
「……ねぇ、コンロ、変なボタン、ある」
 蒸気機関車の様な頭の怪人から表情は読み取れないが、こたつに入る前から滝の様に汗をかいているのは見て取れる。
「これですか? 気にしないでください」
「気になるよね!? 『自爆』とか怖すぎるよね!?」
 コンロには赤いボタンが付いており、大きく『自爆』の文字が刻まれている。
「逆に考えてください。自爆ボタンがあるなら、勝手に自爆はしないと」
 よく考えればそれで安心とは思えないのだが、自信満々に言い放つ零には妙な説得力がある。怪人はなるほど、と呟いてこたつへ入った。
 全員がこたつに入って、我慢大会はスタートを切る。

 行儀良く座り、鍋焼きうどんを穏やかにもぐもぐしているのは衣吹だ。多重人格者の彼だが、今は主人格であるベストが挑戦している。
「ビーチでアイス食べてるの、ずるいな~」
 衣吹の呟きに怪人が楽しそうに反応する。
「小屋の外の人が羨ましくなるのも、我慢大会の醍醐味だよね!」
 そうだね。と返事を返す衣吹だが、彼が羨ましがっているのは外の他人ではない。『彼自身の事』だ。
 それだけでは意味がわからないと思うので一から説明すると、今ここにいる衣吹はオルタナティブ・ダブルで現れたもうひとりの自分だ。本当の衣吹はビーチでアイス食べてる。
 本来の衣吹でないから感覚が鈍いのか、平行した自分がアイスを食べているから相殺されているのか、とにかく彼はあんまり暑さも熱さも感じないでうどんを食べている。
 横では怪人がハフハフ言いながらうどんを食べているのが対照的だ。
「はふっ、そういえばDVDを借りたんだよなぁ。再生してみよう」
 怪人がDVDプレイヤーのボタンを押すと、そこに現れたのはUDCアースで太陽神とか呼ばれたりする事のある有名スポーツ選手。と言ってもここはキマイラフューチャーなので、その人物が誰なのか怪人にはわからない。
『自分より強い相手と戦うと、強くなれる!』
『壁にぶつかるのは真剣な証拠!』
 映像の中の人物はスポーツをしながら熱弁を振るう。ここで言うスポーツは本当にスポーツであって、我慢大会の事ではない。
 その人物のとても熱いパッションに、気温まで上がった気がする。
「いいなぁ、いいなぁ……!」
 怪人は感動して泣いていた。もしかしてこの怪人、熱いのが好きなだけなのでは?

 零はうどんを食べつつ、合間に卓上コンロで料理をしていた。食材は黒はんぺんと、赤唐辛子、青唐辛子、生姜、黒胡椒、シナモン……ほとんどが香辛料で、具になるものは黒はんぺんのみだ。
「さあ、出来ましたよ。激辛唐辛子鍋」
 彼は出来上がった料理を怪人とシェアしたいと申し出る。
「この誘いは断る訳にいかないね、じゃあ一緒に食べよう!」
 シェアされた鍋は、どろっとしていて濁っていて、気泡がごぽっ……ごぽっ……と音を立てている。見た目は完全に地獄の池。
「黒はんぺんは白はんぺんよりジューシィな感じです」
「へー、どれどれ。……ぎゃああ! 辛いって言うより痛い! 口の中痛い!!」
 黒はんぺんを口に運んだ怪人は苦しみだす。同時に食べだした零は激痛耐性で痛みを耐えているんだけど、激痛耐性が必要な料理って本当に料理と呼んでいいんですか?
 怪人が苦しむ最中、虎が吠えた。
「隙ありっ!」
 グランディアが渾身のちゃぶ台返しを決める。鍋とこたつが宙を舞い、怪人に襲い掛かる。
「目がっ! 目がぁー!!」
 激辛の鍋つゆが目に入ったら、悶絶しかないですよ。良い子は絶対真似しないでね。
 しかし、この怪人の目ってどこにあるんだろう?
 しばらく苦しみ悶えていた怪人が、弱々しくも立ち上がろうと近くのこたつに掴まった時の事だ。その指がコンロの自爆ボタンに触れる。

 爆音と閃光を放ち、コンロは爆散した。

 黒煙が立ち上っている中、零は咄嗟に展開した無敵城塞によりノーダメージ。こたつを盾にした衣吹もノーダメージ。倒れている怪人。そして爆発の間近にいたグランディアは――長い体毛が熱によってくりんくりんになったため、すっごく丸いマスコット的な何かになっていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●よくここまで耐えたよね
 よろよろと立ち上がった怪人は告げた。
「もう我慢大会はやめる!」
 全身から蒸気を噴出して、とても怒っているのが伝わってくる。
「キミたち絶対に、このままじゃ帰してあげないからね!」
 え、お土産でも貰えるの? と誰かが返事してみる。
「戦闘だよ! わかってよ!!」
竹城・落葉
 そうか、お土産は貰えないのか……。
 だが、一体何を言っているんだ?まだ、我慢大会は終わっていないぞ。そう言って【だまし討ち】で攻撃を仕掛けよう。次の我慢大会の内容は、貴様が攻撃を耐え続けるというものだ。勿論、参加者は貴様一人だ。さぁ、どこまで耐えられるか見せてみろ。
 我は『剣刃一閃』を用いて怪人を切り伏せるぞ。更に、【2回攻撃】で次々に切りつけていく。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃を仕掛けるぞ。
 ところで、我は我慢大会の時、食事をことができなかった。なので、貴様を喰らうとしよう。切りつけて肉(?)を入手できたら、それを食べるぞ。味や感想はマスター殿に一任する。


高柳・零
我慢出来ませんでしたか…あなたの負けですね。(自分がやった、はちゃめちゃな事は棚に上げて)

壁役なので、先ずは前に出ます。
「何かやりたい事がある人は僕を盾にしてください」
こちらを無視させないため、メイスで鎧砕きをして防御力を下げます。
「このままだと、攻撃がどんどん痛くなって行きますよ」

相手の攻撃は、盾受け、武器受け、オーラ防御、激痛耐性で受け止めます。
「その程度の攻撃では自分は倒せませんよ」
大技を使って来たら、味方をかばいつつ無敵城塞で受けます。
「自爆装置も跳ね返す自分に全ての攻撃は無駄です(誰が用意したかはともかく)」


本山・葵
・戦闘前
「結局こうなるっすか。怪人と接触するためとはいえ、コタツムリが少し不憫っすね」

・戦闘中
クイックドロウを使う
「そんなに熱いのが好きなら、熱線銃(ブラスター)をくらわしてやるっす!」
「スピード勝負で負ける気はないっすよ!」

車輪に石を踏ませて出発進行!に対処する
「機関車が機関車に乗るっすか!?でもチャンスかもしれないっす。それっ、脱線するっす!」
技能:投擲を使用


グランディア・エストリア
わかってるぜ。ようやく、戦闘か。
テメェだけは、スクラップにしなきゃ、気がすまねぇけどな。
ということで、敵が機関車だって分かっているし。

「起動に時間がかかるテメェは起動する前に叩きのめすだけだぜ。 それにしても。 機関車が機関車に乗るって、どういうことだよ。」
そういう場合の対処法は 高いところから襲いかかるしかねぇって所だな。

「なに、乗ってるやつがいなければ、そのまま消えるだけだしよ!」
トレインフリーク対策は模型とか時刻表とかはぶっ壊して対応する。

まぁ、好きあらば野生の勘1、気合い1、捨て身の一撃1、グラップル1、力溜め1、2回攻撃1、追跡1、怪力1を込めた灰燼拳。
「喰えねぇ奴は、嫌いだぜ。」



●お土産は選ぶのが難しい
「そうか、お土産は貰えないのか……」
「むしろ何で貰えると思ったのさ!?」
 少し残念そうに呟いた落葉に、機関車怪人は頭から蒸気を噴き上げて抗議する。
「我慢出来ませんでしたか……あなたの負けですね」
 前へ歩み出ながら、零が告げる。変なお鍋を用意したりしたのは忘却の彼方だ。その言葉に反応したのは、意外な事に落葉だった。
「否、何を言っているんだ? まだ、我慢大会は終わっていないぞ」
「え? だからやめるって――」
 怪人が反論しようとした所に斬撃が走る。
「内容は、貴様一人が攻撃を耐え続けるというものだ。どれだけ我慢できるか見せてみろ」
 蒸気の管が一本、がらんと音を立てて地に転がる。
「よ、よくもぉーっ!」
「ようやく戦闘か。テメェはスクラップにしなきゃ、気がすまねぇ!」
 時刻表を取り出した怪人から、それを奪い取り破くグランディア。
「結局こうなるっすか。怪人と接触するためとはいえ、コタツムリが少し不憫っすね」
 みんなは命を大事にするっすよ。と、視聴者に語り掛ける葵。もっとも、この状況で配信が続けられているのかは疑問だが。
「後悔させるからね!!」
 怪人が叫んだ。

●真剣勝負
 メイスを手にした零が味方へ話しかける。
「何かやりたい事がある人は、自分を盾にしてください」
 ふむ、と落葉が片手で零を持ってみた。
 盾と剣を持った戦士をイメージした彼女だったが、刀は基本的に両手で扱うものだなと思ったらしく、零をその場に降ろす。
「今の何!?」
 何か無駄な動きをしていたので、怪人が突っ込む。だが落葉の戦闘時の人格は、それに答えてくれるほど優しくない。
 彼女は両手で持ち直した刀を振るい、怪人の腕を落としにかかる。しかしその攻撃は、すんでのところで回避される。
(盾を持っていたせいで、初動が遅れたか……)
 無表情で回避された理由を分析しながら、落葉は再び刀を構える。
「うわっち!!」
 怪人のすね辺りの装甲がジュワッと音を立ててとろける。
「そんなに熱いのが好きなら、熱線銃をくらわしてやるっす!」
 零の後ろに陣取った葵が熱線銃のトリガーを引く。クイックドロウでの熱線の連射を何とか避けようと、怪人は奇妙なダンスでも踊るかのように動き回る。
 連射が止んだ瞬間、怪人の隣へ飛び込んだグランディアが敵の腹部へ灰燼拳を放つ。超高速の一撃を辛うじて両手でガードした怪人だが、その威力に踏ん張りが効かず後ろへと吹き飛ぶ。
 怪人の吹き飛ぶ方向へ駆けた落葉が、冷酷に一閃。怪人のつま先を切断する。
「ぎゃああ!」
 叫びを上げながら、建物に激突する怪人。
 建物の一部が崩れて土煙が舞う中、その中の影がよろよろと立ち上がるのが見える。武器を構える猟兵の前で、影は急激に肥大化した。
 土煙を引き裂いて、怪人の二倍はある蒸気機関車が飛び出す。機関車怪人はそれに騎乗している。
「機関車が機関車に乗るって、どういうことだよ!?」
 目の前にレールが降ってきて、グランディアに蒸気機関車が迫る。
「ひき殺してやるー!」
 意外と猛スピードで迫ってきた蒸気機関車を、グランディアはレールから出る事で避ける。
「でもチャンスかもしれないっす。それっ、脱線するっす!」
 蒸気機関車のレールへ、葵が零を投擲する。
「なるほど、自爆装置も跳ね返す自分に全ての攻撃は無駄です」
 無敵城塞で超防御モードになった零は、さながらレールへの置き石。正しくレールを踏めなかった蒸気機関車はバランスを崩し、横転する。主を失った蒸気機関車はしゅわしゅわと消える。
 投げ出された怪人に零がメイスを持って飛び掛かる、それは肩の装甲を砕いた。
 装甲の砕けた箇所に狙いを定めた葵が熱線銃を放つ。
「ぐぎゃー!」
 怪人が情けない声を上げる。
「スピード勝負で負ける気はないっすよ!」
 葵の一言に、怪人は激昂した。
「僕が一番速いに決まってるんだぁー!!」
 高速走行モードに変身した怪人は、煙を噴き上げながら葵に突進する。
 両名の間に飛び込んだ零が無敵城塞を発動するが、怪人はそれを気にも留めず零ごと葵に体当たりする。
 吹き飛んだ葵が建物にぶつかる寸前に、グランディアが駆け込んで受け止める。
「好き勝手言って! 僕は怒ったぞ!」
 全身から蒸気を噴出する怪人。
「不味いな……」
 落葉は呟く。
「ああ……おめぇは大丈夫かよ」
「ごめんっす、問題ないっす!」
 グランディアが葵を降ろしながら、敵を見据える。
「この状態では奴の肉が喰らえない」
 早くトドメを刺さなければ、と落葉が拳を握り悔しそうに言った。グランディアはこけた。
「そこかよ!? ってか喰えねぇだろアレ!?」
「装甲は砕けるのだから、中に肉はあるだろう……我は喰らう!」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

高柳・零
盾にしていいとは言いましたが、何か自分、物扱いされてるような…気にしない事にしましょう。

引き続き前衛で盾役をします。硬さが取り柄なので。
そして、嫌がらせのように鎧砕きを続けます。
「肉を食べたいと言ってる人がいるので、肉があるのか確認しましょう」
「食べてもお腹を壊しそうな気がしますが…」

適度に柔らかく(?)なったら2回攻撃で切り刻みます。
「肉を(以下略)」

反撃は盾受け、武器受け、見切り、オーラ防御、激痛耐性で耐えます。
「無敵城塞でなくても守りには自信がありますよ」

怪人が弱って来たら、ジャッジメントクルセイドで攻めます。
「光になれえええ!…って良いセリフですよね」

アドリブ、絡み歓迎です。


アンシェ・ローム
なんとも熱い戦いでしたわ…!(そこらを叩いて出てきたジュースを飲みつつ立ち上がる)
ところで、あのこたつって記念に持って帰って良いですの?

機関車って基本一直線にしか走れませんわよね?それなら横から攻撃して横転させてしまえばいいのでは…?
脚を毛づくろいして摩擦抵抗を無くし、足音を消しつつ【目立たない】ようにスケートの要領で滑走。回り込み、横からアチョーっと【鎧砕き】の重い一発を入れてやりますわ!
だれかと連携したほうが倒しやすいかもしれませんわね…


水心子・真峰
何というか……非常に大変申し訳ない
スポーツ精神に則りまずは礼をし非礼を詫びよう
そして怪人が頭を下げたところで複製した太刀による刃の雨を降らせよう

武士道精神により手加減は無礼と心得る
これより先は全身全霊真っ向勝負だ

突撃して来る怪人には太刀の一振りを構えて走り迎え撃つ
相手の力を受け止めながら利用して強烈に切り伏せよう
キミの全力と私、どちらが強いか見極めようぞ!


ハウロン・ナイトフール
自ら始めたゲームを自ら終わらせるとはつくづくつまらぬものだな?
ならばゲームとは何たるか、貴殿の身を持って教授するとしよう
ルールは簡単、「死ぬ」か「殺す」かだ


コード起動後、自らは敵攻撃の射程範囲に入らないよう、また目立たないよう味方達の後方へ待機
万が一、目前へ迫って来た際は車輪が「なぜか」鈍くなる呪詛を込めた属性魔法を使用

動かなくなったらその後は廃車、だな?
廃車になったからには解体しなくてはなるまい


ランタン達には一つの四肢に複数取り憑いて貰い、残ったランタン達に笑い声を上げながら攻撃を行わせる
時刻表に関してはダイヤ廃表と記して貰おう


他は敵の攻撃の牽制、味方の攻撃に合わせて介入するように動かせよう


アイシャ・ストリングウッド
ワタクシ閃きましたマシタ、ピンときマシタ。
お相手様は戦いの直前まで我慢大会をしていたわけでゴザイマスカラ、やはりここはお熱い技で倒してさしあげるのが一番かと。
ワタクシ頭いい~やっさしい~!
というわけでエレメンタル・ファンタジアにて灼熱の炎の竜巻をプレゼント差し上げマスワよ。

ところで機関車怪人っていうのはあれなんでゴザイマスかね?蒸気を吹き出すパイプとかを破壊されたらやっぱり困るものなんでゴザイマスかしら?
ワタクシ自分の知的好奇心に勝てない性質でございますのでパイプをちょっとこう、ぐにゃっとさせるためにどなたか様の攻撃誘導もさせていただきマスわね!
力仕事は苦手でゴザイマスから!おほほ!



●好奇心のゲーム
「何というか……非常に大変申し訳ない」
 真峰は怪人に向かって頭を下げる。
「スポーツ精神に則り、まずは非礼を詫びよう」
 すると怪人は立ち止まり、高速走行モードを解除した。
「スポーツマンシップを理解してくれたんだね……僕は嬉しいっ!」
 そして相手が礼をしているのだから、と怪人も頭を下げて礼をする。その瞬間空中に16本の細身の太刀が現れて、まるで雨のように怪人に降り注いだ。
「みぎゃー!? 騙し討ちとは卑怯なぁ!」
 怪人の装甲に何本もの切創を作った太刀を自分のほうへを呼び戻しながら真峰は答える。
「騙し討ちには非ず。武士道精神により、手加減は無礼と心得た」
 太刀を構え、目を細める。
「これより先は全身全霊真っ向勝負だ」
 怪人は真峰との距離を開こうとしたが、足が重くなって上手く動けない。怪人が足を確認すると、そこには血濡れたジャック・オ・ランタンがまとわりついていた。
「自ら始めたゲームを自ら終わらせるとは、つくづくつまらぬものだな?」
 黒い衣にカボチャ頭のハウロン・ナイトフール(戯れ嗤うネクロマンサー・f02249)が、相手を見下すように告げる。
「ゲームとは何たるか、貴殿の身を持って教授するとしよう。ルールは簡単、『死ぬ』か『殺す』かだ」
「このカボチャ怖いんだけど!?」
 怪人の顔が青ざめた……と思うけど、ごめん顔色よくわかんないや。

「なんとも熱い戦いでしたわね……!」
 その辺のオブジェを叩いて出てきたジュースを手にしたアンシェが立ち上がる。モフモフのケットシーに我慢大会は大変でしたとも。
「ところで、あのこたつって記念に持って帰って良いですの?」
「あ、それはご自由にどうぞ」
 やりましてよ、この冬はこたつ三昧ですわ!
 一見のんきに返事をしていた怪人は、まとわりつくジャック・オ・ランタンに焦っていた。
「こうなったら鉄道写真で元気を出して、このカボチャを振り切るしか……うわあ! これ心霊写真だー!?」
 写真を投げ捨てて、腰から模型を取り出す――え、ポケットあったの?
「じゃあ鉄道模型! これ消防車ー!?」
 慌てて他の神器に頼る。
「新しい時刻表……ダイヤ廃表!? 嘘だぁぁ!!」
 彼は崩れ落ちた。
 これらはハウロンの死霊幽戯の効果で、相手の恐怖を具現化した幻覚を見せているのだ。
「お相手は勝手にダメージを受けていらっしゃるようデスワね。ワタクシのする事は無いかしら?」
 おほほと笑いながらアイシャ・ストリングウッド(何もしてないのに通報される・f12485)が言葉を発する。喋り方こそ女性かと間違えそうになるが、見てみると長身の男性だ。
「ところで機関車怪人っていうのは、蒸気を吹き出すパイプとかを破壊されたらやっぱり困るものなんでゴザイマスかしら?」
 どなたか試して下さらないデスかしら? と彼は周りの猟兵に話しかける。
「じゃあ自分が試してみましょう」
 自分、生きてますので。物じゃないので試せます。と零が怪人に飛び掛かる。彼がパイプに触れると同時に叫ぶ。
「あっついです!!」
 堪らず手をパイプから離した零は、そのままメイスを握って怪人の腕に殴りかかる。
「頑丈さを誇っていても不意の熱さはムカつきます!!」
「勝手に触ったのに!?」
 怪人の反論は無視して装甲を砕く。
「そういえば肉を食べたがっている人がいます。肉ありますか?」
 足にジャック・オ・ランタンが取り付いていて動きの鈍い怪人を容赦なく叩く。
「いたっ! あいてっ!」
 なんだか子供に蹴られている着ぐるみを彷彿とさせる怪人。哀愁を感じる。
「うふふ、それではワタクシの知的好奇心が満足いなかいのデスワ」
 怪しい笑みを浮かべたアイシャがドラゴンランスを手に取る。
「力仕事は苦手でゴザイマスけど、仕方ありまセン」
 その槍の切っ先を、怪人にちょんと当てる。
「なんで妙に優しく当てるの!?」
 怪人は混乱しながら叫ぶ。
「だって充分でゴザイマスから」
 そう言った後にアイシャが人ならざる言語を発するとドラゴンが召喚された。そのまま命令を下すアイシャ。
 ドラゴンは怪人に近付くと、その肩から生えたパイプをひん曲げて消えた。
「それだけぇっ!?」
 わくわくと待機しているアイシャの前で、怪人の肩が破裂する。

●熱い勝負だった
「ぎゃあ! ……ぐっ、今度こそひき殺す!」
 怪人の足元から蒸気機関車が召喚され、アイシャに向かって突進する。そこへ毛づくろいした事で摩擦抵抗の減ったアンシェがスケートのように滑り、手を繋いで引きずられながらの零が一緒に迫る!
「横転させますわー!」
「この引きずられた痛みの代償を受けるといいですよ!」
 二人は蒸気機関車の横から、鎧を砕く程の威力でメイスを叩き込む。蒸気機関車の横っ腹に穴が開き、車輪が砕けて倒れる――二人のいる方向に。
「避けるが勝ちですわよ!」
 再びスケートの要領で滑って逃げるアンシェは、慌てたので手を繋ぐ事を忘れた!
 そのまま横転した蒸気機関車は、一瞬の後にしゅわしゅわと消えていく。
「無敵城塞でなくても守りには自信がありますよ」
 蒸気機関車の消えた跡から、激痛を我慢してプルプルしている零が出てきた。

 投げ出された怪人は煙を噴き上げる、高速走行モードに変身したのだ。
「まだ……倒れないぞー!」
 見た目はボロボロだが、根性で動いているのだろう。以前よりは遅いが、未だ早いその動きでハウロンへと突き進む。
 そこへ割って入ったのは真峰だった。太刀を手にした彼女は、怪人へ向かって走る!
「キミの全力と私、どちらが強いか見極めようぞ!」
 真峰の太刀に、自身から生じるスピードが乗って、怪人は胴体から二つに割れた。
「……真っ向勝負で良かった……」
 怪人が最期に残した言葉だ。

●焼肉のお時間
「食べてもお腹を壊しそうな気がしますが……」
 解体された怪人の肉を叩いて柔らかくしながら零は心配する。
「生食は駄目デスワよ。というわけでエレメンタル・ファンタジアいきマスよ~」
 アイシャが炎の竜巻を出現させ、怪人のお肉を焼こうとする。だが元々制御の難しい技を軽い気持ちで放ったため、肉は消し炭となったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月17日


挿絵イラスト