強制食材収集おつかいクエストキャッスル
●
「食材が足らないよぉ! にんじんとジャガイモをそれぞれ1500個納品して欲しいんだよぉ!!」
殺伐とした雰囲気の城内に、妙に間延びしたぼんやりした声が響く。その声に、悲鳴をあげる元気すらないプレイヤー達が、絶望に満ちた表情で互いの顔を見合わせる。しかし、そんな彼らに追い討ちをかけるように、間延びした声が続く。
「火を起こす為に、薪が必要だよぉ!! 3000個持ってきてねぇ!!」
労働者として働かされているプレイヤー達は、のろのろと身体を起こす。言われてしまっては仕方がない。なんせ、ここの城では、城主たるバグプロトコルの命令を聞く他ないのだ。
「はやくはやくぅ!! お料理が出来ないんだよぉ!! お返事はぁ?!」
反応が悪いプレイヤー達に、守衛のモンスターたるフローティング・ゴーレム達が瞳を怪しく光らせて、プレイヤー達を睨め付ける。彼らに目をつけられたプレイヤーの末路は悲惨だ。おしおき部屋と呼ばれる独房に押し込まれた彼らは、数日後変わり果てた姿で外に出てくる。丸々と肥え太り、目が完全にヤバい感じで食べ物のためならば何でもするような人になって帰ってくるのであれば、焼却された方がマシだったのではないかとすら思える程だった。
「「「はい!!!!」」」
おしおき部屋送りには、なりたくない。そう切に願う彼らは気力を振り絞り、殊更元気に返事をし、立ち上がる。
キャッスルクリスタルのある最奥部で只管料理を作り続ける城主たるバグプロトコルへと、彼の求める材料を持ってくる為に。
●
ゴッドゲームオンラインでのクエストの一種である城攻めクエスト。そのフィールドデータが流出し、バグプロトコルに悪用さる事件が確認されつつある。
「この事件もその一連の事件に連なる、城攻めクエストのデータを流用したものになります。この事件の特徴は、何故かバグプロトコルがプレイヤーの|遺伝子番号《ジーンアカウント》を焼却することもなく労働力として利用している事にありますが、それが何故なのかは今のところわかっていません」
GGOにおける城攻めクエストは大人数vs大人数で攻守に別れて戦うクエストである。特徴は堅牢な城であり、今回乗っ取られているフィールドにある城もやはり、堅牢だった。制限時間が設けられており、ディフェンス側はこの城のどこかにあるキャッスルクリスタルを制限時間内守り切れば勝ち、オフェンス側は逆にキャッスルクリスタルを破壊すれば勝ち。
今回の事件においてもそこのルールは変わらずで、ディフェンス側がバグプロトコル、オフェンス側が猟兵達。バグプロトコルが設定した制限時間は24時間とのことだ。
「みなさん、城攻めクエストをクリアして労働力として囚われているプレイヤー達を解放してあげてください!」
よろしくお願いします、とプルミエールは頭を下げたのだった。
秋野
全3章構成です。
●第一章
守衛のモンスターを倒しながら城攻略を進めていきます。途中奴隷として強制労働させられているプレイヤー達に会う事もあります。その際には保護をお願いします。
●第二章
キャッスルクリスタルのある広間でボス戦となります。
●第三章
奴隷となっているプレイヤー達の解放のため、働きかけを行います。
第1章 集団戦
『フローティング・ゴーレム』
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POW : 絶対撲滅戦線
【肉弾戦用に人型に変形した仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[肉弾戦用に人型に変形した仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD : オーバーブースト・レーザー
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【胸部】から【ホーミングレーザー】を放つ。
WIZ : サイキック・バースト
【死に際に大爆発とともに残留エネルギー】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
イラスト:hikaru
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
印旛院・ラビニア
「ゲームなんだからクエストくらい自由にさせて欲しいよね」
それにゲームで好きな体型のアバター設定できるのに、太らせるなんてやり口がすごい嫌な感じだよね
「なるほど、能力強化か。それなら」
【召喚術】でデュエルカードから戦乙女を召喚
「ソグマ! 相手の強化を打ち払え!」
ソグマによる【破魔】攻撃で相手の強化を解除し、そこを自分や他の戦乙女と連携して叩き潰してゆく
「ここは僕達に任せてみんなは逃げて!」
途中で奴隷となっているプレイヤーを見つけたらモンスター達に【庇う】をさせながら安全なところまで避難させる。
戦乙女一覧:https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=54793
巨海・蔵人
アドリブ連携歓迎
UCは小出しで回数を稼ぎます
お仕置き部屋志望者(え
棲家=ソーシャルトレーラーハウスは城の敷地に横付け
■掴み(普通に城を歩きながら)
はい、愉快なバイオモンスター蔵人君。
今回は噂のゲームGGОからの初配信です。
なんとこのお城
バグのせいで体型とか忘れちゃうくらいすごいお料理が簡単に食べれるっていう噂なので、
来ちゃいました。
なんでも、お仕置き部屋と言う所でご城主のスペシャルメニューが食べ放題とか、
食いしん坊の僕は動けなくなっても食べちゃうかも?
■Talk
あ、御城の方ですね。
このお城の納品クエストを受けに来ました!
(持ち込みやUCで出した食材をプレイヤーにも渡して)
それではいただきまーす
●
ふよふよとトルソーのような形をした赤というかオレンジ色というか、な色をしたゴーレムが巡回をする間を、この城に囚われたプレイヤー達がそれぞれに課せられたノルマを達成すべく、生気のない顔で右往左往する。
「ゲームなんだからクエストくらい自由にさせて欲しいよね」
そう言うのは、印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)。潜入し、状況を確認するべくプレイヤーに紛れて周囲を見て回っている中で、太ったアバターになってしまったプレイヤーを何人も目撃した。あれが、お仕置き部屋送りになったプレイヤーなのだろう。
一方、巨海・蔵人(おおきなおおきなうたうたい・f25425)はにこやかにテレビウム達は向けて語る。ちなみに彼の棲家たるソーシャルトレーラーハウスは城に横付けしており、配信体制はばっちりである。
「はい、愉快なバイオモンスター蔵人君。
今回は噂のゲームGGОからの初配信です。なんとこのお城、バグのせいで体型とか忘れちゃうくらいすごいお料理が簡単に食べれるっていう噂なので、来ちゃいました」
来ちゃいました、じゃないわ。
プレイヤー達の心の声が聞こえたような、聞こえなかったような。
ラビニアは少しだけ、気が遠くなった。
「なんでも、お仕置き部屋と言う所でご城主のスペシャルメニューが食べ放題とか、食いしん坊の僕は動けなくなっても食べちゃうかも?」
まぁ確かにものは考えよう……食べられてさえいれば幸せな食いしん坊には天国のような場所……と言えなくはない、かもしれないけれども。
そんな2人の目の前に現れたフローティング・ゴーレムの一団。彼らは即座に2人を異物と判断し、彼らは絶対撲滅戦線で互いを強化させながら、センサー類を青く光らせながら猛スピードで向かってくる。
「ここは僕達に任せてみんなは逃げて!」
他プレイヤー達に声を掛けながら、ラビニアは素早く戦少女達を召喚し、庇うコマンドを発動。戦端が開かれた以上、行動と判断は素早くが鉄則だ。
「ひ、ひぃ……っ!!」
逃げ遅れたプレイヤーが尻餅をつき、ゴーレム達に迫られていく。そこへ巨体を割り込ませたのは蔵人であった。
「あ、お城の方ですね。このお城の納品クエストを受けに来ました!」
蔵人自身は持参した|女媧芽《ブランド申請中若命》を手に、そしてプレイヤーには模倣システムフラワーズで再現した彼が必要としている食材(タマネギ150個)を渡し、ゴーレムに躙り寄る。
「ビビビッ……?!」
ゴーレムが若芽を納品されて混乱している間にプレイヤーはタマネギを渡して逃げていく。
「ソグマ! 相手の強化を打ち払え!」
その隙を突き、ラビニアは|破邪の戦乙女・ソグマ《ディスペル・ヴァルキリー・ソグマ》を召喚。軍団としての力の底上げを行っている彼ら特有のバフを解除する。
「クエストはやり遂げますので、そうしたらお料理のあるお部屋までご案内お願いします!」
咄嗟に退避行動を取ろうとするゴーレムへ、追加の模造食材とマイ箸を片手に蔵人は詰め寄っていく。
「今のうち……っ!!」
ラビニアはアサルトライフル『|USG《汎用体系的小銃》』を取り出し、構える。蔵人も、何も食べずにこの場を去るつもりはないのだ。強気に出る必要があるのであれば、辞さない構えである。
その場にいたゴーレム達が一掃されるまで、さほど時間はかからなかった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
スターレイル・エストレジャ
ゴーレムは破壊する為にある…
『なら私がサポートするよ!』
アウラが【迷彩】を使用して姿を消した
【敵のUC対策】
【視力】と【心眼】で胸部のレーザーを出る前に【推力移動】で素早く回避するが間に合わないなら【オーラ防御】で素早く防御
【反撃開始】
『行け!』
UCを発動してアウラが遠くから【視力】と【心眼】で敵に見ながらカブトからプロキオンを放ち敵を狙撃する
くらえ…星虹の遠心蹴り!
指定UCの効果でUC原初の星虹を発動して相手に【推力移動】で敵の懐に入り込み星虹【属性攻撃】で自身にゴムの性質を付与して敵を蹴り飛ばして私が回転して遠心力をかけて凄まじい威力で敵を蹴り飛ばし周りの敵も巻き込んだ
…やったぜ
『ええ…』
どこかで争いの気配を感じつつも、まだ通常運転でプレイヤー達に圧を掛け続けるゴーレム達。
常のように表情は崩さぬまま、スターレイル・エストレジャ(星虹の超越者・f40527)は彼らの前に立ち塞がった。
『私がサポートするよ!』
スターレイルの行動の意図を汲み取ったフラワースライムのアウラは、そう言ってから迷彩で姿を消した。その姿を追おうとするゴーレムへと、スターレイルは一気に距離を詰めていく。
「ゴーレムは破壊する為にある……」
わかりやすく敵意を向けてくるスターレイルへとゴーレム達の目標は移り、彼女へ向けてオーバーブースト・レーザーを放つべく、胸部を向けるがしかし、その動きを見ながらタイミングを見て推力移動に切り替え、速度に緩急をつけるスターレイルを捉えられず。
速度に対応出来ずに翻弄されるゴーレムへ、射線を確保したアウラが狙いを定める。
『行くよ! 必殺プロキオンショット!』
放たれたプロキオンショットは、ゴーレム一体の頭部を貫き、後ろにいたゴーレム数体を巻き込んでドミノ倒しのように倒れていく。
体勢を立て直そうとするゴーレムの一団へと、
「くらえ……星虹の遠心蹴り!」
インパクトの瞬間に発動した|原初の星虹《オリジン・フォース》により、ゴムの力を付与した脚部による蹴りは、スターレイル自身に回転エネルギーを与える。それは結果として、周囲のゴーレムをも巻き込む回転効果を生む事になる。
こうして、アウラと協力して辺りのゴーレム達を一掃したスターレイルは、手元に戻って来たアウラと健闘を讃えあうのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シィエー・スミス(サポート)
ブギーモンスターの魔女×四天王、70歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、嘘をつく時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
鹿(エルク)の魔女。全身を白い布で隠しており、ブギー・ブギーフェイス時以外は極端に脱ぎたがらない。とある神の信者もしくは化身、そのもの。真実は不明
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
フォーネリアス・スカーレット(サポート)
私がすることは常に一つ。オブリビオンを殺す事だけだ。
その為なら手段も目的も選ぶつもりはない。最終的に殺せればいい。別に止めに拘りもしない。
全てのオブリビオンを殺す。ただの一匹も逃がすつもりはない。
(実際忍殺めいた言動だが、実はゴブリンスレイヤーの方が近い)
よく使う手は油を撒いてからの地獄焼き。殺風景に閉じ込めて鏖殺。盾殴りで体勢を崩し電磁居合斬り。不意打ちの楔打ち辺りか。実際、無人の鞘には様々な暗黒非合法殺戮道具があるので大体の事は出来る。
好きに使え、オブリビオンを殺せるのならな。
ヌグエン・トラングタン
姿はこちら
https://tw6.jp/gallery/?id=196351
バグプロトコルが考えてることがよくわかんねーな、おい。
食欲もまあ、『欲望竜』としてわかる欲望だし、肯定するもんだがな?
強制はさすがに否定するわ、マジで。
眼鏡外しての参戦。
ゴーレムたちが能力強化しようが、それごと貫通してのUC攻撃ってな!
欲望竜の尾での薙ぎ払いもするぜ。
それに、俺様の目を直接見るとな…硬直しちまうんだよ!
プレイヤーの方は、あえて見ない。逃げるためにも動けるようにしてもらわねーと。
…プレイヤーたちにとって、今の俺様は『他地域の高難易度レイドボスが乱入してきた』に見えるんだよな…間違ってねーけど。
自分達の守る城が、攻められているらしい。その上、どうやら劣勢らしい。
それを悟ったゴーレム達が、右往左往と忙しなく動いている。中にはどうやら労働力であるプレイヤー達を襲っているものもいるらしい。
そもそも、プレイヤーを捕虜にして強制労働させる、とは。
「バグプロトコルが考えてることがよくわかんねーな、おい」
眼鏡を外し、臨戦体制のヌグエン・トラングタン(欲望城主・f42331)は一人呟く。
食欲もまあ、『|欲望竜《ディザイアドラゴン》』としてわかる欲望だし、肯定もする。だが、強制はさすがに否定するし、理解も出来ない。そもそも理解出来ないのがバグプロトコルという存在である……と言われればそれまでだが、今までとあまりに違いすぎる。
とはいえ、ゴーレムやプレイヤー達の足音が聞こえる今、そんな事を考えている暇はない。
「うわぁぁぁっ?!?!」
走って逃げてきたプレイヤー達が困惑に満ちた悲鳴を上げる。それもその筈、完全に|欲望竜《ディザイアドラゴン》モードのヌグエンは高難易度レイドボスにしか見えない。実際そうなのだが。
「てめぇらには用はねぇよ」
彼らに避難を促すべく敢えてそう口にしつつ、視線は絶対に彼らには向けない。というのも、魔眼が剥き出しの今、まともに見てしまっては彼らが硬直してしまうのだ。自主的に逃げられなくなっては困る。
「お前らの相手はこの俺様だぜ!」
魔眼の視線を向けた先で、お互いを強化したゴーレムの集団がそれぞれのタイミングで硬直する。しかし、その効果もこの集団相手では全員に同様に効かせるという訳にはいかず、硬直している間に自身の尾で薙ぎ払おうにも撃ち漏らしが出てくる。
プレイヤーの中にも恐怖で動けなくなっていたりするものも出てきている為、その全てを守りながら敵の全てを倒すというのは、かなり無謀と言える。
「チッ……!!」
ヌグエンが舌打ちをしたその時、彼の横を赤黒い『昔殺』ペイントの量産型キャバリアが駆け抜ける。
「こいつらがオブリビオンか」
聞こえた声は、フォーネリアス・スカーレット(オブリビオンスレイヤー・f03411)のものだった。至極冷静なその声が呟いたその時には、もう既にプレイヤーを追いかけていた一体のゴーレムが薙ぎ払われていた。
いっそ無造作なまでのその一撃に、ゴーレム達の間に混乱が生じた。
「アナタ達は逃げてください。危険ですよ」
その間に、プレイヤー達にシィエー・スミス(エルクの魔女・f31366)は避難を促す。布を被ったずんぐりむっくりとしたシルエットは常であればいくらか警戒されたかもしれないが、この状況での冷静で行動を促す声というのはそれだけで天啓にも勝る価値がある。
プレイヤー達ははっとして、それぞれに避難していく。
「よそ見してんじゃねーぞ!!」
それを狙ったゴーレムは、ヌグエンのUCで強化された防御を貫通するほどの拳により粉々に破壊され、フォーネリアスの電磁居合斬りに真っ二つに切り裂かれ。
ヌグエンとフォーネリアスによりほぼ完璧にゴーレム達は足止めされ、数を減らしていく。
プレイヤー達がいなくなったのを確認したシィエーは、すう、と残ったゴーレム達を見やり、告げる。
「では、行きますよ。――人を彼方へ」
這い寄る混沌と合体し、一時的にオブリビオン化したシィエーの参戦と暗黒非合法殺戮殲滅モードに変形したフォーネリアスのキャバリア、地形をも変えるヌグエンの拳による一斉攻撃より、残ったゴーレム達はあっという間に殲滅されたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
第2章 ボス戦
『シェフ・ナカジマ』
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POW : 今日のメニューだよぉ
手持ちの食材を用い、10秒でレベル×1品の料理を作る。料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療する。
SPD : デザートもあるよぉ
手持ちの食材を用い、10秒でレベル×1品の料理を作る。料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療する。
WIZ : いつもありがとうねぇ
手持ちの食材を用い、10秒でレベル×1品の料理を作る。料理毎に別々の状態異常・負傷・呪詛を治療する。
イラスト:気儘狼工房
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「💠バルタン・ノーヴェ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
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「あれぇ、おかしいなぁ? お城の中が変だよぉ〜?? 食材が来ないなぁ〜……」
キャッスルクリスタルのある最奥の一室でひたすら料理を使っていたシェフ・ナカジマが首を傾げる。
間断なく補充されていた材料が増えない。それに、ゴーレム達の様子もおかしい。
「みんな、警戒だよぉ〜」
ぽむ、ぽむ。
肉球を打ち合わせて音を立てると、こよ部屋の守護を任されているフローティング・ゴーレム達が動き出す。
数はおよそ20。大きな部屋の前面を塞ぐように展開するその後ろに、数々の調理機器と共にシェフ・ナカジマが立ち、更にその後ろにキャッスルクリスタルがある。
ゴーレム達は、侵入者に備え、出入り口である巨大な扉の方へとホーミングレーザーの射出口を向けるのだった。
印旛院・ラビニア
「ここのクリスタルを破壊すれば、いよいよかな」
意気揚々と入ろうとして、向けられたレーザーの数にびっくり
「ランドガルダ! 僕を守って!」
【高速詠唱】【召喚術】でUCの戦乙女を召喚してホーミングレーザーを【庇う】してもらう
「ゆっくり喋ってる余裕はないね。先に攻撃仕掛けて会話イベントをスキップしたのはそっちだしね!」
最初の攻撃でゴーレムの位置を把握して【聞き耳】【見切り】で回避。そのままサーベルで斬りかかるよ。またホーミングレーザーの一斉発射をする気配を感じたら、再びUCでランドガルダを召喚
「集めろ!ヘルヴォール・ドライブ!」
盾の前にナカジマがいるように配置し、攻撃を収束させて相手を巻き込む
ヌグエン・トラングタン
ああ、そういや城攻めはそのまんまなんだっけか。
てことは、何か仕掛けあると思っておいた方がいいな。
硝子のギルドペンで『一』を書いて、UC使って…武器とみなした『空気』を盾にしとくか。
…やっぱり、何考えてんのかわかんねーな、おい。
はは、本当に厄介なもんだな、バグプロトコルは!
が、狙うはあのキャッスルクリスタルだな。さらに硝子のギルドペンで『一』書いて、弾数を増やすか。
ついでに、俺様は尻尾で薙いだり、貫通攻撃のついた鉄壁の拳で殴るがな!
それに、今回は金翅蝶が相手を切り刻もうと翔んでるからな!
巨海・蔵人
アドリブ改変歓迎
■目的
話を聞くとどうも危険なスペシャルメニュー
つまり、フードファイターでもある僕が食べちゃうのが一番だね、
お腹も空いてるし丁度いいね。
ゴーレムさん達は戦闘中も納品は受け付けてくれるみたいだし
■元からご飯大事
扉を開けると狙い撃ち…
つまり扉を引き開けて通路を塞ぎつつ、
壁から入れば良いんだね。
向こうの壁をパンダ師匠にやってもらうからこっちの壁は僕が、
幸い納品クエストに必要な食材は把握できてるしね、
壁を食材に変えつつエントリー
こんにちは〜
納品担当の方がいないから直接持ってきました!
ご飯下さい!
食材が足り無いならそのへんとかゴーレムから切り出して更に納品!
僕もいっぱい食べれてWINWIN
スターレイル・エストレジャ
バグキャラは破壊する為にある…
『いよいよ、本番だね…!』
アウラも気合十分だ
【迷彩】で姿を消しながら【オーラ防御】を展開しながら狙撃しやすい場所へ移動する
たぬきを先に殴る…!
【UC対策】
ゴーレムの攻撃は【オーラ防御】で防ぎながら【視力】で見ながら【推力移動】でゴーレムに近づき【覇気】と【属性攻撃】を纏い殴り飛ばした後、本命の料理人に近づき【斬撃波】を放つ
『これ以上料理はさせないよ!』
アウラを【心眼】と【視力】で敵を見ながら【スナイパー】でUCを発動し植物で敵を攻撃する
たぬきは殴る為にある…はあ!
指定UCの効果でUCスターダストエースを発動して横に薙ぎ払うようにゴーレムを殴ってから敵を殴り飛ばした
あらかたゴーレムを片付け、最奥部の部屋にたどり着いた猟兵達。
──そういえば、城攻めのルールはそのままだったんだな。
プレイヤー達の動向やらバグプロトコルの意味不明な行動やらで一瞬すっかり失念しかけていたヌグエン。
しかし、だとすればこの部屋にはそれなりの防衛機構が備わってると考えるべきだろう。
ヌグエンは戦闘と罠に備え、硝子のギルドペンを手に、戦闘の準備を開始する。
ヌグエンと同様に、城攻めクエストの大詰めへ向けて心構えを始めるラビニア。
「ここのクリスタルを破壊すれば、いよいよかな」
カードの準備はばっちり。あとは戦況に応じて判断して、動くのみ。
『いよいよ、本番だね……!』
気合い十分なアウラに、スターレイルは頷く。あと少し。ここに潜む敵を倒せば、それで終わりだ。
「いくよ」
スターレイルは、他の面々の準備が終わっているのを確認してから、時計を見る。申し合わせた時間は、あと数秒。
ギギィ……。
扉が開く軋んだ音。そして、扉を開いた部屋の中には。
「うおわぁっっっ?!?!」
ラビニアの悲鳴が響く。室内に居並ぶフローティングゴーレム達の砲門は、全てが猟兵達へと向けられている。
「やっぱり、何考えてんのかわかんねーな、おい」
ヌグエンが呆れたように呟くのとほぼ同時に、ゴーレム達の砲門が淡く光を放ち始めた。
「はは、本当に厄介なもんだな、バグプロトコルは!」
先ほど空に描いて準備しておいたーを操り、盾のように前方に配置するヌグエン。ラビニアは高速詠唱で戦乙女・ランドガルダを召喚する。
「召喚! 盾の戦乙女・ランドガルダ!」
ヌグエンの配置した防御用のーの援護を受けたランドガルダには、並大抵の攻撃は届かない。
ラビニアの指示に従い、ホーミングレーザーの一斉掃射をランドガルダが全てを収束させていく。そのひと束になった超強力なレーザーでさえも、ランドガルダに傷一つ付けることは出来なかった。
「みんなぁ〜! 頑張るんだよぉ〜! 負けちゃダメなんだよぉ!!」
対するゴーレム達も、攻撃をやめるつもりはないらしい。お互い一歩も引かないその均衡はしかし、次の瞬間壁が弾け飛んだ事で崩れ去る。
「こんにちは〜! 納品担当の方がいないから直接持ってきました!」
朗らかに言い放ち、足取り軽く壁の穴から部屋にやってきたのは蔵人。向かい側の壁も相前後して崩れ落ち、その向こうからは蔵人のUCで呼び出したパンダ師匠が現れた。蔵人は用意した食材を、パンダ師匠は壁を食材に変えて、ずんずんと前進する。
「ご飯下さい!」
「な、なんなんだよぉ〜??? クエスト参加者の方なのぉ????」
突然の出来事に、シェフ・ナカジマは困惑の表情を浮かべる。バグプロトコルとはいえ、そんな食欲の権化のようなものに詰め寄られるとは思っていなかったのだろう。
「食材、足りないですか? それなら、もっと持ってきますね!」
その困惑を勘違いした蔵人とパンダ師匠は、今度はゴーレムを殴っては欠片を食材にしていく。
「ちょ……こま……困……」
シェフ・ナカジマの混乱と横からの攻撃。壁からの蔵人達の登場により、隙の無かったゴーレム達の陣形が大崩れする。
「たぬきは殴る為にある……」
その隙を突き、迷彩で身を隠して移動していたスターレイルは、ゴーレム達をスルーして、アウラの援護を受けつつシェフ・ナカジマへと突進していく。推進移動で勢いをつけ、そして、覇気を乗せた拳を振るった。その打撃をモロに受け、吹き飛んでいくシェフ・ナカジマ。そこへ追い打ちをかけるように、スターレイルは衝撃波を放った。
追い詰められていく主人の危機に、ゴーレム達がシェフ・ナカジマの方へと一斉に動き出す。
「はは、本当に厄介なもんだな、バグプロトコルは!」
そう笑うヌグエンだが、もう既に仕込みは済んでいた。
鋭い音をさせ、ゴーレム達のその間を、きらきら金色の翅を羽ばたかせ、金翅蝶が舞っては、ゴーレムを切り裂いていく。残ったゴーレム達は、ヌグエンの尻尾が薙ぎ払う。
「狙える……!!」
たまたま開けた視界に、スターレイルが呟く。傍にいたアウラにも、その意思は過不足なく伝わった。
「デザートもあるよぉ!! みんなまだまだ、お仕事がおるよぉ〜!! 起きて起きて!!」
カンカンカン、と鍋とお玉を打ち鳴らすシェフ・ナカジマへと、アウラは狙いを定める。。そして。
『これ以上料理はさせないよ!』
プロキオンショットを放ったアウラ。そこへ走り込んだのスターレイル。
「運命は壊す為にある……!!」
防御を無視するスターダストエースの一撃は、シェフ・ナカジマのお腹の真ん中へと直撃した。シェフ・ナカジマがその衝撃で吹き飛んだ事により、その向こう側のキャッスルクリスタルがラビニアの視界の真ん中に映る。
「クリスタル……!!」
この城攻めクエストのポイントは、敵の殲滅でらなくキャッスルクリスタルの防衛にある。ゲーマーとしての知識と勘と経験が、この場の誰よりも早くラビニアを動かした。
床を蹴り、ゴーレムや転がった調理機器を避けながら、ラビニアは召喚したランドガルダと共に、刃を振り被る。
「ここだっ!!」
そして、挟まれるように攻撃を受けたキャッスルクリスタルは、淡く輝きながら、砕け散ったのだった。
「…………ご飯、食べ損ねちゃったなぁ。美味しそうだったのに」
あと少しで食べられたんだけど。
クエストクリアによって活動がストップしたゴーレムとシェフ・ナカジマに、蔵人は寂しそうに肩を落としたのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第3章 冒険
『収容所からの脱出』
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POW : 心の折れそうな人々を叱咤し、励ます
SPD : 監視の目を掻い潜る脱出ルートを見つけ出す
WIZ : 分かりやすく簡潔な指示を伝える
イラスト:シロタマゴ
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●
猟兵達の活躍により、キャッスルクリスタルは砕かれた。だから、クエストクリアで、プレイヤー達は無事解放される。
そう思った猟兵達だが、しかし、事件はこれで終わらなかった。
砕け散ったキャッスルクリスタルの欠片に、ちらちらと動く影……それは、ゲーム内世界ではない、現実の強制収容所のような場所だった。恐らくは、この城に囚われていたキャラクター達のプレイヤーが、統制機構で今置かれている状況なのだろう。
そして、不思議な事に、こちらからの音声もあちらからの音声もきちんと届いているらしい。猟兵達が叫べば、向こうのプレイヤー達が反応する。
実在する場所なのであれば、統制機構に住んでいる猟兵達なら、あるいは乗り込む事も可能だろう。
猟兵達は、プレイヤー達を解放するべく、それぞれに動き出す。
印旛院・ラビニア
クリスタルのかけらから内部の情報を集めるだけ集めたらログアウト。現場に向かう
「何ができるかはわからないけど、できる限りのことは」
顔がバレないようパーカーを目深に被って変装して収容所の近くまで行くよ。武器として金属バットあたりをリュックにでも入れて持って行こうか
監視や人目に気づかれないよう【忍び足】で近づき、裏口あたりに【ハッキング】を仕掛けて解錠を試みる
あとは忍び込んで指示を受けつつ脱出の手引きができればいいけど、警備に見つかったら強行突破
「ゲームの感覚を思い出せ。頑張れる。やるぞ!」
音や挙動で動きを【見切り】、【カウンター】を入れるようにして警備を倒す。警備から何か装備を奪えれば更に御の字
ヌグエン・トラングタン
なるほど、何考えてんのかわからなかったが…現実でもってかよ。
バグプロトコルと繋がってたってことだな。
…………ふざけんな統制機関!!
苛つくのは統制機関に対してだ、プレイヤーにはねぇ。
悔しいが、俺様は指示出すしかねぇんだよなぁ…。
鍵がかかってたら壊せ。
おい、イヤホンでもヘッドホンでも。紐状の物は持ってけ。見張りドローンがあった場合、絡ませて落とすくらいはできるだろ。
そしてな、俺様は欲望を肯定する存在だ。停滞でなく、育つを後押しするものだ。
お前らは!そこで!終わるやつじゃなぇだろ!!
巨海・蔵人
アドリブ連携改変歓迎
■心情
これはつまり、
このクエストを利用してGGОプレイヤーの特定と身柄を確保する方法が確立しちゃったのかな?
遺伝情報から逸れた労働力の使用や、僕たちがあちらの世界にいない事も…
そして、肥ったり人が変わった人は現実でナニカされた改造アカウント?
つまり、シェフ中島のスペシャルメニューはただのブラフで存在しなかった!?
■アキクサさん現実に行って
うーん、配信経由で使えるUC、
リトルフラワーズは今回使いすぎてるし、
今回はアキクサさんに実体化をといて、あちらに送り込んで再実体化してみよう。
施設のマッピングや監視網の把握。
ナビや生活のお手伝いお願いするね、
端末とかあれば中に入ってみてね!
「なるほど、何考えてんのかわからなかったが……現実でもってかよ」
クリスタルの欠片を覗き込み、ヌグエンは心底恨めしげに吐き捨てる。向こう側に映るのは、生気のない表情の人々。
統制機関は、バグプロトコルと繋がっていた……つまり、そういう事か?
今起きているこの現実を見れば、その真意や真相、意図や思惑はさておき、そうとしか思えない。
しかし、その関係性を暴き、断罪するには情報が足らない。
とにかく今出来るのは、この向こうの人々を解放する事だ。
ふざけんな、統制機構!!
ヌグエンが抱いた苛立ちは、プレイヤーに対してではない。
「とはいえ……俺様は指示を出すしか出来ねぇんだよなぁ……!! おいお前らっ!! 諦めんな!!」
クリスタルの向こうの人々に叱咤激励の声を掛け続けるヌグエンにより、彼らも幾分かやる気を取り戻しつつあるようだ。
「そこ……向こうに窓があるな。ビルが見える……そこのやつ、こっちこい。お前とお前、居住地が近いな?」
励ましつつ、順番にクリスタルを覗き込み、ステータスオープンで一人一人の情報を得ていくヌグエンは、先にログアウトしたラビニアへと情報を流していく。
一方、蔵人はというと別の方向で落ち込んでいた。
つまり。
「肥ったり人が変わった人は現実でナニカされた改造アカウント? つまり、シェフ・ナカジマのスペシャルメニューはただのブラフで存在しなかった!?」
実際にシェフ・ナカジマの料理にありつけなかったところが、蔵人のその論を裏付けているようにも思えるが、そもそもシェフ・ナカジマ亡き今真相を確かめるのは至難の業だ。プレイヤー達に聴取しようにも、何らかの洗脳や催眠、暗示を施されている可能性も否定出来ない。
「うーん……まぁ、それは置いといて。こっちから出来る事……」
悩む事数秒。
「アキクサさん、あっちに行ける?」
アキクサインコにそう問うと、アキクサインコは任せろとばかりに頷き、実体化を解きデータと化して電子の海を渡り、様々な演算を経た後、UCであるアキクサインコはぽこんと統制機構にある収容施設に姿を現した。
助けなど来ないと思っていた人々は、その存在にかつてないほどに励まされ、表情に活気が漲った。それを見たヌグエンは、ここぞとばかりに声を張り上げる。
「お前らは! そこで! 終わるやつじゃなぇだろ!! 鍵があるなら壊せ!! コードでもイヤホンでも靴紐でもズボンの腰紐でも何でも良い!! 使えそうなもんを待て!!」
紐は案外使い勝手がいい。プロペラや車輪を絡ませて、使い物にならなくする事ができる。うまくすれば、監視用ドローンくらいは落とせるだろう。
人々がそれぞれに行動を始め、目ぼしいものを手に取ったその時。
「っ、鍵が開いた……!!」
誰かが呟く。収容施設に辿り着いたラビニアが、裏口をハッキングして内部に搬入、セキュリティシステムをダウンさせたのだ。
「アキクサさん、みんなをよろしくね」
蔵人の依頼に従い、アキクサインコ達は手分けして可能な限り監視を撹乱し、安全なルートを共有し、やがて。
「こっち!!」
金属バットを片手に携え、合流したラビニア。彼女の通って来た通路には、警備員数人や監視用のドローンがばたばたと転がっていた。幸いなのは、お互いの動きが素早かった為に警備の人数が少なかった事だろう。
しかし、ここは異常が発生してから幾らかの時間が経って尚、無反応でいるようなガバガバセキュリティではなかったらしい。通路の向こうから、人やドローンなどの警備システムが集まりつつあった。
「ここまで来たんだ。ゲームの感覚を思い出せ。頑張れる。やるぞ!」
ラビニアはそこらに転がった警備員から警棒を奪い、近くにいた一人に握らせる。それを見た他の面々も同様に、装備を整え、やる気に満ちた表情で大きく頷いた。
彼らが無事収容施設から脱出したのは、それから十数分後の事。今回は幸いにして、その部屋にいた全員が多少の怪我はあれども脱出する事が出来た。
しかし、同じような事がこの統制機構の内の何処かでも起こっているだろう事は想像に難くない。統制機構の真意、事件の黒幕、真相。事件の背景は謎に包まれているものの──ひとまずは、一つの事件がこうして解決するに至ったのだった。
大成功
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