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バトル・オブ・ジンギレス-食い気VS色気-

#サイバーザナドゥ #トリニティ・デザイア

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#サイバーザナドゥ
#トリニティ・デザイア


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●花か団子か
 メガコーポより、雇われのニンジャ・クランに命令が下された。下層にある一角に歓楽街を作るため、邪魔になるものを排除しろとの話だ。
 ここはヤクザ組織のシマであり、その連中を皆殺しにすればあとはどうとでも制圧できるという。
 実のところこの土地に対した価値はない。始める事業も小銭稼ぎ程度のものにしかならないだろう。ただ、ここは同じ会社の別部門が一度縄張りとし、そして撤退した場所だという。
「つまりそこを自分のものにしてアガリを出して当てつけにすると……我が雇い主ながらせこいこと考えるわねぇ」
 メガコーポ内の内輪揉めに駆り出されることに若干の愚痴を漏らしつつ、狐面の女ニンジャが渡された資料に目を通す。そこにはそのヤクザたちの実働部隊を仕切る|リーダー《カシラ》格の男の写真が添えられていた。
「あら……なるほど、こいつは中々いい男じゃない。丁度筋肉成分が足りないと思ってたところなのよねぇ」
 そう言ってニンジャは周囲を見る。そこには見眼麗しい男女の氷像が何体も並んでいた。
「では承知しました。『サイバーくノ一「吹雪夜叉」』、お役目拝命させていただきます……コン♪」
 わざとらしくふざけた語尾を付け加え、女は面の下で笑むのであった。

●花が団子を狙ってる
「お疲れ様。今日はサイバーザナドゥでの依頼よ」
 子豚・オーロラ(豚房流剣士・f02440)が集まった猟兵たちに声をかける。
「下層でニンジャとヤクザの抗争が開始されるの。それ自体はサイバーザナドゥでは日常レベルのことなんだけど、片方がメガコーポの配下、もう一つは反メガコーポ組織なのよ。だから反メガコーポの方に協力してきて欲しいの」
 ヤクザもニンジャもこのマッポーの世に蔓延る暴力装置であることに変わりはない。だが、そこにメガコーポとそうでない者という肩書が振り分けられた時、猟兵の介入する余地が生まれる。
「メガコーポ側なのはニンジャの方。彼女たちは広めの空き地を占拠、そこを仮拠点にしてヤクザ達を挑発し抗争に持ち込んでいるわ」
 シマでよそ者に好き勝手されて黙っているヤクザはいない。たとえわかりやすい挑発でも乗ってしまうのは仕方のないことだ。
「両者が激突するところに割り込んで、ヤクザ側に味方して頂戴。ヤクザは猟兵と盃を交わした仲だから、身分を明かせば受け入れてくれるわ」
 ヤクザではあるがそのシノギは食を通し人々に安全を供給する清廉なものだという。

「まず出てくるのは、『アサギリ劣化クローン』というくノ一集団。その名の通り過去にいた有名なニンジャのクローンね。実力は本物には遠く及ばないけど、それでも全身の感覚を三千倍にして高い反応速度で攻撃してくるわ。生産する際に成長度合いを意図的にずらして止めているみたいで、元は同一人物ながら色んな年齢の個体がいるわ」
 その感覚のせいで少し使うだけで簡単に壊れてしまうが、そもそもそういうものとして大小の組織に普及している存在らしい。

「で、それを退けたら『サイバーくノ一「吹雪夜叉」』というニンジャね。彼女は雇われた傭兵みたいなもので、氷結と誘惑が得意技よ。気に入った相手を氷像にしてコレクションする趣味もあるみたい。メガコーポへの忠誠自体はそこまで高いわけじゃないけど、ニンジャの矜持として受けた命は完遂するし実力もかなりのものよ」
 依頼をこなす傍ら自分の欲求も満たすため、趣味と実益を兼ねてメガコーポに雇われているニンジャだという。

「で、それを倒せば依頼は終わりね。これで解散してもいいんだけど、ヤクザは受けた恩は返すとばかりに皆を自分のお店に案内しようとするわ。そこはしゃぶしゃぶ屋なんだけど、彼が独自のルートで仕入れた肉や野菜、締めのうどんなんかもあるサイバーザナドゥとは思えない品ぞろえよ」
 まさにその店で猟兵とそのヤクザは固めの盃を交わしている。味や品質については信頼していいだろう。
「ヤクザ達が接待してくれる他、個室もあるから少人数や一人でゆっくり楽しむこともできるわ。以前にも一度このお店で会食が開かれてるけど、もしかしたらその後開発されたメニューとかもあるかもしれないからその辺りも試してみてもいいかもね。相手が欲しかったら私も付き合うから、声をかけてちょうだい」
 既にヤクザと猟兵は|癒着《同盟》関係。希望を聞き、意に沿うような料理やロケーションのセッティングをしてくれるだろう。

「このヤクザ達も以前からメガコーポと小競り合いはしていたけど、今回の事でより明確な『戦争』を意識し始めるかもしれない。もしそうなれば、いざというときには必ず力になってくれるはずよ」
 倒すべき敵、目指すべき世界は同じなのだ。彼らの『暴力』はその時正しき力として向かうべき所へ向かうだろう。
「そういうわけだから、この喧嘩に一枚噛んでうまい汁を吸ってきてちょうだい。それじゃ、よろしくね」
 そう言ってオーロラは、抗争の只中へと猟兵を送り出すのであった。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。今回はサイバーザナドゥでのシナリオです。

 メガコーポに雇われた女ニンジャと地元のヤクザが抗争しているので、ヤクザに味方しニンジャをスレイしてきてください。

 第一章では『アサギリ劣化クローン』との集団戦。外見年齢は様々ですがすべて同一人物のクローンです。耐久力は皆無ですが反応速度はすさまじいです。

 第二章では『サイバーくノ一「吹雪夜叉」』とのボス戦。様々な氷結系の攻撃を使いこなし、気に入った相手は自分のコレクションとして氷像にして持ち帰ろうとします。妖艶さを押しだしたりわざとらしく語尾を変えて挑発したりと誘惑系も得意。

 第三章ではヤクザの経営するしゃぶしゃぶ屋で食事会。ヤクザや若い衆が接待してくれる他、少人数向けの個室や一人での食事も可。お呼びいただければオーロラもご同席いたします。

 以下ヤクザ詳細。

 『食鮮組』 独自に上物の|ブツ《食材》を仕入れるルートを持ち、それを格安で捌くことをシノギとしている。バリバリの反|社《メガコーポ》集団であり、今回はカシラと呼ばれるサイボーグのヤクザウォリアー×正義の味方を先頭に、何人かの|チンピラ《スタッフ》たちがニンジャと抗争中。猟兵とは以前(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=41508 読む必要はなし)盃を交わした仲。

 それでは、プレイングをお待ちしています。
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第1章 集団戦 『アサギリ劣化クローン』

POW   :    アサギリ少女クローン
自身の【神経反応を三千倍にすること】を代償に、【アサギリ劣化クローン(少女)】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【備えた技術と若々しさに溢れる身体】で戦う。
SPD   :    アサギリ幼女クローン
自身の【神経反応を三千倍にすること】を代償に、【アサギリ劣化クローン(幼女)】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【技術は未熟だが活発に動く小柄な身体】で戦う。
WIZ   :    アサギリ大人クローン
自身の【神経反応を三千倍にすること】を代償に、【アサギリ劣化クローン(大人)】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【熟練の技術を駆使する妖艶な成熟した身体】で戦う。

イラスト:沖田龍

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「ここは立ち入り禁止だ。シマの連中にはよーく叩き込んどいたはずなんだがなぁ?」
 後ろに大量のガラの悪い男を従えたオールバックの男が、サングラスの奥から鋭い目を輝かせ凄む。その視線の先には、アイマスクを付けた集団を従えた狐面の女ニンジャ。
「それは困るわね。お客さんが来ないじゃない」
 ニンジャは胸の下で腕を組み、わざとらしく溜息をつく。
「なんたってここは貧乏人向けの粗製乱造薄利多売……おっと、どんな方にも余さず気持ちよくなっていただく素敵な花街の建設予定地なんですもの」
 明らかに前半の方を強調しつつ言うニンジャ。
「マーケティングってやつが足りねぇんじゃねぇのか? ここでそういうゴミ溜めが一つ潰れてんだよ。不幸にもヤクザ者のカチコミにあってな」
 まさに自分がやったことを上げ、そうなりたくなければ消えろと言外に脅すヤクザ。その言葉に、ニンジャはまたもわざとらしく身を震わせた。
「ああ、怖い、怖いわぁ。こんな怖い人がいたらますますお客さんが来なくなっちゃう。だから……」
 アイマスクの女たちが、無言で前に出る。
「こんな人たちには、いなくなってもらわなきゃ……コン♪」
 馬鹿にしたように付け加えた語尾に反応するように、女たちは武器を抜く。それに返すように、ヤクザは上着を脱ぎ捨てた。
「上等だ、ヤクザ舐めて生きて帰れると思ってんじゃねぇぞ」
 腹に飲んだマグナム級チャカと高振動ブレードドス。そして露になった背には黒毛和牛の刺青。それに従うように、後ろのチンピラたちも己の武器を抜いた。
 ここに|ニンジャ《メガコーポ》と|ヤクザ《レジスタンス》の抗争が始まった。猟兵よ、盃交わした任侠者と共に、筋を通さぬ外道をいわしたれ!
儀水・芽亜
ヤクザともニンジャとも無縁に生きたい気がします。世界が変われば、ヤクザ者が正義の味方ですか。
まあ、郷に入れば郷に従え。これも|巨大企業群《メガコーポ》の企みを潰すため。

「全力魔法」「範囲攻撃」で胡蝶の盾を展開。黒揚羽を傘状に密集させた盾で防御しつつ、残りの黒揚羽の濃密な群を周囲に配置します。
反応速度がどうであれ、蝶の群に飛び込んだ時点で、「呪詛」による「マヒ攻撃」を注ぎ込まれ、生命力吸収・「魔力吸収」で干からびるだけのこと。

「集団戦術」でヤクザの皆様と協力して動きましょう。必要なら傘状の盾をヤクザさんたちの周囲に生成して防御も担いますし。

万一全てを突破してきた相手のため、裁断鋏も準備完了です。



 ヤクザは言わずと知れた犯罪組織だし、ニンジャも本来は暗殺などの非合法活動を含めた諜報機関。普通の世界で普通に生きていれば関わることはないし、もし関わってしまえばそれは人生に支障をきたすほどの面倒事になるだろう。
「ヤクザともニンジャとも無縁に生きたい気がします。世界が変われば、ヤクザ者が正義の味方ですか」
 だから、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)の感想は至極真っ当といえた。
 だが、サイバーザナドゥは世界全体が悪と腐敗に世界されている世界。
「まあ、郷に入れば郷に従え。これも|巨大企業群《メガコーポ》の企みを潰すため」
 その巨悪に従う者と逆らう者、その内訳に従えば、猟兵としてどちらにつくかは明白であった。
「さあ、可愛い私の分身たち。私を否むその感情を喰らってしまいなさい」
 【胡蝶の盾】を展開しヤクザの側から現れた芽亜に、ニンジャとヤクザの視線が集まる。
「あら、可愛らしい組員さんもいるのね」
「こいつはウチのもんじゃねぇ……が、もっとヤバい連中だ。そうだろ?」
 かつて猟兵に助けられたことのあるヤクザのカシラがその正体を察し言う。それに応えるように、芽亜は蝶の群れを自身の前に集めながら前に出た。
 それとほぼ同時に、アイマスクのニンジャたちが前に出て芽亜へと切りつけた。敵と思える存在の登場から攻撃までの速さはまさに一瞬ともいえるもの。
 だがその剣は、傘の如く密集した黒揚羽の群れに止められていた。
 無限に湧きだす黒揚羽の群れは芽亜一人の体を覆い尽くすことなど容易い。そしてそれを意図的に防御に向いた形に集めれば、並の攻撃など跳ね返せる盾にもなる。
 切りつけたニンジャたちは蝶の群れから離れようとするが、その動きはすぐに止まる。そしてその豊満な体が干からび、ミイラのようになって砕けて消えた。
 蝶はただ固いだけではない。それは生命力吸収の力を芽亜にも齎すし、守りの裏から増強されたマヒの呪詛を流しておけば反撃する盾にもなる。神経の反応が強いということは、そこを攻めるような攻撃の周りも早いということ。そして事前の説明通り、任務の成否にかかわらず使い捨てである彼女たちは僅かな生命力を奪うだけで簡単に命尽きる存在であった。
 正面突破は不可能と悟ったクローンニンジャたちは、一度引いて横に広がる陣形を取った。そして素早く周囲を迂回し、芽亜の後ろへと回ろうとする。
 そこから狙うのは周囲のヤクザたち。彼女らの下された命は『ヤクザの殲滅』なのだ。ならばまず弱い所の数を減らすべしと考え方を切り替えたのだろう。
「皆さん、塊になって私の近くへ」
 芽亜はヤクザ達に指示を出す。それを受けてヤクザ達が芽亜の近くにくるのと、その身に刃が突き出されるのはほとんど同時だった。
 だがその先端は、やはり黒揚羽の盾に弾かれる。そして動けなくなった体を、ヤクザの持つドスが突き刺した。
 ヤクザ達を指揮し自分の取り巻きのようにすることで、自分の纏う黒揚羽を分けやすくする。相手が集団で来るしこちらにも味方がいるのだから、集団戦術を持って彼らにも自身の力となってもらう。
 相手が反応速度特化で簡単に壊れるような存在なのだから、相手がどんな判断を下しても自分の力の内にするようにすれば相手を捉えて滅することができる。
 攻めあぐねる状態となったクローンニンジャたち。だが、その鋭い目は分けて薄くなった黒揚羽の一瞬のスキを見逃さなかった。
 そこを縫うように刃をつき込み、芽亜の命を取ろうと踏み込む一体のニンジャ。揚羽の盾をすり抜けたその身は。
「もちろん、こちらも準備完了です」
 芽亜の持つ裁断鋏によって貫かれていた。例え強靭な守りであっても隙を生じる可能性はある。用心を重ねて困ることなどない。止まったニンジャの体は、すぐに黒揚羽に押し出されながら朽ちていく。
 それからも黒き傘の内を貫くこともできず、ただニンジャたちはその数を減らすのみであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死絡・送
POW
アドリブ絡み共闘歓迎
「義理によって参上、猟兵として助太刀する」
ノーブルバットに変身して登場。
まずは距離を取り、サーヴァントバットを牽制として飛ばして攻撃。
事前情報から周囲の環境を利用し敵のに包囲されたり死角からの
奇襲を避ける為に下手に一か所にとどまらず
動き回る戦法で移動する。
接近戦ではワールドライトブレードと素手。
中距離から遠距離はサーヴァントバットと使い分けて攻撃する。
敵の攻撃は、回避を主体に防御。
ユーベルコードで出た敵には近接はジャストガードとカウンターで
防御からの斬撃による反撃を試み剣と素手を使い分けて戦い対抗する。
タイミングを計り、ユーベルコードで範囲一体に光子魚雷を放つ。



 ヤクザ側に現れた頼もしき援軍。それは一度で終わりではない。
「義理によって参上、猟兵として助太刀する」
 続けて死絡・送(ノーブルバット・f00528)がヒーロー姿のノーブルバットに変身して現れた。
 続けて現れた敵を、クローンニンジャたちが素早く取り囲もうとする。だが、送はその前にサーヴァントバットを飛ばし、敵の展開を牽制しつつ距離を取った。
 だが、敵の反応速度は聞いていた通り凄まじく高い。牽制も瞬時に見切り、それらを切り裂き、あるいは跳び越え送に迫ろうとする。
 一体のニンジャが送が囲まれないよう背にした壁を蹴り、死角からの急襲を狙った。だが、送も即座にその壁を捨て移動。無暗に安地に籠ろうとはせず、送は一か所に留まらず動き続けることで捉えられないようにした。
 直接の切りつけは当たらないと見て、手にした小太刀を投擲するニンジャたち。それに対しても送は跳び、駆けて躱し直撃を許さない。
 数の利を上手く活かせず、包囲の形を取れないクローンニンジャたち。だが、牽制と退避だけでは送の側も相手を殲滅することは出来ない。この硬直、先に崩すのはどちらか。
 ニンジャたちが付けるアイマスクがかすかに駆動音を上げる。それに呼応するように、控えるニンジャの集団から十代後半程度の少女たちが群れを成して飛び出してきた。
 その動きはニンジャを名乗るに相応しい鋭さを持ち、肉体はそれを乗せて十全の効果を見込める溌剌さ。技と体のバランスが最もとれた動きが、送を一気に仕留めんと大量に迫った。
「来るか!」
 ここに来て、送もあえて一旦退避を止める。至近に迫って来たものを光剣『ワールドライトブレード』で切り裂き、さらに逆側から来たものを素手で掴んで投げ飛ばす。その二本の手の間をすり抜けてこようとした相手は蹴り飛ばして押し返し、後続に続こうとした相手にぶつけて追撃を阻止した。
 一方的は近接戦だけを狙ってはいない。囲みの外から手裏剣……もといスリケンと言うべき小型武器を投擲し送の動きを縛ろうとする。それに対しては牽制球であったサーヴァントバットを勢いよく射出し、弾丸のようにぶち当てることで妨害と攻撃を図った。
 それにより一旦敵の攻勢は止まる。だがその一瞬後、ここが決め時とばかりに次の敵が一斉に向かってきた。
 しかし決め時と見たは送も同じ。自身に迫る敵の攻撃を剣によって止め、そのまま武器を押し出して切り裂いて倒す。
 消えていく相手の向こうには既に次の敵が続けて攻撃にかかっており、それは素手で殴り飛ばして押し返す。だが先の攻防とは違い、いくら相手を倒しても今度は絶え間がない。それ故に、今狙うのは目の前の敵の殲滅ではなくごく一瞬の時間稼ぎ。
 すぐさま次陣が攻めかかってくるところに殴った相手の体に伸ばした自分の腕、突き出した武器を全て伸ばし間に合わせの防壁を作る。敵は当然それを三千倍の速度で回り込むが、欲しかったのはその一瞬。
「全てを光に変えて消す!!光子魚雷、射て~~~~~~~っ!!」
 その一瞬に、送は【光子魚雷一万発発射!!】を放った。今度は一体ずつの対処ではなく、射程内にいる全ての敵の一斉殲滅。たとえ三千倍の反応速度でも、攻めから迂回にかかっていたほんの一瞬にその速さを使っていては二度目の回避はない。
 全ての敵を光子魚雷が襲い、直撃した者はもちろん躱そうとしても僅かにでもかすれば三千倍の感度がそれを致命的ダメージにまで引き上げてしまう。
 光の嵐が収まった時、そこには女ニンジャの姿はすべて消え一人の男のみが残るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
ヤクザさんはお久しぶりですねぇ。
協力させて頂きますぅ。

『FAS』により飛行、『FLS』で|全『祭器』《未装備含む》を召喚展開後、空間歪曲障壁を形成しまして。
『FPS』により敵方の狙いを探知、危険そうなヤクザさんがいれば『FMS』でガードしますぅ。

【乳霹宙】を発動し広域へ『乳白色の雷』を放射、[範囲攻撃]を仕掛けましょう。
三千倍の神経速度でも『雷』の速度を回避するのは極めて困難、命中すれば『雷球』で包み『拘束&継続ダメージ』が発生しますぅ。
『神経反応』強化状態に対する『電撃』は通常を大きく上回る効果が見込めますので、更に『FRS』『FSS』の[砲撃]で[追撃]しますねぇ。



 ヤクザ達は猟兵の参加を快く受け入れている。その理由は、かつて彼らが猟兵に信を置くようになる一件があったからだ。
「ヤクザさんはお久しぶりですねぇ。協力させて頂きますぅ」
 夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)もその件に関わった一人であった。
「おう、あんたも来たか。相変わらずいい話にゃ鼻が利くみてぇだな」
 具体的なことはもちろん分かってはいないが、猟兵が独自の情報源を持つことを知っている彼は顔を知るものが来たことを驚くようなことはない。
「なぁに、こういう『お肉』も商売にしてるの? 流石に引くわぁ」
 吹雪夜叉が馬鹿にしたように笑いながら言う。
 その前で、るこるは宙に浮きながら空間歪曲障壁を形成。それと同時に、所持している兵装をありったけその場に展開した。
 それに対して一人のニンジャが手裏剣を投げるが、それは簡単に逸れて当たらない。だが、その軌道を見てすぐさま遠距離は無駄と判断したか、すぐさま後ろに回りヤクザたちの方への攻撃を図った。
 それに対しては、防御用障壁をそちらに向かわせることで弾き返す。敵の狙いは第一にヤクザを殲滅してこの場を制圧すること。強大な障害であれ猟兵を倒すことは過程に過ぎないと、るこるは兵装の一つ『FPS』を使い知っていた故防御用はそちらに向けていたのだ。
 やはり猟兵を排除しなければ目的は果たせない。そう悟ったか少女型のニンジャたちが大勢飛び出し、一斉に飛び掛かった。
 大量の兵装がそれを迎え撃ち、一撃でも当たればそれで簡単にニンジャは倒される。だが展開した兵装すらも超えるほどのその数は仲間を盾にした飽和攻撃でその囲みを強引に突破にかかっていた。
 クローンとニンジャという二重に命を惜しまない存在は伊達ではない。それならばと、るこるはさらなる攻撃をその場に広げた。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの御印をここに」
 【豊乳女神の加護・乳霹宙】による乳白色の雷が周囲を覆う。そしてそれがニンジャの体を掠めた瞬間、そのニンジャは激しく痙攣し地に倒れた。
 地面で泡を吹き、びくびくと痙攣してそのまま息絶えるニンジャ。他のニンジャたちもまるで燻された虫のように、飛び込んでは痙攣して倒れていった。
 何しろ彼女たちは感度三千倍。電流による神経へのダメージはことさら致命的だ。
 もし一瞬耐えても、結局継続ダメージを受ければすぐに耐えきれず消えていく。何しろ彼女たちにとって電撃が一秒続くというのはその三千倍である三千秒……五十分ダメージを受け続けるに等しいのだ。
 倒れるニンジャたちの目こそマスクに隠れ見えないが、凄まじい狂った表情をしているだろうことは想像がつく。
 だが、運がいいのか悪いのか、そのダメージにすら耐えてしまう者がまれにいた。それに対しても、るこるは上から砲撃を重ねて確実に仕留める。
「あらぁ、ちょっとやめてくれない? それで耐えたのってたまにある『アタリ』なんだからぁ」
 吹雪夜叉は倒される配下を見て、その攻撃に的外れ……あるいは彼女の雇い主の意向に沿ったような文句をつける。
 それに構うことなく、るこるはクローンニンジャたちを捉え、倒し続ける。それはるこるが食と色、どちらにつくのかを明確に示しているかのようでもあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【SPD判定】

ドーモ、食鮮組のヤクザちゃん、女ニンジャちゃん♪
クローネちゃんは猟兵のクローネちゃんだよ♪

アイサツをしながらヤクザちゃん側に身分を明かして、抗争の助太刀をするね♪
アサギリ幼女クローンちゃん達の可愛さには思わず「カワイイ!」と言いたくなるよ♪

UCは『クローネちゃんのオーク軍団★』★
オークちゃん達を召喚して攻撃してもらうよ♪
(尚「幼女達をオーク達が襲う」という、どっちが悪役かわからない酷い絵面になる事に気付くのは戦闘開始して暫くしてからになる)
攻撃は【集団戦術/団体行動/連携攻撃/範囲攻撃/精神攻撃/催眠術/生命力吸収/怪力/鎧無視攻撃/貫通攻撃/肉体改造/身体部位封じ/脱衣/逃亡阻止】で行うよ♪
敵のUCは【野生の勘/第六感/気配感知/幸運/霊的防護/オーラ防御/鉄壁/硬化/激痛耐性/回復力】で対応するね♪



「ドーモ、食鮮組のヤクザちゃん、女ニンジャちゃん♪クローネちゃんは猟兵のクローネちゃんだよ♪」
 続けて現れたクローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)の自己紹介。アイサツをしながらヤクザ側に身分を明かして、クローネは抗争の助太刀の意思を示す。端的な名乗りだが、味方であるということが分かるそれにヤクザはにやりと笑って答える。
「ドーモ、食鮮組だ。で、お前はどう見せてくれる?」
 猟兵の能力は想像もつかないものがある。それを知るヤクザはお手並み拝見とばかりにそう言った。
 だが一方、クローネの興味は敵の方にある。
「カワイイ!」
 敵は幼女型クローンの軍団が展開している。その見た目に思わずそう言いたくなってしまうが、今回はあれを駆逐しにここにきているのだ。
 それではご期待に応えてやろうとばかりに、ニンジャ軍団に向けてクローネはユーベルコードを放つ。
「オークちゃん達からは逃げられないよ~♪あなたも、クローネちゃんもね★」
 クローネの呼び声に答えたのはアックス&ウィザーズにいくらでもいそうな豚じみた低級モンスター……【クローネちゃんのオーク軍団★】であった。
「さ、やっちゃってねオーク軍団ちゃん★」
 クローネの指示を受けてオークたちはニンジャ軍団に突進する。ニンジャたちもそれを迎え撃ち、小柄な体で広く展開した。
 オークたちは大きな手で掴みかかるが、ニンジャたちはその小ささを活かしてしゃがむ、滑り込むなどして捕まらない。さらに後ろに回り込んで掴みかかり、その首を掻き切ろうと刃を抜いた。
 だが、その真後ろにいた別のオークがその背を殴り相手を叩き落とす。その一撃は力強く、地面に叩きつけられた幼女クローンはその一撃で消滅していった。
 さらにオークたちは横並びになりつつ互いの腕が重なるようなチェーンを組み、敵の包囲突破を防ぐ。
 オークらしからぬ的確な集団戦術に、クローンたちは個々の素早さで対抗しようとした。
 体格差を逆用した攪乱戦術と、そこからの飛び上がっての急襲。やはりスピードではニンジャに分があるか、それはチェーンを超え、オークの首を掻き切らんと顔面に飛びついた。
「おっと、そうはいかないよ★」
 だが、それもクローネ自身が展開したオーラの幕で押しとどめる。そして一瞬でも動きが鈍れば、オークの巨大な腕が幼女を捉え粉砕する。
 クローネを指揮官に据えた的確な集団行動。何しろオーク召喚術はただの召喚魔法ではない。いくつもの技能をユーベルコードによって合成した複合技能なのだ。その中でも戦闘に適したものを指示すれば、それは屈強な肉体を持つ戦士の軍団となる。
 さらに強いのは肉体だけではない。切りかかるニンジャたちの動きが、徐々に精彩を欠いてきた。
「さすが感度三千倍。よく効くね★」
 オークたちの力は肉体的なものだけではない。催眠術のような搦手も使えるのだ。
 当然、そう言った精神攻撃への体制はないに等しいニンジャたち。特に精神的に未成熟な年齢で成長が止まっている幼女クローンにはことさらよく効くだろう。
 加えていれば、ニンジャたちはそれぞれが個々に動き、高度な連携はそこまでは取ってこない。後ろの吹雪夜叉もただ見ているだけで、援護や指示は特に出しては来ない。
 一方でオークたちはクローネが適宜指示を出すし、届かない部分があればクローネ自身が割り込んで戦うこともできる。
 集団対集団の戦いはその差によって趨勢は目に見えている。だが、それを眺めていた吹雪夜叉が余裕ありげに呟く。
「それってこっち向けのデモンストレーション? そうねぇ、こういうショーを用意してもいいかしら。その時は手伝いよろしくお願い……コン❤」
 そう言われて『幼女達をオーク達が襲う』という、どっちが悪役かわからない酷い絵面になる事に気付くクローネ。
 戦闘面では圧倒しても何となく敵の術中に嵌っている気がしないでもない。そんな気がどこかしつつも、オークたちは正しく職務を全うし幼女たちを蹂躙(物理的な意味で)していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

ふみゅ……ヤクザさん怖いです……
でも、今回は一緒に頑張ります

(UCを使い、クローンの機動力を奪うように蔓を周りに張り巡らせて動き方を限定させ、動いてくるであろうルートに『呪詛』を持った『吸血』と『生命力吸収』、隷属化の力を与えられた蔓の触手を罠として忍ばせて)

ふにゅ、こっちですよ~

(罠に誘うように自分本体を囮にして、罠に嵌ったら諸々をクローンから吸収して、それをそのまま隷属化の力へと転換して罠にはまったクローンを隷属化しようとして)

んみゅ……戦力は多いに越したことはないですから……
はい、決して趣味だけではありませんよ

(何故か突っ込んだ方がいいと思ってしまい……)



 ヤクザというのは言わずと知れた暴力集団。周囲を威圧し、恐れられていてナンボの存在である。
「ふみゅ……ヤクザさん怖いです……」
 それ故、神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)のこの意見も至極真っ当なものである。
 だが、それ以上にこのヤクザ達はメガコーポと戦うレジスタンスにして今回味方すべき存在。
「でも、今回は一緒に頑張ります」
 それ故、彼らに協力することはやぶさかではなかった。
「今日はそういう日で、今はそういう気分」
 そして早速発動するのは【万花変生】。女性型オブリビオンと戦うときの七十の常套手段だ。
 対して、クローン軍団は大人の姿まで成長した者たちが主に攻めかかってくる。
 ニンジャたちは他クローンに比べれば大柄な身体を持ち、一見すれば体力に優れるように見える。だが、その本領は年齢に比例する技術の熟練にあり、決して力任せでない慎重な攻めを得意としていた。
 じりじりと距離を詰めていく大人クローンたち。対して七十は、ユーベルコードこそ発動したものの一見何も起きておらず、さらには自分でも武器などは構えずただ立っているだけのようにすらも見える。
 これは一体どういうつもりか。三千倍の感覚を張り巡らせ舞い散る埃一粒すらも見逃さずに進むニンジャたちだが、その感覚に何かが引っ掛かるようなことはない。
「ふにゅ、こっちですよ~」
 明らかな挑発。しかし、それに応えるニンジャではない……そのはずなのだが。
 一人のクローンニンジャが、大きく踏み込んで切りつけた。七十はそれを躱しつつ、さらに立ち位置を変えた状態で相手を待つ。
 避けた先をさらに三千倍の感覚で察し、そこへ連続攻撃をかけるニンジャ。その動きは極めて鋭く七十はとっさによけ、そしてその足を軽く払った。
 ニンジャはそれにかかり、軽くバランスを崩してしまう。すぐに踏みとどまるも、その足に何かが絡みついていた。
 それは植物の蔓。絡みついた蔓は一気にニンジャの体を上り、その身を覆い尽くした。
 その蔓の中で痙攣し、消滅していくニンジャ。これこそが、七十が誘っていた【万花変生】の蔓だ。
 敗北や屈辱を糧に発動するそれは、相手がそれを感じないうちは存在しない。存在しないのだからどんな鋭敏な感覚をもってしても察知は出来ない。己の近くに罠のように発動の準備をしておき、攻めてきたニンジャの攻撃をいなすことで発動条件を満たしたのだ。
 その蔓に込めた力は『呪詛』、『吸血』、『生命力吸収』、そして大本命の隷属化。
 一度発動さえすれば、機動力を奪うように蔓を周りに張り巡らせて動き方を限定させ、動いてくるであろうルートに仕込んでおいたそれが次々発動しニンジャを捉えていく。
 流石に発動したものを見ればニンジャたちも警戒しうかつに踏み込まなくなるが、一人捕まえればそこから吸った力を自身に転換し今度は七十が攻勢に出る。
 罠に誘うように自分本体を囮にして、罠に嵌ったら諸々をニンジャから吸収して、それをそのまま力へと転換して……と、一人倒すごとに力は増し、さらに敵を捕らえていく七十。
 減っていく敵と増していく力、時がたつごとに、天秤の傾きは大きくなるばかりであった。
「んみゅ……戦力は多いに越したことはないですから……はい、決して趣味だけではありませんよ」
 ヤクザ達は七十の普段を知らないので特に言い添える必要もないはずだが、なぜかツッコミに備え言い訳してしまう七十。一方もし彼女の普段を知るものが見てそれを信じるかは、疑問の残る所であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
アドリブ・絡みOK

間に合ったようで何よりね
ヤクザの人達もなんとか無事そうね

召喚符を指に挟み、一振りすると幾つものバルーンガジェットが召喚される
色とりどりのバルーンを浮かべ、軽く手を振ると四方八方へとフワフワと散らばっていく

使い方は簡単。窮地に陥っているヤクザさん、その近くで漂うバルーンをリボルバーで撃ち抜けば、強烈な破裂音と共に電子パルスが拡散される
常人でも気合を入れれば耐えれる程度の物だが、神経反応が3000倍なら相当の負荷だろう

「お兄さん方、今ですケジメを!」
トドメはヤクザさん達に任せ、私は要所要所で次々とバルーンを割り、出来るだけヤクザ側に犠牲が出ないように戦況を操作したい



 ヤクザとニンジャの抗争は続く。続いてそのただ中に表れたのは、才堂・紅葉(お嬢・f08859)だ。
「間に合ったようで何よりね。ヤクザの人達もなんとか無事そうね」
 これまでの猟兵の手助けやまだボスは動いていないこともあり、ヤクザたちに被害は出ていない。
 そしてこのまま押し切るべく、紅葉は自身の『武器』を構えてニンジャたちに向き合った。
「けったいな試作品押し付けられたわね。今度は当りだと良いけど」
 その『武器』……召喚符を一降りすると、色とりどりのバルーンが大量に湧き出てきた。
「なぁにこれ? まぁ、先にこういうのを見せといた方が後でヤらせると時盛り上がるかもしれないわね。ちょうどいいわ、行ってみて」
 そのバルーンを鼻で笑いつつ、幼女クローン達を差し向ける吹雪夜叉。その命を受け、幼女たちはバルーンの中へ飛び込んだ。
 一見すると風船と戯れる幼女の群れ。だがその体の小ささを活かし、バルーンに直接触れないように進んで行くのはやはりニンジャの面目躍如と言った形だ。
 それだけでなく、そのバルーンを自らの隠れ蓑にするかのように姿を紛れさせ敵陣を素早く進んでいく。
 バルーンの隙間からちらちらと幼女ニンジャの姿が紅葉に見える。その姿は召喚主を狙いに進んできている様だが、実のところ彼女たちは囮。その周りには、派手なバルーンに小さな体を完全に隠した幼女たちがヤクザに向けて進んでいたのだ。
 使い捨ての道具だからこそ目的は履き違えないしそのための捨て駒にもなれる。劣化とは言え伝説のニンジャのクローン、カシラ格はともかくチンピラたちなら取ることもたやすいし、差し違えでも事実上の勝ち。その目的に邁進する幼女の群れがバルーンの中に広がっていた。
 そしてその展開を、紅葉は全て見通していた。広がるバルーンの外縁、自身に迫るニンジャに気がついていない一人のチンピラの方に、紅葉は自身のリボルバーを向けて引き金を引いた。
 強烈な破裂音とともにバルーンが割れる。それと同時に、これまた強烈な電子パルスが辺りに撒き散らされた。
「な、なんじゃあ!?」
 その高周波に思わず怯むチンピラ。だがその前では、一人の幼女ニンジャが地に倒れ痙攣していた。
「神経反応が3000倍なら相当の負荷だろう」
 パルスの強さは常人なら気合いを入れれば耐えられる程度のもの。だが、神経反応が三千倍となればそれは神経を直に揺さぶられるにも等しい衝撃。
 このバルーンはただの陽動ではなく、【アルダワ符術:機構召喚符(学生作)】で呼び出された『いま戦っている相手に有効なガジェット』。その使い方を理解して用いれば、まさに戦闘相手であるクローンニンジャの特製を刺す特効兵器となるのだ。
 一瞬怯んだチンピラもすぐさま立ち上がり、目の前に転がるニンジャに自分のチャカを撃つ。
 その状況にバルーンを押しのけニンジャたちは急いで囲みを突破しようと図るが、こうなれば紅葉ももう容赦はない。
 次々とリボルバーを放ちバルーンを割り、そしてその度に電子パルスが周囲を揺らしていく。
「お兄さん方、今ですケジメを!」
 紅葉の号令一下、倒れるニンジャたちを次々仕留めていくヤクザたち。中には連続で放たれるパルスに巻かれ怯むヤクザもいるが、そういうものには上からの喝が飛ぶ。
「立たんかい! ガマン背負っとんじゃろうがぁ!」
 微動だにせず叫ぶカシラの背に、チンピラたちも任侠を見せるべくそれに続いた。
 そして紅葉もまた要所要所でバルーンを割り、ヤクザ側に犠牲がでないよう戦況を操作していく。
 カチコむヤクザ達を差し向け抗争の場を支配する紅葉。それはまさにヤクザ達の上に立つ『お嬢』の名に相応しい姿であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
WIZ
『デュエリストカード』で
安息の地を発動
ttps://tw6.jp/garage/gravity/show?gravity_id=195479

穏やかじゃないわね。
男と女はベッドの上で争うものよ。
私は彼女達の方が好みだけど♥

151分間、誰も死なないから
感度三千倍の彼女達を腹上死させずに愛せる。
戦意喪失の効き目が薄くても【念動力・ハッキング】で
思考プログラムを書き換えればいい。
少女アサギリや幼女アサギリも救済したいけど
今回は大人アサギリの妖艶な成熟した身体を堪能♥

あっ♥ あんっ♥
イイっ♥ 貴女達、すごくイイわ♥
んぅぅぅっ♥♥

熟練の技で何度もイかされるけど
死なない彼女達から【生命力吸収・大食い】する事で
【継戦能力・気合い】は無限

おっぱいの扱いなら負けないわ♥
あむっ……ちゅっ……♥

豚房流との【戦闘知識】を活かし
指で、舌で、豊満な胸と乳頭を【慰め】つつ
【化術】で竿を生やして【串刺し】
媚毒【呪詛】体液を【乱れ撃ち】何度でもイかせるわ♥

育んだ愛はUCが切れた後も消えない。
最後は優しいキスで救済よ♥



 大量生産品である『アサギリ劣化クローン』たち。その数は多いが、同時に消耗も早い。もはや少女、幼女型のクローンは全滅し、大人型が残るのみとなっていた。
「容赦はしねぇ。一匹たりと生きて帰れると思うなよ」
 徹底殲滅の意思を露にするヤクザ。その前に、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)が悠々と割り込んだ。
「穏やかじゃないわね。男と女はベッドの上で争うものよ。私は彼女達の方が好みだけど♥」
 クローンニンジャと後ろに控える吹雪夜叉。彼女らを見てドゥルールはそう言うが、相手方はそれを挑発とでも取っているのか態度は変わらない。
「それならこっちの味方をして欲しいわねぇ」
 残る大人クローンたちが素早く前に出てくる。全滅も厭わない彼女たちは攻撃の姿勢を崩さないが、その前でドゥルールは一枚のカードを取り出した。
「さあ、勝負とイきましょう」
 そのカードが投げられ、クローンたちの前に舞う。そのカードには、『愛の前に現実は歪む』というテキストが書かれていた。
 それを邪魔だとばかりに切り払うニンジャ。するとその切られたカードが微塵に散り、花びらとなって周囲を花畑へと変えた。
 その花畑を悠々踏み越え、ドゥルールはニンジャの一体に迫る。無防備にも見えるその接近にニンジャは切りかかるが、ドゥルールは防御もそこそこに相手を捕まえた。
 そしてそのニンジャと『繋がり』、そこから生命力を吸い上げるドゥルール。
「あっ♥ あんっ♥イイっ♥ 貴女達、すごくイイわ♥んぅぅぅっ♥♥」
 生命力吸収による攻撃はドゥルールの得意技。ましてやオーバーロードまで乗ったその勢いは、耐久力皆無のクローンニンジャたちには即死攻撃と言っていいものだろう。
 だが、ニンジャたちは倒れる様子はない。ドゥルールの手の中で経験し、三千倍の感覚に悶え狂うのみだ。
 ドゥルールが撒いたカードは【デュエリストカード】。ユーベルコードをカード化して封じ込め、能力値に因らず使うこともできるものだ。
 そしてそれに封じられていたのは【安息の地】。敵味方共に不死となる空間を作り出す大技だ。
 その空間内でなら、クローンニンジャたちも死ぬことはない。封じられたユーベルコードの本来の効果である精神攻撃も、元から自意識は薄いニンジャたちに効果は薄く致命傷にはなりにくい。
 最もそれはそれで戦闘という点では問題がある。それ故、精神攻撃による催眠、思考の書き換えはしっかり行い相手の抵抗を止めておく。
「少女アサギリや幼女アサギリも救済したいけど、今回は大人アサギリの妖艶な成熟した身体を堪能♥」
 クローンアサギリは数多くの組織に出回っている。ここでなくともいずれ会う機会はあろう。それ故に、今は目の前の大人タイプにドゥルールは全力を注いだ。
 暴走した『感覚』にアイマスクの下の目を裏返らせるクローンニンジャ。だが、一体を相手取る間に他のものは周囲から攻めてくる。そしてこの空間では相手を攻撃しても殺せないと分かったか、ドゥルールの流儀に合わせたやり方で戦闘を仕掛けてきた。
 あるいは吹雪夜叉の目的が成った際は『従業員』候補でもあったのかもしれない。その『熟練の技術を駆使する妖艶な成熟した身体』はユーベルコード級。そのフィードバックで自分が死ぬこともないとあり、躊躇ない捨て身でそれをドゥルールの肉体にぶつけてくる。
「おっぱいの扱いなら負けないわ♥あむっ……ちゅっ……♥」
 だが、ドゥルールはもとよりその戦いを目的にここに来たのだ。同様に『そういった』流派の数々と戦った経験をもとにその武器兼急所を攻め、さらに相手を自身の棒で突き刺し乱れ撃つ。そして生命力の吸収も本来相手が倒れればそれ以上は不可能だが、死なないのだからどれだけ脆い相手でもマイナスに振り切って吸収を続けられ、それを自分の耐久力に変えられる。
 しかし一方で、どのような攻防を繰り広げようと不死の領域がある限り決着はつかない。その時が来るのは長い時間の後。
 効果が切れた時、クローンたちは一斉に消え失せる。その消えていく唇の感触に、育んだ愛までもが消えていないことをドゥルールは願うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『サイバーくノ一「吹雪夜叉」』

POW   :    忍法・氷結手裏剣
【手を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】【足を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】【胴体を狙う命中すれば即氷結する手裏剣】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    房中術・絶対零度の接吻
【相手を瞬時に氷結させるキス】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    忍法・氷結濃霧
【当たれば凍ってしまう絶対零度の霧】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を凍りつかせ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。

イラスト:ジョンハッピー

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は茨天・斗鬼です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 様々な手段をもって全滅させられた『アサギリ劣化クローン』たち。これでこの場に残るニンジャはたった一人だ。
 だが、それに慌てる様子は一切見えない。
「あーあ、せめて後ろのどうでもいいのくらい道連れにしてくれると思ったんだけど……やっぱ安物は駄目ね」
 やれやれと言った風に首を振る狐面のニンジャ。その様子に対峙するヤクザは睨みを利かせる。
「言ってくれんな。そのどうでもいいのに喧嘩売りに来たのはどこのどいつだ」
「あら、あなたはそっちじゃないわよ。今時見ないくらいのいいカラダして、どうやって作ったの?」
 先頭のヤクザの逞しい肉体を見てそう言う女に、言われた方は鼻で笑って帰す。
「いい飯食ってりゃ勝手に体なんざ出来上がるんだよ。|うちら《食鮮組》が締めてる限りのシマの連中に臭いメシは食わせねぇ」
 食って鍛える。単純でありそれ故この世界では常識はずれなその手段でできた肉体は、しかし女にとってもやはり魅力的であった。
「ふぅん。まぁ過程はどうでもいいわ。とにかく、そのカラダはいいオブジェになりそう。それに予想外の収穫もありそうだし……」
 そう言って猟兵の方も見る女。その面の奥から除くのは、間違いなく獲物を狙う眼光。彼女にとって魅力的な外見を持つ者を氷像にし収集するのが、彼女がメガコーポの手先として戦地に赴く大きな理由の一つであった。
「じゃ、お仕事と参りましょうか。えーと、『トリニティ・デザイア性欲部門事業開発部特務二課代行』……よーするに雇われニンジャ、[サイバーくノ一「吹雪夜叉」』……推して参る……コン❤」
 名乗りと同時に周囲の空気が明らかに冷たくなる。自らを雇われと名乗りふざけて語尾を足すその女は、しかしたった一人で劣化クローンの軍勢など及びもつかない実力を持つリアルニンジャ。
 面の奥に確かな力と悪しき心を秘めるこの女を倒し、この|ケンカ《抗争》にケリをつけろ!
儀水・芽亜
先程までのカーボンコピーとは違う存在感。いいでしょう。お相手仕りましょう。
「全力魔法」虚無の「属性攻撃」「呪詛」「精神攻撃」「マヒ攻撃」で蝶霊跋扈。
私の分身達は何者も逃しません。
幼い姿に変身して、黒揚羽の群れを指揮。黒揚羽の群れに敵を飲み込ませます。
反撃は、黒揚羽の群れを「結界術」として寄せ集め、受けては潰された分を補充する戦い方。手裏剣程度なら、一度にいくつ飛んできても対応可能です。
物量でのごり押しとは、こうやるのですよ。まあ、これを活かす機会は与えませんが。

敵の動きが鈍ってくれば、より一層黒揚羽の群れが襲いかかります。
さあ、そのまま意識を手放してください。私も手間はかけたくないので。



 役目自体にさほど乗り気でもないようにも見え、また配下が全滅してもまるで動じないサイバーくノ一『吹雪夜叉』。だが彼女が戦う姿勢に入った瞬間に変わった空気が、力を何より雄弁に語っていた。
「先程までのカーボンコピーとは違う存在感。いいでしょう。お相手仕りましょう」
 儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は相手の態度に惑わされず、その実力と任務遂行の意思をはっきりと見て取る。
 迂闊に様子見することも危険。急ぎ全力を持って挑むべし。
「漆黒の会堂に我は求めん。濁世に満つる、罪に染まりし汚れた生魄どもを喰らい尽くし、栄光なる清浄な世界へと導かんことを!」
 その判断の元、芽亜は【蝶霊跋蠱】を即座に発動した。芽亜の背に黒揚羽の翅が大きく展開され、その身が10歳ほど若返る。そしてさらに彼女に従うように、先のクローンニンジャたちとの戦い以上の数の黒揚羽が芽亜の周りを取り巻いた。
「あらあら、切り替えOK? いいわぁ、色んなお客にあてがえそう」
 若返った芽亜の姿を見て、吹雪夜叉はそう笑う。しかしその手には青い手裏剣が握られていた。それを手首の動作だけで素早く投げる吹雪夜叉。それらは投げ方に合わぬほどの鋭さで一斉に芽亜へと襲い掛かった。
「私の分身達は何者も逃しません」
 それに対し、展開した黒揚羽を差し向けて迎撃する芽亜。それらは手裏剣を身体を張って落とすが、その代償に蝶も潰され、消え落ちていく。
「ふぅん、じゃあどこまでもつかしら」
 さらに両手に手裏剣を何枚も構え、今度は全身を使って勢いをつけ投げ出す吹雪夜叉。しなる腕全体から手裏剣が射出されているかのような数が次々と芽亜を襲い、黒揚羽を氷漬けにして散らしていく。
 一方で後ろの芽亜は、黒揚羽を操作し防御結界のような陣を布かせる。次々とそこにぶつかっては氷を散らし落ちていく手裏剣と蝶。物量同士のせめぎ合いはまるでそれそのものが結界になったかのように周囲を威圧し、余人を近寄らせる隙すら与えない。
 一見すれば攻めと守りの膠着状態。投げる手裏剣も防ぐ蝶もまるで減る様子は見せない。
 しかしその裏で、確かに状況は動いていた。
「…………?」
 吹雪夜叉もそれに気づく。手裏剣による息もつかせぬ猛攻。それを防ぐ蝶の幕の大きさが、どんどん大きくなっていた。そしてその分薄くなったということはなく厚さもそのまま。蝶の群れは減らないどころか、徐々にその数を増してさえいたのだ。
「手裏剣程度なら、一度にいくつ飛んできても対応可能です」
 その奥の芽亜の声。【蝶霊跋蠱】は重ね掛けをするほどに効果が倍増していくユーベルコード。潰された蝶は回復を呼ぶ傷ともなるため、膠着状態はむしろ望むところな技であった。時間がかかればかかるほどにそれをする機会は増え、蝶の守りは厚くなっていくのだ。
 大して吹雪夜叉は如何に熟練のニンジャとはいえ自分の手で投げている以上体力は少しずつ消耗していく。
 やがて疲れから僅かに手元を誤ったか、手裏剣がそれあらぬところへ飛んだ。その瞬間、芽亜は蝶をともない前に出る。
「物量でのごり押しとは、こうやるのですよ。まあ、これを活かす機会は与えませんが」
 分厚い膜となった蝶が、その中に吹雪夜叉を飲み込んだ。そしてまとわりついた蝶はその身に宿したマヒの呪詛を一気に相手の体に流し込む。
「く……邪魔よ、凍って……!」
 身に取り付く蝶を冷気を放って氷砕いていく吹雪夜叉だが、その蝶が湧き出す大元の芽亜自身は既に接近している。動きが鈍れば鈍るほど怒涛の勢いで黒揚羽はより一層相手を飲み込み、その黒の中に沈めていく。
「さあ、そのまま意識を手放してください。私も手間はかけたくないので」
 そのまま動けなくなれば後は生命機能そのものまで麻痺させていくだけ。蝶は白を黒の中に飲み込んで、その存在さえ塗りつぶしていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死絡・送
●POW
●アドリブ絡み共闘歓迎
●行動
前回より継続して参加。
相手のユーベルコードを警戒し、動き回りながら戦う。
名前からして氷使いの類なので、氷結攻撃はあると予想。
味方がいれば協力して戦う。
足場を凍らせるとかはあると思うので、そうなればノーブルアンカーを地面に突き立て地形破壊で無理やり足場を作る。
相手の動きを見て距離を取って動き、攻撃は回避で身を守る。
攻撃は、遠距離はサーヴァントバットを飛ばして襲わせる。
中距離はノーブルアンカーを振るい白兵。
近距離は素手で大ぶりをせず膝や肘で格闘。
相手のユーベルコードは念動力で逸らして回避してから
反撃で此方のプロミネンスバスターを使う。



 先に出て来た劣化クローンニンジャたちは、少しの攻撃を受ければそれだけで簡単に倒れた。だが吹雪夜叉は猟兵の大技をまともに受けてなお、連続で戦い続ける地力がある。
「あぁ、やれやれ、これじゃ確かにあのクローンたちじゃ荷が重いはずだわ」
 相手の力量を認めつつも未だ戦う意思は消えない吹雪夜叉。その前に次なる相手が現れた。
 次の相手、死絡・送(ノーブルバット・f00528)はまずは軽くフットワークを使い、彼女の周囲を回りながら観察していた。
「ちょろちょろしないで。落ち着きのない男は好みじゃないわ」
 吹雪夜叉はその足元に手裏剣を投げる。それは足先ギリギリに外れて地面に刺さるが、その部分から周囲の地表を凍結させて凍土に変えた。
 さらに連続で投げられた手裏剣が地面に突き刺さり、辺りを次々に氷結させアイスバーンに変えていく。ユーベルコードとしての強化効果などはないただの凍った地面でも、氷の上は自分の領域。自分が氷で滑るようなことなどありえないし、逆にやたら駆け回っている相手にはこれだけでも十分な牽制になろう。
 動き回る足元を氷の床が刈る、その瞬間、送は『ノーブルアンカー』を思い切り地面に突き立て、張った氷を砕き割った。
 さらにそのまま地面を抉りだし、掘り返して即席の足場にする。相手が氷結系が得意そうなのは送の方とて見て分かっていたこと。相手が自分に有利な状況を作ろうとするなら、それをぶち壊しにしてやるまでと送は相手の氷を破壊する。
 だが、いくら地面を凍らせようが壊そうがそれで勝負がつくことなどない。吹雪夜叉は今度はより明確に、送の手足や体に向けて手裏剣を投げ始めた。
 それに対しては転がって回避を試みる。その軌道を追うように手裏剣が突き刺さり、同時にそこを凍らせてまた送の動きを制限していく。
 さらには今まで断ったまま手裏剣を投げていた吹雪夜叉が一気に踏み込み、追いながらの連続投擲を開始した。送はもう一度ノーブルアンカーを地面に突き立てて地面を掘り返し、今度はそれを縦にして手裏剣を防ぐ。そしてさらにそれを蹴り飛ばして後ろに跳んで距離を作り、クローンニンジャ戦でも使った『サーヴァントバット』を差し向けた。
「あら、もしかして甘く見られてる?」
 先に手裏剣を群体に止めきられたのを見て同じ手を取ったと思ったか、吹雪夜叉はそれに向けて手裏剣を投げつけた。手裏剣は次々にサーヴァントバットに突き立ち、凍らせて落としていく。
 勢いは吹雪夜叉の方が優勢。すぐに蝙蝠の群れを冷たい手裏剣が押し切るだろう。
 だがその時が来るよりも早く、蝙蝠の群れは別のものに貫かれた。それは送の構えたノーブルアンカー。地面を容易く抉るほどの威力が、今度は真っ直ぐ吹雪夜叉に向かって突き出される。
 遠距離戦から中距離への即座の切り替え。これは手裏剣を当てて凍らせても関係なく突っ込んでくるだろう。吹雪夜叉は素早く身をかがめ、直撃を避けた。
 その吹雪夜叉を、送はなお追う。ノーブルアンカーを捨て完全インファイトの位置まで近づき、肘や膝を使っての素早い格闘戦へと持ち込んだ。
 大ぶりを避け、細かい打撃を当てての息つく間もない猛攻。吹雪夜叉もニンジャの身のこなしでそれを何とかいなすが超接近距離では手裏剣を投げている暇がない。
「面倒ね……じゃあ、勝負と行きましょう、 忍法・氷結手裏剣!」
 着物の袖を払って視界を塞ぎ、その一瞬で三つの手裏剣をばらまく。手、足、胴を狙う手裏剣に送は念動力を押し当てその軌道を反らす。
 |必殺忍法《ユーベルコード》たる手裏剣は不利な位置から放ったとは思えぬほど鋭く、攻撃に使っていた腕と足は避け切れず手裏剣が突き刺さり氷漬けにされた。だが、熱い血を送り出す心臓のある胴部、そこだけはその熱が押すように手裏剣が脇にそれ、氷の一撃を防いだ。
 そしてその代わりに返すのは手も足も必要ないこの技。
「太陽の紅炎が一切の邪悪を焼き尽くす、プロミネンスバスター!」
 至近距離からカウンターで放たれた【プロミネンスバスター】の太陽のオーラが、吹雪夜叉を飲み込んだ。消えない魔炎が吹雪夜叉を包み、冷たい体を燃え上がらせる。
 全てをいいように凍らせようとした女は、己もまた熱に包まれ男の前で身を焼くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・『祭器』展開継続
・アド/絡◎

■行動
成程、言うだけの腕は有るようで。
お相手致しますぅ。

『FAS』を使用し飛行、『FPS』によりくノ一さんの動向を把握しまして。
『FMS』のバリアでヤクザさん達を保護、【彁閠】を発動し『幽巫』に変化しますねぇ。
【氷結手裏剣】は『対象を取る』能力、『対象に選択出来ない摂理』を得るこの姿であれば、『祭礼の女神紋』により『祭器』各種共々、影響を受けることは有りません。
通常攻撃は『FLS』の空間歪曲で遮断、探査で得た敵方の回避傾向を基に『FBS』を配置し回避行動を制限、『衛星祭器』は攻撃用に回し、『FRS』『FSS』と併せた[砲撃]による[範囲攻撃]で叩きますねぇ。



 戦う意思を見せるだけで周囲を冷え込ませるほどの冷気。配下をすべて失っても一切狼狽える様子もないのは虚勢でも慢心でもないのだと示すようなそれを肌に感じ、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は相手の実力を悟る。
「成程、言うだけの腕は有るようで。お相手致しますぅ」
 浮き上がりながら探査用の祭器を配置し相手の情報を探ろうとするるこる。それを見て、吹雪夜叉は馬鹿にしたように笑う。
「あらぁ、そんなことしないでも教えてあげるわよ? そうねぇ、まずはこれなんてどうかしら」
 小さな手裏剣を軽く周囲に投げる吹雪夜叉。それはまるで散弾の用に散り、るこるだけでなく周囲のヤクザたちにまで襲い掛かった。
 それらはヤクザに当たる瞬間、光の壁に弾かれ落ちる。ヤクザたちを守るよう配置していた『FMS』のバリアだったが、その前に落ちた手裏剣の周囲の地面は凍結している。
 ふざけた、あるいはやる気なさげな言動は全てパフォーマンス。定めた目的を必ず遂行するプロフェッショナルニンジャだという自己紹介として、るこるは敵の行動に徹底対策すべくユーベルコードを発動する。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『不明の加護』をお与え下さいませ」
 【豊乳女神の加護・彁閠】を発動し宝玉型の祭器を胸元に埋め込み、それと共にその体は『幽巫』となった。
 そのるこるに、吹雪夜叉は手に持った手裏剣を投げつけようとした。だが、その手から手裏剣が放たれることはない。
「…………?」
 訝る吹雪夜叉。試しに別方向に一つ手裏剣を投げてみるが、それは問題もなく狙った場所へ飛んでいく。
 そうしている吹雪夜叉に、るこるは砲撃兵装を差し向ける。次々と放たれる砲撃を、吹雪夜叉は一跳ねして交わした。
 だが、避けたはずの吹雪夜叉の体に傷が刻まれる。それは火傷などではなく、深い切創。
「いやだわぁ、女の肌に」
 そこを氷で覆い、無理矢理止血する吹雪夜叉。彼女の回避した先には、得た情報からの先読みで戦輪『FBS』が配置されていた。
 ここに至り、吹雪夜叉も相手が自分の能力を封じる戦法を取っていることを確信する。『対象を取る』能力を無効化する体で手裏剣を封じ、ヤクザたちにもバリアを張ることでそちらに手裏剣が当たるのを防ぐ。その状況に追い込まれて己は何をすべきか。
「ところでこれ、飾りだとでも思った?」
 吹雪夜叉は一気に踏み込み、それまで使わなかった身の丈ほどの刀を神速で抜き打ちにした。一見すれば伝統技法で鍛えられた業物、その実機械仕掛けの合金製ブレードのそれは、るこるの豊かな体を両断せんと輝く剣閃を描いて鋭く振るわれた。
 しかしそれも、狙った軌道は通らずその肉を切るには至らない。空間歪曲障壁に阻まれ、刀は切りたいものを切ることもできなかった。
 そして、その吹雪夜叉を『汎用型衛星祭器』が狙う。大量の砲撃が吹雪夜叉を攻め、その身を滅そうと広範囲での攻撃をかけた。
「ああ、なるほど……そういうことね。じゃあしかたないわ。本当はこういうことやらせるためにあれを連れてきてたんだけど……」
 その攻撃に、どこか諦め気味に呟く吹雪夜叉。
 次の瞬間、その身は大量の砲撃の中に自ら飛び込んでいった。
 そしてそこから放たれる手裏剣と斬撃。だがそれはニンジャの精密な感覚で放たれる絶技ではない。ただ滅多矢鱈にその辺りにまき散らす、ただ勢いだけに特化したばらまき。
 狙いを付けないそれは『対象』を取れるような精密さはない。しかしそれ故無効化もされない。敵の猛攻の中でそれをするのだから、ダメージ交換のレートはおよそ最悪だ。
 本来はそう言った特攻はクローンニンジャたちの役目だったのだろう。しかし吹雪夜叉もまたニンジャであるが故、任務の為に捨て身となることを厭わない。
 やがて吹雪夜叉が砲撃に耐え兼ね吹き飛ばされる。その後に残った一つ通った手裏剣で凍り付いた己の足に、るこるは彼女の奥に隠された真のニンジャソウルを見るのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

才堂・紅葉
ったく、やるわねこの女
中々に隙が無いわ

「兄さん方、守ってください!」
その場で空手の息吹のような呼吸法で真の姿の【封印を解く】準備をするわ
奴の凍結手裏剣を防いでね
直接攻撃タイプじゃなくリスクは低い筈なので、ここは兄さん方のガマンが見たいです❤

「ケジメは取りますから!」
真の姿による重力【属性攻撃】の蹴り上げで真上に【吹き飛ばし】
空中で「落鳳破」で捉え、吹雪夜叉を吹雪夜叉だった物にケジメするわ



 極めて高い実力と、ふざけた態度に隠した氷の心を持つサイバーくノ一吹雪夜叉。連戦でのダメージは確実にあるはずなのに、それをおくびにも出さず服の埃を払う程度の動作に収めている。
「ったく、やるわねこの女。中々に隙が無いわ」
 才堂・紅葉(お嬢・f08859)から見ても、その実力は相当に高いものと認識できた。
 これはあまり長く戦いたくない。一気に決めるべしと、紅葉はその時の為に力を溜める構えを取った。
 その場で空手の息吹のような呼吸法を始める紅葉。吸い込んだ空気が肺を通して血液に乗り、全身の細胞に運ばれていく。それはただの酸素供給ではなくより明確な力となり、細胞の一つ一つを活性化させそこに眠る力を呼び起こしていく。
 明確なエネルギーチャージ。だが、それに集中するということはその間は隙だらけだし、敵がそれを黙って見守っていてくれるわけがない。
「兄さん方、守ってください!」
 その間守ってくれるよう、紅葉はヤクザたちに依頼した。彼らとて命を懸けてシマを守る任侠者。敵を相手に尻込みすることもないだろう。
「あらぁ、お嬢様って言うよりお姫様ね。確か女性向けのお店運営してる部署もあったはずだから紹介するわよ?」
 ヤクザに守られる紅葉を嘲ってそう言いながら、吹雪夜叉は鋭く手裏剣を投げた。
 同時に響く発砲音。その手裏剣をヤクザのマグナム級チャカが撃ち抜き落としていた。
「撃て! 撃たんかい!」
 先頭のカシラの号令一下、吹雪夜叉目がけて各々のチャカを撃ちかけるヤクザたち。
「直接攻撃タイプじゃなくリスクは低い筈なので、ここは兄さん方のガマンが見たいです❤」
 その紅葉の指示の元、ヤクザ達は手裏剣を止めるべく吹雪夜叉の手元や放たれた手裏剣目がけて射撃を繰り返した。
 一見すれば正しく肉体派で武闘派のヤクザものたち。だがこのサイバーザナドゥの住民である以上、どこかしらはサイバネ化されている部位はあるはず。その機能を使い飛ぶ手裏剣を正確に狙い撃って行く。
 吹雪夜叉は一人。対するヤクザたちの人数は相応に多いはずではあるが、しかし放たれる手裏剣の数は圧倒的でヤクザ達の弾幕は徐々に押されていく。
 もう持たない、そう見えた時、紅葉が前に出た。
「ケジメは取りますから!」
 紅葉は応酬の横をすり抜け、吹雪夜叉を蹴り上げた。そこに込められるは解放された重力属性の力。重力の軛から解き放たれた吹雪夜叉の体は、高々と宙を舞った。
 そして即座に跳躍し、空中でその首・腰・両腕を掴む。
「ここがあなたの果てる場所よ」
 【ハイペリア重殺術・落鳳破】の構え。後は超重力をかけ落下するのみ。
 その重力を駆けようとした瞬間、吹雪夜叉はくいと首を上げた。
「割り込みなんて、お行儀が成ってないわね」
 重力がかかっているとは思えない、平然とした動き。
 なぜ、真の姿の力まで開放したはずなのに。紅葉はそう思うが、しかしなびいた己の髪がふと視界に入った。それは真の姿の赤ではない、常の焦茶色。
 真の姿を出す方法は大まかに二つ。その戦場で|多少なりの苦戦《🔴》を得るか、オーバーロードを用いること。先のクローンニンジャとの戦いで紅葉は圧倒的優位に戦いを進め、そしてその身は超克には至っていない。いかに力の封印を解こうと、紅葉の身は真の姿を出す準備が整っていなかったのだ。
 そして紅葉の誤算はもう一つ。
「あ、それと、あの手裏剣……別に氷はついてない奴よ? 本命は……こっち❤」
 口元に妖しい笑いを浮かべ、そしてその唇を首に絡む紅葉の太腿に押し当てる。その瞬間、そこから紅葉の体が氷に覆われ始めた。
 多くの猟兵に披露した吹雪夜叉の忍法・氷結手裏剣。しかし彼女の持つユーベルコードはそれだけでない。|速さ《SPD》の技で来た紅葉に返したこの【 房中術・絶対零度の接吻】。これもまた彼女の持つ技の一つであった。あの手裏剣は、ユーベルコードでないただの道具だからこそヤクザ達でも抑えられていたのだ。
 凍り付き、技の効果も封じられた紅葉。動かないそこから悠々と吹雪夜叉は脱出しようとする。
 だが、凍り付いた紅葉の手足は決してその束縛を緩めなかった。ユーベルコードとしての力は封じられた。しかし封印を解いた肉体の力はまだ残っている。それを動員し、力で強引に紅葉は吹雪夜叉を氷の中に戒める。
 氷の檻となり、吹雪夜叉とともに落下していく紅葉。落鳳破の再発動を恐れ自身のユーベルコードを解けぬまま、吹雪夜叉は地面に叩きつけられた。
「大したものね……その覚悟は認めてあげる」
 受け身も取れず全身を打ち付けた吹雪夜叉は、凍り付いてなおケジメを見せた紅葉にそう呟くのであった。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

クローネ・マックローネ
NGなし、絡みOK、アドリブ歓迎
【WIZ判定】

オブジェ…オブジェ!?
へぇ~、吹雪夜叉ちゃんもクローネちゃんに似た趣味してるんだ~♪
いやぁクローネちゃんも固め系が大好きでさぁ♪
まあこっちは氷像化する方なんだけどね♪

同じ固め性癖を持つ同好の士だと思い込むよ♪
けれど"他者"を氷像化させるのが趣味の吹雪夜叉ちゃんに対して、クローネちゃんは"自身"を氷像化させるのが趣味だから、方向性がちょっと違うんだよね…♪
だから自分を固める事の良さを教えるために、吹雪夜叉ちゃんを氷像化しようとするよ★

UCは『クローネちゃんの固め体験用アプリ★』★
アプリの力で、吹雪夜叉ちゃんに自分が氷像化するのもすごく良いって事を教えてあげるね♪
攻撃は【精神攻撃/催眠術/生命力吸収/怪力/鎧無視攻撃/凍結攻撃/肉体改造/身体部位封じ/逃亡阻止/捕縛】で行うよ♪
敵のUCは【野生の勘/第六感/気配感知】で回避、【霊的防護/オーラ防御/鉄壁/硬化/激痛耐性/氷結耐性/寒冷適応】で防御するね♪


神咲・七十
アドリブ・連携お任せ

あれが気に入った相手を蒐集する忍者さんですか……まぁ、分からないでもないですが……むしろ、だから今回来ましたし

(そう言いながらUCで木の壁を作り霧を防ぐ、その後は凍ってないほうを上にして倒し戦闘力アップしない様に)

ここでは少しあれかもですが……

(そういうと先ほど食べたクローン達を呼び出し、彼女達に隷属の力を付与した菌糸を大量に植え付けて突撃させる)

その菌糸達は寒さに強いですから……倒せば、次の宿主を探して菌がばら撒かれますよ?
ふふ、その中で動けますか?

(そう言ってクローン達に逃げ道含めルートを塞がせながら、自身にも『呪詛』『吸血』『生命力吸収』と隷属化の力で更に強化した菌糸を纏い突撃)

ふふ、寒さと攻撃は菌糸達で守ります。
後は……貴女を堕とすだけです

(逃がさない様にクローン達と連携して追い詰め、回避が難しいタイミングでクローンの菌糸を爆発拡散させ自身も抱き着いて強化した菌糸を直接取り込ませ植え付け隷属化しようと)

蒐集が趣味なら分かりますよね?欲しい者は逃したくないのです



 吹雪夜叉はニンジャとしての義務はもちろんだが、それ以外にも別の目的があってヤクザとの戦いにやってきていた。
 彼女は自身の気に入った相手を氷像とし、オブジェとして飾る趣味を持っているのだ。
 その彼女の嗜好に食いつく者がいた。
「オブジェ……オブジェ!? へぇ~、吹雪夜叉ちゃんもクローネちゃんに似た趣味してるんだ~♪」
 クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)は吹雪夜叉の目的に、仲間を見つけたと言わんばかりの勢いで迫る。
「あら、あなたもそういうのが好きなの? 何だったら会社の方に口をきいてあげてもいいわよ?」
 対して吹雪夜叉の方は、本気とも冗談ともとれる調子でそう言った。真意を掴ませない物言いで相手を図るのは、彼女のニンジャとしての技術の一端か。
「いやぁクローネちゃんも固め系が大好きでさぁ♪まあこっちは氷像化する方なんだけどね♪」
 相手の返事を微妙に聞いていないような感じでさらにまくしたてるクローネ。これも何かの言葉戦かどうかと吹雪夜叉は油断なく観察している。
 だが、実の所クローネは多分に本気で、相手を同じ性癖を持つ同好の士だと本気で思い込んでいた。
 そしてもう一人。
「あれが気に入った相手を蒐集する忍者さんですか……まぁ、分からないでもないですが……むしろ、だから今回来ましたし」
 神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)も、相手が自身と目的を同じくする者だとして吹雪夜叉を見た。
 七十もまた、戦場に赴く時の目的は決まって見眼麗しい女性オブリビオンの捕獲。ただクローネと違い、彼女は吹雪夜叉を同好の士ではなく、獲物の一つとして見ていた。
 最もそれはむしろ吹雪夜叉自身の考え方にはより近いもの。吹雪夜叉もまた、相手の考えなど一切気にせずただ凍らせて持ち帰るのみ。そしてそれは自分が愛でるためだけのものであり、他者に自慢したり同じ趣味の者と語り合いたいとは微塵も思っていなかった。
 それ故、『目的』を迅速に達するべく吹雪夜叉は既に周囲に霧を撒いていた。それは低い位置に滞留し吹雪夜叉の足元を取り巻くが、それに触れた地表は瞬く間に凍り付きそこを彼女の領域へと変えていた。
 それに対抗するように、七十は隷属用植物を密集させ自身の方へ霧が進んでくるのを防ぐ。だが触れた者全てを凍らせるその霧は、植物さえも凍らせていく。
 その植物を、七十は凍った根元から折り相手側に倒れ込ませた。吹雪夜叉は軽く飛んでそれを避けるが、その足元には植物が七十の側……凍り付いてない方を上にして倒れ込んでいた。
 その相手の領域でなくなった足場をかけ、クローネも迫る。
「けれど"他者"を氷像化させるのが趣味の吹雪夜叉ちゃんに対して、クローネちゃんは"自身"を氷像化させるのが趣味だから、方向性がちょっと違うんだよね……♪」
 趣味は同じでも方向性が違う、とばかりに攻撃の為スマホを取り出すクローネ。
「さ~て♪今回はどういう固めにしようかな★まずは、アプリを起動して、っと♪」
 その端末から起動するのは【クローネちゃんの固め体験用アプリ★】。そのスマホの画面から、ボンベのようなものが飛び出した。
 そのバルブをクローネが緩めると、そこからは白い煙を出す液体が大量に散らばった。それは周囲の霧よりもさらに冷たく、それ自体さえも凍りつかせていく。
 ボンベの内容物は液体窒素のようなものだろうが、ユーベルコード製、しかもオーバーロードまで乗ったそれは氷結の霧よりさらに冷たく周囲を凍らせて覆い、相手の領域を別の氷で書き換えていく。
 その氷結の上を、また別の一団が踏み越えていった。
「ここでは少しあれかもですが……」
 今度は七十が先に植物の中に取り込んだ、クローンアサギリの集団。そこに謎の菌糸を植え付けて、ゾンビの如く突進させる。
「その菌糸達は寒さに強いですから……倒せば、次の宿主を探して菌がばら撒かれますよ? ふふ、その中で動けますか?」
 菌の詰まった爆弾の如く、クローンニンジャたちが特攻する。倒されても倒されなくてもいいという、まさに使い捨てクローンの面目躍如といった攻撃だ。
 だが元々これは吹雪夜叉が連れてきた存在であり、メガコーポ界隈に大量に普及している量産品。扱い方は吹雪夜叉の方も心得たもの。
「そうねぇ、じゃあ、こういうのはどうかしら」
 再び霧を撒き散らし、凍結領域を作り上げる。無防備にそこに突っ込んでいったクローンたちは当然の様に凍り付くが、そこに吹雪夜叉はさらに重ねて霧を浴びせた。
 氷が上塗りされ、氷塊となってその中にクローンニンジャを閉じ込める。いかに寒さ自体に耐性があろうと、物理的に閉じ込められてしまえば動けない。数こそ恃みのクローンニンジャたちでは、吹雪夜叉の氷を破る力はなかった。
 周囲に並ぶ氷塊となったクローンニンジャたち。だが、それがやられることは七十も想定済みだった。並ぶ氷塊たちはそのまま障害物となり、相手の移動の邪魔となる。
 そしてそのまま植え付けた菌糸に命令し、ニンジャたちの体ごとはじけ飛ばさせた。ニンジャたちはしめやかに爆発四散、菌と氷の弾丸となって拡散し、吹雪夜叉を襲う。
「邪魔よ……!」
 それを服の裾で打ち払う吹雪夜叉。その間を縫って、七十自身もまた吹雪夜叉相手に飛びついた。
「ふふ、寒さと攻撃は菌糸達で守ります。後は……貴女を堕とすだけです」
 こちらもオーバーロードを持って、植物や菌糸を植え付け強引にでも隷属を迫る七十。
「蒐集が趣味なら分かりますよね? 欲しい者は逃したくないのです」
「ええ、分かるわね……だから逃げたいんだけど」
 言っていることはよく分かる。だが、それは自分が他人にやるからいいのであって自分が捕らわれる謂れはない。だがさらにそこにクローネも畳みかける。
「自分が固まるのもいいものだよ★」
 手にしたUC製液体窒素を自分諸共吹雪夜叉に振りかけ凍らせる。吹雪夜叉もまた自分の氷と霧でそれを押し返そうとするが、オーバーロードした猟兵二人に捕まえられては流石に分が悪い。
「いい加減に……」
 自分の氷と違うもので覆われ、その先の言葉は繋げない。欲望まみれの氷の中、吹雪夜叉はその身を敵諸共に戒められるのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
SPD
素敵な狐さん♥
私と情熱的に愛し合いましょ♥

アサギリ戦で私の不死の力と無限の愛欲を見てた彼女は
【脱衣】に応じつつも絶対零度の接吻をするだろうけど
『運命改革・超魔逆転覇』で氷結もUC封印も反射

それらの効果は彼女の意思で解除できるけど
UCは効かず【怪力・捕縛】の抱擁で逃走も不可と悟れば
私をイかせて逃げるしか無いと判断し【慰め】合いに応じる筈

お尻を撫で回し
乳頭や花弁を擦り合わせながら濃厚なキス。
口・乳・股の3か所で媚毒【呪詛】体液を堪能させるわ♥

はふ……ん……♥
好みの相手を永遠に美しく傍に置きたい気持ちは分かるけど
オブジェとは、こんな風に愛し合えないわ

オーバーロードで背中に黒炎の翼
守護霊の【ドーピング】で更に強化

見えるでしょ?
私に宿る数多の面影が。これこそが真の永遠。
超魔王的に、えっちなのうみそおいしいです

【化術】で彼女に竿を生やし【騎乗・生命力吸収・大食い】
未経験であろう男性の快感。それも私という媚毒のプールで♥

私が貴女を言い値で雇うわ。一緒に幸せになりましょ♥
【誘惑・催眠術・全力魔法】



 狐面を付けたニンジャ吹雪夜叉。顔こそ見えないが、そのスタイルは抜群であり彼女もそれを隠す気は一切ない。
「素敵な狐さん♥私と情熱的に愛し合いましょ♥」
 ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はようやく直接見えた彼女に服を脱ぎながらそう言うが、吹雪夜叉からの態度はそっけない。
「お生憎様、熱いのは苦手なの」
 誘惑術も得意とする彼女だが、拒む相手には迫り求められれば引く。相手の意に沿わないことで主導権を握らせないようにするのは彼女の手腕の一つか。
 しかしそう言った勝負そのものは彼女もまた望むところ。
「だから……冷やしてあげる、コン♪」
 自らも肌を曝し、ドゥルールに抱き着いた。その身体は人肌とは程遠い冷感に包まれ、触れているだけで体の芯から凍えそうになる。そして吹雪夜叉はそのまま冷たい唇を触れさせた。
 先にクローンニンジャたちが同じ『スタイル』で戦った時のドゥルールの耐久力からして、まともにやり合ったら自分とて息切れを起こすかもしれない。だが、氷の中に閉じ込めてしまえば関係ない。あるいは死なないままに氷の中で苦しみ続ける氷像となれば、コレクションの中でも随一の品だ。
 唇が触れた場所から氷が広がり、ドゥルールの体を包み込もうとする。
 自分の能力や相手の特徴を把握しつつ、自分のスタイルを変えることなくそれに十全に対応する能力。聞きしに勝るその実力は、彼女との邂逅を望んでいたドゥルールにとっても驚くに値するものであった。
「やっぱり凄いわね。想像以上。でも」
 そして期待していたからこそ、ドゥルールも備えはあった。
「私達に搦め手は通じない」
 ドゥルールの体を覆っていた氷が巻き戻すように引いていき、そして吹雪夜叉の方が振れている唇から凍り付いていく。自分の方が凍らされるという初めての経験に吹雪夜叉も思わず顔を離そうとするが、凍り付いた唇が張り付いてそれもできない。
 【運命改革・超魔逆転覇】による状態異常と行動制限の反射。自動発動のユーベルコードである故に、相手が自分を止めようとしてくるのを待てばいい。氷結と籠絡を駆使し、相手を何もできない氷像に変えることを本領とする吹雪夜叉に対しては存在そのものが特効とも言えるような種類のユーベルコードだ。
 広がる氷の感覚から自分の技が反射されていると察した吹雪夜叉は、即座に技を解除し顔を離す。
「自分が動けなくなるのは好みじゃないわ。早く離れて欲しいんだけど」
 吹雪夜叉が力を込めて振りほどこうとするが、ドゥルールも力を入れて相手を戒め離さない。ならばと手にした刀を抜いて切ろうとしても、抱きしめられているような状態では刀の長さが災いし、抜刀することも難しい。
「じゃあその力……ヌいてもらうわね❤」
 それならこの手しかない。氷結と同等以上に自身のある『技』で、吹雪夜叉はドゥルールを攻略にかかった。それを望んでいたとばかりに、ドゥルールも自分の裸体を押し付けてそれに応える。
 ドゥルールは吹雪夜叉の尻を撫でまわし胸や股間を押し付け、さらに氷結を使えなくなった唇を重ねる。その全てから媚毒入りの体液を流し込み相手の籠絡を狙うが、吹雪夜叉とて房術を修めたニンジャ、そう簡単には毒は回らない。
「はふ……ん……♥好みの相手を永遠に美しく傍に置きたい気持ちは分かるけど。オブジェとは、こんな風に愛し合えないわ」
 物言わぬ相手を愛でることを好む吹雪夜叉に、双方向の行為の尊さを説くドゥルール。
 さらにその背からオーバーロードによる黒炎の翼を出し、それを閉じて炎の中に吹雪夜叉を包み込む。
「見えるでしょ? 私に宿る数多の面影が。これこそが真の永遠。超魔王的に、えっちなのうみそおいしいです」
 ドゥルールは吹雪夜叉の体の一部を『変化』させ、そこから生命力を吸い上げる。サイバーザナドゥにおいて自らの体を別物になるまで弄りつくすのはある意味メジャーな娯楽でもあるが、それは先を顧みない快楽中毒者が行うもの。雇われとはいえメガコーポで人を使う側である吹雪夜叉にとっては、あくまでそれは上の命令で他者に売るものであった。
 存在を知ってはいても味わったことのない快楽で吹雪夜叉を攻め、そこから生命力を吐き出させ自らの『口』で飲み込んでいくドゥルール。
「私が貴女を言い値で雇うわ。一緒に幸せになりましょ♥」
 それを吸い尽くす前、ドゥルールは吹雪夜叉に誘いをかける。場所とコレクションを取りに来た彼女に、逆に自分の所に来ないかと。
「残念だけど契約は違えない。ニンジャは信用第一なの」
 どのような状況であろうと任務を放棄することはないと、吹雪夜叉はそれを拒絶する。そして面の下から見える口を僅かに笑ませて。
「だから、任期満了後は好きにすればいい……コン❤」
 最後まで妖しくそう言って、吹雪夜叉の体はドゥルールの与えた熱に溶かされるよう消えた。それと共に周囲の一気に上昇する周囲の気温が、ニンジャたちの|全滅《契約終了》を告げていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ヤクザ経営の施設で楽しもう!』

POW   :    羽目を外して楽しむ。

SPD   :    程ほどに楽しむ。

WIZ   :    損をしないように楽しむ。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 メガコーポから派遣されたニンジャ・クランは全滅し、ヤクザたちのシマと命は守られた。
 そして正負問わず、受けた借りは返すのがヤクザの仁義。
「また世話になったな。この場所ももっときっちりシメとく必要がありそうだが、それはこっちで考えとく。それよりもお前らに礼をくれてやらなきゃならねぇ。このまま帰れると思ってんじゃねぇぞ」
 どうにも誤解を招く……とはいえこれでも前回よりは柔らかくなった言い回しでヤクザは猟兵を自らの|ヤサ《店》へと案内する。
 そこはやや落とした照明に木目調を主体とした怪しくも高級感も漂わせる料理店。そのテーブルの上に、手際よく鍋や食材が並べられて行く。
「知ってる奴もいるかもしれねぇが、うちの売りはシャブだ。ハッパはもちろん粉や液もある」
 自慢げに言うヤクザの前に並ぶのは、牛豚揃ったしゃぶしゃぶ用薄切り肉に葉物野菜。締め用のうどんに酒類含めた各種ドリンク。
 いずれも品質は良く、他世界の料理店で出しても何も問題なさそうなものばかり。サイバーザナドゥにありがちな合成感は一切ない。
「それと最近仕入れたんだが、粉より粒の方がキクって奴もいるじゃねぇか。こいつは途中で他のと合わせるのもいいぜ」
 そう言って出してくるのは大量に盛られた白い|錠剤《米》。他にも現状に満足せず様々な食材を開拓しているらしいので、何かしら聞けば出てくる話もあるかもしれない。
「やり方がわからねぇなら任せな。そこらのカンパニーマン共より接待慣れしてるぜ。逆に誰にも見られたくないなら下に行け。部屋の中で起こったことは外には漏れねぇからな」
 店内にある階段の下、そこには防音壁で仕切られた個室がある。前回では紹介されなかったそこを見せられるのは、彼らがより猟兵に信を置いた証だろう。
 仲間と、ヤクザと、あるいは一人でや依頼を紹介してきたグリモア猟兵を呼んでもいいだろう。
 欲と欲の戦いの勝者が誇るその味を、たっぷり体に満たすといい。
儀水・芽亜
お店に招待された時はどうなることかと思いましたが、私の「審美眼」を通しても案外と真っ当なお店で。ヤクザ直営と知らずに食べていくお客も多そうです。
適当な席に着いて、お茶を飲みながらお料理を待ちましょう。

しゃぶしゃぶが来ましたね。これも本当に、この世界のものとは思えない本物ぶり。
これほどなら夫と来たかったところです。

しゃぶしゃぶの要点はお湯の温度。店員さん、火力の調整はよろしくお願いしますね。
では、ごまだれでお肉をいただきましょう。
ああ、本当に自然な味です。驚きました。

すみません、熱燗をお願い出来ますか?
宴会芸に一曲とも思いましたが無粋ですね。「落ち着き」払った態度で、飲んで食べて楽しみましょう。



 世話になったとやや強引に自分の店に猟兵を招待したヤクザたち。ヤクザに連れ込まれるという普通ならば非常にまずいシチュエーションの中、儀水・芽亜(共に見る希望の夢/『|夢可有郷《ザナドゥ》』・f35644)は自分の置かれている状況を改めて検分する。
「お店に招待された時はどうなることかと思いましたが、私の「審美眼」を通しても案外と真っ当なお店で。ヤクザ直営と知らずに食べていくお客も多そうです」
 店内は照明を抑えた木目主体という高級感あるものだが、決して下品ではない。ヤクザにありがちな悪趣味さを押し出したインテリアもなく、客を無意味に脅かすようなものもない。そのままUDCアースなどに持ってきても普通の飲食店としてやっていけそうな、極めて上質かつ真っ当な店構えであった。
 安心して適当な席につき、出されたお茶を頂きつつ待つことしばし。
「へい、おまっとうさんでした!」
 テーブルの上に置かれたのは、しゃぶしゃぶ用の鍋と具材。これもまた至ってまともなもので、この世界とは思えない本物ぶり。
「これほどなら夫と来たかったところです」
 素敵な食事ならば一人ではなく愛する人と。そう思わせるほどにこの店の居心地は良かった。
 だが飲食店の真価はその出す料理にあり。
「しゃぶしゃぶの要点はお湯の温度。店員さん、火力の調整はよろしくお願いしますね」
「へい、お任せください!」
 そこも抜かりないようにと念押しすれば、力強くチンピラ風店員が返事する。手際よく火をつけて温められた湯は、熱々であるが煮えたぎるほどではなく中に入れられた野菜を程よく茹でていく。
 そして肉を一枚とり、その湯につけて何度か降って色が変わった所で湯から上げ、そしてごまだれに付けて頂く芽亜。
「ああ、本当に自然な味です。驚きました」
 それはまさに良質なしゃぶしゃぶ。肉のうまみが溢れ出し、胡麻の香りとタレの味わいがそれをきちんと引き立てる。強引に味覚や嗅覚に刺激だけを与えるような不自然なものではなく、おいしいものだからおいしいという当たり前の、だがサイバー世界では省略され忘れられてしまう味。
 それを堪能する芽亜だが、美味しい食事には大人ならではの供がある。
「すみません、熱燗をお願い出来ますか?」
 酒もあるという話を聞いていたので一本つけてくれるよう頼んでみれば、出てくるのは熱せられた徳利。
 流石に土から作られているというわけではなくこれ自体は機械の産物であろうが、中からは確かに酒の匂いが上がってくる。
 それをついてきたお猪口に注いで一口含んでみると、温められた香りと味が広がり鼻と口を満たす。
 甘さの中に感じる刺激、キレは間違いなく日本酒のもの。アルコールに色と味を付けたものではなく、正しい技法で作られた『酒』が芽亜の心身を満たしていく。
「そこまで見越してるとは、あんた相当知ってやがるな」
 その注文を見て、ヤクザの|リーダー《カシラ》が面白そうに笑んだ。そう言えば彼らが米を仕入れたのはつい最近の事だという。そして日本酒の原料は米。恐らくはこの日本酒もごく最近メニューに加わったものなのだろう。
 そしてそれは、この酒が紛れもなく米から作られた本物だということ。その気になれば『日本酒っぽい何か』など簡単に用意できるだろうにそれをしていなかった彼らのこだわりもまた、本物なのかもしれない。
「宴会芸に一曲とも思いましたが無粋ですね」
 それだから、ここは芸事などは必要なくただこの料理に集中し戴くのが礼儀。それに合わせた落ち着き払った態度で、しかし味には十分満足しているという姿勢は隠さず出されたものを飲んで食べて楽しんでいく芽亜。
 ただ味わっていただく。それこそが最上の返礼とばかりに、芽亜は酒としゃぶしゃぶを大いに楽しむのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

死絡・送
SPD
アドリブ絡み歓迎
マスクの下半分だけオープンにして参加。
「それではありがたく、いただきます」
きちんと手を合わせてから食べる。
猟兵と言えば参加していた知り合いは健啖家が多いなと思いつつも自分は
腹八分目で牛しゃぶや白飯を戴く。
他に仲間がいたらそちらもお疲れ様とか、適度に会話しつつ
行儀良く食い食い終えたらごちそうさまと言って退散する。



 ヤクザは猟兵に助けられており、それに礼をするのはある種当然と言えた。
 だが、だからといってあまり貰って当然のような横柄な態度をとるのはいただけない。ヤクザたちは猟兵の下部組織ではないし、彼らとはあくまで協力関係にあるのだ。
「それではありがたく、いただきます」
 そのため死絡・送(ノーブルバット・f00528)は丁寧に手を合わせ、ご馳走して貰うという姿勢を崩さず饗応に応じていた。
 戦闘時から纏っていたスーツは脱がず、マスクの下だけを外して口を出していただく。
 健康な男性というだけあってその食べる量は相応に多いが、送自身はそれをそこまで大量とは思っていない。
 参加していた知り合いの猟兵は健啖家が多かったことを思えば、自分の食べる量などあくまで常識の範囲。そう考えながら他の猟兵たちやヤクザ達にお疲れ様と適当な会話を挟みつつ、送は出された肉や野菜を口に運んでいった。
 疲れた体に肉類はよく染みる。おかわりも頼めば普通に皿に乗せられたものを男店員が運んでくるという普通な光景に、今いる世界がサイバーザナドゥだということを忘れそうにすらなる。
 その中でいただいていくのは、やはりしゃぶしゃぶの王道牛肉だ。鍋に入れた肉がすぐに色が変わり、程よく縮んだそれを取り出せば湯と僅かな脂を滴らせる。そしてそれを用意されたタレに付けたうえで白飯に乗せて食えばもう言うことなしだ。
 敵が氷結系能力の使い手であったということもあり、熱い食事はとりわけ体に染みる。サイバーザナドゥである以上この肉も本物の畜肉ではなく合成食品なはずなのだが、そんなの全く気にならないしすぐに忘れてしまいそうになるほどにそれは滋養に満ちていた。
 その食いぶりにヤクザたちは酒も進めてくるが、羽目を外すつもりはないと断っておく。
 酒の入った宴会もそれはそれで楽しいが、彼らの礼であり生業だというこの肉をしっかり味わうには意識をはっきり保っておいた方がいいだろう。実際いくら味わっても飽きないほどに、その肉は絶品だった。
「色々あるが一番はやっぱそいつだな。それをキメた奴からハマってくんだよ」
 様々なメニューを用意、研究しているヤクザ組織だが、やはり看板メニューはこの牛肉ということなのだろう。化学物質そのままだったり、綺麗な見た目に変な臭いと食感の詰まった謎の合成飯ばかりを食べているサイバー世界下層民がこの味を知ってしまえば、確かにそれまでの価値観が破壊されるのも道理である。
 最低な人生を破壊し、味覚だけでもシャブ漬けにして幸福に染める。彼らの正義はここにあるのだと、送はこの交配世界のダーティヒーローの在り方をそこに見た。
「ごちそうさま」
 汁を散らしたり食べ残しを出すということもなく、行儀よく綺麗に食べ終え送は箸を置き締めの挨拶をした。
 そしてマスクの口部分を閉じ、席から立ち上がる。
 猟兵としての仕事を果たし、その報酬を受け取った。ただそれだけの事であるとクールに決めながら、ノーブルバットは今回の任を終了させてこの場を去るのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
有難う御座いますぅ。
折角ですし、お邪魔させて頂きますねぇ。

一人で食べるのもなんですし、オーロラさんをお招きしましょう。
私基準ですと大変なことになりますので、量の方は抑える代わりに、しっかり味わわせて頂きますねぇ。
年齢的な都合から、お酒の方はお付き合い出来ませんが。
……ええ、胸の成長は相変わらずですぅ。
あ、〆はお米の方を頂きますねぇ。

後は、折角ですから私からも、ヤクザさん達にお料理の差し入れを。
【豊饒佳饌】で[料理]を強化して作った、豚バラ肉のブロックを使った『煮豚』と、『牛肉と玉葱のしぐれ煮』ですぅ。
しゃぶしゃぶとは方向性は違いますが、何かの参考になるかもしれませんし。



 ニンジャを駆逐した猟兵にかけられたのは、ヤクザからの危険な言葉交じりの直営店への誘い。
「有難う御座いますぅ。折角ですし、お邪魔させて頂きますねぇ」
 その誘いに、夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は一切の躊躇なく笑顔で答えた。
 何しろ彼女はかつてこのヤクザ『食鮮組』と猟兵が誼を通じることとなった一件にもかかわっていたのだ。それ故彼らが如何なる団体かを良く知っており、彼らに対しての警戒など一切無用ということも分かっていた。
「私基準ですと大変なことになりますので、量の方は抑える代わりに、しっかり味わわせて頂きますねぇ。年齢的な都合から、お酒の方はお付き合い出来ませんが」
 前回からある程度時間は立っているが、まだ飲酒できる年齢には達していない。この世界であればその辺りの倫理観はほとんど崩壊していそうだし、なんなら酒など及びもつかないほどの危険物を常用している若年の中毒者もゴロゴロいそうだが、だからと言って法を犯していいわけではないしそのつもりもない。
 また大食い、肉体肥大系UCを用いることで食事量を無限にすることもできるが、ここでそれをやっては相手に迷惑をかけることになるのも明白。そこを自重するのも前回と同じところであった。
「じゃあ、私もとりあえずは遠慮しておこうかしら」
 また一人で食べるのも何だからと誘ったグリモア猟兵オーロラも、彼女自身は飲める年齢だがそれに倣って酒は遠慮しておく。
「そっちの女は前のデカい奴の同類か何かか。何にせよ欲しいもんを欲しいだけやりゃあいいさ」
 そしてヤクザたちもそこの無理強いはしてこないあたり、やはり|筋もの《店員》としての教育は行き届いているようだ。
 そして例によって運ばれてくる組自慢のしゃぶしゃぶ。前回食べた時も中々の味であったが、今回はさらに質が上がっている。
「相変わらず素晴らしいお肉ですねぇ」
「おう、そっちももっとやるようになってるじゃねぇか」
 そう言うヤクザの言葉に、ふっと遠い目になるるこる。
「……ええ、胸の成長は相変わらずですぅ」
 特に何がと指摘されたわけではないのだが、成長・進化を示唆することを言われてまず思い当ってしまうのはやはりその部分だ。
 とりわけ彼らと一度会ってから後、とある魔法少女ボディと共に散々肉拡張を繰り返しはじめ成長度合いもより急速化してきている傾向がある。それを知っているらしいオーロラも、何とも言えない表情で野菜をつまんでいた。
「そういうわけだからこっちも遊んでられねぇからな。こいつはまずお前にやってみて欲しいと思ってたんだよ」
 その辺りの深い事情は知らないヤクザが一つの皿を出して来る。そこに乗っているのは一度茹でた後冷やされた豚肉……冷しゃぶであった。
 それを食べてみれば、臭みもなく肉も適度に締まり、タレと相まって味わい深くも爽やか。
「なるほど、取り入れてくださったのですねぇ」
 前回の会食時にメニューになかったこれを提案したのは、他ならぬるこる自身だ。それを受け入れメニュー開発をしたらしき彼らに感心するとともに、それならばとまた一つ。
「折角ですから私からも、ヤクザさん達にお料理の差し入れを」
 そう言ってるこるが取り出したのは、【豊乳女神の加護・豊饒佳饌】で調理した豚バラ肉のブロックを使った『煮豚』と、『牛肉と玉葱のしぐれ煮』だ。
「ほう……こいつはうちのとはだいぶ違うな。相当に時間がかかってる。追い込みかけて沈めて漬けて……」
 それを見て調理過程をざっと算出し、指に着けて一舐めするヤクザ。
「しゃぶしゃぶとは方向性は違いますが、何かの参考になるかもしれませんし」
「なるほどな、有難く納めさせてもらうぜ」
 彼らが上質の肉を仕入れるルートがあることは分かっているのだ。レパートリーが増えれば彼らのシノギにも有益なものはあろう。あるいは彼らを通じてこう言った料理がシマに広まれば、この一帯の食事事情はさらに良くなっていくかもしれない。
 今溺れるためではなく先の身とするための欲。それを撒く組織を率いる男を見ながら、るこるもまたその欲で己を満たすのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
オーロラと個室へ♥
シャブって初めてだけど美味しい♪
ごまだれとポン酢で、お肉も野菜も無限にイケるわ!

守護霊達と美味しさを共有する為
食事中も憑依【ドーピング】
真剣に味を分析するメイドの霊達に苦笑しつつ【大食い】

肉の欲を満たせば
肉欲が再燃する訳で……

オーロラのお肉も美味しそぉ♥

爆乳に顔を埋め
甘えるように【誘惑】
シャブりシャブられ【慰め】合い

ひゃぅぅん♥♥
はぁはぁ……こっちのお肉もシャブってぇ……♥

【化術】でソーセージを生やし【串刺し】
お互い『救済の黒朱雀』の炎と『乳豚隆体』の闘気を纏い
上からも下からも媚毒【呪詛】体液を【乱れ撃ち】
【生命力吸収】をキメ合ってトンじゃう♥
シャブは用法用量を守ろうね(?)



 ヤクザ直営のこのしゃぶしゃぶ店。ここには個室部屋も用意されていた。その部屋に、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)はグリモア猟兵オーロラを伴い訪れていた。
「用があったら呼びな」
 そう言って去っていったヤクザたちが用意したしゃぶしゃぶを二人で味わう。
「シャブって初めてだけど美味しい♪ごまだれとポン酢で、お肉も野菜も無限にイケるわ!」
 店員は呼ばれない限り来ないためか、肉だけでなくタレや薬味類も最初から多めに用意されていた。それらを様々に変えて試していけば、一口ごとに違う味わいとなりいくら食べても飽きることはない。
 この味わいを分けてあげたいとドゥルールは守護霊たちを呼び出す。憑依させて自分の味わいを共有させればしゃぶしゃぶを知っている世界の者はもちろん、知らない世界の者も初めての味わいに驚きながらも喜んでいる。
 だが一部の霊は憑依状態から抜け出して、しゃぶしゃぶ鍋をじっと見つめている。
「牛鍋と似たようなものですが割り下の味は薄く後からつけるものに……仕事しなさい」
「鍋に手を出す回数多いから前屈みにもなって見せつけられるし……❤はいご主人様、あーん❤……これが仕事よ」
 メイドの霊たちが味や使い方を真剣に分析している姿に苦笑いしつつ、時に彼女たちに食べさせてもらいながら大量のしゃぶしゃぶを堪能していくドゥルール。

 やがて肉欲は満たされたが、そうなれば別の肉への欲が燃え上がってくるわけで……
「オーロラのお肉も美味しそぉ♥」
 ドゥルールは隣にいたオーロラの、何をするにも目の前で揺れていた巨大肉に顔をうずめた。
「ふふ、自慢の品よ」
 オーロラは胸をぎゅっと締め、顔を挟み込む。
 顔を包む柔らかい感覚をたっぷり味わいながら、自分の体も押し付け誘惑。顔を移して先端に吸い付いてシャブり、さらに自分のものも突き出してオーロラにシャブらせる。
「ひゃぅぅん♥♥はぁはぁ……こっちのお肉もシャブってぇ……♥」
 そして下に生やした『ソーセージ』を、オーロラの下の口にシャブらせる。
「共に恋焦がれ、身も心も蕩け合い、永遠となりましょう?」
「豚房流の乳気を解放するわ。ほぁぁぁ~~~っ!!」
 つながった状態で発動するのは【救済の黒朱雀】と【乳豚隆体】。媚毒の炎と誘惑の闘気が部屋を満たし、お互いの体を刺激し合う。
 その状態で体液を交換し合い乱れ打ち合う。下からのものはドゥルールが放ってオーロラが飲み、上からのものはオーロラが溢れさせドゥルールが飲み干す。
 命の乗った汁は出しても相手側から補充され続けるため、いくら出しても終わらない永遠のループ。それでも体力が減ってくれば、補充用の栄養源は上質なものが目の前にあるのだ。
「ソーセージならこっちが焼けてんだけど」
「時間を見計らいなさい」
 メイドたちが管理しているので、欲しくなった時に丁度食べごろが差し出されてくる。
「そろそろ、最後の……出すわよ……❤」
「ええ、一緒に……❤」
 そうして丁度完食するに合わせて、こちらの『肉』からの栄養も大噴射、最後にトンだように二人はぐったりとその場で重なり合う。
「シャブは用法用量を守ろうね」
 果たして中毒者にその言葉は届くのか。痕跡やにおいなどが残らないようメイドたちが丁寧に掃除した上、彼女らに支えられて二人はキマった表情のまま個室を後にした。


 こうして下層に伸びたメガコーポの手はまたも跳ね除けられた。だが闇深きこの世界に置いて、来る客の対応をしているだけでは商売は続かない。ヤクザ達も今後は自分たちから|営業活動《カチコミ》をしていかなければならなくなるかもしれない。サイバー世界の抗争は、銭では片付かない領域に入り始めていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年05月22日


挿絵イラスト