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釣りバカ達の鮫騒動

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●『ゴッドゲームオンライン非公式攻略wiki』より抜粋
 『究極のオンラインゲーム』と称されるゴッドゲームオンラインには数多くのおまけ要素が存在する。それらは『おまけ』と呼ぶにはあまりにも高いクオリティと大ボリュームで人気を博しており、中には本筋の冒険そっちのけでやり込むプレイヤーも珍しくない。
 『釣り』もその中の一つ。海、湖、川、池……水辺という水辺に釣り糸を垂れ、魚を釣る。釣れる魚は場所や季節、天候や時間によって変化し、釣り道具自体も細かくカスタムすることが可能。また、釣れた魚はアイテムとして販売できるほか、料理の材料として加工したり、『水槽』アイテムを用いて飼育したり、大きさを競い合ったりと、その使い道も多岐に渡る。

●釣りせよ猟兵
「そんな『釣り』がバグプロトコルに乗っ取られました(;´Д`)」
 見慣れぬ顔のドラゴンプロトコルが告げる。
「あ、申し遅れました。私、エウレカ・ムーンサイドエウレカ・ムーンサイド(月光竜はダンジョンをバズらせたい・f42610)と申します。これからよろしくお願いします('◇')ゞ」

「どういうことかと言いますと、まず、特定のエリアで釣れるはずの魚が全てバグプロトコルに置き換えられました。猟兵の皆さんならまぁ、ワンパンで倒せるかなぐらいの強さなんですが、普通のプレイヤーなら苦戦待ったなし、|遺伝子番号《ジーンアカウント》焼却だってありうる厄介な敵なんです( 一一)」
 エウレカはどこからか釣り竿を取り出し、話を続ける。
「で、更に厄介なのがこのバグプロトコル、水中では普通の魚として認識されるらしく、釣って水から引き上げないとその本性を出さない性質があります。つまり、倒すためには釣りをしないといけないのです(~_~;)」
 猟兵たちの前にゲームマップが表示される。
「今回対象となったエリアは『ハマーン半島沖合』です。この辺を管轄するドラゴンプロトコルがどうにか他のエリアへの流出を抑えてくれています(ーー;)」

「間の悪いことに今回、『Fish on GGO』という釣り好きが集まったクランがここでクランクエストを行うという予知がありました。彼らは『冒険より釣り命』な連中でして、レベルより釣りスキルの方が高いなんてプレイヤーもザラ。当然戦闘はてんでダメ。そんな彼らがバグプロトコルに遭遇したら……:;(∩´﹏`∩);:」
 震えるエウレカ。
「なので皆さんにはこのクランクエストに参加してもらい、バグプロトコルを倒しつつプレイヤーの皆さんを守ってもらいます(・ω・)」

「まずは釣り道具ですね。自前で持ってきてもいいし、持っていないなら現地担当のドラゴンプロトコルが初心者向けセット一式を貸してくれます。それからクランに入りましょう。先ほど紹介した『Fish on GGO』は釣りビギナーでも歓迎してくれます。猟兵同士でクランを組むのもアリです(*'ω'*)」
 エウレカの三日月形のグリモアが輝く。
「それでは皆さん、クリア目指して頑張ってください!(^.^)/~~~」


武炎鉄
 こんにちは、武炎鉄です。皆さん戦争お疲れさまでした。7作目はGGOで釣りしようぜ!な話です。

●第1章は船に乗船しての沖釣りになります。選択肢はあまり気にせず自由にやっていただけたらと思います。
●第2章はヌシ……もといボス戦です。詳しくは断章にて。
●第3章は港に戻ってきての打ち上げです。ぶっちゃけ飲み会。こちらも選択肢はあまり気にしなくて大丈夫です。
●途中参加歓迎です。その場合「実は第1章からいた」という扱いになります。
●第3章のみエウレカが同行します。お気軽にお声がけください。
●プレイングボーナス:クランメンバーを守りながら戦う(第1章/第2章)
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第1章 冒険 『海洋エリアの大冒険!』

POW   :    大砲で人喰いサメを撃退する!

SPD   :    華麗な操舵で大渦を回避!

WIZ   :    風や雲、星で天候を予測する!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●『ハマーン』の港にて

 猟兵たちを出迎えたのは、青い髪に青い瞳のドラゴンプロトコルの女性だった。
「エウレカから皆さんの話は聞いています。私はこのエリアを担当する『スーザン・ハマーン』です。事情は既にご存じかと思いますが、私もどうしてこうなったのかさっぱり……。まずは釣り道具をお貸ししますので、希望者の方はこちらへ来てください。」

 釣り道具を手に、次に猟兵たちが向かったのは港だった。ここには大型小型問わず様々な種類の船が停泊している。その中の一隻の前に人が集まっている。
「今日は良い天気に恵まれ、絶好の釣り日和です!今回こそクランクエスト『エリアのヌシを釣り上げろ!』をクリアしましょう!」
 壮年の男の呼びかけに気勢を上げる人々。どうやら彼らが今回予知に出てきた釣りマニアのクラン『Fish on GGO』らしい。ここで猟兵がクランに加入したいと申し出ると、彼らは『仲間が増えた』と歓迎してくれた。

 さあ、船に乗り沖の釣りポイントへ向かおう!
リカルド・マスケラス
釣りっすかー。のんびり釣りをするのもいいっすよね〜。
UCで分身でも作ってのんびり釣りに興じるっすかね。Fish on GGOのクランにも入れてもらうっすかね。
「さて、釣果次第で打ち上げが豪華になるか変わってくるっすからね〜」
のんびり糸を垂らして待ってるっすよ〜。技能はないっすけど猟兵のSPD能力値と、大物がかかったら【怪力】で釣り上げたいところっすかね〜。あとはさりげなく【視力】で水中の魚の動きを捕捉しつつ【念動力】で釣り上げやすくして仲間のアシストとかこっそりしておくっすかね。
「結構釣れるもんっすねー」
などど言いつつのんびりしてるっすよ



●潮風に誘われて

 初夏の心地よい風が港を吹き抜ける。風に誘われるように一隻の大型帆船が出港し、今回の釣りポイントである『ハマーン半島沖』へと向かおうとしていた。出港の慌ただしさと連動するように船員のNPCたちが甲板をひっきりなしに動き回る。

「釣りっすかー。のんびり釣りをするのもいいっすよね~。」
 借りてきた初心者用釣り道具セットを手に現れたのはリカルド・マスケラス(希望の|仮面《マスカレイド》・f12160)。今回は若い男性の分身に本体である仮面を装着している。
「おっ、君は確か新入りの……」
 クランマスターの男が声を掛けてきた。
「リカルドっすよ~。」
「ああ、すまないね。今回新しく入ったメンバーが多くて、ちょっとまだ顔と名前が一致してないんだ。」
 今回のクランクエストでは『Fish on GGO』に多くの新加入団員が加わったが、その殆どが猟兵であることをクランマスターは知らない。

 船が帆を上げ、抜錨する。さあ、出港の時間だ。

「さて、釣果次第で打ち上げが豪華になるか変わってくるっすからね~。」
 今回の打ち上げは港近くの酒場を貸し切って行うと、クランマスターから説明があった。通常であれば、メンバーが釣った魚も料理して宴席に加えられるのである。とはいえ、「魚がバグプロトコルに変化している」という状況では期待していいのか不安でもある。

 沖合で船が止まった。遠くに陸地が見える。
「では皆さん、今回のポイントに到着したので各自準備してください。」
 クランマスターが参加者たちに声を掛けた。リカルドも早速釣り道具セットを取り出し、準備を始める。
 まずはエサを選んで釣り針に取り付ける。今回は海釣りに適したものを事前にスーザンが準備していたようだ。ここまでは現実世界と何ら変わりはない。
「あんた、釣りは初心者かい?」
 リカルドの隣にいたクランメンバーの男が声を掛けてきた。
「ええ、まぁそうっすね~。」
「ほら、あそこに魚影が見えるだろ?まずはそこに釣り針を投げ入れるんだ。」
 彼が指し示した先には、海上にかすかながら魚影と思しき影が見える。男はそこにお手本と言わんばかりに釣り竿を振り、仕掛けを投げ入れた。
 数秒の後、『HIT!』の文字が現れた。
「よし、かかった!」
 今度は虚空にバーが現れた。どうやらこれが魚のHPゲージらしい。男がタイミングを合わせ、リールを回すとバーに表示された数値がどんどん減っていく。そして数値がゼロになった時、完全に釣れたことを示す『GET!』の文字が現れた。
「大体こんな感じかな。実際の釣りとは違う部分もあるから、そこは気をつけてな。」
 釣れた魚を手にした男に対し、リカルドは礼を述べてから甲板の別ポイントへ移動した。

「んー、あの辺はどうっすかね~?」
 リカルドが目を付けたのは海の色がやや濃くなった辺り。魚影はないが、何かいそうな気がする。釣り竿を振るって仕掛けを投げ入れると、ゆっくりと待つことにした。
 視力を上げて海の中を覗いてみた。確かに多くの魚が泳いでいたが、今回のバグプロトコルは『水中ではただの魚』ということを考えると、本当の魚なのか疑わしい。
 比較的大きな魚が1匹、隣にいた女性クランメンバーの釣り針の近くを泳いでいるのを見た。リカルドが念動力でさりげなく釣り針を動かすと、魚は見事釣り針に食いついた。
「ちょっ、これ結構大きい!」
 表示された魚のHPゲージを見ると、先ほどのものより数値が高い。どうやらHPゲージの数値と魚の大きさは比例するらしい。女性の慌てぶりも納得である。
「手伝うっすよ!」
 リカルドが女性の釣り竿を掴む。
「あ、ありがとうございます!」
 2人でタイミングを合わせ、リールを回す。この時リカルドが怪力を発揮したおかげで、HPゲージの減り幅が通常より大きなものとなった。

「自己ベスト更新です、ありがとうございます!」
 リカルドにお礼の言葉を述べる女性。その傍らには一抱えもあるような大きな魚がピチピチと跳ねている。
「いやいや、これくらいお安い御用っすよ。」
 その後、リカルド自身もコツを掴んだのか大分釣果を上げられるようになった。
「結構釣れるもんっすねー。」
 傍らのバケツには釣り上げた魚が詰め込まれていた。

 だが、肝心の『魚に偽装したバグプロトコル』はまだ現れない。

成功 🔵​🔵​🔴​

カトリーヌ・クレマン
わたしは山奥の農村出身で農業系クエスト担当のNPCだったから釣りは初めてだし、海その物も滅多に行かないからバグプロトコル抜きで楽しみね。
バグプロトコルの魚が出るまではクランの人に釣りのやり方を聞きながら釣りを楽しむつもりよ。
もちろん道具なんて持ってないから、レンタル品を貸してもらうわ。
バグプロトコルの魚が出たらヤドリギの織姫でクランの人を守りながら草刈り鎌などで応戦するわね。
対バグプロトコルならこちらの分野だから頑張るわ。



●海を知らぬ少女の前に

 当たり前の話であるが、『Fish on GGO』の一団を乗せた船は現在大海原の真っただ中にいる。それをキラキラとした眼差しで見つめる少女がいた。
「あれ?お嬢ちゃん海は初めてかい?」
 船員のNPCがカトリーヌ・クレマン(名も無き村娘・f42145)に尋ねた。
「ええ。わたしは山奥の農村出身で農業系クエスト担当のNPCだったから釣りは初めてだし、海その物も滅多に行かないから楽しみで楽しみで。」
「そっかぁー。逆にオレたちはこうやってずっと船に乗ってるから、山の方に行く機会は滅多になくてなぁ。ま、楽しんでいこう!」

 カトリーヌは船員と別れると、どこで釣りをすべきか周囲を見渡した。
「あれ、新加入さん?よければこっちおいでよ。」
 女性のクランメンバーが声を掛けてきた。背中の初心者向け釣り道具セットを見たらしい。
「それではお言葉に甘えて。」
「私はリカ、あなたは?」
「わたしはカトリーヌです。リカさん、よろしくお願いします。」
 カトリーヌはリカから釣りの簡単な手ほどきを受けると、仕掛けを投げ入れた。ポチャン、と水の跳ねる音は潮騒にかき消された。

「リカさんはよく釣りされるんですか?」
「うん、海以外にも川とか湖でも釣りするよ。この間はみんなでエッカ湖まで遠征したの。」
「エッカ湖!?大分遠いですね!」
「でもその分の釣果はあったよ。スクショ見る?」
 虚空にスクリーンショットが何枚も表示される。
「これこれ、この時の大物!」
 巨大な魚を抱きかかえた、笑顔のリカのスクリーンショットが現れた。
「わぁ……。」
 未知なる巨大魚にカトリーヌの目は釘付けになる。と、カトリーヌの釣り竿に動きがあった。『HIT!』の文字が現れる。
「わっ!わわっ!!」
「慌てないで、落ち着いて、そう、今!」
 リカの指示通りリールを巻き上げ、魚を釣り上げたカトリーヌであったが、魚は彼女らの前で、ピラニアなどの獰猛な小型肉食魚を思わせる姿のバグプロトコルへと変化した。

「なっ、何!?こんなの見たことないんだけど!」
 驚くリカにバグプロトコルは突進攻撃を繰り出した。戦闘経験の薄いリカは攻撃を躱すこともできず、攻撃をそのまま喰らってしまった。HPゲージが半分以上削られる。
 カトリーヌは咄嗟に草刈り鎌を取り出し、バグプロトコルに斬りかかる。
「キシャァァァッ」
 断末魔を上げ消えるバグプロトコルであったが、この海にこんなのが無数にいると考えると心底恐ろしくなる。だが、倒さなければ他の海域にも影響が出るかもしれないのだ。
 そして今は倒れているリカを助けなければならない。
「リカさん、これを。」
 カトリーヌはユーベルコード『ヤドリギの織姫』で編み出した植物の蔓が絡み合うローブをリカに着せた。ローブからは『生命の実』がたわわに実る。リカに『生命の実』を食べさせると、僅かながらHPゲージが回復した。
「まだありますからね。」
「ありがとう、助かったわ。」
 リカが一命を取り留めたことに安堵したカトリーヌであったが、甲板の別の場所からクランメンバーの叫び声が聞こえると、そちらに向かって走り出した。
「カトリーヌちゃん!」
「わたしは大丈夫です!リカさんはそこで待っていてください!」

(楽しい時間の邪魔はさせない!絶対に!)

成功 🔵​🔵​🔴​

アラタマ・ミコト(サポート)
|荒魂鎮神命《あらたましずむるのかみのみこと》ことアラタマちゃんなのです。
極楽浄土でいろいろ経験してきましたが、それでも世界は広く多いのです。
即身仏ゆえに感情が表に出てきづらいのですが、本当はとても感動しているのです。
極楽浄土で使われていた「かたかな」という文字は未だに苦手なのですが、どうぞよろしくなのです。



●補陀落渡海ならずとも

 かつて日本には『補陀落渡海』というものがあった。浄土の一種である補陀落山への往生を目指し、外側から四方を締め切った船で航海に出るというもので、主に紀伊半島の熊野を中心に行われていた。
 一度出港すれば二度と生きて帰れぬ死地の旅であり、中には入水を拒んだことで殺された僧侶もいたという。

 さて、所変わって現代のGGOである。開放的な甲板を心地よい潮風が吹き抜ける。そんな初夏の青空の元、船から釣り糸を垂らすのはアラタマ・ミコト(極楽浄土にて俗世に塗れし即身仏・f42935)である。
「……。」
 釣り針につけた浮き球はぴくりともせず波に揺られ、彼女のバケツは空っぽのまま。近くでは同じくらいの年齢であろう少年が何匹も魚を釣り上げていたにも係わらず、である。
「調子はどう?」
 壮年の男が声を掛けてきた。彼は確か『Fish on GGO』のクランマスターだ。ミコトとクランマスターが並ぶと『祖父と孫』のように見える。
 クランマスターはバケツを見ると、何とも言えない表情で一人頷いた。
「ちょっと仕掛けを見せてもらってもいいかな?」
「お願いします。」
 ミコトが釣り竿をクランマスターに手渡す。クランマスターは仕掛けを引き上げ、何やらあれこれ見始めた。
「うん、うん、ここをこうして……。」
 独り言が混ざり始めたが、釣り初心者であるミコトはよく分からない。
「よし、これでやってごらん。」
「あ、ありがとうございます。」
 何がどう変化したのか知識など持ち合わせていないのでさっぱり分からないが、とりあえず仕掛けを海に投げ入れてみた。ポチャンと着水した音と波紋は波にかき消され、すぐに消えた。

 早速浮きが沈み、釣り竿からは手ごたえを感じる。まるで何かが海中に引きずり込もうとするような力にミコトは少しよろめいたが、クランマスターが後ろから支えてくれた。
「今だよ!」
 クランマスターの言葉を合図にリールを一気に巻き上げると、黒く細長い魚が釣り針に掛かっていた。
「これは『スミヤキ』だね。炭で焼いたように真っ黒だからこの名前が付いたと言われているよ。」
 クランマスターが魚を確認し、針を外そうとした時だった。
「キシャァァァッ!」
 魚が奇声を上げ暴れだした。魚は本来のバグプロトコルの姿へと変化し、クランマスターに突撃攻撃を仕掛けようとした。
「させません!」
 ミコトは間に割って入ると、天叢雲剣でバグプロトコルをなぎ払った。バグプロトコルは一撃で消滅し、代わりに魚がアイテムとしてドロップした。
「今のは一体……?」
 困惑するクランマスターだったが、とりあえず船員を呼ぶため船内へと入っていった。

「うわぁっ!」
 今度は少年にバグプロトコルが噛み付こうとしていた。ミコトは咄嗟にバグプロトコルを切り捨てると、甲板を駆けだしていった。

 楽しい冒険を死地の旅にしてはいけない。その一心でミコトは戦う。

成功 🔵​🔵​🔴​

納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから10年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!

あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ

商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません

あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします



●シーツは潮風に揺れる

 今回のクランクエストでは大型帆船を釣り船としてチャーターしている。現在停泊するためその大きな帆は畳まれているが、航海時には勇壮に広げられ、風を受けて前進するのである。
 そんな帆と比較するのもおこがましいような、小さなピンク色のシーツが潮風に揺れていた。
「んん~、なかなか釣れませんわね。」
 シーツから声がすると驚く子供ら。
「なんだアレ!?」
「お化けだ!」
「お化けだよ!」
「お化け、と言われたらお化けかもしれませんわね?」
 ここで冷静に返すのが納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)のいい所である。
「子供たち、お菓子ありますわよ?一緒に食べましょう?」
 ポン、と虚空からポップでどこか毒々しいお菓子が現れる。魔界で人気のゴーストスイーツだ。見たことのないお菓子に釣られて、子供たちがピンチンの所に集まりだした。
「いただきまーす!」
「おいしい!」
「鳥さんみたいで可愛い!」
 どうやらゴーストスイーツはGGOでも好評のようだ。笑顔でお菓子を配るミンチンだったが、楽しい一時は叫び声で終わりを告げた。
「たっ、助けて!魚が!」
向こうから駆け込んできた少年が助けを求める。と、その後ろから小魚型のバグプロトコルの群れが雪崩れ込んできた。
「皆さん、アタシの後ろに!」
 ピンチンは釣り竿を勇者の剣に持ち替えると、バグプロトコルの群れをなぎ払い一掃した。
「皆さん、お怪我はありませんか?」
「お化けさんありがとう!」
 子供たちが泣きながらミンチンに抱き着いてきた。
(これが魚に化けたバグプロトコル。確かに弱かったけれど数が多いですわね……。)
「皆さん、ここで待っていてくれるかしら?」
 頷く子供たちに見送られ、ミンチンは他の場所へと駆けだすのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『突然』の『サメ』

POW   :    噛み付く
噛み付きが命中した部位を捕食し、【対象のステータス】を得る。
SPD   :    仲間を呼ぶ
【突然】大量の【サメ】を降らせる事で、戦場全体が【鮫の縄張り】と同じ環境に変化する。[鮫の縄張り]に適応した者の行動成功率が上昇する。
WIZ   :    どこでもシャーク
【鼻先】で長さ1万÷レベルmの洞穴を掘ると、終点が「同じ世界の任意の場所」に繋がるワープゲートになる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠フカヒレ・フォルネウスです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●あっ!エリアのヌシもバグプロトコルになった!

 猟兵たちの活躍もあり、『Fish on GGO』はクランメンバー、NPC共に一人の犠牲者も出すことなくバグプロトコルに対処することができた。
「マスター、一度港に戻りましょう。船にダメージはありませんが、また同じことが起こらないとも限りません。」
 NPCの船長に打診されたクランマスターは撤退を決断した。
「皆さん申し訳ありません。今回のクランクエストはここで中止と……ん?」
 騒ぎの中放置されていたクランマスターの釣り竿に反応が現れた。浮かび上がる『HIT!』の文字に居ても立ってもいられず釣り竿を握りしめるクランマスター。
「こっ、これは!?」
 クランマスターのただならぬ様子に不安を覚えたクランメンバーが集まってきた。
「どうしたんですか?」
「かなりの大物です!もしかしたら『エリアのヌシ』かもしれません!」
 『エリアのヌシ』に色めき立つクランメンバーたち。クランマスターを手伝い、釣り竿を引く。

 どれだけの時間格闘しただろう。ついに巨大な魚影が海面に現れた。
「あともう一息です!」
 魚のHPゲージは数ドットまで削れた。そしてその瞬間がやってきた。……釣り上げたと思ったその時、大空に巨大な鮫が現れ、悠々と泳ぎだした。

「あれが『エリアのヌシ』?」
「でもステータス欄バグってるよ。」
「というか、鮫って空中泳ぐの?」
 言いたい放題のクランメンバーたちだが、猟兵たちはある可能性に気づいた。
「もしかして『エリアのヌシ』とやらもバグプロトコルに乗っ取られたのでは?」
 そんな推測を知ってか知らずか、鮫がクランメンバーたちに狙いを付けた。先ほどまで戦っていた小魚型のバグプロトコルよりも強力な気配を感じ取った猟兵たちは、釣り竿を武器に持ち替えるのであった。
カトリーヌ・クレマン
こいつがバグプロトコルの親玉のようね。
空飛ぶサメはさすがに釣り専門クランでも対処できないし、リカさんたちに被害が出る前に倒さないといけないわ。
援護射撃で弓使いのNPC集団を呼び出してサメの縄張り(敵の成功率上昇)にこちらも数(こちらの成功率上昇、敵の成功率低下)で対抗するわ。
こちらに近寄って来た所を草刈り鎌や竹槍で攻撃するわ。



●激突!鮫vs猟兵

 小魚型のバグプロトコルとの戦闘では、犠牲者こそ出さなかったものの負傷者はそれなりにいた。そこで手が空いているプレイヤーとNPCの船員が協力し、負傷者たちを船内に運び入れて治療を行うことになった。少なくとも甲板にいるよりは安全だろうという船長の判断であり、この判断に猟兵たちは救われることとなる。
「カトリーヌちゃんごめんね、ここまで連れてきてもらって。」
「いえいえ、これくらいなら大丈夫ですよ。」
 ダメージが癒え切らないリカに肩を貸し、船室へと向かうカトリーヌ。と、そこへ息を切らせた船員が駆け込んできた。
「た、大変だ!空飛ぶ鮫が出た!」
 その場に居合わせた面々の顔にクエスチョンマークが浮かぶ中、カトリーヌは直感的に『新たなバグプロトコルが出た』と判断した。
「リカさんすみません、行ってきます!」
 駆けだすカトリーヌの背を、リカは祈るような気持ちで見つめていた。

 甲板に出ると、巨大な鮫が空中を泳いでいた。その大きさは目視できる範囲でメインマストの横幅より長く、もし船と衝突しようものならひとたまりもないと容易に推測できた。
「こいつがバグプロトコルの親玉のようね。」
 船に被害が出る前に早く倒さねば。その一心で竹槍を握りしめる。
「グルォォオオオオオオオ!!!」
 鮫が唸り声を上げると同時に、虚空から大量の鮫が現れた。大きさこそ劣るものの、何しろ数が多い。先ほどまで戦っていた小魚型のバグプロトコルが強化されたような印象すら受ける。だが、カトリーヌもまた、先ほどの戦いで大軍との戦い方を学んでいた。
「お願い!あなたたちの腕が必要なの!!」
 その言葉と同時に、甲板やマストに弓使いのNPCたちが現れた。
「お前ら誰なんだ!?」
 甲板に残っていたプレイヤーが思わず突っ込むが、弓使いたちは動じることなく鮫の大軍に矢を射かける。矢は時に鮫を射抜き、時に怯ませ、時に撃墜させた。
 カトリーヌもまた、上空の鮫に対しては竹槍を投げ、接近してくる鮫には草刈り鎌で応戦した。
「このっ!このっ!」
 カトリーヌたちの奮戦もあり、鮫の大軍は順調に数を減らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リカルド・マスケラス
「さて、大物がかかったっすねー」
鎖鎌を構え、鮫に向かうっすよー。【念動力】で浮き、水面に立って戦うっすよ。鎖鎌を【ロープワーク】で操り分銅と鎌での【2回攻撃】を繰り出してこちらに引き付けてクランメンバーに攻撃が行かないようにする
更には氷【属性攻撃】を鎖鎌に這わせて凍らせたり、分銅を湖面に叩きつけて氷飛沫にして目眩しにしたり
噛みつかれたら「おっと、残念すね」と自爆して敵にダメージを与える。本体は目眩しした時などに別の分身体へとすり替わっており、後で「どうっすか?びっくりしたっすかねー?」と、ひょっこりと出てくる



●鮫と忍者と初夏の海

 宙を舞っていた小型の鮫が全て撃墜され、残るは大型のボス鮫1体となった。ボス鮫もこうなるとは予想していなかったのか、空中を泳ぎながら警戒を強めているのが見て取れる。

「さて、大物がかかったっすねー。」
 ボス鮫を仰ぎ見ながらリカルドが呟く。先ほどまでクランメンバーたちを守りつつ、小型の鮫を相手取っていた彼がボス鮫の姿を確認したのはこれが初めてだった。
 後方で物陰に隠れているクランメンバーたちの姿を確認すると、鎖鎌を構え走り出す。
「お前の相手はこっちっすよ!」
 ボス鮫に向かい、鎖鎌を放つ。
「そーれもう一発!」
 今度は分銅が飛んできた。鎖で縛られたボス鮫を引きずり、クランメンバーたちから引き離すように立ち回るリカルド。鎖から逃れようとのたうち回るボス鮫だったが、鎖に纏わり付いた氷が鮫肌に引っ付く。
 ようやく氷が溶けたところで鎖からの脱出に成功したが、ボス鮫の怒りは収まらない。リカルドを一飲みにせんとばかりに突撃を仕掛けるも、目眩ましとばかりに水飛沫が上がる。

 追いかけっこはどれだけ続いたか。ボス鮫はやっとの思いでリカルドに追いついた。
「おっと、残念すね」
 全力で噛み付くも、歯ごたえが何か違う。と、口の中でリカルドがいきなり爆発した。鋭い牙が吹き飛ばされ、腔内に大ダメージを負ったボス鮫はまだ状況を理解していない。
「どうっすか?びっくりしたっすかねー?」
 声のする方を見れば、なんとリカルドはマストの上に立っていたのである。そう、先ほどボス鮫が食らい付いたリカルドは分身だったのだ。あえて分身を食わせ、その上で自爆攻撃を行う実にシンプルながら効果的な戦法だ。

「さあ、こちらはまだいけるっすよ?」
 余裕綽々のリカルドと満身創痍のボス鮫、戦いを初夏の照り付ける太陽が照らしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティエル・ティエリエル(サポート)
◆キャラ特徴
ボクっ娘で天真爛漫、お転婆なフェアリーのお姫様です。
王家に伝わる細身のレイピアを使った空中からのヒット&アウェイで戦うのが得意な女の子です。
・冒険大好きお姫様
・珍しいものにも興味津々
・ノブレス・オブリージュの精神で弱者を放っておけないよ
・ドヤ顔がよく似合う
・困ったら動物さんに協力を!

◆戦闘方法
・背中の翅で羽ばたいて「空中戦」や「空中浮遊」で空から攻撃するよ
・レイピアに風を纏わせて「属性攻撃」でチクチクするよ
・対空攻撃が激しそうなら【ライオンライド】
・レイピアでの攻撃が効かない敵には【お姫様ビーム】でどかーんと攻撃



●大きな鮫と小さな妖精

 お伽噺の一寸法師、或いは旧約聖書のダビデとゴリアテの逸話など、『小さき者が大きな者に挑む』話は枚挙に上がる。そしてGGOでもまた、大きなものに挑む小さき者が現れた。
「そこまでだよっ!」
 ボス鮫の前に立ちはだかったのはティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)。身長約24㎝のフェアリーだ。
 巨大なボス鮫は満身創痍ながらも、未だその威容を保っている。そんなボス鮫からすれば、ティエルなど一飲みに出来る小魚に等しい。その慢心がボス鮫を更なる危機に追いやるのだった。

「いくよ!」
 ティエルが背中の翅で宙に舞い上がり、針の剣ならぬレイピアを構えた。ボス鮫が突撃の姿勢から突進攻撃を繰り出すも、ティエルは冷静に回避し、カウンターとばかりに風の力を纏わせたレイピアでボス鮫の鼻先を突き刺したのだ。鼻先が鮫にとって急所であることはよく知られているが、バグプロトコルであるボス鮫にもこれは有効であった。
 のたうち回るボス鮫は尾を振り上げてティエルに攻撃しようとするも、単調な攻撃は全て見切られており、かすりもしない。
「まだまだ!」
 レイピアの連続突きがボス鮫の鼻先を襲う。
「ガアァアアアアアア!」
 これはたまらん、とばかりにティエルに背を向け海中に逃げ込もうとするボス鮫。だが、ティエルの武器はレイピアだけではなかったのだ。

「うーー、どっかーん!」
 もしボス鮫が背後を振り返ったのなら、自身に向けられた謎ビームが見えたはずだ。そう、この謎ビームこそがティエルの切り札『|お姫様ビーム《プリンセス・ビーム》』である。
 ビームは真っすぐボス鮫に向かい、鮫肌の丈夫な皮膚を突き破ってボス鮫の体を貫いた。力なく海中に落下するボス鮫。すぐに腹を海上に向けて浮かび上がったものの、それは弱った魚の姿であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!


人柄

普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します


心情

仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています


基本行動

味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します

一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします

またUC【贖罪】により楽には死ねません

ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います


戦闘

味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用


戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます


チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

「では、吉報をお待ちください」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●鮫の寿司ってあるんですかね?

 猟兵の追撃の手はまだ終わらない。ボス鮫もただ腹を浮かべてくたばってる場合ではないことを再確認すると、再び宙へと浮き上がった。甲板を見れば、逃げ遅れたNPCの船員たちが残っているではないか。彼らはプレイヤーを船内へ逃がすために甲板へ残っていたのである。
 せめてこいつらを喰えばこの傷も癒えるだろうと、ボス鮫は船員たちに狙いを定めた。
「グルァアアアアアア!!!」
 だが、ボス鮫の狙いは大きく外れることになる。
「させません!」
 シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)の二丁聖銃が火を噴いたのだ。銃弾は傷口を貫き、ボス鮫に追い打ちをかけた。さらに、上空から氷属性の魔法弾が降り注ぐ。その数なんと約755発。氷の魔法弾はボス鮫はもちろん、海中に隠れて出番を待っていた残りの鮫も掃討した。
「さて、残りはアレ1匹ですか。」
 船の上空をチル・スケイル(氷鱗・f27327)が旋回しながら飛翔する。先ほど放たれた氷の魔法弾は彼女のユーベルコード『|氷術・矢《アイスレイン》』によるものだったのだ。チルは愛用の突撃杖『ストゥーマ・フシロ』を拳杖『パフィロ』に持ち替えると、甲板へと降り立った。

 魔法弾によるダメージと冷気でボス鮫の動きが鈍った。チルはこれを好機と見るや、氷属性の魔法弾をさらに叩き込む。ボス鮫の体は氷に包まれ、身動きが取れない。通常ならこのまま追い打ちをかけるところだが、シホがそれに待ったをかけた。
「この鮫の中にいる魚が泣いています。」
 それはバグプトロコルに乗っ取られた『エリアのヌシ』の、言語にならない叫びであった。

 シホは破邪の護符を取り出すと、祈るようなユーベルコードの力を籠め、氷漬けになったボス鮫に叩きつけた。
「歪みの主よ、その依代を解放してください!」
 氷がピキピキと音を立てて割れ、中にいたボス鮫が光り輝く。そして灰色の、鮫とはかけ離れた穏やかそうなフォルムの巨大魚が現れた。これが『エリアのヌシ』なのだろう。本来の姿を取り戻した『エリアのヌシ』はまるで礼を言うかのようにシホたち猟兵を見ると、そのまま海へと帰っていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 日常 『打ち上げタイム』

POW   :    皆でパーティータイム

SPD   :    戦利品のお試しタイム

WIZ   :    新たな仲間探し

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●また来ればいいから

 『Fish on GGO』のメンバーと猟兵たちを乗せた船が港へと戻ってきた。負傷者こそいたものの、猟兵や船員たちの迅速な対応により一人の犠牲者も出すことなく、また、負傷者たちも猟兵の治療により歩ける程度に回復していた。
 猟兵たちから事の次第を聞かされたクランメンバーたちは驚くやら何やらと、騒がしい様相を呈していた。特にあのボス鮫の真の姿が今回のお目当てだった『エリアのヌシ』だったことには悔しがる声が多く上がった。
「でもまぁ、生きていればまた釣れますよ。」
 そう言ったのはボス鮫を釣り上げた当のクランマスターだった。

 さて港近くの酒場では、クランクエスト打ち上げの準備が進められていた。今回は大所帯となったため、酒場を丸ごと貸し切っての開催である。
 そこに2人の人物が入ってきた。グリモア猟兵のエウレカと、この『ハマーン半島』周辺の管理を担当するスーザンである。
「お疲れ様(*´ω`*)」
「ありがとうエウレカ。あなたが猟兵を連れてきてくれなかったら今頃海はバグプロトコルで溢れかえっていたわ。」
「お礼は実動部隊に言ってよ。私はただ連れてきただけ(´ー`)」
そこに酒場のドアが勢いよく開く。さあ、打ち上げの始まりだ!
リカルド・マスケラス
「さて、ここからは楽しいパーティの始まりっすよ!」
サメをメインに色々と【料理】するっすよ。人手が足りなければ【念動力】で器具を動かしたり【霧影分身術】で人手を増やしたりする
「さあ、どんどん食べるといいっすよ〜」
刺身にお寿司、唐揚げやバター焼、煮付けにカレーと色々と料理を作って振る舞うっすよ
「他にも何か食べたいものはあるっすかー?」
そんな感じでワイワイみんなで食べてる姿を見て楽しんでおくっすよー。あとはGGO的要素だと、ステータスアップがどんな感じとかワイワイする感じっすかねー

その他、アドリブとか歓迎っすよ〜



●楽しい宴の始まり

 『Fish on GGO』ではクランクエストの後に打ち上げをすることになっている。釣りと同じくらい楽しみにしているクランメンバーもいるくらいだ。今回の打ち上げにはNPCの船員たちも招かれ、航海の労をねぎらうことになっている。
 目の前にはご馳走が並ぶ。その前にクランマスターの挨拶だ。グラスを手に今回の出来事を振り返るクランマスター。
「今回は本当に大変でしたが、皆さん無事に生きて帰ってこれたのが不幸中の幸いでした。まぁ生きていればまた釣りはできますからね。これからも安全第一で楽しんでいきましょう。それではご唱和ください。『明日はー?』」
「「「「「『釣るぞー!』」」」」」
 乾杯の音頭と共にグラスが掲げられ、涼やかな音が酒場のあちこちに響いた。

 リカルドは会場の一角を借り、屋台スペースを構築した。物珍しさにクランメンバーたちが集まってくる。
「さて、ここからは楽しいパーティの始まりっすよ!」
 慣れた手つきで次から次へと料理を繰り出すリカルド。
「凄い!鮫の尾頭付き刺身なんて初めて見た!」
「寿司、寿司がある!」
「なんだこの唐揚げ!?めっちゃ旨いんだけど!え?これも鮫!?」
 次から次へと出てくる鮫料理。実はリカルド、戦闘中にちゃっかりとボス鮫が呼び出した子分鮫を確保していたのだった。分身体が黙々と鮫を捌き、念動力でフライ返しや菜箸を動かし、盛り付けを行う。

 これは全くの余談であるが、UDCアースの広島県北部では鮫のことを『ワニ』と呼び、祭りや正月に刺身として食べるという習慣があった。山間部では新鮮な魚が手に入らなかった時代の名残であるが、現代においても当地での人気は根強いという。

 屋台の盛り上がりに他のクランメンバーやNPCたちもやってきた。
「バター醤油のいい匂いがする!」
「この煮付けには白飯でしょ。」
「カレー!カレー!」
「さあ、どんどん食べるといいっすよ~。」
 リカルドの調理ペースは衰えることを知らない。

「私もここの管理やって長いけど、鮫にこんなレパートリーがあるなんて知らなかったわ。」
 スーザンが唐揚げをつまみにビールを決める。
「異世界の猟兵が色々持ち込んだ結果、レシピが増えたのよ(*´ω`*)」
 エウレカは鮫カレーを食べつつ、相槌を打つ。と、彼女は何かに気づいたように自分のステータス画面を立ち上げた。
「やっぱステータス上がってる(*´▽`*)」

 GGOにおいて『食事』とは単なるフレーバーではない。摂取するメニューによってHPや状態異常の回復、ステータス上昇や状態異常耐性など各種バフが付与されるのだ。その為、ボス戦の前に食事をとるプレイヤーも珍しくない。
 何せGGOには『|魔喰者《モンスターイーター》』という食べることに特化したジョブが存在するのだ。食事とは実はGGOの基本なのかもしれない。

「あ、お前回避上がってんじゃん!」
「それ言ったらお前物理攻撃力倍になってね?」
 ステータス画面を見ながらワイワイと楽しむクランメンバーたち。その様子をリカルドも楽しげに見守りながら、さりげなく一杯グラスを傾けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

チル・スケイル(サポート)
「皆さん、よろしくお願いします(お辞儀)」
「…(仕事の時間)」

「では、吉報をお待ちください」

竜派ドラゴニアンのクールな女性です。普段の口調は『私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?』誰にでも礼儀正しく接します
戦闘中は 『私、あなた、~さん、言い捨て』不要な発言はしません

戦闘スタイルは魔法による射撃が主体。氷の魔法を操ります。それ以外の属性は使いません

侮辱や暴言、報酬の踏み倒しなど、敬意に欠ける行為を嫌います

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
スシが大好きです

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●猟兵、鮫寿司を喰らう

 宴のテーブルに付いたチルの目の前には、寿司と日本酒によく似た、透明な酒の入ったグラスが置かれていた。握り寿司は丁寧にも生、漬け、炙りの3種類と巻き寿司が並んでいる。白身魚のようなネタが乗った寿司を眺めながら、チルは思案していた。
(鮫でスシを作るなど、考えたこともなかった。)
 そう、この寿司はあの時の子分鮫が使われているのだ。帰りの船内で鮫の冷凍を頼まれ、引き受けた結果がこれである。

 聞いた話によると、鮫の刺身はマグロのトロにも匹敵するらしい。「らしい」というのは、チル自身実際に鮫を食べた経験がないからだ。
 そして「鮫の身にはアンモニアが含まれているから臭いが気になる」という話も思い出した。それはあくまでも鮮度が低下した鮫の話であるのだが、慣れていないと気になるものだ。

 意を決して、素材そのままの寿司に醤油をつけ、口に運ぶ。
(!?)
 新鮮なうちに内臓を取り除き、冷凍保存していたおかげなのだろう。懸念されていた臭みはなく、とろりとした濃厚な脂が口の中に広がる。脂の余韻を楽しみつつも、グラスの冷酒でサッと流し込めばそこはもう楽園だ。
 次に漬けを食す。漬けタレの中に含まれている生姜が脂を中和し、生とはまた違う味わいが広がる。料理人の腕も良かったのだろう、チルはうんうんと一人頷きながら箸を進めた。
 今度は炙りだ。こちらは程よく脂が抜け、上に乗せられた青じその千切りと大根おろしがさっぱり感を加速させる。炙ったことにより身も程よく変化し、口の中でホロホロと解けていく。
 最後は巻き寿司だ。見た目は鉄火巻きのような細巻きだが、具材の変化球をチルは見逃さなかった。
(これは、ガリとマヨネーズ?)
 果たしてこれは合うのか、という疑問は実食して解決した。白身魚である鮫肉は、濃厚な脂が含まれているもののどこか淡泊であることは否めない。それをマヨネーズが補い、増えた脂分をガリがさっぱりと打ち消してくれる。実はベストな組み合わせなのだ。

 鮫の寿司という初体験に満足したチルは、おかわりがないか確認するべく席を立ったのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年07月25日


挿絵イラスト