【旅団・祝・2年目】導け、先輩たち!
●注意
当依頼は、PBWアライアンス『コイネガウ』からのシナリオです。
PBWアライアンス『コイネガウ』の詳細を以下でご確認お願いします。
公式サイト:(https://koinegau.net/)
公式総合旅団:(https://tw6.jp/club?club_id=4737)
また、当依頼は『コイネガウ』の旅団シナリオです。
旅団「公式総合旅団」の団員だけが採用される全1章「日常」の構成です。
『第六猟兵』の旅団シナリオとは違いEXPとWPが貰えます。
旅団シナリオのハウスルール解説:(https://tw6.jp/club/thread?thread_id=117680&mode=last50)
●4月に来たるもの
4月、それは新年度が始まる月。希島の中心である国立希島学園には、今年も大勢の新入生が入学してきた。
新しい生活に向け抱くのは、希望と不安の二つだろう。それに対応するため、動いている組織があった。
その名は『委員会』。学校によくある何々委員というものではなく、それとは別に学園の様々な問題に対処する特務組織のようなものである。
今、その委員会に召集がかけられていた。
●先達の教え
「皆様、お集まりいただきましてありがとうございます」
アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が集まった面々に声をかけた。
「今年も学園に多くの新入生が入ってきました。皆さん先に対して大きな希望を抱いていると思いますが、同時に、同じくらい不安もあると思います」
入学式の代表挨拶などでの常套句でもあるが、それは決して形だけのものではあるまい。
「そういった方々に、皆さんは先輩として学園や希島全体の案内をしていただきたいと思います」
「学園案内ですか? 緊張しますね……」
その指示に、藤原・心咲(|蟲狂いの少女《はらむもの》・f42596)はその役に少し不安を覚えつつも答える。
「はい。他にも学園の中はもちろん、その外に広がる各所でもこれは押さえておいた方がいいと皆さんが思うもの……そういうのならどこでもいいです」
学園生活の中心となるのはもちろん学校だが、家と学校を往復するだけの生活などつまらない。交通、商店、産業、自然……今とこれからを充実させるために見るべきものは島全体にいくらでもあるのだ。
「商店街OKなのですね……! なら商店周りを担当してみたいと思います」
その話を聞き、ソフィア・アマティスタ(ポンコツな私立探偵・f41389)は早速学外案内の希望を出した。
「靴案内は任せた。一人はみんなのために、みんなは一人のために」
相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)は自分に縁ないものは他者に任せる姿勢を取りつつも、その上で自分は何ができるか、何をすべきかをとても真剣に考えていた。
「一つ補足としまして、新入生とは言いますが全員が一年生とは限りません。他所からの編入などによって二年生以上の方もいますし、様々な理由で年齢と学年が一致しない人もいるでしょう」
希島学園はあらゆる出自と種族を受け入れる。あるいは自分より年齢が上の新入生すらいるかもしれない。
そういった者でも問題なく学園生活が送れることを理解してもらうのも、今回の案内の目的の一つになるのかもしれない。
「どこに行かれるかはそれぞれでお決め下さって大丈夫です。案内の仕方もお任せします。ただ、新入生の皆さんは当然ですが希島について何も知りません。もし皆さんが迷子にでもなってしまえばどうなるか……」
基本的に新入生はあらゆる意味で『戦力』にはならない。何か問題があれば案内する者たちの力で切り抜けなければならないのだ。
とはいえ別にそんな危険なことにはなるまい。せいぜい先輩の威厳が失墜するだけである。それが致命傷? ならそうならないように頑張るしかない。
あるいはその状況で手を取り合ってより絆を深めたり、あるいは後進の成長が促されたり今まで自分でも知らなかった何かを発見できることすらもあるかもしれない。
「ともあれ、大事なのは新入生の方にはやく学園に慣れて頂くこと。その為に皆さん、どうかよろしくお願いします」
アレクサンドラはそう言って、新入生のリストと学園内外の地図を配るのであった。
鳴声海矢
注:この依頼は、【旅団・祝・2年目】の共通題名で括られる連動シリーズです。
今回の全シナリオ&掲示板ゲームのクリアで後日に「種族とジョブ」の報酬が配布予定です。
なお、各MSによるシナリオはどれも内容が独立している為、重複参加に制限はありません。
注2:依頼の一覧表は以下です。
鳴声海矢MS:「公式総合旅団」依頼担当。日常枠。
黒代朝希MS:「ルネ・カフェ」依頼担当。お色気枠。
雅瑠璃MS:「恋華荘」依頼担当。お色気枠。
ヤタ・ガラスMS:「入学式」掲示板担当。(種族とジョブの解禁情報も掲載)
今回は希島の先輩として、新入生の皆さんを案内していただきます。
案内する場所や方法は参加者様にお任せ。学内だけでなく島内の様々な場所を舞台とできます。
興味のある所や得意分野について説明、案内したり、新入生と一緒に改めて島を探索して回ってみるのもいいでしょう。よほどの危険地帯や重要機密でなければ、大概の所は見学できます。
今回の能力値行動は以下の通りですので、参考にしてください。
P:新入生と一緒に迷子になってみる。
S:新入生を商店街などの便利な場所に案内してみる。
W:新入生と散りばめられた謎を解き明かしてみる。
新入生の種族や年齢、性格などは様々ですので、必要に応じてお好きに設定していただいてOKです。一度に案内する人数も一人から複数クラスまでご自由に。
それでは、プレイングをお待ちしています。
第1章 日常
『プレイング』
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POW : 肉体や気合で挑戦できる行動
SPD : 速さや技量で挑戦できる行動
WIZ : 魔力や賢さで挑戦できる行動
イラスト:YoNa
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
コニー・バクスター
SPD。「新入生をキャバリア関係などの便利な場所に案内してみる。」
アドリブ・連携・NPC歓迎。UCお任せでも無しでも。NG無し。
コニーは新入生がもっとキャバリアの事を知ると良いと思うのよね。
希島って何気にキャバリアの特産地だったりする訳なのだ!
キャバリア関係であれば学内でも学外でも良いかな。
でも色々と動くと大変だから、学園地区内にしとこうか。
学内なら演習場とか良いし、学外なら研究所とかが良いのだ!
なんなら、コニーのBRRを見せても良いし。
そうだなぁ、折角だから、
今回はアレクサンドラと一緒に案内してみようかな?
ちょっとコニーのキャバリア助手とか頼める?
紹介すべき希島の特産品と言っても色々とある。そんな中でコニー・バクスター(ガンスリンガー・ラビット・ガール・f36434)が選んだものは。
「コニーは新入生がもっとキャバリアの事を知ると良いと思うのよね。希島って何気にキャバリアの特産地だったりする訳なのだ!」
キャバリア乗りであるコニーは、自分の得意分野を活かすということもありキャバリア関係の案内をすることとした。
だが、特産というだけあり関連施設はあちこちにある。また一応は兵器に類するものなわけで、部外者には見せられない機密事項もそれ相応に多い。
「キャバリア関係であれば学内でも学外でも良いかな。でも色々と動くと大変だから、学園地区内にしとこうか」
学園内なら学生なら大体のところは見ても問題ない。ということで、学園地区のキャバリア関係の所を主に回ることにしたコニー。
まずは基本となる学内からということで、キャバリア演習場からの案内だ。
そこは5メートル級のキャバリアが自由に動けるよう十分な広さが取られ、さらには局地戦に備えた遮蔽物や特殊地形も備えた場所。そしてそこを動き回るキャバリアに、男子生徒はもちろん女子も大興奮だ。
動いているのは基本的には学園所有の量産型キャバリアだが、一部には明らかに金のかかった、高性能そうなキャバリアも混ざっている。
「最初は動かし方からだけど、慣れてくれば自分のキャバリアを持ち込んで動かすこともできるよ」
もちろんそれには相応に腕前や資産、後ろ盾などが必要なのだが、希望に満ちている新入生に無粋な現実を突きつけるのは野暮というものだ。
そして学校にあるものを見たら、次は学外だ。
確かに希島学園は広いが、キャバリアを何体も製造、修理できるほどではない。またあくまでキャバリアは数多ある科目、学部の一つに過ぎないわけで、それだけに敷地の全てを割くわけにもいかない。
なので、それを専門に研究開発する研究所がある。生徒たちを連れ立って今度はコニーはそこへと訪れた。
こちらは専門施設だけあって、ただ動かすだけではない様々なことが行われている。
より良い機体の開発や、応急処置では済まなくなったレベルの修理、改造。内燃機関や動力、稼働などの研究。もちろんより専門的なパイロットの訓練など、学園を出て『プロ』としての道を歩み始めた者たちがそこにはいた。
当然、学校で習うレベルの事すら未履修の新入生たちに理解できる世界ではない。しかしその『理解できないくらい凄い』世界への憧れは、学びたいものを決める原動力になる。
そしてその憧れと地続きにいるものを見せるため、コニーは研究所敷設の演習場へと行く。
「なんなら、コニーのBRRを見せても良いし」
そのつもりでここに用意しておいたコニーのマイキャバリア『ブラック・ラピッド・ラビット(Code:BRR)』に乗り込むコニー。そして助手を頼んでおいた情報屋、アレクサンドラに指示を出す。
「それじゃ、よろしく!」
指示を受け、アレクサンドラは演習用のキャバリア装備を持ち上げ、BRRに向けて投げつけた。キャバリアに関する知識は一切ないため技術的な手伝いは出来ないが、並のキャバリアとなら素手で組み合える怪力で量産品の近接装備を投げればそれはちょっとした兵器攻撃。
その攻撃を、BRRは自動小銃を連射して叩き落としていく。さらに大きな岩塊が来れば、それはブラストナックルで粉々に砕く。
そして脚部をフル稼働させて前に出た瞬間、その後ろに赤黒い稲妻が落ちた。相手のUCによる落雷をレーダーユニットで察知し高速で前に出る動きは、素人の目で見切れるものではない。
最後に敵役として立たせておいた無人のキャバリアの上に着た瞬間。
「全力爆撃で弾け暴れろ! コニーの黒き兎!」
【爆裂黒兎】の大爆発。それが晴れた後には、敵機キャバリアは蒸発し残骸すら残っていなかった。
突如見せられたド派手な演習に、新入生たちは大歓声があがった。
最後に見学土産に『キャバリア・チップス(コンソメ味)』を配り解散。おまけのカードはもちろんBRRが大当たり枠だろう。あるいはそれを憧れにキャバリアに乗り始める者もいるかもしれない。まあ逆にカード収集の方を趣味にしだす者もいるかもしれないが、それは個人の自由だ。
こうして、コニーは己の推す希島特産を存分に紹介したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
藤原・心咲
【銀&心咲】
●アドリブ歓迎
●NGなし
●POW
新入生の皆さんに学校案内しようと思います。
最初は順調に見えたけど、どんどん難しい質問だったり
口説かれたり絡まれたり緊張で回答ど忘れ・・・困り果ててると西行寺さんが!
「助けてください!」とお願いしますが
西行寺さんも天然勘違いで迷子に。
新入生に「ここさっき通りましたよ?」であれー??な感じで
同じ場所をループ。もうやけくそで直感で進むと知らない場所に
「えっと・・・どこでしょう???」
オチは新入生と郊外大冒険でヘトヘトで戻ります。
「い、以上が国立希島学園全周ツアーでした!ね、ね!?」
西行寺・銀治郎
【銀&心咲】
●アドリブ歓迎
●NGなし
●POW
よし、今回の委員会の任務は新入生案内だぜ!
心咲ちゃんと一緒に新入生の皆を導くぞ!
へぇ、最近の新入生ってそんな難しい質問するんだ?
おいおい、心咲ちゃんがナンパされてるぞ!?
「助けてください!」だと? 勿論、助けるぜ!
で、あのさ、ここってどこ!?
天然勘違いというか、天然残念なんだよ、俺!
今回は残念な迷子役だぜ!
なんというか、俺ら無限ループしてないか、心咲ちゃん?
ま、もうやけくそで全力に残念な案内をするぜ!
ううむ……新天地か、ここ? 希島の果てでは!?
よし、以上が国立希島学園全周ツアーだぜ!
そうだよな? きっとそうだぜ? 心咲ちゃん!?
学生生活で最も多い時間を過ごす場所、それは当然ながら学内である。なので、藤原・心咲
(|蟲狂いの少女《はらむもの》・f42596)は、多くの新入生を連れ立って学内を案内していた。
「学園はとにかく色々なものがあるけど、まずは小中高と別れて……」
何しろ広大かつ想定できるほぼすべての学年を要する希島学園。まず自分が何学生の何年何組でそれがどこにあるのかを把握するところから始めなければならない。
「ごはんはどこでたべるの?」
「食堂はあっちにあるけど、小学生なら給食もありますね」
「自分、中二の編入なんすけど……」
「大丈夫、ちゃんと中二相当の引継ぎで始められますから……」
基本的な教室の事は順調に説明していく心咲。しかし必要な説明はだんだん複雑になっていって。
「キャバ部って……え、そういうのあるのここ? しかもなんか賑わってる」
「それはキャバリアです! いくら希島でもそんな部活はない……と、思います……多分……」
「図書館広いねー! 魔法って書いてある、ゲームの本もあるんだね!」
「え、いや、そう思ってられるなら幸せなことかもしれませんが……ちょっと待ってそれが魔法の本ってなんで分かるんですか君!?」
何しろロボットもオカルトも学べる学園である。特殊教室だけでもとんでもない数があり、しかも門外漢だと何に使うか分からない教室も少なくない。
「え、えっと、それは……」
段々答えに詰まったり間違えるようになってしまう心咲。
「あ、もしよかったら俺が案内しようか?」
そんな彼女に助け舟が、と思いきや。
「ね、あっちの方でさ、詳しいことは……」
心咲の腰に手を回して来るその男子生徒。新入生と間違えられたか、あるいは分かって誘っているのか、大量の新入生の前で堂々と口説きにかかるその男。ある意味この学園の奔放さを見せられたとも言えるが、この状況でお呼びではない。
「助けてください!」と言わんばかりの目で辺りを見回すと、そこに知り合いの西行寺・銀治郎(国立希島学園の一般的な残念男子学生・f38167)が映った。
向こうも目が合った時全てを察したのか、近づいてきてわざとらしいくらいの大声で言う。
「あー何だここにいたのか! 次は校庭からの外回りだろ、さあ行こうぜ!」
そのまま強引に心咲と新入生の群れを連れ、校舎から出ていってしまった。
「いやぁ、助かりました……私ひとりじゃ中々全員の質問には答えきれなくて」
「へぇ、最近の新入生ってそんな難しい質問するんだ? おいおい、心咲ちゃんがナンパされてるぞ!? って思ったけど、そっちでも困ってたんだな」
知り合いの登場にこれで負担が減ると安心した心咲。運動場はもちろん、様々なスポーツに対応した各種フィールドやコートなど屋外スポーツ施設を彼と一緒に案内していく。
さらにはその外縁、植え込みや花壇をこえ、草むらとなっている場所にも入っていく。
「え、ここ、入っていいんですか……?」
一応学校の敷地ではあるはずなのだが、何かに使う場所とは思えない。それを銀治郎に確認してみようと思うと。
「で、あのさ、ここってどこ!?」
まさかの言葉。その言葉に新入生たちから一斉にざわめきが起きる。
「道分かってたんじゃないんですか!?」
「天然勘違いというか、天然残念なんだよ、俺!」
まあ何というか、なるべくしてなってしまった結果であった。学園内で遭難というまさかの事態に、一同は出口を求めて歩き出す。
「大丈夫、きっと出口には近づいてるはず……」
「ここさっき通りましたよ?」
「あれー??」
正しいと思った道を歩いてみるも新入生に案内されてしまう始末。
「なんというか、俺ら無限ループしてないか、心咲ちゃん?」
「えっと……どこでしょう???」
そして、その果てにもう自分がどこにいるかもわからない。
いつの間にか学校の敷地内から出てしまったのか、明らかに傾斜のある道に潮の匂いさえしてくる。
「海って……ありましたっけ?」
「まあ、島だしな……ま、もうやけくそで全力に残念な案内をするぜ!」
そんなやけっぱちな発言と共に、周囲の視界が一気に開ける。するとそこは絶壁の上から海を見下ろす絶景が。
崖に叩きつけられる荒々しい波が、学園では決して見られない希島の一面をアピールしてくれる。学園案内としてそれはどうなんだとは言ってはいけない。
「ううむ……新天地か、ここ? 希島の果てでは!?」
その景色に、体力のある者やのんびり屋系などは素直に見入っているが、多少なりと疑う心を持っている者たちは胡乱気な表情。
「ちなみに先輩……どうやって帰るんすか?」
そう言われてどきっとする二人。もう一度あの藪の中に入って帰れる保証はない。それ故海岸線を辿って帰ることにするが、それもまた上手くいかないことに。
「あれ? 海見えなくなっちまったぞ?」
「でも水の音……川ですこれ!」
なんかまたまるで違う所を通り、今度は川の流れる森林地帯に入ってしまう。周囲の状況からしても視野ここは自然地区ではとも思うが、幸か不幸かそれはそれで見るものはあるのでとりあえず案内する場所には困らない。
そのまま時にキャンパーや観光客ともすれ違いつつ、一同は何とかして学園に戻ってきた。
「よし、以上が国立希島学園全周ツアーだぜ! そうだよな? きっとそうだぜ? 心咲ちゃん!?」
「い、以上が国立希島学園全周ツアーでした! ね、ね!?」
そう言うことにして、という懇願すら入った言葉で強引に今回の締めとする二人。それに対する新入生の感想は分からないが、ともあれ希島の広大さだけは間違いなく彼らの心に刻まれたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ソフィア・アマティスタ
アドリブアレンジOKです
校外の案内をつとめます!
校内の案内が終わるころを狙って、こんにちはーと和やかに!
タイミングはスマホのメッセージや通話などでいい感じにやり取りしてると思います
さてさて商業区ほどではありませんが、が学園地区にもお店があるんですよー
部活動や授業で使うような靴や体操着に筆記用具、そして、コンビニ程度の食べ物が買えるお店もあるんです
と、地図を配って実際に歩いて道案内です
たまにお仕事紹介してもらってる義理もあるので、商業区と比べて不利な話はあえて控え気味で……!
必要なものはとりあえずここって感じですね!
学外へ生徒たちを連れだして案内する者も多いが、学内のみを案内されている生徒たちもいる。そんな生徒たちが郊外へ出てみると、そこにはソフィア・アマティスタ(ポンコツな私立探偵・f41389)が待ち構えていた。
「こんにちはー」
和やかに挨拶する彼女、実は校内担当の者たちとスマホのメッセージや通話などでいい感じにやり取りし、彼らが学園から出てくるタイミングを見計らっていたのだ。
「さてさて商業区ほどではありませんが、学園地区にもお店があるんですよー」
学内の案内が終わった所で次は外はどうかというお誘い。学園地区にあるのは学園だけではない。学生たちの学園生活を支えるものが校外にもたくさんあるのだ。
それに対して応じた新入生たちを連れ、ソフィアは学園地区の商店街へと向かう。
「部活動や授業で使うような靴や体操着に筆記用具、そして、コンビニ程度の食べ物が買えるお店もあるんです」
そう言いながら渡すのは、この辺りの店を書いた地図。それを見ながら、ソフィアは共に辺りの店を周っていく。
「まずはこちら、皆さんの着ることになる制服ですね。もう持っている方や、あるいは親御さんと一緒にここに来た方もいるかもしれません」
希島学園は比較的服装に自由は効くが、それでも決められた制服はある。大抵の生徒は、少なくとも各種式典くらいは制服で出席することになるだろう。そして大抵の学生は成長期なのだから、いつかは今着ている者のサイズも合わなくなるはずである。
「もちろんそれ以外の服も、こちらに来れば基本的なものは揃います。学生に必要なものとしてお値段も抑えめ。もし何かあったら遠慮なく保護者の方や先生に相談してくださいね」
そしてさらに学園地区ならではの店といえば。
「で、次はこちらの書店。こちらでは教科書や課題図書を中心に扱っています。もちろん大学以外なら最初に学校で配布されているでしょうが、何らかの理由で新しいのが欲しくなった時などはここへ」
教科書や指定テキストは意外と普通のルートでは流通していない。そう言ったものを買える店を知っておいて決して損はないだろう。
とはいえ、この辺りに深い興味を抱いている生徒はそれほど多くあるまい。より普段使いに向いたものの店も紹介していく。
「もちろん、普通の服や本を売っているお店もあります。靴下やヘアゴム、手袋なんかは急に必要になったりするので覚えておいて損はありませんね。あまり堂々と買いに来たいものではないかもしれませんが、下着なんかも。本屋さんには漫画も置いてありますが、あまり学校で堂々と読んではいけませんよ」
ここで買ったものはすぐ学校で使うことができる。何か入用になった時はこの近さは有り難いだろう。
そしてやはり、誰しも興味があるだろうものはこれ。
「はい、それでは皆さんお待ちかね、美味しいものや楽しいものが変えるお店です。まずはこちらのパン屋さん。お昼の時間に売り出されるカレーパンはとても人気で毎日争奪戦です。次にこちらのお弁当屋さんはこのお値段でこの量のから揚げ弁当がオススメ。他にも……」
やはり食べ物関係は皆興味があるのか、明らかに今までより乗り気な様子で聞いている。
もちろん食事系だけでなく、お菓子やスイーツ系の店もある。そこまで本格的なものではなくコンビニスイーツの延長のようなものが多いが、その気軽さは学生には嬉しい所だろう。
もちろん商業地区に行けばもっと色々と『ガチ』な店はあるのだが、距離的な問題もあって昼休みや学校帰りに軽い気持ちで行くのは難しいかもしれない。そして何より。
(たまにお仕事紹介してもらってる義理もあるので、商業区と比べて不利な話はあえて控え気味で……!)
依頼人あってこその探偵であるソフィアにとって、学園地区の皆様には色々とお世話になっている関係で余計なことはやりづらい。そう言った『大人の事情』は心の中だけに留めつつ、ソフィアは地図を片手にこの一帯を案内していく。
「必要なものはとりあえずここって感じですね!」
学校から離れず必要なものを揃える、そんな学園生活の知恵の第一歩を、ソフィアは学生たちに伝授するのであった。
大成功
🔵🔵🔵
相沢・友子
WIZ
二年目は迎える側になりたい。
新入生さんが、新しい環境で、日々の話題に困らないように不思議スポットを案内するよ。
希島学園にも七つくらい怪談は有るよね。
事前調査で、ホットな不思議スポットをリサーチしておいたし。
来たれ新入生!
寝ず見たちが担いだ絨毯の上に座って移動。一緒に乗ってく?
七不思議案内ツアーの途中で何度か知り合いと擦れ違がったかもしれない、さっき後ろに消えていった人が前からやってくる。まあ、そういうこともあるよ。
校舎の外には、ひとりでにうごく像や、恋の伝説が有る告白してくる木。
校舎内にもいろんな怪異が、そこらかしこに。
解き明かせる怪異は解き明かしつつ。
極めつけの最後、7つ目の怪異は、私達が成るんだよ。君も早くこっち側へおいで。とささやくように告げて、視界の隙をついて逃走。
1つの怪異を解いたら、もしかすると関わっていた人が怪異だったかもしれないという怪談オチ。(逃走に失敗するパターンでも有りだよ)
逃走失敗パターンは、新入生君も委員会に一人に入ってしまうかも?という7つ目の怪談。
相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)は思った。
「二年目は迎える側になりたい」
と。
それ故彼女の今回の役目に対する意欲はとても高い。外見は普段通り物静かながら、心の内はとても昂っていた。
そんな彼女は、事前から準備を怠らない。
「希島学園にも七つくらい怪談は有るよね。事前調査で、ホットな不思議スポットをリサーチしておいたし。来たれ新入生!」
学園ものの定番、学園七不思議をリサーチしていたのだ。現役学生や教員からも話を集め、それらしいものに目星をつけておく。
その看板の元募集をかければ、一人の新入生がやってきた。いかにも好奇心旺盛そうな、中学一年生くらいの女子生徒である。
そして彼女が最初に見て驚いたものは。
「一緒に乗ってく?」
魚の下半身を持つ友子と、彼女の【守護近衛隊】である寝ず見たちの担いだ絨毯。早速七不思議のうち二つ……と言うわけではもちろんなくこれはノーカン。
怪奇人間も|ユーベル《ホープ》コードも希島では普通に存在するもの。それをもってしても不思議と思えるものを探すのが今回のツアーの目的なのだ。
さて、まず最初に見に行ったのは、校庭の隅にある像。何でもこの像は夜な夜な一人でに動くという。
偉人か何かを模した石像だろうか。若い男性のそれを友子や新入生たちが色々触ってみるが、当然ながら動きだしたりはしない。
しばらく皆で観察していたが、耳を当てていた新入生が呟いた。
「何か音がする……」
その言葉にさらに念入りに見てみれば、関節部によく見えないよう偽装した継ぎ目のようなものがある。そしてそれを削ってみると、何と中には機械の配線が入っていた。
どうやらこの石像、元々あった噂を元に機械系の学生が本当に動くようこっそり改造してしまったらしい。
恐らくキャバリア関係の誰かか……と校内のキャバリア演習場に別の新入生を伴って向かう知人を見つつ、友子は次の場所へ向かった。
次は校舎裏、ここの木は恋の伝説がある告白の木。古式ゆかしいギャルゲーのような話だが、実はそんなものではない。
なんとこの木が告白してくるというのだ。
色々調べてみるがやはりただの木。さっきのように機械仕掛けということもない。試しに木に話しかけてみるも、やっぱり返事はしてこない。
これは流石にただの噂か……そう思って立ち去ろうと背を向けて歩き出した、その直後。
「好きです! 付き合ってください!」
突然の大声。何事かと振り返るも、やはり木に変化はない。だが。
「……まだいたのぉぉぉぉぉぉ!?」
木の向こう側に一人の男子生徒がいた。顔を真っ赤にする彼を宥めて聞いたところ、ここは人がいないから誰にも聞かれず大声を出すにいいらしい。彼も告白の練習をしようと思ったが、突然知らない人が来たので今まで隠れていたそうな。
恐らく彼の様に告白の練習をしていた者の声が、木の声として勘違いされ広まったのだろう。
誰にも言わないでと懇願してくる生徒を宥めつつ、あそこまでは聞こえてないといいと眼下を海方向へ移動していく一団を眺め友子は思うのだった。
そして次がトイレの声。獣のごとき呻くような声がトイレから聞こえてくるという。場所は三階奥の女子トイレ……のみならず、各階の男子トイレや職員用トイレからも。さらには年齢も幼い少女から大人の男まで……
「…………」
友子は思った。これは自分の領分じゃないと。さっき木のある所から見下ろした一団、それを案内していた彼女などに任せようと。
次は体育館。ここは墓地の上に建てられており、工事によって眠りを妨げられた霊たちの恨みの声が聞こえるという。
「……希島ってそんなに長い歴史あったっけ」
そもそも希島自体が人工島だし、学園はその中核として建てられている。まず最初にこの学園ありきで土地ができているはずなので、そんな古い墓地……つまり安い土地を無理矢理買い上げて作る必要などないのだ。
しかしじっと耳を澄ましてみると、確かに聞こえた。
「これは俺のだ持ってくんじゃねぇ!」
「ふざけんなこれがねぇと俺の午後は始まらねぇんだよオラァ!」
殺気だった男たちの声。しかしそれは体育館内で聞こえるのではない。
「先輩、あれ、なんなんですか……」
怯えたような新入生の声に友子が横を見れば、そこには学園地区内の店から出張で売りに来ているパン屋の出店。そしてその人気パンを奪い合う腹減り運動部員たちの仁義なき戦い。
この声が体育館の建材などに反響して、聞き取りづらいおどろおどろしい声として聞こえたのだろう。
「学外を案内してる人もいるから、その人に聞いてみるといいよ」
わざわざあそこに乱入しなくてもいいと、学外を任せた仲間の顔を思い出し友子は答えるのであった。
そして次は学内に出没する謎の少女。どう見ても生徒には見えないその存在は、こちらから構おうとすると逃げてしまうが、向こうから話しかけてくることもあるという。
そして、その手に捕まってしまうと凄まじい力で四肢を捥がれ首をねじ切られ……
「あ、大丈夫、悪いことしなければそういう人来ないから」
実は学園内にも情報屋は出入りする。そしてその中には荒事慣れしている者もいるし、やりすぎ学生が鎮圧されることもある。命まで取られることは実際はないが、まあ常識外れの能力が尾ひれを付けて語られるのはよくあることだ。
そう言えばこれを紹介した情報屋もキャバリアくらいは投げ飛ばせたか……演習場から学外へ移動していく集団の中の白い影に、友子はそう思った。
そして今まで通ってきた学校の中。この学校の怪談は段数が一定せず、扉は開けるたびに行く場所が変わり……
「……これは理由分かるよね?」
「はい、よーく分かりました……」
何しろ希島学園は、広い。一朝一夕に構造は把握できず、ある場所を目指していたつもりが全然違う場所にいることもままあるのだ。
そんな残念な感じで校内をうろついている男を見て、友子はせめて新入生たちがそうならぬよう祈った。
これにて不思議は6つ。七不思議は全て知ってしまうと何かが起こるという。その運命の七つ目は……
友子は顔を新入生の耳に思い切り近づけ、囁いた。
「7つ目の怪異は、私達が成るんだよ。君も早くこっち側へおいで」
その言葉に驚いて思わず離れながら顔を背けてしまう新入生。その一瞬の隙を突き、友子はその場から離れ姿を消してしまった。
「え……あれ……先輩?」
きょろきょろと辺りを見回す少女。物陰からその姿を見て、友子は上手くいったと内心思う。
もしかすると関わっていた人が怪異だったかもしれないという怪談オチ。それを決めるため、ここまでオーバーロードまでして6つの怪異をしっかり解説してきたのだ。逃げるのに失敗したら委員会に引き込むというオチを付けようと思っていたが、あるいはもしかしたら彼女の方から希島の謎にはまりに来てくれるかもしれない。
こうして、友子の七不思議ツアーは幕を下ろした。だが、友子はふと気づく。あの残念な彼は校内を彷徨ったあと知り合いを見つけて外へ行ったはず……見かけた順番が逆じゃないか?
「まあ、そういうこともあるよ」
考える必要はない。不思議は、分からないから不思議なのだ。
こうして、学園と希島各所をじっくり案内された新入生たち。彼らがここで何を学び何になるか、全てはこれからだ。
大成功
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