「バグプロトコルによって高難易度レイドクエスト【聖剣士の頂き】は生存確率0%の超凶悪なクエストに変貌いたしましたの。幸いにも犠牲者は出ておりませんがクエストの性質上、いつ犠牲者が出るか分かりませんわ」
ボスであるネーベルはバグプロトコルのせいでクエストクリアをさせる気が無い強敵となっている。彼を倒す為には猟兵達の力では足りずクエストに同時参加している世界中の廃人プレイヤー達の協力が必須だ。
プレイヤー達の協力を得ずに無理してネーベルを倒そうとすれば犠牲が出るだろう。そうなればプレイヤー達は遺伝子番号を焼却されてしまう。これでは本末転倒だ。つまり猟兵達に求められるのは誰一人として死なせない立ち回りである。
「防御に回復に攻撃と、皆様に求められる行動は多いでしょう。それでも皆様であれば犠牲を出さずにやり遂げる事が出来ると信じております。どうか皆様も十分にお気を付けくださいませ」
望月朔夜
閲覧ありがとうございます。望月朔夜です。
今回はサポート優先の三章からなるシナリオとなります。
通常プレイングもタイミングによっては採用いたします。
●第一章:ボス戦
ドレイクメイデンとの戦闘です。
クエスト最初の門番。彼女を倒す事でネーベルに挑む為の挑戦権が手に入ります。
●第二章:集団戦
バグに侵されたメイドNPCとの戦闘です。
屋敷の至る所に配置されている為、ネーベルの元に向かうと必ず遭遇します。
強さはそれ程でもありませんが人数が多いです。
●第三章:ボス戦
紫黒の貴族聖剣士・ネーベルとの決戦です。
クエストクリアをさせる気が無い程の強さを持つ強敵です。
無理に特攻すれば瀕死になる事は間違いないでしょう。
戦闘には全世界から参加しているプレイヤー達が居る為、
時折回復やバフが飛んできますしネーベルには一定のダメージとデバフがかかります。
●その他(通常参加の方へ)
プレイングの内容によってアドリブを多用する事があります。
お連れ様と一緒に参加される場合はお互いに名前とIDの記載を願いします。
称号と苗字は無くても構いません。
アドリブ歓迎。絡み歓迎。アドリブNG。絡みNG。等。
簡単で構いませんので記載いただけると助かります。
例:アドリブ、絡み、OK→ア、絡 アドリブOK、絡みNG→ア。
記載がない場合はアドリブNG。絡みNGとして描写いたします。
サポート参加の場合は全てOKとみなし描写いたします。
第1章 ボス戦
『ドレイクメイデン』
|
POW : お掃除いたしましょう
無敵の【バックアップごとデータを消去する清掃具】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 今がチャンスでしたのに
戦場全体に、【決定的な場面でファンブルが出る世界】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ : それでは皆様、ごきげんよう
【自身に関する全てのデータを消去する】と共に、同じ世界にいる任意の味方の元に出現(テレポート)する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
|
種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「メイ・トラクーン」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●最初の関門
高い塀に囲われた広大な屋敷。門を開いた先には鮮やかな紫黒色の薔薇が咲き誇り屋敷までの道を彩る。
門から屋敷へと続く道の真中には水瓶を持った女性の像が立つ大きな噴水。
その前でメイド服に身を包んだ女性がスカートを摘まんで一礼し顔を上げた。
「ようこそ、招かれざる挑戦者の皆様。我が主はあの屋敷の奥に居られます。
我が主は多忙なお方。挑戦権無き者にお会いす事は出来ません。どうぞ、御用の無い方はお帰り下さい。
……、帰らないと言う事は我が主に何やら御用がある様子。では、我が主と対面するのに相応しいか僭越ながらこのわたくし自ら試させていただきます」
バシっと尻尾を地面に叩きつけ、何処からともなく取り出した箒を構えて最初の関門であるドレイクメイデンは挑戦者と対峙した。
アレイスター・フラメル
アドリブ絡み共闘○
私は聖騎士ではないが、麗しいメイドさんがいると聞けば、興味はそそられると言うもの。
早速麗しいお嬢さん。嬉しい限りだ。
「どうでしょう、麗しいお嬢さん、ここは一つ、戦いなんてやめて一緒に踊りませんか?」
断られたら仕方ない。UC発動。召喚石を8消費して、【召喚術】。
私の周囲、8方位を守らせる。
これでどこに転移されてもひとまず身は守れるはずだ。
念のため、私自身は【目立たない】ようにしつつ、【全力魔法】の【属性攻撃】で攻撃だ。
それにしても聖剣士の装備一式か。
私の重騎士も強化出来るかもしれないな。
美しいお嬢さんとも戦え、人を救い、戦力強化も出来る。美味しい話だな。
●
風に吹かれて涼やかな音を立てる噴水の水音。色鮮やかな紫黒色の薔薇が咲き誇る空間で二人の人物が対峙していた。
「どうでしょう、麗しいお嬢さん、ここは一つ、戦いなんてやめて一緒に踊りませんか?」
さらりと黒髪を揺らし、柔和な笑顔を浮かべて手を差し伸べるアレイスター・フラメル(ネット弁慶の女好きキャスターDPS・f41810)。
「魅力的なお誘いではございますがお断りいたします」
艶やかな黒髪を結い上げてメイド服に身を包み箒を構えているドレイクメイデン。
「おや、それは残念です。美しい方とは戦うのではなく語りたかったのですが仕方がありませんね」
自身の誘いを素気無く断ったドレイクメイデンに憤るでもなく、真底残念だと苦笑したアレイスター。
「申し訳ございませんが、わたくしには我が主へ挑む者にその資格が有るかどうかを見定める役目がございます。さて……、貴方様はどちらでございましょうか?」
言うや否や地を蹴って距離を縮めようとするドレイクメイデンにアレイスターは慌てる事無く召喚石を発動する。
「我が杖の召喚石を代償に、いでよ、我がタンク、堅牢なる重騎士よ!」
ガキンっと箒にあるまじき音を立ててドレイクメイデンが振りかぶった箒をアレイスターが召喚した重剣士族の召喚獣が大剣で受け止め、攻撃が不発に終わったドレイクメイデンは後ろに飛退いて詰めた距離を半分ほど戻す。
「申し訳ありません、お嬢さん。些か乱暴でしたね」
にっこりと微笑むアレイスターに苦い顔をするドレイクメイデン。召喚された重剣士族の召喚獣が八体、アレイスターを守る様に彼を囲みドレイクメイデンに立ち塞がっていた。
「お心遣いありがとうございます」
息を一つ吐いて気持ちを切り替えたのだろうドレイクメイデンが持っていた箒を構え直して再び地を蹴る。その速さは最初に攻撃を仕掛けて来た時以上だ。
(「私は聖騎士ではないが、麗しいメイドさんがいると聞けば、興味はそそられると言うもの」)
艶やかな黒髪は結い上げられて頭を彩るのは穢れの無い真っ白なホワイトブリム。シックなメイド服に身を包み、涼やかな表情でこちらを見つめる姿は麗しいの一言である。そんな麗しい女性が居るのであれば一目見たいと思うのが男心だろう。
(「うん、来て良かった」)
召喚獣八体を相手に箒片手で立ち向かう凛々しい姿にアレイスターは自分の頬が緩むのを感じた。出来れば戦うのではなくダンスやお茶を一緒にしたくはあるが職務に忠実な女性と言うのも素敵だ。
(「それにしても聖剣士の装備一式か。私の重騎士も強化出来るかもしれないな。美しいお嬢さんとも戦え、人を救い、戦力強化も出来る。美味しい話だな」)
ドレイクメイデンの振りかぶった箒を召喚獣の一体が大剣で防ぎ、飛退いて体を捻ってからの薙ぎ払いを別の召喚獣が盾で受け止める。涼やかな表情から苦い表情へ変わったドレイクメイデンが素早い連続攻撃を仕掛けるも尽くが召喚獣に防がれて反撃され、合間にアレイスターの攻撃が飛んで来る。
いくら最初の関門とは言え戦闘力は主たる聖剣士と比べるまでも無く、多勢に無勢でドレイクメイデンが段々と劣勢になって行く。大剣による攻撃を避けたかと思えば遠くから矢が射られ、ふわりとスカートを翻して避けた先にはナックルを装備した召喚獣による重い突きの一撃。その一撃を避けようと体を捻ればアレイスターによる属性攻撃がドレイクメイデンの動きを妨げて重い一撃をその身に受けてしまう。
「さて、お嬢さん。そろそろ終わりにしましょう。私が勝ったら一緒にお茶でもどうでしょうか?」
「ええ、お互いに決着を付けましょう。……お茶に関しては考えさせていただきます」
満身創痍のドレイクメイデンにアレイスターが提案すればふっと表情を緩めて何やら色よい返事をするドレイクメイデン。おや? っとアレイスターが疑問に思う間もなく、ドレイクメイデンがこれで終わりだとばかりのオーラを放って迫って来る。そのオーラを感じて思考を切り替えたアレイスターは自身が召喚した重剣士族の召喚獣と共にドレイクメイデンを迎え撃つのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シモーヌ・イルネージュ
ア、絡、闘◯
絶対に殺すクエストとかえげつないな。
それはもうクエストじゃなくてトラップだよ。
何も知らないプレイヤーにみすみす死地に行かせるような真似をさせるわけには行かない。
一刻も早くネーベルのもとに辿り着いて倒さないとな。
まずは門番役のメイドが相手か。
聖騎士の装備はないけど、こちらの手持ち武具でも十分に戦えそうだ。
黒槍『新月極光』で戦おう。
まずはUC【聖衣着装】を発動。黒炎のブーツを選ぼう。
強化した機動力を生かした、槍の突きをメインに前進。
相手に攻撃する隙を与えないように、ラッシュを掛けていこう。
●
心地よい風が薔薇の香りを広げる様に吹き抜ける穏やかな一時。涼やかな音を立てる噴水の前で凛々しい二人の女性が獲物を撃ち合っていた。
「我が主に挑戦するに値するか、見極めさせて頂きます」
弾かれた勢いのまま後方に下がり、箒をくるりと回して構え直したドレイクメイデンが体勢を直すのに合わせて槍のように箒を突き出す。
「言うじゃないか」
ドレイクメイデンの突き出した箒をシモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は楽しげに笑い、黒槍『新月極光』で再度弾き返して直ぐに持ち手を変えて突きをお見舞いするも、シモーヌの素早い突きに眉一つ変えずにドレイクメイデンは箒を器用に動かして箒の柄で防ぐ。決定打の無い攻防戦を繰り広げてどれ位経ったのだろうか。数時間の様であり、数分の様でもある。
(「一刻も早くネーベルのもとに辿り着きたいが、さて……」)
バグプロトコルに乗っ取られたレイドクエストは既に死のゲームと変貌している。何も知らないプレイヤーからすればそれはクエストでは無く、トラップに等しい。何も知らないプレイヤーをみすみす死地に行かせるような真似をさせるわけには行かない。一刻も早くボスであるネーベルの元に行きたいが、流石高難易度レイドクエストと謳われるだけあり最初の門番として立ちはだかるドレイクメイデンの強さは他のボスとは桁違いだ。これもバグプロトコルの影響だろうか。だが、彼女を倒さなければボスであるネーベルの元に辿り着く事は出来ない。
「さて、こっちも全力で行こうじゃないか」
お互いに膠着状態のまま状況は進まない。ならば突破の一手って奴をお披露目しようじゃないか!
「我の求めに応じ、姿を現せ……着装!」
手に持った槍をカンっと地面に叩きつければシモーヌの足を黒炎が覆い始める。
「何をなさろうとも無駄です。我が主の前に辿り着く前にここで散りなさい!」
現れた黒炎にこのままでは駄目だと直感したドレイクメイデンが焦りからか無意識にその太い尾を地面に叩きつけてシモーヌに向かって一気に距離を縮め箒を振りかぶる。
「……遅いぜ」
ドレイクメイデンの振りかぶった箒がシモーヌの頭を捉える寸前。シモーヌの姿は消え、まるで瞬間移動したかの様にドレイクメイデンの後ろへと現れた。先程の黒炎は機動力を強化するブーツとなってシモーヌの足を守っている。
「アンタと|戦《ヤ》り合うのは結構楽しかったぜ。だがこれで終わりだ!」
「この程度の事で私が屈する事はありません!」
自分の背後にシモーヌが現れた事を驚いたのは一瞬。すぐに状況を理解したドレイクメインは箒を振り抜こうとするも無理な体勢からの振り抜き故にシモーヌの素早い突きで箒を取り落とす。その隙を見逃さず、シモーヌは強化された機動力を活かして目にも止まらぬ速さで『新月極光』によるラッシュを叩きこんだ。
大成功
🔵🔵🔵
グレナディン・サンライズ(サポート)
『ここはこの年寄りに任せてもらおうかね?』
『こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ』
年齢3桁の婆。
スペースシップワールド出身の元宇宙海賊。
主な武装はフォースセイバーとブラスター。
戦闘スタイルは基本的には前衛遊撃。敵を翻弄するような戦いを好む。
グルメではない酒好き。
年齢なりの経験を積んでいるので、冷静さと余裕をなくすことはない。
口調(あたし、あんた、だね、だよ、~かい?)
●
噴水が奏でる水のせせらぎ。風に揺れる薔薇の芳醇な香り。穏やかな一時を過ごすのに最適だと思わせるその場所に似つかわしくない戦闘音が響く。
「あんた、中々やるね」
振り下ろされたドレイクメイデンの箒をフォースセイバーで防ぎながら口の端を上げてグレナディン・サンライズ(永遠の挑戦者・f00626)はにやりと笑う。
「そのお言葉、そのままお返しいたします」
箒を握る手に力を込めて鍔迫り合いをするドレイクメイデンもまたグレナディンに倣うように強気な笑みを浮かべるが何かに気付いたように微かに目を見開きそのまま後ろに飛退く。次の瞬間、ドレイクメイデンに向かってブラスターからレーザーが放たれた。
あのままグレナディンと鍔迫り合いをしていれば死角からブラスターの一撃をまともに食らっていただろう。冷やりと流れた一筋の汗に気を引き締めて再びグレナディンに迫るドレイクメイデンに容赦の無いブラスターの攻撃が襲う。攻撃を避けようと身をひるがえせばそこに行かせないとばかりにブラスターのレーザー攻撃による誘導がなされ移動範囲が制限されて思わずドレイクメイデンは眉を顰めた。
「油断のならないお方……」
「それはどうも。誉め言葉として受け取っておくよ」
憂うように零されたドレイクメイデンの言葉にグレナディンは楽しげに笑う。
「この年寄りも中々のもんだろう?」
「ご冗談を」
グレナディンから距離を取ればブラスターの攻撃で牽制され、近付こうと駆ければこれまたブラスターの攻撃で移動場所をグレナディンの有利な場所まで誘導される。それらを掻い潜ってグレナディンに近付けばフォースセイバーで対応される。なんとも厄介極まりない相手だ。そう思ったドレイクメイデンの口元が無意識に笑みの形に変わる。
|だからこそ《・・・》主の相手として不足ない。
「我が主に挑む者よ。貴方の実力、しかと見せて貰いました。だからこそ、全力で行かせていただきます」
そう厳かに告げて居住まいを正したドレイクメイデンは握っていた箒を手放して火搔き棒を手にする。
「良いね。そう言うのは大歓迎さ」
ドレイクメイデンの気迫が増した事に彼女が決着を付けるべく大技を仕掛けて来るのを感じたグレナディンは余裕の笑みを浮かべて歓迎する。伊達に長生きはしていないのだ。こういった展開は初めてではないし、嫌いではない。年甲斐も無くワクワクしているのを感じながらグレナディンはにやりと笑う。。
「こう見えても、まだまだ衰えちゃいないよ!!」
グレナディンの声が楽し気に弾むのを聞きながら火搔き棒を片手にドレイクメイデンは駆ける。その姿を真っ直ぐに見つめながらグレナディンは全武装を展開して向かってくるドレイクメイデンへとフルバースト・マキシマムを放った。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
●
噴水のひんやりとした冷気をまとった風が吹き抜けて戦闘の興奮による熱気を冷やしていく。まるで散歩を楽しむ令嬢のような軽やかな一歩を踏み出す中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)にドレイクメイデンは箒を構え直して警戒する。これまでの攻防で彼女の油断のならなさは身をもって知っているのだ。優雅な動きに惑わされてはいけない。
陽の光を受けて鈍く光る白い髪をなびかせながら穏やかな微笑みを浮かべた裕美の姿をドレイクメイデンは目を逸らさずに見つめていた。視線を外してはいない。意識も逸らしてはいない。けれども瞬きをした次の瞬間には赤い瞳に愉悦の色を浮かべた裕美が目の前に居た。
「わたくしの攻撃をこうも防がれるだなんて少し傷つきますわ」
ガキンっと甲高い音が辺りに響き、裕美が放った惨殺ナイフによる早業の一撃をドレイクメイデンは箒で弾く。
「それは申し訳ありません」
惨殺ナイフを弾いた勢いのまま箒の持ち手を変えて突きの一撃を繰り出せば、ダンスを踊るが如く華麗なターンで避けられてお返しとばかりに目にも止まらない速さで反撃が来る。
「いいえ、謝らないでくださいな。攻撃を防がれてしまうのは傷つきますがそれ以上に……」
裕美の反撃を後ろに飛退く事で避けたドレイクメイデンだったが態勢を整える暇も与えずに残像が残るような優雅なステップで裕美は距離を詰める。
「そんな貴女と戦っているのが楽しいんですの」
「!!」
惨殺ナイフの一撃を防ごうと箒を握り直したドレイクメイデンだったが串刺しにするように突き出されたのは黒い槍だった。予想外の武器による攻撃に隙を見せたドレイクメイデンの体を黒い槍――ドラゴンランスが捉える。
「ふふふ、素敵」
脇腹を押さえて地に膝をつくドレイクメイデンを見下ろして裕美は満足げに微笑む。ドラゴンランスの槍先が体を貫こうとする間際で無理やり体を捩じってドレイクメイデンは致命傷を免れた。代わりに槍先はその鋭さでもってドレイクメイデンの脇腹を抉ったのだ。一瞬の判断で致命傷を免れたドレイクメイデンに裕美は熱い息を吐く。流石、高難易度レイドクエストの門番。戦闘力、判断力、共に申し分ない。許されるのならもっと彼女と満足行くまで戦いたかったが時間をかけすぎると|聖剣士戦《本命》が始まってしまう。
「楽しい一時でしたわ。終わってしまうのが残念な程に……」
「まだ、終わりではありません」
裕美の言葉に次の攻撃がお互いにとって最後の一撃になるのを感じながらドレイクメイデンは立ち上がって箒をより強度のある箒へと変えて裕美へと駆ける。
「本当に、最後まで愉しませてくれるお方ですわね」
体を動かす度に脇腹が痛むだろう。けれどもそれを表情に出す事なく、痛がる素振りも見せずに向かって来るドレイクメイデンを迎え撃つべく裕美はドラゴンを呼び出す。次の瞬間、空を切り裂かんばかりの鋭い咆哮が辺りに響いた。
成功
🔵🔵🔴
諏訪野・みすず(サポート)
とにかく突撃して、ボスをぶっ飛ばします。「みすずちゃんにはパパ以外は、勝てないよー!」「このままじゃマズいよね」アドリブ、共闘歓迎です。
●
鮮やかな蒼穹にゆっくりと流れる真っ白な雲。屋根の上では鳥達が羽を休めて微睡んでいる穏やかな一時。そんな時間を打ち砕く爆音が辺りに響き、清らかな水を湛える噴水が土煙の中に消える。
攻撃と同時に相手の反撃で消えたエレクトロレギオンが起こした土煙は奇しくも煙幕の代わりとなり、ここが追撃のチャンスだとばかりに諏訪野・みすず(不思議系ダンサー・f00636)は攻撃を畳み掛けに行く。
「随分とお転婆なお嬢様ですね」
けほっと一つ咳をして手にした箒でみすずの攻撃を受け流すドレイクメイデンだったが全てを受け流しきる事が出来ずに傷を負ってしまい、思わずため息を吐く。
「みすずちゃんにはパパ以外は、勝てないよー!」
ツインテールを揺らして得意げに言い放ちながらみすずはレガリアシューズの機動力を利用して勢いの乗った攻撃を仕掛けるもみすずの動きを見切ったドレイクメイデンは素早く体をずらして避ける。けれども|攻撃を避ける事《その動き》をみすずは読んでいた。
ドレイクメイデンが攻撃を避ける事で出来た一瞬の隙をついてみすずはすれ違う瞬間にバールのようなもので相手の胴を横から殴打する。レガリアシューズの機動力が乗った殴打の威力は凄まじく、とっさに箒で防御したドレイクメイデンを吹っ飛ばす。
「このまま一気に行くよ!」
吹き飛ばしたドレイクメイデンとの距離を縮めようとみすずはレガリアシューズに力を込めて地を蹴る。弾丸の様にスピードを上げながら距離を詰めるみすずの周りには多数の小型の戦闘用【機械兵器】が展開され、その武装は全てドレイクメイデンへと向けられていた。
「とんでもないお嬢様ですね」
吹き飛ばされながらもなんとか反撃に転じようとするドレイクメイデンであったがみすずの展開したエレクトロレギオンの姿を目にして思わず苦笑を浮かべた。代償を支払えばこの状況を打破する事が出来る。けれどもそれは気高い主に仕える身として恥ずべき行為。ならば取るべき行動は一つしかない。
「これで終わりにするよ!」
「受けて立ちましょう。来なさい!」
無理やり態勢を立て直して箒を構えながらみすずを真っ直ぐに見つめるドレイクメイデン。この一撃で決着を付けると強い意志を持って距離を詰めるみすず。みすずの強い意志に呼応するかのように周りで展開しているエレクトロレギオンの武装がドレイクメイデンへ向かって火を噴いた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『バグに侵されたメイドNPC』
|
POW : 紅茶は如何ですか?
【侵食毒の入った紅茶】を給仕している間、戦場にいる侵食毒の入った紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
SPD : 紅茶は如何ですか?
【麻痺毒の入った紅茶】を給仕している間、戦場にいる麻痺毒の入った紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 紅茶は如何ですか?
【混乱毒の入った紅茶】を給仕している間、戦場にいる混乱毒の入った紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴🔴🔴
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
●予期せぬ関門
ドレイクメイデンを倒して屋敷の中に入れば、あとは屋敷の主でありレイドボスでもあるネーベルの元に向かうだけ。道中、屋敷に居るメイドと出会えればHP・MPの回復やちょっとしたアイテムを貰う事が出来た。
しかしバグプロトコルに侵された今。メイド達はお助けNPCでは無く、ネーベルの元へ辿り着くまでの障害と化してしまっている。
出会ったプレイヤーを笑顔で出迎えるメイド達はバグのせいで無表情となり、毒の入った紅茶を振舞って来る。
メイドの嗜みとして格闘技も使いこなす為、抵抗すれば反撃されるだろう。メイド達を戦闘不能にしようとしても人数が多く、時間を無駄に浪費するだけである。
ある程度メイド達を戦闘不能にして先に進むのも良いだろう。メイド達が強制的に振舞って来る紅茶をかわしながらネーベルの元に向かっても良い。
ただし、メイド達は何処にでも居るのでメイド達に出会わずにネーベルの元に向かう事は出来ない。
白羽・菫(サポート)
アドリブ/共闘歓迎
「Ladies and gentleman‼今宵、この白き蝶が織成す奇跡をとくとご覧あれ!」
口調:キザでミステリアスな紳士(~です。~でしょう。)
一人称:私
二人称:貴方、○○さん、(女性には)お嬢さんorレディ
言動
・基本的には怪盗ヴィオレッタとしてキザでミステリアスに振舞う
・人命優先で動き、余程残虐な人物でない限り誰にでも友好的に接する
・戦闘では囮になる事で周囲を守る様に動く
・日常でも戦闘でも何かと手品を使い、楽し気な演出をする
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ヴィルジニア・ルクスリア(サポート)
サキュバスの悪霊×魔女、14歳の女です。
普段の口調は「ダウナー(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、機嫌が悪い時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ダウナーだが、猟兵として行動する時はアクティブに行動する。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「いやはや、レディ達のお誘いを断った代償がコレとは些か厳しいものがあるね」
「仕方のない事よ。毒が入っていると分かっていて飲むわけにはいかないもの」
何処からともなく現れては紅茶を勧めて来るメイド達を往なしながら白羽・菫(白菫の奇術師怪盗ヴィオレッタ・f44185)が苦笑すればヴィルジニア・ルクスリア(甘やかな毒ダークメルヘン・f36395)が慰める様に返す。
最初の関門を突破した二人は奥に進む途中で出会い行動を共にしている。赤い絨毯の敷かれた廊下を道なりに進めば目的地まで問題なく辿り着けるはずだったが二人の行く先々で現れるバグに侵されたメイドNPC達によってその道を阻まれていた。
「紅茶は如何ですか?」
同じ顔、同じ髪型、同じ背格好、同じ服装の無表情のメイド達は同じ言葉しか発しない。お茶は如何ですか? と。ある種のホラーの様なものを感じながらも先を急ぐ二人はメイド達の誘いを断る。その瞬間、体が重くなる感覚が全身を襲い何時もの様に動けなくなっていた。
これがメイド達の能力だと分かったがだからと言って勧められる紅茶を飲むわけにもいかない。ヴィルジニアの言う通りメイド達が勧める紅茶には種類は分からないが毒が入っているのだ。
「紅茶を飲んだとしてもろくな事にはなりませんね」
レディ達のお誘いを断るだけでも心苦しいのにこれからレディ達に手荒な事をしなくてはいけないとは何とも嘆かわしい。嘆かわしいがやらなくてはならないのだ。でなければ最初の関門を突破した意味が無い。
「覚悟は決まったようね」
「ええ、お待たせして申し訳ありませんでした」
「別に、遅かれ早かれあなたは決断したはずだもの」
迫りくるメイド達をかわして二人は頷き合い、今出せる限りの速度を出して廊下を駆ける。曲がり角で出会ったメイドには途中で壁を蹴ってメイドの頭上を飛ぶ事で避け、前から来るメイド達は薫がマジックピストルを撃って怯ませた隙に横を駆け抜ける。
「魔女からの呪いよ。受け取って」
背後に迫ったメイドにヴィルジニアの影から轟く闇がその手に傷を付けた。その傷一つあればヴィルジニアが呪いをかけるには十分。メイドが自分の手に傷が出来た事に気付いた瞬間、足が縺れて転び。後ろで走っていた他のメイド達を巻き込んで次々に後続のメイド達がお互いに躓き、踏み付け合って倒れて行く。
「では、次は私の番ですね」
ヴィルジニアが後ろのメイド達を行動不能にしたのを横目に薫は前を見据えてヴィオレッタカードを素早くシャッフルする。
「Ladies and gentleman‼ 今宵、この白き蝶が織成す奇跡をとくとご覧あれ!」
高らかに声を上げた薫がヴィオレッタカードを前方に放ってファンタスティックパレードを発動すればヒラヒラと舞い散るカード達がたちまちに人の形を取ってメイド達へと立ち向かう。
「さぁ、レディ。今のうちにここを抜けてしまいましょう」
「ええ、行きましょう」
薫のカード達がメイド達の足止めをする横をすり抜けて重たい体を動かしながら二人は廊下を駆け抜けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから10年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
ネッド・アロナックス(サポート)
めずらしい そざいはある?
なければ じょうほうを しいれて かえろうかな!
(※セリフはひらがな+カタカナ+空白で話します)
探し物や調べ物は楽しくて得意だよ
"くらげほうき"や"ゆきソリ"で空を飛んだり泳いだりしてヒトや物も運ぶよ
戦闘はサポートに回ることが多いかな
手強い敵は基本隠れながら隙を作って逃げる!
"クリーピングコイン"で物をひっかけて飛ばしたり
"しろくじら"の歌で余所見をさせたりね
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
よろしくおねがいします!
●
「お心遣いはありがたいのですがお茶は結構ですわ」
「おれたち さきヲ いそいでいるから ごめんね」
桃色の花が愛らしい布を揺らしながら廊下を駆ける納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)が断りの言葉を告げれば同じく廊下を駆けながらネッド・アロナックス(ガムゴム人の冒険商人・f41694)が続く。
「紅茶は如何ですか?」
「紅茶は如何ですか?」
「まったくお話を聞いてくれませんのー!!」
「うわぁ マエからも きたよ コッチ!!」
どんなに断りの言葉を告げても執拗に二人を追いかけるメイド達にピンチンが叫べばネッドは前方から来るメイドを視界に捉えた瞬間にピンチンの手を引いて目についた廊下の曲がり角へと進んで行く。
「なんだか体が重くていつも通りに動けませんわ」
「たぶん おちゃをのまないと ダメなのかも」
「……お茶を飲まないのが良いとアタシの勘が告げていますわ」
「おれも そう かんじるよ」
同じ姿のメイド達が無表情でひたすらに紅茶は如何ですか? と誘いをかけてくるのは何か理由があるのだろうが猟兵の勘が告げている。その誘いに応じるのは良くないと。神経をチリチリと焼くような感覚に二人は覚悟を決めた。
二人の目的は屋敷の奥に居る主だ。ここで時間をとるわけにはいかない。
「手荒な真似をするのは心苦しいですが、ここは強行突破ですわ」
「うん おれたちのすすむみちを ジャマさせないよ」
言ってネッドはクリーピングコインを放てば空飛ぶコインの大群が縦横無尽に宙を飛び回って後方から迫りくるメイド達の妨害をする。
「悪く思わんといてや」
花とリボンでデコられた勇者の剣を取り出して前方の行く手を阻むメイド達を刃の無い部分で薙ぎ払うピンチン。いつもより動きは鈍いが薙ぎ払う勢いに違いは無い。
「いい声で鳴いてな~!」
「ソーダーすいの あめだよ!」
被った布をひるがえして擦れ違いざまにピンチンがメイド達に軽く一撃を与えればメイド達が何かから逃れるように身を捩って意図せず後続のメイド達の進行の妨害をする。そのタイミングでネッドがシェイプ・オブ・ウォーターを発動して廊下を海水と同じ環境へと変化させた。これで再びメイド達が追いかけて来るまでの時間を稼げる。
深海と同じ環境になった事で動きの鈍くなったメイド達を振り返る事無くピンチンとネッドは屋敷の奥へと向かって廊下を駆け抜けた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ミーガン・クイン(サポート)
はぁい♪
サキュバスの魔女、ミーガン・クインよ。
私のユーベルコードの拡大魔法や縮小魔法、
アイテムの巨大化薬や縮小薬で色んなものを大きくしたり小さくしたり。
きっと楽しいことが出来るわね♪
サポートに不思議な魔法の力はいかがかしらぁ?
私のことを好きに使ってみてね♡
音駆螺・鬱詐偽(サポート)
世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん
ただいま参上。
・・・って、どうしてこんな恥ずかしいセリフを言わないといけないのよ。
うう、これも番組の為なのね。
自身の命綱である番組の為、多少の苦難や困難は仕方なく行います。
むしろ持ち前の不運によりおいしい場面を呼び込んでくれるかと思います。
ただし、ネガティブとはいえアイドルですのでマイナスイメージとなる仕事はすべて却下でお願いします。
ユーベルコードや技能はご自由に使わせてください。
どうぞ、当番組のネガティブアイドルをお役立てください。
プロデューサーより
●
「世界に蔓延る悪を懲らしめるネガティブアイドル鬱詐偽さん、ただいま参上」
決めセリフを高らかに放ち、ビシッとポーズを取る音駆螺・鬱詐偽(帰ってきたネガティブアイドル・f25431)。
静かな廊下にエコーとなって響く参上の声。無表情で鬱詐偽を見つめるメイド達。
羞恥で段々と顔が赤くなる鬱詐偽。無表情で紅茶の準備をするメイド達。
ぷるぷると体が震え始める鬱詐偽。良い香りを漂わせるティーカップをソーサーに乗せて無表情で差し出すメイド。
「紅茶は如何ですか?」
「遠慮しておくわ。ごめんなさいね」
メイドの誘いをにっこりと笑ってバッサリと切り捨てるミーガン・クイン(規格外の魔女・f36759)。
鼻腔をくすぐる良い香りとは裏腹に何やら良からぬ気配のする紅茶を飲めるはずも無く断れば途端に体が重くなる感覚に襲われてやっぱりと小さく息を吐く。
「……うう、我慢して恥ずかしいセリフを言ったのにこの仕打ち。なんでこんな目に、紅茶を飲めば良かったの?」
恥ずかしさを我慢して言ったセリフは誰からも反応される事無く、羞恥心だけを搔き立てる。重くなる体に重くなる心。鬱詐偽の心情に呼応するかの如くネガティブオーラが鬱詐偽に手を伸ばしていたメイドを押しのける。
「あら、結局飲んでも飲まなくても同じ事よ」
魔法陣【縮小】を展開しながら|縮小魔法・人権剥奪《ミニマムスペル・ディプライブ》を放つミーガンはその瞳に愉悦の色を滲ませながら優雅に笑う。
「とっても憐れで、惨めで、可愛らしいわよ」
|縮小魔法・人権剥奪《ミニマムスペル・ディプライブ》によって身体の縮んだメイド達を避けて他のメイド達が追って来るのを避けながら二人は廊下を駆ける。
「うう、しつこいよ」
「そんな姿になっても追いかけて来るなんて健気ね。これもおまけしちゃう♪」
追いかけて来るメイド達に辟易しながらもネガティブオーラでメイド達の動きを妨害する鬱詐偽と並走しながら身体を縮められてなお、これが己の使命とばかりに追いかけて来るメイド達をにこにこと眺めながらミーガンは縮小魔法でマイクロ化していた大量の暗器をばら撒いて進路を塞ぐ。小さくなったメイド達では簡易バリケードと化した大量の暗器を退かすにしろ乗り越えるにしろ簡単には行かない。
「愛らしいわね。もっと矮小で惨めな存在になりなさい♪」
なんとか暗器を退かそうと奮闘するメイド達に愉悦を感じながらもしっかりと前方から来るメイド達にも|縮小魔法・人権剥奪《ミニマムスペル・ディプライブ》を放つミーガン。
「体が縮んでも諦めないその執念が怖い……。どこまで追いかけて来るの? ホラー展開なんて聞いてないわよ!」
愉快で堪らないとばかりに魔法を放つミーガンの横で普段より動かし難いと感じる体をなんとか動かしながら鬱詐偽は身体を縮められてもネガティブオーラや大量の暗器で道を塞がれても追って来るメイド達にゾッとした。そして発動するリアライズ・バロック。
「もう追ってこないでよ」
召喚されたバロックレギオン達がメイド達へ向かって行くのを見送りながらミーガンは笑みを深める。身体の縮んだメイド達をバロックレギオンが蹂躙するさまはなんと心が弾む光景だろうか。
「……取れ高にならないかな」
まるで特撮の怪獣映画のような光景に思わず呟く鬱詐偽。
「そう言えばあのセリフ良かったわよ」
「えっ」
バロックレギオン達が暴れる音を背に廊下を駆けながら唐突に放たれたミーガンの言葉に何を言われたのか分からなかった鬱詐偽だがミーガンの言葉を理解した瞬間、一気に顔を真っ赤に染める。
「ちがっ、あれは私がやりたくてやったんじゃなくて、全部、全部番組の為なのー!!」
羞恥に耐え切れず逃げるようにスピードを上げる鬱詐偽をミーガンは笑顔で追いかけながら二人は屋敷の奥へと駆けて行った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
最初の関門である門番を退け、道中に現れるバグに侵されたメイドNPC達を搔い潜った先には見事な細工の施された扉が有り、その前には無事に辿り着いた歴戦の勇士達が来たるネーベル戦に向けて準備をしていた。