11
突け、吠えよ、番いの繁殖犬

#サイバーザナドゥ #ノベル

タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#サイバーザナドゥ
🔒
#ノベル


0



アラン・スミス



里見・朱音





 撮影中、その間に生じる全ての事象を受け入れるものとする――ね。
 なんて、なんだかすごいことになっちゃったな、と自分ごとながら思う。これも家族を守るため、そう決心して来たはずなのに、書類の確認で手が止まってしまい、先を促される始末である。
 あーあ、いっそ「よーいどん」で空砲が鳴ってくれればいいのに。……えっと、全ての事象……。

「……なんでもする……あっ書きます、書きますから。急かさないでよ」
「なんでも? なんでも、ああそいつぁ結構だ。そんな殊勝な心がけの、信頼に足る嬢ちゃんにだからこそ、俺は重酸性雨の中でのゴミ攫い以外の仕事を紹介できるツテがある。だが」
「だが……?」
「少しオツムを捻れば考えられるだろ。お前の借金全部チャラって『美味しい話』、有り体に言や普通の内容じゃあ無理ってモンだぜ。ちょいと変わった撮影をさせてもらう事になるが……いいんだな?」
 フェイスメットで素顔を隠した男――アラン・スミス(神出鬼没の動画配信者・f41264)の、笑いながらの問いに、少女は拳をキュッと握り無言で首肯した。
 ハナから困難でない道などありはしない。もっとも……この紳士然とした親切な男が、巧妙に彼女の前から選択肢を隠したとまでは思い至らなかったようだが。

 ……。
 …………。

 『たっぷん中●し四時間! イキ過ぎた愛護 玩具とペットの分水嶺
 出演 里見・朱音(茜呪・f41185)』。

● REC
 動物虐待にあたるため、こうした類いの作品は一般販売ができない、ということになっている。
 思えば奇妙な話だ。
 人間ではなく、動物に対する保護の方が手厚い、という点が、奇妙である。

「かわいいわんちゃんだね! いーっぱいよしよし、してあげるね!」

 朱音は、ほぼ何も着ていないような簡素なマイクロビキニ姿で、普段の陸上着のような健康的な美とはかけ離れた、いやらしい姿を晒している。
 そして、犬に全身を擦り付けて可愛がっている。この犬こそが今宵の「お相手」だ。そうすれば水着も自ずと合点がいく。極まった好事家向けの映像作品は、比較的手の込んだ衣装を用意されるのが常だったが、それすらも用意されなかったということだろう。そもそも――相手が人間や道具ですらないのだから、推して知るべし、だ。
 しかし天真爛漫を体現したようなマイペース少女の朱音、いざ動物の「世話」をしろと、とあるマンションの一部屋に放り出されれば、甲斐甲斐しく世話を始めるではないか。なんとも微笑ましい光景である。

「ばうっ」
「よーしよしよし! 体を拭いてあげるよ!」

 さて、彼の名前はオートン。マスティフ犬種ブル・マスティフのオスで、元気盛りの成犬だ。
 元気、盛り。それもそのはず、彼は生まれた頃から……否、彼が生まれる何代も何代も前から、サイバーザナドゥ世界の誇るバイオテクノロジーによる異種遺伝子操作が行われたバイオ犬である。

「お……おぉー」

 特徴的なのはその体躯。体高六十センチがせいぜいの家庭犬だったはずが、一メートルではきかない程の超ビッグサイズ。性格も代を重ねるにつれ生殖本能が過剰に旺盛になり、強面の顔と筋肉質な体型も相まってちょっとした恐怖を感じる雰囲気を醸す。
 当然局部も肥大化しており、勃起する前から大きさは馬のそれに匹敵する。体を拭いてやろうとすれば否が応でも目についてしまう。

「なんというか、すごいね……?」

 犬は犬でも、いきなり威嚇するわけでもなく嚙みつくわけでもなく、オートンは世話をする朱音の股ぐらの間を的確にフンフンと鼻を突っ込んでくる。
 背筋が凍るとはまさにこのこと、信じられない。女性器の匂いを犬に嗅がれている。そう思って、咄嗟に身を捩らせ、目線を外して距離を取ろうとする。しかしこれは自殺行為だ。犬にとって目を合わす行為は敵意または支配力を示す。裏を返せば目をそらすのは敵意がないことを示したり、もっと端的にいえば服従を表明しているというわけだ。
 自分から嫌そうに目線を外すなど、朱音が自らオートンに屈服したのとほぼ同義である。

「あ……えーと、ちょっと落ち着いてほしいかなって」

 陸上の部員には、犬みたいだ、と時々言われることはある。人懐こいところとか、運動好きな点や感情豊かな仕草、尻尾や耳が生えていたっておかしくない。そんな「言霊」を浴びせられたら、本当にそんな耳になってしまいそうだーなんて笑ったものだけれど、今の状況は犬に欲情されるような女だ、と言われているようなもので流石に嬉しいはずもない。

 ――ど、すん……!

「あ、え、いだっ……!」

 のしかかる衝撃。フローリング床に地面に打ち付けて、ゴッと当たりどころが悪くて、怯む。痛い! それに重い……! 太腿に、ぬるりとしたものが伝う感覚がある。
 強烈な痛みだ。内臓が引き千切られるような痛み。ぼやける視線を股の間に向ければ、そこには、オートンが、またがっていて――。

「血……? これ、あ。ちがっ、あ……あぁあああッ?!」

 大陰唇、小陰唇を突き破って、交接器に直に刺さっている。
 何が、と言えば答えは明白で、上にまたがっているのはオートンで、つまり、犬の剛直を、朱音の膣が受け入れている。
 前戯なしにいきなり突き込まれたからどこかが裂けたのだろう。そんな冷静な分析をしている間もなく、血がぽたぽたとフローリングを伝う。そのたびに、細い喉からは沈痛な悲鳴が出る。

「あああっ、 まって、なにこれ、いだいいだぃい゛だい゛って、ばッ」

 何も潤滑液をまぶしていない状態で粘膜を乱暴にひっかけば、当たり前に強烈な痛みが込み上げる。朱音はともかく足をバタつかせて、げしげしと蹴るようにして何とか逃げようともがく。

「このっ! もうっほんとにいたずらが過ぎるよ……は、なれてってば!」
「ばうっ!」
「あ゛ンうぅうっ?!」

 髪を噛まれ、振り回され、三つ編みおさげがぶちぶちと悲鳴を上げる。
 もう我慢ならない。反射的にデビルデバイスを取り出そうとすれば、朱音の首筋を噛んで、一瞬力が緩む指。素早い動きで手から端末をもぎ取ると、石を投げるようにブン、と首を振って部屋の外に投げる。
 オートンの特徴は何もその体躯だけではない。彼はバイオ犬、それも人間と交配すら可能となった、人に酷似した知性と遺伝子情報を併せ持持つスーパーバイオ犬なのだ! 彼は飼われるだけの畜生ではない。アランによって調教された、この映像企画における「男優」であることはもはや言うまでもないだろう。現に、こうして目の前に極上の獲物を用意してやれば、獰猛な性欲を隠そうともしない。

「うっ゛ぐぅうう、あッ゛、それだめェッ……!」

 首筋をキスマークをつけるように噛み付かれ、床に組み敷かれて押し付けられ、股間には熱り勃つ焼け火箸の如き犬の陰茎を差し込まれる。クラウチングスタートこそ経験があれど、まるで秘処を捧げるために尻だけを突き出し腹ばいにさせられているような姿勢。中に骨の入っている、毛の生えた包皮のない陰茎で、ぐりぐりと強引に膣内すら通り抜け子宮口を直接捻じられてしまう。人間ではほぼあり得ない快楽を与えられ続け、朱音は、防衛本能から脳内快楽物質を分泌し始めていた。

「あっ?! ま、なかで、おっぎぐなっでるぅうッ?!」

 細かったものが、なにか、何か、大きくなっているように感じる。

「が、こひゅッ……あ、があっ、さけ、裂ける、裂けるぅ……! 裂けるからッ……!!」

 メリメリ、みぢみぢと、亀頭球が、つまり犬の剛直が、膨れ上がって確実にナカで受精させるために固定する状態に入ったのだ。先端は子部屋の入り口に到達しているからか、膣口から無理やり押し広げられる痛苦もひとしおである。
 ずぷぷぅッと秘肉を割っては戻る獣棒が、膣道を穿ち、抜いては貫いて、歪な抽送に悦楽の身震いをする。ありえない大きさと熱。そもそも朱音だってまだ発育途中の子どもだ。しかし性を受け止めるには発達した肢体が、艶かしくも、ぬチュンっずっチュンと卑猥な蜜音を響かせてしまう。

「んひィィいッ、ふぎゅうぅっ?! ぐっ、ごっ、おぉお……ほぉ……っ」

 トラック種目の花形である健康美のアスリートらしからぬ、非情の雄叫び。ぴぃん、と四肢を突っ張らせ、股間からみっともなく透明な潮がとめどなく噴き散らされフローリングに水たまりを形成した。体が小刻みに震え、次から次へと来る快楽の奔流に翻弄される。
 激しく乱れ、絶頂に達した朱音を気遣って、多少なりとも動きを緩めもしたかもしれない。
 相手が人間だったならば。だがモートンは獣、凶暴に牙を剥く猛犬だ。
 モートンは欲望の赴くまま揺れる胸に下顎を埋める。歪んだ欲情を、涎をだらだら垂らす口元を舐めることで表現する。蕩けるような悦びの響きが脳裏で繰り返し反響して、朱音は、状況に流されるまま快楽を甘受していた。
 両者の結合部は抽送によって摩擦される愛液が白く細かく泡立つ。それどころか繋がっている隙間から、グチャグチャと、泡立つ白い本気汁を周囲に飛び散らせるのも、体が過敏に快楽に反応している明確な証である。

「まだイぐっ?! んんぐうぅうッ?! ほ……ぉお゛……っ!?」

 ――ずりゅっ……!

「オ゛ッ……?!」

 やがて、というかようやく、最初の吐精のためにクルリと身体を反転させ腰をピタリと密着する。互いの尻を合わせるような体勢がこれ以上ないくらいに淫靡だ。交尾結合という犬の本気交尾の姿勢だということを朱音は知っているだろうか。
 やがて灼熱が流し込まれる。熱い、腹が灼けるように熱い! まるで拷問じみたその感触に朱音は体が攣るくらい身を捩った。

「ぉおおおっ?!! でで、でてるぅっ?! やだっ、これヤなのに、止まって、抜いて止まってぇッ……! ぐっ……ふ、ほ……ォ゛?!」

 尻合わせの姿勢のまま、オートンは猛然と腰を振り始める。グラインドする腰つき。ドプドプと、焼けるような白濁粘液が次から次へ注がれ、胎を満たし、子宮へも流し込まれてくる。しかも栓をするように歪に膨らんでいる肉棒のせいで、逆流することなく絶え間なく朱音に注ぎ込まれ続ける。

「ンぉおお゛お゛お゛ッ??!」
「ばああうっ! わふわふッ」

 人間には決してあり得ない射精が、一分、三分、五分、十分、二十分と途切れることなく続いていく。
 魔羅に突き穿たれたままの串刺し灼熱溶岩漬け。これが地獄で与えられる刑罰なら、誰もが生前その行いを悔い改めることだろう。
 びゅるびゅると勢いよくナカに子種が放り出されるたびに脳裏に星が飛び、甲高い声で悶える。

「いぐッ、いギゅのとまンにゃいッ……! お゛、ぉ゛……ほ、ッオ゛……!!」

 痙攣する子宮口はどっぷりと精液に鎮められ、逆流させるどころかしっかりとキャッチし、犬に屈服した卵子との蜜月を助けようとする。悍ましい数の活発な精子が、逞しくも、押し合いへし合い蠢く精液。その濃さはヨーグルトに似た粘度を持っており、胎の中で確かな重量を持って主張するのだ。
 朱音は、相手が犬であるにも関わらず、間違いなく受精したという確かな予感があった。無論、これが仮に人間のであったら即妊娠していたであろう。朱音が懐妊していないのは、ひとえにモートンが人間ではないという一点に縋っているから。
 もちろん、「撮影」の妨げになるため、彼が人間女性を孕ませられる特異なバイオ犬であることは演者には伝えられていないわけで。
 子部屋をかき混ぜられるたびに脳髄も一緒にシェイクされているようで、正常な理性が宿る目つきではもはやなくなってしまった朱音。

「はーっ……はぁあ、すご、かったあぁ……もう少しだけ……」
「ばうわうっ!」

 腰骨が恥部にあたってゴリッと鈍い音が響く。膨らんだ逸物は萎えることを知らず、むしろますます膨張しているようだ。怒張の根本は握り拳大に膨らみ、秘処はその形にくっきりと変形している。後戻りできない快楽の痕を刻み込まれて、朱音は半ば自暴自棄に快楽を貪る。、

「うそっまだまだする気なのっ……あうッ?! んお゛……!」

 ――ごチュッごチュッごチュッ!! ゴり゛ッ! ゴリュゴリュゴリュっ……!!

「ん、ぎュッ……ほじほじされるの、これ……しゅきっ。ねえ、もっと! もっと…….もっと激しくしてっ! めちゃくちゃにしていいよぉっ……!」

 陸上の選手権で新記録を立てるよりも、ずっと気持ちよく遥かにインモラルな快感。何もかもを振り切って、体が求める悦楽に脳が追いつかない。尖った亀頭が子宮口を力尽くでこじ開けて、子部屋に挿入り、胎内をしっちゃめっちゃかに掻き回す。もひや人間じゃない。ただの一匹の牝犬なんだと烙印を押されたに等しい。知ったことか。

「あぅうううぅンン!! わっフ……ぁあ゛ぁ゛ぉン!!」

 腹部は妊娠したように白濁で膨らんで、呂律の回らない舌先が犬の雄叫びに似た喘ぎ声を紡ぐ。楽しい、気持ちいい、恍惚に火花が散る。頭の奥と目の裏が真っ白に染まった。人間として終わってしまう。終わる。ダメになる。きっとよくないことだと思っていても

「……ぁ……お……ッ」

 舌先をピンとまろび出して、体は確信する。瞬間、どく、どく、と体が拍動を感じる。モートンが膣肉を外にぐい、と引っ張ると同時に、ぷちゅん……❤︎ あり得ない交配にきゅんっ、と胎の奥が切なくなる。

「あ……あっ、なにか、なんかほんとに、あ゛ぁあッ! あ゛ッ……! がぅッ、ぁ゛ンッ!!」

 身震いし、脱力する。折り重なる犬々が、一呼吸おいた後、どちらからともなく再び互いを求めるのもまた必然。今はまだ未必、されど半ば約束された「結ばれる」未来を予感させる。
 間に生まれてくる存在が果たして如何ような存在なのか、それをヒトと呼べるのか。……そんなことは動画の尺に到底収まるようなものでもなく。もはやそれが撮影されていることすら忘れたかのように。
 二人は、ただ、時間の許す限り、愛おしそうに互いを求め、舐め合うのであった――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年03月26日


挿絵イラスト