龍門上りて龍と成るは易し、と。
武富・昇永
下記の内容でノベルの作成をお願いします!
武富が自分の能力も平安結界の存在をまだ知らないぐらい幼かった頃
目の前で平安結界が裂け
飛び出した妖に襲われそうになるが
他の平安貴族たちに救助され
妖を殲滅し裂け目を修復するのを見て
驚きと強い憧れと嫉妬心を抱いたところに
自分にも同じ能力が備わっていると告げられ
唯一無二の宝物を得た悦びで一杯になり
自分の能力を生涯磨き続けようと
固く心に誓った
●子供の頃の武富の口調
一人称は「おれ」
口調は「です!、ます!、でしょ、でしょーか」
●邂逅は燃え盛るかの如く
あの日のことを忘れない。
童の頃は、いつまでもこの平穏たる日々が変わることなく続くのだと思っていた。
変化のない毎日。
飢えることを知らぬ己にとって、それは退屈極まりないものであった。
物事の移り変わりはあれど、しかして己――武富・昇永(回遊魚・f42970)は知ることはなかった。これからも何も知らず、生きていく運命があった。
しかし、その運命はいつだって唐突に引き裂かれるものである。
布を引き裂くような音と共に眼の前の空間が『裂けた』のだ。
この世界が仮初の平穏であることを知らなかった童は、目を見開く。
己が頬を撫でるは凍てつくかのような死の気配。
そう、裂け目の向こう側を垣間見た昇永は知る。そこは死の大地だった。生命はない。あるのは異形たる妖たちのみ。
その風が己を撫でたのだ。
「童よ、童。動くなよ。その美味そうな頭は、我が先に喰らうと決めたのだ」
呆然とする己の頭を握るようにして伸ばされた手。
妖の手。
あ、と思い至った。
此処に来たりて漸く昇永は理解したのだ。
これは死だ。
「理由になってない」
その言葉が昇永の耳に届いた。
軽やかなる声と共に亜麻色が己の視界をかすめた瞬間、伸ばされた妖の腕が寸断されていた。
大地に落ちる妖の腕と何が起こったのか理解できぬ咆哮が耳を打つ。
声の主である亜麻色の髪を持つ少年の横顔の美しさだけが鮮烈に昇永に刻み込まれた。
驚きがあった。
強い憧れがあった。
しかし、昇永は知る。
赫奕たる思いが、己の中に湧き上がったのを。
それを人は嫉妬と呼ぶ。年の頃は己と変わらぬ亜麻色の髪を持つ少年と思しきものが振るう力。
それは圧倒的であった。
同時に、己もそれを、と思ったのだ。
切り裂かれた妖は逃げ帰るようにして空間の裂け目へと入り込み、その裂け目は即座に塞がれていく。
「……早い。もし、君は」
亜麻色の髪の少年が己に向き直る。
これは、君がやったのか、と。
昇永は理由がわからなかった。けれど、その言葉を理解する。己にも目の前の少年と同じ力がある。
「おれ、が……?」
「ああ、君が結界の綻びを修復したと見える。君にも同じ力があるのだね」
赫奕たる想いは、同時に喜びを与えたことだろう。
これは己の唯一無二だ。
どんな宝物にも勝るもの。
この力さえあれば、と心に誓う。
磨き続けよう。どんなことがあっても、この宝もがあれば――。
成功
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