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クリーン・メイキング・ディストピア

#サイバーザナドゥ #ビオレットカンパニー

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#サイバーザナドゥ
#ビオレットカンパニー


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●クリーン・メイキング・ディストピア
 サイバー都市の最下層は、どこもかしこもガラクタと汚泥だらけの掃き溜めだった。それでもこの地で懸命に生きている人々は存在していて、そんな彼らに手を差し伸べる者も居る。

「皆さん、今日はスープを用意しましたよ」
「おぉ、ありがてえ……」
「この一帯はあんたらのおかげで随分とマシな暮らしができてるよ」

 地区の清掃活動に勤しみ、自らの団体へと市民の雇用を増やし、温かな料理を無償で振る舞う。その誠実さに胸を打たれ、この宗教へと入信する人々も少なくない。

「……あら、坊や。どうかしたの」
「ぼく、おうちがないんだ」

 悲しそうにつぶやく少年を優しく抱きしめて、女は言った。

「泣かないで、坊や。私達の暮らす家に行きましょう」

 ――大丈夫。もうかなしいことなんて、考える必要はないから。

●スラッジ・メカニカル・ユートピア
「来てくれてありがと。サイバーザナドゥで事件なんだけど……誰か、手は空いてる?」
 津嶋・かなで(幻実アンファンス・f35292)はそう告げれば、幼いスケルトンが猟兵達へと手を振った。

「あの世界の最下層に在る『ダストエリア』はジャンクが積み上がった巨大な路地迷宮で、相当劣悪な環境なんだよね。で、そこで暮らしてる人達をボランティア活動で助けてる宗教団体があってさ。まぁ良い話でもなんでもなくて、そいつらはカルト儀式の一環として孤児を攫ってオブリビオン化させようとしてる」
 骸の海の雨が降り注ぐサイバーザナドゥでは、一般市民とオブリビオンはひどく近い場所に存在している。
「皆にはそいつらの拠点に潜入してもらって、教団の壊滅と同時に攫われたこども達を助けてもらいたいんだ」

「まず、ダストエリアの一画へ向かってもらって、奴らのボランティア活動を手伝ってくれる? 教団がなくなっても、そこに住む人達の生活は続くからさ。ゴミ掃除でもいいし、設備や機械を修理してもいい。警察と連携してもらってもいいかな……とにかく、一般人が今後困らない程度になにかしてあげてほしいんだ。入信したいとか言っておけば、敵には簡単に接触できるよ」

「接触したら、そいつらについていって。教団の拠点に潜入してからは、シンプルなドンパチだ。集団の雑魚が襲ってくるだろうけど、雑魚は雑魚。さくっと倒したら、教団を取り仕切るボスを倒しておしまい」
 足りない説明はないだろうか、と軽く指をひぃふう数え、かなでは転移の支度を始める。

「久しぶりだから、ちょっと酔ったりしたらごめん。でもまぁ、皆ならそれくらいどうってことないだろ」
 宙へ硝子玉が放り投げられ、毒々しくもやわらかな淡彩の嵐が猟兵達を包む。
 そうして電子とジャンクと油にまみれた街へと、彼らは送られていく。
「じゃ、がんばってね」
 兄弟と同じく自分も応援のアピールをしているのか、スケルトンはぴょん、と飛び跳ねガッツポーズをしてみせた。


遅咲
 お久しぶりです、遅咲です。
 オープニングをご覧頂きありがとうございます。

●成功条件
 ボランティア活動に参加し、カルト教団を壊滅させる。

●1章『地区を綺麗にする』
 選択肢以外の行動も歓迎です。
 市民の生活のためになりそうなアイデアがあれば、自由に行動して頂いて構いません。

 以前よりも文字数は控えめです、どの章からのご参加もお気軽にどうぞ。
 皆さんのプレイング楽しみにしています、よろしくお願いします。
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第1章 日常 『地区を綺麗にする』

POW   :    ●『ゴミ掃除をする』

SPD   :    ●『設備や機械を修理する』

WIZ   :    ●『事業をコンサルタントし、雇用を創出する』

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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

川村・育代
子供を大人の身勝手な目的のために利用するなんて許せないわ。
あたしはそういうのが一番嫌いなのよ。
現地のストリートチルドレンになりすまして教団に潜り込むわ。
迷彩で服は薄汚れたボロ、身体もろくに風呂に入ってない薄汚れた感じにするわ。
教団の人員や財力を利用して清潔な水が手に入る井戸を掘るように提案するわ。
井戸なら教団がなくなった後も水が手に入るしね。
ドローン(グッドナイス・ブレイヴァー)で井戸を掘ったり、水が出たところを配信すればさらなる宣伝にもなる、と実利もアピールするわ。
(おねだりを駆使して提案の説得力をさらに高めるわ)



 今日もボランティア活動に勤しむ教団員達は、ダストエリアの人々にやわらかな笑みを浮かべている。さも誠実そうな行為の裏では、こども達を拉致し、化け物へと生まれ直させる準備をしながら。
「あたしはそういうのが一番嫌いなのよ」
 ぽつり、誰にも聞こえないひとりごとを呟いて、川村・育代は電子の身体に備わった迷彩機能をオンにする。薄汚れたボロを着て、風呂もろくに入ることが難しいことが窺えるストリートチルドレンは、そっと団員の一人に近づく。
「こんにちは……あの、此処でごはんをわけてもらえるって聞いて」
「ええ、勿論。かわいそうに、こんなに汚れて」
 あたたかいスープをふぅふぅとさましつつ、育代は言葉を続ける。
「ありがとう……あたし、皆さんにお願いがあって」
 気弱そうな少女の言葉に、団員はしゃがみこんでそっと耳を傾けた。
「井戸を掘ってほしいの。ほら、あたし、こんな見た目じゃない? お風呂にいつ入ったかも覚えてなくて……綺麗な水がいつでも手に入ったら、ここに居る皆も喜ぶと思ったの」
 少女の背後から、ちいさな駆動音。おもちゃのような見た目のドローンにも、しっかりとヨゴシを入れてがらくたのように見せている。
「この子みたいなドローンで配信をしたら、皆さんの活動がもっとたくさんの人にも伝わるんじゃないかなって……どう、かしら」
 こんなわがまま、聞いてくれないかも。そんなせつなげな眼差しを送れば、団員達は一様に頷いた。
「素晴らしいアイデアだわ、是非採用させてちょうだい」
「ああ、それに君も我々の家に来るといい。お風呂に入って、綺麗な服を着られるよ」
 ありがとう、と育代はやわらかく笑う。こどもをおとなの勝手な目的のために利用する――そんな彼らに、手痛い罰を与えるために。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
『心を動かされて』などと適当に言い入信希望しよう。
私ができる奉仕活動か。…そうだな。設備や機器の修理かな。

「動かない設備はないか?」
とりあえず生活に直結するだろう設備の方からとりかかる。
動かない設備や機械がないか聞いて廻ってみよう。
「ん。なるほど…」
まずは外的要因によるダメージの有無から調べてみようか。
部品の破損や消耗などの調査や検査に【智慧なる女神】行使。
魔術効果の底上げにリミッター解除と限界突破と全力魔法付与。
壊れたり消耗している部品を見つけたら別部品と取り換える。
交換部品はジャンクから捜す。もしくはジャンクを元に制作。
「とりあえずはいい」
部品交換を終えたら一度動かす。
始動しなければ『ゴーグル』に接続した『トマト』を繋げ調査。
『ゴーグル』だけでは心許ないからスマホの『トマト』も使う。
システムにエラーがないか丹念に調べる。
プログラムも破損している場合には修復を試みてみようか。
ん。パフォーマンスを上げ暗号作成とメカニックを付与し使用。
「これで問題は解決したはずだ」


神坂・露
レーちゃん(f14377)
あれ?とってもいいお話だと思ったら違ったわ。
入信理由は『困ってる人を放っておけない』で。

レーちゃんは機械や施設の修理に行っちゃったわ~。
お手伝いしたいけどチンプンカンプンだし炊き出しを。
教団の人達のお手伝いしたりご飯を運んだりするわね。
わ♪美味しそうなご飯だわ。暮らしてる人達も喜ぶわ♪
「はい♪ 温かいうちに食べてね。美味しいわよ~♪」
「まだまだ、沢山あるから焦らなくても大丈夫よ♪

給仕とか教団のお手伝いしながらお話を聞き耳立てちゃう。
それから可能なら拠点内部のことを明るく聞いちゃうわ。
警備員の人の数とかボスのお部屋とか聞けたら上々よね。
…そーゆーのって一般信者さんには伏せてると思うけど…。
教団の人達から少しでも情報が手に入れば動きやすいはず。
レーちゃんからも褒めちゃうわ♪凄く褒められちゃうわ♪
えへへ♪あたし頑張っちゃうんだから!わーい♪頑張る♪
「ねえねえ♪ 拠点に入る前って何かすることあるの?」
「じゃあじゃあ、子供達…え? あたしもそこで住むの?」



 教団員達がせわしなく動いていれば、その内の一人に声をかける者が居る。
「こんにちは、あたし達お手伝いがしたくって! それに、神様に心を預けたいの」
「おや、ちいさなお嬢さん達、手伝いだけではなく入信希望とは……」
 一体またどうして、とやさしく尋ねる教団員に、神坂・露は笑顔を見せる。
「皆さんの活動に感動したの、あたし達も困ってる人を助けたいもの。ね、レーちゃん♪」
 ちょい、と肩をちいさくつつかれ、シビラ・レーヴェンスが頷く。
「……ああ、心を動かされたんだ」
 シビラは心にもない適当な理由ではあったものの、露のまっすぐな表情を見て教団員達が断る気配はない。
 さて、自分が出来る奉仕活動とは何か。暫く考え込んだシビラは、住民に声をかける。
「動かない設備はないか?」
「え? まぁそういうポンコツはいくらでもあるからな……一番困っているのは冷暖房か。家の無い者同士で集まってる建物があってな、それが最近うんともすんとも言わなくなっちまった」
 肩をすくめる住民に、少女はなるほど、と頷く。
「案内してくれ」
 淡々と言葉を紡ぐシビラに戸惑いつつも、何人かの住民はその設備へと連れていく。

「レーちゃん、修理に行っちゃったわ~」
 一緒にお手伝いがしたかったけれど、機械のことはちんぷんかんぷん。自分は自分にできることをしようと思い直し、露は炊き出しに参加する。
 炊き出しの場にはあたたかなスープとふわふわの焼きたてパンが並んでいて、わぁ、と思わず声をあげた。
「とっても美味しそうなごはんだわ♪」
「ふふ、腕のいい料理人が居ましてね。彼の手作りなんですよ」
 隣でそう微笑む女性も、本当はカルト儀式のためにこども達を拉致しようと目論んでいる。とってもいいお話だと思ったのに、露にはそれが残念でならない。
 とはいえ、その気持ちは隠したままに、スープを深皿によそって、住民達にパンを振る舞う。
「はい♪ 温かいうちに食べてね、美味しいわよ~♪」
「ありがとー!」
「ボクの分も残ってる?」
 薄汚れた服装のこども達が、わぁわぁと集まってくる。列をつくるように促して、露はにこにこと笑顔を絶やさない。
「まだまだ沢山あるから、焦らなくても大丈夫よ♪」
 そうして給仕を続けながら、そっと聞き耳を立てる。ひそひそと隅で話をする二人組の言葉から、そのうちの片割れは幹部級のようだった。
「ごめんなさい、ちょっといいかしら♪」
「おや、どうかしたのかな」
「あたし、皆さんのおうちにお招きしてもらえた時、教祖様にもご挨拶がしたいの♪ お部屋を案内してもらえるかしら?」
 勿論、と微笑みをかえし、教団員は告げる。
「君のように心の優しい子が来てくれれば、教祖様もたいそう喜ぶだろうからね」
「あ、でも今日の教祖様は一日中、礼拝室にいらっしゃるかもしれないわね」
 そうなのね、と頷いて、露はシビラに褒められることを確信しつつ、情報収集を続ける。

 設備の修理に向かったシビラは、己で手がけたプログラムを起動する。まずは外的要因によるダメージからチェックを始めると、長く使われてきた部品の消耗は相当のようだった。
 ジャンク品から代替となる部品を探しだし、必要な部位と部位を組み合わせていく。その鮮やかな手さばきは見事なもので、住民達も感心しきりだった。
「とりあえずはこれで」
 一度、冷暖房のスイッチを押す。しばらく稼働音がしたものの、また静かになる。電源がダウンしたらしいと判断し、ゴーグルと無線接続したスマートフォンで調査を続ける。
「……見つけた」
 どうやら電源ケーブルが古びていたようで、慎重にケーブルを取り換える。そうしてケーブルを比較的新しい物へと繋ぎ直し、更に起動プログラムも丹念に精査していく。
「治りそうかい?」
「……ん、これで問題は解決したはずだ」
 そう言って、再度電源をオンする。稼働音はさっきよりも大人しいものではあったけれど、ふわりとあたたかな風が部屋の中に送られていくのを住民達は確かめた。
「すごいなあ嬢ちゃん! 助かったよ!」
「システム自体のパフォーマンスも向上させておいた、並大抵のことでは壊れないようにしてある。他にも壊れているものはあるか?」
 感謝の言葉に応じながら、露の様子はどうだろうか、と友人のことを考えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

結衣浜・アトゥル
ああ、実に身に覚えのある裏事情だ
俺と関連のある連中の残党ではないと思うが…万が一の事もある
何より無辜の人々を冒涜しようとすることは、許さん

とはいえ一度信用させないといけないか
今の俺にできる事からすると…

方針:犯罪者たちから守る用心棒となる

俺の普段の身なりは、そこらの住人と大差ないだろう
コートで雨を凌ぐなどしながら、近辺に佇んで様子を窺ってみよう
…イヤな考え方だが、教団側から犯罪者を差し向けて、正義を演出する可能性もある
その場合は割って入る事になるが、彼らに共感する者だ、とでも【瞬間思考力】で状況に合わせながら言うつもりだ

どちらにしろ無礼を働く者が現れたら【グラップル・早業】で取り押さえよう



 実に、覚えのある裏事情。結衣浜・アトゥルは骸の雨をコートでしのぎ、そっと炊き出し現場の近くに佇んでいた。
 自身の生い立ちと関係のある者達の残党の可能性も頭の隅に入れつつも、それ以上に許せないことがある。異常発展したがゆえの最下層で、懸命に営みを続ける無辜の人々を冒涜するなど、無視ができなかった。
 ちらと様子を窺えば、いかにもヤクザウォリアーの下っ端と思える男が数人現れる。
「おい、ここで飯が食えるってのは本当か」
「……ええ、どうぞ」
 教団員がそう言った途端、列に並んでいた住民達を押しのけようとする男達に、皆が抗議の声をあげた。
「順番にお願いします、特にこども達を優先していて」
「うるせえ、俺達だって空腹で死にそうなんだ!」
 とん、と。教団員と男達の間にコートを着込んだ長身が現れる。サイバーグラスで隠れた眼差しは静かに男達を見ていた。
「なんだてめえ!」
「施しを与えてくれる場では、それ相応の態度で居るべきだろう」
 その言葉に激昂した男の一人が、アトゥルに向かって拳を振り上げる――が、次の瞬間には地面に伏していたのは男の方だった。
 素早く組み敷かれ、身動きの取れない男の仲間に向かって青年は告げる。
「言っただろう、こども達が優先だ」
 その言葉に舌打ちを投げ棄て、男達は全員去っていく。ありがとうございます、と教団員や住民達が感謝を述べるのに対し、そっと頷き応じる。
 それからアトゥルが男達の行方を追えば、先程の炊き出しに参加していた教団員が彼らと話し込んでいた。
「……やはり、か」
 嫌な考えが当たって、青年は偽りの正義へ怒りを募らせつつも住民達の元へ戻る。
 此処で耐えて教団本部を壊滅させることこそが、自分の此度の役目なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ビオレットガール・ワイルドフラワーズ』

POW   :    敵性個体発見、処分します
自身の【肉体】を【強力な威力の銃火器】に変形する。攻撃力・攻撃回数・射程・装甲・移動力のうち、ひとつを5倍、ひとつを半分にする。
SPD   :    掃討対象確認、接近します
自分の体を【いくつもの装甲脚に変形させ、高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【激しい痛みを伴う麻痺、あるいは甚大な火傷】の状態異常を与える。
WIZ   :    敵性反応、殲滅開始
【肉体を変形させた全武装の一斉発射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。

イラスト:key-chang

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 教団員達に促され、こども達と共に彼らの拠点へと向かう。
 君達はこっちへ、と少年少女が連れ去られてる瞬間、猟兵達は武器を構える。
 驚く信者やこども達が逃げ出すと同時、廊下の向こうから現れたのは、愛らしい見目をした少女達。

「敵性個体発見、処分します」

 スカートの中から這い出る刃や銃火器といった物騒な装甲は、その顔立ちには相応しくはない。
 それこそが、レプリカント製造企業『ビオレットカンパニー』の誇る戦闘用レプリカントだった。

「敵性反応、殲滅開始」

 猟兵達は警備を担当する彼女達を掃討し、諸悪の根源へと至らなくてはならない。
結衣浜・アトゥル
※「」内は相棒ドローン台詞です

このままついていくと子供たちと分断されそうだが、さて
「アル、私が誘導支援しましょう」
む…あまり|彼女《ミコト》の姿を晒させたくないが――
この際仕方ない、か。無理はするな、メイ
「了解」

コート内に忍ばせていた〔メイ〕を密かに取り出し【指定UC】を使用
『触れる映像』で教団員に扮し【演技】を行わせ、事が起こった際に子供達の他、人々を避難誘導してもらっておく
これで後腐れなく動けるだろう、いくぞ

方針:敵の動きを止め、味方を支援

〔PAスーツ〕を戦闘モードに移行し【瞬間思考力・軽業】で行動を見極め【早業】で〔念糸〕を敵に伸ばし絡め【捕縛】
回転攻撃はこれでかなり制限されるだろう

念糸で接触状態になり〔叡智の片鱗〕で相手の仕組みを【情報検索】
…レプリカントか
悪いが眠ってもらうぞ
判明した機能停止部位を味方にも伝え、〔ガン・カトラス〕で【マヒ攻撃・部位破壊】してまわっていく



 拠点へと向かった猟兵達は、素知らぬ顔で案内され続ける。けれどこのままついていけば、こども達と分断される――そう推測した結衣浜・アトゥルにのみ呼びかける声がある。
『アル、私が誘導支援しましょう』
 掌サイズの球体をした支援ドローンに宿る人工知能が、そっと主に提案する。正直言ってあまりやりたくない方法ではあったけれど、この際仕方ない。
「無理はするな、メイ」
『了解』
 誰にも気づかれず、素早く宙へと放られたドローンはとある映像をその場に投影させる。教団員に扮したその女性の容は、アトゥルの大切に想う人の姿をしていた。
 そうして、猟兵達と少女レプリカントが相対した時には、女性がすぐさま動き出す。
「あなた達はこちらへ! さぁ走って、行きましょう!」
 女性がパニックを起こすこども達を誘導すれば、幼い彼らは素直におとなの言うことを聞いてくれた。あまり彼女の姿を晒したくはなかったものの、これで逃げ惑うことも達も戦場から次々と脱出していく。
 これで後腐れなく動けるとわかれば、次の行動は決まっていた。
「いくぞ」

 青年の全身を覆う薄いパワースーツは、彼の思考力と行動速度を最大まで高める。眼前でスカートから広がる装甲脚を変形させていく少女の脚部を、五色の糸が絡めとった。
 拘束されようとも表情をまったく変えないレプリカントは、それでも淡々とインプットされた戦闘行為をやめる様子はない。
「掃討対象確認、接近」
 とん、と。少女のからだの一部に触れた念糸は、機械仕掛けに内蔵された用途と想いを読み取る。一気に情報を検索しつくせば、それがどんなからくりかも解明できた。
「……レプリカントか」
 悪いが、眠ってもらうぞ。そっと告げた瞬間、アトゥルの手にした剣柄からひかりの刃が伸びる。
 ぎちぎちと装甲脚が念糸を引きちぎるより速く、刃が少女の首を断つ。
「頸だ! そこを破壊すれば頭部からの伝達機能がシャットダウンする!」
 味方へとレプリカントの弱点を伝えながら、青年は更に糸を伸ばしていく。ひとの容をした彼女達を破壊することに胸は痛んだものの、それよりも。
「お前達がこのために生まれてきたことを、俺は忘れはしない」

 その見目で、愛されることだってできたかもしれないことも。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
「露! 君は、まず重火器を破壊しろ!」
露に声を掛けながら逃げ惑う子供達を回収しよう。
銃弾の流れ弾や凶刃で子供達を負傷させたくない。
極力素早く子供達を抱きしめるよう優しく回収だ。
「…怖いだろうが、私の傍に居てくれ」
回収した子供達へは優しく語りかけ落ち着かせる。
涙目だな。…むぅ。この状況では流石に難しいか。

まずリミッター解除後に限界突破して準備を整え。
高速詠唱と全力魔法を付与した【崩圧陣】を行使。
生み出した重力でレプリカント達の静止を試みる。
射撃していたらその弾も重力で下に落ちるはずだ。

子供達を護衛したまま魔術行使だから距離を置く。
通路の角近くの戦闘ならば子供達と角に身を隠す。
距離を置いても生んだ重力は消滅しないはずだ。
私も露の援護に向かいたいが今は難しいだろうな。
…まあ。しがみ付かれているから身動きが鈍い…。


神坂・露
レーちゃん(f14377)
「うん! わかったわ、レーちゃん♪」
子供達はレーちゃんがいるから心配ないわね。うん!
あたしは安心して機械の女の子達と戦っちゃうわよ♪
レーちゃんの援護もあるからあたしは無敵だわ~♪

ダッシュで一息に相手の間合いを詰めて斬っちゃうわ。
駆けてる時にリミッターを解除して限界突破で準備を。
で。懐に飛び込んでから【天津神『月讀』】で斬るわ♪
早業の2回攻撃で身体の中を斬ったら動けなくなるはず。
あ。銃も壊れて使えなくなるからついでに斬っちゃうわ。

うーん。例え機械でも人を斬るのは気が引けちゃうわね。
…顔もとってもとっても可愛いしなんだか人間みたい…。
銃撃とか斬撃とかは見切りと野生の勘と第六感で回避よ。
後ろの子供達が当たらないように注意して避けないとね。

「大丈夫? 怪我はないかしら?」
戦いが終わってから子供達に笑顔で確認とっちゃうわよ。
もし戦いの余韻で硬い表情だったら明るくしなくちゃね。
そうね…。…うーん。何かないかしら。笑えるネタは…。
「黒服のおねーちゃん、怖くなかった?」



 武器を広げたレプリカント達を前に、シビラ・レーヴェンスは咄嗟に友人へと叫ぶ。
「露! 君は、まず重火器を破壊しろ!」
「うん! わかったわ、レーちゃん♪」
 神坂・露が前線へと駆け抜けていくのと同時、味方の起動した投影映像の女性と共に、少女はパニックに陥るこども達をそっと誘導していく。銃弾の流れ弾や恐ろしい凶刃によって彼らが負傷する姿は、絶対に見たくないものだったから。
「……怖いだろうが、今は私の傍に居てくれ」
 なるべくやさしく語りかけることで落ち着かせる彼女に、じわりとこども達は涙を浮かべる。
「むぅ」
 この状況では、流石に難しいだろうか。とはいえシビラの言う通り、大人しくしていてくれるのなら、それでいい。

 一方、愛剣を構えて素早く敵影に向かった露の速度は止まらない。駆ける最中にリミッターを外して己の限界を突破させれば、一気に終わらせるための支度が整う。
 変形していく装甲脚を躱して、懐へと飛び込む。ほのかにあおく輝く刃は月の精霊の力を宿しており、二度斬り裂いても少女達の外殻を破壊することはない。
 ぐらりと動きを止めた機械仕掛けの少女の唇は、同じ文言を繰り返す。
「敵影、確認。接近します――」
 彼女の手にした銃も破壊して、露はうーん、とちいさく唸る。たとえ機械だとしても、人を斬るのは気がひけるものだから。
「顔もとってもとってもかわいいし、なんだか人間みたい……っと」
 そうこぼした彼女へと放たれる装甲脚の刃を、露は己の勘によっていとも簡単に躱していく。
「露!」
 ふいに髪の端を撃ち抜かれそうになった瞬間のこと、その弾丸の雨は届かない。目の前でばらばらと落ちていくのは、親友の魔法のおかげだった。
「レーちゃん♪」
 彼女の援護があれば、あたしは無敵。露は再び刃を振るい始めた。

 腰のベルトに備えた魔導書を取り出し、ぱらりと表紙を開く。たった一度の動作で、それは勝手に目的の頁を捲りはじめ、シビラは友人と同じように自身の能力を最大限に開放する。
「Poarta castelului, ridică-ți capul Deschide poarta eternă!」
 素早く唱えられたおまじないは、人間はおろか機械ですらも勝てない超重力を生み出す。自然の法則に逆らうことのできない少女の群れは一斉にその場でバランスを崩し、一斉射撃の無数の弾丸は、露に当たるよりも先に地面に転がっていく。
「今のうちだ、こっちへ!」
 走れ、とこども達を促して、通路の角まで一気に駆け抜ける。身を隠したままでも少女は詠唱を続け、重力を操ることをやめない。
 激しい銃撃戦や刃同士がぶつかり合う音の恐ろしさに、こども達は肩を震わせている。怯えてしがみつかれている状況では、さすがのシビラもそれ以上の援護には向かえなかった。
「……大丈夫だ。必ず私の仲間達が、この戦いをすぐに終わらせる」
「ほんと?」
 こども達の不安そうな眼差しに、シビラはいつも通り淡々とした、それでいてやわらかな響きの言葉を紡ぐ。
「ああ。それにさっき、私と同じ髪の色をした少女が居ただろう」
 ――彼女が居れば、何ひとつ問題はない。

 やがて、銃撃音が静まった頃。ひょこっと角から顔を出して、露は笑顔を見せた。
「大丈夫? 怪我はないかしら?」
「う、うん」
「ありがと……」
 朗らかな彼女の問いかけに、こども達はおずおずと答える。けれどその表情はまだ硬くて、戦いの余韻はそう簡単には解けないように思えた。
 そこで、うーん、と露は考える。こわい思いをしたあとは、明るくしてあげなくっちゃ。
「なにかないかしら、笑えるネタは……あ、」
「ん?」
 ぱちりと目が合ったのはシビラで、にっこりと露はこども達に再び問いかける。
「黒服のおねーちゃん、怖くなかった?」
「おい」
 静かに物申したそうなシビラにしがみついた少女が、首を横に振る。
「すっごくやさしかったよ!」
 その言葉に目を丸くしたのは、露よりもシビラ本人だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ユキト・エルクード
SPD判定
連携アドリブ歓迎

何か一つ気の利いた言い訳でもしてくれれば可愛げもあるのに問答無用で消しにくるとはな。 どの世界だろうと悪党の腐り具合は変わらない。
雑魚相手にお遊びしている暇はないんで、さっさとご退場願おうか。

【戦術】
敵の攻撃範囲に収められる前に【爆破】や【電撃】属性を宿した【ナイフ投げ】を行って牽制。その最中に同時利用可能なUC【刻影蝕】を使って相手の行動を妨害し、UC【神火分霊葬送陣】を平行発動。群れる雑魚を連鎖爆撃で跡形残らず吹っ飛ばす。

万一懐に入られた時は【受け流し】【カウンター】【急所突き】と繋げて一体ずつ確実に仕留めつつ、機動力が発揮出来る技能を生かして敵を翻弄する。


川村・育代
早速本性を現したわね。
実はどうやってボロを出させるか考えてたんだけど、手間が省けて助かったわ。
これから井戸と同じようにあんたたちの正体もこれ(ドローン)で配信させてもらうわ。
宣伝して欲しかったんでしょ?
良かったじゃない。
新しい井戸も出来たし、きっと町のみんなの話題を独り占め間違いなしね。
戦闘だけど、あたしのこの体は相手を直に殴るのには不向きだから、敵を飛び縄で引き寄せて盾にして一斉発射を受けてもらうなど、敵の攻撃を利用したカウンター狙いで行くわね。



「し、侵入者め! ワイルドフラワーズ、やれ! 大事な生贄を奪わせるな!!」
 猟兵達に向かってそう告げた教団員の顔面を、動画撮影ドローンがアップで映す。慌てた様子の彼らに対し、襤褸切れを羽織った少女の迷彩が解除される。
「早速本性を現したわね」
「お前、ただのガキじゃないな!?」
 今更気づいたって遅い。川村・育代は勝気な表情を見せて笑む。どうやってボロを出させるか考えていたけれど、手間が省けて助かった。
「これから井戸と同じように、あんたたちの正体もこれで配信させてもらうわ。宣伝してほしかったんでしょ?」
 良かったじゃない、と突き放す彼女に向けて、レプリカント達が一斉に銃口を向ける。そんな間に立ったのは銀髪の青年で、ユキト・エルクードは軽く肩をすくめた。
「何かひとつ気の利いた言い訳でもしてくれれば可愛げもあるのに、問答無用で消しにくるとはな」
 どんな世界であろうとも、悪党の腐り具合に変わりはないらしい。瞬時に手元から飛ばすナイフの群れが、機械仕掛けの少女達の眼前で爆発する。
 煙幕の代わりをなしたそれらと共に、ばちばちと電撃が彼女らの全身を襲う。軽い麻痺を起こしながらも、まだ動くことが出来ると判断した少女達は装甲脚を繰り出す――が、その脚は自由には動かない。
「どうした!? さっさとあいつらを殺せ! ガキ共が逃げるだろうが!!」
「その口の悪さ、最低ね。みんな、どう思う?」
 育代の呼びかけに応じるように、ドローンが映し出した映像を見た観客からの声援と教団へのブーイングが、彼女と共闘するユキトの装備の力を高めていく。
 縫い針のようにレプリカント達の内臓部に刺さった影針によって身動きを取れなくしたと同時、ユキトはだん、と漆黒の棍で床を叩いた。
 呼び出された霊峰の神たる焔の分霊が、一斉に少女達へと襲いかかる。連鎖する自爆突撃はすさまじく、爆発音のあとには跡形も残らなかった。

「……多少やりすぎたか?」
「派手なほうが盛り上がるわ」
 ほら、と育代が手元の端末を開けば、そこには市民によるいいねの大喝采が巻き起こっていた。
「新しい井戸も出来たことだし、きっと街のみんなの話題を独り占め間違いなしね」
「それでダストエリアに光が当たるなら、まぁ結果として正解か」
 青年の言葉に、そういうこと、と少女はかえして、ふたりは奥の扉を見遣った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『カルト・メカニック』

POW   :    アームズ・クロール
【無数の腕で加速しての】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【カルト教団の信徒達】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    洗礼の手
【無数の腕】が命中した敵の部位ひとつを捕縛し、引き寄せる。
WIZ   :    カルティズム・ハイロウ
【背中の後光型兵装】から【信仰光線】を放ち、【急激に膨れ上がる信仰心】により対象の動きを一時的に封じる。

イラスト:あなQ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 礼拝室と書かれたプレートのかかった、最奥の部屋。
 その扉を開ければ、敬虔なシスターのような衣服を身に纏った女が居た。
 けれどその表情はひどく歪んだ笑みを浮かべており、ぱきりと膚の一部がひび割れる。

「残念ね、私達の理念をわかちあえる人々が増えたと思ったのに」

 ばきばきと、長いスカートの裾から異様な機械の腕が溢れ出る。

「仕方ないわ……人々にはあなた達ごと骸の雨を浴びせて、同族にすればいいだけのこと」

 無数の腕が、猟兵達にへと伸ばされる。
 歪んだ機械の笑顔と共に、にたりとエラーの後光が放たれた。

「あなたには、思考など必要なくなるのだから」

 ――人間を物言わぬ機械に変えるための、儀式が始まる。
結衣浜・アトゥル
目的地に到着するまでの間に専用通信でメイに連絡
「どうしました、アル」
施設情報が欲しい、できるか
「了解」
【情報収集・情報検索】で施設構造を把握できたら、覚悟を決め戦場に踏み込んでいく

彼女がこの場の指導者か
…万が一にも確固とした信仰を持っていたならばと思っていたが、残念だ

方針:支援重視。洗脳状態の信者がいるなら解放する

一同の前に飛び出し、後光の攻撃に対して〔千斬刀〕で光線ごと【かばう・早業・切断】
これは光以外は一切斬れない、本来は無意味な刃
だが人心を惑わす幻の後光など、容易に裂く!

そして信仰とは一面だけで成り立つと思うな!
頃合いを見て【指定UC】を発動し、阿修羅を顕現
味方や操られている信者たちを法力で一斉治療し避難させる
さあ行け!ここはもうすぐ崩壊する!

構造情報を元に、近隣に影響が及ばないよう御した阿修羅で施設破壊を開始
破壊の妄執に捕らわれる事に耐えながら、味方の戦いを守る
|防ぎ給え《サンバラ》、|抑え給え《サンバラ》

信仰は個人の心奥から湧くものだ
与えるなどと、軽はずみな事はするものじゃない



『メイ』
 礼拝室の前、結衣浜・アトゥルは人工知能へと呼びかける。
『どうしました、アル』
「施設情報が欲しい、できるか」
 主の問いかけにただ一言、了解、とだけメイは発音。その後、あっという間に行われた情報検索によって、青年は施設構造を把握する。開け放った扉の先、おぞましい容をした女の姿に、眉をひそめた。
「……万が一にも確固とした信仰を持っていたならばと思っていたが、残念だ」
 指導者を名乗る女へのひとりごとに、カルト・メカニックはにたりと微笑む。
「それは此方の台詞だわ。肉体という器を棄ててこそ、あなたも穏やかに生きていけるでしょう」
 彼がこの現世へ舞い戻ってきた理由を知ってか知らずか、そう告げた途端、煌々と女の後光がひかりを帯びる。一気に放たれる光線が味方を彩る前に、青年は飛び出した。
 ひと振りの日本刀が、ひかりの帯を切り裂く。光以外は一切斬れぬ、本来ならば無意味な|鈍《なまくら》の刃。
「だが人心を惑わす幻の後光など、容易に裂く!」
 たん、とつよく足を踏みしめる。相手からは一切視えない双眸は、確かに斃すべき怨敵を睨む。
「そして信仰とは一面だけで成り立つと思うな!!」
 ごうごうと、焔よりも昏い闘気をくゆらせて、背の高いアトゥルの数倍ものおおきさを成した鬼神が顕現する。
 その恐ろしさとは裏腹に、うつくしい清らかな空気が漂ったかと思えば、未だ残っていた信者達の洗脳が解けていく。
「わ、私は一体……」
「此処はどこだ? 俺はどうして、」
 きょとんとした様子の信者達へと、青年は声を荒げて叫ぶ。
「すぐに行け! ここはもうすぐ崩壊する!!」
 慌てた様子で去っていく信者を見送る余裕はない。すべてを殺せと囁く妄執が、アトゥルの頭をじりじりと狂わせる。けれど理性など存在しない鬼神を制御できるのは、彼だけ。
 メイから預かった構造情報を基に、近隣に影響の及ばぬ範囲で施設を着実に壊していく。ぽたぽたとこぼれる汗を拭うこともなく、青年は祈りを呟き、味方の戦いを死守する。
 ――|防ぎ給え《サンバラ》、|抑え給え《サンバラ》。
「信仰は、個人の心の奥から湧くものだ……ッ」
 与えるなどと、軽はずみなことはするものじゃない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユキト・エルクード
SPD判定
(アドリブ・連携歓迎)

笑わせやがる。こんな腐った稼業やってるならテメェも分かってるだろ。
雇った覚えも顔も知らないニンジャが遊びに来るのがどういう意味なのかをな。
テメェは元の形すら残らないと知れ。

【戦術】
俺は優しいから奴が腕を使っての戦闘を望むなら望み通りにしてやろう
相手の大量の腕を使った攻撃は【受け流し】【見切り】【カウンター】等の技能でいなしつつ、神火を利用した【推力移動】と【ダッシュ】を組み合わせた三次元機動で急接近

相手の死角に沿うようにUC【刻影蝕】を打ち込みつつ、UC【怪祟忍殺】を発動。こちらを捕えに来た腕と首をへし折った挙句、奴の目の前で摘出したジェネレータを握り潰してやる



「は、笑わせやがる」
 ぱらぱらと崩れていく瓦礫を軽く避けて、ユキト・エルクードは女へと吐き捨てる。
「こんな腐った稼業やってるなら、テメェも分かってるだろ」
 雇った覚えも顔も知らないニンジャが遊びに来るのが、どういう意味なのかを。
「まぁ、困った人。そんな横暴さはいけないわ、今すぐ大人しくなってもらわないと」
 スカートの端から、うつくしくもおぞましい腕の群れが伸びる。観音菩薩のごとく、無限にも思える機械腕が青年へと突き出されていく。
 目にも留まらぬ速さを越えて、ユキトの身のこなしはあまりにも素早い。一瞬、青銀の髪がふわりと流れた時のこと、神焔を宿した推力移動で青年の身体が一気に戦場を駆け抜ける。
「追いかけっこは嫌いじゃないわよ。けれどそろそろ捕まってちょうだ……あ?」
 ユキトが素早く背後をとれば、女の頸めがけて影の含み針が撃ち込まれる。突如身動きを止められたカルト・メカニックの無数の腕を迎えるように、彼の暗殺術が叩き込まれた。
「因果応報って知ってるか?」
 知ってて当然だよな、とユキトは言葉を続ける。女は自分に報いが来ることまでは、理解できていないようだけれど。
 引き摺り出された腕はへし折られ、油と火花と幾千ものケーブルが剥き出しになる。その首を一気にねじ切れば、摘出されたジェネレータがうつろな女の眼前で握り潰された。
「テメェは元の形すら残らないと知れ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

川村・育代
あたしの『育代』という名前は『次の時代を担う子供達を守り、育て、導く者』という願いを込めて付けられた物。
子ども達の幸せはあたしの存在理由その物。
だからこそ、子ども達を単なる素材、商品として金儲けの道具にするような相手は絶対に許さないわ。
(特にここは人間の生体パーツを使ったサイボーグ兵器がそこら中にいる世界、その後どうなるか想像できるから)
(魔法少女のステッキを高く掲げて)『……アルティメット・メタモルフォーゼ!!』
あたしを構成する全てを直に敵を殴ることに特化させたこの身体で戦うわ。
(髪から衣装までピンク色基調の魔法少女スタイル)
具体的には魔法少女らしく魔法パンチや魔法キックなど魔法(物理)を駆使しての殴る蹴るで攻撃するわ。
(呪詛+属性攻撃で呪詛の力を拳や蹴りに乗せて攻撃)
信仰光線は魔法少女のコンパクトの鏡ではね返したり、迷彩で分身を出して誤爆させて対抗するわ。
(カウンター+迷彩+呪詛耐性)



 カルト・メカニックの壊れかけた首は、いまだ残り僅かなケーブルで胴体と繋がっている。そうしてけたけたと嗤う姿は醜悪そのもので、川村・育代はきゅっと眉をひそめた。
「あたしの名前は、“次の時代を担うこども達を守り、育て、導く者”という願いを込めてつけられたもの。こども達の幸せは、あたしの存在理由そのものだわ」
 ――だからこそ、彼らを単なる素材、商品として金儲けの道具にするような相手を、許すことはできない。
「まぁ、とっても素敵な名前ね。名前は万物のすべてに意味を宿すものだもの……それを棄て去ってしまえば、自分の存在理由に悩む必要もなくなるわ。そうでしょう? 育代ちゃん」
 明らかな嘲笑をもって名を呼んだオブリビオンの眼前で、少女は愛らしい魔法のステッキを高く掲げる。
「……アルティメット・メタモルフォーゼ!!」
 髪から手足の先までも、夢見るこども達の理想を具現化したようなピンクに染まった魔法少女めがけて、いまだ健在な後光がひかりを帯びる。そうして放たれた光線は、変身アイテムのコンパクトミラーが弾き返す。
 一度は崩れた壁にぶつかった光線は、ふたつみっつと乱反射。それなら、と少女が瞬きした瞬間。育代の姿は複数人に増えたかと思えば、標的を違えた光線が分身へと向かう。
 誤爆したひかりと煙の渦のなか、ちいさなヒロインは一気に敵へ距離を詰めた。
 握った拳は星とハートのエフェクトを抱えて、女の胴を殴りつける。悪霊としての呪詛を魔法に変えて、力をこめたパンチは力強い。
 けれど、それだけで墜ちることはない敵の眼前、今度は瓦礫を踏んづけて跳躍。
 ちいさな電子の肉体を構成するすべては、直接悪を殴ることだけに特化されている。誰でもない、大切なこども達のために、魔法の力はカラフルな虹色のひかりと成って片足に纏わりつく。
「もう二度と、あなたにこども達を傷つけさせない!!」
 決意の言葉と共に、少女の蹴撃が女の胴のまんなかを貫通していく。その残像は、虹色の花が咲いたようにうつくしかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シビラ・レーヴェンス
露(f19223)
この教団のボスの言には異を唱えたいが…徒労だろうな。
私とボスの考えは常に平行線で重なることは皆無だろう。
教義は理解できないだろうし私の意見は届かないはずだ。
教団は『善意』に隠した『私欲』を行っていたのだから。
教団が力でくるならば話は早い。こちらも同じ手段でいく。
…。
ここに住まう者達がオブリビオンに変えられるのは阻止だ。

パフォーマンスで身体機能の底上げをしリミッター解除を。
次に封印を解き限界突破して全力魔法と属性攻撃を付与だ。
更に範囲攻撃も付与して高速詠唱で【禍の魔杖】を行使。
「赤い制裁を受けろ」
関節部分を狙い貫通攻撃を付与した『剣』達を放とうか。
攻撃は見切りと野生の勘と第六感で紙一重で回避しよう。
『剣』でボスの注意を惹き付け露にとどめをさして貰う。

戦いが終了したら教団の物資を区域の者達に提供しよう。
どうせ教団員はこの層から撤退か移動するだろうからな。
だったら区域の者達のために有難く使わせて貰う。
施設も住居の一つとして使用できるよう細工をしておく。
「…やれやれ。手間だ」


神坂・露
レーちゃん(f14377)
保護した子供達はとってもとっても可愛かったわ♪
そしてレーちゃんもとってもとっても可愛かった♪
お仕事全部終わったらまた逢いに行きましょ♪

ん。その前にしなくちゃならないことがあったわね。
ボスって人を倒すんだけど立派な機械ね。機械だわ。
通路に居た女の子の機械とは違ってボス不気味ねー。
リミッター解除して限界突破して二本の愛剣持って。
オーラ防御を纏ったら【銀の舞】で斬っちゃうわ♪
それと見切りと野生の勘と第六感で攻撃を回避して。
…あ♪レーちゃんが赤い剣で援護してくれてるわ。
うん!それならあたしは思い切りできるわね!!

沢山ある腕が邪魔だから初めに斬っちゃうわ。わ♪
それから首を…頭に何か刺さっちゃってるわね…。
頭が痛くないのかしら?ボスさんって。痛くない?
え?機械に痛覚はないから痛くないの?へーへー!
うーん。首斬ったら停まるかしら?弱点かしら?
…ちょっと抵抗あるけど首を斬っちゃうわ。

「どこ行くの? どこ行くの? レーちゃん?」
戦いが終わってからこの施設を調べ始めたわ。



 すこしばかり鼻歌まじり、神坂・露はさきほど保護したこども達を思い出す。素直な彼らはとてもいい子で、とってもとってもかわいかった。
「そしてレーちゃんもとってもとってもかわいかったわ♪ お仕事全部終わったら、また逢いに行きましょ♪」
「どうでもいい話はあとだ、露」
 シビラ・レーヴェンスに促され、ん、と軽く頷く。まだ、おおきな最後の仕事が残っているのだから。崩壊寸前の部屋は、味方の猟兵によって戦場となる空間を守られている。その中央で、瓦礫と共に無残な姿を晒したカルト・メカニックを、少女達はまじまじと見つめた。
「通路に居た女の子達とは違って、不気味な見た目ねー」
 壊れたようにけたけたと笑い続ける首は、数本の丈夫なケーブルでなんとか胴体と繋がっている。無数の腕は地面にだらりと這いつくばって、火花を散らしながらまだ動き続けていた。
 露の隣、親友のシビラはつめたい眼差しをオブリビオンへと向ける。この女の言にはしっかりと異を唱えたかったけれど、
「……徒労だろうな」
 少女と女の考えは、おそらく常に平行線。シビラにはこの機械の宣う教義は理解できないだろうし、そして相手に彼女の意見は届かない。そもそも、教団は“善意”に隠して“私欲”を肥やし続けていたのだから。
 道が重なることは皆無だと、残念がる様子もないため息がもれた。
 そのひと息は、これから始まる女の最後の悪あがきに応じるための準備。
「あちらが力でくるならば話は早い。こちらも同じ手段で行く」
「ええ、わかってる――百倍以上に返しちゃいましょ♪」
 この地区に住む人々が、オブリビオンにされることを阻止するために、まずは露がふわりと地を蹴った。
 ふた振りの愛剣を手にした彼女めがけて、ぞるりと動いた洗礼の御手の群れ。地を這うように狙う腕、宙を泳ぐように飛んでくるゆびさき。露は自身の持つ第六の感覚と、獣よりも鋭い勘で、手腕の波を躱していく。ふいにその脚に触れようとした機械手が、真っ赤な剣に縫い留められる。
「レーちゃん!」
 機械のようにはいかないけれど、電子と魔法を操る魔女にとって、己のパフォーマンスを底上げするのは赤子の手をひねるよりも簡単なこと。
 幼い躰に封印していた力を解き放ち、シビラの唇がまじないを唱える。赤いひかりの魔法陣が、ダンピールの足元に浮きあがった。
「Dezlănțuiți cu nouă taste!!」
 |禍の魔杖《レーヴァテイン》と名付けられた魔法の威力は、親友として露もよく知っている。
迫りくる腕の関節部分に突き刺さった赤い刃は、瞬く間にその部位を壊死させた。
「赤い制裁を受けろ」
 レーちゃんが、援護してくれいる。それだけで露はなんでもできる気がした。
「うん! それならあたし、おもいっきりできるわね!!」
 巻いたマフラーも、身に纏っていたシャツも脱ぎ捨てて、その身は羽のように軽くなる。流れるように銀髪を靡かせて、少女はおぞましい機械の御手の波へと自ら飛び込んでいく。
「邪魔だから全部斬っちゃうわ、わ♪」
 楽しげに微笑んでふたつの刃が斬り裂いていく様は、銀の色彩が朝日に輝く湖面のごとく。ついに女の胴体まで近づいて、愛剣が首と繋がっているケーブルを断つ。
 ばちばちと烈しい火花を散らした時、胴体が最後の力を振り絞るように露を襲う。
「そこまでだ」
 シビラが一言告げたと同時、紅に染まる剣がその場に留める。力なく崩れ落ちた胴体がもう動くことはなく、残った頭部がぎょろりと目玉を回転させて。
「ふふ、ここまでされても……私は痛みを感じないのよ。羨ましいでしょう?」
「へーへー! 頭になにか刺さっちゃっても、首だけになっても痛くないのね?」
 驚いた様子の露がそっと頭部を抱きあげる。そうして、でも、と言葉を続けた。
「あなた、もうすぐ停まっちゃうわ。頭を壊せば、喋らなくなるでしょう?」
 すこし抵抗があるけれど、これ以上彼女が悪いことを喋らないように。
 ――そうして、ナイフが突き刺さる。

 壊滅した教団施設の一部は、アトゥルの制御とシビラの細工によって、住居のひとつとして使えるようになった。
 教団が貯蓄していた物資もダストエリアの市民達に提供され、以前よりは生活のしやすい環境へと改善されていく。
 完成した井戸も骸の雨に侵されることなく、住民達の喉を潤すことだろう。
「シスターさん、どこ行っちゃったんだろう」
「……きっと、俺達を助けたあとは、次の誰かを助けに行ったのさ。まずは猟兵さんにお礼を言おう」

 ことの真相を知っている大人は、まだ理解しきれていない幼子にそう告げる。
 大切なのは、少年少女に味方になってくれる人々の存在を教えてやることだから。

 すくなくとも、猟兵達はその味方になったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年04月13日


挿絵イラスト